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OCHIホールディングスの年収は757万円ではない|越智産業492万円と評判

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収の実額:有報の757.1万円は持株会社46名の数字。現場は約491.9万円
  • 応募先:働く会社は持株会社ではなく越智産業などの事業会社
  • 業態:卸に加工・施工を足した建材問屋大手5社の一角(福岡本社)
  • 収益構造:売上1,204億円に対し営業利益率1.39%の薄利型

OCHIホールディングス株式会社(証券コード3166・東証スタンダード市場/福岡証券取引所に重複上場)を検索すると、上位に出てくるのは株価・株主優待・配当といった投資家向けの情報か、口コミサイトの断片です。一方で「平均年収757万円」と紹介する年収まとめサイトもあり、実態がつかみにくい会社になっています。この記事は投資判断ではなく、転職・就職判断のための記事です。第16期有価証券報告書(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年6月22日提出)の一次データをもとに、「実際に応募するのはどの会社か」「そこでいくら受け取れるのか」を数字で切り分けて整理します。

OCHIホールディングスとは|福岡発・建材問屋大手5社の一角

最初に押さえるべき結論は、OCHIホールディングスは自社で建材を売る会社ではなく、グループを統括する純粋持株会社であるということです。ここを取り違えると、年収も仕事内容も実態とずれた情報を見ることになります。

公式会社概要によると、本社は福岡県福岡市中央区那の津三丁目12番20号、資本金4億円、代表取締役社長執行役員は越智通広氏です。創業は1955年(昭和30年)5月18日で、1958年に株式会社越智商店として法人化されました。持株会社であるOCHIホールディングス株式会社は、2010年10月1日に越智産業株式会社の株式移転によって設立され、福証上場を経て2013年11月に東証二部、2014年11月に東証一部、市場区分再編を経て現在のスタンダード市場に至ります。

グループの中核事業会社である越智産業は、合板・木材・住宅設備機器・建築金物などを工務店やビルダーに卸す住宅建材商社で、九州・西日本ではトップクラスの規模を持ちます。業界ではJKホールディングス、ジューテック、ナイス、クワザワと並ぶ建材問屋大手5社の一角として位置づけられる存在です。首都圏・横浜・北海道に地盤を持つ競合に対し、福岡本社で西日本を押さえているのが同社の立ち位置になります。

正式表記は「OCHIホールディングス」|「越智ホールディングス」は表記揺れ

検索の実測データでは「越智ホールディングス 株価」「越智ホールディングス株式会社」といった漢字表記のキーワードも一定量あります。ただし公式情報として、商号はアルファベット表記の「OCHIホールディングス株式会社」です。漢字の「越智」が正式名称に使われるのは、中核事業会社の越智産業株式会社と、創業家の姓においてです。応募書類や面接でどちらを指しているのかを混同しないよう、記事内でも以下のように呼び分けます。

  • OCHIホールディングス株式会社:上場している持株会社(証券コード3166)。従業員46名
  • 越智産業株式会社:建材卸の中核事業会社。従業員369名。求職者が実際に応募する主な会社
  • ヨドプレ株式会社:加工事業を担う事業会社。従業員162名

なお、社名が似た別法人(越智製作所など)も存在するため、企業を特定する際は証券コード3166・福岡市中央区・持株会社という3点で確認すると誤りが起きにくくなります。

応募先は持株会社ではなく越智産業などの事業会社になる

OCHIホールディングスの採用ページは、グループ各社の採用ページへのリンク集という構成になっています。持株会社としての一括採用情報・初任給・募集職種の記載は公式サイトに掲載されておらず、初任給や新卒採用条件は確認できなかったため、条件面はグループ各社の採用ページと、内定時の労働条件通知書で確認する必要があります。

応募先が建材卸の越智産業か、プレカット・金属加工のヨドプレか、エンジニアリング事業の施工会社かによって、仕事内容も年収帯も働き方も変わります。「OCHIホールディングスに転職する」ではなく「グループのどの会社に入るか」で考えるのが、この会社を検討するときの正しい入り口です。

OCHIホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。持株会社と事業会社で数字がまったく異なるため、対象範囲を必ず併記しています。

項目内容
平均年間給与(提出会社)7,571千円(約757.1万円・対前事業年度△7.2%)/対象は持株会社46名のみ
平均年間給与(越智産業)4,919千円(約491.9万円・前年度比+1.6%)/369名
平均年間給与(ヨドプレ)4,680千円(約468.0万円・前年度比△1.0%)/162名
平均年齢提出会社53.8歳/越智産業46.0歳/ヨドプレ41.6歳
平均勤続年数提出会社7.3年/越智産業13.6年/ヨドプレ12.9年
従業員数連結1,742名(2026年3月31日現在)/提出会社46名
セグメント別人員建材752名/環境アメニティ167名/加工342名/エンジニアリング380名/その他55名/全社共通46名
売上高1,204億3,200万円(2026年3月期・連結/前期比+2.9%・過去最高)
営業利益16億6,900万円(同+13.5%/営業利益率1.39%)
経常利益・純利益経常22億4,200万円(+16.2%)/当期純利益13億900万円(+25.9%)
資本効率ROE5.32%/ROA1.89%
労働組合提出会社・越智産業・ヨドプレのいずれも結成されていない
管理職に占める女性割合提出会社8.8%
本社所在地福岡県福岡市中央区那の津三丁目12番20号
上場区分東証スタンダード市場/福岡証券取引所(重複上場・証券コード3166)
継続企業の前提第16期有価証券報告書に記載なし
出典第16期 有価証券報告書(2026年6月22日提出)/公式IR資料

OCHIホールディングスの年収|有報757.1万円は持株会社46名の数字

結論を先に書きます。転職検討者が受け取る水準として妥当なのは約492万円で、757万円ではありません。この差は誤情報でも推測でもなく、同じ有価証券報告書のなかに両方の数字が並んで載っていることに起因します。ここを理解できるかどうかで、この会社の見え方が180度変わります。

転職検討者
転職検討者

年収まとめサイトには757万円と書いてあったのに、実際は492万円なんですか?

提出会社46名=757.1万円が意味するもの

有価証券報告書によると、提出会社(=OCHIホールディングス株式会社そのもの)の従業員数は46名、平均年間給与は7,571千円(約757.1万円)、対前事業年度増減率は△7.2%です。平均年齢53.8歳、平均勤続年数7.3年という数字も併記されています。

この46名は、経営企画・財務・人事・IRといったグループ全体の経営管理機能を担う人員です。連結従業員数1,742名と比べると、人員の乖離倍率は約37.9倍。つまり有報の「提出会社」欄は、グループで働く人の約2.6%しかカバーしていません。平均年齢が53.8歳と高いのも、若手を含む現場ではなく管理職層に人員が偏っているためと考えられます(推定情報)。

年収まとめサイトの多くは有報の「提出会社」欄だけを転載するため、「OCHIホールディングス 平均年収757万円」という数字が独り歩きしています。純粋持株会社の銘柄で共通して起きる読み違いです。

「最大人員会社の状況」に載る越智産業491.9万円・ヨドプレ468.0万円

ここからがこの会社の重要なポイントです。OCHIホールディングスの第16期有価証券報告書は、提出会社の数字だけで終わらせず、「最大人員会社の状況」として事業会社2社の実額まで開示しています。持株会社銘柄では開示のない企業も多く、現場の給与水準を一次情報で追える希少なケースです。

対象会社従業員数平均年間給与前年度比平均年齢平均勤続年数
OCHIホールディングス(提出会社・持株会社)46名約757.1万円△7.2%53.8歳7.3年
越智産業株式会社(建材卸の中核)369名約491.9万円+1.6%46.0歳13.6年
ヨドプレ株式会社(加工事業)162名約468.0万円△1.0%41.6歳12.9年

持株会社の757.1万円と、中核事業会社である越智産業の491.9万円の差は約1.54倍です。金額にして約265万円の開きがあります。求職者が実際に配属されるのは越智産業やヨドプレなどの事業会社ですから、検討の基準に置くべきは約492万円ということになります。持株会社単体の757万円を「OCHIの平均年収」として扱うと、期待値を大きく取り違えることになります。

方向感も分かれています。提出会社が対前事業年度△7.2%と減少している一方、越智産業は+1.6%と増加、ヨドプレは△1.0%と微減です。持株会社側の減少は役員構成や在籍者数の変動でも動きやすく、現場の給与動向とは別物として読むのが妥当です(推定情報)。

口コミ平均443万円との照合|二次情報とのズレは小さい

口コミ傾向としては、エン カイシャの評判に掲載されている口コミベースの平均年収は約443万円(回答者の平均年齢41歳)で、年収レンジは200万〜530万円程度とされています。転職会議でも年収カテゴリの投稿は7件程度と母数は少なく、参考値として扱うべき水準です。

それでも、この443万円という数字は有報の越智産業491.9万円(平均年齢46.0歳)とおおむね整合します。口コミ回答者の平均年齢が5歳ほど若いことを踏まえれば、差はほぼ年齢構成で説明がつく範囲です。公式情報と口コミが同じ方向を指しているのは、この会社の年収データを読むうえで安心材料と言えます。逆に言えば、757万円という数字だけが両者から浮いていることになります。

転職時に確認すべきポイントは次の3点です。

  • 応募先が越智産業か、ヨドプレか、エンジニアリング事業の施工会社かで年収帯が変わる点
  • 越智産業は平均年齢46.0歳・勤続13.6年の組織で、その平均値には長期勤続者の水準が含まれている点
  • 賞与の水準・昇給の頻度・役職手当の設計は有価証券報告書では開示されていないため、労働条件通知書で確認する必要がある点

平均年齢と勤続年数から読むOCHIグループの組織像

年収の絶対額と同じくらい、転職判断に効くのが「どういう人がどれくらい長く働いているか」です。ここも持株会社と事業会社で性格がはっきり分かれます。

提出会社は平均年齢53.8歳・平均勤続7.3年。年齢が高いのに勤続が短いという組み合わせは、2010年設立の持株会社に事業会社から転籍・出向してきた管理職層が中心であることを示していると考えられます(推定情報)。一方で越智産業は平均年齢46.0歳・平均勤続13.6年、ヨドプレは41.6歳・12.9年です。

事業会社側の勤続13年超は、卸売業の平均と比べてもかなり長い水準です。ここから読み取れるのは次のような組織像です。

  • 定着型の組織:入社後に短期で人が入れ替わる構造ではなく、長く在籍する人が多数派を占める
  • 年功色が残りやすい:勤続が長い層が厚いほど、評価・昇進が在籍年数と連動しやすくなる
  • 中途にとっての意味:新卒からの長期在籍者が多い環境に途中から入る形になるため、人間関係の作り方が成果に直結しやすい

また公式情報として、労働組合は提出会社・越智産業・ヨドプレのいずれも結成されていません(有報には労使関係は円満と記載)。提出会社の管理職に占める女性割合は8.8%です。組合がなく定着率が高いという組み合わせは、労使交渉による賃上げ圧力がかかりにくい一方で、離職による人材流出も起きにくい構造と考えられます(推定情報)。

5セグメント約30社|「商社+メーカー+工事会社」という業態

OCHIグループを「建材の卸売会社」とだけ理解すると、仕事内容の幅を見誤ります。同社は卸に加えて、加工工場と施工部隊を自前で抱える複合体です。連結子会社は約30社、5つのセグメントで構成されています。

セグメント会社数従業員数事業内容
建材事業13社752名合板・木材・住宅設備機器・建築金物などの卸売(越智産業が中核)
環境アメニティ事業2社167名業務用冷凍冷蔵・空調・厨房機器の販売
加工事業3社342名木材・住宅部材のプレカット、金属加工(ヨドプレ等)
エンジニアリング事業6社380名建設工事の設計・施工・監理
その他3社55名介護、給油所、産業廃棄物、運送等

注目すべきは人員構成です。連結1,742名のうち、純粋な卸売である建材事業は752名で全体の約43%にとどまります。加工事業342名とエンジニアリング事業380名を合わせた722名は、建材事業とほぼ同規模です。つまり社員の4割強が、モノを流す仕事ではなく「加工する」「工事する」仕事に従事しています。

これは転職検討者にとって、次のような実利的な意味を持ちます。

  • 職種の選択肢が広い:ルート営業だけでなく、工場の生産管理、施工管理、設備系の技術職まで社内に存在する
  • 身につく専門性が異なる:卸売の商流知識か、プレカット・金属加工の製造知識か、建設工事の施工管理経験か
  • 転職後の市場価値も分かれる:施工管理や設備系の有資格経験は建設・住宅業界全体で通用しやすく、業界外への持ち出しやすさが変わる

住宅建材業界全体を見ると、新設住宅着工の縮小を受けて各社がリフォーム・非住宅・高付加価値商品へ販路を広げる動きが共通のテーマになっています。OCHIグループが加工・施工まで川下に踏み込んでいるのは、この業界潮流に沿った動きと言えます。ただし川下に出るほど工事の採算管理や工程管理のスキルが問われるため、「商社に入るつもりが施工管理をしていた」という配属ギャップが起きうる点は、応募段階で確認しておくべきポイントです。

業績分析|売上1,204億円・営業利益率1.39%をどう読むか

2026年3月期の連結業績は、公式情報として売上高1,204億3,200万円(前期比+2.9%)で過去最高を更新、営業利益16億6,900万円(同+13.5%)、経常利益22億4,200万円(同+16.2%)、当期純利益13億900万円(同+25.9%)です。ROE5.32%、ROA1.89%。数字だけ見れば増収増益で、継続企業の前提に関する注記も第16期有価証券報告書には記載がありません。

ただし、転職判断で見るべきは売上の大きさではなく営業利益率1.39%という薄さです。売上1,204億円に対して営業利益は16.7億円。売上が1%変動しただけで営業利益が数億円動く構造で、「売上1,000億円企業だから給与も高いはず」という直感は、この業態では成立しません。実際、越智産業の平均年間給与491.9万円という水準は、この収益構造と整合しています。

経常利益が営業利益を5.7億円上回る構造

もう一つの特徴が、経常利益22億4,200万円が営業利益16億6,900万円を約5.7億円上回っている点です。通常、経常利益は営業利益から金融費用を差し引いて算出されますが、同社は受取配当金などの営業外収益が利益を押し上げる構造になっています。

これは仕入先・取引先との相互持ち合いを含む安定株主構造の裏返しでもあります。大株主にはSMB建材3.74%、伊藤忠建材3.23%、住友林業3.16%、吉野石膏2.28%と、建材業界の取引先が並びます。同じ卸売業でも、同バッチで比較したジオリーブグループ(3157)も同型の構造を持っており、建材流通の持株会社に共通する特徴と考えられます(推定情報)。

働く側の視点では、本業の営業利益だけで人件費原資を大きく積み増すのは容易ではないという読み方になります。裏を返せば、営業外収益が下支えするぶん収益の振れは緩和されやすく、急激な業績悪化による処遇変動は起きにくい構造とも言えます。

建材事業の減収とM&A・エンジニアリング依存

過去最高の売上高を支えているのは、主力の建材事業ではありません。中間期時点のセグメント別売上高は、建材事業345億4,500万円(前年同期比△2.5%)、環境アメニティ事業85億1,000万円(同△1.9%)、加工事業72億7,600万円(同+6.5%)です。なお通期のセグメント別実額は確認できなかったため、通期の内訳は公式IRで確認してください。

この中間期の内訳から読み取れるのは、次の構図です。

  • 主力の建材卸は前年同期比で減収しており、新設住宅着工戸数の減少という構造的逆風を直接受けている
  • 増収を牽引しているのはM&A効果とエンジニアリング事業の伸長であり、既存事業の自然成長ではない
  • 2026年6月24日には株式会社キョウワの株式取得(子会社化)を発表しており、M&Aによる事業ポートフォリオ転換は現在進行形

直近では2027年3月期第1四半期に売上高305億円(前年同期比+3.8%)、営業利益6億円(同+42.7%)と大幅増益で立ち上がっています。一方で、増収がM&Aに依存している以上、買収先の統合(PMI)が想定通り進まない場合の下振れ余地は残ります(推定情報)。中途入社でPMIや管理会計の経験がある人材は、この局面で相対的に価値を出しやすいと考えられます。

卸売業5社比較|売上・利益率・給与開示姿勢の違い

東証33業種分類で同じ「卸売業」に属する5社を並べると、OCHIホールディングスの位置づけがはっきりします。ただし決算期が3種類あり、売上規模も従業員数も大きく異なるため、単純な優劣比較ではなく構造の違いとして読んでください。

企業名(コード)決算期連結売上高営業利益(利益率)連結従業員数有報の平均年間給与(対象)
OCHIホールディングス(3166)2026年3月期1,204.32億円(+2.9%・過去最高)16.69億円(+13.5%/1.39%)1,742名(提出会社46名)757.1万円は持株会社46名のみ。事業会社は越智産業491.9万円/ヨドプレ468.0万円を開示
ジオリーブグループ(3157)2026年3月期1,857.54億円(+5.5%)21.15億円(1.14%)1,870名(提出会社91名)690.6万円は持株会社91名のみ。事業会社はジューテック725.0万円/井桁藤553.2万円を開示
TOKAIホールディングス(3167)2026年3月期2,448.38億円(+0.56%・5社中最大)186.99億円(+11.0%/7.6%・5社中最高)5,033名(提出会社99名)695.1万円は持株会社99名のみ。事業会社の給与は開示なし
大光(3160)2026年5月期795.49億円(+6.2%・過去最高)1.59億円(△80.3%/0.2%・5社中最低)592名〔臨時520名〕(提出会社583名)553万円(持株会社ではない)
アゼアス(3161)2026年4月期82.90億円(+3.3%・5社中最小)1.92億円(2.3%)148名〔臨時64名〕(提出会社127名)510.1万円(持株会社ではない)/自己資本比率80.7%

この表から読み取るべき論点は4つあります。

  • 規模の開きが極端:売上は最大のTOKAIホールディングス2,448.38億円と最小のアゼアス82.90億円で約29.5倍、連結従業員数も5,033名と148名で約34倍の差があります。同じ「卸売業」でも比較の前提がまったく違います
  • 営業利益率の差が約38倍:TOKAIホールディングス7.6%から大光0.2%まで開いています。生活インフラ(LPガス・情報通信・CATV)は顧客との継続課金型で利益率が高く、建材・食品の流通は取扱高が大きく利幅が薄い。OCHIの1.39%は建材流通としては標準的な水準で、TOKAIと比べて劣っているのではなく、そもそも収益モデルが異なります
  • 持株会社3社の開示姿勢が分かれる:ジオリーブグループとOCHIホールディングスは事業会社の給与実額を開示していますが、TOKAIホールディングスは開示していません。求職者にとっては、開示している2社のほうが入社後の年収を事前に検証できる分、情報の非対称性が小さいと言えます
  • 直接の競合が同じ表に並んでいる:ジオリーブグループの中核事業会社ジューテックと、OCHIの越智産業は、いずれも建材問屋大手5社に数えられる直接の競合です。事業会社ベースで比べるとジューテック725.0万円に対し越智産業491.9万円と差がありますが、ジューテックは首都圏地盤、越智産業は九州・西日本地盤で、勤務地の物価・給与水準の地域差も含まれる点に注意が必要です(推定情報)

決算期は大光が5月期、アゼアスが4月期、残り3社が3月期です。年度が異なる数値を並べているため、比較の際は必ず対象期を確認してください。

OCHIホールディングス・越智産業の評判と口コミ傾向

口コミの母数は、エン カイシャの評判が114件・総合3.1点、転職会議が42件・総合3.3点、就活会議が49件という規模です。Yahoo!しごとカタログには越智産業名義の口コミも蓄積されています。OpenWorkは十分な件数の掲載が確認できなかったため、口コミ傾向としては中堅規模の地方本社企業らしく母数はやや少なめで、個別の投稿を過度に一般化しないことが前提になります。

そのうえで、投稿傾向は明確に二極化しています。

評価が高い側:人間関係・休日・残業時間

項目別満足度では、職場の人間関係が82%と最も高く、休日・休暇78%、勤務時間75%が続きます。「上の方とも接しやすい」「福利厚生がほぼ完備」といった投稿が見られます。月間残業時間はエン カイシャの評判の集計で33時間程度とされ、卸売・建材業界のなかで突出して長時間労働という水準ではありません。

この傾向は、有報の平均勤続年数13.6年(越智産業)という定着の良さとも整合します。働き続けやすさという点では、数字と口コミが同じ方向を指しているのがこの会社の特徴です。

指摘が集まる側:組織風土と評価制度

一方で最も一致度が高いネガティブ論点は、組織風土と評価制度です。口コミ傾向としては「昭和な価値観で古い体質」「ボトムアップの意見はほとんど取り入れられず、下からの意見が通りにくい」といった指摘が複数の口コミサイトで共通しています。評価制度についても「年功序列がまだ残っている」「昇進試験等がなく長く勤めていれば役職が付く」「役職がついても給料がほとんど変わらない」という投稿が見られます。

給与についても「同業他社と比べると見劣りする」「昇給は年1回」という指摘があります。項目別評価では「活気のある風土」2.9点が最低、次いで「実力主義」3.1点、「会社の成長性・将来性」3.2点という並びです。

これらを事実データと重ねると、次のように整理できます(推定情報)。

  • 労働組合が3社とも結成されていないため、賃金・評価制度の見直しがボトムアップで動きにくい構造がある
  • 勤続13.6年という長期定着は、裏返せば人材の入れ替わりが少なく、組織文化が更新されにくいことも意味する
  • 創業家関連で約34%を保有する資本構成も、外部からの経営規律や少数株主・従業員の声が届きにくい方向に働きうる

総じて、「人間関係・休日・残業時間は評価されているが、給与水準と成長実感、変化のスピードには不満が集まりやすい」という、地方オーナー系の老舗商社に典型的な評価パターンです。どちらを重く見るかで、この会社の評価は正反対になります。

将来性|新設住宅着工減の逆風と川下シフト

将来性を考えるうえで最初に押さえるべき事実は、市場そのものが縮んでいるということです。国内の新設住宅着工戸数は2025年に74万戸台(前年比約6.5%減)と3年連続で減少し、持ち家・貸家・分譲のいずれもマイナスでした。住宅ローン金利の上昇と建築コスト高が背景にあり、少子化と世帯数減少により中長期の縮小トレンドは変わらないとみられています。建材流通は着工戸数に売上が直結するため、この逆風は同社の主力事業を直撃します。実際、中間期の建材事業は前年同期比△2.5%の減収でした。

そのうえで、OCHIグループが取っている打ち手は次の3方向です。

  • 川下シフト:加工事業342名・エンジニアリング事業380名を抱え、卸売の利幅に依存しない収益源を確保する
  • M&Aによる規模拡大:2026年6月のキョウワ子会社化に代表される買収で、縮む市場のなかでシェアを取りに行く
  • 非住宅・付加価値領域への展開:2025年4月からの省エネ基準適合義務化により、断熱・遮音・防火など性能を持つ建材や省施工商品の需要が相対的に強まっている

転職判断としては、次のように整理できます(推定情報)。市場が伸びる前提のルート営業では成果を出しにくく、シェア奪取・新規販路開拓・高付加価値提案で数量減を埋められる人材が評価されやすい局面です。逆に、既存取引先の維持が中心の働き方を想定していると、期待値とのズレが生じる可能性があります。

また、法規・住宅性能の知識を持つ技術営業や、施工管理・生産管理の経験は、業界全体で需要が続く領域です。同社で加工・エンジニアリング側の経験を積めば、建材メーカー・住宅設備メーカー・ハウスメーカーの資材購買・リフォーム流通など、業界内での次の選択肢は広がりやすいと考えられます。

資本構成とガバナンス|創業家約34%とPBR0.77倍

転職検討者が見落としがちなのが、資本構成です。ここは処遇や組織の変化スピードに間接的に効いてきます。

公式情報として、2026年3月期の大株主は越智通広氏21.91%、オチワークサービス株式会社8.41%、公益財団法人広智奨学会3.81%で、創業家関連で約34%を保有しています。加えてSMB建材3.74%、伊藤忠建材3.23%、住友林業3.16%、吉野石膏2.28%と仕入先・取引先が並び、親会社は存在しません。代表取締役社長執行役員の越智通広氏が筆頭株主を兼ねる実質的なオーナー企業です。

この構造の意味は両面あります。

  • 安定性という側面:創業家と安定株主で議決権の多数に近い部分を押さえているため、敵対的買収による突然の経営方針転換や大規模リストラのリスクは低いと考えられます
  • 規律という側面:一方で少数株主や従業員の声が経営に届きにくい構造でもあり、口コミで指摘される「ボトムアップの意見が通りにくい」という傾向とも整合します(推定情報)

株式市場からの評価は、2026年9月4日時点で株価1,467円、時価総額199.7億円、PBR0.77倍です。PBR1倍割れが続いており、東京証券取引所による資本コストや株価を意識した経営の要請の対象になりうる状況です。今後、資本効率改善(ROE5.32%)に向けた施策が打たれる可能性はありますが、2026年9月時点でTOB・非公開化・上場廃止の動きは確認できなかったため、推測して読むべきではありません。東証スタンダード市場と福岡証券取引所の重複上場も維持されています。

なお、Web検索の範囲では、OCHIホールディングスおよび越智産業に関する不祥事・行政処分・課徴金・重大訴訟の報道は確認できなかったほか、行政機関の処分事例にも該当は見つかりませんでした。ただしこれは網羅的な調査ではないため、「そうした事実が存在しない」と断定できるものではありません。

OCHIグループへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収の絶対額よりも、「何を優先するか」で評価が割れる会社です。

向いている人向いていない人
九州・西日本で腰を据えて長く働きたい人(越智産業の平均勤続13.6年)短期間で年収を大きく引き上げたい人(現場実額は約492万円)
人間関係と休日・残業時間の安定を年収より優先する人(人間関係満足度82%・残業33時間)実力主義の評価制度で早期に昇進したい人(「昇進試験等がない」との指摘)
建材流通の商流に加え、加工・施工まで幅広く経験したい人変化の速い組織文化やボトムアップの意思決定を求める人(「活気のある風土」2.9点)
縮小市場でシェアを取る提案営業・新規開拓に手応えを感じる人市場成長を前提にした右肩上がりの事業環境を望む人(新設住宅着工は3年連続減)
M&A後の統合・管理会計・業務標準化の経験を活かしたい人持株会社の企画職を想定している人(提出会社は46名のみで採用枠は限定的)

編集部の見解|数字を切り分ければ評価しやすい会社

編集部の見解として、OCHIホールディングスは「情報の読み違えさえ避ければ、判断材料が揃っている会社」だと考えられます。

最大の理由は、有価証券報告書が「最大人員会社の状況」として越智産業491.9万円・ヨドプレ468.0万円という事業会社の実額まで開示していることです。持株会社銘柄では提出会社の数字しか出さない企業も多く、同じバッチで比較したTOKAIホールディングスも事業会社の給与は開示していません。入社前に現場の給与水準を一次情報で確認できるのは、求職者にとって実利のある透明性です。

そのうえで総合すると、この会社は「年収の最大化」を目的にする人には向きにくく、「安定した環境で建材流通の専門性を長く積む」ことを目的にする人には合理的な選択肢と考えられます。営業利益率1.39%という薄利構造と労働組合が存在しない点を踏まえると、短期で大幅な処遇改善が起きる前提は置きにくい一方、人間関係82%・残業33時間・勤続13.6年という定着の良さは、働き続けるうえでの実質的な価値です。

応募を検討するなら、「OCHIホールディングス」ではなく「越智産業の営業職」「ヨドプレの製造・生産管理職」「エンジニアリング事業の施工管理職」といった粒度まで具体化してから比較することをおすすめします。同じグループでも、年収も働き方も転職後の市場価値も別物になるためです。

OCHIホールディングスに関するよくある質問(FAQ)

OCHIホールディングスおよび越智産業への転職・就職を検討する人から実際に検索されている論点をまとめました。

Q. OCHIホールディングスの平均年収は本当に757万円ですか?

A. 第16期有価証券報告書に記載された7,571千円(約757.1万円)は、持株会社であるOCHIホールディングス株式会社の従業員46名のみを対象とした数字です。同じ有報の「最大人員会社の状況」には、中核事業会社である越智産業株式会社369名の平均年間給与4,919千円(約491.9万円)が明記されています。求職者が実際に配属されるのは事業会社であるため、判断基準としては約492万円を用いるのが妥当です。

Q. 応募するのはOCHIホールディングスと越智産業のどちらですか?

A. 実際の勤務先はグループ各社になります。OCHIホールディングスは従業員46名の純粋持株会社で、経営管理機能に特化しています。建材卸の営業職であれば越智産業株式会社(369名)、プレカット・金属加工であればヨドプレ株式会社(162名)というように、応募先の会社ごとに職種も条件も異なります。公式採用ページはグループ各社へのリンク集の形になっています。

Q. 「越智ホールディングス」という表記は正しいですか?

A. 正式な商号はアルファベット表記の「OCHIホールディングス株式会社」です。検索では漢字の「越智ホールディングス」も使われていますが、漢字の「越智」が正式名称に含まれるのは中核事業会社の「越智産業株式会社」です。企業を特定する際は証券コード3166・福岡市中央区那の津・持株会社という3点で確認すると確実です。

Q. 評判はどのような点が評価され、どのような点が指摘されていますか?

A. 口コミ傾向としては、職場の人間関係82%・休日休暇78%・勤務時間75%と、働きやすさに関わる項目の評価が高い傾向があります。月間残業時間は33時間程度とされています。一方で「昭和な価値観で古い体質」「年功序列がまだ残っている」「役職がついても給料がほとんど変わらない」といった、組織風土と評価制度に関する指摘が複数の口コミサイトで共通しています。

Q. 初任給や新卒採用の条件はどこで確認できますか?

A. 持株会社の公式サイトには初任給・募集職種などの一括した採用条件が掲載されておらず、確認できなかったため、グループ各社の採用ページで個別に確認する必要があります。中核事業会社の越智産業をはじめ、応募先ごとに条件が異なります。最終的な条件は内定時の労働条件通知書で確認してください。

OCHIホールディングスへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準事業会社ベースで約491.9万円(越智産業・有報実額)。持株会社の757.1万円は46名のみの数字で参考にならない
働きやすさ人間関係82%・休日休暇78%・残業33時間程度と、口コミ上の評価は比較的高い
定着性越智産業の平均勤続13.6年、ヨドプレ12.9年と長期定着型。労働組合は結成されていない
収益構造売上1,204億円・営業利益率1.39%の薄利型。経常利益が営業利益を5.7億円上回る営業外収益依存
将来性新設住宅着工減の逆風下。増収はM&Aとエンジニアリング事業に依存し、建材事業は中間期△2.5%
組織風土年功色が残るとの指摘が口コミで一致。創業家関連約34%のオーナー企業で変化は緩やかと考えられる
情報の透明性有報で事業会社2社の給与実額を開示。持株会社銘柄としては情報を検証しやすい
職種の幅卸売752名/加工342名/エンジニアリング380名。営業以外の選択肢が広い

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第16期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、持株会社(提出会社)と事業会社の数値を明確に区別して掲載しています。口コミ・推定情報は一次情報とは分けて記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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