ビースタイルホールディングスの年収625万円は誰の数字か|評判と事業会社4社の実態
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 年収の前提:有報の625万円は持株会社57名の数字
- 稼ぎ頭:売上55%の派遣より、メディアが利益の柱
- 業績:2026年3月期は増収減益、1Qは営業赤字
- 働き方:残業16.1時間・有給79.7%と口コミは良好
本記事は、東京証券取引所グロース市場に上場する株式会社ビースタイルホールディングス(証券コード302A・本社は東京都新宿区西新宿)への転職・就職を検討している方向けの記事です。「ビースタイル」という社名は、千葉の美容室「カットビースタイル」、白元アース社の「ビースタイル マスク」、ベビー用品の「ベビースタイル」など、まったく別の会社・商品と検索結果が混ざりやすい名称です。ここで扱うのは、主婦・主夫(しゅふ)層と時短勤務人材に特化した人材サービスを手がける持株会社のほうです。そして、この記事がもっとも時間をかけて説明するのは「有価証券報告書に載っている平均年収625万円は、いったい誰の年収なのか」という一点です。結論を先に言えば、この数字は従業員57名の持株会社(本社管理部門)の平均であり、派遣営業やキャリアアドバイザーとして事業会社に入る人の年収とは前提が異なります。ここを読み違えると、転職判断そのものがずれます。
株式会社ビースタイルホールディングスとは|証券コード302A・「しゅふ特化」の人材サービス持株会社
まず、この会社がどんな会社なのかを最短で押さえます。転職判断に必要な要点は3つです。公式情報として、公式サイトおよび有価証券報告書によると、同社はグループ創業2002年7月、持株会社としての設立は2020年2月14日、代表取締役社長は三原邦彦氏、取締役会長は増村一郎氏で、20年以上にわたり創業メンバーが経営を継続しています。本社は東京都新宿区西新宿6-18-1 住友不動産新宿セントラルパークタワー32階。2024年12月27日に東証グロース市場へ新規上場しました。
- 領域:主婦・主夫層と時短勤務人材に特化した人材サービス。フルタイム前提では採用できない層を戦力化するのが事業の中心
- 形態:純粋持株会社。実際の事業は傘下の事業会社4社が担う
- 規模:2026年3月期の連結売上高は120億800万円、連結従業員数336名(臨時雇用者73名は外数)
人材サービス業界では、生産年齢人口の減少を背景に「フルタイムでは採れない層」をどう労働市場へ引き出すかが各社の差別化テーマになっています。ビースタイルグループは、この「未活用層の開拓」を20年以上ど真ん中で扱ってきた会社だと整理できます。
検索で混ざりやすい「ビースタイル」別会社との見分け方
サジェストを見ると、「ビースタイル マスク」「ビースタイル 和泉中央店」「ビースタイル ジム」「ビースタイル 一宮店」など、人材サービスとは無関係の検索語が大量に並びます。転職検討者が同社の情報にたどり着くには、証券コード302A/東証グロース/新宿区西新宿/しゅふJOBのいずれかを手がかりにするのが確実です。また、「ビースタイル マイページ」「ビースタイル ログイン」といった検索は、派遣登録スタッフがシフトや給与明細を確認するための入口であり、社員としての転職情報ではありません。この記事では扱いません。
事業会社4社は、それぞれ「別の仕事」をしている
ここが転職判断でもっとも重要な構造です。持株会社の下に、性格の異なる事業会社が4社ぶら下がっています(公式情報・公式サイトおよび決算説明資料による)。
| 事業会社 | 担っている事業 | 仕事の性格 |
|---|---|---|
| ビースタイル スマートキャリア | しゅふ層向けの人材派遣・人材紹介、ハイスキル人材の時短派遣 | 法人営業とキャリアアドバイザー。就業先企業と登録スタッフの双方に対応する労働集約型 |
| ビースタイル メディア | しゅふ特化型求人サイト「しゅふJOB」の運営 | 求人メディアの法人営業・Webマーケティング・プロダクト開発 |
| ビースタイル バリューテクノロジーズ | 業務自動化・BPO/RPOなどのDX支援 | 業務設計・オペレーション改善。グループ内業務の受け皿も担う |
| ビースタイル チャレンジ | 障がい者雇用の推進、グループ内業務代行 | 雇用支援・定着支援 |
同じ「ビースタイル」への転職でも、スマートキャリアの派遣営業とメディアのWebマーケティングでは、求められるスキルも日々の業務も評価のされ方もまったく違います。求人票を見るときは、応募先がどの事業会社のどのセグメントなのかを最初に確認してください。なお「ビースタイル スマートキャリア 評判」で検索した場合に出てくる口コミは、この事業会社単体のものであり、持株会社の口コミとは母数もスコアも別物です(後述します)。
ビースタイルホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。数値の対象期・集計範囲(連結か提出会社単体か)も併記しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ビースタイルホールディングス(b-style holdings Inc.) |
| 証券コード/市場 | 302A/東京証券取引所グロース市場(2024年12月27日上場) |
| 本社 | 東京都新宿区西新宿6-18-1 住友不動産新宿セントラルパークタワー32F |
| 代表者 | 代表取締役社長 三原邦彦(取締役会長 増村一郎) |
| 設立 | 2020年2月14日(持株会社化。グループ創業は2002年7月5日) |
| 平均年間給与 | 約625万円(第7期・2026年3月期/提出会社=持株会社単体。前期599万円) |
| 平均年齢 | 42.9歳(第7期・提出会社単体。前期42.9歳) |
| 平均勤続年数 | 6.7年(第7期・提出会社単体。前期6.7年) |
| 従業員数 | 連結336名(臨時雇用者73名は外数/合計409名)、提出会社単体57名(臨時5名)※2026年3月31日現在 |
| 売上高 | 120億800万円(2026年3月期・連結/前期比+7.1%) |
| 営業利益 | 1億8,900万円(2026年3月期・連結/前期比△41.3%) |
| 当期純利益 | 5,100万円(2026年3月期・連結/前期比△73.7%) |
| セグメント別売上 | 派遣・紹介66億5,400万円/メディア44億2,400万円/DX9億2,000万円/その他800万円 |
| 株価・時価総額 | 625円・約18.2億円(2026年8月21日終値。公開価格2,070円・初値3,325円) |
| 配当 | 無配(配当利回り0.00%) |
| 出典 | 第7期 有価証券報告書「従業員の状況」/2026年3月期 決算説明資料/公式サイト会社概要/株価情報(2026年8月21日時点) |
この表で最初に目が行くのは平均年収625万円だと思います。ただし、この数字には大きな注意書きが必要です。次のセクションが本記事の核心です。
平均年収625万円は「誰の年収」か|持株会社57名という前提を外して読む
結論から書きます。有価証券報告書に記載された平均年間給与625万円は、従業員57名の純粋持株会社(本社管理部門)の平均値であり、連結409名の現場社員の実態を示す数値ではありません。ここを取り違えると「ビースタイルは年収625万円の会社だ」という誤った期待値で選考に進むことになります。
有報の数値そのものは何を示しているか
公式情報として、有価証券報告書「従業員の状況」によると、第7期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)の提出会社(持株会社単体)の数値は以下の通りです。
- 平均年間給与:625万円(前期599万円から約25万円増)
- 平均年齢:42.9歳(前期42.9歳と横ばい)
- 平均勤続年数:6.7年(前期6.7年と横ばい)
- 従業員数:57名(臨時雇用者5名は外数)
平均年齢42.9歳・平均勤続6.7年という組み合わせは、20代の若手が大量にいる組織の姿ではありません。持株会社の機能は経営管理・財務・人事・法務・IR などの本社機能であり、そこに在籍する57名はグループ内でも相対的に経験年数の長い管理職層・専門職層が中心であると推定されます(推定情報)。持株会社設立は2020年ですが平均勤続が6.7年ある点からも、グループ通算の在籍年数が反映されている、つまり長く在籍している人が多い集団だと読めます。
言い換えると、625万円という数字は「ビースタイルグループで長く働き、本社機能を担う立場に到達した人の水準」に近い性格を持ちます。転職者が最初に入る場所ではなく、キャリアの先にある水準の一つの目安として読むのが実態に近いはずです。

では、実際に派遣営業やキャリアアドバイザーとして入社した場合の年収はどこを見ればいいの?
事業会社の現場年収をどう見積もるか
ここが難しいところです。事業会社4社(スマートキャリア/メディア/バリューテクノロジーズ/チャレンジ)はいずれも非上場のため、個別の平均年間給与は有価証券報告書では開示されていません。したがって現場の年収は、公開されている別の手がかりから推定するしかありません。以下は推定情報・口コミ傾向を含むため、断定ではなく目安として扱ってください。
- 初任給(公式情報):グループ採用サイトによると、新卒総合職の初任給は月25万円(固定残業代込み)と記載されています。単純に12か月換算すると年300万円で、ここに賞与や手当が加わる形になります
- 口コミ上の傾向(口コミ傾向):OpenWorkの持株会社ページでは「待遇面の満足度」が2.3、「人事評価の適正感」が2.4と、他項目に比べて明確に低い水準です。事業会社スマートキャリア側の口コミでも「年収が上がっていくイメージが持てない」という趣旨の投稿が繰り返し見られます
- 職種別のレンジ(推定情報):以上から、派遣営業・キャリアアドバイザーの若手〜中堅層は年収300万円台後半〜450万円前後、メディア事業の法人営業やマーケティング職で成果が処遇に反映される場合や、マネジメント層で500万円台以上というのが一つの目安と考えられます。いずれも推定であり、実際のオファー額は経験・職種・等級で変動します
人材サービス業界全体の構造として、労働集約型の派遣事業は人件費が原価となるため利益率が低く、賃上げやスタッフ確保コストの上昇が続くなかで給与水準を大きく伸ばしにくい、という共通の課題があります。同社の営業利益率(2026年3月期・連結で約1.6%)を見る限り、現時点で全社的に大幅な賃上げ余力が潤沢にある状態とは言いにくいというのが数字から読める姿です(推定情報)。一方で持株会社の平均年収が599万円→625万円へ1年で約25万円上がっている事実もあり、上場を機に本社機能の処遇は改善方向にあると読むこともできます。
選考で年収を確認するときの3つの質問
ネット上の平均年収データではなく、自分に適用される条件を確定させるために、面接・内定段階で必ず確認したい項目を挙げます。
- 雇用主はどこか:雇用契約の相手が持株会社なのか、スマートキャリア等の事業会社なのか。給与テーブルも評価制度も所属先で変わります
- 固定残業代の有無と時間数:新卒初任給が固定残業代込みで提示されている以上、中途の提示額にも含まれている可能性があります。基本給と固定残業代の内訳、超過分の支給有無を確認してください
- 賞与の算定根拠:2026年3月期は営業利益が前期比41.3%減、2027年3月期第1四半期は営業損失です。賞与が業績連動なら、直近の業績が支給額にどう影響しているかを聞いておく価値があります
最終的な条件は、内定時に交付される労働条件通知書で必ず確認してください。求人票の「年収例」は上限側のモデルケースであることが少なくありません。
売上の55%は派遣、利益の柱はメディア|収益構造の逆転が転職判断を変える
この会社は「主婦特化の派遣会社」と説明されがちですが、数字を見ると実態はすでに違います。祖業である派遣・紹介事業より、求人メディア「しゅふJOB」のほうが稼いでいるのです。
セグメント別の売上とセグメント利益
公式情報として、2026年3月期の決算説明資料および有価証券報告書によると、セグメント別の数値は次の通りです。
| セグメント | 売上高 | 売上構成比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 派遣・紹介事業 | 66億5,400万円 | 約55% | 2億8,200万円 |
| メディア事業(しゅふJOB) | 44億2,400万円 | 約37% | 13億5,800万円 |
| DX事業(BPA/RPO) | 9億2,000万円 | 約8% | 6,400万円 |
| その他 | 800万円 | 約0% | — |
| 全社調整額 | — | — | △15億4,400万円 |
| 連結合計 | 120億800万円 | 100% | 営業利益1億8,900万円 |
売上規模は派遣・紹介が最大ですが、セグメント利益はメディアが13億5,800万円と、派遣・紹介の2億8,200万円の約4.8倍です。人材サービス業界に共通する構造として、スタッフを雇用して稼働時間分の料金を得る派遣は人件費が原価に乗るため利益率が低く、掲載課金・応募課金の求人メディアは売上規模が小さくても利益率が高くなります。同社はその教科書どおりの姿を示しています。
メディア事業の中身も伸びています。決算説明資料によると、しゅふJOBの掲載社数は2026年3月期末で5,850社、導入企業は延べ46,000社を突破。1社あたり月間取引金額は83,270円から98,318円へ拡大しました。会員データは100万人超を保有し、これがAI活用・レコメンド強化の前提資産になっています。ビースタイルメディア単体では2029年度に売上高100億円(2025年度35億円)という目標を掲げ、中小企業庁の「100億宣言」にも記載されています。転職者から見れば、社内で最も投資と期待が集まっているのはメディア事業だと読めます(推定情報)。
祖業の派遣・紹介で何が起きているか
一方で、派遣・紹介事業は縮小局面にあります。これは転職検討者にとって見過ごせない事実です。
- 売上高は7,275百万円→6,945百万円→6,654百万円と4期連続で減少(売上総利益も同様に減少)
- 派遣就業者数は2,440人から2,137人へ、取引社数は977社から866社へ減少
- 会社側は「事務派遣領域への積極投資に終止符」と明言し、組織のスリム化を進行中
- 看護・介護などエッセンシャル領域(ネイバーケアキャリア事業)を2026年3月期に新規開始。第4四半期単独で7,804万円まで拡大
- 派遣事業の給与計算・請求書作成といった機能をDX事業(BPO)へ移管
- 「スマートキャリア」ブランドのリブランディングを実施、関東から関西へエリア展開を開始
一般事務の派遣は単価競争と自動化圧力を受けやすく、業界全体でも各社が医療・介護・IT・専門職へ資源を移しています。同社の動きはこの潮流に沿ったものです。ただし転職検討者の視点では、これは「入社後に担当領域や職務が変わる可能性が現実にある会社」だという意味でもあります。事務派遣の営業として入社したつもりが、数年後に看護・介護領域やBPO業務を担当している、という展開は十分ありえます。口コミにも「組織変更が頻繁」という趣旨の声が見られます(口コミ傾向)。変化を歓迎できるか、腰を据えて一つの領域を極めたいのか。ここが適性の分かれ目になります。
増収減益と1Q営業赤字|業績・株価の事実を両面から見る
数字は良い面と厳しい面の両方を示しています。どちらか一方だけを見て判断しないために、事実を並べます。
公式情報として、決算資料によると2026年3月期(連結)は売上高120億800万円で前期比+7.1%の増収でした。過去推移は2024年3月期108億2,600万円→2025年3月期112億1,400万円→2026年3月期120億800万円と、売上は着実に伸びています。一方で利益は、営業利益1億8,900万円(前期比△41.3%)、経常利益1億7,600万円(△45.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益5,100万円(△73.7%)と大幅な減益です。営業キャッシュ・フローも△1億2,000万円と流出超に転じ、現金及び現金同等物は22億4,500万円から18億1,600万円へ減少しました。
さらに2026年8月14日に発表された2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月期)は、売上高32億5,100万円(+5.5%)に対して営業損失△9,900万円・経常損失△1億500万円・四半期純損失△1億2,600万円と赤字スタートでした。通期の会社予想は売上高145億6,800万円(+21.3%)・営業利益3億円(+58.4%)と大幅な増収増益計画ですが、第1四半期時点では計画に対して距離があります。
この赤字の性格をどう読むかがポイントです。会社は「しゅふJOB」のシステム刷新投資と認知獲得のための広告投資を進めている段階であり、先行投資フェーズによる利益圧迫という説明が成り立ちます。実際、メディア事業のセグメント利益は13億5,800万円と厚く、全社の営業利益が1億8,900万円まで縮むのは全社調整額△15億4,400万円が乗るためです。つまり「稼ぐ力そのものが失われた」という数字ではありません。ただし、投資が想定どおりの成長に結びつくかは現時点では未確定です(推定情報)。
株式市場での評価も事実として記載しておきます。2024年12月27日の上場時、公開価格は2,070円、初値は3,325円でした。2026年8月21日終値は625円、時価総額は約18.2億円で、年初来高値696円・安値495円というレンジで推移しています。PER(会社予想)11.30倍、PBR(実績)1.53倍、ROE(実績)3.96%、BPS409.28円、自己資本比率33.9%、配当は無配です。ストックオプションや持株会を待遇の一部として期待する場合、この価格推移は事実として認識しておく必要があります。これは株価の善し悪しを論じるものではなく、報酬設計の前提として押さえるべき情報という位置づけです。
口コミ傾向|「働きやすさは高評価、給与カーブには不満」という分布
口コミは断定できない情報ですが、傾向としてはかなりはっきりした分布が出ています。結論を先に言えば、労働時間・休暇の取りやすさは人材業界のなかで良好な部類、一方で給与と評価への納得感は低めという組み合わせです。自社が「働き方の柔軟性」を商材にしている会社らしい特徴とも言えます。
持株会社と事業会社でスコアが違う
口コミ傾向として、OpenWorkの「ビースタイル ホールディングス」ページは総合評価2.99、回答者はわずか14名です。従業員57名の持株会社が対象であり、母数が極めて小さいため統計的な代表性は乏しく、個々の投稿を一般化するのは避けるべきです。そのうえで項目別を見ると、次のような濃淡があります。
| 項目 | スコア | 読み取れること |
|---|---|---|
| 風通しの良さ | 3.8 | 意見が言いやすい・情報が回る環境という評価 |
| 社員の相互尊重 | 3.4 | 人間関係は平均以上 |
| 法令順守意識 | 3.3 | 中位 |
| 人事評価の適正感 | 2.4 | 評価の納得感に課題があるという声 |
| 待遇面の満足度 | 2.3 | 最も低い項目。給与水準への不満が中心 |
| 月間残業時間 | 16.1時間 | 人材業界としてはかなり少ない部類 |
| 有給消化率 | 79.7% | 取得しやすい環境という評価 |
一方、事業会社の「ビースタイル スマートキャリア」は口コミの母数が多く、転職会議で全212件、OpenWorkでは正社員43名の回答で総合3.5前後です。ポジティブ側は「育休復帰率がほぼ100%で時短・在宅が実際に使われている」「数年前より残業が減った」といった、自社商材である働き方の柔軟性を社内でも実践しているという評価。ネガティブ側は「毎日忙しく残業が多かった」「年収が上がっていくイメージが持てない」「20代が成長できる環境ではなかった」「派遣会社なので基本的に忙しい」「組織変更が頻繁」といった、給与カーブと組織の落ち着かなさへの声が繰り返し出ます。同じグループでも、持株会社と事業会社では評価軸も母数もまったく違う点は押さえておいてください。
派遣登録者の口コミと社員の口コミを混ぜない
検索していると「ビースタイル やばい」といった候補や、それに応じた記事に行き当たることがあります。ここで重要な整理をします。ネット上のそうした記事の大半は、社員としての評判ではなく、派遣登録者・利用企業としての評判を扱っています。具体的には「就業後のフォローが薄い」「担当者と連絡が取りづらい」「求人票と実態にズレがあった」「社会保険や給与の事務手続きでミスがあった」といった、サービス利用者側の体験談です。
これは転職検討者にとって無価値な情報ではありません。むしろ、自分が入社したら「その苦情を受ける側」になるという意味で読み替える価値があります。派遣営業やキャリアアドバイザーは、就業先企業と登録スタッフの双方に向き合う職種で、受注件数・稼働人数といった数値目標も明確です。業務量と精神的な負荷が大きくなりやすいのは業界共通の懸念でもあります。ただし、登録者の不満をそのまま「社員として働く環境の評価」に置き換えるのは筋が違うということは、はっきり分けて理解してください。
人材サービス業界の中での立ち位置|同業4社との比較
ビースタイルホールディングスがどんなポジションにいるのかを、読者が実際に併願しそうな企業と並べて整理します。以下は各社の事業内容という公式情報にもとづく整理ですが、比較軸の評価には推定情報を含みます。売上規模・年収などの数値は各社の公式IRで必ず再確認してください。
| 企業名(コード) | 市場 | 中核モデル | しゅふ・時短領域との関わり | 転職で得られる経験 |
|---|---|---|---|---|
| ビースタイルホールディングス(302A) | 東証グロース | しゅふ特化の派遣・紹介+求人メディア「しゅふJOB」 | 領域そのものが事業の中心。20年以上の専業 | 短時間・制約のある人材のマッチング設計、特化型メディア運営 |
| ディップ(2379) | 東証プライム | 大手求人メディア(バイトル、はたらこねっと等) | パート・アルバイト求人で最も直接的に競合 | 大規模メディアの営業組織・広告運用の型 |
| パーソルホールディングス(2181) | 東証プライム | 人材派遣・紹介の最大手グループ | 時短・主婦層派遣でも競合。総合力で対峙 | 大手の仕組み化されたオペレーションと幅広い職種 |
| エン・ジャパン(4849) | 東証プライム | 求人メディア+人材紹介 | 求職者集客モデルが近い | 集客・コンテンツ主導の求人ビジネス |
| ウィルグループ(6089) | 東証プライム | 人材派遣・アウトソーシング | 派遣事業の収益構造が比較しやすい | アウトソーシング領域の事業運営 |
この並びで見ると、ビースタイルホールディングスの特徴は明確です。規模では明らかに小さい(時価総額約18.2億円・連結336名)が、「しゅふ・時短」という一点に20年以上資源を集中してきた専業プレイヤーである、という位置づけです。転職者にとっての意味は次のように整理できます(推定情報)。
- 裁量と距離感:組織が小さいぶん、意思決定層との距離は近い可能性が高い。事業の全体像が見えやすい
- 体力と安定性:大手と比べて業績変動の影響を受けやすい。無配・自己資本比率33.9%という財務も踏まえる必要がある
- 専門性:「制約のある人材を戦力化する設計」の経験は、今後どの人材会社や事業会社の人事でも通用しやすい希少性のあるスキルになりうる
転職難易度と中途採用の門戸|「ビースタイル 求人」から読み取れること
転職難易度を数値化した公開情報はありません。ただし、公開されている求人経路と組織規模から、採用の性格はある程度読み取れます(推定情報を含みます)。
同社の中途求人は、エン転職、リクルートエージェント、Green など複数の転職媒体に掲載が確認できます。IT/Web業界向けのGreenに掲載がある点は、メディア事業やDX事業でのデジタル人材採用に力を入れていることの表れと考えられます。連結336名という規模を踏まえると、大量採用ではなく職種ごとのピンポイント採用が中心と見るのが自然です。募集が出ているタイミングと自分の経験が合致するかどうかが、選考通過に大きく影響します。
求められる経験としては、事業会社ごとに次のような整理ができます(推定情報)。
- スマートキャリア(派遣・紹介):人材業界での法人営業・キャリアアドバイザー経験、または無形商材の法人営業経験。未経験可の募集が出ることもあるが、稼働人数や受注件数の目標に向き合う姿勢は問われる
- メディア(しゅふJOB):求人メディアの法人営業、Web広告運用・SEO・会員データ分析、プロダクト企画。次世代プラットフォーム開発(ダイレクトスカウト機能・レコメンドエンジン刷新)が進行中で、この領域の経験は評価されやすい
- バリューテクノロジーズ(DX):業務設計・BPO/RPO運用、業務自動化の推進経験
面接では、事業構造の転換(事務派遣からエッセンシャル領域・メディアへ)を理解したうえで、自分がどのセグメントの成長にどう貢献できるかを語れると説得力が出ます。逆に「主婦向けの派遣会社ですよね」という理解のまま臨むと、会社が今いる局面とかみ合いません。
2026年の制度変更と業界構造|追い風と逆風を分けて見る
この会社の将来性を考えるうえで、外部環境には明確な追い風と明確な逆風が同時に存在します。一般論ではなく、同社の事業に直結する2つの変化を挙げます。
追い風:2026年10月の社会保険加入要件の見直し。月額賃金8.8万円(年収106万円)要件が撤廃され、実質的に「週20時間」の労働時間要件が判断軸になります。配偶者控除の所得要件引き上げなど税制側の見直しも進み、短時間就業者の就業調整の考え方が変わる過渡期に入ります。求人側・求職者側の双方で制度説明の必要性が増し、シフト設計や時給提示の見直しが求められる局面です。「年収の壁」を前提にした働き方の設計を20年扱ってきた同社にとって、この過渡期は専門性が効く場面と考えられます(推定情報)。制度改正を正しく理解して求人設計や求職者への説明ができる人材は、この領域で実務的な付加価値を出しやすくなります。
逆風:求人検索エンジンへの依存と集客コストの上昇。求人メディアの応募獲得はIndeed・求人ボックス・スタンバイといった求人検索エンジンからの流入に大きく依存しています。2026年3月施行のIndeedの掲載ポリシー改定により、採用企業以外(人材紹介・派遣・採用代行など)の無料掲載が実質的にできなくなり、大量掲載を行ってきた事業者ほどコスト負担が増す構図になりました。同社が「しゅふJOB」のシステム刷新と認知獲得の広告投資を進め、100万人超の会員データを軸に自社集客を強化しようとしているのは、この構造変化への対応と読むのが自然です(推定情報)。裏を返せば、プラットフォーム側の方針変更で業績が振れやすい事業構造であることも事実です。
加えて業界全体では、労働者派遣業の倒産が2025年に12年ぶりの高水準となり、賃上げ圧力が中小事業者を圧迫、M&Aによる大手集約も進んでいます。医療・介護分野の紹介手数料をめぐる上限規制の議論も出ており、同社が注力するネイバーケアキャリア事業はこの影響を受けうる領域です。
ビースタイルホールディングスへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。判断材料として使ってください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 「制約のある人材の戦力化」という社会テーマに事業として関わりたい人 | 大手のブランドと安定した収益基盤のうえで働きたい人 |
| 組織変更・担当領域の変更を前向きな機会として捉えられる人 | 一つの領域を長く担当し、腰を据えて専門を深めたい人 |
| 求人メディアの集客・データ活用に踏み込みたい人 | 年功に応じた着実な昇給カーブを最優先する人 |
| 残業16.1時間・有給79.7%という働き方の水準を重視する人 | 短期で年収を大きく引き上げることを転職の主目的にする人 |
| 小規模組織で経営に近い距離感を求める人 | 業績の変動や先行投資フェーズの不確実性を避けたい人 |
特に強調したいのは1行目と2行目です。同社は事務派遣への投資を止め、エッセンシャル領域とメディアへ資源をシフトしている最中で、社内で配置転換が現実に起きています。この局面を「新しい領域に手を挙げられる機会」と読める人と、「不安定さ」と読む人で、入社後の満足度は大きく分かれるはずです。
編集部の見解|どんな人に「今」おすすめできるか
編集部の見解として、総合するとビースタイルホールディングスは「安定を買う転職先」ではなく「テーマと局面を買う転職先」だと考えられます。2026年3月期は増収減益、第1四半期は営業損失、株価は公開価格を大きく下回る水準にあり、財務的な余裕が潤沢な会社ではありません。年収面でも、有報の625万円をそのまま期待できる立場は限られます。
一方で、しゅふJOBというメディア資産は利益を生んでおり(セグメント利益13億5,800万円)、100万人超の会員データという再現の難しい資産があります。2026年10月の社会保険要件の見直しは、同社が20年蓄積してきた「短時間人材の設計ノウハウ」が最も効く局面でもあります。ここに賭けられるかどうかが判断の核心です。
したがって、短時間人材・多様な働き方の領域で専門性を作りたい人、求人メディアの成長フェーズに関わりたい人にはおすすめできる一方、直近の年収アップと安定性を最優先する人には他社との併願を強くすすめます。応募する場合も、雇用主となる事業会社と担当セグメント、固定残業代の内訳、賞与の算定根拠までは必ず確認してください。この3点を確認しないまま入社を決めるのは、この会社に関しては特にリスクが大きいと考えます。
ビースタイルホールディングスに関するよくある質問(FAQ)
転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。
「ビースタイル」と検索すると美容室やマスクが出てきます。同じ会社ですか?
別の会社・別の商品です。千葉県などの美容室「カットビースタイル」、白元アース社の「ビースタイル マスク」、ベビー用品の「ベビースタイル」などは、いずれも本記事で扱う企業とは無関係です。人材サービスの同社を指す場合は、証券コード302A/東証グロース市場/東京都新宿区西新宿/求人サイト「しゅふJOB」のいずれかで判別できます。
「ビースタイル マイページ」「ログイン」はどこから入りますか?
これらは派遣登録スタッフや求人サイト利用者向けの入口で、社員としての転職情報ではありません。派遣スタッフとしての就業管理や、しゅふJOBの応募管理に関する内容になりますので、各サービスの公式サイトからご確認ください。本記事は正社員としての転職・就職を検討する方向けの内容です。
平均年収625万円は、派遣営業でも同じですか?
同じではありません。625万円は有価証券報告書「従業員の状況」に記載された提出会社(従業員57名の持株会社)の平均年間給与で、本社管理部門が中心の数値です。派遣営業やキャリアアドバイザーが所属する事業会社は非上場のため、個別の平均年間給与は有価証券報告書では開示されていません。実際の提示額は、雇用主となる事業会社の給与テーブルで決まります。
事業会社4社のうち、どこに配属されるかは選べますか?
求人は事業会社・職種ごとに出ているため、応募段階でどの領域かは明確になっているのが通常です。ただし同社は事務派遣からエッセンシャル領域・メディアへ資源を移している最中で、入社後の配置転換や担当領域の変更が起こりうる局面にあります。面接時に、直近1〜2年の組織変更の実績と今後の方針を確認しておくことをおすすめします。
残業は多いですか?休みは取れますか?
口コミ傾向としては、OpenWorkの持株会社ページで月間残業16.1時間・有給消化率79.7%と、人材業界のなかでは良好な部類の数値が出ています。事業会社スマートキャリア側の口コミでも「数年前より残業が減った」「育休復帰後の時短・在宅が実際に使われている」という声があります。一方で「派遣会社なので基本的に忙しい」「繁忙期は残業が増える」という趣旨の投稿も見られ、部署・時期による差はあると考えられます。断定はできないため、面接時に配属予定部署の実績値を確認してください。
ビースタイルホールディングスへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収 | 有報625万円は持株会社57名の数値。事業会社の水準は非開示で、口コミでは待遇満足度2.3と低め。提示額は個別確認が必須 |
| 働き方 | 残業16.1時間・有給79.7%と人材業界では良好な部類。育休復帰・時短の実運用に肯定的な声 |
| 事業の強さ | メディア事業のセグメント利益13億5,800万円が柱。会員100万人超という資産は模倣が難しい |
| 足元の業績 | 2026年3月期は増収減益(営業利益△41.3%)、2027年3月期1Qは営業損失。先行投資フェーズという説明は成り立つが不確実性あり |
| 組織の安定性 | 事務派遣からの資源シフト進行中。配置転換・組織変更が起こりうる局面 |
| 外部環境 | 2026年10月の社会保険要件見直しは追い風、Indeed掲載ポリシー改定と集客コスト上昇は逆風 |
| 向く人 | 短時間・多様な働き方の領域で専門性を作りたい人、求人メディアの成長に関わりたい人 |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
- 株式会社ビースタイルホールディングス 公式サイト
- 株式会社ビースタイルホールディングス IRページ
- 株式会社ビースタイルホールディングス 採用情報
- EDINET(金融庁・有価証券報告書検索)
- 公式サイト 会社概要
口コミ・評判の参照元
なお、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は第7期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」、売上高・営業利益・セグメント別数値は2026年3月期の決算資料および決算説明資料、株価指標は2026年8月21日時点の市場データを参照しています。大株主構成については二次ソース掲載の2025年3月時点データを参照しているため、最新の状況は有価証券報告書でご確認ください。
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。特に本記事では、持株会社単体の数値と連結・事業会社の実態を混同しないことを編集上の最重要方針としました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
