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北越コーポレーションの評判と年収633万円|減益61.8%でも自己資本59.9%

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 業績:第188期は営業利益61.8%減。ただし8期連続で黒字
  • 財務:自己資本比率59.9%。GC注記の記載もなし
  • 年収:有報の平均年間給与633万1千円。単体1,479名ベース
  • 働き方:残業は月16.5時間と少なく、評価制度への不満が中心

北越コーポレーション株式会社(証券コード3865・東京証券取引所プライム市場)は、1907年に新潟県長岡市で創業した紙パルプ専業の総合製紙メーカーです。旧社名は「北越製紙」、そして2009年10月から2018年6月までは「北越紀州製紙」で、いまも求人媒体の多くが「旧社名:北越紀州製紙」と併記しています。そのため「北越紀州製紙 年収」「北越紀州製紙 評判」で調べてこのページにたどり着いた方も、同じ会社の情報として読み進めていただいて問題ありません。この記事では、公式情報として第188期(2026年3月期)有価証券報告書の実額を軸に置き、そこに口コミ傾向と推定情報を明確に分けて重ねながら、「この会社に入って後悔しないか」を判断するための材料を整理します。

北越コーポレーションの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、この記事で扱う数字の土台を一覧にします。すべて第188期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書および決算短信の実額で、推定値は含みません。公式情報として扱える範囲を先に確認しておくと、後半の口コミ情報との切り分けが容易になります。

項目内容
商号北越コーポレーション株式会社(旧社名:北越製紙/北越紀州製紙)
証券コード・上場区分3865/東京証券取引所プライム市場(業種:パルプ・紙)
創業・設立1907年4月創業(同年5月9日設立登記)・新潟県長岡市
本店・本社登記上の本店=新潟県長岡市西蔵王三丁目5番1号/実務上の本社・連絡場所=東京都中央区日本橋本石町三丁目2番2号
平均年間給与約633万1千円(6,331千円・前事業年度比+3.3%/提出会社1,479名ベース)
平均年齢45歳8ヶ月(提出会社・2026年3月31日現在)
平均勤続年数22年5ヶ月(提出会社・2026年3月31日現在)
従業員数連結3,728名/提出会社(単体)1,479名
売上高連結2,877億3,600万円(前期比5.9%減)
営業利益連結75億3,900万円(前期比61.8%減)
経常利益/当期純利益112億7,100万円(39.9%減)/72億9,900万円(53.0%減)
自己資本比率・ROE59.9%(前期63.3%)/ROE2.8%
資本金・発行済株式420億2,094万円/163,053,114株
企業集団当社+子会社22社+関連会社6社(親会社なし・独立系)
出典第188期 有価証券報告書(2026年6月25日提出・EDINETコードE00645)/2026年3月期決算短信/公式IR

「潰れる」と検索される北越コーポレーション|第188期の数字で見る実像

社名と一緒に「潰れる」という語が検索候補に並ぶことがあります。結論から言うと、公式情報で確認できる範囲では、直近8期(2019年3月期以降)に営業赤字・最終赤字の期は一度もなく、第188期の有価証券報告書および監査報告書に継続企業の前提(GC)に関する注記は記載されていません。同時に、第188期が大幅減益だったことも事実です。ここでは「減益は事実、ただし財務は厚い」という二面を数字で並べます。

売上5期推移と、営業利益61.8%減という事実

有価証券報告書によると、連結売上高の5期推移は次のとおりです。数量ではなく市況と価格改定に業績が左右される装置産業らしく、上下動があります。

  • 2022年3月期:2,616億円
  • 2023年3月期:3,012億円
  • 2024年3月期:2,971億円
  • 2025年3月期:3,057億円
  • 2026年3月期(第188期):2,877億円(前期比5.9%減)

直近期の利益は、連結営業利益75億3,900万円(前期比61.8%減)、経常利益112億7,100万円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益72億9,900万円(同53.0%減)。減益の要因として有価証券報告書に挙げられているのは、世界的なパルプ市況の軟化、国内洋紙の内需減退の継続、輸出市況の軟化による販売数量の減少の3点で、減損損失202百万円も計上されています。営業利益率は2.6%まで低下しました。

注目したいのは、営業利益が61.8%減なのに経常利益は39.9%減にとどまっている点です。営業外の収益が下支えしているためで、推定情報としては、本業の稼ぐ力の低下幅が経常段階の数字よりも大きいことを意味します。転職検討者が業績を見るときは、経常や純利益ではなく営業利益とセグメント利益を見るほうが現場の景色に近いと考えられます。

セグメント別に見ると、稼ぎ頭は依然として紙パルプ事業

第188期のセグメント別の内訳は以下のとおりです(公式情報)。

  • 紙パルプ事業:売上2,613億8,400万円/セグメント利益59億6,300万円
  • パッケージング・紙加工事業:売上174億3,700万円/セグメント利益5億5,800万円
  • その他(木材・建設・運送倉庫・古紙卸):売上89億1,400万円/セグメント利益6億4,700万円

売上の約91%が紙パルプ事業に集中しており、良くも悪くも「紙とパルプの市況がそのまま処遇に響く会社」です。大王製紙や日本製紙のように衛生用紙・ホーム&パーソナルケアという内需の緩衝材を持たない構造は、転職判断上おさえておくべき特徴と言えます。日本製紙連合会の2026年内需見通しでは衛生用紙が210万トンと3年連続の高水準を保つ一方、印刷情報用紙などのグラフィック用紙は592.4万トン(前年比6.8%減)と縮小が続く見通しで、北越コーポレーションの主戦場は後者に重心があります。

財務の厚み──自己資本比率59.9%という業界随一の水準

一方で、バランスシートは製紙業界のなかで際立って堅牢です。第188期末の自己資本比率は59.9%(前期63.3%)、総資産4,205億7,400万円、純資産2,527億4,700万円。同じ紙パルプ大手の王子ホールディングスが41.0%、日本製紙が29.2%であることを踏まえると、財務の安全余裕は明確に高い水準にあります。2026年3月26日には自己株式25,000千株の消却も実施しました。

2027年3月期の会社予想は売上高3,050億円・当期純利益50億円。売上は増収を見込む一方で純利益は第188期の72億9,900万円から減る計画であり、推定情報としては、価格改定とコスト構造の改善が浸透するまでにもう一段の時間を要すると会社側が見ている可能性があります。まとめると、「稼ぐ力は明確に落ちているが、財務の耐久力は業界で最も高い部類」というのが第188期時点の姿です。賞与や昇給の伸びしろという観点では前者を、雇用の安定という観点では後者を見ることになります。

北越コーポレーションの年収633万円の中身|有報3期推移と単体1,479名という前提

年収について最初に押さえるべきは、公表されている平均額そのものより「誰の平均か」です。ここを取り違えると、入社後の実感と大きくずれます。

公式の平均年間給与は633万1千円、3期で74万円の増加

有価証券報告書によると、第188期の提出会社の平均年間給与は6,331千円(約633万1千円)で、前事業年度比+3.3%。賞与および基準外賃金を含む金額です。有報値の3期推移は次のとおりで、2期連続の大幅増となっています。

  • 2024年3月期:約559万円
  • 2025年3月期:約612万円(前期比+約53万円)
  • 2026年3月期:約633万円(前期比+約21万円)

2期で約74万円の上昇は、装置産業の中では大きい部類です。同期間に営業利益が大きく落ち込んでいることを考えると、推定情報としては、業績連動の賞与だけでなくベースアップや制度改定が寄与している可能性が高いと考えられます。転職時には、この633万円がどの年齢・等級の中央値なのかではなく「平均」であることを念頭に、提示額を確認するのが現実的です。

平均年齢45歳8ヶ月・平均勤続22年5ヶ月が意味すること

同じ有価証券報告書には、平均年齢45歳8ヶ月、平均勤続年数22年5ヶ月と記載されています(いずれも2026年3月31日現在・提出会社)。平均勤続は2017年3月期の18.08年から一貫して伸び、平均年齢は10年前(2016年3月期43.0歳)比で約2.7歳上がりました。

この2つの数字は、633万円という平均額の解釈を大きく変えます。平均年齢45歳8ヶ月の集団の平均が633万円ということは、20代・30代前半の水準はこれより低く、40代後半以降が平均を押し上げている構造であると推定情報として読めます。裏を返せば、長く在籍するほど積み上がる設計であり、勤続22年5ヶ月という数字はその設計が実際に機能している証拠でもあります。

633万円は「単体1,479名」の数字であり、連結3,728名の平均ではない

ここが最も誤解されやすい点です。有価証券報告書の平均年間給与は提出会社(北越コーポレーション単体)1,479名を対象にした数字で、連結3,728名の平均ではありません。差の2,249名は子会社に所属しており、内訳には北越ペーパーテック新潟289名、北越パッケージ関東工場233名、北越物流150名、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries 404名などが含まれます。

つまり、応募先が本体の正社員採用なのか、生産子会社・物流子会社の採用なのかで、参照すべき水準が変わります。推定情報として、子会社・現業職の処遇は単体平均と乖離する可能性が高いため、求人票の雇用主名(「北越コーポレーション株式会社」か子会社名か)を必ず確認してください。なお口コミ傾向としては、工場の交代勤務では手当込みの月収が30万円前後という投稿がOpenWorkや転職会議に見られます。会社発信の採用情報ベースでは賞与年5.12ヶ月(前年実績)、昇給月額16,000円(前年実績)、育児手当・住宅手当・寮ありといった記載もありますが、これは有価証券報告書の一次情報ではないため、内定時の労働条件通知書で確認するのが確実です。

事業所別の従業員数で見る勤務地|新潟520名・紀州266名という実際の配置

北越コーポレーションを検索する人が最も多く併記するのは、実は「評判」でも「年収」でもなく工場名です。紀州工場・新潟工場・長岡工場・市川工場といった勤務地名が上位に並びます。これは、この会社の実際の職場が工場にあることの裏返しです。

単体1,479名の事業所別内訳

有価証券報告書には、提出会社1,479名の事業所別の従業員数が開示されています(公式情報・2026年3月31日現在)。

事業所所在従業員数
新潟工場新潟県新潟市520名
紀州工場三重県/和歌山県境の紀伊半島南部266名
長岡工場新潟県長岡市215名
関東工場(勝田)茨城県ひたちなか市113名
関東工場(市川)千葉県市川市89名
大阪工場大阪府44名
研究所—33名
本社その他東京都中央区ほか199名

合計1,479名のうち、工場勤務が1,247名。単体従業員の約84%が工場に所属している計算になります。とくに新潟工場520名は単体の3分の1超を占め、長岡工場215名と合わせると新潟県内だけで735名。「東京本社の会社」というイメージと、実際の職場分布は大きく異なります。紀州工場についても、第188期の有価証券報告書に266名の在籍が記載されており、大阪工場44名の6倍規模の事業所です。

登記上の本店は長岡市、実務上の本社は東京都中央区

本社所在地は少し複雑です。有価証券報告書には登記上の本店として新潟県長岡市西蔵王三丁目5番1号が記載され、同時に「同所は登記上の本店であり、実際の業務は下記で実施している」と明記されています。実務上の本社・最寄りの連絡場所は東京都中央区日本橋本石町三丁目2番2号です。

転職検討時の実務的な意味は明確です。管理部門・営業・企画系であれば東京勤務の可能性がありますが、その定員は本社その他199名という枠内にあります。一方、製造・設備保全・生産技術といった技術系職種は、新潟・紀州・長岡・関東・大阪のいずれかが基本となる推定情報です。装置産業の常として交代勤務と工場間異動の可能性があるため、家族の生活設計と両立できるかは選考段階で確認しておきたい論点です。

口コミ傾向から見る北越コーポレーションの働き方|残業16.5時間と年功序列の表裏

ここからは口コミ傾向です。断定ではなく、複数媒体に共通して現れる傾向としてお読みください。母数はOpenWork46件、転職会議106件、就活会議102件、Yahoo!しごとカタログ66件で、傾向をつかむには十分な規模があります。

スコアの偏りが示す「何に満足し、何に不満なのか」

OpenWorkの総合評価は2.83。項目別に見ると、評価の高低がはっきり分かれるのが特徴です。

  • 高い項目:法令順守意識 3.7(突出して高い)
  • 低い項目:人材の長期育成 2.2/人事評価の適正感 2.5/待遇面の満足度 2.6/社員の士気 2.6
  • 働き方の実数値:残業時間 月16.5時間/有給消化率 59.7%

キャリコネでは給与満足度1.8、ホワイト度1.7と厳しめのスコアが出ています。ここから読み取れるのは、「コンプライアンスと労働時間には問題を感じていないが、評価と処遇の納得感に不満が集まっている」という構図です。月16.5時間という残業水準は製造業のなかでも相当に少なく、長時間労働を理由とした不満はほとんど見られません。

頻出する5つの声

複数媒体で繰り返し現れる傾向は、次の5つに整理できます。

  • 評価制度:年功序列・年齢給が強く「何もしなくても上がるが、頑張っても上がらない」という趣旨の投稿が目立ちます
  • 工場交代勤務の月収:手当込みで30万円前後という報告があります
  • 年間休日:クチコミによれば、社内カレンダーによる年間休日は100〜104日程度で、まとまった連休が取りにくいという不満があります。一方で始業終業時刻は明確という肯定的評価と表裏一体です
  • 技術的な強み:機能紙など他社にない製品を持つ点は評価される一方、制度面が大手他社に比べて後手という指摘があります
  • 業務量:人員減による一人当たり業務量の増加、休日出勤・呼び出しへの不満が挙がっています

有報の数字と口コミが一致している、珍しいケース

この会社の口コミが信頼に足ると考えられるのは、公式情報と口コミ傾向が矛盾していないためです。平均勤続22年5ヶ月・平均年齢45歳8ヶ月という有価証券報告書の数値は、「年功序列で長く勤める人が多い」という口コミ像とそのまま整合します。人材の長期育成2.2という低スコアも、平均勤続が伸び続けている事実と組み合わせると、「育てて引き上げる仕組みが弱いまま、在籍年数だけが延びている」という推定情報として読めます。

また、有価証券報告書の人的資本開示では、管理職に占める女性比率1.2%、男性育休取得率50.0%、男女賃金差異は全労働者で64.5%(正規雇用64.9%/パート・有期90.4%)と開示されています。交代勤務中心の装置産業という職場構造が、そのまま数字に表れていると言えます。

求職者
求職者

残業が少ないのに満足度が低いのは、なぜですか?

時間ではなく納得感に不満が集まっているためと考えられます。残業16.5時間・有給消化率59.7%という数字は、労働時間の面では良好な部類です。不満の中心は「評価が処遇に反映されにくい」「年間休日が少ない」といった制度面にあり、時間の長短とは別軸の課題として現れています。成果で早く処遇を上げたい人にとっては、この点が最大の判断材料になります。

大王製紙が筆頭株主に|北越コーポレーションの資本関係の現在地

この会社を語るうえで避けて通れないのが、株主構成の変化です。転職先として見るとき、資本の動きは中期的な事業方針や組織に影響しうるため、事実関係だけを時系列で整理しておきます。

2006年の敵対的TOBから2026年の資本再編まで

時系列は次のとおりです(いずれも公表資料に基づく事実)。

  • 2006年:王子製紙による敵対的TOB(1株800円、8月1日開始)。応募が低調で8月29日に撤退。北越側は三菱商事への第三者割当増資で対抗した
  • 2023年:大王海運・川崎紙運輸・美須賀海運による株式買集めに対し、対象を限定した買収防衛策を導入
  • 2024年:オアシスと大王海運から株主提案(社長解任議案を含む)が提出され、会社は反対を表明
  • 2024年5月:大王製紙と戦略的業務提携を締結
  • 2025年6月27日:定時株主総会で従来の対象限定型防衛策を廃止し、対象者を限定しない事前警告型の買収対応方針(2028年3月期の定時株主総会まで)を承認
  • 2026年3月:大王製紙が北越コーポレーション株の17.51%を取得し、筆頭株主となる
  • 2026年3月26日:自己株式25,000千株を消却

「誰が誰の株を持っているか」を混同しない

ニュースを追っていると混乱しやすい部分なので、方向を明示します。

  • 大王製紙が、北越コーポレーションの株式17.51%(27,932千株)を保有し、2026年3月31日現在の筆頭株主となっています(有価証券報告書「大株主の状況」)
  • 逆方向として、北越コーポレーションが保有していた大王製紙株は、2026年3月31日基準で持分法適用の範囲から除外され、相互の議決権を20%未満、中期的には5〜10%へ引き下げる方針が示されています

その他の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)7.60%、第四北越銀行5.22%、北越コーポレーション持株会4.51%、日本カストディ銀行3.80%、OASIS JAPAN STRATEGIC FUND LTD. 3.52%と続き、上位10名で50.91%。オアシス・マネジメントは大量保有報告書ベースで4.80%(2026年3月23日現在)を保有しています。親会社は存在せず、資本上は独立系です。

転職判断への影響を推定情報として述べると、業界再編や経営統合の可能性は誰にも断定できませんが、資本の変動が現場の方針や組織に及ぶ可能性はあるという中立的な理解にとどめるのが妥当です。少なくとも、面接では中期経営計画と事業ポートフォリオの方向性について自分の言葉で質問できる状態にしておくと、入社後のギャップを減らせます。

製紙・パルプ9社比較|売上規模ではなく利益率と財務で見る立ち位置

同業比較は「売上の大きさ」で並べても転職判断には役立ちません。ここでは直近本決算の売上高・営業利益・営業利益率に加え、この業界の構造を理解するうえで欠かせない王子ホールディングスとの資本・取引関係を並べます(公式情報を基にした整理。最新値は各社IRで再確認してください)。

企業名売上高営業利益営業利益率王子HDとの関係
王子ホールディングス1兆8,617億円345.8億円1.9%本体
日本製紙1兆1,926億円252億円2.1%資本関係なし
大王製紙6,668億円240.3億円3.6%資本関係なし(北越の筆頭株主17.51%)
北越コーポレーション2,877億円75.4億円2.6%2006年の敵対的TOBを退けた経緯
三菱製紙1,574.6億円2.6億円0.2%王子HDの持分法適用会社(32.90%)
中越パルプ工業1,104億円27.4億円2.5%王子HDの持分法適用会社(21.91%・筆頭株主)
特種東海製紙954億円43.0億円4.5%資本関係なし
ニッポン高度紙工業186億円35.3億円19.0%最大顧客が王子エフテックス(連結売上の約64%)
岡山製紙112億円9.4億円8.4%王子HDが48.84%保有

この表から読み取れることは3つあります。

  • 規模と利益率は比例しない:売上1兆円超の王子HD(1.9%)・日本製紙(2.1%)より、北越コーポレーション(2.6%)のほうが営業利益率は高い。大幅減益の期でもなお、汎用紙中心の大手より上位に位置しています
  • 特化型のほうが利益率は高い:ニッポン高度紙工業19.0%、岡山製紙8.4%、特種東海製紙4.5%と、ニッチ特化型が上位を占めます。紙パルプ業界で高い利益率を狙うなら、規模より用途特化が効くという構図です
  • 財務では最上位:自己資本比率は北越コーポレーション59.9%に対し、王子HD41.0%、日本製紙29.2%。転職先の雇用安定性という観点では、この差は無視できません

加えて、この業界は資本関係が入り組んでいます。三菱製紙・中越パルプ工業・岡山製紙はいずれも王子HD系の資本が入っており、ニッポン高度紙工業は売上の約64%を王子エフテックス向けが占めます。そのなかで北越コーポレーションは親会社を持たない独立系であり続けている点が、キャリア上の意味を持ちます。推定情報としては、系列に属さない分だけ意思決定が自社完結しやすい一方、単独で市況変動を受け止める必要があるとも言えます。

北越コーポレーションの将来性|洋紙の構造縮小と、機能材・海外パルプという二本の柱

将来性を考えるとき、「紙は減るから厳しい」という一般論には意味がありません。重要なのは、減る市場のどこにいて、減らない領域をどれだけ持っているかです。

市場環境:内需は5年連続減、2,000万トン割れの見通し

日本製紙連合会の2026年紙・板紙内需見通しでは、国内需要は1,998.5万トン(前年比2.7%減)と5年連続の減少で、1988年の統計開始以来初めて2,000万トンを下回る見通しです。内訳では新聞・印刷情報用紙などのグラフィック用紙が592.4万トン(同6.8%減)と縮小が続く一方、段ボール原紙・紙器用板紙などのパッケージング用紙は1,196万トン(同1.0%減)と相対的に底堅く推移しています。北越コーポレーションの主力である印刷用紙・塗工紙はこの前者に属し、構造的な逆風のなかにあります。

業界全体では、2025年から2026年にかけて印刷・情報用紙や包装用紙の価格改定が連鎖的に実施されており、数量拡大ではなく採算重視へ軸足が移っています。推定情報として、社内で評価される仕事も「量を売る」から「価格と原価を管理する」方向へ移りつつあると考えられます。

逃げ道その1:機能材という「紙屋なのに素材メーカー」の顔

北越コーポレーションが持つ差別化資産は、汎用紙ではなく機能材にあります。有価証券報告書および公式サイトで確認できる主なものは次のとおりです。

  • チップキャリアテープ原紙(電子部品搬送用。AI関連・車載向けで数量が伸びている領域)
  • 逆浸透膜(RO膜)支持体(水処理用途)
  • ULPA/HEPA級の高性能エアフィルタ濾材
  • ノンフッ素耐油紙(食品包装の脱フッ素ニーズ対応)
  • 電波吸収体(JAXA宇宙探査イノベーションハブの研究提案に東北大学・タツタ電線と共同で採択、2026年度から本格研究)

研究開発費は連結904百万円(うち紙パルプ事業884百万円)と、売上規模に対して大きな額ではありません。ただし、これらの製品群は「紙の技術で素材市場に出ていく」性格を持ち、化学・材料系のバックグラウンドを持つ技術職にとっては、紙の縮小と直接連動しないキャリアの受け皿になり得ます。

逃げ道その2:カナダの自社パルプ工場と森林、海外売上比率34%

もう一つの資産が海外事業です。カナダ・アルバータ州のAlberta-Pacific Forest Industries(従業員404名)を全額出資子会社として持ち、州政府から約603万haの森林管理を受託しています。世界有数の広葉樹漂白クラフトパルプ工場であり、フランスでの紙パルプ、中国での紙加工と合わせ、海外売上比率は約34%(第188期)。地域別売上は日本1,887.69億円(65.6%)、アジア442.80億円、アメリカ345.76億円、その他201.10億円です。

日本の中堅製紙で自前の海外パルプ工場と森林管理権を持つ例は多くありません。推定情報として、駐在・海外子会社管理・原材料調達といった職種では、同規模の国内メーカーより広いキャリアの選択肢がある可能性があります。一方で、パルプ市況が直接業績に効く構造でもあり、第188期の減益要因の筆頭が世界的パルプ市況の軟化だったことは、この事業構造の裏返しでもあります。

中期経営計画「中期経営計画2030」では、事業ポートフォリオシフトの加速、競争力強化による優位性の確立、サステナビリティ経営による価値創造が基本方針として掲げられています。設備投資は第188期で194億6,500万円。装置産業として、更新投資と品種転換を継続できる財務体力を持っている点は、自己資本比率59.9%の裏づけと合わせて評価できる材料です。

北越コーポレーションへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年功型・低残業・高財務安全性という3点が、そのまま向き不向きの分かれ目になります。

向いている人向いていない人
腰を据えて長く働き、勤続とともに処遇が積み上がる設計を許容できる人成果を短期で処遇に反映させたい人。年功・年齢給の比重が高い点が不満になりやすい
残業時間の少なさ(月16.5時間)を最優先で重視する人年間休日の多さ・まとまった連休を重視する人(クチコミによれば年間休日100〜104日程度)
新潟・紀州・関東・大阪など工場勤務を前向きに受け入れられる人東京勤務にこだわる人。単体1,479名のうち本社その他は199名にとどまる
材料・化学系の知識を機能材(RO膜支持体・エアフィルタ濾材等)で生かしたい人BtoCの消費財マーケティングを志向する人。衛生用紙・H&PC事業を持たない
財務の安全性・雇用の安定を重視する人(自己資本比率59.9%)高成長・高ROEの環境を求める人(ROE2.8%)
海外パルプ・森林資源など上流のキャリアに関心がある人資本構成の変動に不安を感じやすい人。株主構成が近年大きく動いている

北越コーポレーションに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、公表資料で答えられるものを整理しました。開示のない項目は、その旨を明示しています。

北越コーポレーションの平均年収はいくらですか?

有価証券報告書によると、第188期(2026年3月期)の平均年間給与は約633万1千円で、前事業年度比+3.3%です。賞与および基準外賃金を含みます。ただしこれは提出会社(単体)1,479名の平均であり、連結3,728名の平均ではありません。3期推移は2024年3月期559万円→2025年3月期612万円→2026年3月期633万円と、2期連続で増加しています。

旧社名の「北越紀州製紙」とは同じ会社ですか?

同じ会社です。1907年創業時の商号は北越製紙株式会社で、2009年10月に紀州製紙を株式交換で完全子会社化した際に北越紀州製紙株式会社へ商号変更(2011年4月に同社を吸収合併)、2018年7月に現在の北越コーポレーション株式会社となりました。求人媒体では現在も「旧社名:北越紀州製紙」と併記されることが多く、旧社名で検索しても同一企業の情報にたどり着きます。

紀州工場や新潟工場には何名くらいが在籍していますか?

第188期の有価証券報告書に事業所別の従業員数が開示されています。新潟工場520名、紀州工場266名、長岡工場215名、関東工場(勝田)113名、関東工場(市川)89名、大阪工場44名、研究所33名、本社その他199名で、合計1,479名(提出会社・2026年3月31日現在)です。単体従業員の約84%が工場勤務にあたります。

退職金や賞与の水準は公表されていますか?

退職金の具体的な支給水準は、有価証券報告書では開示されていません。賞与については、平均年間給与633万1千円に含まれる形でのみ公表されています。会社発信の採用情報ベースでは賞与年5.12ヶ月(前年実績)との記載がありますが、これは有価証券報告書の一次情報ではないため、内定時の労働条件通知書での確認が必要です。

離職率は公表されていますか?

離職率は有価証券報告書では開示されていません。ただし平均勤続年数22年5ヶ月・平均年齢45歳8ヶ月という数値からは、推定情報として定着率の高い人員構成であると読めます。平均勤続は2017年3月期の18.08年から一貫して伸びています。

大王製紙が筆頭株主になったことで、働き方は変わりますか?

2026年3月時点で大王製紙が北越コーポレーション株の17.51%を保有し筆頭株主となったことは事実ですが、それが現場の労働条件にどう及ぶかは公表されていません。両社は2026年3月に相互の議決権を20%未満、中期的には5〜10%へ引き下げる方針を示しています。推定情報として「資本の変動が現場に及ぶ可能性はある」という中立的な理解にとどめ、面接で事業方針を確認するのが現実的です。

北越コーポレーションへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準単体平均633万1千円(平均年齢45歳8ヶ月)。2期で約74万円増と伸びは良好だが、年功の比重が高い
雇用の安定性自己資本比率59.9%で業界最上位級。8期連続で営業黒字・最終黒字、GC注記の記載もなし
足元の業績第188期は営業利益61.8%減・純利益53.0%減。2027年3月期予想は売上3,050億円・純利益50億円
労働時間残業月16.5時間・有給消化率59.7%と良好。一方、年間休日はクチコミによれば100〜104日程度
勤務地単体1,479名のうち工場が1,247名。新潟県内だけで735名。東京勤務は限定的
成長領域機能材(チップキャリアテープ原紙・RO膜支持体・エアフィルタ濾材)と海外パルプ(海外売上比率約34%)
リスク要因洋紙の構造的な内需減退、パルプ市況・為替の変動、資本構成の流動性

編集部の見解として、北越コーポレーションは「稼ぐ力の指標は下がっているが、財務の耐久力と労働時間の面では同業のなかで有利な部類」という、評価軸によって答えが変わる企業です。短期で年収を跳ね上げたい人には勧めにくい一方、安定した基盤のもとで材料・プロセス系の専門性を長く積み上げたい人には適性があると考えられます。応募前に確認すべきは3点、①雇用主が本体か子会社か、②勤務地と交代勤務の有無、③年間休日と賞与の実額です。この3つが自分の条件に合うなら、財務の安全性は大きな後ろ盾になります。

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本記事の出典・参考情報

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口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第188期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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