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光陽社は東証上場廃止でも会社は存続|年収492万円と名証単独上場の実像

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 上場廃止の中身:2026年10月1日に東証を退くが、名証メインで売買は継続
  • 倒産ではない:黒字・GC注記なし。原因は流通株式に関する上場維持基準
  • 年収:有報の平均年間給与は約492万円、ただし平均年齢48.23歳
  • 働き方:年間休日129日と有給消化率32.5%(口コミ・回答5名)に落差

「光陽社 上場廃止」という検索が伸びています。転職や就職を検討している人にとって、この言葉ほど不安をかき立てるものはありません。結論から書くと、株式会社光陽社(証券コード7946・東京都文京区湯島)の上場廃止は、倒産でも経営破綻でも、ファンドや経営陣による非公開化でもありません。東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準に適合しなかったことによるもので、同社は2025年6月にすでに名古屋証券取引所メイン市場へ上場しており、2026年10月以降も名証単独上場として株式の売買は続きます。この記事では、有価証券報告書という一次情報を土台に、上場廃止の事実関係・年収・働き方・業績の中身を分けて整理し、「この会社に入って大丈夫か」という問いに答えられる材料をそろえます。

光陽社(証券コード7946)とはどんな会社か|同名企業との取り違えに注意

最初に確認しておきたいのは、「光陽社」という社名の会社が複数存在するという事実です。ここで扱うのは証券コード7946・EDINETコードE00711・本店は東京都文京区湯島二丁目16番16号ヒラヤマビルディングの上場企業に限定した情報です。研磨剤・コンパウンド・磨きクロス(ポリマール)を扱う大阪府東大阪市の非上場企業、クリーニング関連、福島県白河の事業所などを検索している場合は、別法人の情報を見ている可能性があります。サジェストに「光陽社 研磨剤」「光陽社 白河」「光陽社 東大阪」が並ぶのはこのためで、求人情報を見るときも運営主体を必ず確認してください。なお7946社の関西事業所は2026年5月に大阪市西区から東大阪市長田東へ移転しており、所在地が近接している点にも注意が必要です。

有価証券報告書によると、光陽社は1949年(昭和24年)10月21日に大阪市東区(現・中央区)谷町で「オフセット印刷用写真版」の製造販売を主たる事業として設立された会社です。つまりルーツは印刷そのものではなく、印刷の前工程である製版にあります。この出自は現在の事業構造にも残っていて、企画・デザイン・DTP・製版・印刷・製本加工・発送までを自社内で一貫して手がけるワンストップ体制が同社の売り物になっています。資本金は1億円、代表取締役社長は犬養岬太氏です。

事業は3部門だが、実質は「印刷」に集中している

有報上のセグメントは「印刷関連事業」の単一セグメントですが、売上は3つの部門に区分されています。第78期(2026年3月期)の内訳は次の通りです(公式情報)。

  • 製品制作部門:オフセット印刷用写真版、ディスプレイ、映像・マルチメディアコンテンツ制作。売上7億83百万円(前期比+2.9%)
  • 印刷部門:カラーマネジメントを核とした印刷・加工・アッセンブリ、絵本の印刷製本配送。売上40億46百万円(同+2.7%)
  • 商品部門:印刷関連消耗品の販売。売上0百万円(同96.2%減)

ここで見落とせないのが商品部門です。前期比96.2%減でほぼ消滅しています。全体の売上は増えているので決算の見出しには表れませんが、3部門のうち1つが事実上たたまれたという事実は、事業ポートフォリオの整理が進んでいることを示しています。転職検討者の視点で言い換えると、入社後に関わる仕事の9割弱は「印刷部門」に属するということです。求人票の職種と、この売上構成を重ねて読むと、社内でどの仕事が本流なのかが見えてきます。

近年の新しい動きとしては、カーボンオフセットを組み込んだ環境配慮型印刷(カーボンニュートラルプリント/カーボンゼロプリント)、デジタルマーケティング、定額制Webサービス、そして2026年4月に開始したトータル物流サービス「プリロジ」があります。プリロジは在庫保管・管理からピッキング、アッセンブリ、発送までを一括で請け負うもので、印刷会社が物流受託に踏み出した実例です。連結子会社は絵本の印刷製本配送を担う株式会社ニコモと、印刷物の製造販売を行う株式会社ノコムの2社です。

光陽社の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。すべて公式情報として第78期(2026年3月期)有価証券報告書および決算短信から取得したもので、二次的な年収まとめサイトの推定値ではありません。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
商号/証券コード株式会社光陽社(KOYOSHA INC.)/7946
本社所在地東京都文京区湯島二丁目16番16号 ヒラヤマビルディング
設立1949年10月21日(大阪市東区谷町で創業)
代表者代表取締役社長 犬養 岬太
上場市場東証スタンダード/名証メイン(重複上場)。東証は2026年10月1日付で上場廃止、以後は名証メイン単独
平均年間給与4,920,235円(約492万円・提出会社単体/前期比+3.53%)
平均年齢48.23歳(提出会社単体)
平均勤続年数17.58年(提出会社単体)
従業員数連結172名(外、平均臨時27名)/提出会社単体152名(外、同23名)
売上高連結48億3,083万円(前期比+2.2%)/単体46億2,090万円
営業利益連結1億241万円(前期比+69.3%/営業利益率約2.1%)
経常利益・純利益経常1億3,884万円(+33.6%)/親会社株主に帰属する当期純利益8,409万円(+38.5%)
財務指標自己資本比率60.6%、ROE4.7%、資本金1億円
労働組合光陽社労働組合(組合員144名・ユニオンショップ制・印刷労連加盟)
出典第78期(2026年3月期)有価証券報告書/2026年3月期決算短信/公式IR

公式サイトの会社概要には「2025年4月現在183名(連結206名)」という記載もありますが、これは有価証券報告書の就業人員ベースとは集計基準が異なります。本記事では一次情報である有報の数値を優先しています。

光陽社の東証上場廃止で何が起きたのか|倒産・非公開化との違い

ここが本記事の核心です。転職検討者にとっての実務的な問いは「会社はなくなるのか」「給料は払われ続けるのか」であって、株式市場の制度論ではありません。先に答えを書けば、会社は存続し、株式の売買も名古屋証券取引所で続きます。以下、事実関係を時系列で整理します。

2026年10月1日に変わること・変わらないこと

公式情報として確認できる事実は次の通りです。2026年4月15日、東京証券取引所は上場維持基準に適合しないことを理由に光陽社株式を整理銘柄に指定し、2026年10月1日付での上場廃止を決定しました。整理銘柄の指定期間は2026年4月15日から9月30日まで、東証での最終売買日は2026年9月30日です。

一方で、同社は2025年6月に名古屋証券取引所メイン市場へ新規上場しています。つまり東証と名証の重複上場だった状態から、東証側だけが外れる形になります。2026年10月以降は名証メイン単独上場となり、株式は引き続き証券取引所で売買できます。上場企業としての有価証券報告書の提出義務も、名証上場が続く限り継続します。

この点は非常に誤解されやすいので、他社事例との違いを明記しておきます。印刷業界では近年、経営陣によるMBOで非公開化した会社や、投資ファンドの完全子会社となって上場を離れた会社があります。これらは株主構成そのものが入れ替わり、株式市場から完全に姿を消すケースです。光陽社はそのどちらでもありません。株主構成は変わらず、上場先が2つから1つに減るだけです。そして倒産・法的整理とはまったく無関係の事象です。

求職者
求職者

上場廃止って聞くと、給料の遅配とかリストラを想像してしまいます。

気持ちは分かりますが、上場廃止には「業績悪化・債務超過による廃止」「非公開化による廃止」「形式基準(流通株式や株主数)の不適合による廃止」など複数の類型があります。光陽社は3つ目にあたり、財務内容の悪化が引き金になったものではありません。実際、第78期は増収増益で、継続企業の前提に関する注記(GC注記)は第78期有価証券報告書に記載されていません。直近5期に連結最終赤字も発生していません。

なぜ上場維持基準に適合しなかったのか|流通株式と株主構成

原因は業績ではなく、流通株式が極端に少ないことにあります。有価証券報告書から読み取れる株主構成は次の通りです(公式情報)。

  • 自己株式1,680,160株を保有。発行済株式総数4,250,500株に対して約39.5%にあたる
  • 大株主は犬養岬太氏28.13%、速見嘉弘氏18.29%、新日本カレンダー株式会社9.73%、株式会社KK 9.73%
  • 上位10名の合計で77.46%

自己株式は流通株式に含まれず、経営陣や安定株主が持つ株式も流通株式から除かれます。発行済株式の4割近くを自社が持ち、上位10名で8割弱を握っている状態では、市場で自由に売買される株式の量が基準に届きません。つまり「株が売れない会社」ではなく「株が出回っていない会社」です。オーナー色が極めて強い同族的な資本構成が、そのまま上場維持のハードルになったという構図です。

なお、同社は2026年3月8日付で普通株式1株を5株に分割しています(発行済株式総数850,100株→4,250,500株)。株式分割は一般に流通株式数を増やす施策ですが、上場維持基準の充足には至りませんでした。第78期の株主総利回りは310.3%(同期間のTOPIXは202.2%)と株価パフォーマンス自体は良好で、株価が上がりながら上場廃止が決まるという異例の期になっています。

2021年のMBO不成立という前史

上場維持を巡る動きは今回が初めてではありません。2021年、犬養岬太社長が設立した株式会社KKがMBO(経営陣による買収)を目的として公開買付け(TOB)を実施しました。買付価格は当初935円、その後1,060円へ引き上げられましたが、買付予定数の下限477,412株(所有割合42.79%)に達せず不成立に終わっています。当時も時価総額基準による上場廃止の懸念が動機として説明されていました。株式会社KKは現在も9.73%を保有しています。

そのうえで押さえておきたいのは、2026年8月時点で、新たなTOB・MBO・非公開化に関する公表は確認されていないという点です。将来の資本政策について断定的なことは書けませんが、少なくとも現時点で「非公開化が決まっている会社」ではありません(推定情報を含む解釈は後述します)。

上場廃止は転職判断にどう効くのか|求職者が見るべき3つの論点

事実関係を押さえたうえで、「では応募していいのか」に踏み込みます。編集部の見解として、上場廃止そのものより次の3点をどう評価するかが判断を左右すると考えられます(推定情報)。

  1. 雇用と待遇への直接影響は小さいと考えられる:東証から名証単独になっても、法人格・雇用契約・給与体系は変わりません。上場企業として有報を出し続ける以上、平均年間給与や従業員数の開示も継続する見込みです。求職者にとっては、むしろ情報の透明性が保たれるという意味を持ちます。
  2. 資金調達と知名度の面ではマイナス要因になり得る:市場が1つ減ることで、株式を使った資金調達の選択肢や、取引先・採用市場での認知度が弱まる可能性はあります。設備投資が重い印刷業では、この点は中期的な論点です。
  3. 資本政策の不確実性は残る:2021年にMBOが試みられた経緯があり、流通株式の少なさという構造は現在も解消していません。将来の資本政策が経営方針や組織に影響する可能性は否定できず、面接の場で中期経営計画の位置づけを確認する価値があります。

逆に言えば、「上場廃止=危ない会社」という短絡は、この会社の実態を見誤らせます。本当に見るべきは、次章以降で扱う年収水準と営業利益率2.1%という収益構造のほうです。

光陽社の年収は約492万円|平均年齢48.23歳という前提で読む

年収の話をするとき、多くの記事は推定レンジから始めます。この記事では逆に、一次情報である有価証券報告書の実額から始めます。

有価証券報告書の平均年間給与と、その「誰の数字か」

第78期有価証券報告書「従業員の状況」によると、光陽社の平均年間給与は4,920,235円(約492万円)です。2026年3月31日現在、提出会社単体の数値で、基準外賃金および賞与を含みます。前事業年度比は+3.53%で、第77期(2025年3月期)は約475万円でした。

この数字を読むうえで重要なのが、「誰の平均か」です。持株会社が本社スタッフだけの高い平均値を出しているケースでは、現場社員の実感と大きくずれます。光陽社の場合、提出会社は持株会社ではなく事業会社そのもので、単体152名の平均です。営業も製作(現場)も含まれているため、現場実態との乖離は比較的小さいと考えられます(推定情報)。ただし、連結子会社であるニコモ・ノコムの従業員はこの平均に含まれていません。

同時に、必ずセットで見るべき数字が2つあります。

  • 平均年齢48.23歳(前期47.6歳から上昇)
  • 平均勤続年数17.58年(前期16.9年から伸長)

約492万円という金額は、平均年齢48歳・勤続17年半の集団の平均です。20代・30代で入社した場合の実額は、この平均よりも相当低い水準になると見るのが自然です(推定情報)。印刷業界全体でも人員の高齢化は共通課題ですが、光陽社の年齢構成はその中でも高い部類に入ります。定着率が極めて高いことの裏返しとして、新陳代謝が乏しい構造でもあります。

求人票の月給206,000〜245,000円をどう接続して読むか

公式採用サイトによると、募集職種は企画営業職(東京都文京区・本社)と印刷機オペレーター(埼玉県飯能市)の2つで、いずれも月給206,000〜245,000円、昇給年1回、賞与年2回(7月・12月)という条件です。学歴不問・職務経歴不問、試用期間3か月の正社員採用です。

月給245,000円を12か月分で計算すると294万円になります。ここに賞与が加わって初年度年収が構成されるため、入社直後の年収と有報平均492万円の間には大きな開きがあると考えるのが現実的です(推定情報)。逆に言えば、この会社の平均年収は「長く勤めた人が押し上げている数字」であり、平均勤続17.58年という事実がそれを裏づけます。年収の伸び方を面接で確認する場合は、初任給の幅ではなく5年後・10年後のモデル年収を聞くのが有効です。

なお、求人ボックス 給料ナビなどの二次的な集計サイトでは平均年収472万円という数値も見られますが、これらは投稿データにもとづく推計です。本記事では有報の492万円を主値として扱い、二次集計値は参考情報にとどめています。

年収の伸びを規定するのは「営業利益率2.1%」という天井

年収が今後どこまで伸びるかを考えるには、会社が稼いでいる利益の厚みを見る必要があります。第78期の連結営業利益は1億241万円、売上48億3,083万円に対する営業利益率は約2.1%です。しかも中期経営計画(2025〜2027年度)が掲げる2028年3月期の目標ですら、営業利益1億50百万円・売上52億円で営業利益率2.9%にとどまります。

これは会社が努力していないという話ではなく、商業印刷という業態そのものの構造です。ただし転職判断としては、会社が計画上も3%未満の利益率を前提にしている以上、原資由来の大幅な処遇改善は見込みにくいと読むのが妥当でしょう(推定情報)。第78期の平均年間給与が+3.53%と伸びた事実はポジティブに評価できますが、その持続性は業績次第です。

業績と財務を5期で分解する|黒字が続くのに厚みが出ない理由

「黒字なのに東証を退場する」という見出しだけでは、会社の体力は分かりません。ここでは有価証券報告書の主要な経営指標等の推移から、5期分を並べて分析します。

売上は5期連続で伸び、従業員は5期連続で減っている

期(決算期)連結売上高連結従業員数
第74期(2022年3月期)40億59百万円189名
第75期(2023年3月期)43億01百万円187名
第76期(2024年3月期)44億94百万円181名
第77期(2025年3月期)47億27百万円174名
第78期(2026年3月期)48億31百万円172名

この2列を並べると、光陽社の実態がはっきり見えます。5期で売上は約19%増えた一方、連結従業員数は189名から172名へ17名減っています。1人あたり売上高に換算すると約2,148万円から約2,809万円へ、およそ3割上昇した計算になります(編集部による試算=推定情報)。設備と工程の効率化で少ない人数を回している姿がうかがえます。

転職検討者にとって、この数字は両面の意味を持ちます。ポジティブに見れば、生産性向上に投資している会社であり、飯能プリンティングセンターBASEのような設備更新が実際に効いているということです。慎重に見れば、1人あたりの担当量が増え続けている職場である可能性を示します(推定情報)。応募時には、部門ごとの人員配置と業務量の変化を具体的に確認しておく価値があります。

利益は改善しているが、稼ぎ手は親会社単体に偏っている

第78期の利益は、営業利益1億241万円(前期比+69.3%)、経常利益1億3,884万円(同+33.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益8,409万円(同+38.5%)と、いずれも大きく伸びました。会社開示によれば、増益の主因はカーボンオフセット関連事業の売上が計画を上回ったことです。環境配慮型印刷が実際の利益に結びついている点は、同業比較でも分かりやすい独自性といえます。

ただし、グループ内の内訳を見ると別の姿が出てきます。

  • 提出会社単体の経常利益は1億55百万円で、連結の1億3,884万円を上回る
  • 連結子会社の株式会社ニコモは、2026年3月末時点で81,116千円の債務超過
  • 連結子会社の株式会社ノコムは、売上10億13百万円に対し経常損失17百万円・当期純損失14百万円

つまり、グループで稼いでいるのは親会社単体であり、子会社2社は利益面で足を引っ張っている状態です。有報の平均年間給与492万円は提出会社単体の数値なので、この「稼いでいる側」の平均であるという整理になります。子会社への出向・配属の可能性がある求人に応募する場合は、所属先の法人名を労働条件通知書で確認しておくべきポイントです。

財務は堅く、来期計画も現実的な水準

財務基盤は、この規模の印刷会社としては安定しています。自己資本比率60.6%、ROE4.7%、第78期の1株当たり配当は10.00円(配当性向26.15%)です。2027年3月期の会社予想は売上50億円・営業利益1億10百万円・経常利益1億40百万円・当期純利益90百万円と、急拡大を狙わない堅実な計画になっています。

会社自身が有報の「事業等のリスク」で挙げているのは、(1)電子メディアの多様化による印刷需要の減少、(2)小規模事業者が多数を占める業態での競争激化による受注価格の下落、(3)自然災害、(4)環境法や取引適正化・個人情報保護に関する法規制、(5)個人情報の漏洩、の5点です。加えて対処すべき課題として「若年層の採用や人材確保の難しさ」を明記しています。平均年齢48.23歳という数字と合わせて読むと、この課題認識は実感を伴ったものだと分かります。裏を返せば、若手で入社した人が任される範囲は早い段階から広がりやすいとも考えられます(推定情報)。

働き方と職種|文京区の企画営業と、飯能の4勤2休オペレーター

光陽社は、職種によって勤務地も生活リズムもまったく違う会社です。応募前にこの違いを理解しておかないと、入社後のギャップが大きくなります。公式採用サイトによる条件を整理します(公式情報)。

比較軸企画営業職印刷機オペレーター
勤務地本社(東京都文京区湯島)飯能プリンティングセンターBASE(埼玉県飯能市茜台)
勤務時間9:00〜18:009:00〜18:00、または4勤2休の交替制(9:00〜18:30/21:00〜6:30、実働8.5h)
月給206,000〜245,000円206,000〜245,000円
休日年間休日129日・完全週休2日/賞与年2回(7月・12月)・昇給年1回
応募条件学歴不問・職務経歴不問/正社員(試用期間3か月)

注目すべきは、両職種の月給レンジが同一である点です。夜勤を含む交替制勤務と日勤のみの営業職が同じ提示レンジということは、夜勤手当や深夜割増が基本給とは別枠で加算される設計と考えられます(推定情報)。オペレーター職を検討する場合は、交替勤務時の実支給額と、4勤2休のシフトが年間でどの程度の割合になるのかを、選考中に必ず確認してください。

勤務先となる飯能プリンティングセンターBASEは、同社の主力工場であり、最大の技術的アピールポイントでもあります。太陽光発電とグリーン電力の活用によりScope1・Scope2のCO2排出を実質ゼロとした「カーボンゼロプリント工場」で、H-UV 8色両面印刷機2台体制、完全無処理CTP版、廃液ゼロ、インラインでの全数検査といった設備を備えています。2026年4月からはこの拠点でトータル物流サービス「プリロジ」も稼働しました。環境対応と物流の両方を同じ工場で担う設計になっており、オペレーターの仕事の幅は「刷る」だけにとどまりません。

そのほか、拠点は本社と東京事業所(いずれも文京区湯島)、飯能プリンティングセンターBASE、関西事業所(大阪府東大阪市長田東・2026年5月移転)、名古屋営業所(名古屋市中区栄)です。福利厚生は各種社会保険完備、育児・介護休暇、資格取得手当、財形貯蓄、バースデー休暇、リフレッシュ休暇などが公表されています。従業員の約9割にあたる144名が加入するユニオンショップ制の労働組合(光陽社労働組合・印刷労連加盟)が存在することも、労働条件の交渉基盤という意味では確認しておく価値がある事実です。なお有報に開示された多様性指標では、女性管理職比率は5.7%、男性の育児休業取得率は「―」(該当なし)となっています。

光陽社の評判・口コミ傾向|「回答5名」という母数の限界から出発する

口コミの話に入る前に、最初に断っておくべきことがあります。光陽社は、口コミの絶対量そのものが極めて少ない会社です。OpenWorkの「光陽社(印刷)」の総合評価は5点満点中2.88ですが、この評価の回答者はわずか5名です。転職会議、エン カイシャの評判、就活会議、Yahoo!しごとカタログ、キャリコネといった媒体でも件数は限られています。従業員152名(連結172名)という規模を考えれば当然ではありますが、統計的な信頼性は低く、個別意見の偏りが結果を大きく動かす水準です。以下は断定ではなく、あくまで口コミ傾向として読んでください。

数値として開示されている働き方の指標

OpenWorkで開示されている定量指標は次の2つです(口コミ傾向)。

  • 月間残業時間:29.6時間
  • 有給休暇消化率:32.5%

残業29.6時間は、印刷業界の中で突出して多い水準ではありません。一方で注目したいのが有給消化率32.5%です。公式採用サイトが掲げる年間休日129日・完全週休2日という条件は、業界水準で見れば恵まれた部類に入ります。にもかかわらず有給の消化が3分の1程度にとどまるのであれば、「休日は多いが、有給は取りにくい」という状態が生じている可能性があります(推定情報)。この落差は、応募時に必ず質問すべき論点です。母数5名の指標である点は割り引く必要がありますが、逆に言えば「実際の有給取得日数は何日か」を面接で聞けば、そのまま検証できる項目でもあります。

項目別スコアと定性的な傾向

項目別に見ると、「社員の士気」「20代成長環境」「法令順守意識」「人事評価の適正感」が相対的に高め(3.0)、「待遇面の満足度」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「人材の長期育成」が低め(2.8)と、全体に横並びで低位に固まっています(口コミ傾向)。突出して悪い項目がある形ではなく、全項目が平均をやや下回るという分布です。

定性的な投稿としては、SERPに露出しているものの中に「かつて製版業界のリーダーだった頃の栄光や自負が抜けきらない」という趣旨の指摘や、給与水準・評価への不満を挙げるもの、逆に「体育会系の雰囲気はあるが人間関係は良好で、新規開拓のテレアポはなくルートセールス中心」という趣旨の投稿も見られます。老舗ゆえの保守性と、既存顧客との関係で回る営業スタイルという像が、少ない件数の中では一貫して現れています。ただし繰り返しになりますが、これらを会社全体の社風と断定できる件数ではありません。

編集部の見解として、口コミが少ない会社を評価するときは、スコアそのものより「有報で検証できる事実と口コミが矛盾していないか」を見るのが有効だと考えます。光陽社の場合、平均勤続17.58年という定着の良さと、「人間関係は良好」という投稿の方向性は矛盾しません。一方、待遇面の満足度2.8という数字は、営業利益率2.1%という収益構造と整合的です。数字と声が同じ方向を指している部分は、比較的信頼して読めると考えられます(推定情報)。

商業印刷業界の中での光陽社|市場環境と将来性の見取り図

将来性を「今後も成長が期待されます」といった一般論で片づけても判断材料にはなりません。ここでは商業印刷・販促支援業界の実際の環境変化と、光陽社の打ち手を突き合わせます。

紙の販促市場は縮小、伸びているのは別の領域

業界データを整理すると、次のような構図になります。

  • 2025年の折込広告費は2,354億円で前年比3.6%減。3年連続のマイナス
  • 紙の出版物は9,647億円と、50年ぶりに1兆円を割った
  • 2026年用のお年玉付き年賀はがき当初発行枚数は7億4,841万枚で前年比約30%減、15年連続の減少
  • 一方、リテールメディア市場は2025年に約5,000億円、2026年は6,000億円超が見込まれる
  • BPO市場は2024年度5兆786億円・前年度比4.0%増と拡大が続く

紙媒体の需要が構造的に縮んでいるのは事実です。その中で光陽社が売上を5期連続で伸ばしている理由は、単価の高い領域へ寄せているからだと考えられます(推定情報)。具体的には、カーボンオフセット関連(増益の主因)、絵本の印刷製本配送、そして2026年開始の物流サービス「プリロジ」です。「刷る」だけでなく「保管して・組んで・届ける」まで請け負う方向は、業界共通の高付加価値化の定石に沿っています。

コスト高との戦いが収益力を決める

もう一方の圧力がコストです。印刷物の総コストは2024年から2025年にかけて約4.0〜5.5%上昇したとされ、2025年10月出荷分以降は製紙各社が10%規模の印刷用紙値上げを相次いで実施しました。2026年に入っても物流費・人件費の転嫁を理由とする改定が続いています。営業利益率2.1%という薄さは、この環境下で価格転嫁と原価低減をどこまで進められるかにかかっています。

キャリアの観点で言えば、これは営業・購買・生産管理の職種で「価格交渉力」と「原価意識」が直接評価されるということでもあります。光陽社の企画営業職は既存顧客中心のルートセールス色が強いとみられますが、値上げ交渉を含む取引条件の再設計を経験できれば、業界内外で通用するスキルになります。

同業他社との位置関係

読者が比較対象として検索しやすい印刷会社と、光陽社の位置関係を整理します。平均年収などの数値比較は各社の有価証券報告書で個別に確認する必要があるため、ここでは規模と事業の重心という定性的な軸で示します(推定情報を含みます)。

企業名(証券コード)上場市場事業の重心光陽社と比べたときの見え方
光陽社(7946)東証スタンダード/名証メイン(2026年10月以降は名証単独)商業印刷・製版由来の一貫生産、環境配慮型印刷、物流受託連結172名の小規模。意思決定が近く、担当範囲が広い
光村印刷(7916)東証スタンダード商業印刷中堅規模はより大きく、商業印刷の直接的な競合関係にある
図書印刷(7913)東証スタンダード出版印刷・商業印刷出版分野の比重が高く、事業の軸足が異なる
共同印刷(7914)東証プライム総合印刷(パッケージ・情報系含む)事業領域が広く、配属によるキャリアの分岐が大きい
TOPPANホールディングス(7911)東証プライム業界最大手・情報コミュニケーション/エレクトロニクス等規模も待遇水準も別次元。処遇を最優先するなら比較検討対象

この表から読み取れる光陽社の立ち位置は明確です。規模で戦う会社ではなく、環境対応と一貫生産という限定された強みで戦う会社です。処遇の絶対水準を最優先するなら大手のほうが有利ですが、少人数で工程全体に関与したい人、環境配慮型印刷という明確なテーマがある職場を求める人には、逆に選びやすい会社といえます。

光陽社への転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。上場廃止という論点をどう受け止めるかも含めて考えてください。

向いている人向いていない人
「上場廃止=倒産ではない」という事実関係を自分で確認し、冷静に判断できる人東証上場という肩書き自体を転職の重要な条件にしている人
連結172名という規模で、工程全体や複数業務に関与したい人職務範囲が明確に切り分けられた大企業型の分業を望む人
環境配慮型印刷(カーボンゼロプリント)に価値を感じ、専門テーマとして深めたい人短期間で年収を大きく引き上げたい人。営業利益率2.1%という原資の制約がある
既存顧客との関係を丁寧に育てるルートセールス型の営業が得意な人新規開拓の量で成果を出し、成果報酬で評価されたい人
平均年齢48.23歳の職場で、年上のベテランから技能を吸収する姿勢がある人同世代が多く、若手中心のスピード感ある組織を望む人
飯能での交替制勤務(4勤2休・夜勤あり)を生活設計に組み込める人夜勤が難しく、かつ都心の本社勤務にこだわりがある人(職種で勤務地が固定される)

光陽社に関するよくある質問(FAQ)

光陽社への転職・就職を検討する人から実際に検索されている疑問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。

光陽社は上場廃止で倒産するのですか?

いいえ。2026年10月1日付の上場廃止は、東京証券取引所の上場維持基準(流通株式に関する基準)に適合しなかったことによるものです。同社は2025年6月に名古屋証券取引所メイン市場へ上場しており、2026年10月以降も名証メイン単独上場として株式の売買は継続します。第78期は増収増益で、継続企業の前提に関する注記も有価証券報告書に記載されていません。倒産・法的整理とは別の事象です。

MBOやファンドによる非公開化とは違うのですか?

違います。MBOや完全子会社化による上場廃止は、株主構成が入れ替わって株式市場から完全に姿を消すものです。光陽社の場合は株主構成は変わらず、上場先が東証と名証の2つから名証1つに減るだけです。なお2021年に犬養岬太社長が設立した株式会社KKがMBOを目的にTOB(当初935円、後に1,060円へ引き上げ)を実施しましたが、買付予定数の下限477,412株(所有割合42.79%)に達せず不成立に終わっています。2026年8月時点で、新たなTOB・MBO・非公開化の公表はありません。

光陽社の平均年収はいくらですか?

第78期(2026年3月期)有価証券報告書によると、提出会社単体の平均年間給与は4,920,235円(約492万円)で、前期比+3.53%です。ただし平均年齢48.23歳・平均勤続年数17.58年の集団の平均である点に注意が必要です。公式採用サイトの募集条件は企画営業職・印刷機オペレーターとも月給206,000〜245,000円のため、入社直後の年収はこの平均を下回ると考えられます(推定情報)。

「光陽社」は研磨剤や磨きクロスの会社と同じですか?

別法人です。本記事で扱っているのは証券コード7946・EDINETコードE00711・本店が東京都文京区湯島の上場印刷会社です。研磨剤・コンパウンド・ポリマール(磨きクロス)などを扱う「光陽社」は大阪府東大阪市の非上場企業で、資本関係は確認されていません。求人や口コミを見る際は、運営会社の所在地と法人格を必ず確認してください。

飯能プリンティングセンターはどんな職場ですか?

埼玉県飯能市茜台にある同社の主力工場で、太陽光発電とグリーン電力によりScope1・2のCO2排出を実質ゼロにした「カーボンゼロプリント工場」です。H-UV 8色両面印刷機2台体制、完全無処理CTP版、廃液ゼロ、インライン全数検査といった設備を備えています。印刷機オペレーターの勤務は9:00〜18:00のほか、4勤2休の交替制(9:00〜18:30/21:00〜6:30、実働8.5時間)があります。2026年4月からは物流サービス「プリロジ」もこの拠点で稼働しています。

年間休日129日とありますが、実際に休めますか?

年間休日129日・完全週休2日は公式採用サイトが公表している条件で、業界水準としては恵まれた部類です。一方、OpenWorkでは有給休暇消化率32.5%・月間残業29.6時間という数値が開示されています(口コミ傾向/回答者5名と母数が少ない点に留意)。休日日数と有給取得の実態には差がある可能性があるため、選考の場で「直近の平均有給取得日数」を確認することをおすすめします。

未経験・学歴不問でも応募できますか?

公式採用サイトによると、企画営業職・印刷機オペレーターとも学歴不問・職務経歴不問の正社員採用(試用期間3か月)です。有価証券報告書でも対処すべき課題として「若年層の採用や人材確保の難しさ」が明記されており、経験よりも定着と育成を重視した採用方針であることがうかがえます(推定情報)。

光陽社への転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。編集部の見解として、光陽社は「上場廃止という見出しで敬遠されがちだが、実態は財務の堅い小規模老舗印刷会社」であり、判断を分けるのは上場廃止ではなく年収の伸びしろと年齢構成だと考えます。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして内定時の労働条件通知書も含めて確認してください。

判断軸評価
事業の安定性5期連続増収、自己資本比率60.6%、GC注記なし。公式情報としては安定的
上場廃止リスク東証は2026年10月に廃止だが名証で売買継続。雇用への直接影響は小さいと考えられる
年収水準有報平均約492万円(+3.53%)。ただし平均年齢48.23歳が前提で、若手の実額は下回ると推定
年収の伸びしろ営業利益率2.1%・中計目標でも2.9%。原資の制約は明確で、大幅な処遇改善は見込みにくい
働きやすさ年間休日129日・労組あり。一方で有給消化率32.5%(回答5名の口コミ傾向)とのギャップ
キャリアの広がり環境配慮型印刷・物流受託など新領域あり。少人数ゆえ関与範囲は広くなりやすい
組織の年齢構成平均年齢48.23歳・平均勤続17.58年。定着は良いが新陳代謝は乏しい構造
情報の透明性名証上場継続により有報開示は続く見込み。非上場化した同業より条件を検証しやすい
求職者
求職者

結局、応募していい会社なんでしょうか?

編集部の見解として、上場廃止を理由に候補から外す必要はないと考えます。ただし「東証上場企業に入る」ことを転職理由の中心に置いていた人にとっては、前提が変わるのも事実です。判断すべきは、年間休日129日という条件と平均年齢48歳という職場環境、そして営業利益率2.1%という原資の制約を、自分のキャリア設計の中で許容できるかどうかです。数字で検証できる論点がここまではっきりしている会社は、むしろ判断しやすい部類に入ります。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数・売上高・営業利益はすべて有価証券報告書および決算短信から取得しています。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料・適時開示)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第78期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しました。上場廃止に関する記述は2026年4月15日付の適時開示にもとづく事実のみを扱い、将来の資本政策については断定していません。口コミは回答者数を併記し、母数が少ない指標については解釈の限界を明示しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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