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レカムの年収536万円は管理部門38名の平均|評判・将来性を有報で検証

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収の主値:有報の平均年間給与は536万円(第32期・提出会社38名)
  • ただし注意:提出会社は純粋持株会社で、38名は実質的に管理部門のみ
  • 現場の目安:口コミ集計ベースの平均は422万円(OpenWork・自己申告値)
  • 事業構造:売上130.9億円のうち約64%が海外。国内は8.4%減収

レカム株式会社(証券コード3323・東証スタンダード市場)を転職先として調べると、「平均年収536万円の上場企業」という情報にたどり着きます。しかしこの536万円は、従業員38名の純粋持株会社(本体)の数字であり、実際に営業として応募する会社の給与水準とは前提が異なります。この記事は株価や投資判断を扱うものではなく、転職・就職の判断材料として、第32期(2025年9月期)有価証券報告書の実額をもとに、レカム株式会社と事業子会社レカムジャパン株式会社の違い、年収の読み方、評判の傾向、事業構造と将来性を整理します。

レカム株式会社の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、この記事で扱う公式情報を一覧にします。すべて第32期(2024年10月1日〜2025年9月30日/2025年9月期)有価証券報告書の実額です。レカムの決算期は9月30日で、この有報は2025年12月25日に関東財務局長へ提出されています。第33期(2026年9月期)の有価証券報告書は本記事作成時点で未提出のため、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名レカム株式会社(RECOMM CO.,LTD.)
証券コード・市場3323/東京証券取引所スタンダード市場(業種:卸売業)
本社所在地東京都渋谷区代々木三丁目25番3号(2018年1月に移転)
平均年間給与536万円(5,360千円)※提出会社38名の平均・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢43.3歳(提出会社38名ベース)
平均勤続年数8.8年(提出会社38名ベース)
従業員数連結484名〔外、平均臨時雇用者44名〕/提出会社単体38名〔外、平均臨時雇用者2名〕
売上高(売上収益)130億88百万円(前期比+12.0%・IFRS連結)
営業利益4億07百万円(前期比+51.4%)
親会社所有者帰属当期利益1億96百万円(前期比+134.3%)
グループ構成提出会社+連結子会社22社・関連会社3社の計25社
継続企業の前提有価証券報告書に注記の記載なし
出典第32期(2025年9月期)有価証券報告書/公式IR資料

ここで最初に押さえたいのは、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数の3つが「提出会社38名」の数字であるという点です。連結従業員は484名いるため、公表されている給与データは全体の1割にも満たない集団の平均になります。次の章でその理由を説明します。

レカム株式会社とレカムジャパンは別会社|求人を見る前に押さえる3層構造

結論から言うと、レカムへの転職を検討するときに最初に確認すべきなのは「どの会社に雇用されるのか」です。上場している「レカム株式会社」と、国内の営業実務を担う「レカムジャパン株式会社」は、法人としては別の会社です。求職者が「レカムジャパン 評判」「レカム ジャパン株式会社 評判」といったキーワードでも検索しているのは、この構造が分かりにくいことの表れといえます。

2017年2月の会社分割で純粋持株会社体制へ移行している

公式情報として、有価証券報告書の【沿革】および【事業の内容】によると、レカム株式会社は2017年2月の会社分割によって純粋持株会社体制へ移行しています。純粋持株会社とは、自ら事業を行わずグループ会社の株式を保有して経営管理を担う会社のことです。そのため、上場企業としての「レカム株式会社」に在籍する38名は、経営管理・財務・人事といった本社機能を担う人員が中心になります。実際、有価証券報告書の連結セグメント別従業員数を見ると「管理部門38名」と提出会社の38名が一致しており、本体=管理部門であることが数字の上でも確認できます。

グループは連結子会社22社・関連会社3社の計25社で構成される

有価証券報告書によると、レカムグループは提出会社と連結子会社22社・関連会社3社の計25社で構成されています。国内の中小企業向け営業を担うのが事業子会社であるレカムジャパン株式会社で、このほか海外ソリューション事業を担うASEAN・中国・インドの現地法人、BPR(業務改革アウトソーシング)事業を担う大連・長春・上海・ミャンマーのBPOセンター運営会社などが連なります。グループはM&Aでも拡大しており、2025年9月にはレカムジャパンがオーパス株式会社を吸収合併、2025年11月には有限会社カワハラ事務機(岩手県盛岡市)の全株式取得を決議したことが、有価証券報告書の後発事象として記載されています。

「どの会社の求人か」で待遇が変わる可能性がある

この構造から導かれる実務的な結論はシンプルです。求人票の雇用主がレカム株式会社なのか、レカムジャパン株式会社などの事業子会社なのかによって、給与テーブル・賞与制度・評価制度が異なる可能性があります(推定情報)。応募・面接の段階で確認しておきたいのは次の3点です。

  • 雇用契約を結ぶ法人名(レカム株式会社か、事業子会社か、買収先の会社か)
  • その法人の給与テーブルと賞与の算定方式(会社業績連動か個人実績連動か)
  • グループ内の異動・転籍の可能性と、その際の労働条件の引き継ぎ

求職者
求職者

上場企業の平均年収536万円と書いてあったのに、面接で聞いた条件と違うのはなぜ?

この違和感の正体が、まさに「持株会社の平均年収」と「事業子会社の給与水準」のズレです。次章で数字を分解します。

レカムの平均年収536万円は「管理部門38名」の平均値

結論として、レカムの年収を判断するときは有報の536万円と、口コミ集計の422万円を必ずセットで見ることをおすすめします。前者は公式かつ正確ですが対象が管理部門38名に限られ、後者は自己申告の集計値ですが営業現場を含みます。どちらか一方だけでは実像に届きません。

有価証券報告書が示す提出会社の数字(536万円・43.3歳・8.8年)

公式情報です。有価証券報告書「従業員の状況(2)提出会社の状況」によると、2025年9月30日現在の平均年間給与は5,360千円(536万円)、平均年齢43.3歳、平均勤続年数8.8年です。この給与額には賞与および基準外賃金が含まれます。平均年齢43.3歳・平均勤続8.8年という数値は、管理部門としては標準的な水準で、本社機能に一定の定着があることを示しています。ただし繰り返しになりますが、母集団は38名です。

口コミ集計ベースの現場年収は422万円という水準

口コミ傾向として、OpenWorkの「レカム」ページに掲載されている回答者ベースの平均年収は422万円(正社員33人の回答、レンジは250万〜700万円)です。子会社の「レカムジャパン」ページでは、営業職で年収250万〜300万円台という投稿も見られます。いずれも二次ソースかつ自己申告値であり、公式に開示された数値ではありません。回答者の職種・年次の偏りによって上下する点にも注意が必要です。それでも、有報の536万円と口コミの422万円の間に100万円規模の差があるという事実は、応募前に把握しておく価値があります。

二次アグリゲータの年収値が食い違う理由

年収を調べていると、企業情報サイトや年収まとめサイトで「平均年収601万円」といった、有報とも口コミとも異なる数値に出会うことがあります。こうした二次アグリゲータの値は、集計対象期・集計方法・単体か連結かの前提が明示されていないケースがあり、数値だけを比較しても意味を持ちにくいのが実情です(推定情報)。転職判断では、次の優先順位で読むことをおすすめします。

  • 第1に、有価証券報告書の実額(対象期・提出会社か連結かを必ず確認)
  • 第2に、口コミサイトの回答者平均(母数と職種の内訳を確認)
  • 第3に、求人票の提示レンジ(賞与・みなし残業の有無を確認)
  • 最終確認は、内定時の労働条件通知書

レカムの場合、有報の536万円をそのまま「営業として入社したときの目安」と読み替えるのは適切ではありません。求人票の提示レンジと口コミの分布(250万〜700万円)を突き合わせ、賞与の算定方式まで確認することが実務的な進め方になります。

レカムの評判・口コミ傾向|「成長環境3.8/待遇2.1」の二極構造

レカムの評判は、良し悪しがはっきり分かれるのが特徴です。口コミ傾向として、OpenWorkの「レカム」ページの総合評価は5点満点中2.85(回答53件)ですが、項目別に見ると評価の高低が明確に割れています。エン カイシャの評判・就活会議・転職会議にもそれぞれ200件前後の口コミが掲載されており、中堅規模の企業としては投稿量は十分にあります。

高く評価されている点|若手の裁量と海外展開

OpenWorkの項目別スコアで突出しているのが「20代の成長環境」3.8です。投稿の傾向としては、次のような点が評価されています。

  • 新規事業・新商材への挑戦機会が多く、若手にも早く裁量が回ってくる
  • ASEAN・中国・インドへの展開が同業他社との差別化要素になっている
  • 中小企業の経営者と直接商談するため、法人営業の基礎が短期間で身につく

「風通しの良さ」3.1、「人事評価の適正感」3.0と、この2項目は中間的な水準です。組織としては、若手が早い段階で数字を任される環境であることが読み取れます。

課題として挙がる点|待遇面の満足度2.1という数字

一方で、待遇面の満足度は2.1、人材の長期育成2.4、社員の士気2.6、法令順守意識2.8、社員の相互尊重2.8と、成長環境とは対照的なスコアが並びます。投稿の傾向としては次のような声が見られます(いずれも口コミ傾向であり、断定はできません)。

  • 営業は数字への評価比重が大きく、成果が出ない期間は居心地が良くないという声
  • テレアポ中心の新規開拓が業務の中心で、単調に感じるという声
  • 賞与が会社業績連動のため個人実績が反映されにくいという声
  • 支店長より上のキャリアパスが限定的だという声
  • テレワーク制度が全面的に取りやめになったという声

労働時間の目安として、OpenWorkの集計では月間残業27.2時間・有給消化率44.3%(レカム)となっています。数値そのものは極端な水準ではありませんが、有給消化率については後述のレカムジャパンとの差にも注意が必要です。

レカムとレカムジャパンでスコアが分かれている

ここでも持株会社の構造が影響します。OpenWorkでは「レカム」と「レカムジャパン」でページが分かれており、レカムジャパンの総合評価は3.31(口コミ69件)、月間残業18.2時間、有給消化率34.1%と、親会社ページとは異なる数値が出ています。総合評価はレカムジャパンの方が高く、有給消化率は逆に低いという結果です。口コミを読むときは、どちらの会社のページの数値かを必ず確認してください。同じ「レカム」でも、見ているデータが別会社である可能性があります。

「レカム やばい」と検索される背景を6つの数字で確認する

企業名と一緒に不安系のキーワードが検索されるのは珍しいことではありません。レカムについても、将来性や評判に関する不安をもって調べる人が一定数います。ここでは煽らずに、公式情報と口コミ傾向を分けて、判断に必要な6つの事実を並べます。これを見て読者自身が判断できる状態を作ることが目的です。

  • ①継続企業の前提:第32期有価証券報告書に、継続企業の前提に関する注記の記載はありません。第32期は売上収益+12.0%・営業利益+51.4%の増収増益です(公式情報)。
  • ②過去の赤字期:一方で2020年9月期に営業損失1.44億円・経常損失2.45億円(日本基準)、2021年9月期に親会社所有者帰属当期損失3億16百万円(日本基準では当期純損失6億74百万円)を計上しています。提出会社単体でも2021年9月期・2023年9月期が最終赤字で、業績の振れ幅は小さくありません。
  • ③国内事業の縮小:国内ソリューション事業の外部売上は40億96百万円で前期比8.4%減、セグメント利益は1億94百万円で前期比54.2%減。売上の約64%は海外ソリューション事業が占めます。
  • ④収益性と株主還元:営業利益率は3.1%で、中期経営計画が掲げる売上高営業利益率10%以上とは開きがあります。配当は1株1.6円から1.0円へ減配の予定です。
  • ⑤行政処分と苦情投稿:特定商取引法に基づく行政処分や景品表示法の措置命令について、レカム株式会社・レカムジャパン株式会社いずれの名義でも公表事例は確認できなかった一方、電話番号の口コミサイトには営業電話への苦情投稿が複数見られます(後述)。
  • ⑥年収データの前提:有報の平均年間給与536万円は管理部門38名のみの平均で、口コミ集計の現場水準は422万円です。

この6点を並べると、「危ない会社」でも「安泰な会社」でもなく、成長領域(海外)と縮小領域(国内営業)が同居し、収益性の改善が課題として残っている企業という像が浮かびます。国内営業として応募する場合、自分が配属される可能性が高いのは④と③の課題を抱えたセグメントである、という理解が現実的です(推定情報)。

行政処分は確認できていない一方、営業電話への苦情投稿は存在する

ここは正確に書き分けます。公式情報として、消費者庁・地方経済産業局・都道府県による特定商取引法に基づく行政処分(業務停止命令・指示処分)および景品表示法の措置命令について、レカム株式会社・レカムジャパン株式会社いずれの名義でも公表事例は確認できなかった、というのが調査結果です。第32期有価証券報告書の【事業等のリスク】【偶発債務】【後発事象】にも、訴訟・行政処分に関する記載はありません。国民生活センターのPIO-NET公表資料にも該当事案は見当たりませんでした。

他方で、電話番号の口コミサイトには「レカム(ジャパン)」名義の複合機・コピー機の営業電話に対する苦情投稿が複数掲載されています。これは一般利用者の書き込みであって、行政機関が事実認定した違反ではありません。この2つは性質がまったく異なるため、混同せずに読む必要があります。転職判断の観点で意味があるのは、「新規開拓の主要手法にテレアポが含まれ、受け手側から否定的な反応が返ってくる場面がある業態だ」という点です。テレアポ営業への耐性が、入社後の定着に影響する可能性があります(推定情報)。

有価証券報告書が明記しているリスクは6項目

第32期有価証券報告書の【事業等のリスク】には、次の項目が挙げられています(公式情報)。転職判断でも読み解く価値のある内容です。

  • リース契約を用いた販売に係るリスク:提携リース会社の与信審査次第で販売が困難になる。中小企業向けリース販売という収益モデルの根幹に関わる項目です
  • 人財の確保および育成に係るリスク:営業人員の採用・定着が事業計画に直結する
  • 特定人物への依存:代表取締役社長への依存が名指しで記載されている
  • 中国カントリーリスク:レカムビジネスソリューションズ(大連)株式有限公司に関するもの
  • 情報漏洩リスク
  • M&Aによるのれん減損リスク:買収を成長手段としているグループ特有の項目

特に1つ目のリース販売リスクは、営業職の働き方に直結します。提携リース会社の与信が通らなければ受注が成立しないため、提案力だけでなく顧客の与信という外部要因が成績に影響する構造だと理解しておくとよいでしょう(推定情報)。

レカムの事業構造|売上の64%が海外、国内営業は全社員の約2割

レカムを転職先として評価するうえで最も重要なのが、この事業構造です。社名から想起される「中小企業にOA機器を売る国内の会社」というイメージと、実際の売上・人員の分布が大きく異なります。

3セグメントの売上と利益(第32期・IFRS連結)

公式情報です。有価証券報告書によると、第32期の外部売上と セグメント利益は次の通りです。

セグメント外部売上(前期比)セグメント利益(前期比)主な内容
国内ソリューション事業40億96百万円(▲8.4%)1億94百万円(▲54.2%)LED照明等のエコ商材、ビジネスホン・デジタル複合機のリース販売、設置工事・保守、ReSPR、スペースクール、RoboWorker
海外ソリューション事業84億17百万円(+27.2%)4億85百万円(+42.0%)ASEAN・中国・インドの9カ国超で展開
BPR事業5億73百万円(▲4.1%)0億11百万円(▲62.6%)大連・長春・上海・ミャンマーのBPOセンター
合計130億88百万円(+12.0%)営業利益4億07百万円(+51.4%)—

全社の増収増益を牽引しているのは、売上の約64%を占める海外ソリューション事業です。逆に国内ソリューション事業は減収かつ利益が半減以下になっています。BPR事業はミャンマーセンターの政情不安により社員の退職が急増し、センターの採算が悪化したことがセグメント利益62.6%減の要因として説明されています。

国内3チャネルのうち増収は直営店のみ

国内ソリューション事業は、直営店・FC加盟店・代理店の3チャネルで構成されます。第32期の内訳は次の通りです。

  • 直営店:25億49百万円(+3.6%)— 唯一の増収チャネル
  • FC加盟店:7億60百万円(▲17.2%)
  • 代理店:7億86百万円(▲27.9%)

直営店が微増を確保する一方、FC加盟店と代理店という外部パートナー経由の販売網が大きく縮んでいます。転職者の視点で言えば、国内営業として入社した場合の主戦場は「増収を維持している直営チャネル」である一方、セグメント全体としては逆風下にあるという読み方になります(推定情報)。同時に、直営を伸ばしながら外部チャネルの縮小を止められるかどうかが、国内事業の分岐点になると考えられます。

人員構成で見るとBPR事業が最大、国内営業は約2割

従業員数の内訳は、事業構造をさらに鮮明にします。第32期末の連結484名(外、平均臨時雇用者44名)の内訳は、国内ソリューション事業109名(13名)、海外ソリューション事業119名(0名)、BPR事業218名(29名)、管理部門38名(2名)です。最大人員は中国・ミャンマーのBPOセンターを抱えるBPR事業であり、国内営業人員は全体の約2割にとどまります。連結従業員数の推移は、第28期463名→第29期429名→第30期470名→第31期514名→第32期484名で、直近期は30名の減少です。

また、事業の中身は「LED照明・複合機・ビジネスホン・省エネ機器・ウイルス除菌装置・遮熱塗料・RPA」と多岐にわたります。カーボンニュートラルやDXという文脈で商材を継続的に追加していくスタイルであり、一言で説明しにくい商材構成が、入社後のイメージギャップにつながる可能性があります(推定情報)。求人票の職種名だけで判断せず、担当する商材と販売チャネルを面接で確認しておくことをおすすめします。

レカムの将来性|中期経営計画の目標と第32期実績のギャップ

将来性を評価する際は、「伸びているか」だけでなく「会社が掲げた目標にどれだけ近づいているか」を見ると精度が上がります。レカムの中期経営計画(2025-2027)は、売上高成長率20%以上・売上高営業利益率10%以上・ROE20%以上を掲げています。これに対する第32期の実績は次の通りです。

指標中期経営計画の目標第32期(2025年9月期)実績
売上高成長率20%以上+12.0%
売上高営業利益率10%以上3.1%
親会社所有者帰属持分利益率(ROE相当)20%以上3.9%

売上成長は目標に近い一方、収益性の指標は目標と大きな開きがあります。増収基調をつくれていることは事実で、その主因が海外事業とM&Aであることも数字から読み取れます。ただし、営業利益率3.1%という水準は、賞与原資や昇給余地の観点で転職者にも関係する数字です(推定情報)。

5期の売上推移と、忘れてはいけない赤字期

売上収益の5期推移は、第28期66.28億円→第29期89.20億円→第30期95.10億円→第31期116.87億円→第32期130.88億円で、5期でおよそ2倍に拡大しています。ただし利益はこれほど滑らかではありません。第28期(2021年9月期)は親会社所有者帰属当期損失3億16百万円(日本基準では経常損失0億51百万円・当期純損失6億74百万円)、その前の2020年9月期は日本基準で営業損失1.44億円・経常損失2.45億円を計上しています。提出会社単体でも第28期(当期純損失4億44百万円)と第30期(同2億00百万円)が赤字でした。第31期の連結当期利益は0億83百万円まで落ち込み、第32期に1億96百万円へ回復した、という流れです。

つまり、「5期で売上2倍」と「直近5年で複数の赤字期」が同時に成立しているのがレカムの実像です。直近の増益だけを見て評価するのも、過去の赤字だけを見て評価するのも、どちらも判断を誤ります。

財務指標と株主還元|自己資本比率39.8%・配当は減配予定

公式情報として、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率に相当)は39.8%で、第29期の46.8%から低下しています。M&Aによる拡大が資本構成に影響していると考えられます(推定情報)。配当は1株あたり第31期1.6円から第32期1.0円へ減配の予定です。増収増益の期に減配となっている点は、投資家だけでなく、賞与や待遇改善の余地を見る求職者にとっても参考になる情報です。

資本関係については、親会社は存在しません。2025年9月30日現在の大株主は、代表取締役社長が6.28%を保有して筆頭株主となっているほか、上位には証券会社名義(個人投資家の保有分)が並び、上位10名の合計でも19.10%と分散した株主構成です。自己株式は1,938,900株(2.35%)を保有しています。過去にスターティア、光通信、ビジョン、エフティグループと資本業務提携を結んだ経緯がありますが、2025年9月末時点の大株主上位10位にこれらの名前はありません。なお、代表取締役社長の住所はマレーシア・クアラルンプールとして記載されており、海外事業の重心を示す事実の一つといえます。

卸売業5社の比較|決算期が5社とも異なる点に注意

東証スタンダード市場の卸売業として、レカムを含む5社の公式データを並べます。5社は決算期がすべて異なるため、必ず年度をあわせて読んでください。また売上規模はミタチ産業と日本製麻で約50倍、連結従業員数もクロスプラスとメタプラネットで約20倍の開きがあり、規模の違いを前提にした比較になります。

企業名(コード)売上高(決算期)営業利益・利益率従業員数有報の平均年間給与
レカム(3323)連結130.88億円/+12.0%(2025年9月期)4.08億円/+51.4%・利益率3.1%連結484名・提出会社38名(純粋持株会社の管理部門)536万円(※提出会社38名のみ)
日本製麻(3306)単体23.99億円/▲3.7%(2026年3月期・5社中最小)営業損失0.35億円(赤字転落)78名(連結子会社なし)389.3万円
クロスプラス(3320)連結598.52億円/▲3.5%(2026年1月期)13.95億円/+35.5%・利益率2.3%連結705名〔臨時474名〕・提出会社595名510.8万円
ミタチ産業(3321)連結1,203.28億円/+22.6%(2026年5月期・5社中最大)27.63億円/+28.6%・利益率2.3%連結624名(うち海外474名)・提出会社148名608万円
メタプラネット(3350)連結89.05億円/+738.3%(2025年12月期)62.87億円(ただし当期純損失950.46億円)連結35名・提出会社16名1,600万円(※単体16名のみ)

この表を読むうえで、次の3点は必ず補足が必要です。

  • 営業利益率の単純比較は成立しません。メタプラネットはビットコインデリバティブのオプション料が売上に計上される構造で、他4社の流通・卸売業と同じ物差しでは測れません。同社はビットコインの評価損1,021.88億円により、営業黒字でも当期純損失950.46億円となっています。
  • 平均年間給与も母集団が違います。レカムの536万円は持株会社の管理部門38名、メタプラネットの1,600万円は単体16名の平均です。人数の少ない提出会社の数字は、事業会社の現場水準とは別物として読む必要があります。持株会社はこの5社ではレカム1社のみですが、日本製麻が2026年10月に持株会社へ移行する予定のため、次期以降は同じ「持株会社バイアス」が生じる見込みです。
  • 特定取引先への依存は卸売業共通の論点です。ミタチ産業はデンソーグループへの販売が64.6%、クロスプラスはしまむら1社で総販売実績の29.9%、日本製麻はスズキが20.1%を占めます。レカムの場合、単一の大口取引先ではなく、提携リース会社の与信という別の外部依存が有報リスクに挙げられている点が特徴です。

5社を並べると、レカムは売上規模では中位、営業利益率3.1%は比較が成立する流通・卸売4社の中では最も高い一方、平均給与の数字が最も誤読されやすい会社という位置づけになります(推定情報)。

レカムへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向を、適性の観点で整理します(推定情報を含みます)。中小企業向けの直販営業という業態は、合う人と合わない人がはっきり分かれやすい領域です。

向いている人向いていない人
短期間で法人営業の基礎(新規開拓・クロージング)を積みたい20代既存顧客のルート営業中心で腰を据えて働きたい人
テレアポ・新規開拓に抵抗がなく、断られる前提で動ける人受け手の反応が厳しい場面が続くと消耗しやすい人
ASEAN・中国など海外事業に関心があり、将来的に海外拠点も視野に入れたい人国内の安定した内需事業でキャリアを築きたい人
商材が頻繁に増える環境を「学ぶ機会」と捉えられる人一つの商材を深く極める専門性を求める人
持株会社・事業子会社の違いを自分で調べ、条件を確認して入社できる人「上場企業の平均年収」を目安に転職先を選びたい人
会社業績連動の賞与制度でも、基本給と実績評価で納得できる人個人成績が賞与に直結する制度を重視する人

業界の一般的な文脈として、商社系のソリューション企業では「モノを仕入れて売る」だけでは粗利が確保しにくく、設置工事・保守・アウトソーシングといった付帯サービスや、海外拠点を使った付加価値づくりへ機能を広げる動きが強まっています。レカムのBPR事業や海外展開も、この流れの中に位置づけられます。法人営業として培った提案経験は、業界外へも転用しやすいスキルです(推定情報)。実際、この領域からのキャリアパスとしては、社内で営業から支店マネジメント・海外拠点へ進む道のほか、同業の中小企業向けIT・オフィスソリューション企業への転職、SaaS・ITベンダーの法人営業、業界外の産業材・機械分野の法人営業などが想定されます。

レカムに関するよくある質問

レカムへの転職・就職を検討する人から出やすい質問と、公式情報にもとづく回答を整理しました。

レカムの平均年収はいくらですか

第32期(2025年9月期)有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は536万円(平均年齢43.3歳・平均勤続年数8.8年)です。ただしこれは純粋持株会社であるレカム株式会社の従業員38名の平均で、実質的に管理部門の数値です。営業現場を含む水準の参考としては、OpenWorkの回答者平均422万円(正社員33人・レンジ250万〜700万円)があります(口コミ傾向・自己申告値)。

レカムの離職率は公表されていますか

離職率は、第32期有価証券報告書では開示されていません。参考になる公表数値としては、連結従業員数の推移(第31期514名→第32期484名で30名減)と、口コミサイトの有給消化率(レカム44.3%/レカムジャパン34.1%)、月間残業時間(27.2時間/18.2時間)があります。後者は口コミ傾向であり、公式に開示された数値ではありません。定着状況を知りたい場合は、面接で職種別・部門別の在籍年数を質問するのが確実です。

レカム株式会社とレカムジャパン株式会社は何が違いますか

レカム株式会社は2017年2月の会社分割で純粋持株会社となった上場企業(証券コード3323)で、従業員38名は経営管理を担う本社機能が中心です。レカムジャパン株式会社は国内ソリューション事業の営業実務を担う事業子会社です。口コミサイトでもページが分かれており、評価スコアも異なります。求人に応募する際は、雇用主がどちらの法人かを必ず確認してください。

レカムに行政処分の履歴はありますか

特定商取引法に基づく行政処分(業務停止命令・指示処分)や景品表示法の措置命令について、レカム株式会社・レカムジャパン株式会社いずれの名義でも公表事例は確認できなかった、というのが本記事の調査結果です。第32期有価証券報告書の【事業等のリスク】【偶発債務】【後発事象】にも訴訟・行政処分の記載はありません。一方、電話番号の口コミサイトには営業電話に対する苦情投稿が複数見られます。これは一般利用者の書き込みであり、行政機関が事実認定した違反とは性質が異なります。

レカムの将来性はどう評価すればよいですか

売上は5期で約2倍(66.28億円→130.88億円)に伸び、第32期は増収増益です。ただし成長の主因は海外ソリューション事業(売上の約64%・+27.2%)で、国内ソリューション事業は8.4%減収・セグメント利益54.2%減という対照的な結果です。営業利益率3.1%は中期経営計画の目標10%以上と開きがあり、配当も1.6円から1.0円へ減配予定です。「グループ全体としては成長、国内営業の現場としては逆風」という二層構造で評価するのが現実的です(推定情報)。

レカムの採用・求人はどこで確認できますか

公式採用サイト(新卒・キャリア採用)で募集職種を確認できます。求人媒体経由で応募する場合も、募集要項に記載された雇用主の法人名・給与レンジ・賞与の算定方式・みなし残業の有無を必ず確認してください。グループがM&Aで拡大しているため、買収先企業からの転籍者と待遇体系が並存している可能性もあります(推定情報)。最終的な条件は、内定時の労働条件通知書で確定させることが重要です。

レカムへの転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。編集部の見解として総合すると、レカムは「上場企業の平均年収」という数字を鵜呑みにせず、自分が入る法人・セグメントまで確認できる人にとっては選択肢になり得る企業だと考えられます。20代で法人営業の実戦経験を短期間で積みたい人には合理的な選択肢になる一方、待遇の安定性や専門性の深化を最優先する人には別の候補も並行検討することをおすすめします。

判断軸評価と根拠
年収水準有報536万円は管理部門38名の平均。口コミ集計の現場水準は422万円で、求人票のレンジ確認が必須
成長機会OpenWorkの20代成長環境3.8は項目別で最高。若手に裁量が回りやすい環境という投稿傾向
働き方月間残業27.2時間・有給消化率44.3%(レカム)、18.2時間・34.1%(レカムジャパン)。テレワークは取りやめという投稿あり
事業の安定性継続企業の前提に注記なし・第32期は増収増益。ただし2020年9月期・2021年9月期に赤字期あり
成長領域海外ソリューション事業が売上の約64%・+27.2%。国内は▲8.4%とセグメント間で明暗
収益性営業利益率3.1%(中計目標10%以上)、自己資本比率39.8%、配当1.6円→1.0円へ減配予定
コンプライアンス行政処分の公表事例は確認できなかった。営業電話への苦情投稿は存在するが、事実認定された違反ではない
確認すべきこと雇用主の法人名/担当商材とチャネル/賞与の算定方式/グループ内異動の可能性

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本記事の出典・参考情報

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口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第32期(2025年9月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。株価・投資判断に関する情報は本記事の対象外です。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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