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イタミアートの年収336万円と評判の実像|平均28.8歳・勤続3.5年の岡山発上場企業

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 公式年収:有価証券報告書の平均年間給与は336万2千円(第27期)
  • 口コミとの差:掲載283万円との差は平均年齢26歳という投稿偏りが主因
  • 組織:平均28.8歳・勤続3.5年、正社員133人にパート等213人が並走
  • 財務:単体5期連続増収の一方、自己資本比率26.2%で投資先行

株式会社イタミアート(証券コード168A・東証グロース市場)を転職先として調べると、真っ先にぶつかるのが「年収の数字が資料によってバラバラ」という問題です。日本経済新聞の企業情報では平均年収336万円、口コミサイトでは283万円、そして有価証券報告書の前期の数字は途中で訂正されています。この記事では、第27期(2026年1月期)有価証券報告書の実額を軸に、なぜ数字がずれるのかを構造から解きほぐし、そのうえで岡山発・上場2期目・平均年齢28.8歳というこの会社の実像を、転職判断に使える形で整理します。社名の「イタミ」が何を意味するのかという素朴な疑問にも、最初に答えます。

イタミアートの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数値を一覧にします。以下はすべて公式情報で、出典は第27期(2025年2月1日〜2026年1月31日)有価証券報告書です。同社は2024年4月に上場したばかりのため、提出済みの有価証券報告書は第26期・第27期の2期分しかありません。この「開示の歴史が浅い」という事情が、後述する数字のばらつきにも関係しています。

項目内容
会社名株式会社イタミアート(itamiarts inc.)
証券コード/市場168A/東京証券取引所グロース市場(2024年4月8日上場)
本社岡山市南区新保660-15(本社・本社工場)
代表者代表取締役社長 伊丹 一晃
設立1999年2月創業(有限会社イタミアート)/2004年12月 株式会社化
資本金4億5,962万円(第27期末)
平均年間給与336万2千円(3,362千円)※提出会社・正社員のみ、賞与および基準外賃金を含む
平均年齢28.8歳(提出会社・正社員のみ)
平均勤続年数3.5年(提出会社・正社員のみ)
従業員数連結189人(外、臨時雇用者224人)/提出会社単体133人(外、臨時雇用者213人)
売上高連結47億6,120万円(第27期・連結初年度)/単体41億5,072万円
営業利益連結2億1,660万円(経常利益2億2,444万円)
当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益1億5,137万円
自己資本比率連結26.2%/単体30.3%
セグメント「SP商材の企画・制作・販売」の単一セグメント
労働組合結成されていない(有価証券報告書に記載)
出典第27期 有価証券報告書(2026年4月27日 中国財務局長へ提出)/公式IR資料

離職率・職種別年収・初任給以外の給与テーブルについては、有価証券報告書では開示されていません。この記事でもそれらは推定として扱い、公式数値と混ぜないよう分けて記載します。

イタミアートとは何の会社か|「イタミ」は伊丹市ではなく創業者の姓

結論から言うと、イタミアートは「のぼり旗・幕に特化したネット通販(BtoB-EC)と、自社工場での製造を一体で回す会社」です。転職検討者にとって重要なのは、この会社が「印刷会社」でも「ITベンチャー」でもなく、その両方を自前で持っている点にあります。読者がまず抱きやすい社名と所在地の誤解から順に解いていきます。

社名の由来は地名ではなく創業者・伊丹一晃氏の姓

「イタミアート」という社名から兵庫県伊丹市の企業と誤解されることがありますが、これは誤りです。公式情報として、社名の「イタミ」は創業者であり現・代表取締役社長である伊丹一晃(いたみ かずあき)氏の姓に由来します。本社および本社工場は岡山市南区新保660-15にあり、生産拠点も岡山市北区御舟入町の十日市工場、岡山市北区七日市東町の七日市工場と、すべて岡山市内に集中しています。サジェストに「イタミアート 岡山」「イタミアート 本社」が並ぶのは、この誤解を確かめようとする検索が一定数あるためと考えられます(推定情報)。

唯一の例外が、2025年6月に100%子会社化した東京ネオプリント株式会社です。同社は本社が東京都墨田区、水海道工場が茨城県常総市にあり、シルクスクリーン印刷による中〜大ロット案件を担っています。したがって「岡山の会社」という理解は正確ですが、グループとしては関東にも生産拠点を持つ構造に変わったことになります。

売上の内訳|のぼりと幕で連結売上の約7割強

有価証券報告書によると、第27期の商品別販売高(連結)は次の通りです。のぼり23億5,926万円、幕11億9,178万円、うちわ2億1,335万円、冊子1億8,399万円、その他8億1,282万円。のぼりと幕の2商品だけで連結売上47億6,120万円の約74.6%を占めます。これは強みであると同時に、特定商品への依存というリスクでもあり、有価証券報告書のリスク項目にも記載されています。

販売チャネルは、自社運営のBtoB向けECサイト「キングシリーズ」全17サイトです。主力の「のぼりキング」のほか、「横断幕・懸垂幕キング」「パネルキング」「うちわキング」「冊子製本キング」などがあり、それぞれ商材別にサイトを分ける構成をとっています。会社開示によると、注文の約90%が1〜10枚という小口で、売上の約75%がリピート受注です。少額・高頻度の注文を大量にさばく設計になっているわけです。

「SEOで飯を食う製造業」という珍しい事業構造

この会社を他のネット印刷会社と分ける最大の特徴は、集客の主軸が広告ではなく自然検索である点です。会社開示(2026年2月時点)によると、「のぼりキング」はGoogle自然検索で「のぼり」「のぼり旗」いずれも1位、「横断幕・懸垂幕キング」は「横断幕」で1位、「冊子製本キング」は「冊子 製本」で1位を獲得しています。のぼりキング単体で年間約207万の流入と10万件超の受注があるとされます。

この構造は、有価証券報告書のリスク項目にはっきり表れています。公式情報として、同社は「検索エンジンのアルゴリズム変更」を発生可能性「高」・影響度「大」のリスクに位置づけています。つまりGoogleのアップデートが直接業績を揺らす事業モデルであることを、会社自身が認めているということです。裏を返せば、Webマーケティング職にとっては「施策の巧拙がそのまま製造ラインの稼働に跳ね返る」という、事業会社の中でも稀有な環境になります。

さらに、ECサイト構築システム「DREAM-PACK」、製造管理システム「i-backyard」、外注管理「i-partner」、コールセンターシステム「CALLNAVI」まで基幹システムを内製しています。ミッションは「『IT』×『モノづくり』の力で世の中を変える。」であり、社内にエンジニア・DTP・製造現場が同居する構成です。第27期のトランザクション数は352,120件(前年同期比+20.6%)、平均客単価は11,758円(同−5.0%)で、件数の伸びで売上を作る構造であることが数字からも読み取れます。

イタミアートの年収336万2千円を有価証券報告書から読み解く

ここが本記事の中心です。結論を先に言えば、イタミアートの公式平均年収は336万2千円で、前期から+6.7%伸びています。ただしこの数字は「平均年齢28.8歳・正社員のみ」という条件付きであり、他社の平均年収と横並びで比べると判断を誤ります。以下、順を追って整理します。

第27期の実額|平均年間給与3,362千円(336万2千円)

有価証券報告書「従業員の状況」によると、第27期(2026年1月31日現在)の提出会社の平均年間給与は3,362千円、すなわち336万2千円です。同欄には注記があり、「平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は正社員のみを対象としている」「平均年間給与は賞与および基準外賃金を含む」と明記されています。つまりこの336万2千円は、残業代と賞与を含んだうえでの正社員の平均であり、パートタイマーやアルバイトは含みません。

もう一点重要なのが対象範囲です。この数値は提出会社(単体)の正社員133人に対するもので、連結子会社である東京ネオプリントの給与水準は開示されていません。連結従業員189人のうち56人は同社の人員ですから、グループ全体の平均給与は公表資料からは算出できないということになります。

前期比+6.7%|ただし「訂正有価証券報告書」を見落とすと計算がずれる

年収推移を語るうえで、この会社には特有の落とし穴があります。第26期(2025年1月期)の平均年間給与は、当初の有価証券報告書では2,913千円と記載されていました。ところが2026年4月16日に提出された訂正有価証券報告書で、3,151千円へ上方訂正されています(訂正事項は「従業員の状況」のみ)。

この違いは無視できません。訂正前の2,913千円を基準にすると前期比は+15.4%となり、訂正後の3,151千円を基準にすると+6.7%(+211千円)です。正しい前期比は+6.7%であり、訂正前の数字を掲載したままの転職情報サイトを見て「1年で15%も上がる会社だ」と判断してしまうと、期待値を誤ります。上場2期目の企業ならではの開示体制の粗さが出た事例と言え、逆に言えば一次情報を自分で当たる価値が大きい会社でもあります。

期平均年間給与平均年齢平均勤続年数正社員数(単体)
第26期(2025年1月期)315万1千円(訂正後)28.5歳3.4年114人
第27期(2026年1月期)336万2千円28.8歳3.5年133人
増減+21万1千円(+6.7%)+0.3歳+0.1年+19人

なお、上場が2024年4月であるため、有価証券報告書ベースで追える平均年間給与はこの2期分だけです。3〜5年の長期推移を公式データで検証することは、現時点ではできません。

平均年齢28.8歳・勤続3.5年という母集団をどう見るか

336万2千円という金額だけを見て水準を評価するのは適切ではありません。公式情報として、この平均を構成しているのは平均年齢28.8歳・平均勤続3.5年の集団です。上場企業の平均年収ランキングに並ぶ多くの企業は平均年齢40歳前後であり、年齢構成がまったく違います。

なぜここまで若いのか。背景として、同社が新卒採用を本格化させたのが2015年であり、組織としての歴史が浅いことが挙げられます。1999年創業ではあるものの、インターネット通販事業の開始は2006年、のぼり旗の自社製造開始は2011年で、事業も組織も2010年代に急拡大しています。正社員数も1年で114人から133人へ19人増えており、有価証券報告書には「業容拡大に伴う期中採用の増加」と注記されています。

転職判断への落とし込みとしては、次の2点になります(推定情報を含みます)。第一に、平均勤続3.5年という数値は、中途で入っても「古株に囲まれる」構図になりにくいことを示唆します。第二に、平均年齢が低いということは、管理職層や高年収層のサンプルがそもそも少なく、この336万2千円という平均には「昇給後の姿」がほとんど織り込まれていない可能性があります。年収の伸びしろは、この平均値ではなく個別の等級・評価制度を面接で確認するしかありません。

口コミの平均年収283万円と有報336万円の差はどこから生まれるのか

結論として、この53万円の差は「会社が嘘をついている」わけでも「口コミが不正確」なわけでもなく、見ている母集団が違うことによる構造的な差と考えられます。この差の読み方を理解しておくと、面接での年収交渉のときに自分の位置を見誤らずに済みます。

母集団の違い|平均年齢26歳の投稿 vs 平均年齢28.8歳の正社員全体

エン カイシャの評判に掲載されている平均年収は283万円で、その平均年齢は26歳とされています(口コミ傾向)。一方、有価証券報告書の336万2千円は平均年齢28.8歳の正社員全体です。年齢差は約3歳ですが、20代後半の3年は昇給幅が大きい時期であり、この差だけでも相応の開きが生まれます。

加えて、口コミ投稿は在籍年数が短い層や非管理職層に偏りやすいという一般的な性質があります。役職者や勤続の長い社員ほど投稿しにくい傾向があるため、口コミの平均年収は公式値より低く出やすいというのが実情です(推定情報)。逆に言えば、283万円は「入社数年目の実額に近い数字」として読むほうが、転職検討者にとっては実用的です。

職種別の年収レンジをどう推定するか

職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。そのため以下はあくまで推定情報であり、公式数値ではないことを明記します。判断材料は、公式の平均336万2千円、口コミ掲載の283万円、そして事業所別の人員構成です。

  • 若手・非管理職(入社1〜3年):口コミ掲載の283万円前後がひとつの目安になる可能性があります
  • 中堅・専門職(EC運営、マーケティング、社内システム開発、DTP):全体平均336万2千円の前後がレンジの中心と推定されます
  • 管理職・部門責任者:平均を上回るレンジと考えられますが、平均年齢28.8歳という構成上、母数自体が少ないと推定されます
  • 製造現場のパート・アルバイト:有価証券報告書の平均年間給与の対象外であり、この336万2千円とはまったく別の水準になります

もうひとつ、男女賃金差異の開示も参考になります。第27期の提出会社ベースで、男女の賃金差異は全労働者69.9%、正規雇用労働者75.5%、パート・有期労働者95.0%です(公式情報)。全労働者の数値が最も低くなるのは、パート・有期に女性が多い構成が影響していると推定されます。正規雇用の75.5%という数字は、職種構成や勤続年数の差が背景にあると考えられ、面接では等級運用の実態を確認しておく価値があります。

内定前に必ず確認したい年収の見方

公式平均が336万2千円である以上、提示額がそれを大きく上回るケースは限られると考えるのが現実的です。そのうえで、以下は労働条件通知書で必ず確認すべき項目です。

  • 固定残業代の有無と時間数:平均年間給与には基準外賃金が含まれるため、公式値との比較には残業前提が入っています
  • 賞与の実績と算定基準:平均年間給与は賞与を含んだ数字であり、月給ベースでの比較は誤解のもとです
  • 昇給の実績値:会社全体では前期比+6.7%ですが、これは新規採用による構成変化も含んだ平均の変化です
  • 配属予定拠点:本社・十日市工場・七日市工場で職務内容も勤務形態も変わります

イタミアートの求人・職種構成|拠点によって働き方がまったく違う

「イタミアート 求人」「イタミアート 七日市工場」という検索が一定数あることからも分かるように、この会社ではどの拠点・どの職種で入るかによって、見える景色が大きく変わります。有価証券報告書の事業所別従業員数は、その違いを最も端的に示す公式データです。

事業所別の内訳|七日市工場は正社員37人にパート等146人

有価証券報告書によると、第27期末時点の事業所別従業員数は次の通りです(カッコ内は臨時雇用者の年間平均人員)。

事業所所在地正社員臨時雇用者(外数)帳簿価額
本社・本社工場岡山市南区新保87人46人9億68万円
十日市工場岡山市北区御舟入町9人21人3,736万円
七日市工場岡山市北区七日市東町37人146人20億3,313万円
東京ネオプリント本社東京都墨田区14人1人—
水海道工場茨城県常総市42人10人—

注目すべきは七日市工場です。正社員37人に対し臨時雇用者が146人と、現場の約8割が非正規雇用という構成になっています。同時に、帳簿価額20億3,313万円は本社・本社工場の2倍以上で、ここが同社の主力生産拠点であることを示しています。第27期の設備投資総額9億1,250万円のうち7億2,943万円が七日市工場に投じられており、2026年度も昇華プリンタ20台やDurst社の大型印刷機など計8件・約8億円の新設計画があります。

この数字から読み取れるのは、正社員として七日市工場に配属される場合、多数のパート・アルバイトを含むチームの運営側に立つ可能性が高いということです(推定情報)。マネジメント経験を早く積めるという見方もできますし、シフト調整や教育の負荷が重いという見方もできます。どちらに転ぶかは適性次第です。

職種によって求められるものが大きく異なる

単一セグメントの会社ですが、社内の職種は大きく4系統に分かれると整理できます(推定情報を含みます)。

  • Webマーケティング/EC運営:自然検索1位を維持することが事業の生命線であり、マーケティング課という専任部署が置かれています。成果が売上に直結する一方、アルゴリズム変更というコントロール不能な要素と付き合う仕事になります
  • 社内システム開発:DREAM-PACK・i-backyard・i-partner・CALLNAVIといった基幹システムを内製しており、受託開発ではなく自社プロダクトを触る環境です
  • DTP・制作:小口注文が大半のため、1件あたりのデータチェックを高速に回す実務が中心になります
  • 製造・生産管理:昇華転写を含む大判インクジェット出力の現場運営。前述の通り、臨時雇用者比率が高い現場のマネジメントが伴います

販促・広告制作(大判インクジェット出力)業界全体では、大量ロットのオフセット印刷が縮小し、多品種・小ロット・短納期に適したインクジェット・オンデマンド印刷へ生産が移っています。この流れの中で、インクジェット出力・データ処理・カラーマネジメントの実務スキルは評価されやすくなっています。イタミアートの場合、そこにWeb集客と自社ECのオペレーションが乗るため、「印刷の知見+Web/ECのどちらかを扱える」人材は、業界内でも希少性が高いと考えられます。

転勤範囲と勤務地|岡山市内で完結する構造

公式採用サイトによると、転勤は基本的に本社と岡山市内の工場間に限られると明記されています。生産拠点が岡山市内に集中しているため、全国転勤を前提としない働き方が成立している構造です。地方で腰を据えて働きたい人にとって、上場企業でありながら勤務地が読める点は実利的なメリットになります。

ただし、2025年6月の東京ネオプリント子会社化によって関東にも拠点ができました。グループ全体の統合が進む中で、将来的な人事交流の可能性まで否定はできません(推定情報)。選考の場で、直近の異動実績を確認しておくと安心です。

求職者
求職者

結局、どの職種で入るかで年収も働き方も変わるということですか?

その通りです。有価証券報告書の平均年間給与336万2千円は正社員133人の平均であり、拠点ごとの職務内容の違いはこの1つの数字に吸収されています。求人票の職種と配属拠点を確認しないまま平均値だけで判断すると、入社後の実感と大きくずれる可能性があります。

イタミアートの評判・口コミ傾向|まず「母数の少なさ」を押さえる

この会社の口コミを読むうえで最初に理解すべきなのは、評価スコアの信頼性を担保できるだけの投稿数が存在しないという点です。ここを飛ばしてスコアだけを引用すると、実態からかけ離れた結論になります。

OpenWorkは回答者1名|スコアを根拠に社風を語れない

OpenWorkにおけるイタミアートの総合評価は2.90です(口コミ傾向)。ただし、この2.90を構成しているのは回答者わずか1名・口コミ5件であり、待遇満足度・社員の士気・風通しの良さ・相互尊重・20代成長環境・人材育成・法令順守意識・人事評価の適正感という項目別スコアが、すべて2.9という同一値で表示されています。残業時間・有給消化率・平均年収のデータは掲載されていません。

統計的に見れば、1名の回答で企業風土を評価することはできません。この記事では、OpenWorkのスコアを社風の根拠としては用いません。「上場したばかりの従業員133人規模の地方企業では、口コミの絶対数がそもそも溜まっていない」という事実そのものが、この会社の現在地を表していると捉えるほうが正確です。なお、OpenWorkの「退職検討理由」欄には別企業に関する記述が混在して検索結果に表示されるケースが確認されているため、閲覧する際は原文と企業名を必ず照合してください。

エン カイシャの評判|85件から見える評価の偏り

相対的に母数があるのがエン カイシャの評判で、総合3.1点、口コミ85件、評価対象は正社員15名です(口コミ傾向)。項目別のスコアには明確な偏りがあります。

評価が高い項目スコア評価が低い項目スコア
事業の優位性・独自性3.4会社の成長性・将来性2.8
20代の成長環境3.4経営陣の手腕2.8
イノベーションへの挑戦3.4実力主義2.9

この分布は示唆的です。「事業モデルは面白い」「若手に機会がある」という評価と、「経営や将来性への確信は持てていない」という評価が同居している構図になっています。転職会議・就活会議・Yahoo!しごとカタログにも同社の口コミページが存在しますが、いずれも件数は限定的で、傾向としては同様の方向性が読み取れます。

働き方に関する数値|残業と給与への納得度

エン カイシャの評判に掲載されている働き方関連の数値は次の通りです(口コミ傾向であり、公式開示ではありません)。月間残業時間47時間、年収・給与の納得度47%、勤務時間の納得度40%、職場の人間関係満足度68%。

人間関係の満足度が68%と相対的に高い一方、勤務時間と給与への納得度が40%台にとどまる分布です。販促・広告制作業界は、夕方入稿・翌日納品といった短納期案件が日常的に発生し、繁閑差が大きいことが業界共通の特徴として知られています。イタミアートも小口・高頻度の受注構造ですから、繁忙期の負荷が発生しやすい業態であること自体は事業モデルから説明がつきます(推定情報)。

なお、労働組合は結成されていないことが有価証券報告書に明記されています。労働条件の交渉窓口が組合ではないという点は、入社前に認識しておくべき事実です。一方で、企業内保育園を2017年11月に設置し、第27期の管理職に占める女性比率は42.9%、男性育休取得率は100%(公式情報)と、地方の製造業としては制度面の数字が良好である点も併記しておきます。

業績と財務から見るイタミアートの将来性

結論を先に述べます。売上は5期連続で伸びている一方、財務は設備投資先行で余裕がない状態です。この2つを同時に見ないと、この会社の将来性は評価できません。

単体売上は5期連続増収|2027年1月期は60億円予想

有価証券報告書によると、提出会社単体の売上高推移は次の通りです。

期単体売上高前期比
第23期21億697万円—
第24期25億654万円+18.9%
第25期31億1,230万円+24.2%
第26期(2025年1月期)36億556万円+15.8%
第27期(2026年1月期)41億5,072万円+15.1%

5期で約2倍という成長です。第27期は東京ネオプリントの連結化により、連結売上高が47億6,120万円となりました。ただし第27期が初の連結決算年度であるため、連結ベースでの前期比較は開示されていません。「連結で前期比何%成長」という言い方はできない期である点に注意が必要です。

会社予想では、2027年1月期の売上高は60億円(前期比+26.0%)で6期連続増収の見通し、営業利益2億4,600万円(+13.9%)、当期純利益1億6,700万円とされています。ここで気づいておきたいのは、増収率+26.0%に対して営業増益率が+13.9%と、利益の伸びが売上の伸びを下回る計画になっている点です。第27期の連結営業利益率は約4.5%ですが、予想値から逆算すると2027年1月期は約4.1%となり、利益率は横ばいから微減の想定と読めます。成長投資の負担を織り込んだ計画と考えられます(推定情報)。

財務の重さ|自己資本比率26.2%、投資CFが営業CFを大きく超過

転職検討者が見落としやすいのがここです。第27期の自己資本比率は連結26.2%・単体30.3%と、製造業としては厚いとは言えない水準です。有利子負債は長期借入金22億7,385万円に加え、1年内返済予定分が6億6,111万円あります。

キャッシュフローはさらに明快です。営業キャッシュフローが5億6,651万円であるのに対し、投資キャッシュフローは△9億6,988万円。本業で稼いだ現金を4億円以上上回る投資を行っており、その差は借入で埋めている構造です。前述の七日市工場への7億2,943万円の投資が、この数字の中心にあります。

また、第27期には特別損失5,863万円を計上しています。うち5,204万円は印刷設備の刷新に伴う減損損失で、2026年3月18日に臨時報告書として開示されました。一方、特別利益4,675万円は主に負ののれん発生益で、これは東京ネオプリントの取得に伴うものです。

この財務状況をどう評価するかは立場によります。設備投資を先行させて生産能力を確保しにいく攻めの姿勢とも読めますし、金利環境や受注減速局面での耐久力が薄いとも読めます。転職判断としては、短期的な賞与・昇給の原資には制約がかかりやすい財務構造であるという理解が妥当でしょう(推定情報)。

有価証券報告書が挙げるリスク|4つの依存構造

第27期の有価証券報告書から読み取れる主要リスクを整理します。いずれも公式情報にもとづく事実です。

  • 特定商品への依存:のぼりと幕で連結売上の約74.6%を占めます
  • 取引先の集中:最大の販売先であるラクスル1社で連結売上の16.3%(7億7,404万円)を占めます。同社はネット印刷最大手であり、競合であると同時に最大顧客でもあるという二面性があります
  • 自然検索流入への依存:検索エンジンのアルゴリズム変更を、発生可能性「高」・影響度「大」のリスクとして位置づけています
  • 子会社の統合リスク:東京ネオプリントの連結取込6か月間の実績は売上6億4,267万円・経常損失△5,701万円で、統合シナジーの実現は途上です。有価証券報告書には「連結子会社の管理及び事業統合に関するリスク」が新設されています

加えて、有価証券報告書には代表取締役社長・伊丹一晃氏への依存が「特定の人物への依存」リスクとして明記されています。同氏は個人で発行済株式の14.73%を保有し、資産管理会社とみられる株式会社イタミホールディングスが36.05%を保有しており、創業家で過半を握るオーナー企業です。意思決定は速い一方、経営陣の構成が業績に与える影響は相対的に大きい構造と考えられます(推定情報)。

なお、継続企業の前提に関する注記は第27期の有価証券報告書に記載されていません。直近5期(第23〜27期)はいずれも黒字です(上場前の2020年1月期・2021年1月期には純損失・経常損失を計上した記録がありますが、これは上場前のため有価証券報告書での確認対象外の二次情報です)。行政処分・重大な訴訟についても、有価証券報告書のリスク項目に「当社グループの事業に関連して、第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません」と明記されています。

株式市場の観点では、公開価格1,600円・初値2,000円に対し、2026年8月24日終値は1,062円、時価総額は約15.6億円です。東証は2025年12月の規則改正で、グロース市場の上場維持基準を「上場から5年経過後に時価総額100億円」とする方向を示しており、適用は2030年3月1日以後最初に到来する事業年度の末日からとされています。ただし本記事の作成にあたり、同社の上場維持基準への適合状況を示す個別開示は参照していないため、適合・不適合のいずれとも判断しません。

ネット印刷・販促EC業界の中でのイタミアートの立ち位置

転職検討者が実際に比較しがちな同業各社との違いを整理します。なお、非上場企業および他社の平均年間給与については本記事で一次情報を確認していないため、金額の比較は行いません。ここでは事業モデルと組織規模という、公開情報で確実に比べられる軸で並べます(一部推定情報を含みます)。

企業名上場区分事業モデルの特徴イタミアートとの関係転職検討者から見た違い
イタミアート(168A)東証グロースのぼり・幕特化のBtoB-EC+岡山の自社工場で一貫製造。基幹システムを内製—勤務地が岡山中心。IT・製造・マーケが1社に同居
ラクスル(4384)東証プライムネット印刷最大手。印刷は提携工場に発注するプラットフォーム型連結売上の16.3%を占める最大の販売先であり、競合でもある製造設備を自社で持たないため、職種はIT・事業開発寄り
プリントネット(7805)東証スタンダード鹿児島拠点のネット印刷通販。自社工場を保有直接の資本関係は確認されていない地方×自社工場×ネット通販という点でモデルが近い
プリントパック非上場(京都)ネット印刷通販の大手。大規模な自社設備を保有直接の資本関係は確認されていない有価証券報告書が存在せず、待遇の一次情報を得にくい
グラフィック非上場(京都)デザイン会社・広告代理店の利用が多いネット印刷通販直接の資本関係は確認されていないクリエイティブ寄りの顧客層。同じく一次情報が限られる

この表から見えるイタミアートの独自性は2つです。第一に、プラットフォーム型ではなく製造設備を自社で持ちながら、集客はWebのみという「ハイブリッド型」であること。第二に、上場企業であるため待遇の一次情報が公開されており、非上場の大手と違って入社前に数字で検証できることです。転職判断において、この検証可能性は実務的な価値があります。

一方、規模の観点では明確に小さい側です。連結従業員189人(臨時雇用者を含めても約413人規模)、時価総額約15.6億円という水準は、プライム上場のラクスルとは組織の厚みが異なります。研修制度や専門部署の分業体制を重視するなら、規模の違いは体感差として現れる可能性があります(推定情報)。

イタミアートへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収水準・組織の若さ・財務構造という3つの特徴が、そのまま向き不向きの分かれ目になります。

向いている人向いていない人
岡山を拠点に、全国転勤なしで働きたい人都市部勤務や全国規模のキャリアを前提にしたい人
年収336万2千円という現在地から、事業成長とともに伸ばす前提を受け入れられる人入社時点で400万円台以上の年収水準を確保したい人
Webマーケティングの成果が製造ラインの稼働に直結する環境に面白さを感じる人検索アルゴリズムのような外部要因に業績が左右される環境を避けたい人
平均勤続3.5年の若い組織で、制度や仕組みを自分で作りにいける人整備された制度・研修・分業体制のもとで働きたい人
多数のパート・アルバイトを含む現場の運営に関心がある人専門職として自分の担当領域だけに集中したい人
印刷・製造の知見にIT/ECのスキルを掛け合わせたい人大手の看板やブランド力を転職の主目的にしている人

販促・広告制作業界のキャリアパスという観点で補足すると、この会社で積める経験は業界内外に持ち出しやすい部類です。大判インクジェット出力の生産管理・工程改善の経験は同業他社や屋外サイン施工会社で通用しますし、自社EC運営とSEOの実績は、ネット通販型印刷サービスやプリンター・インクメーカーの商品企画、あるいは製造業全般のDX推進職への横展開が考えられます。「岡山でしか通用しないスキル」にはなりにくい点は、リスクヘッジとして評価できます。

イタミアートに関するよくある質問(FAQ)

検索サジェストや口コミサイトで実際に見られる疑問に、公式情報と口コミ傾向を分けて回答します。

イタミアートの平均年収はいくらですか?

第27期(2026年1月期)の有価証券報告書によると、平均年間給与は336万2千円です(公式情報)。これは提出会社の正社員のみが対象で、賞与および基準外賃金を含みます。前期は訂正後の数値で315万1千円のため、対前期+6.7%です。連結子会社である東京ネオプリントの給与水準は開示されていません。

イタミアートは伊丹市の会社ですか?

いいえ。社名の「イタミ」は創業者・代表取締役社長である伊丹一晃氏の姓に由来し、地名ではありません。本社・本社工場は岡山市南区新保660-15にあり、十日市工場・七日市工場も岡山市北区にあります(公式情報)。

七日市工場はどのような拠点ですか?

有価証券報告書によると、岡山市北区七日市東町にある同社の主力生産拠点です。帳簿価額は20億3,313万円と本社・本社工場の2倍以上で、第27期の設備投資9億1,250万円のうち7億2,943万円がこの拠点に投じられました。人員は正社員37人・臨時雇用者146人で、パート・アルバイトの比率が高い現場です(公式情報)。

イタミアートの残業はどのくらいありますか?

残業時間は有価証券報告書では開示されていません。エン カイシャの評判では月間残業時間47時間、勤務時間の納得度40%と掲載されています(口コミ傾向)。ただし口コミの評価対象は正社員15名と母数が限られます。小口・短納期の受注構造上、繁忙期に負荷が集中しやすい業態と考えられます(推定情報)。実態は選考の場で、配属予定部署の実績時間を直接確認するのが確実です。

イタミアートの採用はどのような人を求めていますか?

公式採用サイトによると、新卒採用は2015年から本格化しており、中途採用も継続して行われています。ミッションが「『IT』×『モノづくり』の力で世の中を変える。」であり、Webマーケティング・社内システム開発・DTP・製造と職種の幅が広いことから、求められる要件は職種ごとに大きく異なります(推定情報)。具体的な募集要件は公式採用サイトの最新求人で確認してください。

面接ではどのようなことが聞かれますか?

転職会議・就活会議に選考体験の投稿があり、自己PRやそれを活かした経験を問う質問、新卒では集団面接形式が実施された旨の記載が見られます(口コミ傾向)。ただし投稿件数が限られるため、これを選考の標準形と考えるのは適切ではありません。事業構造上、「自然検索に依存するビジネスをどう理解しているか」を自分の言葉で語れることは、職種を問わず有効と考えられます(推定情報)。

上場企業として経営は安定していますか?

第27期の有価証券報告書に継続企業の前提に関する注記はなく、直近5期はいずれも黒字です(公式情報)。一方で、自己資本比率は連結26.2%、投資キャッシュフロー△9億6,988万円に対し営業キャッシュフローは5億6,651万円と、設備投資が先行している状態です。安定性を一言で断じることはできず、成長投資と財務の余裕度をセットで見る必要があります。

イタミアートへの転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の経験・適性を含めて確認してください。

判断軸評価と根拠
年収水準公式平均336万2千円(第27期)。ただし平均年齢28.8歳が母集団であり、同年代比較の視点が必要
年収の伸び前期比+6.7%。ただし有価証券報告書で追える推移は2期分のみで、長期トレンドは検証できない
組織の若さ平均年齢28.8歳・平均勤続3.5年。中途入社でも馴染みやすい一方、制度は発展途上
事業の独自性のぼり・幕で自然検索1位という参入障壁。一方でアルゴリズム変更が最大級のリスク
成長性単体売上5期連続増収、2027年1月期は60億円予想。ただし利益率は横ばい〜微減の計画
財務の余裕度自己資本比率26.2%、投資CFが営業CFを4億円以上超過。短期の待遇原資には制約がかかりやすい
勤務地岡山市内で完結する構造。全国転勤を避けたい人には実利的な魅力
口コミの信頼性OpenWorkは回答者1名、エン カイシャの評判も評価対象15名。スコアの解釈には注意が必要
スキルの持ち出しやすさ大判インクジェット生産管理+自社EC/SEOの経験は、業界内外に展開しやすい

編集部の見解として総合すると、イタミアートは「今の年収水準を受け入れられるかどうか」で評価が真っ二つに分かれる会社です。336万2千円という公式平均は、上場企業の中では低い部類に入ります。しかしその内実は、平均年齢28.8歳・勤続3.5年という若い組織の平均であり、他社の平均年収と単純に並べて比べる性質の数字ではありません。むしろ注目すべきは、単体売上が5期で約2倍になり、正社員数が1年で114人から133人へ増えているという成長の実態のほうです。

一方で、この成長は借入による設備投資に支えられており、財務には余裕があるとは言えません。加えて、のぼり・幕への商品集中、ラクスル1社への取引集中、自然検索への流入依存という3つの依存構造を、会社自身が有価証券報告書のリスクとして開示しています。「成長中だが安全ではない」という状態を、事実として受け止められる人にとっては面白い会社であり、安定性を第一条件にする人にはおすすめできません。20代で裁量と経験を取りに行きたい人、印刷・製造の現場とWebマーケティングの両方に手を伸ばしたい人には、検討する価値のある選択肢と考えられます。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

主たる一次情報は、第27期(2025年2月1日〜2026年1月31日)有価証券報告書(2026年4月27日提出)、第26期の訂正有価証券報告書(2026年4月16日提出)、および減損損失に関する臨時報告書(2026年3月18日提出)です。

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに本記事では、第26期の平均年間給与が訂正有価証券報告書で上方修正されている事実を反映し、前期比の計算に訂正後の数値を用いています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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