コトブキヤの運営会社は上場企業「壽屋」|年収531万円と評判・テレビ朝日の資本参加
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:ブランド「コトブキヤ」の運営会社は東証スタンダード上場の株式会社壽屋(7809)
- 年収:有報の平均年間給与は531万円、平均勤続年数11.2年と定着率は高い
- 資本:テレビ朝日が筆頭株主で、2024年4月に持分法適用関連会社となった
- 足元:2026年6月期は営業利益7.64億円と前期比52.5%減の減益局面
「コトブキヤ」と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、フィギュアやプラモデルのメーカーとしてこの名前を知っているはずです。ただし、証券コード7809で上場している会社の正式な商号は株式会社壽屋(ことぶきや)であり、ブランド名と社名が一致していません。さらに「寿屋」という同じ読みの企業が過去に複数存在したため、検索結果には無関係な会社の情報が混ざりやすいという厄介な事情もあります。この記事は、まずその同定作業から始めたうえで、有価証券報告書と決算開示にもとづいて「転職先としての壽屋」を分解していきます。年収531万円という数字の中身、平均勤続11.2年という定着率の高さ、そして2026年6月期に営業利益が半減した理由まで、事実と解釈を分けて整理します。
コトブキヤ=株式会社壽屋(7809)|まず社名の二重構造を整理する
この記事の出発点は、企業の同定です。転職を検討するうえで最初に必要なのは「自分が調べている会社が本当にその会社なのか」を確定させることで、壽屋の場合はここでつまずく人が少なくありません。公式情報として整理すると、対外的に使われるブランド名・店舗名・製品パッケージ表記は「コトブキヤ/KOTOBUKIYA」ですが、上場企業としての商号は株式会社壽屋、証券コード7809、東証スタンダード市場です。東証の業種区分は「その他製品」に分類されます。
沿革も押さえておくと理解が早くなります。1947年6月に東京都立川市で「おもちゃの店 壽屋」として創業し、1953年1月7日に法人設立、1996年11月に株式会社へ組織変更しました。株式上場は2017年9月26日のJASDAQスタンダードで、2022年4月4日の市場再編にともない東証スタンダード市場へ移行しています。本社は現在も立川市緑町の壽屋ビルにあり、資本金は4億6,946万円、代表取締役社長は清水一行氏です。推定情報として補足すると、秋葉原や大阪日本橋のような「ホビーの街」ではなく多摩地区に本社機能があることは、通勤圏や生活設計の面で実務的な論点になり得ます。
同じ読みの「寿屋」は別会社|熊本のスーパー・サントリー前身との切り分け
ここが最も誤解を招きやすい部分です。「壽屋」「寿屋」という商号は、過去に複数の無関係な企業が使用してきました。とくに検索時に混入しやすいのが次の2社です。
- 熊本県のスーパーマーケット「寿屋」:九州地盤の総合小売業で、2001年に会社更生法の適用を申請して経営破綻しました。コトブキヤ(株式会社壽屋・7809)とは資本関係のない完全な別会社です。
- サントリーの前身「壽屋」:現在のサントリーホールディングスがかつて名乗っていた商号です。こちらも別会社であり、フィギュア・プラモデルの壽屋とは無関係です。
- 飲食店・小売店の「寿屋」:全国に同名の個人商店・飲食店が存在し、地図サービスやグルメサイトのクチコミが検索結果に混ざります。
つまり、「壽屋 倒産」「寿屋 破綻」といった情報がネット上に残っているとしても、それは2001年に経営破綻した熊本のスーパーの話であり、証券コード7809のホビーメーカーの経営状況とは別の事柄です。転職判断でこの2つを取り違えると、実態とかけ離れた結論に至ってしまいます。会社を調べるときは「壽屋 7809」「株式会社壽屋 コトブキヤ」のように証券コードやブランド名を添えて検索し、公式の企業情報ポータル(company.kotobukiya.co.jp)とIR開示を起点にするのが確実です。
製品・店舗・くじの情報を探している方へ
もう一点、読者の目的を先に切り分けておきます。「コトブキヤ」の検索需要は圧倒的に製品と店舗に集中しており、実測ベースでも上位に並ぶのは「コトブキヤ くじ」「コトブキヤ 立川」「コトブキヤ 秋葉原館」といった購買・来店目的のキーワードや、各種プラモデル・フィギュアの型番です。
- キャラクターくじ・オンラインくじの結果や在庫を知りたい方は、コトブキヤ公式サイトおよび公式オンラインショップの案内をご確認ください。
- 直営店(コトブキヤ立川本店・秋葉原館・日本橋・なんば)の営業時間や取扱商品をお探しの方は、公式の店舗情報ページが最新かつ正確です。
- プラモデル・フィギュアの発売日や仕様は、公式製品情報ポータルでの確認が確実です。
これらの情報は本記事では扱いません。ここから先は、株式会社壽屋を「転職先・就職先」として評価するための記事です。年収、働き方、業績、資本構成、業界内の立ち位置という順で分解していきます。
株式会社壽屋の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。なお給与・人員データは第72期(2025年6月期)の有価証券報告書「従業員の状況」の値ですが、今回は原本PDFに到達できず、有報を出典と明記した二次ソース経由で取得しています。第71期(2024年6月期)分は有報記載を直接確認しており、後段で両者を書き分けます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社壽屋(KOTOBUKIYA CO., LTD./ブランド名「コトブキヤ」) |
| 証券コード・市場 | 7809/東証スタンダード市場(業種区分:その他製品) |
| 本社所在地 | 東京都立川市緑町4-5 壽屋ビル |
| 創業・設立 | 1947年6月創業/1953年1月7日設立(1996年11月に株式会社化) |
| 代表者 | 代表取締役社長 清水一行 |
| 資本金 | 4億6,946万円 |
| 平均年間給与 | 約531万円(第72期・2025年6月期/二次ソース経由)※第71期は501万円で有報直接確認 |
| 平均年齢 | 38.2歳(第72期/二次ソース経由)※第71期は37.5歳で有報直接確認 |
| 平均勤続年数 | 11.2年(第72期/二次ソース経由)※第71期は10.6年で有報直接確認 |
| 従業員数 | 192名(第72期・就業人員・単体)※第71期は190名+臨時従業員年間平均62名 |
| 売上高 | 167億7,700万円(2026年6月期・前期比1.7%増) |
| 営業利益 | 7億6,400万円(2026年6月期・前期比52.5%減)/純利益4億9,700万円(同54.4%減) |
| 事業セグメント | 単一セグメント(ホビー用品製造販売事業) |
| 労働組合 | 労働組合はなく、有価証券報告書では「労使関係は円滑に推移」と記載 |
| 管理職に占める女性割合 | 18.4%(第71期・2024年6月期) |
| 出典 | 第71期・第72期 有価証券報告書「従業員の状況」/2026年6月期・2025年6月期 決算短信/公式企業情報ポータル |
なお、第73期(2026年6月期)の有価証券報告書は2026年8月時点で提出前です。同社は例年9月下旬に提出しているため、記事公開後に最新期の従業員データが更新されている可能性があります。
壽屋の事業構造|自社オリジナルIPとライセンス商品の二層構造
転職先として壽屋を見るうえで最初に理解すべきは、この会社の売上が2つの性格の異なる商品群から成り立っているという点です。ここを押さえると、求人票に書かれた職種の意味も、業績変動の理由も読めるようになります。
自社オリジナルIPが成長ドライバー
公式情報として、同社は単一セグメント(ホビー用品製造販売事業)で運営されており、事業内容はフィギュア・プラモデル(キャラクターモデル)・キャラクターグッズ/雑貨の企画・開発・製造・販売です。そのなかで同社が成長の柱に据えているのが、自社で権利を持つオリジナルIP群です。「フレームアームズ」「フレームアームズ・ガール」「メガミデバイス」「ヘキサギア」「創彩少女庭園」「アルカナディア」といったブランドがこれにあたり、直近では「メガミデバイス」「創彩少女庭園」「アルカナディア」が売上を牽引したと説明されています。アルカナディアについてはアニメ化・ゲーム化が予定されています。
もう一方の柱が、スター・ウォーズ、マーベル、DC、各種アニメ・ゲーム作品などの他社IPを使ったライセンス商品です。ライセンス商品は権利元の知名度をそのまま販売力に変換できる反面、ロイヤリティ負担が発生し、契約更新や権利元の方針変更に左右されます。つまり「ライセンス依存からどこまで脱却し、自社IPを育てられるか」が経営課題そのものであり、これは商品企画・原型製作・IPプロデュース系の職種にとっては、そのまま自分の仕事の評価軸になります。
メーカーでありながら直営店とECを持つ
もう一つの特徴が、製造業でありながら小売接点を自社で持っている点です。コトブキヤ立川本店・秋葉原館・日本橋(大阪)・なんばという直営店と、自社ECを運営しています。推定情報として、この構造は職種によって働き方も年収レンジも大きく変わることを意味します。実際に同社の求人は「原型製作・完成品製作(外注スタッフ)」と「直営店スタッフ」が別枠で出ており、本社の企画・開発職と店舗販売職では、勤務形態・シフト・キャリアパスが同じ会社とは思えないほど異なると考えられます。有価証券報告書の平均年間給与は全社の平均値であるため、応募する職種の実際の提示額は内定時の労働条件通知書で必ず確認すべきです。
生産は中国・広東省中心のファブレス型
生産面では、中国・広東省の協力工場を中心としたファブレス型(自社工場を持たない生産委託型)を採っています。国内生産回帰の動きもあるとされますが、基本構造としては為替と関税が原価に直結する体制です。この点は後述する業績リスクの中核になります。海外拠点としては米国カリフォルニア州トーランスに支店を置き、グループ会社としてKotobukiya America Inc.、上海寿屋進出口有限公司を有しています。
テレビ朝日の資本参加|放送局が筆頭株主のホビーメーカーという立ち位置
壽屋を語るうえで、他のホビーメーカーにはほとんど見られない特徴があります。テレビ朝日が資本参加し、筆頭株主となっているという点です。転職検討者にとっては、事業機会と資本リスクの両面で意味を持つ論点なので、開示された事実の範囲で整理します。
- 2023年12月11日:株式会社テレビ朝日との資本業務提携を公表。テレビ朝日が106万株(発行済株式総数の12.6%相当)を19億2,500万円で取得し、筆頭株主となりました。取得元は多摩信用金庫・西武信用金庫・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・山梨中央銀行およびいっこう社であった旨が開示されています。
- 2024年4月:テレビ朝日が株式を追加取得し、壽屋はテレビ朝日ホールディングスの持分法適用関連会社となりました。二次情報では2024年12月末時点で約15.22%との記載も見られます。
- 提携の狙い:オリジナルIPの共同開発とメディア展開が中心に据えられています。
転職者にとっての意味を、推定情報として3方向から整理します。
- プラスの側面(IP調達力とメディア連携):放送局が資本参加していることで、自社IPをアニメ化・映像化する際の企画から放送枠に至る導線が、単独のホビーメーカーより設計しやすくなる可能性があります。アルカナディアのアニメ化・ゲーム化予定は、この文脈で読むことができます。IPプロデュース・ライセンス営業・宣伝といった職種にとっては、業務範囲が広がる方向の変化と考えられます。
- 中立の側面(経営体制):創業家(清水家)による同族的な経営体制は継続しており、社長も清水一行氏です。持分法適用関連会社であって連結子会社ではないため、日常の経営判断が直ちにテレビ朝日側に移るという性格のものではないと考えられます。
- 注意すべき側面(資本方針の変化リスク):株式公開買付(TOB)や非公開化の動きは、今回の調査範囲では公表を確認できていません。ただしこれは「今後もない」という意味ではありません。筆頭株主が事業会社である以上、資本方針が変われば経営体制・人事制度が影響を受ける可能性は残ります。入社を検討する段階では、直近の適時開示を自分で確認する習慣を持っておくのが安全です。
壽屋の平均年収531万円を分解する|5期推移とOpenWork回答値との差
結論から書くと、壽屋の平均年間給与は531万円(第72期・2025年6月期)で、上場企業全体の平均と比べれば高い水準ではありませんが、従業員192名規模の単体事業会社としては極端に低い水準でもありません。重要なのは絶対額よりも「この数字が何を表しているか」を読むことです。

531万円という数字、そのまま自分の提示額の目安にしていいのでしょうか?
平均年間給与の5期推移|上下動が大きい理由
公式情報(有価証券報告書「従業員の状況」ベース)として、平均年間給与の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 平均年間給与 | 前期からの増減 |
|---|---|---|
| 2021年6月期 | 約508万円 | — |
| 2022年6月期 | 約542万円 | 約+34万円 |
| 2023年6月期 | 約554万円 | 約+12万円 |
| 2024年6月期(第71期) | 約501万円 | 約▲53万円 |
| 2025年6月期(第72期) | 約531万円 | 約+30万円 |
5期で最高554万円・最低501万円と、約53万円のレンジで上下動しています。一般的な大企業では平均年収がこれほど毎期動くことは多くありませんが、ここで効いてくるのが母集団の小ささです。推定情報として、従業員192名という規模では、高給の管理職層が数名入退社するだけで平均値が十万円単位で動きます。したがって単年の増減を「昇給した/減給された」と読むのは適切ではなく、5期を通した水準(おおむね500万円台前半)で捉えるほうが実態に近いと考えられます。減益局面である直近期の賞与原資がどう推移するかは、今後の有報で確認していく必要があります。
あわせて、データの確からしさについても正直に書いておきます。第71期(2024年6月期)の501万円・平均年齢37.5歳・平均勤続10.6年・従業員190名(臨時従業員年間平均62名)は、有価証券報告書の記載を直接確認できた数値です。一方、第72期(2025年6月期)の531万円・38.2歳・11.2年・192名は、有報を出典と明記した二次ソース経由で取得した数値であり、原本PDFでの直接確認までは至っていません。数値の性格が異なるため、判断材料として使う際はEDINETまたは同社IRページでの再確認をおすすめします。
OpenWorkの回答平均445万円との差をどう読むか
口コミ傾向として、OpenWorkに登録された社員・元社員の回答による平均年収は445万円(回答14人)で、有価証券報告書の531万円より約86万円低い水準です。この乖離をどう読むかですが、断定できる原因は開示情報からは特定できません。推定情報として考えられる要因を挙げると、次のようになります。
- 口コミの回答者が14人と少数で、回答者の職種・年齢構成が全社平均と一致しているとは限らない
- 有報の平均年間給与は賞与・基準外賃金を含む一方、口コミの申告額は基本年収ベースで回答されることがある
- 回答時期が複数年にまたがっており、直近期の水準を必ずしも反映していない
- 管理職層の回答比率が低ければ、平均値は下振れしやすい
いずれにせよ、比較すべきは「どちらが正しいか」ではなく「母集団が違う数字を並べている」という事実です。転職判断では、有報の531万円を全社水準の目安とし、OpenWorkの445万円を「20代〜30代の非管理職層の体感に近い値かもしれない」という参考値として扱うのが妥当と考えられます。
従業員数「192名」と公式サイト「277名」の違い
もう一つ、混乱しやすい数字の注記です。有価証券報告書の従業員数は192名(第72期・就業人員・単体)ですが、公式サイトの会社概要では従業員数277名と表記されています。これは誤りではなく、集計定義の違いによるものと考えられます(推定情報)。有報の「従業員数」は原則として就業人員であり、臨時従業員(パート・期間契約社員)は別枠で年間平均人員として注記されます。実際、第71期では正社員等190名に対し、臨時従業員が年間平均62名と記載されています。直営店運営を自社で行っている以上、店舗スタッフを含めた実働人数は有報の数字より大きくなるのが自然です。求人票で「従業員数」を見るときは、どちらの定義かを意識してください。
平均勤続年数11.2年|壽屋のいちばん明確な強み
年収の数字がやや地味に見える一方で、壽屋のデータのなかで最も評価すべきは平均勤続年数11.2年(第72期)です。第71期の10.6年から伸びており、平均年齢38.2歳との組み合わせで考えると、おおむね27歳前後で入社した社員が10年以上在籍しているという姿が浮かびます。
この水準がどれだけ意味を持つかは、業界文脈を置くと分かりやすくなります。推定情報として、ホビー・エンタメ業界は「好きを仕事にしたい層」が集まりやすい反面、給与水準や繁忙度とのギャップから早期離職が起きやすい領域だと言われます。そのなかで勤続10年超を維持しているという事実は、少なくとも次のことを示唆します。
- 大量離職が常態化している状態ではない:勤続年数が10年を超える平均値は、恒常的な入れ替わりが激しい組織では成立しにくい数字です。
- 職務の継続性が高い:原型製作・商品企画・生産管理といった職務は経験の蓄積が価値になるため、長く在籍することがそのまま専門性になり得ます。
- 一方で、若手の入社が少ない可能性もある:勤続年数が長いことは、新規採用が絞られている状態でも起こります。平均年齢が38.2歳へ上昇している点とあわせて読むと、組織の高齢化と裏表の関係にある可能性は否定できません。
労働環境の制度面としては、公式情報として労働組合は組織されておらず、有価証券報告書には「労使関係は円滑に推移」と記載されています。組合がないこと自体は中小型上場企業では珍しくありませんが、賃金交渉の窓口が制度として存在しない点は、待遇改善のプロセスを考えるうえで頭に入れておく材料です。また管理職に占める女性割合は18.4%(第71期)と開示されています。
2026年6月期の営業利益52.5%減|下方修正の中身を事実で追う
転職検討者が最も気にすべき直近の変化がここです。公式情報として、2026年6月期の業績は売上高167億7,700万円(前期比1.7%増)に対し、営業利益7億6,400万円(前期比52.5%減)、純利益4億9,700万円(同54.4%減)で着地しました。売上は増えているのに利益が半減しているという、原価と費用の側で何かが起きた形の減益です。
時系列で並べると、次のような経過をたどっています。
| 時点 | 内容 |
|---|---|
| 2025年6月期(実績) | 売上高165億200万円(前期比0.8%増・過去最高)、営業利益16億1,000万円(同2.8%減) |
| 2026年6月期 当初予想 | 売上高180億円、営業利益17億円、経常利益16.5億円、純利益11.44億円 |
| 2026年2月13日 | 通期予想を大幅下方修正(売上高165億円、営業利益8億円、経常利益7.2億円、純利益5億円へ) |
| 2026年6月期(実績) | 売上高167億7,700万円、営業利益7億6,400万円、純利益4億9,700万円 |
| 2027年6月期 計画 | 売上高170億円、営業利益8億円(前期比4.6%増) |
会社が説明している下方修正の理由は、次の4点です。いずれも公式情報にもとづく記載です。
- 下半期に発売予定だった製品の受注数量が見込みを大幅に下回った
- 有力タイトルの発売時期がずれた
- 円安による調達コストの増加
- 米国子会社Kotobukiya America Inc.のコスト増加
また、2026年6月期第1四半期には売上14%減・営業損失2,700万円を計上した四半期もありました。あわせて、中国合弁会社の清算方針にともなう特別損失1億500万円も2026年6月期に計上されています。
推定情報として転職判断に引き直すと、読み取れるのは次のような構図です。赤字ではなく黒字を維持している点、売上高そのものは微増で過去最高水準を更新している点は、事業基盤が崩れているわけではないことを示しています。一方で、2027年6月期の営業利益計画が8億円(前期比4.6%増)と、16億円台だった水準への回復を織り込んでいないことは重要です。会社自身が、短期での急回復を前提に置いていないと読めます。賞与が業績連動の要素を含む場合、直近数期の原資は前期までより厳しくなる可能性があると考えるのが妥当でしょう。面接では、賞与の算定方式と業績連動幅を具体的に確認しておくことをおすすめします。
転職前に押さえたい構造リスク|為替・関税・中国事業・市場競争
減益の背景をもう一段深く見ると、壽屋には個社の努力だけでは吸収しきれない外部要因が複数あります。ここを理解しておくと、業績の振れ幅を「経営の巧拙」ではなく「事業構造」として評価できるようになります。
- ファブレス生産と為替:生産の中心が中国・広東省の協力工場であるため、円安が進むと調達コストがそのまま増加します。実際に円安による調達コスト増は、2026年6月期の下方修正理由として明記されています。国内生産回帰の動きもあるとされますが、構造としての為替感応度は当面残ると考えられます(推定情報)。
- 米国の関税政策:2025年6月期には米国の関税政策の影響で下半期の米国向け出荷が一時停止し、北米売上が前年比6.0%減となりました。海外売上の拡大を成長ドライバーに置いている会社にとって、通商政策の変化は直接的な逆風です。
- 中国事業の再編:中国合弁会社が営む中国国内EC事業を中国完全子会社へ移転し、当該合弁会社を清算する方針が示されています。これにともなう特別損失1億500万円が2026年6月期に計上されました。
- 美少女プラモデル市場の競争激化:複数期にわたり業績変動要因として明記されています。同社の自社IPの中核が美少女プラモデル領域にあることを踏まえると、この競争環境は主力商品の収益性に直結します。
逆に言えば、推定情報として、これらのリスクに対応する職種——為替・関税を織り込んだ調達/生産管理、海外流通のオペレーション設計、自社IPの企画・プロデュース——は、社内での重要度が上がっている領域だと考えられます。転職を検討するなら、「逆風の中で会社が誰に何を任せようとしているか」という視点で求人票を読むと、ポジションの意味が見えてきます。
口コミ傾向から見える働き方|残業15.2時間と評価2.1が同居する構造
ここからは口コミ傾向です。断定ではなく傾向として読んでください。前提として、OpenWorkに寄せられた壽屋のクチコミは99件・回答者19人(年収回答は14人)で、母数は決して多くありません。数件の投稿がスコアを動かし得る規模であることを念頭に置く必要があります。
総合評価は2.77/5.0。項目別のスコアは、はっきりと明暗が分かれています。
| 項目 | スコア | 傾向 |
|---|---|---|
| 20代の成長環境 | 3.7 | 相対的に高い |
| 法令順守意識 | 3.5 | 相対的に高い |
| 社員の士気 | 2.5 | 低め |
| 待遇面の満足度 | 2.2 | 最低水準 |
| 人材の長期育成 | 2.1 | 最低水準 |
| 人事評価の適正感 | 2.1 | 最低水準 |
| 月間平均残業時間 | 15.2時間 | 労働時間は短め |
| 有給休暇消化率 | 85.0% | 高水準 |
定性的なコメントの傾向としては、次のような声が見られます(いずれも口コミ傾向であり、事実として断定するものではありません)。
- 給与水準は業界内でも高いほうではなく賞与も大きくないが、残業代はきちんと支給されるという声
- 昇給は年1回で、評価基準が抽象的で何が評価されているか分かりにくく、評価が給与に反映されにくいという声
- 残業は比較的少ないものの、部署・上長によって差があるという声
- 有給は取りやすく、午後半休なども取得しやすいという声
- 退職検討の理由としては「将来性への不安」「エンタメ業界の中での成長スピードの遅さ」「会社としてのビジョンが不明瞭」が挙がる傾向
この数字の並びを構造として読むと、「時間の使い方は健全だが、処遇と評価の納得感が弱い」という一点に集約されます。残業15.2時間・有給消化85.0%という指標は、エンタメ業界のイメージからすると相当に良好な部類です。それでも待遇2.2・人事評価2.1という低さが出るのは、推定情報として、労働時間の負担ではなく「頑張りが報酬と評価にどう結びつくかが見えにくいこと」に不満が集中しているためと考えられます。
そして重要なのは、この不満と平均勤続11.2年という定着率の高さが同時に成立している点です。これは「好きなものを仕事にできる満足」と「処遇・評価・将来性への不満」が同居するホビー業界の典型パターンと言えます。作品やブランドへの愛着が離職を押しとどめる一方、処遇の伸び悩みは残り続ける——この構造を許容できるかどうかが、壽屋を選ぶかどうかの実質的な分岐点になると考えられます。
なお、この「ブランド名の知名度が社名を上回り、製品の検索需要が求職者の検索需要を圧倒的に上回る」という構造は、リファ・シックスパッドを展開する株式会社MTG(7806)とも共通しています。企業を調べる際に製品情報にかき消されやすいという意味で、両社は似た読み解き方が必要な会社です。
ホビー・IP業界のなかで壽屋をどう位置づけるか
将来性を評価するには、会社単体ではなく業界のなかでの立ち位置を見る必要があります。市場環境そのものは、決して縮小局面ではありません。日本玩具協会の統計では2025年度の国内玩具市場は1兆1,664億円(前年度比106.3%)と過去最高を更新しており、カードゲーム・トレーディングカード分野が3,384億円と最大の成長カテゴリーになっています。推定情報として、市場全体が伸びているという事実は、ホビー領域でのキャリアを考えるうえでの追い風です。
そのうえで、業界の共通トレンドと壽屋の位置関係を整理します。
- メディアミックス/IPディベロッパー型への移行:業界の主流は、単品の商品を売るのではなくアニメ・ゲーム・グッズ・イベントを束ねて一つのIPを育てるモデルです。壽屋がアルカナディアのアニメ化・ゲーム化を進め、テレビ朝日と資本業務提携を結んでいるのは、まさにこの潮流に沿った動きだと読めます。
- 海外売上比率の引き上げ:日本発IPの海外需要は底堅く、各社が海外を成長ドライバーに据えています。壽屋も米国支店・Kotobukiya America・上海の拠点を持ちますが、逆に関税・為替の影響を直接受ける構造でもあります。
- ヒットタイトル依存による業績のボラティリティ:業界共通の構造的特徴です。壽屋の2026年6月期の減益理由が「下半期発売予定製品の受注数量の未達」「有力タイトルの発売期ズレ」であったことは、この特徴がそのまま表れた事例と言えます。
キャリアの出口という観点では、推定情報として、社内では商品企画・原型製作からタイトル全体の収益を預かるプロダクト責任者やIPプロデュース側へ進む道、版権・ライセンス営業から海外展開担当へ広がる道が考えられます。社外では玩具・ホビーメーカーやIPを扱う近接企業への転職、さらに業界外なら商品企画・需給計画・EC流通の経験を活かした消費財メーカーのマーチャンダイジング職という選択肢もあります。
壽屋と同業他社の比較
読者が実際に併願・比較しそうな企業と並べて整理します。年収は各社の公開情報および推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。
| 企業名 | 上場区分 | 事業の性格 | 壽屋との違い |
|---|---|---|---|
| 株式会社壽屋(7809) | 東証スタンダード | フィギュア・プラモデルの企画〜製造〜販売。自社IPとライセンスの二層構造。直営店・ECも自社運営 | 従業員192名の単体事業会社。規模は小さいが商品企画から小売まで一気通貫で関われる |
| バンダイナムコホールディングス(7832) | 東証プライム | 玩具・ゲーム・映像を横断する総合エンタメグループ。プラモデル・フィギュアでも最大手 | 規模・IP保有量ともに桁違い。組織が大きい分、担当できる範囲は細分化されやすい |
| タカラトミー(7867) | 東証プライム | 玩具大手。自社IPとライセンス商品の両輪で、幅広い年齢層向けに展開 | 顧客層がより一般消費者寄り。壽屋はコアなホビーファン向けの比重が高い |
| ハピネット(7552) | 東証プライム | 玩具・映像・アミューズメントの企画と卸売。流通機能が中核 | 製造よりも流通・卸のプレゼンスが大きく、求められる職種の性格が異なる |
| グッドスマイルカンパニー | 非上場 | フィギュア(ねんどろいど等)・美少女プラモデルの企画製造。壽屋の最直接競合 | 非上場のため有報による年収・人員の公式データが得られない |
推定情報として比較の要点をまとめると、壽屋は「規模では劣るが、一人あたりの担当範囲が広く、自社IPの育成に直接関われる可能性が高い」という位置づけになります。逆に、処遇の安定性や制度の整備度合いを最優先するなら、プライム上場の大手グループのほうが条件面で有利な場面が多いと考えられます。
壽屋への転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| フィギュア・プラモデルというプロダクトそのものに強い関心があり、商品として成立させる工程に携わりたい人 | ホビー商材への関心が薄く、扱う商品への愛着がモチベーションにならない人 |
| 従業員192名規模で、企画から生産・販売まで広く関わることに面白さを感じる人 | 大企業の整った制度・明確なジョブディスクリプションの下で働きたい人 |
| 残業15.2時間・有給消化85.0%という時間的な働きやすさを重視する人 | 短期間での大幅な年収アップを転職の第一目的にしている人 |
| 評価制度の納得感より、腰を据えて専門性を積むことを優先できる人 | 成果と評価・報酬が明快に連動する仕組みを求める人 |
| 為替・関税・IP動向といった外部変動を前提として受け止められる人 | 業績と賞与の変動幅が小さい安定環境を最優先する人 |
株式会社壽屋(コトブキヤ)に関するよくある質問
転職・就職の視点で検索されやすい疑問に絞って回答します。製品・店舗に関する質問は公式サイトの案内をご確認ください。
コトブキヤと株式会社壽屋は同じ会社ですか?
同じ会社です。ブランド名・店舗名・製品表記として使われているのが「コトブキヤ/KOTOBUKIYA」で、上場企業としての正式な商号が「株式会社壽屋」です。証券コードは7809、市場は東証スタンダードです(公式情報)。
熊本のスーパー「寿屋」が倒産したという話は関係がありますか?
関係ありません。2001年に会社更生法の適用を申請した「寿屋」は熊本県を地盤とした総合小売業で、フィギュア・プラモデルの株式会社壽屋(7809)とは資本関係のない別会社です。同様に、サントリーの前身である「壽屋」も別会社です(公式情報)。
壽屋の平均年収はいくらですか?
有価証券報告書「従業員の状況」ベースで、第72期(2025年6月期)の平均年間給与は約531万円です。平均年齢38.2歳、平均勤続年数11.2年、従業員数192名です。ただしこの期の数値は有報を出典と明記した二次ソース経由で取得したもので、原本PDFでの直接確認には至っていません。直接確認できている第71期(2024年6月期)は501万円・37.5歳・10.6年・190名です(公式情報)。
公式サイトの従業員数277名と有報の192名はどちらが正しいですか?
どちらも誤りではなく、集計定義が異なると考えられます。有価証券報告書の従業員数は就業人員(正社員等)を示し、パート・期間契約社員などの臨時従業員は年間平均人員として別に注記されます。第71期では正社員等190名に加え、臨時従業員が年間平均62名と記載されています。直営店運営を自社で行っているため、実働人数は有報の数字より大きくなります(推定情報を含みます)。
テレビ朝日が親会社になったのですか?
親会社(連結子会社化)ではありません。テレビ朝日は2023年12月に106万株(発行済株式総数の12.6%相当)を19億2,500万円で取得して筆頭株主となり、2024年4月の追加取得により壽屋はテレビ朝日ホールディングスの持分法適用関連会社となりました。株式公開買付や非公開化の動きは、今回の調査範囲では公表を確認できていません(公式情報)。
業績が悪化しているという話は本当ですか?
2026年6月期は営業利益7億6,400万円(前期比52.5%減)、純利益4億9,700万円(同54.4%減)と大幅な減益でした。ただし売上高は167億7,700万円(同1.7%増)で増収を確保しており、赤字ではありません。2027年6月期の営業利益計画は8億円(前期比4.6%増)です(公式情報)。
株式会社壽屋への転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 会社の同定 | ブランド「コトブキヤ」=東証スタンダード上場の株式会社壽屋(7809)。同名の別会社(熊本のスーパー・サントリー前身)とは無関係 |
| 年収水準 | 有報ベース531万円(第72期)。5期で501万〜554万円のレンジで上下動。母数192名のため単年の増減は読み過ぎない |
| 定着率 | 平均勤続11.2年と、ホビー業界としては明確に高い水準。最も評価できる指標 |
| 働きやすさ | 口コミ傾向では残業15.2時間・有給消化85.0%と時間面は良好。一方で待遇2.2・人事評価2.1と納得感は低め |
| 足元の業績 | 2026年6月期は増収ながら営業利益52.5%減。黒字は維持。2027年6月期計画も営業8億円と回復幅は小さい |
| 構造リスク | 中国広東省中心のファブレス生産で為替・関税の影響を直接受ける。中国合弁会社は清算方針 |
| 資本構成 | テレビ朝日が筆頭株主・持分法適用関連会社。IP共同開発の機会がある一方、資本方針の変化リスクは残る |
| 向く人 | ホビー商材への関心が強く、少人数体制で広く関わりたい人。時間の働きやすさを重視する人 |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
このサイトはアフィリエイトで収益を得ています。読者がサービスに登録すると当サイトに報酬が発生します。
自分の状況だとどのサービスが合うのか判断がつかない場合は、無料の相談を受け付けています。相談内容をうかがったうえで、条件に合いそうな転職サービスをご案内します。
登録や応募を急かすことはしません。 「いま動かないほうがいい」と考えた場合はそう伝えます。
※当サイトは職業紹介事業者ではありません。求人の紹介・あっせんは行わず、転職サービスのご案内までを行います。
本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として扱い、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに本記事では、第71期(2024年6月期)の数値は有報記載を直接確認したもの、第72期(2025年6月期)の数値は有報を出典と明記した二次ソース経由で取得したものとして、確認レベルの差を本文中に明示しました。第73期(2026年6月期)の有価証券報告書は2026年8月時点で提出前であり、公開後に最新データが更新される可能性があります。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
