高島株式会社(8007)の年収840万円と評判|有報が示す本体と連結1200名の差
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 同定:高島株式会社は証券コード8007の建材・産業資材・電子デバイス商社。百貨店とは別法人です。
- 年収840万4千円:第138期有報の実額。ただし提出会社220名の平均で連結1,200名は含みません。
- 業績:連結売上906億円で前期比4.1%減、経常利益は24.7%減。赤字ではないが減収減益局面。
- 構造:連結は4年で891→1,200名に増え、単体は243→220名に減少。成長はM&A主導です。
「高島」という2文字で検索すると、百貨店・地名・暦の情報ばかりが並び、目当ての会社の情報にたどり着けない——この記事を開いたあなたは、おそらくその壁に一度ぶつかっています。ここで扱うのは東京証券取引所プライム市場に上場する高島株式会社(証券コード8007・東京都千代田区神田駿河台)、建材・産業資材・電子デバイスの3事業を持つ創業1915年の独立系専門商社です。この記事では、第138期(2026年3月期)有価証券報告書の実額を軸に、平均年間給与840万4千円が「誰の平均なのか」、連結1,200名と単体220名のあいだで何が起きているのか、そして減収減益局面にある会社の現在地を、公式情報・口コミ傾向・推定情報を分けて整理します。
高島株式会社(8007)とは|まず「どの高島か」を切り分ける
最初に、検索結果に混ざりやすい別の対象との違いをはっきりさせます。この記事の対象は高島株式会社(Takashima & Co., Ltd./証券コード8007)であり、百貨店の高島屋、滋賀県高島市、高島易断とはいずれも資本関係も事業上の関係もない別法人です(公式情報)。求人票や口コミサイトを見るときも、社名だけでなく証券コード8007/本社・東京都千代田区神田駿河台2丁目2番地(御茶ノ水杏雲ビル)という2点で照合すると、取り違えを防げます。
社名の由来と、1915年から続く沿革
紛らわしさの原因は社名の成り立ちにあります。有価証券報告書の沿革によると、同社は1915年10月1日、創業者が資本金1万円で「合名会社高島屋商店」を創立し、繊維製品の販売から出発しました。その後1931年12月に「株式会社高島屋商店」へ組織変更、1939年7月に「高島屋工業株式会社」へ商号変更、1949年5月に東京証券取引所へ上場し、同年10月に現社名の「高島株式会社」へ変更しています(公式情報)。つまり「高島屋」という語は創業者の姓に由来する屋号であって、百貨店グループの系譜ではありません。1949年の社名変更から70年以上、まったく別の道を歩んできた会社です。
資本金は38億100万円、発行済株式総数は34,377,984株。2022年4月に東証市場第一部からプライム市場へ移行しています。親会社・支配株主は存在せず、大株主は高島取引先持株会が13.73%で筆頭、以下平和株式会社4.46%、東京海上日動火災保険2.42%、高島従業員持株会1.70%と続きます(2026年3月31日現在、自己株式を除く発行済株式総数に対する比率)。取引先持株会が筆頭で従業員持株会・役員持株会が並ぶ独立系・持ち合い型の株主構成で、上位10名の合計でも27.02%にとどまります。
建材・産業資材・電子デバイスの3本柱と売上構成
転職検討者にとって重要なのは、「高島株式会社」と一括りにできないほど3事業の性格が違う点です。2026年3月期のセグメント別売上高は次の通りです(公式情報)。
- 建材事業:584億3,400万円(構成比約64%) — 壁材・基礎杭・断熱材・太陽光パネル・インテリアなど建設建築商材を全国の販売網で扱い、企画・設計から施工までを請け負います。同社の売上の柱です。
- 産業資材事業:179億6,800万円(同約20%) — 樹脂材料・成形品、鉄道車輌用高機能製品、産業用繊維、LED工事、アパレルOEMなど。グループ内にメーカー機能を持ちます。
- 電子・デバイス事業:142億8,900万円(同約16%) — iTak (International) Limited傘下でアジア11拠点を展開し、電子デバイスの販売に加えタイ・ベトナムの自社工場で製造販売も行います。
会社は「サステナの先進商社」を掲げ、省力化・省資源化・再エネ化のソリューション提供を打ち出しています。2026年3月31日現在で連結子会社23社・関連会社3社を抱えており、この「子会社の多さ」が、後述する年収データの読み方と転職判断のカギになります。
高島株式会社の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う数値の出どころを先に一覧化します。すべて第138期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書および公式IRに基づく公式情報で、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 高島株式会社(Takashima & Co., Ltd.) |
| 証券コード/市場 | 8007/東京証券取引所プライム市場(1949年5月上場、2022年4月にプライム移行) |
| 本社所在地 | 東京都千代田区神田駿河台2丁目2番地(御茶ノ水杏雲ビル) |
| 創業/設立 | 創業1915年10月1日/1931年12月に株式会社へ組織変更 |
| 代表者 | 代表取締役社長 社長執行役員 高島幸一 |
| 資本金 | 38億100万円 |
| 平均年間給与 | 840万4千円(8,404千円・対前事業年度△1.8%)/第138期・提出会社(単体) |
| 平均年齢 | 43.5歳/第138期・提出会社(単体) |
| 平均勤続年数 | 12.4年/第138期・提出会社(単体) |
| 従業員数 | 連結1,200名[外、平均臨時雇用者309名]/提出会社(単体)220名[外、臨時76名] |
| 売上高 | 連結906億4,200万円(前期比約4.1%減)/提出会社(単体)460億6,000万円 |
| 営業利益 | 連結21億200万円(経常利益15億2,300万円・前期比約24.7%減) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12億2,500万円(前期15億6,600万円) |
| ROE/自己資本比率 | 5.2%/40.6% |
| 労働組合 | 高島労働組合(組合員163名・2026年3月31日現在) |
| 出典 | 第138期 有価証券報告書(2026年6月16日提出・EDINETコードE02501)/公式IR資料 |
平均年収840万4千円は誰の平均か|有報の数字を分解する
結論から言うと、840万4千円は「高島グループの平均」ではなく「本体(建材事業+管理部門)に所属する220名の平均」です。この一点を押さえるだけで、応募先の選び方が変わります。
まず公式の数字です。有価証券報告書(第138期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は840万4千円(8,404千円)で、賞与および時間外手当等を含みます。対前事業年度増減率は△1.8%で、前期は約856万円の水準でした。減収局面と連動して、平均給与もわずかに下がっている形です(公式情報)。
平均年齢43.5歳・勤続12.4年から読む水準感
年収の数字は、年齢構成とセットで見ないと水準を誤読します。同社の平均年齢は43.5歳、平均勤続年数は12.4年(提出会社・2026年3月31日現在)。40代前半が中心で、勤続12年超という数字からは、新卒で入って長く在籍する層と、中途で入って定着した層が積み上がった構成が読み取れます(公式情報)。
この年齢帯で840万円台という水準は、国内の中堅上場商社としては上位寄りです。ただし「43.5歳で840万円」を「30代前半でも同水準」と読み替えるのは危険です。同社の給与制度は、有報の記載によると年1回の通期人材考課による職能等級の昇降給と、年2回の成果評価に基づく5段階の賞与で構成されており、等級と業績連動の要素が明確にあります。したがって推定情報として、20代後半〜30代前半では平均を下回るレンジ、管理職層で平均を上回るレンジに分かれると考えられます。内定時の労働条件通知書で、基本給・賞与の算定方式・時間外手当の扱いを個別に確認するのが確実です。
単体220名と連結1,200名——有報年収が代表しない約8割
ここが本記事で最も重要な論点です。有価証券報告書の「従業員の状況」を細かく見ると、提出会社(単体)220名のセグメント内訳は建材179名+全社(共通)41名のみで、産業資材・電子デバイスの単体人員はゼロです。これらの事業は子会社が担っています(公式情報)。
一方、連結従業員1,200名の内訳は建材546名、産業資材198名、電子・デバイス400名、全社(共通)56名。つまり連結の約8割にあたる980名は、有報の平均年間給与840万4千円の算定対象外ということになります。単体と連結の乖離は約5.5倍です。
| 区分 | 従業員数 | セグメント内訳 | 平均年間給与の算定対象 |
|---|---|---|---|
| 提出会社(単体) | 220名[外、臨時76名] | 建材179名/全社(共通)41名 | 対象(840万4千円) |
| 連結子会社ほか | 約980名 | 建材の一部・産業資材198名・電子デバイス400名など | 対象外 |
| 連結合計 | 1,200名[外、平均臨時雇用者309名] | 建材546/産業資材198/電子デバイス400/全社56 | — |
実務的な意味はシンプルです。求人がタクセル、ハイランド、レスト、岩水開発、サンワシステム、信防エディックスといった子会社名義であれば、840万4千円という数字は判断材料になりません。子会社ごとに給与テーブルも人事制度も別であり、待遇水準が異なる可能性が高いと考えられます(推定情報)。応募段階で「採用主体はどの法人か」「有報の平均給与の対象法人か」を確認してください。

グループ会社の求人でも、有報の840万円を目安にしていいの?
目安にはできません。有価証券報告書の平均年間給与は提出会社(単体)の従業員のみを対象に算定されるルールで、連結子会社の社員は含まれないためです。高島の場合は単体220名に対し連結1,200名と差が大きいため、他社以上にこのズレが効いてきます。
口コミサイトの年収データとの差をどう読むか
二次情報も参照しておきます。口コミ傾向として、OpenWorkに掲載されている平均年収は757万円(正社員14人回答、レンジ400万〜1,360万円)です。有報の840万4千円との差は、回答者の母数が14人と少ないこと、回答者に子会社所属者や若手が含まれうること、自己申告ベースであることなどが要因と推定されます。他の年収系メディアには800万円台後半を掲載しているものもありますが、算出根拠・対象時点がそれぞれ異なるため、主たる判断材料は有報の実額に置くのが安全です。
注目したいのはレンジの広さです。400万〜1,360万円という開きは、等級・役職・所属法人による差が実際に大きいことを示唆します(推定情報)。年収交渉の場では「平均」ではなく「提示ポジションの等級と、その等級のレンジ」を聞くほうが精度が上がります。転職時に確認したいポイントを整理すると次の通りです。
- 採用法人は高島株式会社本体か、連結子会社か(有報の平均給与が参考になるかが決まる)
- 提示される職能等級と、その等級の年収レンジ・昇降給の頻度(年1回の通期人材考課)
- 賞与の算定方式(年2回・成果評価に基づく5段階)と、直近実績の支給月数
- 時間外手当の支給ルール(有報の平均給与には時間外手当が含まれる)
- 選択制退職金制度・前払退職金制度のどちらを選ぶか、借上社宅・従業員持株会の適用条件
業績の現在地|5期推移で見る減収減益局面
転職判断で年収の次に効いてくるのが業績です。結論を先に言えば、高島株式会社は赤字企業ではありませんが、2026年3月期は明確な減収減益の局面にあります。ここを曖昧にせず、数字で押さえておきましょう。
連結売上は5期ぶりの反落、セグメント利益は建材と産業資材が牽引
有価証券報告書によると、2026年3月期の連結売上高は906億4,200万円(前期94,503百万円から約4.1%の減収)。5期の推移は以下の通りです(単位:百万円、公式情報)。
| 決算期 | 連結売上高 | 提出会社(単体)売上高 | 連結従業員数 | 単体従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 74,054 | — | 891名 | 243名 |
| 2023年3月期 | 79,683 | — | 1,010名 | 249名 |
| 2024年3月期 | 90,120 | 58,112 | 1,162名 | 237名 |
| 2025年3月期 | 94,503 | 51,893 | 1,216名 | 230名 |
| 2026年3月期 | 90,642 | 46,060 | 1,200名 | 220名 |
利益面では、連結営業利益21億200万円、連結経常利益15億2,300万円(前期20億2,400万円から約24.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億2,500万円(前期15億6,600万円)。ROEは5.2%、自己資本比率は40.6%です。セグメント利益は建材17億2,200万円、産業資材12億2,200万円、電子・デバイス4億6,800万円、調整額△13億1,000万円で、売上構成比では約64%を占める建材が、利益では産業資材とほぼ拮抗している点が特徴的です。売上規模の小さい産業資材事業のほうが利益率は高いという構造で、事業別の稼ぐ力は売上構成比だけでは測れません。なお2027年3月期の会社予想は売上高1,000億円です。
単体は2期連続の大幅減収、特別損失740百万円の中身
連結以上に動きが大きいのが単体です。提出会社の売上高は581億1,200万円(2024年3月期)→518億9,300万円(2025年3月期)→460億6,000万円(2026年3月期)と2期連続で大幅に減少しています(公式情報)。連結売上が横ばい圏で推移するなかで単体だけが2年で約2割縮んでおり、これは事業を子会社側へ移していく流れと整合します。
さらに、単体では経常利益7億9,900万円に対して特別損失7億4,000万円を計上し、当期純利益は4億5,100万円にとどまりました。特別損失の内訳は関係会社貸倒引当金繰入額6億8,400万円、投資有価証券評価損4,900万円、関係会社株式評価損400万円等。有価証券報告書には、これが出資先である株式会社DGキャピタルグループの破産手続開始、および合弁会社である株式会社DG Takashimaの事業継続困難に伴うものであると明記されています。
この事実の位置づけは正確に扱う必要があります。これは不祥事や法令違反ではなく、事業投資が想定通りにいかなかった「投資判断の失敗事例」です。連結ベースの特別損失は6,100万円にとどまっており、グループ全体を揺るがす規模ではありません。ただし、有報の「事業等のリスク」に会社自身が「投資の減損処理」「のれんの減損」をリスク項目として挙げていることと合わせて読むと、後述するM&A主導の成長戦略が持つ裏側のコストが、実際に一度表面化したケースだと理解できます(推定情報を含む解釈です)。
ROE5.2%・配当性向339.9%をどう見るか
資本政策にも触れておきます。2026年3月期の単体配当性向は339.9%(前期156.3%)で、予想配当利回りは約5.7%の水準です。利益の3倍を超える配当を出している状態で、中期経営計画では累進配当を導入し株主還元を強化する方針が示されています。株式分割も2023年10月に1株→4株、2025年10月に1株→2株と実施されました(公式情報)。
株主から見れば高い利回りは魅力ですが、転職検討者の視点では「還元を優先する局面で、人件費・教育投資にどれだけ配分されるか」という論点になります。ROE5.2%は新中計の目標8%以上に届いておらず、資本効率の改善圧力がかかっている状態です。推定情報として、この状況が続く間は、全社的な大幅なベースアップよりも、成果連動部分の比重が高い処遇設計が維持される可能性が考えられます。
連結は膨張、本体は縮小|M&Aが変えた会社の形
ここまでの数字を1枚に重ねると、この会社の最大の特徴が見えてきます。連結従業員は891名(2022年3月期)から1,200名(2026年3月期)へ4年で約35%増、一方で単体は243名から220名へ一貫して減少。成長のほぼすべてがM&A由来で、本体は人員も売上も縮んでいるという構造です(公式情報)。
連結子会社23社と、直近のM&A履歴
有価証券報告書の沿革によると、直近十数年の主な動きは次の通りです(公式情報)。
- 2010年:丸紅プラックスより建材事業を譲受
- 2015年:小野産業(現タクセル)を公開買付けにより取得/丸紅よりシーエルエスを取得
- 2022年12月:新エネルギー流通システムを取得
- 2023年6月:信防エディックスを取得
- 2024年1月:岩水開発を取得/同年8月:子会社レストがファミールを取得
- 2025年2月:高島インダストリーズおよびDG Takashimaを設立
- 2025年4月:サンワホールディングスの全株式を取得/2026年1月:サンワシステムが同社ほか6社を吸収合併
ほぼ毎年、買収または再編が行われている計算です。2026年3月31日現在で連結子会社23社・関連会社3社。なお2025年5月には宅地建物取引業者の廃業も届け出ており、拡大一辺倒ではなく事業の入れ替えも進んでいます。商社業界で広く進む「トレーディングから事業投資・事業経営へ」というモデル転換の、中堅規模版がここで起きていると位置づけられます。
転職者にとっての実務的な意味——PMIと出向
この構造は、入社後の仕事の中身に直結します。推定情報を含みますが、実務的には次のような論点が生じやすいと考えられます。
- PMI(買収後統合)の実務が日常業務に入り込む:管理部門・経営企画では、買収先の制度統合・会計統合・システム統合が継続的なタスクになります。M&Aの「実行」より「その後の運営」に携わる時間のほうが長くなる可能性があります。
- 子会社への出向・転籍がキャリアパスに含まれうる:本体220名に対し連結1,200名という比率は、本体社員がグループ会社の経営管理側に回る場面が構造的に多いことを示唆します。出向が「キャリアの幅」になるのか「片道」になるのかは、面接で具体的な事例を聞いて確かめる価値があります。
- カルチャーがグループ内で一様ではない:買収時期も業種も異なる23社が並ぶため、働き方や評価の体感はグループ内でも差が出やすいと考えられます。
- のれん・投資減損のリスクを会社自身が認識している:有報の「事業等のリスク」には、のれんの減損、投資の減損処理に加えて「事業拡大・多角化に内部管理体制が追いつかないリスク」まで明記されています。これは裏を返せば、内部統制・管理会計の経験者にとっては需要のあるポジションが存在するということでもあります。
働き方と組織風土|口コミが二極化する理由
口コミの結論を先に言うと、「労働時間と待遇の評価は高く、育成と組織の一体感の評価が低い」という、はっきりした二極化が見られます。ただし前提として、口コミ傾向の母数が少ない点は割り引いて読む必要があります。OpenWorkの総合評価は2.80/5.0・回答者22人、年収データは正社員14人回答という規模です。大企業のような大量サンプルではないため、個々のスコアを断定的な事実として扱うことは避けてください。
残業13.7時間・有給69.1%・男性育休100%という働き方の実像
口コミ傾向として、OpenWorkに掲載されている月間残業時間は13.7時間、有給休暇消化率は69.1%です。数字通りであれば、商社という業種イメージから連想されるより、労働時間のコントロールはしやすい環境という評価になります。実際、待遇面の満足度は3.8と全項目中でも高い部類です。
これを補強する公式情報もあります。有価証券報告書では、提出会社の男性育児休業取得率100.0%が開示されています(連結子会社も100.0%)。また高島労働組合(組合員163名・2026年3月31日現在)が存在し、口コミにも「組合もあるため給与は悪くない」という趣旨の声が見られます。単体220名のうち163名が組合員という比率は、管理職を除く一般社員のほぼ全体が組合に属していることを示唆します(推定情報)。労使交渉のチャネルが機能している会社である、という読み方ができます。
「人材の長期育成」1.7という最低スコアの意味
一方で低評価も明確です。口コミ傾向として、OpenWorkの項目別スコアでは「人材の長期育成」1.7が全項目中で最低、次いで「社員の相互尊重」2.2、「社員の士気」2.4と続きます。転職会議にも「採用担当と現場の温度感の違いが大きく、中途社員の定着も高くない印象」という趣旨の投稿が見られます(いずれも少数意見であり、断定はできません)。
この落差をどう解釈するか。推定情報としては、220名規模の本体に対して連結1,200名・子会社23社という構成が影響している可能性が考えられます。少人数の本体で実務を回しながらグループ管理も担う体制では、体系的な研修プログラムよりOJT依存になりやすく、それが「長期育成」の評価に表れているという見方です。ただしこれは口コミと構造から導いた解釈であり、制度の実態を直接示すものではありません。面接では「入社後3年の育成プログラムの中身」「中途入社者の直近の配属・定着状況」を確認することをおすすめします。
女性管理職比率7.1%と男女賃金差異の開示値
人的資本の開示値も見ておきます(公式情報・第138期有報)。提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は7.1%、男女の賃金差異は全労働者65.3%・正規雇用63.3%・パート有期69.4%。連結子会社では女性管理職5.6%、賃金差異61.7%です。女性管理職比率は国内上場企業の平均的な水準と比べても高いとは言えず、管理職層の構成が男性中心である現状が数字に表れています。長期のキャリア形成を重視する場合、この数値が今後どう変わる計画なのかを、中期経営計画の人事施策とあわせて確認する価値があります。
将来性|新中計「サステナ+スパイラル」とプライム上場維持基準への対応
将来性を評価するうえで、この会社には見落とせない特殊事情があります。プライム市場への上場が無条件で保証されている状態ではないという点です。順に整理します。
2029年3月期の数値目標——売上1,100億円・営業利益30億円・ROE8%以上
2026年4月から2029年3月までの3か年計画として、新中期経営計画「サステナ+スパイラル」が掲げられています。公式IRによると、2029年3月期の目標は売上高1,100億円・営業利益30億円・純利益20億円・ROE8%以上。3本柱は「資本コストと企業価値を意識した経営」「100億円規模の戦略投資の継続」「稼ぐ人財の持続的輩出」です(公式情報)。
数字を並べると、2026年3月期実績(売上906億円・営業利益21億円・純利益12.25億円・ROE5.2%)からの引き上げ幅は売上で約21%増、営業利益で約43%増、純利益で約63%増と、決して緩やかではありません。しかも100億円規模の戦略投資を継続すると明示しているため、目標達成の相当部分がM&Aとその成功に依存する構図になります(推定情報)。人事面では「多彩なキャリア型人財」「キャリア・オーナーシップ」「ワーク・ライフ・インテグレーション」が掲げられ、人的資本の育成方針が明文化されました。前述の育成評価の低さに対する打ち手がここに置かれている、と読むこともできます。
前中計は未達、上場維持基準の適合計画に取り組む企業である
楽観だけで見ないための材料も示しておきます。前中期経営計画「サステナV」では純利益19億円が目標でしたが、実績は12億2,500万円で未達に終わりました。加えて、有価証券報告書の役員報酬委員会の審議内容および報酬指標の説明には、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」「プライム市場適合計画への取り組み」への言及があります(公式情報)。
つまり「プライム上場企業だから安泰」とは言い切れないのがこの会社の現在地です。誤解のないよう補足すると、これは上場廃止が決まっているという話ではまったくありません。適合計画に取り組んでいる企業は東証に多数存在し、計画期間中は上場が維持されます。結果を予想することもここではしません。転職判断上の意味は、「役員報酬の指標にまで上場維持基準への対応が組み込まれるほど、資本効率・企業価値の改善が経営の最優先課題になっている」という点です。入社後、収益性と資本効率に対する説明責任が現場レベルまで下りてくる可能性は高いと考えられます(推定情報)。
有報が挙げる15のリスク項目のうち、転職判断に効くもの
有価証券報告書の「事業等のリスク」には15項目が並びます。そのうち転職検討者が押さえておきたいものを抜き出します(公式情報)。
- 経済状況:建材事業は民間設備投資・公共事業・住宅着工戸数に大きく左右されます。売上の約64%を占める事業が国内建設市況に連動するため、業績のボラティリティ要因として最大です。
- 太陽光発電事業に対する政策変更:FIT買取価格の減額や出力抑制規制が事業採算に影響します。再エネ関連を成長領域に据えている以上、政策リスクは構造的に付随します。
- 取引先の信用リスク・投資の減損処理:2026年3月期に実際に顕在化した項目です。
- のれんの減損:M&Aを成長の主軸に据える戦略の裏返しです。
- 内部管理体制:事業拡大・多角化に内部管理が追いつかないリスクを会社自身が明記しています。
- ほかに為替レート変動、企画開発提案力、価格競争力、固定資産の減損、棚卸資産、災害事故、品質管理、法的規制(建設業法・独占禁止法等)、情報セキュリティ。
同規模の上場専門商社と比べた高島株式会社の位置
年収水準と会社規模を、同じ2026年3月期決算の上場専門商社と並べて確認します。数値はいずれも各社の有価証券報告書に基づく公式情報で、平均年間給与はすべて提出会社(単体)の値です。単体と連結の人数差が大きい会社ほど、その平均給与がグループ全体を代表しない点に注意してください。
| 企業名(証券コード) | 平均年間給与(単体) | 単体/連結従業員数 | 連結売上高(前期比) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 高島(8007) | 840万4千円 | 220名/1,200名(約5.5倍) | 906億円(▲4.1%) | 建材・産業資材・電子デバイスの3本柱。独立系でM&A主導の拡大 |
| 蝶理(8014) | 1,036万円 | 391名/1,444名(約3.7倍) | 2,993億円(▲3.9%) | 繊維・化学品。東レが議決権52.41%を持つ上場子会社 |
| ユアサ・フナショク(8006) | 約534万円 | 216名/303名(約1.4倍) | 1,264億円(+2.7%) | 食品卸が主力。5期連続増収。ホテル部門を併営 |
| 三共生興(8018) | 675万円 | 92名/247名(約2.7倍) | 239.8億円(▲2.5%) | アパレル・ブランド事業。利益の大半が不動産関連 |
| ツカモトコーポレーション(8025) | 575万4千円 | 117名/180名(約1.5倍) | 101.1億円(+4.4%) | 創業1812年。和装・洋装。平均勤続19.1年 |
この5社のなかで、高島は年収水準では蝶理に次ぐ2番手、売上規模では中位、単体と連結の乖離倍率では蝶理を上回る約5.5倍という位置にあります。乖離倍率が大きいほど、有報の平均給与が「その会社の年収」として通用する範囲は狭くなります。年収の絶対値だけを比べるのではなく、「その数字が何人を対象にしているか」まで見るのが、専門商社を比較するときの実務的なコツです。
なお事業内容の直接競合としては、建材ではJKホールディングス(9896)やジューテックホールディングス(3157)、電子・デバイスでは伯東(7433)、独立系中堅商社という立ち位置では佐藤商事(8065)などが比較対象になります。これらの給与水準は本記事では実額を参照していないため、各社の有価証券報告書でご確認ください。また上表のうちユアサ・フナショクと三共生興は、有報原本ではなく有報数値を転載する情報サイト経由で参照した値を含みます。
高島株式会社の仕事が合いやすい人・慎重に検討したい人
ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。前提として、本体(建材+管理部門)で働くのか、子会社で働くのかによって体感は大きく変わる点を忘れないでください。
| 合いやすいと考えられる人 | 慎重に検討したい人 |
|---|---|
| 年収水準と労働時間のバランスを重視する人(40代前半平均で840万4千円・月間残業13.7時間という組み合わせ) | 体系的な研修・育成プログラムを重視する人(口コミの「人材の長期育成」評価は最も低い項目) |
| M&A後の統合実務やグループ会社の経営管理に手触りのある仕事をしたい人 | 組織の一体感・強いカルチャーのなかで働きたい人(子会社23社で体験差が生じやすい構造) |
| 建設・住宅・再エネなど国内市況と向き合う商材に関心がある人 | 市況変動の少ない安定した事業環境を求める人(建材は住宅着工・公共事業に連動) |
| 少人数の本体で、担当領域を広く持つ働き方に適応できる人 | 大企業の分業体制で専門性を深く掘りたい人(単体220名の組織規模) |
| 労働組合があり、労使のチャネルが機能している環境を評価する人 | 右肩上がりの成長ストーリーを重視する人(2026年3月期は減収・経常24.7%減) |
高島株式会社に関するよくある質問
検索時に混同が起きやすい会社であるため、同定にかかわる質問を中心にまとめました。
百貨店の高島屋と関係はありますか?
ありません。高島株式会社(8007)と百貨店の高島屋は資本関係も事業上の関係もない別法人です(公式情報)。社名が似ているのは、高島株式会社の源流が1915年に創業者が興した「合名会社高島屋商店」という屋号にあるためで、1949年10月に現社名へ変更して以来、まったく別の会社として歩んできました。同様に、滋賀県高島市(自治体)や高島易断とも無関係です。求人・口コミを調べる際は証券コード8007と本社所在地(東京都千代田区神田駿河台)で照合してください。
有報の平均年収840万4千円は、グループ会社の社員にも当てはまりますか?
当てはまりません。有価証券報告書の平均年間給与は提出会社(単体)220名を対象に算定された値で、連結1,200名のうち約8割を占める子会社所属者は含まれていません(公式情報)。しかも単体220名の内訳は建材179名+全社(共通)41名で、産業資材・電子デバイスの人員はゼロです。したがって840万4千円は、実質的に「本体の建材事業+管理部門の平均」と理解するのが正確です。子会社での待遇水準は異なる可能性が高いと考えられます(推定情報)。
不祥事や行政処分の記録はありますか?
高島株式会社(8007)に関する不祥事・行政処分・課徴金・訴訟・謝罪は、今回参照した公開情報の範囲では見当たりませんでした。有価証券報告書の「事業等のリスク」にも、過去の違反事例の記載はありません(公式情報)。ただし、報道ベースでの網羅的な調査までは行っていないため、「一切ない」と断言できる水準ではない点はご了承ください。なお一般論として、「高島」という語は地名・人名・他の法人名と広く重なるため、企業名検索には無関係な事象の検索が混ざりやすい構造があります。判断材料にする際は、対象が証券コード8007の会社であるかを必ず確認してください。
不祥事とは性質が異なりますが、事実として押さえておきたいのは、2026年3月期に出資先である株式会社DGキャピタルグループの破産手続開始等に伴い、単体で特別損失7億4,000万円を計上した件です。これは有価証券報告書に明記された投資判断にかかわる損失であり、法令違反の類ではありません。
プライム市場への上場は続いていますか?
はい、高島株式会社は東京証券取引所プライム市場に上場を継続しています(1949年5月上場、2022年4月に市場第一部からプライム市場へ移行)。TOBによる非公開化やMBOの動きは、今回の調査範囲では見当たりませんでした。むしろ同社は買い手側としてのM&Aを繰り返しています。一方で、有価証券報告書には「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」への取り組みが記載されており、上場維持が無条件ではない点は事実として押さえておくべきです(公式情報)。今後の結果を予想することはできませんが、資本効率の改善が経営の最優先課題であることは、役員報酬の指標設計からも読み取れます。
高島株式会社への転職判断まとめ|編集部の見解
判断軸ごとに、ここまでの内容を整理します。最終的な判断は求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・適性を照らして行ってください。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 年収水準 | 本体は840万4千円(43.5歳平均)で中堅上場商社としては上位寄り。ただし対象は単体220名のみで、子会社所属者は算定対象外 |
| 労働時間・休暇 | 口コミ上は月間残業13.7時間・有給消化率69.1%。男性育休取得率100.0%は有報で開示済み |
| 育成・キャリア形成 | 口コミの「人材の長期育成」評価は全項目中最低。新中計で人的資本方針が明文化された段階 |
| 業績の安定性 | 2026年3月期は減収(▲4.1%)・経常減益(▲24.7%)。赤字ではないが上向きの局面ではない |
| 成長戦略 | M&A主導。2029年3月期に売上1,100億円・ROE8%以上を目標。100億円規模の戦略投資を継続 |
| 資本・ガバナンス | 親会社なしの独立系。取引先持株会が筆頭株主。プライム上場維持基準の適合計画に取り組み中 |
| 組織規模 | 単体220名/連結1,200名。子会社23社で体験差が生じやすい構造 |
編集部の見解として、高島株式会社は「知名度で選ぶ会社」ではなく「構造を理解したうえで選ぶ会社」だと考えます。同名の別法人に検索を占有されるため情報が集まりにくい一方、有価証券報告書を読み込めば、本体と子会社の関係、事業ごとの利益率、投資戦略の成否まで、判断に必要な材料が一次情報として揃っている会社です。処遇と労働時間のバランスは中堅商社として悪くない水準にあり、M&A後の統合やグループ経営管理といった、規模の大きい商社では若手に回ってきにくい仕事に早い段階で関われる可能性があります。
一方で、育成体制と組織の一体感については、口コミ上の評価が明確に低い点を軽視すべきではありません。減収減益局面かつ上場維持基準の適合計画に取り組む局面では、経営の関心が資本効率に集中しやすく、教育投資が後回しになる可能性も考えられます(推定情報)。自走できる人には裁量が回ってきやすく、育ててもらう前提の人には厳しさが出やすい——総合すると、そうした環境と考えられます。応募前には必ず「採用法人はどこか」「等級と年収レンジ」「中途入社者の直近の定着状況」の3点を確認してください。

結局、この会社は自分に合っているのか判断しきれません。
その迷いは自然です。高島株式会社のように「本体と子会社で実態が変わる会社」は、求人票の情報だけでは比較軸が定まりません。同規模の専門商社を複数並べ、自分の経験がどこで最も価値になるかを整理してから応募順を決めるのが、遠回りに見えて最短です。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。年収・従業員数・業績の中核数値は、第138期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月16日提出・EDINETコードE02501)を一次情報として参照しています。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。同名の別法人・地名との混同を避けるため、対象を証券コード8007の高島株式会社に限定して記述しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
