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リヒトラブの評判と年収544万円|連結591名でも国内は187名の実像

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 規模:連結591名でも国内は実質187名。約68%はベトナム子会社所属
  • 年収:有報の平均年間給与544万1千円は提出会社186名のみの平均
  • 収益力:連結営業利益36百万円・営業利益率0.4%。単体は営業損失
  • 財務:自己資本比率81.2%・純資産110億円でGC注記なし

株式会社リヒトラブ(証券コード7975)は、ファイル・バインダー・クリヤーブック・収納整理用品を手がける大阪の事務用品メーカーです。文具好きには「スマートフィット」や「ツイストリングノート」でおなじみですが、転職先として調べようとすると情報がほとんど出てきません。口コミサイトの掲載件数も10件台にとどまります。そこでこの記事では、第78期(2026年2月期)有価証券報告書の実額を分解し、「連結591名の上場メーカー」という見え方と、「日本で働いているのは実質187名」という実態のギャップを軸に整理します。年収・勤務地・収益構造・評判のいずれも、この規模感を理解しないと読み違えます。

リヒトラブの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数字を並べます。以下はすべて第78期(2025年3月1日〜2026年2月28日)有価証券報告書および2026年2月期決算短信の実額で、公式情報として扱える数値です。口コミや推定と混ぜずに読んでください。

項目内容
会社名株式会社リヒトラブ(LIHIT LAB., INC.)
本社所在地大阪市中央区農人橋1丁目1番22号
設立1948年5月(リヒト工業株式会社として設立/1991年7月に現社名へ)
代表者代表取締役社長 田中 宏和(2021年4月就任)
上場区分東京証券取引所スタンダード市場/名古屋証券取引所メイン市場(証券コード7975)
資本金18億3,000万円
平均年間給与544万1千円(提出会社186名の平均・賞与および基準外賃金を含む)
平均年齢38.9歳(提出会社)
平均勤続年数14.0年(提出会社)
従業員数連結591名[外、平均臨時雇用者82名]/提出会社186名[外、臨時82名]
売上高連結91億2,418万円(前期比1.0%減)
営業利益連結36百万円(前期比79.8%減/売上高営業利益率0.4%)
経常利益連結114百万円(前期比45.0%減)
当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益67百万円(前期比83.7%減)
自己資本比率81.2%(純資産109億7,892万円)
主要顧客エコール流通グループ株式会社14億5,931万円(売上比16.0%)、アスクル株式会社14億3,640万円(同15.7%)
労働組合リヒトラブ労働組合(1954年12月結成・組合員112名)
出典第78期(2026年2月期)有価証券報告書/2026年2月期決算短信

連結591名でも国内は187名|リヒトラブの規模を分解する

結論から言うと、リヒトラブを「従業員600人規模の上場メーカー」と捉えると転職判断を誤ります。有価証券報告書によると、連結従業員591名に対して提出会社(単体)は186名。差分405名のうち404名はベトナムの生産子会社に所属しており、連結従業員の約68%が海外拠点の人員です。日本で働いている人数は、臨時雇用者を除けば実質187名規模。この事実は、年収の読み方・勤務地・キャリアパス・社内の意思決定スピードのすべてに影響します。

連結従業員の約68%がベトナム子会社に所属

リヒトラブの連結子会社は2社だけです。1社は不動産管理の大江ビルサービス株式会社(大阪市中央区)、もう1社が事務用品等の製造を担うLIHIT LAB. VIETNAM INC.(ベトナム社会主義共和国ハイフォン市/資本金500万USドル/出資比率100%)で、有価証券報告書では特定子会社に指定されています。従業員404名はこのベトナム法人の人員です。

つまりリヒトラブの製造機能の大半は、すでに海外に移っています。国内に残る生産・物流機能は静岡事業部(静岡県菊川市)1カ所のみで、従業員は39名[外、臨時74名]。推定情報として整理すると、日本側に求められるのは「作る人」よりも「企画する人・売る人・海外の生産をコントロールする人」であり、生産技術や品質保証の職種でもベトナム拠点との連携が業務の中心になる可能性が高いと考えられます。業界的にも、コクヨ・キングジムをはじめ多くの国内文具メーカーが海外生産へ移行しており、リヒトラブの構造は業界標準に沿ったものです。

単体186名の事業所別内訳と、勤務地の現実

有価証券報告書「従業員の状況」には事業所別の内訳が記載されています。読者が最も知りたい「どこで働くことになるのか」に直結する数字なので、そのまま並べます。

事業所所在地従業員数(外、臨時雇用者)主な機能
本社大阪市中央区農人橋72名[5名]本社機能・商品企画・管理・営業統括
東京支店東京都中央区日本橋浜町53名[2名]首都圏営業の中核
静岡事業部静岡県菊川市39名[74名]国内唯一の生産・物流拠点
その他営業拠点札幌・名古屋・広島・福岡ほか約22名地域営業

大阪本社と東京支店の2拠点で125名、全体の約3分の2を占めます。推定情報ですが、事務系・企画系・営業職の中途で入る場合、勤務地は大阪本社か東京支店のどちらかになる可能性が高く、製造・物流・生産技術系であれば静岡県菊川市が事実上の一択です。菊川市は静岡県西部の内陸部にあり、東京・大阪いずれからも通勤圏ではありません。生活拠点の移動を伴う判断になる点は、応募前に確認しておくべきポイントです。

もうひとつ見落とせないのが、静岡事業部の臨時雇用者74名という数字です。正社員39名に対して臨時雇用者が倍近く、国内生産の現場が正社員少数+臨時雇用者という体制で回っていることが読み取れます。

求職者
求職者

上場メーカーだから安定した大きな組織だと思っていました……

上場していることと組織が大きいことは別問題です。リヒトラブは1962年9月に大阪証券取引所市場第二部へ上場した老舗ですが、国内の人員規模は中小企業に近い水準です。裏を返せば、一人あたりの担当範囲が広く、若いうちから商品や取引先を任される環境である可能性もあります。この点は後述の口コミ傾向とあわせて判断してください。

リヒトラブの平均年収544万1千円は「誰の」数字か

年収を調べるとき最も重要なのは、その平均値がどの集団のものかを確認することです。リヒトラブの場合、有価証券報告書によると第78期(2026年2月期)の平均年間給与は544万1千円(2026年2月28日現在、賞与および基準外賃金を含む)。これは公式情報ですが、対象は提出会社186名のみで、ベトナム子会社の404名は含まれていません。「連結591名の平均」ではない点を必ず押さえてください。

また、リヒトラブは持株会社ではなく事業会社そのものです。持株会社形態の企業では有報の平均給与が本社スタッフ数十名の数字になり現場と乖離しがちですが、リヒトラブの186名は本社・東京支店・静岡事業部・各営業所を含む日本の全社員です。したがって、この544万1千円は日本で働く社員の実態にかなり近い数字と言えます。

平均年齢38.9歳・平均勤続14.0年が示す人員構成

同じく有価証券報告書によると、平均年齢は38.9歳、平均勤続年数は14.0年です。38.9歳で勤続14.0年ということは、単純計算で24〜25歳前後に入社した社員が中心という構成になります。推定情報として読み解けば、新卒採用中心で、いったん入社すると長く在籍する定着型の組織です。

この構成は転職者にとって両面があります。プラス面は、離職が少ない環境で腰を据えて働ける可能性が高いこと。マイナス面は、中途入社者が少数派になりやすく、社内の人間関係やルールが長期勤続者の前提で作られている可能性があることです。年功的な要素が残る場合、中途入社の評価や昇進のスピードが読みにくくなる点は面接で確認すべきでしょう。

男女の賃金差異64.8%という開示をどう読むか

有価証券報告書では、女性活躍推進法にもとづく指標も開示されています。労働者の男女の賃金の差異は全労働者で64.8%(女性/男性)、正規雇用労働者で79.8%、パート・有期労働者で73.6%です。あわせて、管理職に占める女性労働者の割合は5.6%、係長級に占める女性の割合は56.3%、労働者全体に占める女性の割合は41.9%と記載されています。

この4つの数字を並べると構図が見えます。係長級の女性比率は56.3%と過半を占めるのに、管理職では5.6%まで落ちる——つまり、女性社員は現場の中核として多数在籍しているものの、管理職層への到達がまだ限定的です。推定情報として、正規雇用に絞った賃金差異79.8%という数値も、この管理職構成比の偏りが一因になっている可能性があります。女性で管理職を目指す転職者にとっては、直近の登用実績を面接で確認する価値のある論点です。

口コミ上の年収傾向と、入社前に確認すべきこと

口コミ傾向としては、OpenWorkの待遇面の満足度が5点満点中2.6と低めの水準に集まっており、給与水準そのものより「評価と昇給の見通しが立ちにくい」という趣旨の投稿が中心です。ただし後述のとおり回答者は11人と少なく、統計的に一般化できる母数ではありません。エン カイシャの評判でも回答者は正社員10人規模です。断定的に受け取らず、あくまで参考として扱ってください。

実務的には、次の3点を選考過程で確認するのが有効です。推定情報を含む一般的なチェックポイントですが、リヒトラブの構造上とくに意味を持ちます。

  • 賞与の変動幅:連結営業利益が36百万円まで縮小した期があるため、業績連動部分の設計と過去数年の支給実績を確認する
  • 職種別・拠点別の給与テーブル:本社・東京支店・静岡事業部で手当構成が異なる可能性がある
  • 昇格の運用実態:平均勤続14.0年の組織で、中途入社者が何年で管理職相当に到達しているか

営業利益率0.4%と自己資本比率81.2%|収益力と財務の大きなギャップ

リヒトラブを転職先として評価するうえで、年収以上に重要なのがこのセクションです。結論を先に言うと、「稼ぐ力は非常に薄いが、財務体力は極めて厚い」という二重構造になっています。どちらか一方だけを見ると評価を誤ります。

売上は85〜92億円のレンジで停滞、利益は大きく縮んだ

決算短信によると、第78期(2026年2月期)の連結売上高は91億2,418万円で前期比1.0%減。5期の推移は以下のとおりです。

決算期連結売上高主な出来事
第74期(2022年2月期)86億9,347万円—
第75期(2023年2月期)85億1,411万円経常損失30,517千円・純損失24,413千円
第76期(2024年2月期)88億0,346万円経常損失211,815千円・純損失93,733千円
第77期(2025年2月期)92億2,052万円—
第78期(2026年2月期)91億2,418万円営業利益36百万円(79.8%減)

売上は5期を通じて85〜92億円のレンジにとどまり、明確な成長トレンドは描けていません。加えて第75期・第76期は2期連続の連結最終赤字を計上しています。直近の第78期は最終黒字(親会社株主に帰属する当期純利益67百万円)ですが、前期比83.7%減です。これらはいずれも有価証券報告書・決算短信に記載された公式情報で、解釈ではなく事実です。

セグメント利益は出ている。圧縮しているのは全社費用

営業利益率0.4%という数字だけを見ると本業が回っていないように見えますが、セグメント別に分解すると印象が変わります。

区分金額備考
事務用品等事業 セグメント利益203,072千円外部売上高86億8,010万円(構成比95.1%)
不動産賃貸事業 セグメント利益51,449千円外部売上高4億4,407万円(同4.9%)
全社費用△218,493千円各セグメントに配分していない費用
連結営業利益36,028千円売上高営業利益率0.4%

事業単位では2億円強、不動産賃貸で0.5億円の利益を出しながら、配分されない全社費用2.18億円がそれをほぼ相殺しています。推定情報として、売上91億円規模の組織に対して本社機能のコスト構造が相対的に重い状態にあると考えられます。なお有価証券報告書によると、提出会社単体では第78期に営業損失69百万円・当期純損失12百万円を計上しています(前期は営業利益13百万円・純利益283百万円)。日本国内の事業単体では、この期は赤字だったということです。

それでも自己資本比率81.2%・純資産110億円という体力

一方で財務は文具業界でも際立って厚い部類です。自己資本比率は81.2%、純資産は109億7,892万円。売上91億円の会社が純資産110億円を持っている計算になります。そして重要なのは、第78期の有価証券報告書に継続企業の前提(GC)に関する注記も重要事象等の記載もなく、監査法人の意見は無限定適正だという点です。財務健全性については公式情報のうえで問題は示されていません。

配当も年25円を継続しており、2026年2月期の連結配当性向は126.5%。利益を上回る配当を、厚い内部留保で支えている構図です。2027年2月期の会社予想は売上高93億5,000万円(2.5%増)、営業利益230百万円(538.4%増)、経常利益250百万円、当期純利益200百万円と大幅増益計画が示されています。推定情報ですが、この計画の達成度合いが今後の賞与や採用投資に影響する可能性は高いと考えられます。

整理すると、リヒトラブは「短期的に潰れる心配より、稼ぐ力をどう取り戻すかが論点の会社」です。転職判断としては、安定志向の人には財務の厚さが安心材料になり、成長の実感や高い成果報酬を求める人には物足りなく映る可能性がある、という読み方が妥当でしょう。

上場維持基準を一度下回った履歴と、その後の適合

ネット上で株価まわりを調べると「上場維持基準」という言葉が出てきますが、事実関係を正確に押さえておく必要があります。公式情報として確認できるのは次の3点です。

  • 2023年2月28日時点で、東証スタンダード市場の流通株式時価総額が9.34億円となり、基準の10億円を下回った
  • これを受けて2023年5月26日、2027年2月末までの「上場維持基準への適合に向けた計画書」を開示した
  • 2024年5月20日に「スタンダード市場上場維持基準への適合」を開示しており、現在は基準に適合している

つまり「一度基準を下回ったが、翌年に解消済み」という経緯です。計画期間の途中で適合が確認されているため、適合計画が現在進行中の企業とは状況が異なります。転職検討者が気にする「上場廃止の心配があるのか」という問いに対しては、公表情報のうえでは現時点でその状態にはない、というのが事実ベースの回答になります。なお、TOB・MBO・非公開化に関する開示も本記事作成時点では確認されていません。

ただし、この履歴自体は無視すべきものではありません。流通株式時価総額が基準ぎりぎりの水準にあった背景には、発行済株式数3,815,700株のうち自己株式が11.07%を占め、リヒトラブ共栄会12.50%をはじめ安定株主の比率が高いという株主構成があります。推定情報として、株式の流動性が構造的に低い会社であることは今後も変わりにくく、株価指標が経営に一定の緊張感をもたらす状態は続くと考えられます。

リヒトラブの評判・口コミ傾向|「母数11人」という前提で読む

最初に断っておくべきことがあります。リヒトラブの口コミは、統計的な信頼性を語れるだけの件数がありません。OpenWorkの総合評価は2.97(5点満点)ですが回答者は11人。別時点のキャッシュでは2.74/10人と表示されており、母数が小さいためスコアが揺れやすい状態です。エン カイシャの評判は総合3.2(正社員10人回答・口コミ44件)。国内従業員が187名規模ですから、この件数の少なさ自体は自然なことです。以下はすべて口コミ傾向であり、断定できる評価ではありません。

評価が高い項目:風通し・法令順守・労働時間

OpenWorkの項目別スコアで相対的に高いのは、風通しの良さ3.5、法令順守意識3.4です。あわせて、月間残業時間14.7時間、有給休暇消化率52.3%という数値が集計されています。月14.7時間は1日あたり1時間弱の水準で、メーカーの平均的な水準と比べても抑制的です。

この数値は客観データとも整合します。有価証券報告書によると、リヒトラブには1954年12月結成のリヒトラブ労働組合(組合員112名/関西文具紙加工産業労働組合同盟に加盟)があり、「労使関係は安定しており特記すべき事項はありません」と記載されています。国内従業員186名に対して組合員112名という組織率の高さは、労働時間や労働条件が組合を通じて管理されている状態を示唆します。推定情報ですが、平均勤続14.0年という定着の良さも、この労働環境と無関係ではないでしょう。

評価が低い項目:人事評価・成長環境・待遇

一方で低いスコアが集中しているのが、人事評価の適正感2.5、人材の長期育成2.6、20代成長環境2.6、待遇面の満足度2.6、社員の士気2.6です。口コミ傾向として整理すると「働きやすさは確保されているが、評価・昇給・成長スピードに納得感を持ちにくい」というパターンが読み取れます。

これは老舗中堅メーカーに典型的な傾向でもありますが、リヒトラブの場合は数字の裏づけと接続して考えられます。連結営業利益36百万円・営業利益率0.4%という収益水準では、原資を大きく増やす昇給・賞与は構造的に難しくなります。推定情報として、待遇面の評価の低さは個別の制度運用というより、収益力の水準を反映している可能性があります。逆に言えば、2027年2月期の増益計画が実現するかどうかは、社員の処遇にも関わる論点です。

女性の働きやすさに関する数字は、出典で食い違う

ここは注意が必要な項目です。OpenWorkの集計では女性比率51.8%、男性育休取得率75%・女性100%という数値が示されており、両立支援は良好という評価につながっています。ただし有価証券報告書では、男性労働者の育児休業取得率は「-」(対象期間に該当者なし)と開示されています。女性管理職比率もOpenWork集計の2.6%と有報の5.6%で食い違います。

この場合、公式情報である有価証券報告書の数値を基準に置くのが妥当です。口コミ傾向の集計値は回答者が10人前後であり、集計期間や母集団の定義も異なります。実際の制度利用状況を知りたい場合は、選考の場で直近年度の育休取得者数・復職率を直接確認するのが確実です。

勤務地とキャリアパス|大阪・東京・静岡菊川の3拠点で何が違うか

前述のとおり、リヒトラブの国内従業員186名は3拠点に集中しています。職種によって働く場所とキャリアの広がり方が明確に分かれるため、応募前に整理しておく価値があります。以下は業界の一般的なキャリア構造と、リヒトラブの拠点構成から導いた推定情報です。

大阪本社(72名):企画・管理・営業統括の中枢

本社は大阪市中央区農人橋1丁目1番22号。従業員72名で国内最大の拠点です。商品企画・開発、管理部門、営業統括などの本社機能が集まります。文具・収納用品業界のキャリアパスとして一般的なのは、担当カテゴリーを持つ商品企画職からカテゴリー/ブランドマネージャー、さらに事業部の企画管理職へ進むルートです。リヒトラブはユニバーサルデザイン商品の開発を掲げ、近年は「スマートフィット」シリーズのバッグインバッグ、シリコン素材の「ナノン」、記念スタンプ帳「スタンプノート」など、従来の事務用品の枠を超えた新カテゴリーを出しています。72名という規模を踏まえれば、企画職1人あたりの担当範囲は相応に広いと考えられます。

東京支店(53名):文具卸・量販店・EC通販の最前線

東京支店は東京都中央区日本橋浜町にあり、従業員53名。首都圏の法人営業の中核です。ここで重要なのが顧客構成で、有価証券報告書によると主要顧客はエコール流通グループ株式会社14億5,931万円(売上比16.0%)とアスクル株式会社14億3,640万円(同15.7%)。上位2社で売上の約3割を占めます。文具・事務用品の法人向け販売は通販・ECと文具卸を経由する比率が高く、EC上の露出設計や販促データの分析が売上を左右します。推定情報として、従来型のルート営業経験だけでなく、EC・デジタル販促の実績を持つ人材は評価されやすいと考えられます。

静岡事業部(39名+臨時74名):国内唯一の生産・物流拠点

静岡県菊川市にある静岡事業部は、国内で唯一の生産・物流拠点です。2003年12月に大阪の中央工場・物流センターを閉鎖し、この拠点へ集約した経緯があります。生産技術・金型/成形・品質保証・生産管理・物流といった職種はここが勤務地になります。業界のキャリアとしては、生産技術や品質保証を起点に購買・SCM・海外拠点マネジメントへ広がるルートが一般的で、リヒトラブの場合はベトナム子会社との連携がその延長線上にあります。

ただし有価証券報告書の「事業等のリスク」には、国内の生産・物流施設が静岡県菊川市に集中しているため、災害で被害を受ければ正常な事業活動が行えなくなる可能性があると明記されています。これは会社自身が認識している構造的リスクです。

事業構造と将来性|ペーパーレス化の逆風と、不動産賃貸というもう一つの顔

将来性を考えるうえで、リヒトラブには押さえるべき論点が3つあります。市場の縮小、顧客集中、そして投資配分です。いずれも希望的観測ではなく、公表資料から確認できる事実をもとに整理します。

有報自身が「ペーパーレス化による需要減少」を明記している

リヒトラブの主力は、ファイル・バインダー・クリヤーブックといった「オフィスの紙の書類量」に連動しやすいカテゴリーです。有価証券報告書では、法人需要において企業のコスト削減やペーパーレス化による需要減少が続くと記載されています。会社が逆風を正面から認識している、ということです。

市場データも同じ方向を示します。矢野経済研究所の調査では、国内の文具・事務用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は2024年度が前年度比0.9%減の3,885億2,000万円、2025年度も0.4%減の3,871億5,500万円と予測されています。品目別に見ると筆記具はプラス成長が見込まれる一方、紙製品・事務用品はマイナス成長という二極化が進んでいます。推定情報として、市場全体の自然成長に頼れない以上、既存商品の維持よりも新カテゴリー開発やシェア獲得に貢献できる人材が評価されやすい環境だと考えられます。

上位2社で売上の約3割という顧客集中

前述のエコール流通グループ16.0%とアスクル15.7%という顧客構成は、安定した販路であると同時にリスクでもあります。参考として、アスクルでは2025年10月にランサムウェア被害により受注・出荷が長期停止し、2026年1月に全面復旧したことが報じられています。特定の大口販路への依存が、メーカー側の業績にも波及しうることを示す事例です。リヒトラブの業績への具体的影響額は開示されていないため、ここでは因果を断定しません。

あわせて、有価証券報告書の「事業等のリスク」には7項目が挙げられています。(a)国内の生産・物流施設が静岡県菊川市に集中していることによる災害リスク、(b)ベトナム子会社に伴う関税制度変更・法規制・USドル建て債権債務の為替リスク、(c)一部借入契約に付された財務制限条項への抵触リスク、(d)石油製品(原材料)市況変動、(e)不動産賃貸事業の稼働率低下、(f)情報漏洩・システム障害、(g)重大品質クレーム・製造物責任。主原料が石油製品であるため、原油市況と為替が業績に直結する構造です。

設備投資14.4億円のうち12.3億円が賃貸用マンション

もっとも示唆的なのが投資配分です。第78期の設備投資14.4億円のうち、12.3億円が賃貸用マンションの取得に充てられ、本業の生産設備への投資は2.1億円でした。不動産賃貸事業は外部売上高4億4,407万円(構成比4.9%)ながら、セグメント利益は51,449千円と、売上規模のわりに利益貢献しています。

推定情報として、これは「本業の収益変動を不動産賃貸で補う」という財務戦略として読めます。転職者にとっての意味は2つあります。ひとつは、収益基盤が本業だけに依存していないため会社としての安定性が高いこと。もうひとつは、事務用品事業への成長投資が抑制的である可能性があり、大規模な新規事業や設備刷新を期待して入社すると想定と異なる可能性があること。なお会社は事務用品等事業で売上高110億円・営業利益10億円という数値目標を掲げていますが、第78期実績は同事業86.8億円・セグメント利益2.03億円と、目標とは大きな開きがあります。

キングジムとの比較で見るリヒトラブの立ち位置

リヒトラブを評価するには、同じファイル・収納用品市場で戦うキングジム(証券コード7962)との比較が最も分かりやすい物差しになります。両社とも「生産は海外・国内は少数」という同じ構造を持っており、規模の違いが数字にどう表れるかを確認できます。以下は各社の有価証券報告書・決算短信の公式情報にもとづく比較です。

項目リヒトラブ(7975)キングジム(7962)
連結売上高91億2,418万円391億3,000万円
連結営業利益36百万円11億2,900万円
売上高営業利益率0.4%2.9%
有報の平均年間給与544万1千円624万円
提出会社(単体)従業員数186名366名
連結従業員数591名1,738名
国内生産拠点静岡事業部(静岡県菊川市)1カ所国内自社工場なし
上場市場東証スタンダード/名証メイン東証プライム

売上規模で約4.3倍、平均年間給与で約80万円の差があります。営業利益率も0.4%対2.9%と開きがあり、収益力の差がそのまま処遇の差につながっている構図です。推定情報として、待遇や事業規模を優先するならキングジムやコクヨといった上位企業のほうが条件面で有利になる可能性が高い一方、リヒトラブは国内187名という規模ゆえに担当範囲が広く、意思決定までの距離が近いという別の価値があります。どちらを評価するかは、キャリアで何を得たいかによって変わります。

なお国内文具最大手のコクヨ(7984)、アルバム・ファイル・製本のナカバヤシ(7987)、文具卸・メーカーのレイメイ藤井(7988)も比較検討の対象になりますが、本記事では数値の一次確認が取れているキングジムとの2社比較にとどめています。

リヒトラブへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。あくまで判断の補助線として使ってください。

向いている人向いていない人
少人数の組織で担当範囲を広く持ちたい人(国内187名規模)大企業の分業体制と豊富なリソースを前提に働きたい人
残業月14.7時間水準の労働時間を重視する人成果報酬で大きく年収を伸ばしたい人
自己資本比率81.2%という財務の厚さに安心感を持つ人高い成長率や急拡大するマーケットで働きたい人
文具・収納用品というプロダクトに愛着がある人ペーパーレス化の逆風がある市場を避けたい人
大阪・東京・静岡菊川のいずれかで長く働ける人勤務地の選択肢の広さを重視する人
EC・デジタル販促や海外生産管理の経験を活かしたい人体系的な研修・育成プログラムを重視する人

編集部の見解|リヒトラブをどう評価するか

編集部の見解として、リヒトラブは「安定と引き換えに、伸びしろの実感を得にくい会社」だと整理できます。この評価は、次の3つの事実の組み合わせから導いています。

  • 自己資本比率81.2%・純資産109億7,892万円・GC注記なしという財務の厚さ
  • 連結営業利益36百万円・営業利益率0.4%、提出会社単体は営業損失69百万円という収益力
  • 平均勤続14.0年・月間残業14.7時間という定着型かつ労働時間の短い働き方

この3点は矛盾していません。むしろ一貫しています。無理に拡大せず、厚い自己資本と不動産賃貸収入を持ちながら、縮小基調の市場でシェアを守っている——という会社像です。したがって、腰を据えて長く働きたい人、生活と仕事のバランスを優先したい人、文具というプロダクトそのものに関心がある人にはおすすめできる選択肢だと考えられます。

一方で、総合すると次のような人には慎重な検討をおすすめします。年収の上昇スピードを重視する人、大規模な事業投資や新規事業に関わりたい人、体系的な育成制度のもとでスキルを積みたい人です。OpenWorkで人事評価の適正感2.5・20代成長環境2.6という口コミ傾向が出ていることは、母数が11人と少ないとはいえ、こうした志向の人にとっては無視できないシグナルでしょう。

もう一点付け加えると、2027年2月期の会社予想は営業利益230百万円(538.4%増)と大幅増益計画です。この計画が実現すれば処遇や採用の環境が変わる可能性があります。推定情報ですが、選考を受ける際は「増益計画の内訳と、その中で自分が担うポジション」を確認できると、入社後のギャップを減らせるはずです。

リヒトラブに関するよくある質問

リヒトラブへの転職・就職を検討する人からよく調べられている項目を、公式情報にもとづいて整理しました。

リヒトラブの本社はどこにありますか?

本社は大阪市中央区農人橋1丁目1番22号です(有価証券報告書 表紙の本店所在地)。従業員数は72名[外、臨時5名]で、国内では最大の拠点になります。このほか東京支店(東京都中央区日本橋浜町)53名、静岡事業部(静岡県菊川市)39名、札幌・名古屋・広島・福岡などの営業拠点に約22名が在籍しています。

リヒトラブの平均年収はいくらですか?

第78期(2026年2月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は544万1千円です(賞与および基準外賃金を含む)。ただしこれは提出会社186名の平均で、ベトナム子会社LIHIT LAB. VIETNAM INC.の404名は含まれていません。平均年齢38.9歳、平均勤続年数14.0年という構成もあわせて確認してください。

中途採用は行っていますか?求人はどこで確認できますか?

採用情報は公式サイトの採用ページで公開されています。国内従業員が186名規模のため、募集職種と募集人数は限定的になりやすいと考えられます(推定情報)。募集の有無や職種は時期によって変動するため、公式採用ページと転職サイトの両方で最新情報を確認するのが確実です。

勤務地はどこになりますか。転勤はありますか?

国内の事業所は大阪本社・東京支店・静岡事業部(静岡県菊川市)と、札幌・名古屋・広島・福岡などの営業拠点です。職種によって配属拠点が実質的に決まる構造で、生産・物流系は静岡県菊川市が国内唯一の拠点となります。転勤の範囲・頻度については公開資料に記載がないため、選考過程で直接確認することをおすすめします。

ベトナム子会社に赴任する可能性はありますか?

連結従業員591名のうち404名がLIHIT LAB. VIETNAM INC.(ベトナム・ハイフォン市)に所属しており、生産機能の中核を担っています。したがって生産技術・品質保証・購買などの職種では、現地との連携や出張・赴任の可能性が想定されます(推定情報)。赴任要件や頻度は公開されていないため、応募時に確認が必要です。

会社の経営状態は大丈夫ですか?

第78期(2026年2月期)は連結営業利益36百万円・営業利益率0.4%と収益力が薄く、提出会社単体では営業損失69百万円を計上しました。一方で自己資本比率81.2%・純資産109億7,892万円と財務基盤は厚く、有価証券報告書に継続企業の前提に関する注記や重要事象等の記載はなく、監査法人の意見は無限定適正です。また2023年にスタンダード市場の流通株式時価総額が基準を下回った経緯がありますが、2024年5月20日に基準への適合が開示されています。公式情報としては、収益改善が課題である一方、財務健全性の面で問題は示されていないという整理になります。

リヒトラブへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書、そして自分の適性を含めて確認してください。

判断軸評価
年収水準有報の平均年間給与544万1千円(提出会社186名)。キングジム624万円との差は約80万円
組織規模連結591名だが国内は実質187名。約68%はベトナム子会社所属
労働時間月間残業14.7時間・有給消化率52.3%(口コミ傾向)。労組の組織率も高い
収益力連結営業利益36百万円・営業利益率0.4%、単体は営業損失69百万円。改善が課題
財務安定性自己資本比率81.2%・純資産109億7,892万円・GC注記なし
市場環境文具・事務用品市場は縮小基調。有報もペーパーレス化による需要減少を明記
勤務地大阪本社・東京支店・静岡県菊川市の3拠点が中心。職種で実質決まる
定着性平均年齢38.9歳・平均勤続14.0年。新卒中心の定着型組織
成長・評価人事評価の適正感2.5・20代成長環境2.6(口コミ傾向・回答11人と少数)

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。数値の主たる出典は第78期(2026年2月期)有価証券報告書および2026年2月期決算短信です。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミについては回答者数が10人前後と少ないことを本文中で明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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