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ステラファーマ(4888)の評判と将来性|BNCT世界初・従業員47人・年収663万円

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:BNCT用ホウ素薬剤で世界初の承認を得た従業員47人の創薬企業
  • 年収:有価証券報告書の平均年間給与663万円・平均年齢48.5歳(第19期)
  • 業績:第19期売上3億23百万円は前期比66.4%減、主因は海外向売上の非計上
  • 組織:47人中25人が労働組合員。口コミはOpenWork0件で内部情報が乏しい

ステラファーマ株式会社(証券コード4888・東証グロース)は、がん治療法のひとつであるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に使うホウ素薬剤を手がける大阪の創薬バイオベンチャーです。社名で検索すると株価・時価総額・投資指標のページが上位を占めますが、この記事は投資判断のための記事ではなく、転職・就職の判断材料として同社を整理する記事です。「そもそも何をしている会社なのか」「47人という規模で働くとはどういうことか」「年収663万円という数字は誰の数字なのか」を、第19期(2026年3月期)有価証券報告書の実額を軸に順番に解きほぐしていきます。株価の話は扱いません。

ステラファーマとはどんな会社か|BNCT用ホウ素薬剤で世界初の承認を得た47人の企業

最初に押さえるべき結論は、ステラファーマは「世界初の実績を持つ会社」であると同時に「従業員47人の小所帯」でもあるという二面性を持つ企業だということです。転職検討者にとってのメリットは、承認申請から市販後対応までの一連の流れを、大手製薬では担当できないスピードで通しで経験できる点にあります。一方で、教育体制やバックアップ人員が大手ほど厚くない環境で働くことになります。

公式情報として、同社は2007年6月にステラケミファ株式会社の100%子会社として設立されました。2008年7月に大阪府から第一種医薬品製造販売業許可を取得し、2020年3月に「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」を効能・効果とするBNCT用ホウ素薬剤「ステボロニン®点滴静注バッグ 9000mg/300mL」の製造販売承認を世界で初めて取得、同年5月に販売を開始しています。2021年4月22日に東証マザーズへ新規上場し、2022年4月の市場区分見直しでグロース市場へ移行しました。業種分類は医薬品、報告セグメントは「医薬品開発事業」の単一セグメントです。

BNCTとステボロニン®の仕組み|薬だけでは治療が成立しない事業構造

BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素同位体B-10を含む薬剤を点滴で投与し、外部から中性子を照射することで、ホウ素が中性子を捕捉した際に生じるごく短い飛程の粒子でがん細胞を選択的に壊す治療法です。ここで転職検討者が理解しておくべきなのは、薬剤単独では治療が成立せず、加速器中性子源と照射施設がそろって初めて売上が立つという点です。同社は住友重機械工業が手がける加速器との組み合わせを前提としたコンビネーション型のビジネスモデルを採っており、医薬品卸を介した自販モデルで供給しています。

この構造は、業界共通のテーマでもあります。BNCTは2020年に日本で世界初の薬事承認・保険適用が実現した比較的新しい治療モダリティで、国内の実臨床施設は限られ、保険適用も切除不能な局所進行・局所再発の頭頸部がんに限定されています。つまり薬剤メーカーの売上は、装置メーカーの導入台数と医療機関の設備投資判断に強く連動するという特徴があります。営業やマーケティングの職種で入社した場合、従来型のMR活動だけでは完結せず、装置メーカー・病院の放射線腫瘍科・医学物理士まで巻き込む協業型の折衝が業務の中心になる推定情報として理解しておくとギャップが少なくなります。

ステラケミファとの二重の関係|筆頭株主であり唯一の原料供給元

ステラファーマを語るうえで外せないのが、親会社だったステラケミファ株式会社(4109・東証プライム)との関係です。有価証券報告書によると、2026年3月31日現在の筆頭株主はステラケミファで、保有株式数11,450千株・議決権比率33.66%。2022年3月に同社が株式の一部を売却したことで、ステラファーマは子会社から関連会社(持分法適用関連会社)へと位置づけが変わりました。支配株主ではありませんが、3分の1超の議決権を握られている状態が続いています。

さらに重要なのは、主原料であるホウ素同位体B-10の高濃縮技術(純度99%以上)を国内で保有するのがステラケミファだけであり、ステラファーマは同社からの独占仕入に依存している点です。医療用途に限定した独占的取引基本契約が結ばれており、契約期間は承認取得日から10年(以後1年ごとの自動更新)とされています。株主でもあり、唯一のサプライヤーでもあるという二重の依存構造は、同社の事業を理解するうえでの前提知識です。生産技術・品質保証・調達の職種で入社を検討している人にとっては、この関係性が日常業務の設計そのものに影響します。

求職者
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結局、何が強みの会社なんですか?

整理すると、強みは3層あります。第1に「世界初の承認を持つ製品を実際に販売している」という事実(開発段階で止まっているバイオベンチャーとは異なります)。第2に「原料の高濃縮技術が国内で極めて限られる」という参入障壁。第3に「47人という規模ゆえに、一人の担当範囲が広い」という経験の密度です。逆にリスクは、単一製品・単一適応への収益集中と、装置普及ペースに売上が従属する構造にあります。

ステラファーマの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。すべて第19期(2025年4月1日〜2026年3月31日、2026年3月期)有価証券報告書の実額であり、同社は子会社を持たないため連結財務諸表を作成しておらず、以下はすべて単体(提出会社)の数値です。

項目内容
商号ステラファーマ株式会社(STELLA PHARMA CORPORATION)
証券コード・市場4888/東証グロース(2021年4月上場、2022年4月グロース移行)
本社所在地大阪市中央区高麗橋三丁目2番7号 ORIX高麗橋ビル
設立2007年6月
代表者代表取締役社長 上原 幸樹(2020年6月就任)
平均年間給与6,630,190円(約663万円/賞与および基準外賃金を含む)
平均年齢48.5歳
平均勤続年数7.0年
従業員数47人(外、平均臨時雇用者2人)/2026年3月31日現在
労働組合ステラファーマ労働組合/組合員25人(2026年3月31日現在)
売上高323,389千円(約3億23百万円/前期比66.4%減)
営業利益営業損失748,957千円(約7億49百万円の損失)
経常利益経常損失778,005千円/当期純損失780,917千円
総資産・純資産総資産4,486,694千円/純資産2,426,568千円
自己資本比率54.08%
研究開発費301,914千円
配当0円(無配継続。繰越利益剰余金がマイナスのため会社法上の配当可能額なし)
監査法人EY新日本有限責任監査法人(KAMは「固定資産の減損」1件)
出典第19期 有価証券報告書(2026年6月23日近畿財務局長宛提出)/公式IR資料

なお、女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女の賃金の差異は、女性活躍推進法等の公表義務の対象外であるとして有価証券報告書に記載が省略されています。離職率・職種別年収・年間休日の具体数も有価証券報告書では開示されていないため、本記事では推測で数値を置くことはしません。

ステラファーマの年収663万円は誰の数字か|有報実額と口コミ値の大きな乖離

年収を調べる人が最初に知りたいのは「その金額は自分に当てはまるのか」でしょう。結論を先に言うと、ステラファーマの663万円は、47人という小さな母集団の、平均年齢48.5歳の専門職集団の平均値です。持株会社が本体従業員だけの平均を出しているケースとは異なり、同社は子会社を持たない事業会社なので、この数字は現場の実態をほぼそのまま示しています。ただし母集団が小さいぶん、職種構成の影響を強く受けます。

有価証券報告書の実額と前期比|赤字下でも+2.3%の昇給

有価証券報告書によると、第19期(2026年3月31日現在)の平均年間給与は6,630,190円で、賞与および基準外賃金を含みます。前事業年度比は+2.3%で、逆算すると前期は約648万円だったことになります。営業損失7億49百万円を計上した期でありながら平均給与が前年から上振れている点は、推定情報として「赤字=即座に人件費圧縮」という単純な運用にはなっていない可能性を示します。あわせて平均年齢48.5歳・平均勤続7.0年という数字は、キャリア採用で入社した専門職が中心の組織像を裏づけます。上場が2021年、設立が2007年であることを踏まえると、勤続7.0年は「創業期から在籍している層」と「上場前後に中途入社した層」が混ざった結果と読むのが自然です。

読み方のポイントを整理します。

  • 母集団が47人:数人の高年収層の増減で平均が数十万円単位で動きうる規模です
  • 平均年齢48.5歳:同じ663万円でも、30代前半の提示額は平均を下回る可能性が高いと考えられます
  • 賞与込みの数字:業績連動部分がどの程度かは有価証券報告書では開示されていません
  • 職種構成の偏り:創薬研究・臨床開発・薬事といった高専門職が中心で、一般職の比率が低い組織です

転職会議の416万円と有報663万円はなぜ違うのか

口コミ傾向として、転職会議に掲載されている同社の平均年収は416万円・平均年齢29.3歳と表示されています。有価証券報告書の663万円・48.5歳とは大きく乖離していますが、これは矛盾ではありません。転職会議の数値は投稿者データに基づく参考値で、サンプルは3件ベースとされており、投稿者の年齢層が29.3歳と若いことが金額差の主因と考えられます。本記事では有価証券報告書の実額を主とし、口コミサイトの金額は参考値として扱います。同様に、転職会議に掲載されている月間残業19時間・有給消化率45%も投稿ベースの参考値であり、47人全体の実態を代表する数字ではない点に注意が必要です。

なお日本経済新聞の企業情報や求人ボックス給料ナビでも同社の平均年収は660万円台で掲載されていますが、これらは有価証券報告書の数値を転載しているものと考えられます。二次アグリゲータの数値ではなく、一次情報である有価証券報告書を基準に判断してください。

職種別の目安と、内定前に必ず確認したい5項目

同社は職種別の年収レンジを公表していないため、以下は業界水準と有価証券報告書の平均から導いた推定情報です。断定的な目安として使わず、必ず労働条件通知書で確認してください。

  • 創薬研究(メンバークラス):500万〜700万円程度が目安と考えられます
  • 臨床開発・薬事(担当〜リーダー):600万〜850万円程度が目安と考えられます
  • 管理部門(経理・総務・人事):450万〜700万円程度が目安と考えられます
  • 部長・本部長クラス:平均を大きく上回る水準になる可能性があります

内定前に確認したい項目は次のとおりです。①賞与の算定方式と業績連動の割合、②ストックオプションの付与対象・行使条件(同社は役職員向けに潜在株式888,800株=発行済株式数34,034,100株の2.61%分を発行しています)、③みなし残業の有無と時間数、④昇給の運用実績(平均給与が前期比+2.3%である一方、個人の昇給率は別問題です)、⑤住宅・通勤に関する手当の内容。特に②は、赤字継続で無配の企業では報酬設計上の位置づけが大きいため、条件を具体的に確認する価値があります。

従業員47人の内訳と労働組合|小規模研究開発会社としては珍しい構造

転職判断で年収の次に効いてくるのが「誰と、どこで、どんな体制で働くのか」です。ステラファーマは有価証券報告書で従業員の内訳を細かく開示しており、口コミがほとんど存在しない企業でありながら、組織像は一次情報からかなり具体的に描けるのが特徴です。

部門別・拠点別の内訳|研究9人・臨床開発4人という薄さ

有価証券報告書によると、2026年3月31日現在の従業員数は47人(外、平均臨時雇用者2人)で、部門別の内訳は次のとおりです。

区分人数読み取れること
創薬研究部9人研究テーマごとの担当者数はごく少数と考えられる
臨床開発部4人適応拡大治験を4人で回す体制。一人あたりの守備範囲は広い
その他24人薬事・品質保証・生産・営業等を含む最大の区分
全社(共通・総務経理等)10人管理部門。上場企業の開示業務も少人数で担う
合計47人取締役(社外除く)4名+従業員47名の小規模組織

拠点別では、本社(大阪市中央区)に33人(臨時2人)、研究所であるさかい創薬研究センター(堺市中区)に13人が在籍しています。さかい創薬研究センターは公立大学法人大阪のBNCT研究センター内に置かれており、大学キャンパス内に研究拠点があるという珍しい勤務環境です。なお、登記上の本店と実際に業務を行う場所が異なる旨の注記は、第19期有価証券報告書の表紙には記載されていません。勤務地は大阪市中央区か堺市中区のいずれかになると考えるのが自然です。

従業員数の推移も見ておきます。第15期43人→第16期46人→第17期44人→第18期43人→第19期47人と推移しており、直近期は4人の純増です。希望退職・整理解雇・早期退職優遇制度のいずれについても有価証券報告書に開示はありません。赤字が続く企業では人員削減の有無が気になるところですが、少なくとも一次情報の範囲では、直近は縮小ではなく増員のフェーズにあります。

ステラファーマ労働組合|47人中25人、約53%が組合員

この記事で最も特筆すべき事実がここです。公式情報として、同社には「ステラファーマ労働組合」が存在し、2026年3月31日現在の組合員数は25人。従業員47人に対して組織率は約53%にのぼります。

従業員50人未満のグロース上場バイオベンチャーで単独の労働組合が存在するのは、極めて珍しい構造です。同時期に上場している同規模の創薬系企業では労働組合を持たない例が大半で、労使関係は経営側との個別交渉に委ねられがちです。労働組合があることが直ちに待遇の良さを意味するわけではありませんが、推定情報として次のような意味を持ちうると考えられます。

  • 賃金改定の交渉窓口が制度として存在する:赤字継続下でも平均給与が前期比+2.3%となった背景の一つである可能性があります
  • 労働条件の変更が一方的に進みにくい:就業規則の不利益変更等に対するチェック機能が働きやすい環境と考えられます
  • 従業員側の声が集約される仕組みがある:47人規模で組織率53%は、実質的に社内の過半が参加している状態です

面接や内定後の面談では、組合の活動頻度や労使協議の実態(賃上げ交渉の実績、36協定の内容など)を確認しておくと、働き方の解像度が一段上がります。有価証券報告書には「労使関係は良好であります」といった定型的な記載にとどまるため、実態は自分で質問して確かめる領域です。

評判・口コミが「ほとんど存在しない」という事実の読み方

「ステラファーマ 評判」で検索した人が最初に直面するのは、読める口コミがほぼ無いという現実です。これは調査不足ではなく、企業側の性質から生じる構造的な結果です。転職判断においては、この事実自体が重要な情報になります。

口コミ傾向の現状を、サイト別に整理します。

口コミサイト掲載状況読み取り方
OpenWork社員クチコミ0件・回答者0人。総合評価および各項目スコアはすべて未表示スコアが存在しないため比較にも使えない。企業規模表示も「10〜29人」と古い情報のまま
エン カイシャの評判給与・年収、企業カルチャー、働き方などカテゴリ別口コミがいずれも0件。スコアは「回答数不足のため非表示」投稿がゼロのため傾向を読み取ることができない
転職会議総口コミ28件、総合評点2.43/5本記事で唯一まとまった件数がある情報源。ただし評点の分布に強い偏りがある

転職会議の評点分布は、5点が1件(4%)、4点が5件(18%)、3点が4件(14%)、そして1点が18件(64%)となっており、最低評価が6割を超えています。ここで重要なのは、この分布をそのまま「働きにくい会社である」と読むのは統計的に無理があるという点です。母数28件のうち低評価が集中する分布は、推定情報として次のような要因で生じうるものです。

  • 母数が小さいため、特定の時期・特定の部門の経験が全体の印象を決めてしまう
  • 口コミサイトは退職者の投稿比率が高くなりやすく、在籍者の声が反映されにくい
  • 47人規模では投稿すると個人が特定されうるため、在籍者が投稿を避ける動機が働く

したがって本記事の立場は明快です。ステラファーマは「口コミで判断できない企業」であり、有価証券報告書という一次情報で判断すべき企業です。逆に言えば、口コミが読めない以上、面接での逆質問と、可能であればBNCT領域の業界人脈からの情報収集が、他社以上に重要になります。給与制度・評価制度・研究テーマの意思決定プロセスなど、外部からは見えない部分は選考プロセスの中で自分から確かめるほかありません。

なお、同社に関しては社名の混同も起こりやすい点に注意してください。ステラケミファ(4109)、スペラファーマ、アステラス製薬、そして薬機法違反で報道された「ステラ漢方」は、いずれもステラファーマ(4888)とは別法人です。検索結果で見かけた情報がどの会社のものか、必ず確認してください。

売上66.4%減の中身|第19期決算を分解して読む

ステラファーマの数字で最も目を引くのが、第19期の売上高323,389千円(約3億23百万円)、前期比66.4%減という数値です。ここは丁寧に分解する必要があります。結論から言えば、この減収は事業構造が悪化した結果ではなく、前期に計上された海外向売上高が当期は計上されなかったことが主因です。有価証券報告書にもその旨が記載されています。

売上高5期推移|「積み上げ型」ではない収益構造

期売上高経常損益従業員数
第15期1億00百万円△7億64百万円43人
第16期2億29百万円△7億76百万円46人
第17期2億69百万円△7億60百万円44人
第18期9億61百万円△1億38百万円43人
第19期3億23百万円△7億78百万円47人

この表から読み取れることは3つあります。第1に、第18期の9億61百万円が例外的に大きく、そこには海外向けの一時的な売上が含まれていたということ。第2に、第15期から第17期にかけての国内ベースの売上は1億〜2億円台で推移しており、第19期の3億23百万円はその延長線上にある水準だということ。第3に、経常損失は第18期だけが△1億38百万円と小さく、それ以外の4期は△7億台で安定しているということです。つまり「第18期が良すぎた」という見方のほうが、実態に近いと考えられます。

ただし、これは楽観して良いという意味ではありません。公式情報として、第15期以降5期連続で経常損失・当期純損失を計上しており、無配が継続、繰越利益剰余金はマイナスで会社法上の配当可能額はありません。会社予想の2027年3月期は売上高10億38百万円と回復を見込む一方、営業損失696百万円と赤字継続の見通しです。研究開発先行フェーズにある企業として、黒字化の時期は現時点では確定していないと理解しておく必要があります。

第19期の損益と財務の健全性|自己資本比率54.08%で債務超過ではない

第19期の損益は、営業損失748,957千円(前期は営業損失90,246千円)、経常損失778,005千円、当期純損失780,917千円です。一方で財務面は次のとおりです。

  • 総資産4,486,694千円/純資産2,426,568千円/自己資本比率54.08%。債務超過ではありません
  • ただし純資産は第18期の3,207,485千円から約7億8千万円減少しており、自己資本比率も59.21%から54.08%へ低下しています
  • 現金及び現金同等物の期末残高は2,778,006千円。営業キャッシュフローは△334,514千円
  • 三井住友銀行がアレンジャーを務めるシンジケートローンがあり、財務制限条項(純資産維持・現預金維持)が付されています。第19期末時点で抵触はしていません

そして転職検討者が最も気にする「会社は続くのか」という論点については、明確な事実があります。第19期有価証券報告書の財務諸表注記に「継続企業の前提に関する注記」はなく、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載も存在しません。有価証券報告書本文で「継続企業」の語が現れるのは、監査報告書の定型文言のみです。監査意見はEY新日本有限責任監査法人によるもので、KAM(監査上の主要な検討事項)は「固定資産の減損」1件です。また、有価証券報告書には「当事業年度末現在において提起されている訴訟はありません」と明記されており、行政処分・製品回収に関する記載も見当たりません。

参考情報として、東証グロース市場では2030年3月1日以降に最初に到来する事業年度末から「上場後5年を経過した企業は時価総額100億円以上」という新しい上場維持基準が適用される予定で、2021年4月上場の同社も対象になります。時価総額は約128.6億円(株価357円・2026年8月24日時点、IRBANK=二次ソース)で現時点では基準を上回りますが、第19期には最低株価200円(時価総額換算で約68億円)まで下げた局面もあり、余裕が大きいとは言えません。なお、有価証券報告書本文には「上場維持基準」「時価総額」「上場廃止」「流通株式」に関する記載は一切見当たりませんでした。

ステラファーマの将来性を転職先としてどう評価するか

「ステラファーマ 将来性」は、同社に関する求職・不安系キーワードの中で最も検索されている語です。ここではその問いに絞って答えます。結論として、将来性の評価は「適応拡大の進捗」「生産体制の復旧」「資金調達の設計」という3つの変数でほぼ決まると考えられます。以下、順に事実を整理します。

変数1:適応拡大|単一適応から抜け出せるか

現在の保険適用は「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に限られています。同社は膠芽腫・血管肉腫・悪性黒色腫・胸部固形悪性腫瘍などへの適応拡大治験を進めており、業界全体としても再発髄膜腫や血管肉腫を対象とした製造販売承認事項一部変更承認の申請が相次いでいる局面です。推定情報として、適応が1つ増えるごとに対象患者数と施設あたりの症例数が積み上がるため、単一適応・単一製品というリスク構造そのものが薄まっていく方向に働きます。臨床開発部が4人という体制で複数の適応拡大を回している以上、この領域の人材需要は継続的にあると考えられます。

変数2:生産体制|製造委託先の破産と生産移管という実務論点

2025年9月、同社の主要な製造委託先であったネオクリティケア製薬(神奈川県厚木市)が破産手続の開始に至り、同月に取引停止となりました。ステボロニン®の重要工程を担っていたため生産移管が必要となり、新たな製造委託先での試作・プロセスバリデーション・安定性試験を経て、製造所変更承認を2027年1月頃に取得する見込みとされています。これが第19期の供給面での制約と、2027年3月期の回復シナリオを左右する最大の実務論点です。

転職検討者にとって、この事実は「リスク」であると同時に「入口」でもあります。委託先の切り替え、技術移管、変更申請という一連の対応は、CMC(原薬・製剤の製造管理)/QA(品質保証)/薬事のキャリアにおいて最も評価される実務経験のひとつだからです。この局面に入社するということは、技術移管と薬事対応の最前線に入るということを意味します。安定した定常業務を求める人には負荷が大きい一方、専門性を短期間で積みたい人には他社では得がたい機会になります。

変数3:資金と希薄化|MSワラント型のエクイティ・プログラム

研究開発先行フェーズの企業では、資金調達の設計が将来の選択肢を決めます。公式情報として、同社の潜在株式は次の2系統です。

  • 役職員向けストックオプション:潜在株式888,800株=発行済株式総数34,034,100株の2.61%
  • エクイティ・プログラム契約:2026年3月31日にCVI Investments, Inc.との間で締結。最大4回×(普通株式1,000,000株+新株予約権10,500個)の発行枠があり、発行価格は基準株価の92%、新株予約権は市場価格連動の行使価額調整条項が付いたいわゆるMSワラント型のスキームです

資本金は第15期の3,808,276千円から第19期の2,859,218千円へ減少(減資)している一方、発行済株式総数は28,676,100株から34,034,100株へ増加しています。推定情報として、この設計は「銀行借入だけに頼らず開発資金を確保できる」という点で事業継続の選択肢を広げますが、同時にストックオプションを報酬の一部として受け取る従業員にとっては、1株あたりの価値が希薄化していく方向の力が働くことも意味します。入社時にストックオプションの提示を受ける場合は、行使条件だけでなく、こうした資本政策の全体像も踏まえて判断するのが合理的です。

結論:将来性の評価軸

以上を踏まえると、ステラファーマの将来性は「不確実だが、方向性は具体的に描ける」と表現するのが正確です。BNCT市場自体は商業化フェーズへの移行期にあり、国内の実臨床施設は増加し、中国・海南島の医療特区での治療開始や米TAE Life Sciencesとの欧米提携など海外展開も進んでいます。一方で、公的保険の対象範囲、加速器の導入ペース、生産移管の完了時期という外部・内部の制約が同時に効いてきます。「市場が伸びるかどうか」より「この会社が伸びる市場のどの位置を取れるか」で判断すべきフェーズにあると考えられます。

医薬品業界内での立ち位置|同時期に上場する4社との比較

ステラファーマの数字は、単独で見ても大きいのか小さいのか判断がつきません。そこで、東証に上場する医薬品セクターの企業と並べて整理します。推定情報を含まない実額ベースの比較ですが、従業員規模が3名から3,630名まで1,200倍以上の開きがあるため、規模の違いを前提に読んでください。また決算期がそろっていない点にも注意が必要です。

企業名(コード)売上高/営業収益営業損益従業員数有報の平均年間給与対象決算期
サワイグループホールディングス(4887)連結売上収益2,016.76億円営業利益158.94億円連結3,630名/提出会社110名約937万円(持株会社110名の数字)2026年3月期
ステラファーマ(4888)3.23億円(前期比66.4%減)営業損失7.49億円47名(労働組合あり)約663万円2026年3月期
坪田ラボ(4890)2.00億円営業損失7.88億円22名約817.8万円2026年3月期
ティムス(4891)営業収益ゼロ営業損失6.97億円18名約829万円2025年12月期(10ヶ月決算)
レナサイエンス(4889)事業収益6,855万円営業損失3.56億円3名約498.4万円2026年3月期

この比較から、転職判断に効く読み取りが4つあります。

  • 「売上が立っている」ことの価値:ステラファーマは承認済み製品を実際に販売し、3億円規模の売上を計上しています。営業収益ゼロや1億円未満の企業と比べると、製品の市販後業務(安全性管理・供給・卸対応)が実在するという差があります。この差は、薬事・品質保証・営業の職種にとって決定的です
  • 平均年間給与の位置:663万円は、坪田ラボ(817.8万円・22名)やティムス(829万円・18名)を下回り、レナサイエンス(498.4万円・3名)を上回ります。ただし母集団が10名台〜20名台の企業では役員に近い層の比率が高くなりやすく、単純比較には限界があります
  • 従業員47名という規模:バイオベンチャー4社の中では最大です。一人あたりの守備範囲は依然として広いものの、18名・22名・3名の企業に比べれば分業がある程度成立する規模と考えられます
  • 持株会社の平均給与の読み方:サワイグループホールディングスの937万円は提出会社110名の数字であり、連結3,630名の現場実態を示すものではありません。ステラファーマの663万円は子会社を持たない事業会社の全従業員の数字であるため、現場実態をそのまま反映しているという点では読みやすい数字です

加えて、隣接領域として住友重機械工業(6302/BNCT加速器の開発・供給パートナー)、ステラケミファ(4109/筆頭株主かつ原料供給元)も、BNCT関連の仕事を探す人が併せて検討しやすい選択肢です。創薬プラットフォーム型ではペプチドリーム(4587)、がん領域特化のグロース上場バイオではオンコリスバイオファーマ(4588)が規模感・リスクプロファイルの近い比較対象になります。

ステラファーマへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。前提として、同社は公式サイト上に専用の採用サイト・募集要項ページを設けておらず、問い合わせフォーム内に「採用に関するお問い合わせ」の区分があるのみです。求人は転職エージェントや求人媒体経由が中心とみられ、募集は職種単位・不定期になると考えられます。

向いている人向いていない人
承認申請から市販後対応までを少人数で通しで経験したい人職務範囲が明確に線引きされた環境で働きたい人
CMC・QA・薬事で、製造移管や変更申請の実務経験を積みたい人突発的な計画変更が少ない安定運用の業務を求める人
赤字継続・無配という財務前提を理解したうえで技術に賭けられる人賞与・昇給の予見可能性や配当を含む安定性を重視する人
大阪市中央区または堺市中区での勤務に無理がない人首都圏勤務や全国転勤による選択肢の広さを求める人
装置メーカー・医療機関・大学と協業する折衝を面白いと感じる人自社完結で成果を出したい人/評価が外部要因に左右されるのを避けたい人
口コミが無くても一次情報を自分で読んで判断できる人口コミ評価や社員数の多さで安心感を得たい人

キャリアパスの観点では、社内の縦の道として「臨床開発(治験モニタリング・プロトコル設計)→薬事(一部変更承認申請・海外規制対応)→開発本部やプロジェクトマネジメントの管理職」というルートが想定されます。横の道としては、品質保証・生産技術・サプライチェーン領域で原薬から製剤化委託先管理、GMP監査、供給リスク管理までを担う専門職があります。社外への広がりとしては、内資・外資の大手製薬や放射性医薬品(RI内用療法)など隣接モダリティの開発・薬事職、医療機器メーカー(加速器・放射線治療装置)の薬事・マーケティング、CRO/CDMOのプロジェクトマネージャーといった選択肢が現実的です。BNCT特有の専門性が他社でどこまで評価されるかという懸念は業界共通の論点ですが、「少人数で承認取得と製造移管を回した経験」という形に翻訳すれば、希少疾病・オーファンドラッグ領域を中心に評価されやすいと考えられます。

ステラファーマに関するよくある質問

ステラファーマへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。すべて第19期有価証券報告書および公開情報にもとづきます。

ステラファーマの平均年収はいくらですか?

有価証券報告書によると、第19期(2026年3月31日現在)の平均年間給与は6,630,190円(約663万円)です。賞与および基準外賃金を含み、対象は提出会社の従業員47人(外、平均臨時雇用者2人)。前事業年度比+2.3%で、逆算すると前期は約648万円でした。転職会議に掲載されている416万円は投稿者データ(サンプル3件ベース)の参考値であり、有価証券報告書の実額とは前提が異なります。

ステラファーマの求人はどこで探せますか?

公式サイト上に専用の採用サイトや募集要項ページは設けられておらず、問い合わせフォーム内に「採用に関するお問い合わせ」の区分があるのみです。実際の募集は転職エージェントや求人媒体を経由するケースが中心とみられます(推定情報)。臨床開発職などで在宅勤務可の求人が媒体に掲載されていた例もありますが、募集は不定期と考えられるため、複数の媒体・エージェントで継続的に情報を追うのが現実的です。

新卒採用は行っていますか?

公式サイト上に新卒採用の募集要項は確認できる形で公開されておらず、採用大学・倍率・選考フローといった情報も公表されていません。従業員47人・平均年齢48.5歳という構成から、推定情報としてキャリア採用が中心の組織と考えられます。新卒での応募を検討する場合は、問い合わせフォームから直接確認するのが確実です。

勤務地はどこになりますか?

公式情報として、本社は大阪市中央区高麗橋三丁目2番7号 ORIX高麗橋ビル、研究所はさかい創薬研究センター(堺市中区)の2拠点です。有価証券報告書の「主要な設備の状況」では本社に33人(臨時2人)、研究所に13人が配置されています。登記上の本店と実際に業務を行う場所が異なる旨の注記は、第19期有価証券報告書の表紙には記載されていません。

労働組合はありますか?

あります。「ステラファーマ労働組合」が存在し、2026年3月31日現在の組合員数は25人です。従業員47人に対する組織率は約53%で、従業員50人未満のグロース上場バイオベンチャーとしては珍しい構造です。同規模の創薬系企業では労働組合を持たない例が大半であり、労働条件の交渉窓口が制度として存在する点は、待遇面を評価するうえでの一つの材料になります。

赤字が続いていますが、会社の継続性はどう見ればよいですか?

事実関係を整理します。第15期以降5期連続で経常損失・当期純損失を計上していますが、第19期末の純資産は2,426,568千円、自己資本比率54.08%で債務超過ではありません。また第19期有価証券報告書の財務諸表注記には「継続企業の前提に関する注記」はなく、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載も存在しません。現金及び現金同等物の期末残高は2,778,006千円、シンジケートローンの未実行枠も残っています。一方で純資産は前期から約7億8千万円減少しており、2027年3月期の会社予想も営業損失696百万円と赤字継続の見通しです。推定情報として、当面の資金余力はある一方で、適応拡大と生産移管の進捗が中期の分岐点になると考えられます。

ステラファーマへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。編集部の見解として、この会社は「安定性で選ぶ会社ではなく、経験の密度と技術の希少性で選ぶ会社」だと考えられます。

判断軸評価
年収水準有価証券報告書の平均663万円。同時期上場のバイオ数社の中では中位。ただし平均年齢48.5歳・47人の母集団である点を割り引いて読む必要がある
年収の伸び赤字下でも前期比+2.3%の昇給。ただし個人の昇給運用は開示されておらず、面接での確認が必要
財務の安定性自己資本比率54.08%で債務超過ではなく、継続企業の前提に関する注記も重要事象等の記載もない。一方で5期連続の経常損失・無配継続
業績の見通し第19期の66.4%減収は海外向売上の非計上が主因。2027年3月期は売上10億38百万円を会社予想するが営業損失は継続見通し
働き方・組織47人(本社33人・研究所13人)。労働組合の組織率約53%。直近は増員フェーズで人員削減の開示はない
評判・口コミOpenWork・エン カイシャの評判は0件、転職会議28件で評点2.43。母数が小さく傾向の読み取りには限界がある
キャリア価値承認申請・製造移管・適応拡大を少人数で通しで経験できる。CMC/QA/薬事の実務経験として市場価値が高い
向く人専門性を短期間で積みたい人/大阪・堺勤務が可能な人/一次情報で判断できる人

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。中核となる数値はすべてステラファーマ株式会社 第19期有価証券報告書(自2025年4月1日 至2026年3月31日、2026年6月23日近畿財務局長宛提出)にもとづきます。株価・時価総額は2026年8月24日時点の二次ソース(IRBANK)を参照しています。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。株価・時価総額など二次ソースにもとづく数値は、その旨を本文中で明記しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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