ミズノ(美津濃)平均年収約748万円|アシックスとの差と就職難易度の実態
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 最新年収:第113期有報の平均年間給与は約748万円(前期比+約49万円)
- アシックス比較:売上は約3.2分の1、営業利益率は8.7%対17.6%
- 定着率:平均勤続17.3年・月残業11.2時間。辞めない代わりにポストは動きにくい
- 難易度:総合職の新卒採用は年20〜35名規模で狭き門
「ミズノの年収は700万円くらい」——検索するとそう書かれた記事が並びます。しかしそれは1期前・2期前の数字です。美津濃株式会社(証券コード8022/ブランド名ミズノ)の第113期(2026年3月期)有価証券報告書では、平均年間給与は約748万円まで上がっています。本記事は、この最新の一次情報を軸に、同じスポーツ用品大手のアシックスとの構造的な違い、利益の3分の2を日本が稼ぐ内需依存の事業構造、そして年間20〜35名という総合職採用の狭さまでを、公式情報・口コミ傾向・推定情報の3つに分けて整理します。「スポーツが好き」という動機の先にある、待遇と働き方のリアルを判断するための材料としてお使いください。
ミズノ(美津濃株式会社)の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、本記事で扱う数値の土台を先に示します。以下はすべて公式情報=第113期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)の有価証券報告書および決算短信にもとづく数値です。求人サイトや年収まとめサイトの推定値ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 美津濃株式会社(ブランド名・通称:ミズノ/Mizuno Corporation) |
| 証券コード・市場 | 8022/東京証券取引所プライム市場(1961年10月2日上場) |
| 平均年間給与 | 約748万円(第113期・提出会社ベース) |
| 平均年齢 | 42.6歳(第113期・提出会社ベース) |
| 平均勤続年数 | 17.3年(第113期・提出会社ベース) |
| 従業員数 | 提出会社(単体)1,507名(ほかに臨時従業員396名)/連結3,682名(ほかに臨時従業員1,971名) |
| 売上高 | 連結2,590億4,500万円(前期比+7.8%・4期連続過去最高) |
| 営業利益 | 連結226億300万円(前期比+8.8%/営業利益率8.7%) |
| 経常利益 | 239億8,500万円(+12.3%) |
| 当期純利益 | 183億7,600万円(+20.6%/純利益率7.1%) |
| 自己資本比率 | 68.9%(総資産2,514億7,100万円/自己資本1,742億7,900万円) |
| 設立・創業 | 1906年4月1日創業(水野商店)/1923年7月19日設立(美津濃運動用品株式会社) |
| 代表者 | 代表取締役社長 水野明人(2006年就任・創業家出身) |
| 本社 | 登記上の本店=大阪市中央区北浜4-1-23/事業拠点は大阪本社(大阪市住之江区南港北)・東京本社(東京都千代田区) |
| 出典 | 第113期 有価証券報告書「従業員の状況」/2026年3月期決算短信(2026年5月12日開示) |
ここで一点だけ先に断っておきます。平均年間給与の約748万円は、EDINETのXBRLを取り込むデータベース上で万円単位に丸められた表示値を確認したものです。有価証券報告書原文の千円単位の実額までは本記事の調査範囲では突き合わせていないため、記事中では一貫して「約748万円」と概数で扱います。厳密な数値が必要な場合は、EDINETで第113期有報の「従業員の状況」を直接ご確認ください。
ミズノの平均年収は約748万円|1年で約49万円上がった第113期の実像
結論から言えば、ミズノの年収は直近1年で明確な上昇局面に入っています。多くの転職メディアが掲載している「707万円」「699万円」は1〜2期前の数字であり、最新期を見ると景色が変わります。転職・就職の判断材料として使うなら、必ず第113期の数値を基準にしてください。
3期推移で見ると「下がってから、大きく上がった」
有価証券報告書「従業員の状況」(提出会社ベース)の平均年間給与を3期並べると、次のようになります(公式情報)。
| 決算期 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 第111期(2024年3月期) | 約707万円 | 42.9歳 | 16.8年 | — |
| 第112期(2025年3月期) | 約699万円 | 43.0歳 | 18.0年 | ▲約8万円 |
| 第113期(2026年3月期) | 約748万円 | 42.6歳 | 17.3年 | +約49万円(+7.0%) |
注目すべきは、いったん699万円まで下がったあと、1年で約49万円(+7.0%)跳ね上がっている点です。この間に平均年齢はむしろ0.4歳下がっており、「高齢化で平均が押し上がった」という説明は成り立ちません。連結の売上高・営業利益・経常利益・純利益がすべて過去最高を更新した期であることを踏まえると、業績連動の賞与増と、ベースアップを含む賃上げの両方が効いた可能性が高いと考えられます(推定情報)。
賃上げの姿勢は採用条件にも表れています。2027年卒の初任給を大学卒27.0万円・修士了28.5万円へ引き上げると公表しており、2025年度実績(大卒26.0万円・院卒27.0万円)から1万円以上の引き上げです。新卒・中途を問わず、いま提示される条件は数年前の水準より上を見込んでよい局面と言えます。
なお、日経の会社情報や各種年収ガイド、転職メディアの多くは、2026年8月時点でも第112期(699万円)または第111期(707万円)を掲載しています。二次アグリゲータは有報の更新から反映まで時間差があるためです。面接で「御社の平均年収は707万円と伺っており」と話すと、1期以上古い情報を持ってきたことになりかねません。最新は第113期の約748万円という点は押さえておいてください。
ただし20〜30代の実感値は600万円前後の可能性が高い
有報の平均年間給与は、40代の管理職層まで含めた提出会社全体の平均です。平均年齢42.6歳という前提を忘れると、若手が「入社すればすぐ748万円」と誤解します。
口コミ傾向として、OpenWorkに投稿された回答者ベースの平均年収は567万円(平均年齢37歳・回答59名・レンジは300万〜1,300万円)となっており、有報値より約180万円低い水準です。回答者の平均年齢が5歳以上若いことを考えれば、この差は不自然ではありません。20代後半〜30代前半で入社する場合、当面の現実的な着地点は600万円前後と見ておくのが誠実でしょう(推定情報)。

有報の748万円と口コミの567万円、どちらを信じればいいですか?
どちらも正しい数字です。748万円は「42.6歳・勤続17.3年という会社全体の平均」、567万円は「37歳前後の投稿者層の平均」。見ている母集団が違うだけで、矛盾はしていません。転職時の提示額を占うなら後者に近い水準を、長く勤めた場合の到達点を見るなら前者を参照するのが実務的です。
年収の内訳と、口コミで繰り返される不満の正体
職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていないため、公式に断定できる数値はありません。口コミ傾向から読み取れる特徴を整理すると、次のようになります。
- 賞与は業績連動の色があり、最高益を更新した直近期は上振れした可能性がある(推定情報)
- 「業界大手の割に給与水準が物足りない」という趣旨の投稿が繰り返し見られる
- 「昇給ペースが緩やかで、評価より在籍年数が効いている感覚がある」という声がある
- 一方で残業代の支給や労務管理そのものへの不満は目立たない
この「処遇への不満」は、後述するOpenWorkの項目別スコア(待遇面の満足度2.9・人事評価の適正感2.7)と正確に符合しています。年収額そのものより、評価と昇給の納得感が論点になっている会社だと理解しておくと、面接での確認事項が定まります。
ミズノとアシックスを並べる|規模と収益性 vs 国内基盤と定着率
スポーツ用品メーカーへの転職・就職を考えるとき、最も比較されるのがアシックス(7936)です。結論を先に言えば、両社は「同じ業界の似た会社」ではなく、事業の重心がまったく違う会社です。数字を並べたうえで、その数字をそのまま鵜呑みにしてはいけない理由まで説明します。
| 比較項目 | ミズノ(8022/2026年3月期) | アシックス(7936/2025年12月期) |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 2,590億4,500万円 | 8,109億円 |
| 連結営業利益 | 226億300万円 | 1,425億円 |
| 営業利益率 | 8.7% | 17.6% |
| 有報 平均年間給与(提出会社) | 約748万円 | 約1,080万円 |
| 従業員数(単体/連結) | 1,507名/3,682名 | 988名/9,455名 |
| 単体・連結の乖離 | 約2.4倍 | 約9.6倍 |
| OpenWork総合評価 | 3.68(口コミ544件) | 3.75 |
| 重心 | 国内基盤・自社生産・長期定着 | 海外市場・高収益ブランド |
※決算期が異なります(ミズノは3月期、アシックスは12月期)。単純な同時点比較ではない点にご留意ください。
年収差330万円を「そのまま」受け取ってはいけない理由
約748万円と約1,080万円。差額は330万円を超えます。しかし、この2つの数字を並べて「アシックスのほうが330万円高い会社だ」と結論づけるのは誤りです。理由は単体従業員の構成がまったく違うためです。
- アシックス:国内販売をアシックスジャパン等の子会社に切り出しているため、提出会社の988名は本社機能(経営企画・グローバル管理・R&D等)に偏りやすい構成。結果として単体平均年収は高く出ます。
- ミズノ:美津濃株式会社は持株会社ではなく事業会社そのもの。単体1,507名の中に国内の企画・営業・管理部門が含まれるため、平均値は現場実態に比較的近い数字になります。
単体と連結の乖離を見れば構造の違いは一目瞭然です。ミズノは約2.4倍、アシックスは約9.6倍。乖離が大きいほど、有報の単体平均は「会社全体の実感」から離れます。つまり、同じ土俵で比べるなら実際の差は330万円より縮む可能性が高い、というのが妥当な読み方です(推定情報)。求人票で提示される具体的なレンジで比較するのが、最終的には最も確実です。
求職者にとっての構図は「収益性」対「基盤と定着」
営業利益率8.7%と17.6%という差は、原資の厚みの差として長期的には待遇に効いてきます。この点でアシックスに分があるのは事実です。一方で、ミズノには次の強みがあります。
- 自己資本比率68.9%・自己資本1,742億円という極めて健全な財務基盤
- 平均勤続17.3年という定着率(日本企業平均の約12年を5年以上上回る)
- 月間残業11.2時間・有給消化率61.1%という労働時間の短さ(口コミ傾向)
- 国内に自社工場を残す稀少なメーカーで、ものづくり職の受け皿がある
「規模と収益性で選ぶならアシックス、国内基盤と働きやすさ・定着で選ぶならミズノ」——雑駁ですが、この構図で整理すると判断がしやすくなります。OpenWorkの総合評価は3.75対3.68とほぼ拮抗しており、社員の満足度という点で大きな優劣がついているわけではありません。
ミズノの事業構造|売上の40%は海外、しかし利益の67%は日本
ここは求職者にとって最も見落とされやすく、しかしキャリアに直結する論点です。結論は「海外売上比率は4割まで来たが、稼いでいるのはほぼ日本」。海外志望で入社を考えるなら、必ず知っておくべき事実です。
地域別に見ると、利益は日本に偏っている
2026年3月期の地域別売上高と地域別営業利益を並べます(公式情報/決算開示ベース)。
| 地域 | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 1,551億円 | +5.3%(過去最高) | 152億円 | +14.7% |
| 米州 | 377億円 | +4.9% | 24億円 | ▲12.4% |
| アジア・オセアニア | 353億円 | +6.1% | 35億円 | ▲11.7% |
| 欧州 | 307億円 | +29.7% | 14億円 | +107.8% |
海外売上高の合計は1,038億円(+11.6%)、海外売上比率は40.1%(前期比+1.4pt)まで高まりました。数字だけ見れば「グローバル企業化が進んでいる」と読めます。ところが営業利益で見ると、226億円のうち約67%にあたる152億円を日本が稼いでいるのです。
しかも直近期は、米州が米国の関税コスト上昇により▲12.4%、アジア・オセアニアがゴルフ市場の停滞により▲11.7%と、2地域が揃って減益になっています。全社が過去最高益を更新した裏側で、海外の2地域は逆風下にあったということです。唯一、欧州が+29.7%増収・営業利益+107.8%と際立った伸びを示しており、成長投資の焦点がどこにあるかを示唆しています(推定情報)。
海外駐在やグローバルポジションを志望する方にとって、この構造は両義的です。「伸びしろが大きい=挑戦の余地がある」とも読めますし、「利益貢献が小さい部門は社内での発言力や投資配分で不利になりうる」とも読めます。面接では、海外事業に対する今後3年の投資方針を具体的に確認しておくとよいでしょう。なお、赤字の事業・赤字の地域は開示上見当たりませんでした。
カテゴリー別|最も伸びているのは「非スポーツ」領域
事業ポートフォリオを金額で押さえます。以下はカテゴリー別売上高です(公式情報)。
| カテゴリー | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 野球 | 415億円 | +4.5% |
| ゴルフ | 364億円 | +12.7% |
| ランニング | 249億円 | +14.2% |
| フットボール | 224億円 | +10.3% |
| インドアスポーツ | 207億円 | +10.1% |
| ワークビジネス | 175億円 | +23.2% |
ここで目を引くのが、全カテゴリー中で最も伸び率が高いのがワークビジネス(作業用シューズ・ワークウェア)の+23.2%だという点です。スポーツ用品メーカーでありながら、最大の成長エンジンが非スポーツ領域にある。これは業界共通の潮流でもあり、競技人口に依存しない収益源として、スポーツで培った機能素材・設計技術を建設・運輸・製造・小売といった業種向けに転用する動きが各社で進んでいます。
キャリアの観点では、ここが最大の狙い目になります。BtoB法人営業や産業資材・作業用品の知見を持つ人材にとって、スポーツ業界未経験でも自分の経験がそのまま通用する領域だからです。同様に、EC運営・CRM・デジタルマーケティングの実務経験者も、DTC(自社EC・直営店で顧客と直接つながる販売形態)強化という業界共通のテーマの中で受け皿が広がっている職種です。
最も規模が大きい野球カテゴリーの構造的な論点
売上規模で最大の415億円を占めるのが野球カテゴリーです。ミズノの中核であり国内シェアの強さの源泉でもありますが、伸び率は+4.5%と全カテゴリー中で最も緩やかです。国内スポーツ用品市場そのものは2025年見込みで約1兆7,300億円(国内出荷金額ベース)と過去最高水準に達しているものの、少子化と部活動の地域移行により、学校・部活を起点とした実需は中長期で伸びにくい構造にあります。
つまり、会社の看板事業がそのまま将来の成長エンジンとは限らない、ということです。どのカテゴリーに配属されるかで、日々の空気も業績連動賞与の実感もかなり変わる可能性があります(推定情報)。応募時には希望カテゴリーとその位置づけを必ず確認しておきましょう。
ミズノの働き方と社風|OpenWork3.68に表れた明確な二極化
結論を先に言えば、ミズノの評価は「職場環境は極めて高評価、処遇と評価制度には不満が集中」という、きれいに割れた形をしています。総合評価だけを見ても実態はつかめません。項目別に分解すると、この会社の性格がはっきり見えます。
数字で見る二極化
口コミ傾向として、OpenWorkに掲載された美津濃株式会社の評価は総合3.68(社員クチコミ544件・評価スコア回答者119人)で、掲載約8万社中の上位2%に位置します。口コミ件数544件は母数として十分で、傾向を読むに足る水準です。項目別は次の通りです。
| 評価項目 | スコア | 読み取れること |
|---|---|---|
| 法令順守意識 | 4.8 | コンプライアンス運用が厳格との評価が突出 |
| 社員の相互尊重 | 4.2 | 体育会系だが陰湿さは少ないという趣旨の声 |
| 風通しの良さ | 4.1 | 意見が言いやすい環境という評価 |
| 社員の士気 | 3.4 | 中位。仕事の意義は語られるが熱量は分散 |
| 20代成長環境 | 3.2 | 若手の育成スピードには物足りなさ |
| 人材の長期育成 | 3.1 | 同上 |
| 待遇面の満足度 | 2.9 | 業界大手として物足りないという不満 |
| 人事評価の適正感 | 2.7 | 全項目中の最低値。評価の納得感が最大の論点 |
労働時間の指標も併せて見ると、月間残業11.2時間・有給消化率61.1%。残業時間の少なさは日本の製造業全体の中でもかなり短い部類に入ります。「働きやすさ」という一点だけを取れば、相当に恵まれた環境だと言ってよいでしょう。
4.8と2.7のギャップが意味するもの
法令順守意識4.8と人事評価の適正感2.7。この2.1ポイントの落差は、単なるスコアのばらつきではなく、会社の設計思想を映しています。ルールは厳格に守られるが、そのルールが「誰をどう評価するか」の納得感までは担保していない——投稿の傾向はそう読めます。
平均勤続17.3年という数字と重ねると、構図はさらに鮮明になります。実力主義への移行を掲げつつ、実態としては長期勤続・年功的な運用が残っている。その落差が人事評価2.7に表れていると考えるのが自然です(推定情報)。
投稿全体を総括すると、次のような像が浮かびます。
- ポジティブ側:人が良い/体育会系の風土だが陰湿さはない/コンプライアンスは厳格/残業が少なく私生活と両立しやすい/製品とスポーツへの誇りが共有されている
- ネガティブ側:業界大手としては給与水準が物足りない/評価制度が不透明で年功的/昇給ペースが緩やか/若手の成長環境は突出していない
「好きを仕事にした代償として給与を我慢している」という趣旨の書き込みが目立つのが、この会社の口コミの特徴です。スポーツ用品業界に共通する懸念——IT・コンサル・大手商社などと比べて給与が見劣りしないか、年収が下がる転職にならないか——が、そのまま当てはまる会社だと言えます。
他の口コミサイトはどう扱うべきか
参照する媒体には母数の差があります。エン カイシャの評判は口コミ144件・総合評価3.0(正社員15人回答)と回答者数が少なく、参考値として扱うのが妥当です。転職会議のミズノ関連ページは6件と極めて少なく、単独で判断根拠にするには不十分です。本記事でスコアを踏み込んで扱っているのは、544件・119人という母数を確保しているOpenWorkのみである点をお含みおきください。また口コミサイト上では関連会社や無関係の同名法人のページが混在するため、閲覧時は証券コード8022の美津濃株式会社のページであることを確認してください。
ミズノの就職難易度・転職難易度|総合職は年20〜35名という狭き門
「ミズノ 就職難易度」は検索需要が明確に存在するテーマで、複数の就活メディアが専用記事を持っています。結論は難易度は高い。理由は単純で、採用枠が構造的に小さく、志望者が構造的に多いからです。
新卒|採用枠の小ささが難易度を決めている
公式採用情報にもとづくと、総合職の新卒採用は年間20〜35名程度の規模です。従業員1,507名の会社としても小さく、知名度から想定される規模とは大きく乖離します。ミズノは全国の学生に名前が知られたブランドであり、とりわけ競技経験のある体育会系学生からの人気が高いため、志望者数に対して枠が圧倒的に少ない構図になります。
採用実績校を見ると、早稲田・慶應義塾・筑波・同志社・明治・関西学院・愛媛といった顔ぶれに加え、大学院では大阪大・東京工業大・金沢工業大、さらにLoughborough University(スポーツ科学分野で世界的に知られる英国の大学)やBirkbeck University of Londonといった海外校も含まれます。特定大学に限定された画一的な採用ではなく、専門性や競技経験を含む多様な軸で選抜していると読めます(推定情報)。学歴だけで門前払いという構図ではないものの、枠の小ささゆえに実質倍率は高くなると考えるのが現実的です。
インターンシップに関する検索需要も厚く、選考プロセスの入口として重視されている可能性があります。志望度の高い学生ほど早期から接点を作りにいく傾向があるため、新卒での挑戦を考えるなら、インターン参加を前提に逆算したスケジュールを組むべきでしょう。
中途|「スポーツ好き」は入場券にならない
中途採用の難易度も、一般的な製造業と比べて低くはないと見られます。ポイントは何を評価されて採られるかです。
単体従業員数の推移が、その答えの一部を示しています。提出会社の従業員数は2014年3月期の1,944名から第113期の1,507名まで、一貫して減少しています(12年で約22%減)。会社は増収増益を続けているのに、本体の人員はスリム化している。これは、成長を海外子会社やグループ会社側で吸収する構造になっていることを意味します(推定情報)。
つまり、本体の中途採用は「欠員補充+戦略ポジションの限定採用」が中心になりやすい。加えて平均勤続17.3年という定着率の高さは、ポストが空きにくいことの裏返しでもあります。この2点が重なると、中途で本体に入るハードルは決して低くないと理解しておくべきです。
逆に言えば、通りやすい経路もあります。事業構造から逆算すると、以下の経験は評価されやすいと考えられます(推定情報)。
- BtoB法人営業・産業資材の知見:+23.2%成長のワークビジネス領域と直結
- EC・CRM・デジタルマーケティング:DTC強化という中期方針に直結
- 海外向け商品企画・マーケティング・貿易実務・語学力:海外売上比率40.1%を伸ばす局面
- 素材開発・生産技術・品質保証・調達/SCM:国内自社工場を持つ数少ないメーカーとしての強み
- 店舗開発・リテール運営:直営店出店強化の方針に対応
「スポーツが好きです」という動機だけでは差がつきません。上記いずれかの職務経験を、ミズノの事業課題に接続して語れるかどうかが分岐点になります。
応募前に必ず確認|「美津濃本体」かグループ会社かで待遇は変わる
ミズノを受けるうえで、年収以上に見落とされがちな論点がこれです。結論は同じ「ミズノ」でも、応募先の法人によって待遇の前提が変わるということ。有報の約748万円が適用されるのは、あくまで提出会社=美津濃株式会社の従業員です。
単体1,507名と連結3,682名、その差2,175名は誰か
第113期の従業員数は、提出会社(単体)1,507名に対し、連結3,682名。差は約2,175名で、単体の1.4倍にあたる人員が本体の外にいる計算になります(公式情報)。この差を構成しているのは主に次の2つです。
- 海外販売子会社群:連結子会社31社・関連会社15社で構成され、米州・欧州・アジアの販売法人が含まれます
- 国内製造子会社:ものづくりを担うミズノテクニクス株式会社をはじめとする生産子会社
ミズノテクニクスは国内に4工場を運営しています。養老工場(岐阜県養老郡養老町/ゴルフクラブ・バット・ラケットの製造、フィッティング施設も併設)、山崎ランバード工場(兵庫県/陸上競技用シューズ・野球用スパイク)、波賀工場(兵庫県/野球用グラブ)、氷上工場(兵庫県/冬季競技用ウエア・野球ユニフォーム)です。国内に自社工場を残すスポーツメーカーは今や稀少で、「Made in Japan」のものづくりに携わりたい人にとっては他社にない選択肢になります。実際、養老工場は求人・企業情報の検索需要も高い拠点です。
ただし、グループ会社の給与水準は美津濃株式会社単体の平均とは別物です。有価証券報告書は提出会社の数値を開示するものであり、子会社各社の平均年間給与は開示されていません。応募先の法人名を求人票で確認し、労働条件通知書の段階で必ず具体額を突き合わせてください。
勤務地|「大阪本社」は登記上の本店とは別の場所
勤務地に関する検索需要が非常に厚い会社ですが、ここには紛らわしい構造があります(公式情報)。
| 区分 | 所在地 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 登記上の本店 | 大阪市中央区北浜4-1-23 | 有価証券報告書に記載される本店所在地 |
| 大阪本社 | 大阪市住之江区南港北1-12-35 | 実質的な事業拠点。R&D施設も同敷地内 |
| 東京本社 | 東京都千代田区 | もう一方の事業拠点 |
有報を見て「本社は北浜か」と思っても、実際に働く場所は住之江区南港北であるケースが一般的です。求職者向けには大阪(住之江)と東京の2拠点体制と理解しておくのが実態に近いでしょう。ちなみに大阪本社の敷地内には、2022年11月に稼働したイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」があります。縫製室・3D工作室(つくる)、環境試験室・衝撃試験室(はかる)、体育館・陸上トラック・人工芝(ためす)を1施設に集約し、試作のリードタイムを最短1日まで短縮したとされる開発拠点です。R&D志望者やスポーツ工学系のバックグラウンドを持つ人にとっては、この施設の存在自体が志望動機になり得ます。なお全国の営業拠点や工場を含めた転勤の有無、海外赴任の可能性は内定段階で必ず確認しておきましょう。
ミズノの将来性|中期目標3,300億円と、内需依存というリスク
将来性の評価は、「短期の見通しは明るい、中長期の論点は国内偏重の解消」に集約されます。一般論ではなく、公表されている数値で見ていきます。
会社が掲げる目標と、そこまでの距離
ミズノは2027年3月期の業績予想として売上高2,800億円(前期比+8.1%)を公表しています。さらに中期経営目標として、2028年度に売上高3,300億円・営業利益310億円を掲げています(公式情報)。
直近実績(売上2,590億円・営業利益226億円)からの必要成長率を計算すると、売上は2年強で約27%増、営業利益は約37%増が必要です。営業利益率に換算すると、8.7%から約9.4%への改善が求められる計算になります。増収率の高さから見ると、既存カテゴリーの延長だけでは届きにくく、海外とワークビジネスの伸長が鍵を握ると考えられます(推定情報)。
2026年はミラノ・コルティナ冬季五輪、WBC、サッカーW杯、アジア競技大会が重なる「スポーツイヤー」にあたり、用具・アパレル需要とブランド露出の押し上げ効果が業界全体で期待されています。短期的な追い風は確かに吹いています。
リスクとして直視すべき3点
一方で、転職判断のうえで押さえておくべき論点も明確にあります。
- 利益の内需依存:営業利益226億円のうち約67%が日本。国内市場は過去最高水準にあるものの、少子化と部活動の地域移行という構造要因は変わりません。
- 海外2地域の減益:米州は関税コスト上昇、アジア・オセアニアはゴルフ市場停滞により、直近期はいずれも二桁減益。海外展開が「売上は伸びるが利益が出にくい」段階にあることを示しています。
- 競争環境:伸び頭であるスポーツスタイル・ライフスタイル領域は、グローバルの大手ブランドや新興ブランド、中国勢も台頭する激戦区です。ここでシェアを取るには相応の投資が必要になります。
財務面での耐性は極めて高いと言えます。自己資本比率68.9%、自己資本1,742億円。2026年2月には自己株式740,700株を約30億円(1株4,050円)で取得完了しており、株主還元も強化する方向にあります。「潰れない会社で長く働きたい」という基準で見るなら、この財務の厚みは大きな安心材料です。
経営体制については、代表取締役社長を創業家出身の水野明人氏が2006年から約20年務めています。2026年5月12日の開示により、七條毅氏が同年6月24日付で代表取締役副社長へ昇格しました。社長交代は発表されていませんが、次の体制の輪郭が見え始めた局面にはあります。2026年4月1日で創業120周年を迎えた節目のタイミングでもあります。
なお、行政処分・課徴金・重大なリコール・係争案件について公表資料および報道を検索した範囲では、該当する事案は見当たりませんでした。「一切ない」と断定はできませんが、本記事の調査範囲では確認されていません。上位株主の氏名・持株比率についても無料公開情報の範囲では特定できなかったため、本記事では記載していません。
ミズノへの転職・就職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収の絶対額よりも、評価と昇給の速度に何を求めるかで相性が分かれる会社です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 働き方の安定と私生活の両立を重視する人(月残業11.2時間・有給消化61.1%) | 短期で大幅な年収アップを実現したい人(昇給は緩やかとの声が多い) |
| 財務の健全性を重視し、長く腰を据えて働きたい人(自己資本比率68.9%) | 成果に応じて評価・報酬が明快に変動する環境を求める人(人事評価の適正感2.7) |
| BtoB法人営業・産業資材の経験をワークビジネス領域で活かしたい人 | スポーツへの愛着だけを志望動機にしている人(枠が小さく差別化されない) |
| EC・CRM・デジタルマーケティングでDTC推進を担いたい人 | 年功的な運用や長期勤続の風土に窮屈さを感じる人(平均勤続17.3年) |
| 素材開発・生産技術・品質保証など、国内ものづくりに関わりたい人 | 入社直後から海外の主要ポストで裁量を持ちたい人(利益の67%は日本) |
| コンプライアンスが厳格で、相互尊重のある職場を求める人(法令順守4.8) | ポストが頻繁に空く流動的な組織で早く昇進したい人 |
ミズノへの転職|編集部の見解
編集部の見解として、ミズノは「働きやすさと安定を、昇給スピードとトレードオフで買う会社」だと整理しています。
最新期の平均年間給与が約748万円まで上がり、初任給も引き上げられた。業績は4期連続で過去最高。この局面で条件提示を受けられるのは、タイミングとして悪くありません。加えて、月残業11.2時間・有給消化61.1%・法令順守意識4.8という労働環境は、製造業全体の中でも上位に入る水準です。自己資本比率68.9%という財務の厚みも、長期在籍を前提にするなら大きな価値があります。
一方で、人事評価の適正感2.7・待遇面の満足度2.9という数字は軽視できません。ここが示しているのは「給料が足りない」という単純な話ではなく、成果と処遇の対応関係が見えにくいという不満です。平均勤続17.3年という定着率は、裏を返せば人が動かないということであり、ポストの循環が起きにくい構造でもあります。「3年で成果を出して次のポジションへ」というキャリア設計をしている人には、速度感が合わない可能性があります。
したがって、次のように考えるのが妥当でしょう。安定した基盤の上で、専門性を長期的に深めていきたい人にはおすすめできる会社です。逆に、評価と報酬の連動性を最優先する人、短期での役職・年収の上昇を狙う人には、収益性で上回るアシックスをはじめ他の選択肢と並べて比較することを強くおすすめします。事業構造から見れば、ワークビジネス・DTC・海外という3つの成長領域に自分の経験を接続できるかどうかが、入社後の裁量とキャリアの伸びを大きく左右します。一般的なブランドイメージのまま応募するのではなく、どの成長領域で価値を出せるかを明確にして臨むべき会社です。
ミズノ(美津濃)に関するよくある質問
ミズノへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。
ミズノの平均年収はいくらですか?
第113期(2026年3月期)の有価証券報告書「従業員の状況」によると、提出会社ベースの平均年間給与は約748万円です(公式情報)。前期は約699万円、前々期は約707万円でした。転職メディアの多くが2026年8月時点でも699万円や707万円を掲載しているため、最新の数値を確認してください。なお平均年齢は42.6歳であり、20〜30代の実感値はこれより低くなる点にご留意ください。
「ミズノ」と「美津濃株式会社」は同じ会社ですか?
同じ会社です。正式な商号は「美津濃株式会社」で、ブランド名・通称が「ミズノ(MIZUNO)」です。有価証券報告書、EDINET、株主総会の招集通知などの公的書類はすべて「美津濃」表記になっています。「ミズノ 年収」で検索しても有報にたどり着きにくいのはこのためです。証券コードは8022、東証プライム市場に上場しています。
ミズノの就職難易度は高いですか?
高いと考えられます(推定情報)。総合職の新卒採用は年間20〜35名程度と、従業員1,507名の会社としても小規模です。全国的なブランド認知があり、特に競技経験のある学生から人気が高いため、志望者数に対して枠が非常に少ない構図になります。採用実績校は早稲田・慶應義塾・筑波・同志社・明治・関西学院などから海外大学まで幅広く、特定大学に限定された画一的な採用ではないと見られます。
ミズノの残業時間や有給消化率はどのくらいですか?
口コミ傾向として、OpenWorkに投稿された数値では月間平均残業11.2時間・有給消化率61.1%となっています。残業時間の短さは製造業全体の中でも上位の水準です。ただしこれは投稿者の平均であり、部署・カテゴリー・繁忙期によって差がある可能性があります。
ミズノの勤務地はどこになりますか?
登記上の本店は大阪市中央区北浜4-1-23ですが、実質的な事業拠点は大阪本社(大阪市住之江区南港北1-12-35)と東京本社(東京都千代田区)です。求職者向けには大阪(住之江)と東京の2拠点体制と理解するのが実態に近いでしょう。このほか全国に営業拠点があり、グループ会社ミズノテクニクスは岐阜県養老町と兵庫県に計4工場を運営しています。
ミズノとアシックス、どちらが待遇は良いですか?
有報の平均年間給与だけを見ればアシックス(約1,080万円)がミズノ(約748万円)を上回ります。ただしアシックスは国内販売を子会社に切り出しており、提出会社988名が本社機能に偏る構造のため、単純比較は差を過大に見せます(推定情報)。ミズノは事業会社そのもので単体1,507名に国内の企画・営業・管理部門を含むため、平均値は現場実態に近い数字です。最終的には求人票の提示レンジで比較することをおすすめします。
スポーツ未経験でもミズノに転職できますか?
職種によっては十分に可能性があります(推定情報)。最も成長率が高いワークビジネス(作業用シューズ・ワークウェア/+23.2%)はBtoB色の強い事業で、法人営業や産業資材の知見が活きます。またDTC推進に伴い、EC運営・CRM・デジタルマーケティングの経験者にも受け皿が広がっています。競技経験そのものより、事業課題に接続できる職務経験を語れるかが重要です。
ミズノは離職率が低いと言えますか?
離職率そのものは有価証券報告書では開示されていません。ただし平均勤続年数17.3年という数字は、日本企業平均の約12年を5年以上上回る水準で、定着率は高い傾向にあると読み取れます(公式情報にもとづく解釈)。裏を返せば人の入れ替わりが少なく、ポストが空きにくい可能性もあるため、昇進スピードを重視する場合は面接で確認しておくとよいでしょう。
ミズノ(美津濃)への転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報ベース約748万円(第113期)。1年で約49万円増と上昇局面。ただし20〜30代の実感値は600万円前後の可能性(推定情報) |
| 働きやすさ | 月残業11.2時間・有給消化61.1%・法令順守意識4.8と高評価(口コミ傾向) |
| 評価・昇給 | 人事評価の適正感2.7・待遇面の満足度2.9と低め。最大の論点 |
| 安定性 | 自己資本比率68.9%・自己資本1,742億円。4期連続で過去最高更新 |
| 成長性 | 2028年度に売上3,300億円・営業利益310億円の中期目標。ワークビジネス+23.2%が牽引役 |
| グローバル性 | 海外売上比率40.1%だが営業利益の約67%は日本。海外赴任志望者は投資方針の確認を推奨 |
| 採用難易度 | 新卒総合職は年20〜35名と極小。中途は本体人員がスリム化基調で狭き門 |
| 定着率 | 平均勤続17.3年・平均年齢42.6歳。長期在籍向きだがポスト循環は限定的 |
| 応募時の注意 | 美津濃株式会社本体かグループ会社かで待遇の前提が異なる。法人名の確認が必須 |
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この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第113期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
