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テーオーホールディングスの評判と年収|2019年不祥事の事実整理と自己資本比率2.1%

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 不祥事の実像:2019年に子会社従業員が起こした売上過大計上。会社への行政処分ではありません
  • その後:内部統制は「重要な不備」から第72期に「有効」評価へ回復しています
  • 年収:有報実額は持株会社428万円、事業会社2社も430万円台で横並びです
  • 最大の論点:自己資本比率2.1%・5期連続減収という財務の薄さです

株式会社テーオーホールディングス(証券コード9812/東証スタンダード市場・札幌証券取引所本則市場)は、北海道函館市に本店を置く純粋持株会社です。社名で検索すると「不祥事」という語が上位に現れますが、その中身を時系列で正確に説明した情報は多くありません。この記事では、2019年に発覚した子会社での売上過大計上について、何が起き・どう処理され・現在どうなっているのかを一次情報で整理したうえで、自己資本比率2.1%という財務プロファイル、有価証券報告書に実額で開示された3社分の平均年間給与、そして口コミ20〜27件という限られたデータの読み方までを一本にまとめます。「テーオー」は音の似た社名が複数あるため、本記事は証券コード9812・北海道函館市の株式会社テーオーホールディングスのみを対象とします。

テーオーホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、本記事で扱う数値の土台を一覧で確認します。以下はすべて公式情報(第72期=2026年5月期の有価証券報告書および決算短信)にもとづく実額です。決算期が5月31日である点、平均年間給与が「持株会社26名の数値」である点は、他社と比較する際に必ず押さえてください。

項目内容
会社名株式会社テーオーホールディングス(T.O. Holdings CO.,LTD.)
証券コード/市場9812/東証スタンダード市場・札幌証券取引所本則市場(重複上場)
本社北海道函館市港町三丁目18番15号
創業/設立1950年5月創業(木材・衣料品販売の個人商店「小笠原商店」)/1955年1月設立
代表者代表取締役社長 小笠原翔大(2026年8月26日付で就任)
決算期5月31日(第72期=2025年6月1日〜2026年5月31日)
平均年間給与約428万円(4,283,501円/提出会社26名・賞与および基準外賃金を含む)
参考:最大人員会社㈱テーオーリテイリング 約434万円(4,337,296円/111名)
参考:次に人員の多い会社函館日産自動車㈱ 約438万円(4,376,577円/92名)
平均年齢42.6歳(提出会社)/テーオーリテイリング45.5歳・函館日産自動車42.6歳
平均勤続年数13.3年(提出会社)/テーオーリテイリング22.8年・函館日産自動車19.3年
従業員数連結440名(外、年間平均臨時雇用者359名)/提出会社26名(外、臨時4名)
売上高連結235億4,353万円(前期比△2.7%/5期連続減収)
営業利益連結2億07百万円(前期比△6.8%/営業利益率0.9%)
経常利益/最終損益経常47百万円(△54.1%)/親会社株主に帰属する当期純損失△52百万円
自己資本比率2.1%(連結/純資産5億26百万円・総資産176億59百万円)
有利子負債111億86百万円・依存度63.3%(支払利息1億87百万円)
配当2026年5月期は無配(1株0円)/2027年5月期は年0.50円の復配予想
労働組合自動車ディーラー3社に存在(組合員166名)。持株会社ほか6社には非設置
出典第72期(2026年5月期)有価証券報告書/2026年5月期 決算短信

テーオーホールディングスとはどんな会社か|函館発・子会社11社の地域コングロマリット

転職先として評価するなら、まず「どのセグメントに入るのか」を理解することが出発点になります。テーオーホールディングスは単一事業の会社ではなく、当社と子会社11社で構成され、報告セグメントは木材・流通・建設・不動産賃貸・自動車関連・その他の6区分に分かれているためです。公式情報として、有価証券報告書によると各セグメントの担い手は次のように整理されています。

  • 木材:㈱テーオーフォレストが木材・建材資材を全国に販売
  • 流通:㈱テーオーリテイリング(ホームセンター「イエローグローブ」・食料品)と㈱テーオーデパート(家具販売、クレジットカード=割賦販売、自社消費者ローン)
  • 建設:小泉建設㈱(土木・舗装・ビル建設)
  • 自動車関連:函館日産自動車㈱・北見日産自動車㈱・北見三菱自動車販売㈱の新車ディーラー3社
  • 不動産賃貸:持株会社本体が担当

言い換えれば、ホームセンター+自動車ディーラー+建材商社+建設+不動産賃貸+消費者信用を一つのグループに束ねた、北海道道南・道東の地域コングロマリットです。東証33業種の分類は「卸売業」ですが、自動車販売の比率が上がっているため、データサイトによって業種表記が異なることがあります。応募先を探すときに業種フィルタで見落としやすい点なので、社名と証券コードで直接調べるほうが確実です。

1950年創業から2017年の持株会社化まで|旧社名で情報が残っている

沿革は転職者にとって実務的な意味を持ちます。1950年に函館で木材販売・衣料品販売の個人商店「小笠原商店」として創業し、1955年1月に資本金100万円で「株式会社小笠原商店」を設立。1975年5月に「株式会社テーオー小笠原」へ商号を変更し、2017年6月の会社分割で持株会社体制へ移行して現在の社名になりました。

ここで重要なのは、口コミサイトの多くが旧社名「テーオー小笠原」で登録されたまま残っていることです。実際、転職会議の企業ページは旧社名表記になっています。現社名だけで検索して「情報がほとんど出てこない」と感じた場合は、旧社名でも検索し直すと投稿が見つかります。逆に、旧社名時代の投稿は持株会社化(2017年)より前の体験である可能性があり、現在の制度と一致しない場合がある点は割り引いて読む必要があります(推定情報)。

拠点は函館(道南)と北見(道東)の二極|勤務地の現実

本社は函館市港町、事業拠点は道南(函館)と道東(北見)が中心です。自動車関連は日産2社・三菱1社のディーラーで構成され、北見側の拠点はここが中核になります。全国転勤型の大企業と違い、勤務エリアが北海道内、それも二つの都市圏に事実上固定されやすいのがこのグループの特徴です。これは「転勤が少ない」という利点と、「道外へキャリアを戻すときの選択肢が読みにくい」という難点の両面を持ちます(推定情報)。

「テーオーホールディングス 不祥事」と検索される2019年の売上過大計上|事実と時系列

この記事の中心テーマです。結論から言うと、検索されている「不祥事」とは2019年に連結子会社で発覚した従業員による不適切な売上計上を指し、会社が監督官庁から行政処分を受けた事案ではありません。ただし「大したことはなかった」と片づけるのも不正確で、約10年間続いた不正であり、内部統制報告書に「開示すべき重要な不備」が記載される事態に至っています。事実関係を時系列で押さえておけば、面接の場でも過度に不安がる必要も、逆に軽視する必要もなくなります。

何が起きたのか(2019年8月〜9月)

公式情報として、開示資料および社内調査委員会の報告書(2019年9月10日公表)で認定された事実は次のとおりです。

  • 2019年8月7日、連結子会社である㈱テーオーフォレストにおける不適切な会計処理の存在を公表
  • 同社の管理職従業員が、約10年間にわたり取引先への請求単価を水増しして社内計上し、あわせて架空売上の社内計上も行っていた
  • その結果、売掛金残高が約45百万円過大に計上されていた
  • 2019年8月9日、外部の弁護士・公認会計士を含む社内調査委員会を設置
  • 内部統制報告書において「開示すべき重要な不備」を報告

当該従業員個人の氏名・属性は公開情報として扱うべきものではないため、本記事では一切触れません。転職判断に必要なのは「個人が誰か」ではなく「なぜ10年間気づかれなかったのか」「その後どう変わったのか」の2点です。

法的な性格を正確に押さえる|会社への行政処分ではない

ネット上では「不祥事=行政処分を受けた会社」と受け取られがちですが、本件はそうではありません。整理すると次の構図になります。

論点事実関係
主体連結子会社の管理職従業員個人による不正(会社ぐるみの粉飾として認定された事実は公表資料に見当たりません)
金額規模売掛金残高の過大計上 約45百万円
期間約10年間
会社の対応外部専門家を含む社内調査委員会を設置し、調査報告書を公表
制度上の扱い内部統制報告書に「開示すべき重要な不備」を記載
監督官庁の処分行政処分が行われた事実は、本記事作成時点の公表情報には見当たりません

「行政処分ではない」ことは、業務停止や許認可への影響がないという意味で、事業継続性の観点からは重要な区別です。一方で、内部統制の不備が制度上明記されたという事実は残ります。両面を分けて理解してください。

その後の7年間|「重要な不備」から第72期「有効」評価まで

転職判断でもっとも見るべきなのは、発覚後に組織がどう動いたかです。公式情報として、会社は再発防止策を実施し、第72期(2026年5月期)の内部統制報告書では内部統制は「有効」と評価されています。つまり、不備の報告 → 再発防止策の実施 → 「有効」評価への回復、という一連の流れが完結している状態です。

関連して、2020年に当社に対する損害賠償請求訴訟が提起され、2022年10月3日付で和解が成立し、和解金の負担と特別損失を計上した旨が開示されています(2022年3月29日「和解による訴訟の解決および特別損失の発生に関するお知らせ」、2022年9月7日「民事訴訟の和解と特別損失の計上及び業績予想の修正」)。開示PDFの記載からは請求額・和解金額・争点の詳細までは正確に読み取れなかったため、本記事では金額を断定しません。なお、第72期の有価証券報告書には係属中の重要な訴訟に関する記載は見当たりませんでした。

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7年前の話を、いま面接で気にすべきですか?

過去の事案そのものより、「同じことが起きない仕組みがあるか」を確認するほうが実利があります。具体的には、グループ各社の販売管理システムが統一されているか、月次で子会社の債権残高がどうチェックされているか、内部監査部門の人員体制はどうか、といった質問です。管理部門・経理職として入る人にとっては、むしろ再構築された内部統制の整備・運用に関われるという見方もできます(推定情報)。

自己資本比率2.1%という財務の薄さ|「債務超過」検索への答え

「テーオーホールディングス 債務超過」という検索が実在します。これに対しては、過去に一度、実際に債務超過を経験しているという事実と、現在の自己資本比率は2.1%であるという数字で正面から答えられます。ここは楽観も悲観もせず、数字をそのまま見るのが最善です。

2021年に経験した債務超過と、資本金1億円への減資

公式情報として、2021年2月末(2021年5月期第3四半期)に連結で約4,700万円の債務超過に陥り、2021年4月13日に「債務超過の解消に向けた取組」を開示しています。その後、子会社の高齢者向けケアサービス事業の売却などにより期末までに解消し、同年10月には資本金を1億円へ減資しました。現在は債務超過の状態ではありません。ただし、自己資本の絶対額が小さいまま推移している点は変わっていません。

自己資本比率の5期推移と、有利子負債の重さ

数字を並べると、この会社の財務特性がはっきり見えます。

期(決算年月)自己資本比率
第68期(2022年5月期)4.4%
第69期(2023年5月期)1.7%
第70期(2024年5月期)2.5%
第71期(2025年5月期)2.7%
第72期(2026年5月期)2.1%

5期を通じて1〜4%台のレンジで推移しており、2.1%は一時的な落ち込みではなく構造的な水準だと分かります。総資産176億59百万円に対して純資産は5億26百万円、自己資本は3億78百万円です。有利子負債は111億86百万円(短期借入金60億28百万円・長期借入金47億13百万円)で、有利子負債依存度は63.3%。支払利息は年1億87百万円で、これは同じ期の連結営業利益2億07百万円とほぼ同額です。

この構造が意味するのは、営業段階で稼いだ利益のほとんどが金利負担で相殺されるということです。実際、2026年5月期の経常利益は47百万円まで縮み、最終損益は△52百万円の純損失でした。金利が上がる局面では、営業利益が横ばいでも経常段階が悪化しやすい構造です。有価証券報告書自体も「有利子負債依存リスク」を独立したリスク項目として記載しています。転職検討者としては、この事実を「危険だから避ける」と短絡させるのではなく、賞与原資や設備・人材投資の余力がタイトになりやすい前提で待遇を見るという読み替えをするのが実務的です(推定情報)。

一方で、悲観一辺倒にすべきではない材料もあります。第72期の営業キャッシュフローは+17億98百万円のプラスで、期末現金は13億63百万円。減損損失も11百万円と小規模にとどまり、継続企業の前提に関する注記や重要な疑義の記載も見当たりません。薄い自己資本と、回っているキャッシュフローが同居しているのが実態です。

5期連続減収・5期中4期が最終赤字|業績をセグメントで分解する

「テーオーホールディングス 赤字」「業績」という検索にも、数字で答えます。結論として、売上は5期連続で減り、最終損益は5期中4期が赤字です。ただし赤字の中身はセグメントによってかなり違います。

売上高と最終損益の5期推移

期(決算年月)連結売上高親会社株主に帰属する当期純損益
第68期(2022年5月期)277億02百万円△28百万円
第69期(2023年5月期)264億94百万円△521百万円
第70期(2024年5月期)256億05百万円+111百万円
第71期(2025年5月期)241億88百万円△7百万円
第72期(2026年5月期)235億43百万円△52百万円

5期で売上は41億59百万円(約15%)減っています。黒字だったのは第70期のみで、最大の赤字は第69期の△521百万円でした。第69期には、函館・五稜郭の象徴だった「テーオーデパート」本店が2023年8月31日に61年の歴史を閉じ、土地・建物を売却するという大きな構造転換が重なっています(㈱テーオーデパート自体は、家具販売・クレジットカード=割賦販売・自社消費者ローンの会社として存続しています)。

セグメント別に見ると、支えているのは不動産賃貸と自動車関連

第72期のセグメント別売上高と利益を並べると、この会社の収益構造がはっきりします。

セグメント売上高(前期比)セグメント利益売上高利益率の目安
自動車関連89億73百万円(△8.8%)1億58百万円(△1.4%)約1.8%
流通78億87百万円(△1.4%)1億15百万円(+44.0%)約1.5%
木材30億71百万円(△10.1%)△32百万円(2期連続の営業損失)—
建設29億52百万円(+24.2%)56百万円(△26.9%)約1.9%
不動産賃貸2億34百万円(△8.8%)1億54百万円(+16.9%)約66%

ここから読み取れることは3つあります。

  • 売上の1%にも満たない不動産賃貸が、利益では最大級の貢献をしている。売上2億34百万円で利益1億54百万円という利益率は、他セグメントとは桁が違います。地方の複合企業でよく見られる「小さな不動産部門が全社利益を支える」構図です。
  • 売上最大の自動車関連は、利益率1.8%と薄い。新車販売は台数と車種構成に左右されやすく、前期比△8.8%の減収でも利益は△1.4%に踏みとどまっており、整備・部品などの周辺収益が下支えしていると考えられます(推定情報)。
  • 木材が2期連続の営業赤字(前期△12百万円→当期△32百万円)で、赤字幅が拡大しています。2025年度の新設住宅着工が大きく落ち込んだ環境の直撃を受けた形です。

唯一の増収セグメントは建設(+24.2%)ですが、利益は△26.9%と逆方向に動いており、資材価格や工事採算の影響がうかがえます。会社は2027年5月期に売上高255億円(+8.3%)・営業利益2億50百万円(+20.7%)を計画しており、5期続いた減収からの反転を見込んでいます。配当は2026年5月期が無配(1株0円)、2027年5月期は年0.50円の復配予想です。株主総利回りは69.4%(配当込みTOPIXは232.4%)で、市場全体に対して大きく劣後しています。

平均年収428万円は「誰の」数字か|有報が開示する3社の実額

持株会社の記事でもっとも誤解が生じるのがこの部分です。結論を先に言うと、428万円は持株会社26名の平均であり、グループ440名の現場実態そのものではありません。ただしテーオーホールディングスの場合、有価証券報告書が「最大人員会社の状況」を開示しているため、事業会社側の実額まで確認できます。これは持株会社としてはかなり親切な開示です。

まず公式の平均年間給与と、その母集団

公式情報として、有価証券報告書によると第72期(2026年5月期)の提出会社の平均年間給与は4,283,501円(約428万円)、前事業年度比△3.6%です。賞与および基準外賃金を含みます。平均年齢は42.6歳、平均勤続年数は13.3年。ただし提出会社の従業員は26名(外、臨時4名)で、これは連結440名のうち約6%にすぎません。純粋持株会社の管理部門26名の平均、という前提を外すと数字を読み違えます。

事業会社2社の実額|430万円台での横並び

同じ有価証券報告書の「③最大人員会社の状況」には、次の実額が記載されています。

会社従業員数平均年間給与平均年齢平均勤続年数
㈱テーオーホールディングス(提出会社)26名(外、臨時4名)4,283,501円(△3.6%)42.6歳13.3年
㈱テーオーリテイリング(最大人員会社)111名(外、臨時229名)4,337,296円(+1.2%)45.5歳22.8年
函館日産自動車㈱(次に人員が多い会社)92名(外、臨時29名)4,376,577円(△3.8%)42.6歳19.3年

この3社がいずれも430万円前後で並ぶという構図は、持株会社としてはかなり珍しい形です。多くの持株会社では本社機能に高給の管理職が集まり、提出会社の平均が事業会社より数十万円〜数百万円高く出ます。テーオーホールディングスの場合はその差がほとんどなく、むしろ事業会社2社のほうがわずかに高い。転職検討者にとっての含意は明確です。

  • 本社(持株会社)へ入っても、事業会社へ入っても、年収の出発点は大きく変わらない可能性が高い(推定情報)
  • 一方で、事業会社の平均勤続年数は22.8年・19.3年と極めて長く、この430万円台は「長く勤めた人を含む平均」である点に注意が必要です。中途入社直後の水準はこれより低くなる可能性があります(推定情報)
  • ㈱テーオーリテイリングは正社員111名に対し臨時229名と、パート比率の高い小売業態です。正社員として入った場合の役割は、売場運営に加えて臨時従業員のマネジメントが中心になると考えられます(推定情報)

口コミベースの「250〜350万円」との乖離をどう読むか

口コミ傾向として、転職会議に掲載されている口コミベースの平均年収は250〜350万円程度とされ、有報実額(428万円・434万円・438万円)と100万円前後の開きがあります。これは会社が数字を偽っているという話ではなく、回答者の構成が違うことによる差と考えるのが自然です。口コミサイトの回答には若手・パート・短期在籍者が相対的に多く含まれやすく、平均勤続20年前後のベテランは投稿しにくい傾向があります(推定情報)。

年収を判断するときの順序は、①有報の実額で水準を把握する、②勤続年数と平均年齢で「その平均は誰の平均か」を確かめる、③口コミは分布の下側を示すサンプルとして扱う、④最終的には内定時の労働条件通知書で確定額を確認する、の4段階が安全です。

口コミ傾向|件数20〜27件という前提を外さずに読む

先に前提を明示します。この会社の口コミは母数が非常に少なく、統計的な代表性はありません。エン カイシャの評判が20件・総合3.0点(うち正社員回答は6名)、転職会議が旧社名表記で全27件、就活会議が全22件(うち年収・給与関連は6件)、OpenWorkは企業ページこそあるものの投稿数が少なく傾向を語れる水準にありません。数十件規模の投稿から会社全体を断定することはできないため、以下は「そういう声がある」という範囲で読んでください。

指摘されている点|年功横並びと育成体制

口コミ傾向として繰り返し出てくるテーマは2つあります。

  • 給与の決まり方:「ほぼ一律昇給で、採用時の基本給がずっと尾を引く」「実力による差が出にくい」という趣旨の投稿が見られます。平均勤続22.8年・19.3年という事業会社の数字と合わせると、年功的に積み上がる設計になっている可能性が考えられます(推定情報)。裏を返せば、入社時の基本給の交渉が中長期の年収を左右しやすいということでもあります。
  • 育成体制:「組織的な教育はほとんどなく、自己学習がないと厳しい」という趣旨の指摘があります。連結440名・持株会社26名という規模を考えると、体系的な研修プログラムより現場でのOJT中心になりやすい環境と考えられます(推定情報)。

なお、有価証券報告書の人材戦略には「年齢・性別・勤続年数によらず、役割の重要度・難易度・専門性に応じた役割等級・区分で基本給を設定する」という給与決定方針が明記されています。口コミの体感と、会社が掲げる制度方針にはギャップがあるように見えます。この差がどこから来るのかは、面接で等級制度と昇給の実態を具体的に質問して確かめる価値があります。

評価が分かれる項目|経営評価は低め、地域貢献は高め

口コミ傾向として、項目別のスコアには濃淡があります。「経営陣のリーダーシップ」2.8点、「20代の成長環境」2.8点、「事業の優位性や独自性」2.9点と、将来性・経営に関する評価は相対的に低めです。一方で「仕事を通じた社会貢献」3.2点、「イノベーションへの挑戦」3.2点は相対的に高く、地域に根ざした仕事のやりがいは評価されている構図が見えます。5期連続減収・4期の最終赤字という業績データと、経営評価が低めという投稿傾向は、方向として整合的です。

ただし正社員回答6名というサンプルからスコアを一般化することはできません。点数そのものより、「地域貢献の実感は得やすいが、成長環境と経営の方向性には物足りなさを感じる人がいる」という定性的な構図として受け取るのが適切です。

働く環境の構造|440名の約半分が自動車関連、労働組合はディーラー3社のみ

グループ全体の人員配置を見ると、この会社の「実質」が分かります。公式情報として、第72期有価証券報告書に記載された連結従業員440名のセグメント別内訳は次のとおりです(カッコ内は年間平均臨時雇用者数)。

セグメント従業員数臨時雇用者数構成比(正社員ベース)
自動車関連215名85名約48.9%
流通121名248名約27.5%
木材41名10名約9.3%
建設22名7名約5.0%
その他40名8名約9.1%
不動産賃貸1名1名約0.2%

正社員の約半数が自動車関連に在籍しており、人員構成の面では「実質的にディーラー企業に近い持株会社」と言えます。逆に、全社利益の柱である不動産賃貸はわずか1名です。「どの事業が利益を出しているか」と「どこに人がいるか」が一致しない点は、この会社を理解するうえで重要な視点になります。

連結従業員数は5期連続で減少

従業員数の推移も押さえておくべきデータです。第68期577名 → 第69期516名 → 第70期480名 → 第71期464名 → 第72期440名と、5期で137名(約24%)減少しています。同じ5期で売上が約15%減っているため、売上の減少幅より人員の減少幅のほうが大きい計算です。デパート本店の閉店や事業売却といった構造転換が背景にあると考えられます(推定情報)。中途入社を検討する場合、拡大局面の採用ではなく、欠員補充・機能強化型の採用である可能性を念頭に置き、募集背景を面接で確認しておくのが実務的です。

労働組合はディーラー3社のみ|グループ内で条件交渉の枠組みが分かれる

あまり語られない論点ですが、転職者にとっては実利のある情報です。公式情報として、労働組合は函館日産自動車労組・北見日産自動車労組(全日産販売労働組合に加盟)、北見三菱自動車労組(全三菱自動車・三菱ふそう労働組合連合会に加盟)の3組合で、組合員数は166名。一方、持株会社および㈱テーオーフォレスト、㈱テーオーリテイリング、㈱テーオーデパート、㈱テーオー総合サービス、小泉建設㈱、fikaには労働組合がありません。

つまり、同じグループでも、労使交渉の枠組みがある会社とない会社に分かれているということです。組合の有無は待遇の良し悪しを直接決めるものではありませんが、賃上げや労働条件の変更がどのプロセスで決まるかは変わります。応募先がどちらに属するのかは、確認しておく価値があります。

男女賃金差異と人材戦略|開示されている数字

公式情報として、第72期有価証券報告書に開示された男女の賃金差異(男性を100とした女性の割合)は、提出会社で全労働者57.3%・正規雇用55.4%・パート有期50.4%。事業会社側は㈱テーオーリテイリングが全59.2%/正規78.4%、函館日産自動車㈱が全74.6%/正規70.6%、北見日産自動車㈱が全87.8%/正規84.8%です。管理職に占める女性割合は提出会社16.7%、テーオーリテイリング4.5%、ディーラー各社4.0%。男性の育児休業取得率は提出会社・主要子会社ともすべて「-」表記となっています。

会社は人材戦略として「若手世代への投資」「子育て世代への支援」「シニア世代の活躍推進」の3本柱を掲げていますが、上記の開示数値を見る限り、女性管理職比率と男性育休の実績は今後の課題として残っている段階だと読めます(推定情報)。なお、新卒初任給の公式実額、離職率、平均残業時間、有給休暇取得率、賞与月数については、有価証券報告書では開示されていません。求人票および面接での確認事項になります。

将来性を業界文脈から見る|3つの外部環境と中期経営計画

この会社の将来を占ううえで、内部要因(財務・人員)と同じくらい重要なのが、抱えている3つの市場の外部環境です。一般論ではなく、各セグメントの数字と結びつけて見ていきます。

新車ディーラー|台数より周辺収益へ

国内の新車販売は1990年の約777万台をピークに、近年は480万台前後の水準にとどまっています。業界全体で粗利率はサービス・部品部門が約37.8%、中古車販売が約13.9%と新車販売を上回り、整備・保険・中古車・サブスクなど周辺収益の比重を高める動きが続いています。販売会社の統合・再編も2020年代を通じて進行中です。テーオーホールディングスの自動車関連は売上△8.8%に対して利益は△1.4%にとどまっており、この構造変化に沿った動きだと解釈できます(推定情報)。転職者にとっては、販売台数だけでなく、車検・点検・保険・下取りまで含めて顧客と長く付き合う提案力が評価軸になる環境だと考えられます。

ホームセンターと木材・建設|横ばいの小売と、落ち込む住宅着工

ホームセンターの商品販売額は2025年で約3兆3,917億円(前年比△0.2%)とほぼ横ばいである一方、業界推計では2024年度末の店舗数が5,020店と初めて5,000店を超え、1店舗当たりの売上が薄まる構図にあります。大手同士の経営統合も進み、地場チェーンが価格競争で正面から戦うのは難しい環境です。流通セグメントが売上△1.4%とほぼ横ばいを保ちつつ利益は+44.0%と改善したのは、規模拡大ではなく粗利管理・品揃えの見直しによる成果である可能性があります(推定情報)。

木材・建設側の環境はより厳しく、2025年度の新設住宅着工戸数は前年度比12.9%減の約71.1万戸と、1962年度に次ぐ低水準でした。2025年4月施行の建築基準法改正で4号特例が縮小され省エネ基準適合が原則義務化されたことも、駆け込みと反動を通じて需要の振れを大きくしています。木材セグメントの売上△10.1%・2期連続営業赤字はこの環境と整合的です。建設経済研究所は2026年度を前年度比5.5%増の約77.7万戸と回復方向で見込みますが、資材価格の高騰と人手不足は継続課題であり、高付加価値建材の提案力と、与信・在庫の管理能力が問われる局面だと考えられます(推定情報)。

中期経営計画「TO PLAN 2026」は未達|次の3年をどう見るか

公式情報として、中期経営計画「TO PLAN 2026」は2026年5月期が最終年度でした。最終目標である売上高267億円・営業利益4億円に対し、実績は売上235億43百万円・営業利益2億07百万円で未達です。会社は2027年5月期に売上255億円・営業利益2億50百万円を計画していますが、これは中計目標には届かない水準の設定です。計画の達成度をどう評価するかは分かれますが、少なくとも「掲げた計画に届かなかった事実」を前提に次の計画を読む必要があります。

一方で前向きな動きもあります。2025年11月に札幌証券取引所の本則市場へ新規上場し、東証スタンダードとの重複上場になりました。人口減少地域の中堅企業が、あえて地元市場に上場して地域の投資家・取引先との関係を強める動きは珍しく、地域での存在感を資本市場面から補強する施策と位置づけられます。同月には公立はこだて未来大学との連携協定も締結しています。数字は厳しいが、地域内での立ち位置を固める手は打っている、というのが現状の評価です(推定情報)。

比較検討されやすい上場企業と、比べるときの視点

テーオーホールディングスを検討する人は、同じ地域の企業か、同じ事業の全国チェーンのどちらかと比べることが多くなります。ここでは推定情報を含む定性比較として、比較軸を整理します。各社の平均年間給与・業績は決算期も規模も異なるため、単純な数値並列は誤誘導になります。必ず各社の有価証券報告書で最新期を確認してください。

企業名(証券コード)市場比較される理由比べるときに見るべき点
テーオーホールディングス(9812)東証スタンダード・札証—自己資本比率2.1%・営業利益率0.9%・決算期が5月という3点
VTホールディングス(7593)東証プライム自動車ディーラーを束ねる持株会社。最大セグメント「自動車関連」の比較対象ディーラー事業の規模と、整備・中古車など周辺収益の比率
DCMホールディングス(3050)東証プライムホームセンター最大手級。北海道でも競合し、流通セグメントの比較対象全国チェーンの店舗運営体制と、地場チェーンとの売場づくりの違い
ジューテックホールディングス(3157)東証スタンダード木材・建材商社の持株会社。木材セグメントの比較対象住宅着工の減少局面での採算確保と、取扱商材の付加価値
サツドラホールディングス(3544)東証スタンダード北海道を地盤とする持株会社。道内上場・地域密着型として待遇比較されやすい道内での事業展開の広さと、グループ内異動の選択肢

比較の実務的なコツは、「持株会社の平均年収」同士を比べないことです。テーオーホールディングスのように事業会社の実額まで開示している会社は例外的で、多くの持株会社は提出会社(本社数十名)の数字しか出しません。同じ土俵で比べるなら、①事業会社の開示があるか、②なければ求人票の提示レンジで比べるか、のどちらかに揃える必要があります。

テーオーホールディングスに向いている人・慎重に検討したい人

ここまでの公式データと口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。断定ではなく、判断材料として使ってください。

向いている人慎重に検討したい人
函館・北見を含む北海道で、長く腰を据えて働きたい人短期間で年収を大きく引き上げたい人
自動車販売・小売・建材・建設など、地域の生活に直結する仕事にやりがいを感じる人体系的な研修制度のもとで育ててもらいたい人
財務データを自分で読み、リスクを理解したうえで納得して入社できる人財務の安定性を最優先の条件にしている人
連結決算・債権管理・内部統制など、グループ横断の管理業務に関心がある人成長市場・拡大局面のダイナミズムを求める人
複数事業を横断する経験を、地域産業のキャリアに活かしたい人全国・海外への転勤を伴うキャリアを望む人

特に3行目は重要です。自己資本比率2.1%・有利子負債依存度63.3%という数字は、隠された情報ではなく有価証券報告書に明記された公開情報です。これを知ったうえで入社を選ぶのと、知らずに入って後から知るのとでは、その後の納得度がまったく違います。

テーオーホールディングスに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、公開情報で答えられるものに絞って回答します。

テーオーホールディングスの「不祥事」とは何ですか?

2019年8月に公表された、連結子会社㈱テーオーフォレストの管理職従業員による不適切な売上計上を指します。約10年間にわたり取引先への請求単価を水増しして社内計上し、架空売上の社内計上も行った結果、売掛金残高が約45百万円過大に計上されていました。外部の弁護士・公認会計士を含む社内調査委員会が2019年8月9日に設置され、9月10日に調査報告書が公表されています。従業員個人による不正であり、会社が監督官庁から行政処分を受けた事案ではありません。会社は内部統制報告書に「開示すべき重要な不備」を報告し、再発防止策を実施した結果、第72期(2026年5月期)の内部統制報告書では「有効」と評価されています。

2019年の件に関連する訴訟はどうなりましたか?

2020年に当社に対する損害賠償請求訴訟が提起され、2022年10月3日付で和解が成立しています。和解金の負担と特別損失を計上した旨が開示されていますが、開示資料の記載からは請求額・和解金額・争点の詳細までは正確に読み取れなかったため、本記事では金額に言及しません。第72期の有価証券報告書には、係属中の重要な訴訟に関する記載は見当たりませんでした。

債務超過に陥ったことがあるというのは本当ですか?

事実です。公式情報として、2021年2月末(2021年5月期第3四半期)に連結で約4,700万円の債務超過となり、2021年4月13日に「債務超過の解消に向けた取組」を開示しています。子会社の高齢者向けケアサービス事業の売却などで期末までに解消し、同年10月に資本金を1億円へ減資しました。現在は債務超過ではありませんが、第72期の自己資本比率は2.1%と薄い水準が続いています。

平均年収428万円は、現場で働く人の金額ですか?

いいえ、持株会社(提出会社)26名の平均です。ただしこの会社は有価証券報告書の「最大人員会社の状況」で事業会社の実額も開示しており、㈱テーオーリテイリングが約434万円(111名・平均勤続22.8年)、函館日産自動車㈱が約438万円(92名・平均勤続19.3年)です。3社とも430万円前後で横並びのため、本社と現場で年収水準が大きく違うタイプの持株会社ではないと読めます。ただしいずれも平均勤続13〜23年の集団の平均であり、中途入社直後の水準はこれより低くなる可能性があります(推定情報)。

どのセグメントに配属されるかは、応募時に分かりますか?

グループ各社が個別に採用を行うため、応募先の会社名で事業内容はほぼ確定します。木材なら㈱テーオーフォレスト、ホームセンターなら㈱テーオーリテイリング、自動車販売なら函館日産自動車㈱・北見日産自動車㈱・北見三菱自動車販売㈱、建設なら小泉建設㈱です。勤務時間・休日・評価指標(販売台数、日商、粗利額など)は事業ごとに大きく異なるため、「テーオーホールディングスの労働条件」ではなく「応募先事業会社の労働条件」で確認するのが正しい進め方です。

転職判断まとめ|判断軸ごとの整理

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・適性を含めて行ってください。

判断軸評価と根拠
年収水準有報実額で持株会社428万円・テーオーリテイリング434万円・函館日産438万円。3社とも430万円前後で、本社と現場の差が小さい(公式情報)
昇給の見通し会社は役割等級型の給与方針を明記する一方、口コミには年功横並びを指摘する声。入社時基本給の交渉余地を確認したい(口コミ傾向・推定情報)
財務の安定性自己資本比率2.1%、有利子負債依存度63.3%、支払利息が営業利益とほぼ同額。営業CFは+17億98百万円のプラス(公式情報)
業績トレンド5期連続減収・5期中4期が最終赤字・2026年5月期は無配。2027年5月期は増収増益・年0.50円の復配予想(公式情報)
ガバナンス2019年の子会社従業員による不正から、第72期に内部統制「有効」評価へ回復。行政処分の事実は公表情報に見当たりません(公式情報)
働き方・環境正社員440名の約49%が自動車関連。労働組合はディーラー3社のみ。離職率・残業時間は有価証券報告書では開示されていない(公式情報)
勤務地函館(道南)・北見(道東)が中心。広域転勤は限定的と考えられる一方、道外へのキャリア移動は読みにくい(推定情報)
キャリアの広がり複数事業を横断する管理部門経験は希少性が高い。現場からは店長・支店長・部門長を経て持株会社の管理部門へ進むルート(推定情報)

どのサービスを使えばいいか決められないとき

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

数値の一次情報は、第72期(2026年5月期)有価証券報告書(2026年8月25日提出/EDINETコードE03169)および「2026年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年7月14日開示)です。

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。個人に関する情報については、公表資料に記載があっても、役員以外の個人や個人株主の氏名・属性は掲載しない方針です。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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