三共生興の年収675万円と評判を分解|営業利益7.5億円のうち7.4億円は不動産
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 利益の柱:営業利益7.5億円のうち7.44億円が不動産関連という構造
- 年収675万円:単体92名の平均であり、全社員に当てはまる数字ではない
- 働き方:残業は月20時間台と少なめ、一方で育成・評価への不満が集中
- 規模:単体92名・連結247名の小所帯上場企業。配属が読みにくい
三共生興株式会社(証券コード8018・東証スタンダード市場)は、英国の名門ブランド「DAKS(ダックス)」を運営する会社を1991年に買収し、日本企業でありながら海外ブランドのオーナー側に立っている珍しいアパレル・繊維商社です。ただし転職・就職の判断材料として同社を見るとき、社名やブランドのイメージと実際の収益構造・給与構造には大きなギャップがあります。この記事では、2026年3月期の有価証券報告書・決算数値と口コミデータを分けて整理し、「平均年収675万円は誰の年収なのか」「この会社は何で稼いでいるのか」という2点を軸に、応募前に押さえるべき事実を分解します。
三共生興(8018)の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、本記事で扱う数値の土台を一覧にします。以下はすべて公式情報(有価証券報告書・決算短信・公式サイト会社概要)にもとづく数字です。給与・年齢・勤続年数・従業員数は2026年3月期の有価証券報告書「従業員の状況」の値で、対象は提出会社(=三共生興株式会社の単体)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 三共生興株式会社(SANKYO SEIKO CO.,LTD.) |
| 証券コード・市場 | 8018/東京証券取引所スタンダード市場(卸売業) |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市中央区安土町2-5-6(2015年に神戸市から移転) |
| 設立・創業 | 1938年12月11日設立/創業1920年(2020年に創業100周年) |
| 代表者 | 代表取締役社長 宮澤 哲次 |
| 資本金 | 30億円 |
| 平均年間給与 | 約675万円(2026年3月期・提出会社単体) |
| 平均年齢 | 36.9歳(同上) |
| 平均勤続年数 | 11.8年(同上) |
| 従業員数 | 単体92名(ほか臨時従業員63名)/連結247名(ほか臨時従業員425名) |
| 売上高 | 239億8,400万円(2026年3月期・連結/前期比▲2.5%) |
| 営業利益 | 7億5,000万円(同・連結/前期比▲57.5%) |
| 経常利益・当期純利益 | 経常20億8,500万円/当期純利益20億6,900万円(同・連結) |
| 自己資本比率 | 71.0% |
| 初任給 | 総合職240,000円/エリア職200,000円(公式採用サイトによる) |
| 出典 | 2026年3月期 有価証券報告書「従業員の状況」/同期 決算短信/公式サイト会社概要・採用情報 |
なお出典の透明性のために付記すると、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は有価証券報告書に記載された値を、有報XBRLを転載するIRデータベース(EDINETコードE02534)経由で取得したものです。数値の出所は有報ですが、本記事は有報PDF原本の直接目視までは行っていません。入社条件に直結する数字ですので、最終的な判断はEDINETまたは公式IRページの原本でご確認ください。
三共生興は何で稼いでいる会社か|営業利益7.5億円のうち7.44億円が不動産関連
結論から言うと、三共生興の営業利益を実質的に支えているのはアパレル事業ではなく不動産賃貸事業です。ここを理解しないまま「DAKSの会社」というイメージだけで応募すると、入社後に想像とのズレが生まれやすくなります。以下、2026年3月期のセグメント数値で構造を分解します。
セグメント別に見ると売上と利益が逆転している
2026年3月期の連結売上239億8,400万円の内訳は、ファッション関連112億円・繊維関連103億円・不動産関連25億円です。売上だけを見れば、不動産関連はわずか約10%の脇役に見えます。ところが営業利益の内訳は次の通りで、順位が完全に入れ替わります(いずれも公式情報)。
- 不動産関連事業:営業利益7億4,400万円
- 繊維関連事業:営業利益4億7,900万円
- ファッション関連事業:営業利益2億9,300万円(前期12億5,000万円から▲76%)
3セグメントの単純合計は15億1,600万円ですが、全社共通費などの調整を経た連結の営業利益は7億5,000万円です。つまり全社営業利益とほぼ同額を不動産関連の1セグメントが稼いでいるという状態で、売上構成比10%の事業が利益面では最大の柱になっています。同社の有価証券報告書上の事業目的にも、繊維製品・ライセンスビジネスに続けて「不動産賃貸事業、ビルメンテナンス事業等」が明記されています。
転職検討者にとっての実務的な意味はシンプルです。推定情報として整理すると、アパレルの企画・営業職として入社する場合、自分の担当事業は「会社の売上の主役だが利益の主役ではない」ポジションになり、業績評価や投資配分の議論で不動産セグメントと比較される可能性があります。逆に、管理部門・不動産管理系のポジションで入る場合は、規模は小さくても社内で最も安定的に利益を出している領域を担当することになります。
DAKS・LEONARDを「借りている」のではなく「持っている」会社
三共生興の事業モデルで最も特徴的なのは、海外ブランドのライセンスを借りる側(ライセンシー)ではなく、ブランドを保有して他社にライセンスを出す側(ライセンサー)である点です。1991年に英国のDAKS Simpson Group PLCを買収してDAKSブランドのオーナーとなり、2022年にはフランスのLEONARD FASHION SASも取得しています。日本のアパレル・繊維商社で、欧州の老舗ブランドそのものを保有している企業は多くありません。
このモデルは、自社で店舗運営や在庫リスクをすべて背負う小売型と比べると、ライセンス収入という相対的に安定した収益を得られる構造です。一方で、ブランド価値そのものが収益源である以上、ブランドの鮮度・国内市場での位置づけが落ちると収益が直接的に痛みます。2026年3月期にファッション関連事業の営業利益が12億5,000万円から2億9,300万円へ▲76%となったのは、この構造上のリスクが数字に出た局面と読むことができます(推定情報)。
キャリアの観点では、ブランドマネジメント・ライセンス管理・海外子会社との折衝といった経験は、他のアパレル企業ではなかなか積みにくい領域です。「小売の現場経験」ではなく「ブランドを資産として運用する経験」を積みたい人にとっては、規模が小さいことを補って余りある固有性があると考えられます。
2026年3月期の営業利益▲57.5%をどう読むか
営業利益の5期推移は次の通りです(公式情報・連結)。
- 2022年3月期:17億4,300万円
- 2023年3月期:22億3,700万円
- 2024年3月期:24億7,300万円
- 2025年3月期:17億6,600万円
- 2026年3月期:7億5,000万円
売上高は同期間に169億1,400万円→239億8,400万円と増えているにもかかわらず、営業利益はピークの2024年3月期24億7,300万円から2期連続で減り、直近は約3割の水準まで落ちています。売上は伸びたのに利益が落ちた=収益性が悪化したという読み方になります。
ただし、ここで注意が必要なのは最終利益は落ちていないという点です。2026年3月期の経常利益は20億8,500万円、当期純利益は20億6,900万円で、営業利益7億5,000万円を大きく上回っています。営業外損益(持分法投資損益・為替・受取配当等)と特別損益によって最終利益が確保されている形であり、「当期純利益20億円」という数字だけを見て本業が好調だと判断するのは誤りです。転職検討者が業績を見るときは、営業利益と最終利益のどちらの話をしているのかを必ず区別してください。
また同社は2025年11月6日に「業績予想の修正に関するお知らせ」と「特別損失の計上及び特別利益の計上見込みに関するお知らせ」を同日開示しています。本記事では当該開示の詳細な損失区分・金額までは把握していないため、内容の評価は行いません。面接前に業績の背景を正確に押さえたい場合は、公式IRページの適時開示一覧から当該PDFを直接読むことをおすすめします。
三共生興の平均年収675万円は「誰の年収」か|単体92名と臨時雇用425名の断層
年収については、有報の675万円をそのまま自分に当てはめないことが最重要です。この会社は雇用構造が特殊で、同じ「三共生興」という名前でも、入る入口によって想定年収がまったく違います。順に整理します。
1. 公式の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
2026年3月期の有価証券報告書によると、提出会社(三共生興株式会社単体)の平均年間給与は約675万円、平均年齢36.9歳、平均勤続年数11.8年です(いずれも公式情報)。
この3つの数字の組み合わせには意味があります。平均年齢36.9歳に対して平均勤続年数11.8年ということは、単純計算で平均入社年齢は25歳前後です。新卒または20代前半で入社し、そのまま長く在籍している層が中核を占める組織と推定されます。中途採用で30代後半に入社する人にとっては、周囲が同年代でも社歴10年以上という環境になりやすく、社内の人的ネットワークやブランド知識の蓄積で差がある状態からのスタートになる可能性があります。
2. 675万円が「92名の平均」であることの意味
ここが本記事で最も強調したい論点です。675万円の算定対象は提出会社単体の従業員92名であり、次の人たちは含まれていません。
- 連結ベースの従業員247名のうち、単体92名を除く約155名(子会社所属)
- 単体の臨時従業員63名
- 連結の臨時従業員425名(主に店頭販売スタッフとみられます)
連結の正社員247名に対して臨時従業員が425名と、臨時雇用のほうが正社員より多い雇用構造になっています。一方で有報の平均給与が対象にしているのは、本社の商社機能・管理部門を中心とする92名だけです。つまり675万円は「三共生興グループで働く人の平均年収」ではなく、本社中枢92名の平均年収だと理解する必要があります。店頭販売職や子会社ポジションでの応募を検討している場合、この数字を待遇の目安にすることはできません。
3. 口コミベース448万円との「227万円の差」の正体
OpenWorkに掲載されている回答者ベースの平均年収は448万円(正社員14名の回答、レンジ200万〜712万円)です。有報の675万円との差は227万円あります。
この差をどう解釈するかですが、口コミ傾向として見えるレンジの上限712万円は有報の平均675万円とほぼ整合しており、下限200万円台の回答が平均を引き下げている構造がうかがえます。推定情報として整理すると、以下の要因が重なっていると考えられます。
- 回答者に、単体92名以外(子会社所属・販売職・若手層)が含まれている可能性
- 回答母数が正社員14名と極めて少なく、1件の回答が平均を大きく動かすこと
- 回答時点が最新期とは限らず、複数年にまたがっていること
いずれにせよ、「有報675万円」と「口コミ448万円」はどちらかが誤りなのではなく、対象母集団が違うだけと読むのが妥当です。448万円という数字だけを見て待遇が悪いと結論づけることも、675万円が自分にも保証されると考えることも、どちらも実態を外します。

結局、自分の場合はいくらを想定しておけばいいの?
目安の考え方はこうです。公式採用サイトによると新卒初任給は総合職240,000円・エリア職200,000円で、この時点で年収ベースの差が生まれます。推定情報としては、本社総合職ルートで長く在籍した場合は有報の675万円が現実的な中央帯の目安、エリア職・販売職・子会社ルートではそれを下回るレンジが目安になる可能性が高い、という整理になります。
そのうえで、面接・内定前に確認すべき年収まわりのポイントを挙げます。数字の背景が複雑な会社ほど、確認項目は具体化しておくべきです。
- 雇用元はどの法人か:三共生興株式会社本体か、三共生興ファッションサービス株式会社などの子会社か
- 職掌区分:総合職とエリア職のどちらか、区分間の転換制度があるか
- 賞与の算定根拠:全社業績連動か、セグメント業績連動か(営業利益が変動しやすいため影響が出やすい)
- 勤務地:東京・大阪の2拠点体制で、転居を伴う異動がどう扱われるか
- 提示額の内訳:みなし残業の有無と時間数、固定的手当の内訳
三共生興の口コミ評価の読み方|働き方は悪くない、育成評価は最低スコア
口コミデータは、良い悪いの総論ではなく項目ごとのばらつきを見ると実像が掴めます。同社のOpenWorkの総合評価は2.59/5.0(口コミ145件、スコア回答者28名)ですが、この総合点だけでは判断材料になりません。
項目別スコアは「働き方は高め・育成は最低」に割れている
OpenWorkの項目別スコアは次の順です(口コミ傾向/5点満点)。
- 法令順守意識:3.0(最高)
- 待遇面の満足度:2.7/社員の士気:2.7
- 風通しの良さ:2.6/社員の相互尊重:2.6
- 20代成長環境:2.5
- 人事評価の適正感:2.4
- 人材の長期育成:2.1(最低)
最高の法令順守意識3.0と最低の人材の長期育成2.1の差は0.9ポイントで、8項目の中では明確な開きです。口コミ傾向として読み取れるのは、「ルールや労務管理の面ではきちんとしている一方で、育成の仕組みとキャリア形成の納得感には不満が集まっている」という二極構造です。老舗の商社型組織で、個人の裁量に任せて仕事を覚えていくスタイルの企業に出やすいパターンといえます。
残業月20.2時間・有給消化率51.2%をどう評価するか
同じくOpenWorkの回答ベースでは、月間残業時間は20.2時間、有給消化率は51.2%です(口コミ傾向)。月20時間台の残業は、アパレル・繊維商社という業種の中では抑えられている水準です。プライベートの時間を確保しながら働きたい人にとっては、この点は評価できる材料になります。
一方、有給消化率51.2%は、付与日数の半分程度しか消化されていないことを意味します。人員が単体92名と少ないため、1人が担当する領域が広く、休みを取りにくい局面が生じやすい可能性があります(推定情報)。面接では、部署単位の有給取得実績や、担当者不在時のバックアップ体制を具体的に確認しておくとミスマッチを避けやすくなります。
母数が少ないことを前提に読む
重要な留保として、この会社は口コミの母数が小さい企業です。総口コミ件数は145件ありますが、スコア算出の回答者は28名、年収回答は正社員14名にとどまります。単体92名・連結247名という規模を考えれば当然ですが、統計的な信頼性は限定的で、数名の投稿が全体の印象を左右します。なお、エン カイシャの評判・転職会議については、本記事の調査時点で該当企業ページを特定できていません。
したがって、スコアの小数点差を深追いするより、「どういうテーマに不満が集まっているか」という傾向だけを拾い、実際の確認は面接・面談で行うのが現実的な使い方です。
応募先を間違えない|三共生興株式会社と子会社の違い
三共生興を検索すると「三共生興ファッションサービス株式会社」「三共生興アパレルファッション株式会社」という社名が並んで出てきます。求人検索の一部はこの子会社側に向いており、どの法人に応募しているのかを取り違えると、待遇の前提が変わります。
整理すると次の通りです(公式情報および推定情報を分けて記載します)。
- 三共生興株式会社(8018):東証スタンダード市場に上場する本体。単体従業員92名。有報の平均年間給与675万円はこの法人の値です(公式情報)
- 三共生興ファッションサービス株式会社/三共生興アパレルファッション株式会社:グループ会社。連結従業員247名・臨時従業員425名の相当部分がこれらグループ側に属するとみられます(推定情報)
公式採用サイトによると、新卒採用は三共生興株式会社と三共生興ファッションサービス株式会社の2社が対象で、エントリーシート提出時に会社・職種を併願できる形式になっています。つまり同社は最初から「本体か子会社か」を選ぶ設計を採用しており、応募者側もその違いを理解している前提で選考が進みます。面接では「どちらの法人での採用か」「入社後に法人間の異動があり得るか」を明確に確認してください。
なお、店頭販売スタッフの募集はブランド単位・店舗単位で行われることが一般的です。有価証券報告書には正社員と臨時従業員の人数は開示されていますが、職種別・法人別の給与内訳は開示されていません。そのため職種別の待遇は、求人票と労働条件通知書で個別に確認する必要があります。
三共生興の就職難易度・採用大学について分かっていること
採用規模の観点だけを事実で押さえます。公式採用サイトによると、新卒の募集人数は約10名、勤務地は東京・大阪、初任給は総合職240,000円・エリア職200,000円です。中途採用は通年で実施されており、履歴書・職務経歴書を人事採用担当宛に送付する形式が案内されています。
採用大学の実績一覧や採用倍率は、有価証券報告書でも公式採用サイトでも開示されていません。したがって「学歴フィルターの有無」を事実として述べることはできません。分かるのは、年間約10名という募集枠に対して、DAKSという知名度の高いブランドを保有する企業であるため、アパレル志望者からの応募が集まりやすい構図であるという点までです(推定情報)。少数採用の企業では、学歴よりも「なぜこの規模のブランドオーナー企業なのか」を説明できるかが選考で問われやすくなると考えられます。中途採用についても、単体92名という組織規模上、欠員補充・特定領域の即戦力採用が中心になる可能性が高く、募集の有無自体がタイミングに左右されます。
三共生興の将来性|利益の柱・財務・資本構造の3点から評価する
将来性については「成長が期待されます」といった一般論ではなく、確認できる数字と構造から評価します。結論としては、財務の厚みは同規模企業の中でも際立っている一方、本業の収益力は直近で明確に落ちているという、強みと課題がはっきり分かれた状態です。
財務は厚い|自己資本比率71.0%・PBR0.52倍
自己資本比率は71.0%で、借入に依存しない財務体質です。市場評価としては、2026年9月7日時点で時価総額387億7,800万円、PBR0.52倍、配当利回り3.20%(会社予想)という水準にあります。PBRが1倍を下回っているということは、市場が同社の純資産を額面通りには評価していないことを意味します。
転職検討者にとっての含意は二つあります。実利面では、財務が厚い会社は短期的な業績変動で雇用や賞与原資が急激に痛みにくいという安心材料になります。一方で、PBR0.52倍という評価は、市場が「保有資産を使って十分な利益を生めていない」と見ていることの裏返しでもあり、資本効率の改善が経営課題として継続的に問われる状況といえます(推定情報)。実際、同社は自己株式取得を継続実施しており、2025年2月には中間配当制度を導入しています。
資本構造は創業家系財団が25%超を保有
大株主構成は特徴的です。筆頭株主は公益財団法人三木瀧蔵奨学財団で20.4%、第5位に一般財団法人サンライズ財団4.78%が入り、創業家系の財団が合計25%超を保有しています。加えてNORTHERN TRUST系6.56%、HSBC PRIVATE BANK(SUISSE)5.18%と海外系カストディアンが上位に並び、親会社は存在しない独立系です。
この構造は、安定株主が厚く、短期的な経営方針の急転換が起きにくいという意味では従業員にとって予見可能性の高い環境です。他方、少数株主やガバナンスの観点では論点になり得る構成でもあります。なお、TOB・非公開化に向けた動きは本記事の調査時点では見当たりません。同社は2022年4月の市場区分再編において、プライムではなくスタンダード市場を選択しており、この点も「規模拡大より安定を志向する経営スタンス」を示す材料と読めます(推定情報)。
直近2年は組織再編が続いている
入社後の環境に直結する事実として、直近の組織変動を挙げておきます。2025年1月に連結子会社の吸収合併、2025年3月に機構改革と取締役異動、2025年6月に台湾現地法人の設立、そして2026年に社長交代と、2年間で組織・経営体制の変更が続いています。
単体92名の組織でこれだけの再編が続くということは、入社後の配属部署や担当領域が動く可能性が相対的に高いことを意味します(推定情報)。「入口の職種でキャリアを固定したい人」にとっては不確実性ですが、「小さい組織で幅広い領域に関わりたい人」にとっては機会にもなります。面接では、直近の機構改革によって応募ポジションの位置づけがどう変わったのかを確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。
同じ3月期決算の繊維系商社4社との数値比較
同業比較は「アパレル業界全体」ではなく、三共生興と同じく東証に上場し、2026年3月期決算で、繊維・アパレル領域を持つ中堅商社に絞ると意味が出ます。以下は各社の有価証券報告書・決算数値にもとづく公式情報の比較です。平均年間給与はいずれも提出会社(単体)の値である点にご注意ください。
| 企業名(コード・市場) | 売上高(連結) | 営業利益(連結) | 平均年間給与(単体) | 単体従業員数 | 事業モデルの特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三共生興(8018・スタンダード) | 239億8,400万円(▲2.5%) | 7億5,000万円(▲57.5%) | 約675万円 | 92名 | 海外ブランドを保有するライセンサー+繊維OEM+不動産賃貸 |
| 蝶理(8014・プライム) | 2,993億円(▲3.9%) | 130億5,600万円(▲9.9%) | 約1,036万円 | 391名 | 東レが議決権52.41%を持つ上場子会社。繊維+化学品の専門商社 |
| 高島(8007・プライム) | 906億円(▲4.1%) | 21億200万円 | 約840万円 | 220名 | 建材・産業資材を軸とする独立系専門商社 |
| ツカモトコーポレーション(8025・スタンダード) | 101億700万円(+4.4%) | 1,700万円 | 約575万円 | 117名 | 創業1812年の繊維系。直近2期の営業赤字から黒字回復 |
この4社を並べると、三共生興の位置づけがはっきりします。売上規模は蝶理の約12分の1、高島の約4分の1で、4社中では下から2番目。平均年間給与675万円も蝶理1,036万円・高島840万円を下回り、ツカモト575万円を上回る水準です。単体従業員92名は4社中最少で、組織のコンパクトさは際立っています。
一方で、営業利益率で見ると三共生興は3.1%、蝶理4.4%、高島2.3%、ツカモト0.2%となり、直近の大幅減益を経てもなお中位です。加えて三共生興だけが「海外ブランドを自社で保有する」という収益源を持ち、かつ不動産賃貸という商社機能以外の利益柱を持っています。年収水準で選ぶなら蝶理・高島が上位ですが、事業の独自性とワークライフバランス(残業月20時間台)を重視するなら三共生興を選ぶ理由が成立する、という整理になります(推定情報)。
三共生興への転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| ブランドを「資産として運用する」側の経験を積みたい人 | 大手アパレルの規模・予算・ブランド数を前提に働きたい人 |
| 残業月20時間台の環境で腰を据えて長く働きたい人 | 短期間で年収を大きく引き上げたい人 |
| 少人数組織で職域を限定せず幅広く動ける人 | 手厚い研修・体系的な育成プログラムを求める人 |
| 財務が厚く安定株主構成の企業に安心感を覚える人 | 成長投資を積極展開する企業でスピード感を求める人 |
| アパレルだけでなく不動産・管理領域にも関心が持てる人 | 入社時の配属・担当領域を固定したい人 |
特に重要なのは3行目です。口コミ傾向で「人材の長期育成」2.1が最低スコアである以上、育成の仕組みに期待して入社するとギャップが生じる可能性が高いと考えられます。逆に、自分で仕事を取りにいけるタイプであれば、単体92名という規模は経営陣との距離が近く、若いうちから裁量を得やすい環境になり得ます。
三共生興への転職|編集部の見解
編集部の見解として、三共生興は「年収の絶対額」で選ぶ会社ではなく、「事業の独自性と働き方の安定」で選ぶ会社だと考えられます。
プラス面は明確です。DAKS・LEONARDというブランドを保有するライセンサーというポジションは国内では希少で、この経験は他社で代替しにくい専門性になります。自己資本比率71.0%という財務、残業月20時間台という働き方、平均勤続11.8年という定着実績も、腰を据えて働きたい人には合理的な選択肢です。
一方で、慎重に見るべき点も同じくらい明確です。第一に、2026年3月期の営業利益▲57.5%とファッション関連事業の▲76%は無視できない変化で、主力事業の収益力が問われる局面にあります。第二に、育成・評価の納得感が口コミで最も低い項目であり、キャリア形成を会社任せにできる環境ではないとみられます。第三に、有報675万円は単体92名の数字であり、応募する法人・職掌によって現実的な想定年収は変わります。
総合すると、「ブランド事業の当事者になりたい」「働き方の安定を優先したい」という人にはおすすめできる一方、「体系的な育成」「短期の年収アップ」「大規模組織でのキャリア形成」を求める人には別の選択肢を並行検討することをすすめます。判断の前に、雇用元の法人・職掌区分・賞与の算定根拠の3点だけは必ず確認してください。
三共生興に関するよくある質問
検索されている疑問のうち、転職・就職の判断に関係するものに絞って回答します。
三共生興はなんと読む会社ですか?
「さんきょうせいこう」と読みます。英文社名はSANKYO SEIKO CO.,LTD.です。1920年に横浜で創業した「三木商店」を起源とし、1923年の関東大震災で店舗を焼失した後に神戸へ移転して「三共商会」として再編、1938年に株式会社として設立され、1944年に現在の「三共生興株式会社」へ商号変更しています(公式情報/公式サイト沿革による)。
三共生興は何をしている会社ですか?
有価証券報告書上の事業目的は「各種繊維製品の企画、生産、販売、海外ブランド商品の輸入販売及びライセンスビジネスを主たる事業とするほか、不動産賃貸事業、ビルメンテナンス事業等」です。報告セグメントはファッション関連事業・繊維関連事業・不動産関連事業の3つで、売上の主役はファッション関連(112億円)、営業利益の主役は不動産関連(7億4,400万円)という構造になっています(公式情報)。
DAKS(ダックス)と三共生興はどういう関係ですか?
三共生興は1991年に英国のDAKS Simpson Group PLCを買収しており、DAKSブランドを保有する側の企業です。ライセンスを借りて商品を作る立場ではなく、ブランドオーナーとしてライセンス収入を得るモデルである点が、他の国内アパレル企業との最大の違いです。2022年にはフランスのLEONARD FASHION SASも取得しています(公式情報)。
三共生興と三共生興ファッションサービスはどちらに応募すべきですか?
目的によります。公式採用サイトによると新卒採用は両社が対象で併願可能です。有報の平均年間給与675万円は三共生興株式会社(本体・単体92名)の値であり、子会社の給与実態を示す数字ではありません。商社機能・ブランド管理・管理部門を志向するなら本体、販売・サービス領域を志向するなら子会社という整理になります(推定情報)。いずれの場合も、雇用元の法人名を選考の早い段階で確認してください。
勤務地はどこになりますか?転勤はありますか?
公式採用サイトによると、勤務地は東京・大阪です。本社は2015年に神戸市から大阪市中央区安土町へ移転しています。総合職とエリア職で職掌が分かれており、転居を伴う異動の扱いは区分によって異なるとみられます(推定情報)。具体的な転勤条件は有価証券報告書では開示されていないため、労働条件通知書で個別に確認する必要があります。
中途採用は行っていますか?
公式採用サイトでは中途採用を通年で実施しており、履歴書・職務経歴書を人事採用担当宛に送付する形式が案内されています。ただし単体92名という組織規模上、常時多数のポジションが開いている企業ではないと考えられます(推定情報)。募集の有無はタイミングに左右されるため、公式採用ページを定期的に確認するか、転職エージェント経由で非公開求人の有無を確認する方法が現実的です。
三共生興への転職判断まとめ
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして公式IRの原本で必ず確認してください。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報675万円は単体92名の平均。応募する法人・職掌で想定は変わる(公式情報+推定情報) |
| 働き方 | 残業月20.2時間と抑えめ。有給消化率51.2%は改善余地(口コミ傾向) |
| 育成・評価 | 人材の長期育成2.1・人事評価の適正感2.4が最低水準。自走型の人に向く(口コミ傾向) |
| 事業の独自性 | DAKS・LEONARDを保有するライセンサー。国内では希少なポジション(公式情報) |
| 収益構造 | 営業利益7.5億円のうち7.44億円が不動産関連。本業の収益力は直近で低下(公式情報) |
| 財務安定性 | 自己資本比率71.0%。短期の業績変動に耐える体力はある(公式情報) |
| 組織の安定度 | 2年間で子会社合併・機構改革・海外法人設立・社長交代。配属は動きやすい(公式情報+推定情報) |
| 採用規模 | 新卒約10名。採用大学・倍率は有価証券報告書でも公式でも開示されていない |
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本記事の出典・参考情報
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口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは2026年3月期の有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として扱い、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。なお当該データは有報XBRLを転載するIRデータベース経由で取得したものであり、有報PDF原本の直接目視は行っていない点を情報確認方針として明記します。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
