モダリスの将来性|日本の社員3名・研究開発は全て米国、年収613.7万円の中身
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 日本の社員は3名:連結17名のうち14名は米国子会社の研究職
- 年収613.7万円:これは日本本社の管理部門3名の平均値
- 事業収益は3期連続ゼロ:営業損失22.11億円の研究開発フェーズ
- 口コミは0件:判断材料は有価証券報告書の一次数値のみ
株式会社モダリス(証券コード4883・東証グロース市場)は、「切らないCRISPR技術」を掲げるゲノム編集創薬のバイオベンチャーです。この記事は、株価や投資妙味を論じるものではなく、「働く場所として、この会社をどう評価すべきか」を有価証券報告書の一次情報から組み立てたものです。モダリスは口コミサイトへの投稿がほぼ存在しないため、通常の企業レビュー記事のように「社員の声」から実態を描くことができません。そこで本記事では、第10期(2025年12月期)有価証券報告書に記載された従業員数・平均年間給与・平均勤続年数・損益・キャッシュ・フローといった公式情報を丁寧に分解し、そこから読み取れる労働実態と事業リスクを整理します。結論を先に言えば、この会社は「日本で研究職として入社できる可能性が極めて小さく、日本法人は管理部門3名で構成される」という、日本の上場企業のなかでも例外的な組織構造を持っています。
先に整理|この記事は株価ではなく「働く場としてのモダリス」を扱います
モダリスという社名で検索する人の大半は、実は転職検討者ではありません。検索データを見ると、「モダリス 株価」「モダリス 掲示板」といった投資関連のキーワードが圧倒的多数を占め、「評判」「採用」「年収」といった求職系のキーワードはごくわずかです。この非対称性は、この会社を理解するうえで最初に押さえるべき事実です。
ネット上で見かけるモダリスに関する書き込みの多くは、株式を保有している、あるいは売買を検討している個人投資家によるものです。それらは社員の声ではなく株主の声であり、職場環境や待遇の実態を示すものではありません。本記事では、投資家目線の憶測や相場観には一切踏み込まず、転職・就職の判断に必要な情報だけを扱います。
とはいえ、投資家の論点と求職者の論点がまったく無関係というわけでもありません。事業収益がゼロであること、資金がいつまでもつのか──こうした持続性の論点は、そこで働こうとする人にも直結します。本記事では投資判断のための材料としてではなく、「入社後に自分のポジションが存続するか」を見極めるための材料として財務データを読み解きます。
モダリスの公式データ一覧(有価証券報告書 第10期ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。なお平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は、いずれも提出会社(単体)の従業員3名のみを対象とした数値である点に注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社モダリス(Modalis Therapeutics Corporation) |
| 証券コード | 4883(東京証券取引所グロース市場) |
| 本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町三丁目11番5号 |
| 設立 | 2016年1月(エディジーン株式会社として設立、2019年8月に現商号へ変更) |
| 代表者 | 代表取締役CEO 森田 晴彦 |
| 事業内容 | 遺伝子治療薬開発事業(単一セグメント)/ゲノム編集創薬 |
| 平均年間給与 | 6,137千円(約613.7万円)※提出会社の従業員3名の平均 |
| 平均年齢 | 37.0歳 ※提出会社の従業員3名の平均 |
| 平均勤続年数 | 1.42年 ※提出会社の従業員3名の平均 |
| 従業員数 | 連結17名(臨時雇用者1名は外数)/提出会社3名(臨時雇用者1名) |
| 事業収益 | ゼロ(2023年12月期・2024年12月期・2025年12月期の3期連続) |
| 営業損益 | 営業損失22億1,180万円(連結) |
| 研究開発費 | 19億7,999万円 |
| 純資産・自己資本比率 | 27億9,330万円/93.0%(債務超過ではありません) |
| 期末現金及び現金同等物 | 28億1,236万円 |
| 配当 | 設立以来無配(繰越利益剰余金はマイナス) |
| 労働組合 | 結成されていません |
| 出典 | 第10期(2025年1月1日〜2025年12月31日)有価証券報告書/2026年3月25日提出・EDINETコードE35518 |
数値はすべて第10期有価証券報告書の実額です。従業員数は2025年12月31日現在。決算期は12月であるため、3月期決算の製薬企業と比較する際は対象期間のズレに注意してください。
モダリスとはどんな会社か|「切らないCRISPR」で希少疾患に挑む研究開発型企業
転職判断の前提として、まずこの会社が何を作ろうとしているのかを押さえておきます。結論から言えば、モダリスはまだ一度も医薬品を販売したことがない、純粋な研究開発フェーズの創薬ベンチャーです。
公式サイトによると、同社の中核技術はCRISPR-GNDM®と名付けられたエピゲノム編集技術です。一般的なゲノム編集はCas9というタンパク質でDNAを切断して配列を書き換えますが、モダリスの技術はCas9の切断活性を意図的に不活化したうえで、転写を上げ下げするスイッチング分子を連結します。つまりDNAの配列そのものは切らずに、遺伝子の発現をオン・オフするという設計です。DNAを切らないため意図しない変異のリスクを抑えられるというのが、この技術の売り文句になっています。
ターゲットは患者数の少ない希少遺伝子疾患です。有価証券報告書によると、2025年12月末時点で自社開発モデルは8品目。主軸は先天性筋ジストロフィー1A型(LAMA2-CMD)を対象とするMDL-101で、米国において2024年9月に希少小児疾患指定、同年10月に希少疾病用医薬品指定を取得しています。IND申請(治験開始のための申請)の目標時期は2026年末から2027年第1四半期とされています。後続にはDM1、DMD、FSHD、拡張型心筋症などのパイプラインが並びます。
ビジネスモデルは、自社で開発を進める「自社モデル」と、製薬企業と組む「協業モデル」のハイブリッドと説明されています。ただし協業の実績は必ずしも順調に積み上がっているわけではありません。同社はアステラス製薬と2017年から共同研究を開始し、2019年3月と9月には遺伝子治療薬開発のライセンス契約2件を締結しましたが、2023年8月にこの2件のライセンスをモダリス側が再取得(アステラス製薬から返還)しています。このほか、エーザイとの共同研究(2019年11月)、Editas MedicineからのCRISPR/Cas9特許の非独占的実施許諾(2020年4月)、JCRファーマとの共同研究(2023年12月)、Ginkgo Bioworksとのパートナーシップ(2024年4月)が公表されています。
この「大手製薬とのライセンスが解消された経緯」は、協業モデルに収益を依存する構造のリスクを示す実例です。創薬ベンチャーの多くは提携一時金やマイルストーン収入で研究資金を賄うため、提携が解消されれば収益源は一気に細ります。実際モダリスの事業収益は2019年12月期の6億4,450万円をピークに、2020年12月期3億4,200万円、2021年12月期110万円、2022年12月期4,050万円と縮小し、2023年12月期以降は3期連続でゼロです。
従業員17名の内訳が示す実態|日本3名・米国14名という組織構造
ここからがこの記事の核心です。モダリスは、日本の上場企業としては極めて珍しい「日本本社に研究者が一人もいない」構造を持っています。転職を検討するうえで、この事実は年収や社風以前に理解しておくべき前提です。
連結17名のうち14名は米国子会社に所属している
有価証券報告書によると、2025年12月31日現在の連結従業員数は17名(臨時雇用者1名は外数)。その内訳は研究開発部門14名、全社(共通・管理部門)3名です。一方、提出会社すなわち株式会社モダリス単体の従業員数はわずか3名(臨時雇用者1名)にとどまります。
この差の14名は、全員が米国100%子会社であるModalis Therapeutics Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム市/ボストンエリア)に所属する研究開発人員です。有価証券報告書の研究開発費に関する説明でも「米国子会社の研究開発人員14名の人件費」と明記されており、この整理は同社自身が示しているものです。
つまり、日本法人であるモダリスは管理部門3名のみで構成された実質的なホールディングス的機能を担い、事業の現場はすべて米国側にあるということになります。日本橋の本社は登記上・管理上の中枢ではありますが、そこで実験が行われているわけではありません。
これが求職者にとって何を意味するか。研究職として応募する場合、実際の所属先は米国法人になる可能性が高く、日本国内での採用枠は極小であるという結論です(推定情報を含みますが、従業員構成という公式情報から導かれる合理的な帰結です)。ボストンエリアの創薬クラスターでの就業を前提としたキャリアを考えられるかどうかが、この会社を検討する際の最初の分岐点になります。
連結従業員数の推移|37名から14名へ、そして17名へ
従業員数の推移を並べると、この組織が直近2〜3年で大きく形を変えたことが分かります。
| 決算期 | 連結従業員数 | 備考 |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 16名 | 上場前 |
| 2020年12月期 | 20名 | 2020年8月 東証マザーズ上場 |
| 2021年12月期 | 26名 | 拡大期 |
| 2022年12月期 | 36名 | ピーク手前 |
| 2023年12月期 | 37名 | 従業員数のピーク |
| 2024年12月期 | 14名 | 米国子会社で15名の整理解雇(2024年4月) |
| 2025年12月期 | 17名 | 研究開発14名+管理3名 |
ピークの37名から14名へ、1年で23名・約62%の減少です。この背景にあるのが、次に述べる2024年4月の人員削減です。
2024年4月の人員削減は「整理解雇」であり希望退職募集ではない
報道(ミクスOnline)によると、モダリスは2024年4月中に米国完全子会社Modalis Therapeutics Inc.において研究開発および製造部門を縮小し、15名の整理解雇を実施すると公表しました。理由はMDL-101の臨床試験開始に経営資源を集中するためと説明されています。
ここで区別しておきたいのは、これが会社側から雇用を終了させる整理解雇(レイオフ)であって、退職金を上乗せして応募を募る「希望退職募集」や、自然減による人員縮小ではないという点です。日本の大企業でよく見る希望退職とは性質が異なります。米国の雇用慣行では研究開発フェーズの企業がパイプラインの優先順位変更に応じてレイオフを行うことは珍しくありませんが、「経営資源の集中」という判断ひとつでポジションが消える可能性がある環境であることは、応募前に理解しておくべき事実です。
なお、行政処分・課徴金・訴訟・会計不正といった不祥事については、今回参照した有価証券報告書および公開情報の範囲では該当する事象は見当たりませんでした。ただし網羅的な調査を行ったわけではないため、「見当たらなかった」という事実の提示にとどめます。
平均年収613.7万円は誰の数字か|有報の平均給与を正しく読む
「モダリス 年収」で検索すると、有価証券報告書の平均年間給与613.7万円という数字が独り歩きしがちです。しかしこの613.7万円は、日本本社の管理部門3名の平均にすぎません。研究者の待遇を知りたい人にとっては、ほとんど参考にならない数字です。
公式の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数
有価証券報告書 第10期(2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,137千円(約613.7万円、賞与および基準外賃金を含む)、平均年齢は37.0歳、平均勤続年数は1.42年です。これらはすべて提出会社の従業員3名のみを母集団とする数値であり、その3名は全員が「全社(共通)」=管理部門に区分されています。研究開発部門に区分される日本側の人員はゼロです。
したがって、グループの主戦力である米国子会社の研究者14名(Ph.D.を中心とする専門人材で、米国ボストンエリアの給与水準が適用されると考えられます)の待遇は、この613.7万円には一切含まれていません。米国子会社の給与水準そのものは有価証券報告書では開示されていないため、本記事でも具体的な金額の提示は行いません。
もう一点、統計として押さえておきたい注意があります。母数が3名であるため、1名の入退社で平均値が大きく振れます。前年(第9期・2024年12月期)以前の平均年間給与の実額は今回参照した資料からは特定できませんでしたが、仮に前期の数字があったとしても、3名の平均同士を比較して「昇給した/下がった」と論じることには意味がありません。

有報に613.7万円と書いてあるなら、それが社員の平均年収では?
有価証券報告書の「平均年間給与」は、提出会社(=上場している親会社単体)の従業員だけを対象に算出するルールです。持株会社や、モダリスのように機能が海外子会社に寄っている企業では、この数字がグループ全体の実態と大きくズレます。「誰の平均か」を確認せずに数字だけを引用すると、転職判断を誤ります。
平均年齢37.0歳・平均勤続1.42年の推移が示すもの
年収そのものよりも、転職判断に効く情報は勤続年数と平均年齢の推移です。以下は提出会社(単体)ベースの推移です。
| 決算期 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | 44.3歳 | 1.3年 |
| 2020年12月期 | 45歳 | 1.9年 |
| 2021年12月期 | 46歳 | 2.9年 |
| 2022年12月期 | 47歳 | 3.9年 |
| 2023年12月期 | 46.7歳 | 2.0年 |
| 2024年12月期 | 41.5歳 | 1.1年 |
| 2025年12月期 | 37.0歳 | 1.42年 |
2022年12月期までは平均年齢・平均勤続年数がともに素直に積み上がっており、設立メンバーが在籍し続けた組織の姿が読み取れます。ところが2023年12月期に勤続年数が3.9年から2.0年へ、2024年12月期には1.1年へと急落し、平均年齢も47歳から41.5歳、37.0歳へと2期で10歳下がっています。
推定情報として言えるのは、この2期のあいだに日本本社の顔ぶれがほぼ入れ替わった可能性が高い、ということです。母数3名の統計なので断定はできませんが、勤続年数の「リセット」は在籍者の交代以外では起きにくい現象です。少数精鋭の組織で入社を検討する場合、面接の場で「現在の3名がそれぞれいつ入社したのか」「前任者はどのような経緯で退任したのか」を確認することが、口コミ情報の代わりになる現実的な手段になります。
職種別の年収を知りたい場合にどう調べるか
職種別・役職別の年収レンジは有価証券報告書では開示されていません。口コミサイトにも投稿がないため、外部から推定する材料が極端に乏しい会社です。推定情報として言えるのは、日本の管理部門3名という構成上、募集が出るとすれば経理・財務・IR・薬事・知財といったコーポレート機能の即戦力採用が中心になると考えられる、という点です。研究職を志望する場合は米国法人の採用ページを直接確認するのが現実的です。この規模の会社では提示条件は個別交渉で決まります。平均値を交渉材料にするより、自分が担う役割の代替可能性を基準に条件を組み立てるほうが実態に合っています。
口コミ0件という事実|評判が存在しない会社をどう見極めるか
モダリスの評判を調べようとすると、多くの人が同じ壁にぶつかります。社員による口コミがほぼ存在しないのです。
OpenWorkの企業ページを確認すると、社員クチコミは0件・回答者0人で、総合評価スコア、待遇面の満足度、社員の士気、月間残業時間、有給消化率といった項目はすべて「–」と表示されます。会社概要欄に「従業員数10〜29名/2016年設立/東京都日本橋のバイオテック」と出るだけで、評価に足る情報はありません。転職会議やエン カイシャの評判についても、同社の口コミページは見当たりませんでした。
理由は明快です。日本法人の従業員が3名、連結でも17名しかいないため、口コミサイトの掲載閾値に母数そのものが届かないのです。これは会社が情報を隠しているわけでも、投稿が削除されているわけでもありません。従業員数という構造的な理由による情報の空白です。
したがって、この会社については口コミ傾向から労働環境を推し量るというアプローチが成立しません。残業時間も有給消化率も、外部から知る手段が事実上ありません。代わりに使える材料は、有価証券報告書に載っている次の一次数値だけです。
- 従業員3名(日本)/17名(連結):分業が成立しない規模であり、一人が複数機能を兼務する働き方になると考えられます
- 平均勤続1.42年:長期にわたって同じメンバーで運営されてきた組織ではありません
- 2024年4月の整理解雇15名:雇用の安定性を測るうえで最も重い事実です
- 事業収益ゼロ・営業損失22.11億円:報酬原資は売上ではなく資本市場からの調達に依存します
- 労働組合なし:労働条件の交渉は個別対応になります
口コミがないことは、必ずしもネガティブな情報ではありません。推定情報ですが、少人数の専門組織では退職者が投稿しても個人が特定されやすいため、そもそも投稿されにくいという事情もあります。重要なのは、口コミがない会社を「悪い評判がない会社」と読み替えないことです。情報がないなら、面接と労働条件通知書で自分で取りにいくしかありません。
「モダリス 将来性」を有価証券報告書の数字で検証する
モダリス関連の検索で最も多いのが「将来性」です。ここでは印象論を避け、公開されている数字だけで論点を整理します。結論から言えば、将来性は単一パイプラインMDL-101が臨床でどこまで進むかにほぼ一点で依存しており、その成否が出るまでの資金を確保し続けられるかが最大の変数です。
営業損失の推移と研究開発費の重み
有価証券報告書によると、第10期(2025年12月期)連結の営業損失は22億1,180万円、経常損失21億4,859万円、親会社株主に帰属する当期純損失21億5,271万円です。このうち研究開発費が19億7,999万円を占めており、損失のほぼ全額が研究開発投資であることが分かります。
| 決算期 | 事業収益 | 営業損益 |
|---|---|---|
| 2019年12月期 | 6億4,450万円 | ― |
| 2020年12月期 | 3億4,200万円 | △3億9,835万円 |
| 2021年12月期 | 110万円 | △12億3,944万円 |
| 2022年12月期 | 4,050万円 | △20億6,319万円 |
| 2023年12月期 | ゼロ | △23億7,066万円 |
| 2024年12月期 | ゼロ | △13億3,765万円 |
| 2025年12月期 | ゼロ | △22億1,180万円 |
2024年12月期に営業損失が13.4億円まで縮小しているのは、同年4月の整理解雇によって研究開発体制を絞り込んだ効果と読めます。しかし2025年12月期には再び22.1億円へ拡大しており、MDL-101のIND申請に向けた開発投資が本格化した局面にあると考えられます(推定情報)。有価証券報告書では「当連結会計年度の販売実績がないため、記載を省略」と明記されており、医薬品の製造販売実績はありません。
収益構造の脆さと、パイプライン一点集中の意味
モダリスの収益はすべて製薬企業との共同研究・ライセンス契約に依存する構造です。自社で販売できる製品がない以上、売上が立つタイミングは「大手製薬と組めたとき」に限られます。逆に言えば、提携が解消されれば収益はゼロに戻ります。2023年8月のアステラス製薬からのライセンス返還は、その構造をそのまま示した出来事でした。
一方で、経営資源をMDL-101に集中させる戦略には合理性もあります。医薬品業界は水平分業が進み、開発機能を絞って一つの適応症に賭ける小規模バイオテックと、開発・製造を受託するCDMOに役割が分かれる構造が定着しています。少数精鋭で単一パイプラインを前進させ、臨床データが出た段階で大手にライセンスアウトするというモデルは、この業界構造のなかでは標準的な選択です。希少疾病用医薬品指定と希少小児疾患指定を米国で取得済みである点も、開発期間の短縮や優先審査バウチャーの可能性という面でプラス材料です。
転職検討者の視点で言い換えると、この会社の将来性は「MDL-101のIND申請が2026年末〜2027年第1四半期という目標どおりに進むか」にほぼ一本化されているということです。面接では、このマイルストーンの進捗と、遅延した場合のシナリオをどう説明されるかが、判断の分かれ目になります。
「上場廃止」「潰れる」と検索される背景を事実で整理する
モダリスに関する検索では「上場廃止」「潰れる」といった不安系のキーワードが一定の量で発生しています。これらの検索の多くは投資家によるものと考えられますが、背景にある事実は求職者にとっても無関係ではありません。ここでは推測を排し、有価証券報告書に書かれている事実だけを整理します。
継続企業の前提はどの段階にあるのか
継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)に関する開示は、実務上おおむね3段階に分かれます。①「継続企業の前提に関する注記」が付されている状態、②「重要事象等」の記載はあるが注記は付されていない状態、③いずれの記載もない状態です。
モダリスは②に該当します。第10期有価証券報告書の「事業等のリスク」には、継続的な営業損失の発生および営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在する旨が明記されています。そのうえで会社は、期末の現金及び預金2,812,367千円により翌期の資金を十分に確保していると判断し、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識していると結論づけています。監査法人も監査上の主要な検討事項(KAM)として、この経営者の判断の妥当性の評価を挙げています。
また、債務超過ではありません。純資産は27億9,330万円、総資産29億6,424万円、自己資本比率は93.0%です。借入に依存せず株主資本で運営されている、いわば「現金は厚いが稼げていない」タイプの財務プロフィールです。
資金の残余年数を自分で計算してみる
創薬ベンチャーへの転職では、「滑走路(ランウェイ)の長さ」を自分で計算できるかどうかが判断力の差になります。モダリスの場合、計算に必要な数字はすべて公開されています。
- 第10期の営業キャッシュ・フロー:△21億1,840万円(年間の現金流出額)
- 第10期末の現金及び現金同等物:28億1,236万円
- 単純計算による残余:約1.3年分
さらに直近では、2026年12月期の中間決算(2026年8月10日公表)で事業収益ゼロ・営業損失約10億円・中間純損失約9.2億円が示され、2026年6月末の現金及び預金は追加調達により約30.2億円へ積み増されたと報じられています(この中間期の数値は決算関連報道等の二次ソースによる値であり、有価証券報告書の実額ではありません)。年間約20億円のバーンレートで換算すると、残余は約1.5年分です。
つまりこの会社は、資金調達を継続できている間は事業が回り、調達が止まれば1年半程度で資金が尽きる計算になるという状態を、10期にわたって続けてきました。財務CFを見ると第10期は+13億5,103万円で、うち13億6,415万円が新株予約権の行使による株式発行収入です。研究開発費のほぼ全額を資本市場からの調達で賄っている構造がここに表れています。
希薄化と時価総額|株式数は3年弱で約2.9倍
資金調達の手段として、同社は行使価額修正条項付新株予約権(いわゆるMSワラント型)を繰り返し発行しています。2025年8月にはEVO FUNDを割当先とする第17回新株予約権および第1回無担保社債を発行し、その潜在株式は6,580,000株(7.3%相当)。ストック・オプション等による潜在株式8,752,500株(9.8%相当)も別途あります。
| 時点 | 発行済株式総数 |
|---|---|
| 2021年12月末 | 28,967,500株 |
| 2022年12月末 | 29,362,500株 |
| 2023年12月末 | 33,355,272株 |
| 2024年12月末 | 69,403,998株 |
| 2025年12月末 | 86,674,098株 |
| 2026年6月末 | 97,334,098株 |
2023年12月末比で約2.9倍です。株価は2026年8月24日時点で33円、時価総額は約32億円(IRBANK)。第10期の株主総利回りは2.5%で、比較指標である東証グロース市場250指数の56.4%を大きく下回りました。東証グロース市場では上場後一定期間を経過した会社に時価総額100億円という上場維持基準が設けられていますが、同基準への適合状況や適合計画に関する記載は第10期有価証券報告書からは見当たりませんでした。したがって本記事では、上場維持の可否について断定的な評価は行いません。
求職者としての読み方をまとめると、次のようになります。推定情報を含みますが、①債務超過ではなく現金は確保されているため、直ちに事業が止まる状況を示す記載はない、②ただし収益がゼロで資金調達に依存する構造は10期にわたり続いている、③したがって入社を検討する際は「向こう2〜3年で何が起きればこの会社の資金繰りが安定するのか」を面接で確認すべき、という3点です。株式市場の評価と職場としての評価は別物ですが、資金の出どころが株式市場である以上、両者は完全には切り離せません。
同業・近接業界との比較|モダリスの立ち位置を数字で置く
モダリスの数字は、単体で見ると解釈しにくいものです。そこで、東証に上場する医薬品セクターの企業と並べて相対化します。各社で決算期が異なるため、年度を必ず確認してください。年収はいずれも有価証券報告書記載の平均年間給与(提出会社ベース)です。
| 企業名(コード) | 対象決算期 | 売上高・事業収益 | 営業損益 | 従業員数 | 有報の平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|---|
| モダリス(4883) | 2025年12月期 | ゼロ(3期連続) | △22億1,180万円 | 連結17名/提出会社3名 | 613.7万円 |
| クリングルファーマ(4884) | 2025年9月期 | 7,221万円 | △9億900万円 | 17名 | 644.6万円 |
| ペルセウスプロテオミクス(4882) | 2026年3月期 | 1億3,600万円 | △7億4,500万円 | 35名 | 777.8万円 |
| 室町ケミカル(4885) | 2026年5月期 | 78億4,100万円 | 7億4,300万円 | 199名 | 543万円 |
| あすか製薬ホールディングス(4886) | 2026年3月期 | 711億2,700万円 | 58億3,400万円 | 連結1,611名/提出会社94名 | 1,021万円 |
この5社を並べると、いくつかの構造が見えてきます。
- 収益フェーズの差が決定的:室町ケミカルとあすか製薬ホールディングスは黒字を出している事業会社、残る3社は開発費を先行投入する研究開発型です。モダリスは3社のなかでも唯一、事業収益がゼロです。
- 平均年間給与は事業規模と単純比例しない:室町ケミカル543万円に対し、赤字のペルセウスプロテオミクスは777.8万円です。研究開発型は少数の専門人材で構成されるため単価が上がりやすく、平均年収の高低だけで企業の健全性は測れません。
- 「提出会社の従業員数」の意味が会社ごとに違う:あすか製薬ホールディングスの1,021万円は連結1,611名のうち提出会社94名の数字、モダリスの613.7万円は連結17名のうち提出会社3名の数字です。有価証券報告書の平均年収を比較するときは、必ず「連結何名のうち何名の数字か」をセットで見る必要があります。
より近い比較対象を求めるなら、遺伝子治療・再生医療の研究開発型ベンチャーであるアンジェス(4563)、サンバイオ(4592)、ヘリオス(4593)、ステムリム(4599)といった顔ぶれが挙げられます。いずれも東証グロース市場に上場し、長期の研究開発投資と資金調達を並行させるモデルという点でモダリスと共通します。推定情報ですが、この領域を志望するのであれば1社だけを見て決めるのではなく、複数社のパイプライン進捗と資金余力を横並びで比較したうえで判断するのが合理的です。
創薬ベンチャーで働くとはどういうことか|業界文脈から見た評価軸
モダリス個別の数字から少し離れ、医薬品業界の構造からこの会社の位置づけを見ておきます。ここを理解しておくと、面接での質問の質が変わります。
第一に、製薬業界では水平分業が進んでいます。かつては1社が探索から製造販売まで一貫して担いましたが、現在は創薬シーズを生むバイオテック、開発を受託するCRO、製造を受託するCDMO、販売網を持つ大手製薬という分業が定着しました。モダリスのような小規模バイオテックはこの構造の最上流に位置し、工場も営業部隊も持たない代わりに技術そのものが唯一の資産になるという働き方になります。
第二に、薬価をめぐる環境は一貫して厳しい方向にあります。2026年度の薬価制度改革では改定率が引き下げ方向で示され、長期収載品のルールも厳格化されました。この圧力は大手製薬の収益を圧迫し、「自前で全部やる」より「外から有望なシーズを買う」動きを強めます。推定情報ですが、有望なパイプラインを持つバイオテックにとっては導出機会が増えるという意味で、必ずしも逆風だけではありません。
第三に、この領域のキャリアは会社に閉じません。研究職なら他のバイオテック、CRO、CDMO、大手製薬の研究部門へ横移動する道があり、薬事・品質保証(QA)・臨床開発といった機能職は規制対応の経験がそのまま業界内で通用します。コーポレート機能であれば、上場ベンチャーで少人数のまま開示実務を回した経験が他のグロース上場企業でも評価されやすいでしょう。
まとめると、創薬ベンチャーへの転職は「この会社が成功するか」だけでなく、「この会社で得た経験を次にどう持ち出せるか」まで含めて設計するのが定石です。モダリスの場合、日本側で得られるのはコーポレート機能の経験、米国側で得られるのはエピゲノム編集という先端領域の研究経験と、方向性がはっきり分かれます。
モダリスへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と推定を整理し、適性を対比します(推定情報を含みます)。判断のポイントは、待遇の高低ではなく「不確実性への耐性」と「勤務地の選択肢」に集約されます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 米国ボストンエリアでの就業を現実的な選択肢として考えられる人 | 日本国内での研究職ポジションを前提に探している人 |
| ゲノム編集・エピゲノム編集という先端領域に強い専門的関心がある人 | 製品を市場に届けた実感を短期で得たい人 |
| 売上ゼロ・資金調達依存という状態を理解したうえで働ける人 | 雇用と収入の安定を第一条件に置く人 |
| 3名規模の組織で職務範囲を自分で定義しにいける人 | 役割分担と教育体制が整った環境で力を発揮する人 |
| 上場ベンチャーの開示・資金調達実務を経験として積みたい人 | 組織のメンバーが数年単位で入れ替わる環境に不安がある人 |
| 次のキャリアへの持ち出しを前提に2〜3年で成果を出す設計ができる人 | 一社で長期に勤め上げるキャリアを志向する人 |
とりわけ重要なのが1行目です。連結17名のうち14名が米国子会社所属という事実は、日本での研究職採用が構造的にほとんど発生しないことを意味します。この点を曖昧にしたまま「日本の創薬ベンチャー」として応募先に入れると、そもそも入口が存在しないという事態になりかねません。
編集部の見解|検討するなら確認すべき3つのこと
編集部の見解として、モダリスは「良い会社か悪い会社か」という二分法で評価すべき対象ではなく、リスクの所在が極めて明快に開示されている会社だと考えています。事業収益がゼロであること、継続企業の前提に関する重要事象の記載があること、整理解雇を実施したこと──これらはすべて公式資料に書かれており、隠されている情報ではありません。判断材料が開示されているという意味では、口コミが多いだけの会社より誠実に評価しやすいとも言えます。
そのうえで、実際に選考へ進むのであれば、次の3点を必ず確認することをおすすめします。
- ①雇用契約の主体はどこか:株式会社モダリスとの契約なのか、Modalis Therapeutics Inc.との契約なのか。勤務地・準拠法・social securityの扱い・ビザの手当てまで含めて、内定時の労働条件通知書またはオファーレターで確認してください。
- ②MDL-101のマイルストーンと、遅延時のシナリオ:IND申請目標は2026年末〜2027年第1四半期とされています。遅延した場合に開発体制をどう維持するのか、経営陣がどう説明するかを聞いてください。2024年の整理解雇は「経営資源の集中」を理由に実施されています。
- ③資金調達の方針:新株予約権の行使に依存した調達が続く構造をどう変えていくのか。提携による一時金収入の見込みがあるのか。報酬の原資が売上ではなく調達である以上、これは待遇の持続性そのものに関わる質問です。
逆に、これらの質問に対して具体的な説明が返ってくるのであれば、少人数ゆえに経営との距離が近く、意思決定に関われる環境であることの裏返しでもあります。推定情報ですが、ゲノム編集という領域で先端の実務経験を積みたい人にとって、規模の小ささはむしろ関与度の高さとして働く可能性があります。おすすめできるかどうかは、読者自身が許容できるリスクの幅次第です。安定を最優先するキャリア観の人には、この記事で挙げた事実の重みは相当に大きいはずです。
モダリスに関するよくある質問(FAQ)
モダリスへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。いずれも公式情報と推定を分けて記載しています。
モダリスの平均年収はいくらですか?
有価証券報告書 第10期(2025年12月期)によると、平均年間給与は6,137千円(約613.7万円)です。ただしこれは提出会社の従業員3名の平均であり、その3名は全員が管理部門に所属しています。グループの研究開発人員14名は米国子会社の所属で、その待遇はこの数字に含まれていません。研究職の年収水準を知りたい場合、この数値は参考になりません。
モダリスの将来性はどう評価すればよいですか?
公式情報として押さえるべきは、事業収益が3期連続でゼロであること、営業損失が22億1,180万円であること、そして主力パイプラインMDL-101が米国で希少疾病用医薬品指定を取得済みでIND申請を2026年末〜2027年第1四半期に目標設定していることです。推定情報としては、将来性の評価はこのMDL-101の臨床進捗と、それまでの資金確保の見通しにほぼ集約されると考えられます。単一パイプラインへの集中は、成功時のリターンと失敗時の影響がともに大きい構造です。
「上場廃止」という検索候補が出るのはなぜですか?
第10期有価証券報告書に継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在する旨の記載があること、時価総額が約32億円(2026年8月24日時点)で東証グロース市場の時価総額100億円という上場維持基準を下回っていること、株価が上場来の高値圏から大きく下落していることなどが背景にあると考えられます(推定情報)。ただし上場維持基準への適合計画に関する記載は第10期有価証券報告書には見当たらず、本記事では上場維持の可否について断定的な評価は行いません。なお同社は債務超過ではなく、自己資本比率は93.0%です。
日本で研究職として応募できますか?
有価証券報告書によると、提出会社(日本法人)の従業員3名は全員が「全社(共通)」=管理部門に区分され、研究開発部門に区分される日本側の人員はゼロです。研究開発人員14名は全員が米国子会社Modalis Therapeutics Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム市)に所属します。したがって推定情報として、研究職の応募先は米国法人になる可能性が高く、日本国内での研究職採用は極めて限定的だと考えられます。最新の募集状況は公式採用ページで直接確認してください。
社員の口コミや残業時間はどこで調べられますか?
OpenWorkの企業ページは社員クチコミ0件・回答者0人で、残業時間や有給消化率を含む全項目が「–」表示です。転職会議やエン カイシャの評判にも同社の口コミページは見当たりませんでした。口コミ傾向から労働環境を推測する手段が事実上ないため、選考過程で人事・現場責任者に直接確認するか、内定時の労働条件通知書で確認するほかありません。なおインターネット上の書き込みの多くは株主・投資家によるもので、社員の声ではない点に注意してください。
2024年の人員削減はどのようなものでしたか?
報道によると、2024年4月中に米国完全子会社で研究開発および製造部門を縮小し、15名の整理解雇を実施すると公表されました。理由はMDL-101の臨床試験開始への経営資源集中と説明されています。希望退職の募集ではなく整理解雇(レイオフ)である点が特徴で、連結従業員数は37名(2023年12月末)から14名(2024年12月末)へ減少し、2025年12月末には17名へ微増しています。
モダリスへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして許容できるリスクの幅も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報の613.7万円は日本の管理部門3名の平均。研究職の実態を示す数字ではなく、個別交渉で決まると考えられます |
| 勤務地 | 日本本社は東京都中央区日本橋本町。ただし研究開発の実拠点は米国マサチューセッツ州ウォルサム市です |
| 採用機会 | 日本での採用枠は極小。研究職は米国法人が受け皿になる可能性が高いと考えられます |
| 雇用の安定性 | 2024年4月に米国子会社で15名の整理解雇を実施。平均勤続年数は1.42年です |
| 財務の健全性 | 債務超過ではなく自己資本比率93.0%。一方で事業収益ゼロ・営業損失22.11億円で調達依存の構造です |
| 将来性 | MDL-101のIND申請(2026年末〜2027年1Q目標)の進捗に一点集中。成否の振れ幅は大きいと考えられます |
| 情報の透明性 | 口コミはほぼ存在しない一方、有価証券報告書でリスクが明確に開示されており自力で検証しやすい会社です |
| キャリアの持ち出し | エピゲノム編集の研究経験、または上場ベンチャーの開示・調達実務経験として業界内で通用しやすいと考えられます |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。なお2026年12月期中間決算の数値および2026年6月末の現金・発行済株式数は決算関連報道等の二次ソースによる値であり、有価証券報告書の実額ではありません。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
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