北恵(9872・きたけい)の年収628.7万円と評判|施工付販売45%の建材商社の実像
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 同定:北恵は証券コード9872・東証スタンダードの住宅資材商社(大阪市中央区・読みは「きたけい」)
- 年収:有報の平均年間給与628.7万円は、非連結のため383名全社の平均とそのまま一致
- 収益構造:売上589億円に対し営業利益7.1億円=営業利益率1.2%の薄利型ビジネス
- 直近業績:第67期は減収減益(売上▲3.8%/営業利益▲22.5%)。赤字ではない
「北恵」で検索すると、自衛隊の駐屯地名やバス会社、キャンプ場といった全く別の固有名詞が大量に混ざります。この記事で扱うのは北恵株式会社(証券コード9872・東証スタンダード市場・大阪市中央区・読みは「きたけい」)、住宅資材・建築資材を扱う専門商社です。本記事は第67期(2025年11月期)有価証券報告書の実額を軸に、平均年収628.7万円という数字が何を意味するのか、営業利益率1.2%という薄利構造が待遇にどう効くのか、そして420件を超える口コミの傾向が公式データと整合するのかを、ひとつずつ分けて整理します。転職先としての判断に必要な材料だけを、公式情報・口コミ傾向・推定情報の3層に切り分けて提示します。
北恵株式会社とは|証券コード9872・大阪市中央区の住宅資材商社
最初に会社の輪郭を固めます。北恵株式会社は、木材店・建材店・工務店・住宅会社を主な取引先とする住宅資材・建築資材の専門商社(卸売業)です。公式サイトによると、大阪本社(大阪市中央区南本町)と東京本社(東京都千代田区丸の内)の二本社制を採り、国内26拠点に加えてベトナム・ホーチミンに駐在員事務所を1か所置いています。上場区分は東京証券取引所スタンダード市場で、1990年8月に大阪証券取引所第二部へ上場し、2018年に東証一部、2022年4月の市場再編でスタンダード市場へ移行しています。子会社を持たないため決算は非連結(単体)で開示されており、これは本記事で比較する同時期の上場10社のなかで北恵だけの特徴です。
「北恵」と検索して出てくる別法人・別の固有名詞
転職検討者がまず損をしやすいのが、社名の取り違えです。検索候補には次のような、北恵株式会社とは資本関係も事業関係もまったくない固有名詞が多数混ざります(公式情報にもとづく区別です)。
- 北恵庭駐屯地:北海道にある陸上自衛隊の駐屯地名で、地名由来の語です。企業とは無関係です。
- 北恵那交通・北恵那バス・北恵那鉄道:岐阜県を営業エリアとする別法人(バス事業者)および廃線となった鉄道に関する語です。大阪の北恵株式会社とは別会社です。
- 北恵那キャンプ場:レジャー施設の名称で、企業とは関係がありません。
- 株式会社恵:厚生労働省が公表した障害者グループホームに関する事案で名前が挙がった会社であり、北恵株式会社とは全くの別会社です。社名が一字重なるだけで、混同は重大な誤りになります。
加えて、「北恵 換気扇」「北恵 サイディング」「北恵 フローリング」といった検索は、同社が扱う建材・住宅設備の商品名を調べる一般消費者・施工業者の検索です。転職情報を探している場合は「北恵株式会社 評判」「北恵 年収」「北恵 求人」のように、企業名と転職関連語を組み合わせたほうが目的の情報に届きます。本記事が扱うのは、証券コード9872の会社だけです。

正直、社名で検索しても会社の情報が全然出てこなくて不安でした。どこを見れば実態が分かりますか?
事業の柱は「施工付販売」45.0%|モノ売りだけの卸ではない
北恵を転職先として評価するうえで最も重要な事業特性は、売上の約半分が「施工付販売」であるという点です。公式IRの品目別情報によると、第67期(2025年11月期)の品目別売上は次の構成でした(公式情報)。
- 施工付販売:265億3,000万円(構成比45.0%)
- 住宅設備機器:140億8,000万円(同23.9%)
- 木質建材:66億2,000万円(同11.2%)
- 上記以外に非木質建材・合板・木材銘木製品などを扱う
施工付販売とは、建材や住宅設備を納品するだけでなく、職人・協力業者の手配と工事まで一括で請け負う販売形態です。同社は約1,000社の協力業者ネットワークを持ち、この体制で工事まで届けます。つまり営業職の仕事は「商品を卸す」だけで終わらず、見積り・工程調整・現場の納期管理・施工品質のフォローまで含む現場密着型の業務になります。建設現場の担い手不足と時間外労働の上限規制が進むなか、確実に施工まで届けられる商社の価値は業界全体で相対的に上がっています。裏返すと、工期の遅れや施工不具合が発生したときの一次受けも営業側に回りやすい構造です。
もうひとつの特徴はプライベートブランド(PB)の自社開発です。同社は1978年から業界に先駆けてPB開発に取り組み、現在は「SPROUT」「relaxssing wood」というブランドを展開しています。仕入はLIXIL・TOTO・クリナップ・タカラスタンダード・ニチハなど国内メーカーとの直取引が約8割、建材商社経由が約2割という構成で、商社機能・メーカー機能・工事機能を併せ持つ三面型のビジネスモデルになっています。会計上は単一セグメントのため、有価証券報告書にセグメント別の損益情報は掲載されていません。
沿革と資本構成|1959年設立・創業家によるオーナー経営
公式サイトによると、設立は1959年12月(当時の商号は北村恵商事株式会社)で、1983年11月に現在の北恵株式会社へ商号変更しています。資本金は22億2,008万円(2025年11月現在)。一部のデータベースには創業年として1950年が記載されており、創業年と設立年が混在しているため、本記事では公式表記の「1959年設立」を採用します。
資本構成は創業家によるオーナー経営で、創業家関係とみられる資産管理会社や個人株主が大量保有に並ぶ同族色の強い株主構成です。現社長は2023年2月に就任しています(代表者名は後掲の公式データ欄に記載)。株式関連の公表値は、発行済株式数10,011,841株、時価総額約96.3億円(2026年9月7日時点)、1株当たり配当28.0円、配当性向47.0%、予想配当利回り約2.9%、PER約14〜16倍、PBR約0.6倍、予想ROE約4.0%です。推定情報として言えるのは、オーナー経営かつ配当性向47.0%という水準は、短期的な株主還元圧力よりも長期の安定経営を重視しやすい構えだという点です。一方で、意思決定が経営トップに集まりやすい組織では、中途入社者が提案を通す際に社内の合意形成プロセスを見極める必要があります。なお、TOB・MBO・非公開化の動きは、今回の調査範囲では確認できなかったため、上場廃止を前提にした判断材料はありません。
北恵の公式データ一覧(第67期・有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。特に同社は決算日が11月20日という変則決算であるため、他社の「2026年3月期」とは時点が約1年近くずれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 北恵株式会社(きたけい/KITAKEI CO., LTD.) |
| 証券コード・上場市場 | 9872/東京証券取引所スタンダード市場 |
| 本社 | 大阪本社:大阪市中央区南本町/東京本社:東京都千代田区丸の内 |
| 設立 | 1959年12月(1983年11月に現商号へ変更) |
| 代表者 | 代表取締役社長 北村 誠(2023年2月就任) |
| 資本金 | 22億2,008万円(2025年11月現在) |
| 対象決算期 | 第67期(2025年11月期/2024年11月21日〜2025年11月20日) |
| 平均年間給与 | 6,287千円(約628.7万円) |
| 平均年齢 | 41.6歳(2025年11月20日現在) |
| 平均勤続年数 | 13.0年(2025年11月20日現在) |
| 従業員数 | 383名(2025年11月20日現在。非連結のため連結=単体) |
| 売上高 | 589億7,700万円(前期比▲3.8%) |
| 営業利益 | 7億1,300万円(前期比▲22.5%/営業利益率1.2%) |
| 当期純利益 | 5億5,100万円(前期比▲23.3%) |
| 拠点 | 国内26拠点+ベトナム・ホーチミン駐在員事務所1か所 |
| 離職率・職種別年収 | 有価証券報告書では開示されていない |
| 出典 | 第67期(2025年11月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2025年11月期決算短信〔日本基準〕(非連結・2025年12月26日開示)/公式会社概要 |
出典の性質について1点注記します。第67期有価証券報告書のPDF原本はテキスト抽出ができなかったため、本記事の従業員データは有報記載値を転載した複数の独立データベース(irbank/Yahoo!ファイナンス企業情報)と、公式会社概要の従業員数383名が一致していることで確認しています。つまり数値の典拠は有価証券報告書ですが、取得経路は二次転載を含みます。金額まで厳密に突き合わせたい場合は、EDINETで第67期の原本を直接参照してください。
北恵の平均年収628.7万円をどう読むか|非連結だから「全社平均」と一致する
結論を先に述べます。北恵の平均年収628.7万円は、上場企業の有報年収のなかでは珍しく「会社全体の平均」としてそのまま読める数字です。理由は単純で、同社が子会社を持たない非連結企業だからです。
有価証券報告書の「平均年間給与」は、法律上つねに提出会社(単体)の値です。持株会社やフランチャイズ本部の場合、提出会社に在籍するのは管理部門や本部社員だけで、現場で働く大多数の社員はグループ会社側に所属します。その結果、有報の年収が現場の実態と大きくかけ離れる——これが企業比較で最も起きやすい誤読です。北恵の場合、有価証券報告書によると従業員383名は2025年11月20日現在の人数で、公式会社概要の「383名(2025年11月現在)」と一致し、グループ会社に分散する従業員がいません。したがって628.7万円は、営業職・基幹事務職を含む383名の平均として読めます(賞与・時間外手当を含む支給額ベース)。
この数字をさらに分解すると、職種構成の偏りがない分、推定情報として「中堅社員の実感値に近い」と考えられます。後述する口コミの自己申告平均との差も、この点を踏まえると説明しやすくなります。
平均年齢41.6歳・平均勤続13.0年とセットで読む
年収は、必ず年齢と勤続年数とセットで読む必要があります。北恵の公式数値は次のとおりです(公式情報)。
- 平均年齢41.6歳(第67期)。参考として2020年11月期は40.5歳で、5年で約1.1歳上昇しています。
- 平均勤続13.0年(第67期)。2020年11月期は12.3年で、こちらも緩やかに伸びています。
- 従業員383名。2024年11月現在は389名、2020年11月期は361名で、直近は微減に転じています。
読み取れるのは、採用を大きく増やさずに既存社員が順当に歳を重ねている組織という姿です。平均年齢41.6歳で平均勤続13.0年ということは、逆算すると28〜29歳前後で入社した社員が中心層にいる計算になり、新卒だけでなく20代後半の中途入社も一定数吸収してきたと推定情報として考えられます。一方で従業員数が361名→389名→383名と横ばい圏で推移しているため、組織拡大による急なポスト増は見込みにくく、管理職ポストは既存社員の昇格で埋まりやすい構造です。中途で入る場合、「何年目にどのポジションを狙えるのか」を面接段階で具体的に確認する価値があります。
なお口コミ傾向として、OpenWorkでは回答者ベースの平均勤続が男性16年・女性7.6年と男女差が大きいという記載があります。これは口コミサイトの回答者集計値であり会社の公式開示ではないため、参考値として扱ってください。有価証券報告書は男女別の勤続年数を分けて開示していないため、公式数値としては全社13.0年のみが確認できる値です。
口コミの平均年収432万円と有報628.7万円はなぜ200万円ずれるのか
転職検討者が最も混乱するのがここです。数字を並べると差は明確です。
- 公式情報:有価証券報告書(第67期)の平均年間給与 628.7万円/平均年齢41.6歳
- 口コミ傾向:エン カイシャの評判の集計では平均年収 432万円/平均年齢32歳
- 口コミ傾向:同サイトの職種別では営業職が年収475万円・総合3.0点と相対的に高め
差額は約196万円ですが、この乖離の大半は「比べている人の年齢が違う」ことで説明できます。有報は41.6歳を平均とする全社383名の実額、口コミは平均32歳の回答者による自己申告です。約10歳の差があれば、同じ給与テーブルでも数百万円の開きが出るのは自然です。加えて口コミの自己申告は、基本給ベースで回答して賞与を含めないケース、残業代を含めないケースが混在します。したがってどちらかが間違っているのではなく、測っている対象が違うと理解するのが正しい読み方です。
実務的な使い分けはこうなります。20代〜30代前半で応募するなら、入社直後の実感値は口コミ側(400万円台)に近い可能性が高く、有報の628.7万円は勤続を重ねた層を含む到達点として見るべき数字です。逆に30代後半〜40代で即戦力採用を狙うなら、628.7万円は自分が位置づけられる帯のおおよその中心として交渉の参照点になります。
役職・職種別の目安レンジ(推定情報)
北恵は有価証券報告書で職種別・役職別の給与を開示していないため、以下はすべて推定情報です。有報の全社平均628.7万円、口コミの営業職475万円(回答者平均32歳)、平均年齢41.6歳という3つの公式・口コミデータから逆算した目安であり、実際の提示額は経験・配属・等級で変わります。面接で必ず労働条件通知書の水準を確認してください。
| 層 | 年収の目安(推定) | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 営業職・20代 | 350〜450万円程度 | 口コミ回答者(平均32歳)の水準に近い帯。賞与の変動幅が体感差を生みやすい |
| 営業職・30代 | 450〜600万円程度 | 担当エリア・取扱高の拡大と等級上昇が重なる層。全社平均に近づく |
| 営業職・40代/主任・課長クラス | 600〜750万円程度 | 平均年齢41.6歳・全社平均628.7万円の中心帯。ここが有報の数字を支えている |
| 基幹事務職 | 営業職より抑えめの帯と考えられる | 受発注・納期回答・請求業務が中心で、インセンティブ性が低いと推定される |
| 支店長・エリア統括 | 全社平均を明確に上回る帯 | 26拠点しかないためポスト数は限られる。公式開示はない |
年収交渉で確認すべき点を3つに絞ると、①賞与の算定基準(全社業績連動か部門・個人連動か)、②残業代の支給方式と固定残業の有無、③確定拠出年金の会社掛金額です。特に③は後述のとおり、この会社の報酬設計を理解する鍵になります。
営業利益率1.2%|給与原資の天井を決めている数字
年収の話を理解するには、会社がどれだけ利益を残せているかを見る必要があります。決算短信によると、第67期(2025年11月期)の業績は次のとおりです(公式情報)。
- 売上高 589億7,700万円(前期比▲3.8%)
- 営業利益 7億1,300万円(前期比▲22.5%/営業利益率1.2%)
- 当期純利益 5億5,100万円(前期比▲23.3%)
- 経常利益率 1.5%(営業利益率1.2%を上回る)
- 2026年11月期の会社予想:売上593億円(+0.5%)/営業利益7.2億円(+0.9%)/経常利益9.1億円/当期純利益5.6億円
- 2026年11月期第1四半期は売上150億1,800万円(前年同期比▲4.3%)と減収
ここで押さえるべき事実は2つです。第一に、赤字ではありません。営業・経常・純利益すべて黒字を確保し、会社予想も増益計画です。第二に、直近期は明確な減収減益です。売上が▲3.8%、営業利益が▲22.5%落ちており、第1四半期も減収が続いています。したがって「安定成長企業」という評価は事実に合いません。「黒字は維持しているが、足元は縮んでいる」というのが正確な理解です。
営業利益より経常利益が大きい建材卸の収益構造
見落としやすい構造的特徴がこれです。北恵は営業利益率1.2%に対し経常利益率が1.5%と、営業段階より経常段階のほうが利益率が高くなります。通常の製造業では支払利息などで経常段階に利益が削られますが、建材卸では仕入割引や受取配当といった営業外収益が積み上がるため、この逆転が起きます。2026年11月期の会社予想でも営業利益7.2億円に対し経常利益9.1億円と、約1.9億円の上乗せが計画されています。
この構造が転職判断に与える意味は推定情報として2つあります。ひとつは、本業の商品売買マージンが極めて薄いため、仕入条件の交渉力そのものが会社の利益源になっているという点。メーカー直取引が約8割という仕入構成は、まさにこの交渉力を支える仕組みです。もうひとつは、営業現場の評価が「売上」だけでなく「粗利の確保」と「回収条件」に強く結びつきやすいという点です。値引きで数量を取る営業スタイルは、利益率1.2%の会社では評価されにくいと考えられます。
売上590億円・営業利益7.1億円を1人当たりに割り戻す
数字を従業員383名で割ると、この会社のビジネスの姿が見えます(以下は公式数値をもとにした編集部の試算です)。
- 1人当たり売上高:約1.54億円(589.77億円÷383名)
- 1人当たり営業利益:約186万円(7.13億円÷383名)
- 平均年間給与:628.7万円
1人で1.5億円を動かしながら、会社に残る営業利益は186万円。つまり売上の規模感と、会社が分配できる利益の規模感が2桁違うのが建材卸です。同じ卸売業のなかで見れば、628.7万円は売上規模に対して低いのではなく、薄利モデルの中で相応に配分された水準だと推定情報として評価できます。一方で、会社全体の利益が7.1億円規模である以上、業績が1割下振れすると賞与原資に直接響きやすい点は、入社後のリスクとして認識しておくべきです。
有報の平均年間給与を10社で並べる|「提出会社の値」の読み方
北恵の628.7万円が相対的にどの位置にあるのか、同時期に有価証券報告書を提出した上場商社・小売10社で並べます。ただし並べるだけでは誤読します。有報の平均年間給与は常に提出会社(単体)の値であり、連結全体の水準ではないからです。表の直後の注記まで必ず読んでください。
| 会社名(証券コード) | 市場 | 決算期 | 有報の平均年間給与 | 平均年齢/平均勤続 | 提出会社(単体)/連結 従業員数 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本電計(9908) | 東証スタンダード | 第81期(2026年3月期) | 757万円(前期692万円から+64万円) | 42.2歳/13.1年 | 679名/有報では未確認 | 1,331億48百万円(+9.8%) | 49億72百万円 |
| イエローハット(9882) | 東証プライム | 第68期(2026年3月期) | 728万円(本部137名のみ) | 48.4歳/21.3年 | 137名/約4,176名 | 1,712億80百万円(+11.2%) | 150億87百万円(▲2.4%) |
| UEX(9888) | 東証スタンダード | 第72期(2026年3月期) | 694.8万円(前期721.2万円から▲3.7%) | 44.2歳/16.8年 | 296名/518名 | 497億25百万円(▲1.1%) | 12億98百万円(▲26.7%) |
| 藤井産業(9906) | 東証スタンダード | 第72期(2026年3月期) | 約690万円(有報は「6.9百万円」表記) | 40.2歳/13.9年 | 754名/932名 | 1,058億56百万円(+10.2%) | 61億99百万円(+15.7%) |
| JKホールディングス(9896) | 東証スタンダード | 第80期(2026年3月期) | 681万円(持株会社169名のみ/ジャパン建材678.9万円・通商570.0万円) | 提出41歳7ヶ月・ジャパン建材40歳7ヶ月・通商37歳3ヶ月/提出14年5ヶ月・ジャパン建材12年10ヶ月・通商9年4ヶ月 | 169名/3,438名 | 3,988億20百万円(+1.4%) | 64億34百万円(▲12.6%) |
| 日伝(9902) | 東証プライム | 第75期(2026年3月期) | 654万円(6,542千円・+3.2%) | 38.7歳/13.5年 | 928名/1,050名 | 1,410億33百万円(+4.6%・過去最高) | 66億22百万円(▲3.0%) |
| 北恵(9872) | 東証スタンダード | 第67期(2025年11月期) | 628.7万円(6,287千円) | 41.6歳/13.0年 | 383名(非連結のため連結=単体) | 589億77百万円(▲3.8%) | 7億13百万円(▲22.5%・営業利益率1.2%) |
| シャルレ(9885) | 東証スタンダード | 第51期(2026年3月期) | 610.2万円(6,102千円・▲2.3%) | 46.4歳/19.8年 | 205名/291名 | 129億32百万円(+12.0%) | ▲11億15百万円(2期連続の営業赤字) |
| 日邦産業(9913) | 東証スタンダード | 第75期(2026年3月期) | 570万円(5,702,857円・5期連続増) | 38.1歳/11.3年 | 334名/2,765名 | 464億03百万円(+3.4%) | 20億79百万円(+5.5%) |
| コンセック(9895) | 東証スタンダード | 第59期(2026年3月期) | 492万円(4,922,653円・+0.1%) | 46.3歳/18.6年 | 198人/324人 | 98億89百万円(▲3.96%) | ▲784万円(2期連続の営業赤字) |
【比較表の注記】この表を読むときは、次の4点を必ず踏まえてください。
- ① 決算期が揃っていません。北恵だけが11月期決算(第67期=2025年11月期/従業員データは2025年11月20日現在)で、残る9社はいずれも2026年3月期です。つまり北恵の数値は他社より約4か月〜1年近く前の時点を映しています。期数も第51期〜第81期まで大きく異なるため、期数だけでは比較できません。必ず「第◯期(20XX年X月期)」で確認してください。
- ② 有報の平均年間給与は、すべて提出会社(単体)の値です。単体従業員が連結に占める比率が低いほど、その数字の代表性は下がります。最も極端なのがイエローハット(9882)で、728万円は提出会社=本部137名のみの平均です。連結は約4,176名で、店舗の販売スタッフやピットスタッフの実態をこの数字は表していません。同社は雇用主が①本部②地域子会社③フランチャイズ加盟企業(資本関係のない別会社)の3層に分かれ、求人媒体上も別法人として掲載されるため、応募先がどの層かの確認が不可欠です。JKホールディングス(9896)も純粋持株会社で提出会社169名は管理部門主体ですが、同社有報は「最大人員会社の状況」を開示しており、ジャパン建材株式会社6,789,852円(977名・40歳7ヶ月・12年10ヶ月)、通商株式会社5,699,235円(228名・37歳3ヶ月・9年4ヶ月)という主力会社の実額が読めます。連結3,438名のうち約29%がこの2社に在籍するため、681万円だけを見るのは実態の誤認につながります(なお小売978名・合板製造436名のセグメントは給与が開示されておらず、グループ全体の平均は算出できません)。日邦産業(9913)も提出会社334名に対し連結2,765名で、570万円は本体334名の数字です。
- ③ 北恵は、この表で唯一「連結=単体」の会社です。非連結のため383名がそのまま全社の人数であり、628.7万円は持株会社バイアスを含みません。10社のなかで金額は7番目ですが、「数字の代表性」という観点では最も素直に読める値です。逆に言えば、表の上位に見える会社の数字には、本部・持株会社だけの値というバイアスが含まれている可能性を常に疑う必要があります。
- ④ 赤字・減益の会社を隠しません。シャルレ(9885)は2期連続の営業赤字、コンセック(9895)も2期連続の営業赤字・最終赤字です。北恵は営業利益▲22.5%の減益、UEXは▲26.7%、JKホールディングスは▲12.6%で期初計画も未達、日伝は過去最高の売上でも営業利益▲3.0%。商社・卸の世界では「増収=好待遇」が成り立たないことが、この表から読み取れます。
なお、有報の実額と口コミサイトの自己申告平均は、どの会社でも必ず分けて見る必要があります。乖離の主因は回答者の年齢構成の差です(例:藤井産業は有報約690万円に対しOpenWork回答者集計500万円/平均年齢31歳・回答31人)。北恵も同じ構図で、前述の628.7万円と432万円の差はこれで説明できます。
口コミ420件超の傾向を、有報の数字と突き合わせる
北恵は従業員383名の会社ですが、口コミの投稿件数は規模に対して多いのが特徴です。転職会議147件、エン カイシャの評判140件、就活会議135件で、合計420件を超えます。関心を持つ層が一定数いるということであり、転職検討時に読める材料が多いのは利点です。
ただし二重の注記が必要です。第一に、件数が多いのは累積の投稿数であり、各サイトのスコアを算出している回答者は20〜30名規模にとどまります(OpenWork総合2.60=回答者27名、エン カイシャの評判総合2.7=正社員26名回答)。第二に、これらはすべて口コミ傾向であり、会社の公式開示ではありません。383名中20〜30名の回答から全社を断定することはできないため、以下は「そういう声がある」という傾向として読んでください。
残業42.1時間・34時間と求人票「月10時間以内」の落差
働き方に関する数字を並べると、出所によって差があります。
| 項目 | 数値 | 出所・性質 |
|---|---|---|
| 月平均残業時間 | 42.1時間 | OpenWork回答者集計(口コミ傾向・回答者27名規模) |
| 月残業時間 | 34時間 | エン カイシャの評判の集計(口コミ傾向) |
| 残業の記載 | 「月10時間以内」と記載された求人票がある | 転職エージェント経由の求人票(推定情報/職種・拠点限定の可能性) |
| 有給消化率 | 21.4% | OpenWork回答者集計(口コミ傾向) |
| 休日・休暇の納得度 | 73% | エン カイシャの評判の集計(口コミ傾向) |
| 男性育休取得率 | 66.7%(女性100%) | OpenWork掲載値(口コミ傾向) |
| 女性管理職比率 | 1.7% | OpenWork掲載値(口コミ傾向) |
この落差をどう読むか。推定情報として最も整合的な説明は、職種と拠点によって働き方が大きく違うというものです。施工付販売が売上の45.0%を占める会社では、営業職は現場の工程と取引先の都合に時間を合わせる必要があり、繁忙期の残業が膨らみやすい。一方、受発注・納期回答・請求業務を担う基幹事務職や本社部門は、業務量が内務中心でコントロールしやすい。求人票の「月10時間以内」という記載は、特定の職種・拠点の条件である可能性が高く、そのまま全社の実態として受け取るのは危険です。
注目すべきは、有給消化率21.4%という低めの数値と、休日・休暇の納得度73%という比較的高い数値が同居している点です。これは矛盾ではなく、土日祝などの所定休日はきちんと取れているが、有給を上乗せして取る文化は薄いという状態だと推定できます。面接では「年間休日日数」と「有給の取得実績(部署単位の平均日数)」を別々に質問すると、実態に近い答えが得られます。また男性育休66.7%という数値は、383名規模の会社としては制度が回っている側の指標です。女性管理職比率1.7%は低い水準で、管理職を目指す女性には確認が必要な論点になります。
「体育会系」「男社会」という言及をどう受け止めるか
北恵の口コミで複数サイトに重複して現れるキーワードが「体育会系」「男社会」です。具体的な口コミ傾向としては、次のような声が繰り返し見られます。
- 営業カルチャーについて「体育会系」「ノルマ文化」「社内スポーツクラブのような雰囲気」といった言及
- 上層部が男性中心で「男社会」だという女性社員のコメント
- 「成長しているのに社員への還元が薄い」という利益配分への不満
- 項目別スコアでは「人材育成」1.9点、「待遇面の満足度」2.1点が最も低く、「法令順守意識」3.3点が最も高い(OpenWork)
- 職種別では営業職が総合3.0点・年収475万円と、全社平均より相対的に高い評価(エン カイシャの評判)
これらを有報データと突き合わせると、いくつか整合する点があります。女性管理職比率1.7%という口コミ掲載値は「上層部が男性中心」という言及と方向性が一致します。また平均勤続13.0年・従業員数横ばいという公式数値は、社内で育った人が長く残る組織であることを示し、その裏返しとして「人材育成」スコアが低い——つまり体系的な研修よりも現場で覚える文化である可能性を示唆します(推定情報)。なお「法令順守意識」が項目別で最高スコアだった点、および行政処分・課徴金・重大訴訟・不正会計などの事実が今回の調査範囲では確認できなかった点は、コンプライアンス面の相対的な安心材料として記録しておきます。ただし調査範囲で見つからなかったことは、存在しないことの証明ではありません。
重要なのは、これらの言及を「良い/悪い」で判定しないことです。現場密着で数字を追う営業環境を歓迎する人と、体系的な育成と静かな環境を求める人では、同じ会社の同じ特徴が正反対の評価になります。判断材料として使うべきは、自分がどちらのタイプかという自己認識です。
退職金が薄いという指摘と確定拠出年金
報酬設計について、複数の口コミに重複して現れるのが「退職金は期待しないほうがよい」という指摘です。口コミ傾向として、退職給付は確定拠出年金が中心で自己運用だという記述が見られます。有価証券報告書では退職給付制度の細部や会社掛金額は転職者が読み取れる形では開示されていないため、この点は入社前に必ず会社側へ確認すべき項目です。
この論点は、平均勤続13.0年という数字と並べると意味が立ちます。長く勤める人が多い会社でありながら、報酬の後払い部分(退職一時金)が薄いのであれば、在職中の年収でどれだけ受け取れるかが待遇の実質を決めることになります(推定情報)。確認すべき具体項目を挙げます。
- 確定拠出年金の会社掛金額(月額)と、選択制か全員加入かの区分
- 退職一時金制度の有無と、ある場合の算定基礎(基本給連動か定額か)
- 賞与の年間支給月数の実績(過去3期程度)と、業績連動の算定方式
- 昇給の仕組み(等級制度の有無、評価サイクル)
営業利益7.1億円・営業利益率1.2%という規模の会社では、賞与原資が業績に素直に反応します。2025年11月期が営業利益▲22.5%だった事実を踏まえ、好調期と不調期の賞与実績の幅を聞いておくのが実務的です。
勤務地と社内カレンダー|首都圏シフトと11月20日決算
北恵には、転職検討者が見落としやすい固有の論点が2つあります。勤務地の重心と、決算期のズレです。どちらも入社後の生活設計に直結します。
地域別売上は東日本41.6%が最大、近畿33.1%を上回る
「大阪の会社」という印象から、近畿中心の勤務を想像する人が多いはずです。しかし公式IRの地域別情報によると、第67期(2025年11月期)の地域別売上は次の構成です(公式情報)。
- 東日本 245億6,000万円(41.6%)。うち首都圏193億円(32.7%)
- 近畿 195億5,000万円(33.1%)
- 九州・中四国 91億5,000万円(15.5%)
最大の市場は近畿ではなく東日本で、首都圏単独(32.7%)でも近畿全体(33.1%)にほぼ並びます。大阪本社と東京本社(丸の内)の二本社制を採っているのは、この事業構造の反映です。つまり「関西の会社」というイメージと、実際の売上の重心・成長ドライバーは反転しています。推定情報として、配属・異動の可能性を考えるなら首都圏を含む東日本の拠点が主要な選択肢になると見るのが自然です。
拠点は国内26拠点+ベトナム・ホーチミン駐在員事務所1か所。検索候補にも「北恵 千葉営業所」「北恵 埼玉営業所」「北恵 熊本営業所」「北恵 岡山営業所」など個別拠点名が並び、全国に営業網があることが分かります。26拠点という数は、支店網を持つ商社としては多すぎず少なすぎない規模で、転勤の可能性はゼロではないが、全国を数年ごとに回るほど拠点が多いわけでもないという中間的な位置づけです。海外勤務の選択肢は駐在員事務所1か所のみで、海外キャリアを主目的にするには選択肢が限られます。面接では「採用枠がエリア限定か全国転勤か」「過去の異動実績」を具体的に確認してください。
決算日11月20日という変則決算が転職者に効いてくる場面
同社の決算日は11月20日で、第67期は2024年11月21日〜2025年11月20日が対象期間です。上場企業の多数派である3月期決算とは約8か月ずれており、本記事の比較表10社のなかでも北恵だけが11月期決算です。この「変則決算」は地味ですが、転職実務では次の場面で効いてきます(推定情報を含みます)。
- 賞与の算定サイクル:全社業績連動の部分があれば、その基準期間は11月20日区切りになります。3月期企業から転職する場合、賞与の「締め」と支給タイミングの感覚が変わります。
- 入社タイミングと評価期間:期の途中に入社すると、初回評価までの期間が想定とずれる可能性があります。評価サイクルが期と連動しているかを確認する価値があります。
- 繁忙期の位置:期末の追い込みが11月に来るため、3月決算企業の「年度末繁忙」とは時期が異なります。住宅着工・工事の季節性と期末が重なるかは、配属部門によって影響が変わります。
- 業績情報の鮮度:公表される最新数値が他社と同時点ではありません。転職時に「最新の業績」を確認するなら、2026年11月期の四半期開示を見る必要があります(第1四半期は売上150億1,800万円・前年同期比▲4.3%)。
些末に見えますが、年収提示額の根拠に賞与見込みが含まれる場合、どの期の業績が反映されるのかを把握しているかどうかで交渉の精度が変わります。
仕事内容とキャリアパス|営業職と基幹事務職の2本立て
公式採用サイトによると、新卒採用の職種は営業職と基幹事務職の実質2本立てです。基幹事務職は受発注・納期回答・請求業務を担う内務職です。中途採用では「経営企画(管理職候補)」などのポジションが転職エージェント経由で出ており、本社機能の募集も発生します。職種の選択肢が絞られている分、入口の段階で自分がどちらのラインに乗るのかがキャリアに直結します。
営業職の実務|施工付販売は工程管理の仕事でもある
売上の45.0%が施工付販売である会社の営業職は、一般的な卸売営業とは業務範囲が異なります。推定情報として、実務は次のような流れを含むと考えられます。
- 工務店・住宅会社・建材店への提案と見積り作成(商品知識+法規・性能値の理解)
- メーカー(LIXIL・TOTO・クリナップ・タカラスタンダード・ニチハ等)との仕入条件・納期の折衝
- 約1,000社の協力業者ネットワークからの職人・工事手配と工程調整
- 納品・施工後のクレーム対応と、次案件に向けた関係維持
- PB商品(SPROUT、relaxssing wood)を含む粗利確保を意識した商品提案
業界キャッシュの観点を重ねると、建材商社の営業に求められる能力は「モノを売る力」から「施工まで確実に届ける力」へ移っています。建設現場の担い手不足と時間外労働の上限規制によって、工事手配・工程管理・協力会社ネットワーク運営まで担える人材の価値は社内でも転職市場でも上がっています。一方で業界共通の懸念として、既存取引先へのルート営業が中心になると、価格交渉と納期調整に業務が偏り、社外でも通用するスキルが蓄積しにくいという指摘もあります。北恵で働く場合、この分岐を意識して施工付販売の工程管理経験・PB企画への関与・新規開拓の実績のいずれかを明示的に積むかどうかが、数年後の市場価値を分けると考えられます。
社内異動と社外転職の選択肢
383名・26拠点という規模を前提に、現実的なキャリアの道筋を整理します(推定情報)。
| 方向 | 想定されるルート | 留意点 |
|---|---|---|
| 社内・営業ライン | 工務店担当のルート営業 → 大型物件・住宅会社担当 → 主任・課長 → 支店長・エリア統括 | 拠点26・従業員横ばいのためポスト数は限定的。既存社員の昇格で埋まりやすい |
| 社内・本社機能 | 商品部でのPB企画・メーカー折衝、施工手配部門、物流・情報システム、経理・IR | 単一セグメント・383名規模のため各機能の人数は少ない。異動は空席次第 |
| 業界内転職 | LIXIL・TOTO・クリナップ・ニチハ等メーカーの営業/商品企画、同業の建材商社・住設卸 | メーカー直取引8割の環境で培った仕入折衝経験は評価されやすい |
| 業界外転職 | 住宅会社・工務店・リフォーム会社の営業や仕入・積算、ゼネコン・不動産関連、他業界のBtoB法人ルート営業 | 施工付販売の工程管理経験は建設・不動産側で説明しやすい実績になる |
海外キャリアについては、拠点がホーチミン駐在員事務所1か所のみであるため、本格的な海外赴任を期待する転職先としては選択肢が狭いと言えます。
北恵の将来性|新設住宅着工の縮小局面で何を収益源にするか
将来性の評価は、会社単体ではなく市場の前提から見る必要があります。結論を先に言えば、主戦場である新築住宅市場は縮小局面にあり、会社の成長は「新築の数量」以外をどれだけ取れるかに依存します。
業界の逆風と、制度改正が作る需要
住宅資材・建材商社が置かれた環境は次のとおりです(業界動向にもとづく整理)。
- 新設住宅着工戸数は2025年に74万戸前後まで落ち込み、約60年ぶりの低水準とされます。2026年も住宅価格と住宅ローン金利の上昇を背景に低位推移が見込まれています。建材卸にとっては数量面の逆風です。
- 一方で住宅リフォーム市場は7兆円規模とされ、各社が省エネ改修・非住宅・大型物件へ収益源を広げています。
- 2025年施行の建築基準法・建築物省エネ法改正で省エネ基準適合が原則義務化され、いわゆる4号特例も縮小されました。「住宅省エネ2026キャンペーン」などの補助制度が、窓・断熱材・高効率給湯器・GX志向型住宅を後押ししています。高性能サッシ・断熱建材・給湯機器の販売比重が上がる方向です。
- 上流ではメーカー再編が進み、YKKとパナソニックによるパナソニック ハウジングソリューションズの株式譲渡が2026年3月にクロージングするなど、住設・サッシ分野の構図が動いています。仕入先の再編は、担当メーカーや取扱商材の変更につながりえます。
- 建設現場の担い手不足と時間外労働の上限規制により、施工まで確実に届けられる商社の価値が相対的に高まっています。
この環境下で北恵が持つ武器は、施工付販売45.0%という施工力の囲い込みと、1978年から積み上げたPB開発機能です。推定情報として、新築の数量が減っても、リフォーム・省エネ改修・非住宅案件で「工事まで請ける」提案ができれば単価と粗利を確保しやすい。逆にリスクは、営業利益率1.2%という薄さゆえに、資材価格の上昇分を取引先へ転嫁しきれない局面で利益が急速に削られることです。第67期の営業利益▲22.5%は、その感度の高さを示す実例と読めます。
会社予想と直近四半期の両面
将来性を語るうえで、会社の見通しと足元の実績は両方出すべきです(公式情報)。
- ポジティブ側:2026年11月期の会社予想は売上593億円(+0.5%)・営業利益7.2億円(+0.9%)・経常利益9.1億円・当期純利益5.6億円と、増収増益計画です。配当は1株28.0円・配当性向47.0%で、株主還元の姿勢は明確です。自己資本に対する利回り(予想ROE約4.0%)は高くありませんが、PBR約0.6倍と資産面の裏付けは相対的に厚い評価になっています。
- ネガティブ側:第67期は売上▲3.8%・営業利益▲22.5%・当期純利益▲23.3%の減収減益でした。さらに2026年11月期第1四半期も売上150億1,800万円(前年同期比▲4.3%)と減収で始まっています。会社予想は増収計画ですが、これは予想値であり実績ではありません。
つまり、「会社としては増収増益を計画しているが、足元の四半期は減収で始まっており、市場環境は数量面で逆風」という構図です。将来性を理由に転職を決めるなら、四半期開示を追って計画の進捗を自分で確認するのが現実的なアプローチです。
同業の住宅資材商社と比べた北恵の立ち位置
読者が実際に併願・比較しそうな住宅資材・建材商社を挙げ、北恵との違いを整理します。各社の年収・業績の実額は本記事では未取得のため併記しません(各社の有価証券報告書で直接確認してください)。以下は事業の性格と地盤の比較で、推定情報を含みます。
| 企業名(証券コード) | 上場区分 | 地盤・事業の特徴 | 北恵と比較するときの見方 |
|---|---|---|---|
| 北恵(9872) | 東証スタンダード | 大阪本社+東京本社。住宅資材・建材の専門商社で施工付販売45.0%、PB自社開発、非連結・383名 | 有報の年収が全社平均と一致する数少ない会社。規模は中堅で、組織はコンパクト |
| OCHIホールディングス(3166) | 東証 | 九州地盤の建材商社で、施工事業も展開する持株会社体制 | 施工付の考え方は近い。持株会社体制のため有報の年収は提出会社の値になる点に注意 |
| ジオリーブグループ(3157) | 東証スタンダード | 旧ジューテックホールディングス。首都圏地盤の住宅資材商社 | 北恵が首都圏32.7%で競合する領域。こちらも持株会社のため年収の読み方に注意 |
| ナイス(8089) | 東証 | 建築資材・住宅事業の大手。木材市場を全国展開 | 規模が大きく事業領域も広い。扱う商材と担当範囲の幅が異なる |
| 伊藤忠建材 | 非上場(伊藤忠商事系) | 総合商社系の建材商社 | 北恵の仕入ルートの一部は建材商社経由(約2割)で、こうした会社が取引相手にもなりうる |
| JKホールディングス/ジャパン建材(9896) | 東証スタンダード | 連結3,438名の純粋持株会社。中核事業会社はジャパン建材株式会社 | 前掲10社比較表のとおり、提出会社681万円とジャパン建材678.9万円を分けて見る必要がある |
比較の軸として実務的に効くのは、①持株会社かどうか(有報年収の読み方が変わる)、②地盤(勤務地の重心)、③施工までやるかどうか(仕事内容が変わる)の3点です。北恵は「持株会社ではない/大阪と首都圏の二軸/施工までやる」という組み合わせで、この3点セットが明確な会社です。
北恵への転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。どちらが優れているという話ではなく、会社の特徴と自分の志向が噛み合うかの確認です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 現場に足を運び、工程や職人の手配まで含めて案件をまとめることに面白さを感じる人 | オフィス内で完結する業務を志向し、現場起点の突発対応を避けたい人 |
| 薄利モデルを理解し、値引きではなく粗利と回収条件で評価されることを納得できる人 | 売上規模の大きさと年収・賞与が比例すると考えている人 |
| 体系的な研修より、現場で覚えて自分で動くスタイルが合う人(「人材育成」1.9点という口コミ傾向を踏まえた判断) | 入社後の育成プログラムや明文化された等級・キャリアパスを重視する人 |
| 首都圏・近畿を軸に腰を据えて長く働きたい人(平均勤続13.0年) | 海外赴任や大規模な職種転換を短期で実現したい人(海外拠点は駐在員事務所1か所) |
| 在職中の年収で報酬を受け取る設計を受け入れられる人 | 退職一時金など後払いの報酬を重視する人(確定拠出年金中心という口コミ傾向あり) |
北恵に関するよくある質問(FAQ)
北恵への転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。検索候補として実際に多い疑問を中心に扱います。
北恵の読み方は?「きたえ」「きたけい」どちらですか
読みは「きたけい」です。英文表記はKITAKEI CO., LTD.。証券コードは9872で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。設立時の商号は北村恵商事株式会社で、1983年11月に現在の北恵株式会社へ変更されました。なお「北恵那交通」「北恵那鉄道」「北恵庭駐屯地」は、北恵株式会社とは無関係の別法人・別の固有名詞です。
北恵の平均年収はいくらですか
公式情報として、第67期(2025年11月期)有価証券報告書の平均年間給与は6,287千円(約628.7万円)です。平均年齢41.6歳・平均勤続13.0年の383名の平均で、同社は非連結のためこの数字が全社の平均と一致します。一方で口コミ傾向として、エン カイシャの評判の集計では平均年収432万円(平均年齢32歳)、営業職は475万円という値が掲載されています。両者の差は主に回答者の年齢構成の違いによるもので、どちらかが誤っているわけではありません。
北恵の離職率は公表されていますか
離職率は有価証券報告書では開示されていません。公表値がないため、代わりに公式数値から間接的に読むのが現実的です。平均勤続年数13.0年(2020年11月期12.3年から上昇)、従業員数383名(2024年11月389名、2020年11月期361名)という推移は、社員が長く在籍し、人数が横ばい圏で推移していることを示します。口コミ傾向としては退職検討理由に関する投稿も存在しますが、回答者が20〜30名規模であるため、これをもって全社の離職状況を断定することはできません。
採用職種と求人はどのようなものがありますか
公式採用サイトによると、新卒採用は営業職と基幹事務職(受発注・納期回答・請求業務)の実質2職種です。中途採用では「経営企画(管理職候補)」などのポジションが転職エージェント経由で募集される例があります。求人票に「残業月10時間以内」と記載されたものも存在しますが、OpenWork集計の月42.1時間・エン カイシャの評判の月34時間という口コミ傾向とは差があるため、職種・拠点限定の条件である可能性を踏まえ、面接で実態を確認してください。
勤務地はどこになりますか。転勤はありますか
大阪本社(大阪市中央区南本町)と東京本社(東京都千代田区丸の内)の二本社制で、国内26拠点+ベトナム・ホーチミン駐在員事務所1か所という体制です(公式情報)。地域別売上は東日本41.6%(うち首都圏32.7%)が最大で、近畿33.1%を上回ります。したがって配属の可能性としては首都圏を含む東日本の拠点も十分に想定されます。転勤の有無・頻度は採用区分によって異なるため、エリア限定採用があるかを含めて選考時に確認するのが確実です。
北恵に不祥事や行政処分はありますか
今回の調査範囲では、北恵株式会社に対する行政処分・課徴金・重大訴訟・不正会計などの事実は確認できなかったというのが正確な表現です。ただし、調査範囲で見つからなかったことは存在しないことの証明ではないため、「問題が一切ない」と断定はできません。また口コミ傾向として、OpenWorkの項目別スコアでは「法令順守意識」3.3点が最も高い評価項目でした。なお、厚生労働省が公表した障害者グループホームに関する事案で名前が挙がった『株式会社恵』は北恵株式会社とは全くの別会社です。
北恵への転職判断まとめと編集部の見解
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準(公式情報) | 有報628.7万円(平均年齢41.6歳)。非連結のため全社平均と一致し、数字の信頼度は高い |
| 年収の実感値(口コミ傾向) | エン カイシャの評判の集計で432万円(平均年齢32歳)・営業職475万円。若年層の入口水準はこの帯に近い可能性 |
| 業績の安定性(公式情報) | 黒字は維持。ただし第67期は売上▲3.8%・営業利益▲22.5%の減収減益で、直近四半期も減収 |
| 収益構造(公式情報) | 営業利益率1.2%の薄利型。営業利益より経常利益が大きい建材卸特有の構造 |
| 働き方(口コミ傾向) | 月残業42.1時間/34時間と出所により差。有給消化21.4%は低めだが休日納得度73%。職種・拠点差が大きいと推定 |
| 定着性(公式情報) | 平均勤続13.0年・従業員383名で横ばい。長期定着型でポスト数は限定的 |
| 勤務地(公式情報) | 大阪・東京の二本社+26拠点。売上の重心は東日本41.6%(首都圏32.7%) |
| 将来性(推定情報) | 新設住宅着工の縮小が逆風。施工付販売45.0%とPB開発が非新築需要を取る武器になるか次第 |
| 仕事の再現性(推定情報) | 施工付販売の工程管理経験は、メーカー・住宅会社・ゼネコン方向へ説明しやすい実績になる |
編集部の見解として、総合すると北恵は「数字が読みやすい中堅商社」です。持株会社でも本部だけの法人でもないため、有報の628.7万円・41.6歳・13.0年・383名という4つの数字がそのまま全社の姿を表します。上場企業の年収情報でここまで素直に読める会社は多くありません。転職判断の土台が固いという意味で、これは明確な利点です。
一方で、その固い土台が示しているのは「売上590億円・営業利益7.1億円・利益率1.2%」という薄利のビジネスであり、給与原資の天井もそこで決まります。628.7万円という水準は、この構造のなかでは妥当に配分されている一方、業績が1割下振れすれば賞与に響きやすいという両面を持ちます。加えて、口コミの項目別スコアで「人材育成」1.9点・「待遇面の満足度」2.1点が最低だった点は、383名中20〜30名の回答という限界を踏まえてもなお、入社前に確認しておくべきシグナルです。
したがって、現場に出て工程までまとめる仕事に手応えを感じ、育成は自分で取りに行くタイプの人には、腰を据えて長く働ける会社として勧められます。逆に、体系的な育成と明文化されたキャリアパス、あるいは高い利益率が生む厚い報酬を求めるのであれば、同業でも持株会社体制の会社や、利益率の高いメーカー側も含めて比較したほうが納得度の高い選択になると考えられます。いずれにしても、確定拠出年金の会社掛金額・賞与の算定方式・採用区分(エリア限定か全国転勤か)の3点は、内定前に必ず書面で確認してください。
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
本記事の公式数値の典拠は、第67期(2025年11月期)有価証券報告書「従業員の状況」、2025年11月期決算短信〔日本基準〕(非連結・2025年12月26日開示)、公式IRの品目別・地域別情報、公式会社概要、公式採用サイトです。有報PDF原本のテキスト抽出ができなかったため、従業員データは有報記載値を転載した複数の独立データベース(irbank/Yahoo!ファイナンス企業情報)と公式会社概要の一致をもって確認しています。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。口コミサイトのスコアは回答者20〜30名規模の集計であり、従業員383名全体の評価ではありません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を典拠として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
