杉本商事の年収656万円とトラスコ中山との96万円差|評判と働き方を有報で検証
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 年収:有報の平均年間給与は656.7万円(第101期・単体491名)
- 同業比較:トラスコ中山の752.6万円より約96万円低く、規模は約6.6倍差
- 働き方:月残業15.7時間・年間休日127日・平均勤続13.5年と低負荷寄り
- 注意点:第101期は5期ぶり減収、営業益△14.5%。東部・中部が大きく落ち込み
杉本商事株式会社(証券コード9932・東証プライム市場/大阪市西区)は、測定器具・工作用器具・機械工具・空圧油圧機器などを扱う機械工具の専門商社です。1921年創業の100年企業で、精密測定器具に強みを持ち、全国49営業所と東名阪3か所の物流センターで国内の製造現場を支えています。この記事では、第101期(2026年3月期)有価証券報告書の実額をベースに、年収656.7万円の中身、同業大手トラスコ中山との約96万円差の理由、月残業15.7時間という働き方、そして「やばい」と検索される背景にある減収減益の構造までを、公式情報・口コミ傾向・推定情報を分けて整理します。なお、京都市の同名企業(配管材料・住宅設備機器の卸)や「株式会社すぎもと」は本記事の対象とはまったく別の会社です。本記事が扱うのは証券コード9932・公式ドメインsugi-net.co.jpの杉本商事株式会社です。
杉本商事とはどんな会社か|球場の名前で知られる大阪の機械工具商社
結論として、杉本商事は「社名の知名度と事業内容が一致していない会社」です。検索候補を見ると、上位に並ぶのは年収や評判ではなく「杉本商事バファローズスタジアム舞洲」「杉本商事bs」といった野球施設の名称で、同社がネーミングライツを取得している球場経由の検索が流入の大半を占めます。つまり多くの人は名前を知っていても、何を売っている会社かを知りません。転職検討者にとってはここが出発点になります。
事業の実体はきわめて明快です。公式情報として、同社が扱うのは工場で使われる機械・工具・工場用品・消耗品で、取扱品目は100万点以上、仕入先は3,000社を超えます。いわゆるMRO(間接資材)・生産財流通の領域で、なかでも精密測定器具に強みがあります。最終ユーザーは半導体・自動車・工作機械・鉄鋼・電子部品といった国内の製造現場で、卸売と直需(エンドユーザー直販)の両輪を持ちます。
沿革も押さえておく価値があります。創業は1921年2月、設立は1938年1月で、当初は大阪市東淀川区の株式会社旭商店として発足し、1952年12月に現社名へ改称しました。株式市場には1993年4月に大証二部、2005年4月に東証二部、2007年4月に東京・大阪両取引所の市場第一部へ指定され、2022年4月の市場区分見直しで東証プライム市場へ移行しています。2025年4月には本社ビルを増改築しており、第101期はちょうど創業から100年を超えた節目の期にあたります。
報告セグメントは「地域」で切られている
杉本商事の報告セグメントは商材別ではなく販売地域別で、東部・中部・西部・海外(貿易部)の4区分です。これは転職後のキャリアに直結する情報です。商品カテゴリで組織が切られている会社なら「切削工具のプロ」「測定器のプロ」というキャリアになりますが、地域で切られている会社では「担当エリアの製造業を知り尽くした営業」というキャリアになります。どちらが自分に向くかは、専門性の置き方の好みで変わります。
連結子会社は株式会社スギモト(兵庫県尼崎市・機械工具卸・100%子会社/売上73億41百万円)ほか、非連結子会社1社です。応募先が本体かグループ会社かで条件が変わる可能性があるため、求人票の雇用主名は必ず確認してください。
杉本商事の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、すべて第101期(2026年3月期)有価証券報告書および公式IR・採用サイトの記載にもとづきます。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 杉本商事株式会社(SUGIMOTO & CO., LTD.) |
| 証券コード/市場 | 9932/東証プライム市場(2022年4月にプライムへ移行) |
| 本社 | 大阪市西区立売堀5丁目7番27号 |
| 創業/設立 | 創業1921年2月3日/設立1938年1月10日 |
| 代表者 | 代表取締役社長執行役員 杉本正行(2024年4月就任) |
| 資本金 | 25億9,740万6千円 |
| 平均年間給与 | 6,567,093円(約656.7万円)/前事業年度比△0.8%。賞与および基準外賃金を含む、提出会社ベース |
| 平均年齢 | 38.9歳(2026年3月31日現在・提出会社) |
| 平均勤続年数 | 13.5年(2026年3月31日現在・提出会社) |
| 従業員数 | 連結592名(うち嘱託40名)/提出会社491名(うち嘱託34名) |
| 売上高 | 連結486億11百万円(前期比1.7%減)/単体421億38百万円 |
| 営業利益 | 連結20億47百万円(前期比約14.5%減・営業利益率4.2%) |
| 経常利益/純利益 | 経常25億50百万円(△12.2%)/親会社株主帰属当期純利益21億12百万円(+10.2%) |
| 財務 | 自己資本比率77.9%(連結)、現金及び現金同等物83億円、年間配当54円・配当性向46.0% |
| 拠点 | 全国49営業所+東名阪3か所の物流センター(グループ営業拠点64か所) |
| 労働組合 | 杉本商事株式会社労働組合(組合員423名・上部団体非加盟/労使関係は円満と記載) |
| 出典 | 第101期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月15日提出)/公式IR・公式採用サイト |
表のうち、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の4項目は有価証券報告書「従業員の状況」の実額であり、推定値ではありません。一方で離職率・職種別年収・選考倍率は有価証券報告書では開示されていないため、本記事でも数値は置きません。
杉本商事の平均年収656.7万円を有報で分解する
先に結論を言うと、杉本商事の年収は「日本の平均よりは明確に高く、機械工具商社の最上位には届かない」水準です。公式情報として、有価証券報告書によると第101期の平均年間給与は6,567,093円(約656.7万円)で、賞与および基準外賃金を含む提出会社(単体491名)の実額です。前事業年度比は△0.8%で、第100期の約662万円からわずかに下がりました。
この数字を読むときに欠かせないのが、同じ有報に並ぶ平均年齢と平均勤続年数です。平均年齢38.9歳、平均勤続年数13.5年。つまり656.7万円は「39歳前後・在籍13年半の人が中心にいる集団の平均」であり、20代の実額ではありません。平均勤続13.5年は商社としてはかなり長く、新卒で入って定着する人が多数派の組織構造を示します。
公式サイト内で数字が2つ並存している点に注意
ここは応募前に知っておくと印象が変わるポイントです。公式採用サイトの「データで見る杉本商事」によると、平均年齢は35.2歳・平均勤続年数は12.6年(2026年4月現在)と記載されています。有報の38.9歳・13.5年とは3.7歳・0.9年のずれがあります。どちらかが誤りというわけではなく、集計対象(嘱託を含むかどうか等)と基準日が違うためです。従業員数も同様で、有報は連結592名・単体491名、会社概要ページは518名と定義が異なります。

採用サイトの35.2歳を見て「若い会社」だと思っていました。
採用サイトだけを見ると平均35.2歳の若い組織に見え、有報を見ると38.9歳・勤続13.5年の安定組織に見えます。推定情報として、この差は嘱託・パート等の扱いや基準日の違いから生じている可能性が高いと考えられます。実務的には、年収・年齢・勤続は有報(第101期・提出会社)を基準に読み、採用サイトの数字は「新卒採用母集団に近い姿」として参照するのが安全です。
口コミサイトの年収情報をどう扱うか
本記事では、OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判・キャリコネなどの口コミサイトについて、件数や総合スコア、自己申告の平均年収を数値として掲載していません。理由は、本調査の時点でこれらの実数を特定できていないためで、推測で数字を置くことは避けます。口コミ傾向として語られる内容は、投稿母数が数十件規模にとどまる企業では回答者の職種・年代に偏りが出やすく、有報の実額と数十万円単位でずれることが一般に知られています。単体491名・連結592名のBtoB専業企業である同社も、口コミ母数は大きくない可能性があります。
したがって本記事は、有報と公式採用サイトで裏取りできる一次データ(残業時間・年間休日・有給取得日数・育休取得率・勤続年数・労働組合員数・男女賃金差異)を判断材料に置きます。
年代別・役割別の目安レンジ(推定情報)
以下は推定情報です。公式に職種別・年代別の年収は開示されていないため、有報の平均656.7万円・平均年齢38.9歳、公式に開示された初任給26万円(大卒・業務手当2万円込み/院卒27.1万円)、賞与年2回・昇給年1回・残業代全額支給という条件から逆算した目安にすぎません。
- 20代前半(入社1〜3年):年収350〜450万円程度が目安。初任給26万円・賞与年2回・残業代全額支給という条件から推定されます。
- 20代後半〜30代前半:年収450〜600万円程度が目安。担当顧客を持ち、営業所の数字に寄与し始める時期にあたります。
- 30代後半〜40代(平均層):年収650万円前後が中心。平均年齢38.9歳・平均656.7万円という実額がそのまま参照点になります。
- 営業所長・管理職層:年収800万円超の可能性。営業所単位の独立採算制で損益責任を持つ立場であり、役職手当と賞与の差が出やすいと考えられます。
転職時に確認すべきポイントは3つです。第一に、提示額が基本給・業務手当・みなし残業のどの構成かを労働条件通知書で確認すること。第二に、賞与の実績月数(公式には年2回という回数のみ開示)を面接で質問すること。第三に、配属営業所によって扱う顧客規模と数字の作り方が変わるため、想定配属地と転勤の運用を確認することです。
トラスコ中山との約96万円差はどこから生まれるのか
この記事でいちばんお伝えしたいのはここです。結論は「年収差96万円は人の能力差ではなく、ビジネスモデルの差から生まれている」という点です。同じ機械工具・MRO商社である同業大手トラスコ中山(9830)の単体平均年収は752.6万円で、杉本商事の656.7万円より約96万円高い。ではその差は何に由来するのか、両社の公式情報を並べると構造が見えてきます。
| 比較軸 | 杉本商事(9932) | トラスコ中山(9830) |
|---|---|---|
| 単体平均年間給与 | 656.7万円 | 752.6万円 |
| 連結従業員数 | 592名 | 3,258名 |
| 売上高(連結) | 486億11百万円 | 3,200億43百万円 |
| 営業利益(連結) | 20億47百万円 | 228億16百万円 |
| 営業利益率 | 4.2% | 7.1% |
| 物流拠点 | 東名阪3か所の物流センター | 物流拠点30か所 |
| アイテム数 | 取扱品目100万点超 | 公開アイテム約455万点(在庫アイテム規模も大きい) |
| 仕入先 | 3,000社超 | 3,729社 |
| 国内拠点 | 49営業所(グループ営業拠点64か所) | 国内91か所(本社2・営業60・物流30)+海外7拠点 |
売上規模は約6.6倍差です。しかし転職判断で意味があるのは、規模そのものではなく「1人あたりいくら稼いでいるか」です。推定情報を含む試算として、連結従業員1人あたりの売上は杉本商事が約8,200万円、トラスコ中山が約9,800万円。さらに1人あたり営業利益は杉本商事が約346万円、トラスコ中山が約700万円で、およそ2倍の差がつきます。人件費の原資となる1人あたり利益に2倍の差があるなかで、年収差は約13%にとどまっている、という読み方ができます。
戦略が正反対だから収益構造も違う
両社の差は偶然ではなく、選んだ戦略の違いです。トラスコ中山は物流拠点30か所・公開アイテム約455万点という在庫と物流への巨額投資で「在庫で勝つ」モデルを取ります。対して杉本商事は物流センター東名阪3か所・取扱品目100万点超という身軽な体制で、営業所単位の独立採算による地域密着・提案型の対面営業で勝つモデルです。
注目すべきは、同社自身が有価証券報告書の「事業等のリスク」で、大規模な情報システムと物流センターを整備した競合のネット販売増加、ユーザーのIT集中購買化を「販売ルートの変化」として明記している点です。言い換えれば、先行する他社と同じ土俵では戦わないという選択を、会社が一次情報として宣言しているわけです。この戦略の違いは、そのまま働き方の違いに直結します。在庫と物流で差をつける会社ならシステム・物流・データの仕事が厚くなり、対面提案で差をつける会社なら顧客の加工現場に入り込む営業の仕事が厚くなります。
地域セグメントを1人あたりで割ると見え方が変わる
同社の収益構造は、地域セグメントを従業員数で割るとさらに立体的になります。第101期の販売高とセグメント従業員数を突き合わせると次のようになります(推定情報を含む試算)。
- 西部:販売高212億62百万円/従業員210名、セグメント利益9億87百万円(+1.3%)。1人あたり利益は約470万円で最も厚い。
- 中部:販売高140億41百万円/従業員133名、セグメント利益5億45百万円(△26.8%)。1人あたり利益は約410万円。
- 東部:販売高113億92百万円/従業員103名、セグメント利益3億80百万円(△27.9%)。1人あたり利益は約369万円で最も薄い。
- 海外(貿易部):販売高19億15百万円(+10.8%)/従業員9名、セグメント利益1億34百万円(△9.2%)。唯一の増収セグメント。
本社がある西部(関西)が人数・売上・利益のいずれでも中核で、東部(関東)は1人あたり利益が西部の8割弱にとどまります。これは「関東で後から拠点網を広げてきた商社」という位置づけを数字で裏づけるものです。関東配属を希望する人は、成熟した地盤の上で回す仕事ではなく、シェアを取りにいく仕事になる可能性が高いと考えられます。
機械工具・MRO商社を含む中堅上場商社10社の待遇・規模比較
杉本商事の水準を相対的に捉えるために、同じ中堅上場商社10社を並べます。すべて各社の有価証券報告書「従業員の状況」および決算開示の公式情報です。決算期が異なる社があるため、表の直後の注記まで必ず読んでください。
| 会社名(証券コード) | 市場 | 決算期 | 有報の平均年間給与 | 平均年齢/平均勤続 | 提出会社(単体)/連結 従業員数 | 売上高(連結) | 営業利益(連結) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 因幡電機産業(9934) | 東証プライム | 第78期(2026年3月期) | 989.5万円(+8.2%/前期約914万円) | 37.6歳/13.0年 | 1,790名/2,230名 | 4,170億23百万円(+8.6%・過去最高) | 297億11百万円(+16.3%・利益率7.1%) |
| 東テク(9960) | 東証プライム | 第71期(2026年3月期) | 918.4万円(+9.2%/前期840.9万円) | 41才1ヵ月/11年9ヵ月 | 1,171名/2,855名 | 1,700億13百万円(+9.0%) | 171億25百万円(+16.6%) |
| ミスミグループ本社(9962) | 東証プライム | 第64期(2026年3月期) | 914万円(持株会社327名のみ/会社開示の合算値は769.2万円・1,737名) | 提出41.4歳・合算39.6歳/いずれも7.5年 | 327名/11,304名(海外8,092名=約72%) | 4,413億83百万円(+9.8%) | 476億13百万円(+2.4%・利益率10.8%) |
| アルテック(9972) | 東証スタンダード | 第50期(2025年11月期) | 672.0万円(ほぼ横ばい) | 46.5歳/12.3年 | 135名/418名 | 175億51百万円(△3.7%) | 24百万円(前期は営業損失148百万円/経常損失126百万円) |
| 杉本商事(9932) | 東証プライム | 第101期(2026年3月期) | 656.7万円(△0.8%) | 38.9歳/13.5年 | 491名/592名 | 486億11百万円(△1.7%) | 20億47百万円(△14.5%・利益率4.2%) |
| 平和紙業(9929) | 東証スタンダード | 第93期(2026年3月期) | 638.2万円(+4.5%) | 46.9歳/22.5年 | 133名/188名 | 157億96百万円(△1.5%) | 99百万円(△30.3%・利益率0.6%) |
| 太洋物産(9941) | 東証スタンダード | 第85期(2025年9月期) | 508.7万円(2期連続微減) | 45才9ヶ月/12年11ヶ月 | 31名(非連結) | 196億62百万円(+4.8%) | 2億47百万円(減益・利益率1.3%) |
| 北沢産業(9930) | 東証スタンダード | 第79期(2026年3月期) | 496.6万円(+4.3%) | 45歳1か月/15年0か月 | 345名/382名 | 140億31百万円(△9.8%) | 2億66百万円(△68.3%) |
| 植松商会(9914) | 名証メイン(東証スタンダードは2026年9月21日付で上場廃止) | 第72期(2026年3月期) | 487.8万円 | 40.8歳/15.0年 | 75人(非連結) | 66億31百万円(+5.2%) | 85百万円(+93.5%・利益率1.3%) |
| ヨンキュウ(9955) | 東証スタンダード | 第52期(2026年3月期) | 477.9万円(+3.7%) | 42.9歳/12.7年 | 109名/134名 | 476億76百万円(+6.2%) | 18億69百万円(+20.9%・利益率3.9%) |
【比較表の注記】この表は、そのまま横並びで優劣を読むと誤解を招くため、以下の5点を前提に読んでください。
- 決算期が3種類ある:アルテックは11月期(第50期/従業員データは2025年11月30日現在)、太洋物産は9月期(第85期/2025年9月30日現在)で、残る8社が3月期です。期数も第50期から第101期まで大きく異なり、杉本商事は第101期=100年商社にあたります。
- 市場区分は植松商会だけが特殊:植松商会は東京証券取引所スタンダード市場を「流通株式時価総額」基準の未達により2026年9月21日付で上場廃止となりました(売買最終日2026年9月18日)。原因は業績悪化や不祥事ではなく形式基準の未達であり、名古屋証券取引所メイン市場(2024年12月上場)での上場は継続、証券コードも変更ありません。非上場化するわけではない点に注意してください。
- 平均年間給与はすべて提出会社(単体)の値:連結全体の水準ではありません。とくにミスミグループ本社は持株会社単体327名の914万円であり、会社自身が有報の注記で「提出会社と子会社は人事制度上ほぼ一体運営のため両社合算で正社員1,737名・平均年間給与7,692,115円(約769万円)」と開示しています。914万円だけを見るのは実態の誤認につながります。東テクも単体1,171名に対し連結2,855名で、子会社の給与水準は非開示です。アルテックは単体135名の672.0万円で、人数の主力である製造(プリフォーム)側268名を含みません。杉本商事(491名/592名)、因幡電機産業(1,790名/2,230名)、北沢産業(345名/382名)、平和紙業(133名/188名)、ヨンキュウ(109名/134名)は事業会社本体で単体が連結の大半を占めるため乖離は小さいものの、子会社分は含まれません。植松商会と太洋物産は連結財務諸表を作成していない単体開示企業です。
- 減益・赤字の社を隠さずに読む:アルテックは営業利益24百万円で黒字転換した一方、経常損失126百万円で3期連続の経常赤字、当期純損失2,594百万円と最終赤字が拡大しています(減損損失1,057百万円と再生フレーク事業撤退に伴う事業構造改善費用1,198百万円が要因)。北沢産業は営業利益△68.3%と1年で3分の1以下になりました。平和紙業は営業利益率0.6%まで低下。ミスミグループ本社は増収ながら営業利益率が11.6%から10.8%へ下がり経常は減益です。杉本商事も第101期は5期ぶりの減収(△1.7%)で営業利益△14.5%、東部△27.9%・中部△26.8%とセグメント利益の落ち込みが目立ちます。
- 純利益の伸びは本業の伸びと別物:杉本商事の純利益+10.2%は政策保有株売却など特別要因によるもので、本業要因ではありません。ヨンキュウの純利益+167.4%も投資有価証券売却益34億89百万円による一過性です。営業利益とセグメント利益で本業を読むのが正しい順序です。
そのうえで最も示唆的なのは収益性の開きです。営業利益率は因幡電機産業7.1%>杉本商事4.2%>ヨンキュウ3.9%>植松商会1.3%≒太洋物産1.3%>平和紙業0.6%>アルテック0.1%で、同じ卸売業でも最大と最小で約12倍の差があります。因幡電機産業が高い理由は自社製品事業803億円(売上の19.3%)と子会社の製販兼営にあり、「仕入れて売るだけ」ではない構造が利益率を生んでいます。杉本商事の4.2%は、純粋な流通型商社としては上位寄りの水準です。
もう一点、機械工具・MRO商社という同じ業態で比べると差は一層明確です。トラスコ中山(連結3,258名・売上3,200億円・利益率7.1%・年収752.6万円)、杉本商事(592名・486億円・4.2%・656.7万円)、植松商会(75人・66億円・1.3%・487.8万円)。同じ業態で規模が約50倍違い、年収も265万円の幅があります。どの規模帯で働くかが、待遇にもキャリアの射程にも直結します。
「杉本商事 やばい」と検索される背景にある第101期の減収減益
検索候補には「杉本商事 やばい」「ホワイト」「離職率」が並びます。結論として、同社を危ない会社と断定できる根拠は見当たりません。第101期有価証券報告書には訴訟・行政処分・課徴金に関する記載がなく、内部統制報告書も「財務報告に係る内部統制は有効」としています。ただし、不安系の検索を生む材料が業績側に実在します。それが第101期の減収減益です。ここを曖昧にせず分解します。
公式情報として、第101期の連結売上高は486億11百万円で前期比1.7%減。直近5期の推移は第97期431億円→第98期455億円→第99期466億円→第100期494億円→第101期486億円で、5期ぶりに減収へ転じました。営業利益は20億47百万円で前期23億95百万円から約14.5%減、営業利益率は4.2%です。経常利益は25億50百万円で12.2%減。2025年10月15日には第2四半期の経常利益を24.9%下方修正した実績もあります。
「営業減益なのに純利益は増益」というねじれ
ここが読み間違えやすい箇所です。親会社株主に帰属する当期純利益は21億12百万円で前期比+10.2%の増益でした。数字だけを拾うと「最終利益は伸びている」と見えますが、これは政策保有株売却など特別要因の寄与であり、本業の回復ではありません。本業を測るのは営業利益(△14.5%)とセグメント利益です。求人説明や会社紹介で純利益の伸びだけが示された場合、営業利益とセグメント利益まで自分で確認する姿勢が必要です。
セグメント利益を見ると濃淡がはっきりします。西部9億87百万円(+1.3%)に対し、中部5億45百万円(△26.8%)、東部3億80百万円(△27.9%)、海外1億34百万円(△9.2%)。つまり落ち込みは全社一律ではなく、中部・東部という特定地域に集中しています。背景には国内製造業の設備投資サイクルがあり、半導体・生成AI・データセンター関連は堅調、EV・鉄鋼・工作機械関連は低調という顧客業種の濃淡があると考えられます(推定情報)。
「やばい」の反証になる一次データもある
一方で、同社には不安系の検索と逆方向を示す開示データがそろっています。財務は自己資本比率77.9%(連結)、現金及び現金同等物83億円と極めて厚く、赤字ではありません。第102期第1四半期(2026年7月29日発表)は経常利益6億14百万円・前年同期比57.89%増と回復に転じています。ただしこれは四半期の実績であり、通期の結果を保証するものではありません。
なお「離職率」の検索需要もありますが、離職率は有価証券報告書では開示されていないため、本記事では数値を置きません。代替指標として使えるのが平均勤続年数13.5年と労働組合員423名(管理職を除く従業員のほぼ全員に相当)で、短期離職が多い組織では成立しにくい数字です。行政処分や重大な不祥事については、第101期有報および公式開示の範囲では確認できなかった、というのが本調査の結論です。報道ベースの網羅的な検証は行えていないため、この点は留保しておきます。
働き方の実像|残業15.7時間・年間休日127日と営業所独立採算という構造
結論として、杉本商事は労働時間の指標が一次情報で裏取りできる、商社としては低負荷寄りの会社です。数字を並べます。
- 月平均時間外労働15.7時間(有価証券報告書のサステナビリティ開示/連結正社員・目標20時間以下を達成)。公式採用サイトでは月平均残業15.9時間と記載。
- 年間休日120日以上(募集要項)。公式採用サイトによると実績値は127日。完全週休2日制+祝日。
- 平均有給取得15.2日(有報・全社員平均)。公式採用サイトでは14.5日。
- 勤務時間8:30〜17:00(休憩1時間)、残業代全額支給、賞与年2回(6月・12月)、昇給年1回(4月)。
- 男性育児休業取得率69.2%、育休は希望者100%取得(有報)。年間研修18回を計画どおり実施。
月15.7時間は1日あたり45分程度で、生産財商社としては軽い部類です。「ホワイト」という検索候補が立つのは、この数字が公開情報として存在することと整合します。ただし推定情報として、納期トラブルや顧客の稼働時間に合わせた対応が発生する営業職では、平均値より負荷が偏る時期がある可能性は考慮しておくべきです。
弱点も一次情報で明示されている
両面を書きます。同社のサステナビリティ開示には、次のような課題も公式情報として出ています。
- 管理職に占める女性労働者の割合1.5%。女性採用比率25.9%で、単年度目標30%に未達。
- 男女賃金差異は全労働者70.5%・正規雇用68.5%・パート有期73.9%。連結子会社の株式会社スギモトは全労働者59.6%・正規60.6%で本体より差が大きい。
- 公式採用サイトの男女内訳は男性373名・女性126名(男女比8:2)。
管理職女性比率1.5%という数字は、女性が管理職としてキャリアを積むロールモデルが社内にまだ少ないことを意味します。これは批判としてではなく、事実として踏まえるべき情報です。育休取得や有給取得といった両立支援の指標は良好な一方、上位職への到達という軸では課題が残る、という二面性があります。
営業所単位の独立採算制=配属で仕事の中身が変わる
杉本商事を語るうえで欠かせない構造が、営業所単位の独立採算です。有価証券報告書の沿革には、1953年以降の営業所の開設・昇格・廃止・統合が延々と列挙されています。直近でも2020年に平野営業所を統合、2021年に仙台・市川を開設、2024年に大垣を新築、2025年に八日市を移転と、拠点の動きは現在も続いています。
取締役会が営業所単位で業績を評価する仕組みのため、配属された営業所ごとに数字責任と裁量が明確になります。これはメリットとデメリットが表裏一体です。若いうちから売上・粗利・在庫を自分の数字として見る経験が積める一方、拠点の規模・顧客構成・先輩の層によって仕事の難易度と成長スピードが変わります。全国49事業所への配属可能性があり転勤を伴う総合職採用であることも、募集要項に明記された公式情報です。

配属先で働き方がどれくらい変わるのか気になります。
先に示したとおり、1人あたりセグメント利益は西部約470万円・中部約410万円・東部約369万円と差があります。成熟した地盤で回す仕事か、シェアを取りにいく仕事かは地域で違います。面接では「想定配属エリア」「営業所の人数規模」「担当顧客の業種構成」「転勤の平均頻度」を必ず確認してください。これは待遇よりも日々の満足度に効く論点です。
創業家同族経営に光通信が入るという資本構成のねじれ
転職検討者が資本構成を見る意味は、「誰の意思で経営方針が決まるか」を知ることにあります。同社の大株主は公式情報として次のとおりです(2026年3月31日現在・自己株式を除く発行済株式総数に対する比率)。
- 1位 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)2,001千株・11.5%
- 2位 創業家系とみられる個人株主 1,062千株・6.1%
- 3位 光通信KK投資事業有限責任組合 531千株・3.0%
- 4位 別の創業家系とみられる個人株主 502千株・2.9%
- 5位 杉本商事従業員持株会 420千株・2.4%
- 6位 株式会社Firm 400千株・2.3%
- 7位・10位 別の創業家系とみられる個人株主 390千株・2.2%/255千株・1.5%
- 9位 日本カストディ銀行(信託口)313千株・1.8%
上位10名の合計は6,211千株・35.5%で、親会社は存在しない独立企業です。構造上の特徴は2つあります。第一に、創業家系とみられる同姓の個人株主が上位10位に4名並び、合計で約12.7%を占める同族色の強い構成であること。取締役会は社内3名+社外2名の計5名という小規模な体制です。第二に、そこに光通信KK投資事業有限責任組合が3.0%で第3位株主として入っていること。
この組み合わせは何を示すのか。推定情報として、自己資本比率77.9%・手元資金83億円・PBR0.64倍・PER10.7倍(2026年9月時点の株価1,281円・時価総額約236億円)という「資産を厚く持つバリュー株」に対しては、資本効率の改善を求める圧力がかかりやすいと考えられます。実際に第101期は自己株式取得に29億99百万円を投じ、自己株式は5,320,209株(発行済22,798,474株の約23%)に達しました。配当性向は連結46.0%、年間配当54円。2024年10月1日付で1株→2株の株式分割も実施しています。
従業員持株会が第5位株主(2.4%)という点も見逃せません。安定株主として社員が株を持つ構造は、長期勤続を前提とした組織文化と整合します。総じて推定情報として、同族経営の安定性と株主からの資本効率要求がせめぎ合うなかで、株主還元を強める方向に舵が切られている局面だと読めます。転職者の観点では、急激な事業転換よりも既存事業の収益性改善が優先されやすい環境だと考えられます。
杉本商事の将来性|EC・デジタル調達との競争をどう見るか
結論として、同社の将来性は「国内製造業の設備投資の波」と「EC・デジタル調達との競争にどう応えるか」の2点でほぼ決まります。一般論ではなく、業界数値と会社の打ち手で見ていきます。
需要側:内需の回復が2026年に入って広がっている
日本工作機械工業会の受注統計では、総額が2024年の1兆4,851億円(前年比99.9%)から2025年は1兆6,043億円(同108.0%)へ回復しました。ただし内訳は外需1兆1,635億円(同111.5%)が牽引役で、内需は4,409億円(同99.8%)と足踏みしていました。2026年に入ると1〜7月累計で総額1兆2,482億円(前年同期比137.8%)、内需も3,261億円(同126.5%)へと、国内側にも回復が広がっています。国内製造現場を主顧客とする同社の業績は内需の波と連動しやすく、第101期の減収減益は内需の足踏み局面と重なっていました。推定情報として、内需回復が続けば追い風になる可能性がありますが、半導体・データセンター向けとEV・鉄鋼・工作機械向けの濃淡は残ると考えられます。
競争側:MonotaROの成長をどう受け止めるか
構造リスクは会社が自ら書いています。有価証券報告書の「事業等のリスク」6項目は、(1)主に製造業業績(国内設備投資・工場稼働率)の影響、(2)人材の確保及び教育、(3)自然災害等、(4)販売ルートの変化、(5)システム障害・情報セキュリティ、(6)カーボンゼロ・気候変動リスクです。このうち(4)が本質的な論点で、大規模な情報システムと物流センターを整備した競合のネット販売増加、ユーザーのIT集中購買化が明記されています。
実数で見ると競合の勢いは明確です。MRO通販のMonotaROは2025年12月期に売上3,339億円・営業利益462億円(営業利益率13.8%)、2026年12月期は売上3,814億円を見込み、年率14%前後で低単価・小口の間接資材需要を吸収しています。一方のトラスコ中山も2026年12月期は売上3,500億円(約9%増)を見込みつつ営業利益は226億円と微減予想で、大型物流投資が当面の利益を圧迫する構図が見えます。推定情報として、小口・定番品の需要がECへ流れる流れは続く可能性が高く、対面商社に残るのは「選定が難しい商材」「現場の課題解決を伴う提案」だと考えられます。
会社の打ち手:中期経営計画とDX
同社は第4次中期経営計画『Start of the next 100 years〜変化へチャレンジ』(2024年5月発表)で、新事業開発(DX商材)、新市場拡大(M&A・ホワイトスペース補完)、ESG推進、IT投資、社員満足度向上の5本柱を掲げています。第102期(2027年3月期)には売上高558億30百万円を目標として置いていますが、これは計画値であり実績ではありません。具体的な打ち手としては、2024年4月のECサイト「よいしな」開設、2025年4月の株式会社INDUSTRIAL-XとのDXコンサルティング領域での資本業務提携があります。
推定情報として、今後評価されやすいのは「カタログを届ける営業」ではなく「ECやデータと併走しながら、省人化・自動化の提案で差をつける営業」だと考えられます。製造業の人手不足と熟練技能者の世代交代を背景に、画像測定機や自動検査といった測定のデジタル化への引き合いが広がっており、精密測定器具に強い同社の土俵と重なります。
杉本商事の就職難易度と選考フロー
「採用大学」「就職難易度」の検索もあるため、公式情報で分かる範囲を整理します。まず前提として、採用大学の一覧や選考倍率は有価証券報告書でも公式採用サイトでも開示されていないため、学歴基準を断定することはできません。分かっているのは選考プロセスと処遇条件です。
- 選考フロー:説明会 → 一次(適性検査・筆記・エントリーシート)→ 二次(グループディスカッション)→ 三次 → 最終。期間は約50日。
- 初任給:大卒26万円・院卒27.1万円(いずれも業務手当2万円込み)。
- 採用区分:総合職(営業・スタッフ職)の一括採用。全国49事業所配属で転勤あり。
- 福利厚生:企業年金、社員持株会、退職金、社宅制度。
一次で適性検査・筆記・ESを課し、二次でグループディスカッションを置く流れは、論理的な説明力と対人コミュニケーションの両方を見る設計だと考えられます(推定情報)。中途採用については職種別の要件が公表されていないため難易度の断定はできませんが、営業所単位の独立採算制という構造から、数字責任を持った法人営業経験、製造業の顧客を相手にした提案経験は評価されやすいと推定されます。女性採用比率は25.9%で単年度目標30%に未達という開示があり、女性の採用を増やす方針が示されている点は参考になります。
杉本商事への転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と構造分析をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 月残業15.7時間・年間休日127日という労働時間の予見性を重視する人 | 短期間で大幅な年収アップを狙い、成果連動の振れ幅を求める人 |
| 営業所単位の独立採算で、若いうちから売上・粗利・在庫を自分の数字として見たい人 | 配属地や拠点規模で仕事の中身が変わることを受け入れられない人 |
| 製造現場に入り込み、工具選定・測定・省人化の提案で価値を出したい人 | 商材を届けるルート営業に終始することへの不安が強く、専門性の型が欲しい人 |
| 平均勤続13.5年の低流動型組織で、長期の信頼関係を積み上げたい人 | 中途入社者が多数派の高流動環境で、外部人材のスピード感を求める人 |
| 全国49事業所配属・転勤を前提に、地域の製造業を知り尽くすキャリアを描ける人 | 勤務地を固定したい人、管理職女性比率1.5%という現状に課題を感じる人 |
杉本商事に関するよくある質問
検索候補に実際に表れている疑問に絞って回答します。
杉本商事の平均年収はいくらですか?
有価証券報告書によると、第101期(2026年3月期)の平均年間給与は6,567,093円(約656.7万円)です。賞与および基準外賃金を含む提出会社(単体491名)の実額で、前事業年度比△0.8%です。平均年齢38.9歳・平均勤続年数13.5年という集団の平均値であり、20代の実額ではありません。
杉本商事の年収は同業と比べて見劣りしますか?
機械工具・MRO商社の最大手トラスコ中山の単体752.6万円と比べると約96万円低い水準です。ただしこれは1人あたり営業利益が約2倍違うビジネスモデルの差によるもので、同業の植松商会487.8万円、同じ中堅上場商社の平和紙業638.2万円と並べれば中位以上にあたります。待遇が薄いという評価で片づけられる水準ではありません。
杉本商事の離職率は公表されていますか?
離職率は有価証券報告書では開示されていません。代替指標としては平均勤続年数13.5年、労働組合員423名、従業員持株会が第5位株主(2.4%)という開示があり、定着率は高い部類と考えられます(推定情報)。なお連結従業員数は第97期550名→第101期592名と増加傾向にあります。
杉本商事はホワイト企業ですか?
断定はできませんが、労働時間に関する指標は一次情報で良好です。有報のサステナビリティ開示で月平均時間外労働15.7時間(目標20時間以下を達成)、全社員平均有給取得15.2日、男性育児休業取得率69.2%が示され、公式採用サイトによると年間休日実績127日・月平均残業15.9時間です。一方で管理職女性比率1.5%、男女賃金差異は全労働者70.5%という課題も同じ有報に開示されており、両面で見る必要があります。
杉本商事の本社はどこにありますか? 採用大学は公表されていますか?
本社は大阪市西区立売堀5丁目7番27号です(1971年2月に大阪市東淀川区から移転、2025年4月に本社ビルを増改築)。採用大学の一覧・選考倍率は有価証券報告書にも公式採用サイトにも記載がなく、本調査では確認できなかったため、学歴基準を断定することはできません。選考は説明会→一次(適性検査・筆記・ES)→二次(グループディスカッション)→三次→最終で約50日です。
取扱メーカーや取扱品目はどれくらいありますか?
取扱品目は100万点以上、仕入先は3,000社超です。測定器具・工作用器具・機械工具・空圧油圧器具などの生産財が中心で、精密測定器具に強みがあります。物流面は東名阪3か所の物流センターと全国49営業所(グループ営業拠点64か所)で短納期に対応しています。
杉本商事と同名の会社を混同しないためには?
証券コード9932、公式ドメインsugi-net.co.jp、本社が大阪市西区という3点で同定してください。京都市の同名企業(配管材料・住宅設備機器・コンクリート二次製品の卸)や「株式会社すぎもと」は、本記事の対象とはまったく別の会社です。求人情報を見る際も雇用主名と所在地を必ず確認してください。
編集部の見解と杉本商事への転職判断まとめ
編集部の見解として、杉本商事は「待遇の尖りではなく、労働時間の予見性と地域密着の専門性で選ぶ会社」だと考えられます。年収656.7万円は同業最大手に約96万円届かないものの、1人あたり営業利益が約2倍違う相手との差と考えれば、分配が極端に薄いわけではありません。むしろ評価すべきは、月残業15.7時間・年間休日127日・有給15.2日・平均勤続13.5年という働き方の指標が、口コミではなく一次情報で裏取りできる点です。口コミ件数の少ない中堅BtoB企業としては、判断材料の質が高い会社だといえます。
一方で、看過できない論点も3つあります。第一に第101期の5期ぶり減収と営業利益△14.5%、とくに東部△27.9%・中部△26.8%というセグメント利益の落ち込み。純利益+10.2%は政策保有株売却による一過性であり、本業の回復と混同してはいけません。第二に、会社自身がリスクとして明記するEC・デジタル調達との競争。第三に管理職女性比率1.5%という現状です。総合すると、安定した労働環境のなかで地域の製造業に深く入り込み、提案型営業としての専門性を積みたい人にはおすすめできる一方、短期の年収最大化や高流動なキャリアを求める人には合いにくいと考えられます。
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価(公式データにもとづく編集部評価) |
|---|---|
| 年収水準 | 有報656.7万円(単体491名・平均38.9歳)。トラスコ中山752.6万円に約96万円届かないが、中堅上場商社のなかでは中位以上 |
| 労働時間・休日 | 月残業15.7時間、年間休日実績127日、有給15.2日。生産財商社としては低負荷寄りで、指標が一次情報で確認できる |
| 安定性・財務 | 自己資本比率77.9%、手元資金83億円、赤字ではない。第101期は5期ぶり減収・営業益△14.5%で景気連動性は高い |
| 成長ドライバー | 中期経営計画で第102期売上558億30百万円を目標(計画値)。ECサイト「よいしな」、DX領域の資本業務提携、M&Aと新地域展開 |
| キャリアの積み方 | 営業所単位の独立採算で若手から損益を見られる。地域セグメント制のため「エリアの製造業に強い営業」型の専門性になる |
| ダイバーシティ | 男性育休69.2%・育休希望者100%取得は良好。管理職女性比率1.5%、男女賃金差異70.5%は課題として開示 |
| 転勤・配属 | 全国49事業所配属で転勤あり。1人あたりセグメント利益は西部約470万円・東部約369万円と地域差がある |
| 選考 | 説明会→一次(適性検査・筆記・ES)→二次(GD)→三次→最終で約50日。採用大学・倍率は非開示 |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
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免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第101期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミサイトの件数・総合スコアは実数を特定できていないため掲載していません。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
