ダイコー通産の平均年収は2年で+91万円|愛媛本社・全国11拠点の働き方と評判
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 平均年収:2026年5月期の有報で674万円。2年で約+91万円
- 正体:愛媛県松山市本社・CATVと光通信資材の専門商社(7673)
- 勤務地:札幌から沖縄まで全国11拠点。転勤前提の設計
- 注意点:口コミ9件と母数が極小。育成・多様性の評価は低め
ダイコー通産株式会社(証券コード7673・東証スタンダード市場)は、ケーブルテレビや光ファイバ網に使う資材を扱う専門商社です。本社は愛媛県松山市にあり、四国発の東証上場企業でありながら札幌・仙台・東京・名古屋・金沢・大阪・岡山・広島・高松・福岡など全国11カ所に営業拠点を持ちます。この記事では、2026年5月期の有価証券報告書で平均年間給与674万円まで上がった給与カーブが本物なのかを、5期分の推移・業績・一人当たり売上から検証します。あわせて「拠点名での検索が多い=勤務地を気にして調べている人が多い」という検索傾向に応え、全国転勤の現実と、口コミ件数が一桁台しかないという情報の薄さの扱い方までまとめました。転職・就職の判断に必要な材料を、公式情報・口コミ傾向・推定情報の3つに分けて整理します。
ダイコー通産の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、この記事で扱う数値の土台を一覧にします。すべて公式情報(有価証券報告書・決算短信・公式会社概要)に基づく実額で、決算期が5月31日である点にご注意ください。3月期決算の企業と比べると、賞与や評価のサイクルが半年ほどずれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | ダイコー通産株式会社(DAIKO TSUSAN CO., LTD.) |
| 証券コード/市場 | 7673/東証スタンダード市場(業種区分:卸売業) |
| 本社所在地 | 愛媛県松山市姫原三丁目6番11号 |
| 設立 | 1975年6月12日(2025年で創業50年) |
| 代表者 | 代表取締役社長(複数名の代表取締役体制) |
| 資本金 | 583,663,925円 |
| 平均年間給与 | 約674万円 |
| 平均年齢 | 39.0歳 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 従業員数 | 140名(2026年5月31日現在・非連結/単体) |
| 売上高 | 219億8,389万円(2026年5月期・前期比+1.17%) |
| 営業利益 | 12億6,543万円(前期比+8.03%・営業利益率約5.8%) |
| 経常利益/当期純利益 | 13億374万円/9億1,551万円(EPS171.69円) |
| 自己資本比率 | 50.9%(有利子負債比率7.38%) |
| 拠点 | 本社(松山)+全国11カ所の営業拠点+本社・東京の物流センター |
| 決算期 | 5月31日(第51期=2025年6月1日〜2026年5月31日) |
| 出典 | 第51期(2026年5月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2026年5月期決算短信〔日本基準〕(非連結)/公式会社概要 |
なお本記事の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は、有価証券報告書のXBRLデータを転載する情報サイト経由で照合した値です。従業員数140名が公式会社概要(2026年5月31日現在)と一致しており整合性は取れていますが、有報PDF原本の該当ページを直接引用したものではない点は正直に開示しておきます。転職の最終判断では、公式IRの最新開示をあわせてご確認ください。
ダイコー通産とは何の会社か|松山発、CATVと光インフラを支える専門商社
結論から言うと、ダイコー通産は「通信インフラを作る現場に、必要な資材を全部まとめて届ける会社」です。一般消費者向けの商品を売っていないため知名度は高くありませんが、テレビが映り、インターネットがつながる物理的な土台を裏側で支えています。転職検討者にとっては、「景気に左右されにくい社会インフラ需要」と「BtoB専業ゆえの地味さ」の両方をどう評価するかが判断の分かれ目になります。
扱う商材と顧客|光ファイバから防災無線まで
公式サイトによると、同社が取り扱うのは光ファイバケーブル、同軸ケーブル、LAN配線材料、ネットワーク機器、工具・測定器、防災無線関連資材など。これらを通信工事施工業者・電気通信事業者・CATV事業者・電力会社へワンストップで供給します。加えてCATVや情報通信に関するコンサルタント、設計施工、保守業務も手掛けており、単純な物販だけの会社ではありません。
- 需要のドライバー:FTTH(光回線の家庭引込)、大容量映像伝送インフラの整備、防災無線のデジタル化
- 顧客の性格:民間の通信事業者だけでなく、自治体の防災インフラや電力系も含む
- 営業の実態(推定情報):飛び込み開拓型よりも、既存の工事会社・事業者との継続取引を深耕する型に近いと考えられます
利益の作り方|自社企画商品と集中大量購買という「商社なのにメーカー的」な一面
専門商社の転職で必ず出てくる不安が「メーカー直販やEC化で中抜きされるのではないか」というものです。この点でダイコー通産が持つ答えが、自社企画・自社設計商品です。光関連部材や吊金具などを自社で企画・設計してメーカーに製造委託し、集中大量購買でコスト優位を確保する——つまり「仕入れて売るだけ」の商流から一歩踏み出しています。
この構造は、営業職として身につくスキルにも直結します。カタログを持って回るだけでなく、現場で何が足りていないかを吸い上げて商品企画に返す動きが求められるためです(推定情報:求人票レベルの職務記述からの読み取りを含みます)。同社が営業利益率5.8%と、卸売業としては相対的に厚めの水準を確保できている背景にも、この付加価値の作り方があると考えられます。

知名度がない会社に入って、そのあとのキャリアは大丈夫?
この不安は妥当です。ただし通信インフラ資材の商流は、通信建設会社・ケーブルメーカー・ネットワーク機器メーカー・通信事業者の調達部門といった隣接プレイヤーとつながっています。推定情報ですが、扱う商材と顧客ネットワークの知識は、同じ商流の中で横に持ち出しやすい部類のスキルだと考えられます。
平均年収674万円|2年で+91万円という給与カーブの中身を分解する
この記事の核心です。有価証券報告書によると、ダイコー通産の平均年間給与は2026年5月期(第51期)で約674万円。これは前期比+34万円、2期前と比べると約+91万円という大きな伸びです。従業員140名の非連結(単体決算)企業で、持株会社でもないため、この数字はそのまま現場社員の給与実態に近いという点が重要です。連結2,000名超の企業のように「子会社社員の給与は含まれていない」という読み替えが不要な、素直な数字だと言えます。
5期推移で見る|伸びが始まったのは2025年5月期から
平均年間給与の推移を並べると、上昇が最近2期に集中していることがはっきり分かります(すべて公式情報・各期有価証券報告書「従業員の状況」)。
| 決算期 | 平均年間給与 | 前期比 | 同期の売上高 |
|---|---|---|---|
| 2022年5月期 | 約579万円 | — | 175.81億円 |
| 2023年5月期 | 約574万円 | ▲5万円 | 171.48億円 |
| 2024年5月期 | 約583万円 | +9万円 | 172.22億円 |
| 2025年5月期 | 約639万円 | +56万円 | 217.29億円(+26.2%) |
| 2026年5月期 | 約674万円 | +34万円 | 219.83億円(+1.17%) |
並べてみると因果関係が見えてきます。2025年5月期に売上が前期比+26.2%と大きく跳ねた期に、平均給与も+56万円と最大の伸びを記録しています。翌2026年5月期は売上の伸びが+1.17%に落ち着いたにもかかわらず給与は+34万円上がっており、増収の果実が一時金だけでなくベースにも回った可能性が読み取れます。
ここから導ける転職判断上の含意は2つです(推定情報)。
- プラス材料:2022〜2024年の3期は570〜580万円台で横ばいだった水準が、2期で一段上がった。原資は増収と増益(営業利益+8.03%)で裏づけられており、根拠のない上げ方ではない
- 注意材料:業績連動の色が濃いということは、設備投資需要が落ち込む局面では逆方向にも動きうるということ。実際、2023〜2024年5月期には経常利益が9億円台へ落ち込み、給与も横ばい〜微減で推移した実績がある
平均年齢39.0歳・平均勤続13.8年が意味すること
年収の数字は、年齢構成とセットで見ないと誤読します。有価証券報告書によると、平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.8年。2018年11月時点では平均年齢36.6歳・平均勤続10.37年だったので、この数年で組織が着実に高齢化・長期勤続化していることになります。
- 勤続13.8年は、卸売業の中でもかなり長い部類。離職が少なく、社員が定着していることを示す数字です
- 一方で、新卒・中途の採用が組織規模に対して控えめであることの裏返しでもあります(従業員数は2018年11月133名→2024年5月期146名→2026年5月期140名と、ほぼ横ばい)
- つまり674万円という平均は「勤続10年超のベテランを多く含んだ平均」であり、入社直後にこの水準が出るわけではありません
口コミ上の年収傾向|30歳・主任で500万円という事例
口コミ傾向として、OpenWorkには「30歳・主任クラスで年収500万円」という投稿が見られます。有報の平均674万円との約174万円の差は、矛盾ではなく構造として説明できます。推定情報ですが、平均勤続13.8年・平均年齢39.0歳という数字を踏まえると、40代以上の管理職・ベテラン営業職が平均を押し上げ、20代〜30代前半は平均を下回る位置にいる、年功的なカーブになっていると考えられます。
なお、ダイコー通産の口コミは母数が極端に少なく(OpenWork回答9名、エン カイシャの評判は正社員2名回答)、この年収事例も1件の投稿にすぎません。「これが相場」と受け取るのではなく、「一つのサンプル」として扱うのが適切です。
職種・役職別の年収目安と、オファー前に確認したい5項目
以下は公式平均674万円・年齢構成・口コミ事例から逆算した推定情報であり、会社が公表しているレンジではありません。実際の提示額は選考時の条件通知書で必ず確認してください。
| 層 | 推定年収レンジ | 根拠となる考え方 |
|---|---|---|
| 20代(一般職・若手営業) | 350〜500万円程度 | 平均を大きく下回る層。口コミの30歳主任500万円が上限側の目安 |
| 30代(主任〜係長級) | 480〜600万円程度 | 口コミ事例500万円を中心に、役職有無で上下 |
| 40代(課長級・拠点の中核) | 650〜800万円程度 | 平均674万円を押し上げている中心層と推定 |
| 管理職・拠点責任者クラス | 800万円超の可能性 | 平均との差分を吸収する層として存在すると考えられる |
年収交渉と入社後のギャップを防ぐために、面接・オファー面談で確認すべき項目を挙げます。
- 賞与の業績連動比率:2期で+91万円という伸びのうち、月例給とボーナスの内訳がどうなっているか
- 決算期が5月であることの影響:評価・昇給・賞与のタイミングが3月期決算企業とずれるため、入社月によっては初回の査定まで期間が空く可能性があります
- 役職と年収の対応:主任・係長・課長でいくら上がるのか。年功要素がどこまで残っているか
- 手当の構成:全国転勤がある会社のため、住宅手当・転勤手当・単身赴任手当の水準は年収の実質価値を大きく左右します
- 初任給・中途入社時の基準:初任給は有価証券報告書の開示項目ではないため、公式採用サイトまたは選考の中で直接確認する必要があります
勤務地と転勤|松山本社と全国11拠点、札幌から沖縄までという現実
ダイコー通産で検索している人の関心が特徴的に集まっているのが勤務地です。社名と一緒に「大阪」「福岡」「沖縄」「札幌」「松山」「東京」「名古屋」「岡山」「金沢」「仙台」「高松」「広島」といった地名が検索されており、これは求職者が「自分の住む地域に拠点があるか」を調べている動きだと読めます。
公式会社概要によると、拠点構成は次の通りです。
- 本社:愛媛県松山市姫原三丁目
- 営業拠点:札幌・仙台・東京・名古屋・金沢・大阪・岡山・広島・高松・福岡などを含む全国11カ所
- 物流機能:本社および東京に物流センター
ここから読み取れる転職判断上のポイントを整理します。
- Uターン・Iターンの受け皿になりうる:東証上場企業の本社機能が松山にあるため、四国での勤務と上場企業の待遇を両立できる可能性があります。地方本社×全国展開という構図は、都市部から地元へ戻る転職では貴重な選択肢です
- ただし転勤は前提として考えるべき:従業員140名に対して拠点が11カ所ということは、1拠点あたり平均十数名という計算になります(推定情報)。少人数拠点が多い組織では、欠員補充や拠点立ち上げに伴う異動が発生しやすい構造です
- 本社と営業拠点でキャリアの見え方が変わる:管理部門・仕入・商品企画は本社側に集約されていると考えられるため(推定情報)、本社機能に関わりたい場合は松山勤務の可能性を前提に検討する必要があります
面接では「入社後3〜5年で想定される異動範囲」「拠点間異動の頻度」「地域限定的な働き方の制度があるか」を確認しておくと、入社後のミスマッチを減らせます。
働き方と社風の実態|口コミ9件という母数から何が読めるか
先に前提を共有します。ダイコー通産の口コミは、統計的に語れるほどの件数がありません。 OpenWorkの総合評価3.24は回答9名によるもの、エン カイシャの評判の総合3.5は口コミ5件・正社員2名回答、就活会議の46件は学生の選考体験談が中心です。この記事では、これらを「傾向のヒント」として扱い、断定はしません。むしろ「情報が少ないこと自体」を、選考で自分の目で確かめる必要性の高さとして読むのが実務的です。
定量値|残業22.5時間・有給消化53.0%というギャップ
口コミ傾向として、OpenWorkに集計されている定量値は以下の通りです(会社公表値ではなく、投稿者の申告の集計である点にご注意ください)。
| 項目 | OpenWork集計値 | 読み取り(推定情報) |
|---|---|---|
| 月間残業時間 | 22.5時間 | 1日あたり約1時間。商社としては抑制されている水準 |
| 有給休暇消化率 | 53.0% | 半分程度。残業の少なさに比べると見劣りする |
| 平均勤続(男性) | 15年 | 有報の全社平均13.8年と整合的 |
| 平均勤続(女性) | 7.9年 | 男性の約半分。定着に男女差がある可能性 |
| 育休取得率 | 男性50%/女性100% | 女性は取得できている一方、母数が小さい点に注意 |
ここで注目したいのが「残業は少ないのに有給は半分しか消化されていない」というギャップです。推定情報ですが、1拠点あたりの人数が少ない組織では、担当者が休むと代替要員が立てにくく、日々の残業は抑えられても連休が取りにくいという状態が生じやすくなります。「土日休みで残業が少ない」というポジティブな口コミと矛盾しない形で説明できる現象です。
評価が割れる項目|相互尊重は高く、育成と成長環境は低い
OpenWorkの評価項目別スコアには、はっきりした濃淡があります(口コミ傾向/回答9名ベース)。
- 高い項目:社員の相互尊重3.6/法令順守意識3.4
- 低い項目:人材の長期育成2.6/20代の成長環境2.7
この組み合わせは「人間関係は悪くないが、体系的に育ててもらう仕組みは弱い」という像を示します。定性的な投稿でも、「自走できる人には裁量とやりがいがある」という声と、「明るく元気だが押し付けがましく、古い体質」という声が併存しています。研修や育成プログラムを期待して入る人と、環境を与えられれば自分で回せる人とで、満足度が大きく分かれる可能性が高いタイプの会社だと考えられます(推定情報)。
また、女性の昇進機会が限られる、育児休暇が取りにくい雰囲気がある、という口コミ傾向も見られます。前述の勤続年数の男女差(男性15年・女性7.9年)と方向性が一致しており、多様性・両立支援の面では選考時に具体的に踏み込んで確認すべき論点です。女性管理職の在籍状況、育休からの復帰後のポジション、時短勤務の実例などを、数字で聞くことをおすすめします。
時系列の注意|「上場前後」の評価をそのまま現在に当てはめない
口コミの中には「上場を目指していた時期は管理部からの圧がすごく、罵声が飛び交っていた」という強い記述もあります。ただし同社の東証二部上場は2019年3月であり、この投稿は2019年前後の状況を指している可能性があります。上場準備期に管理部門が急激に締める、というのは上場を経験した企業に広く見られる現象でもあります。
したがって、この記述を現在の社風の断定材料に使うのは適切ではありません。むしろ「上場から数年が経ち、社内の空気がどう変わったか」を面接で在籍者に直接質問するための材料として使うべきです。

口コミが9件しかない会社って、判断のしようがなくない?
だからこそ、公式に開示されている数字の比重が上がります。従業員140名・平均勤続13.8年・平均年収674万円・赤字期なし・自己資本比率50.9%といった公式情報は、9件の口コミよりはるかに信頼できる材料です。次の章では、この会社の「体力」を業績と財務から読み解きます。
業績と財務から読む安定性|売上219億円・営業利益率5.8%・自己資本比率50.9%
結論として、ダイコー通産の財務は小型株ながら堅いと評価できます。転職先としての「潰れにくさ」「賞与の原資」を判断するうえでは、口コミよりこちらのほうが確度の高い材料です。
売上高の推移を見ると、成長の性格が分かります(公式情報・各期決算短信および有価証券報告書)。
| 決算期 | 売上高 | 前期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2022年5月期 | 175.81億円 | — | — |
| 2023年5月期 | 171.48億円 | ▲2.5% | 経常利益が9億円台へ低下 |
| 2024年5月期 | 172.22億円 | +0.4% | 経常利益は2期連続の減益 |
| 2025年5月期 | 217.29億円 | +26.2% | 大幅増収・平均給与も+56万円 |
| 2026年5月期 | 219.83億円 | +1.17% | 営業利益12.65億円(+8.03%) |
| 2027年5月期(会社予想) | 225億円 | +2.4% | 営業利益予想13億7,300万円 |
この推移から読み取れるのは、直線的な成長ではなく、需要サイクルに応じて段差ができる型だということです。2023〜2024年の停滞期には経常利益が2期連続で減益となり、2025年に一段跳ね上がりました。通信インフラ資材という商材の性格上、顧客である通信事業者・CATV事業者・自治体の設備投資計画に業績が直結するためです。
財務面の主な指標は次の通りです。
- 営業利益率約5.8%:卸売業としては相対的に厚い水準。自社企画商品と集中大量購買が効いていると考えられます(推定情報)
- 自己資本比率50.9%・有利子負債比率7.38%:借入依存が小さく、資金繰りに余裕がある状態
- 赤字期なし:確認できた範囲の複数期で、営業赤字・最終赤字は発生していません
- 株主還元:1株配当70円、配当性向40.8%、配当利回り約4.2%(株価1,701円/2026年9月4日時点)。株主優待制度もあります
一方で、転職判断として押さえておくべきリスクも明確です。
- 顧客集中:顧客がCATV事業者・通信事業者・通信工事会社に偏っており、大手キャリアや公共の投資計画が縮めば影響が直撃します
- 薄い利ざや:営業利益率5.8%は卸売業として厚いとはいえ、絶対値では薄い。銅や光ケーブルの原材料市況と、仕入価格の転嫁の巧拙が利益を左右します
- 小型株ゆえの規模:従業員140名・時価総額約90億円。組織としての層は厚くなく、一人当たり売上は約1.57億円と業務が集中しやすい構造です
- セグメント情報の薄さ:事業セグメントは実質単一のため、開示上、事業別の詳細な内訳は示されていません。どの商材が伸びているかを外部から分解するのは難しい状態です
「一人当たり売上1.57億円」という数字は、転職検討者にとって二面性があります。少人数で大きな商流を回している=一人の裁量と貢献が見えやすいという魅力である一方、属人性が高く、担当者が抜けたときの負荷が集中しやすいということでもあります。前述の有給消化率53.0%という数字とも、この構造は整合的です。
将来性の評価|光インフラ・防災無線の需要と、顧客集中という表裏
将来性については、「今後も成長が期待されます」といった一般論ではなく、需要ドライバーとリスクを具体的に対置して評価する必要があります。
追い風になりうる要素(いずれも業界動向としての推定情報を含みます)
- FTTHと大容量映像伝送:動画・クラウド・データセンター需要の拡大で、光ファイバ網の増強・更新は継続的に発生します。既設設備の老朽更新という「作り替え需要」も積み上がります
- 防災無線のデジタル化:自治体の防災行政無線のデジタル化更新は、民間景気とは別軸の予算で動くため、業績のクッションになりうる領域です
- 商材の横展開:建設・土木・医療など、通信以外の分野へ商材を広げる方向性が示されています。専門商社にとって、既存の物流・与信機能を使った隣接領域への展開は定石です
逆風・不確実性となる要素
- 投資サイクルの波:2023〜2024年5月期の2期連続減益が示す通り、顧客の設備投資計画に業績が同期します。中期的に右肩上がりでも、単年では凹む年があります
- 価格転嫁の難易度:銅・光ケーブルなどの原材料市況が上振れした際、顧客への転嫁が遅れると利益率が直接圧迫されます
- 組織規模の制約:従業員140名でほぼ横ばい推移という体制で、新領域への人材投下余力は大きくないと考えられます
編集部の見解として、ダイコー通産の将来性は「急成長は見込みにくいが、社会インフラの更新需要に支えられて事業が消滅するリスクは小さい」というレンジに収まると考えられます。転職先としては、ストックオプションや急拡大でのポジション獲得を狙う人より、安定した事業基盤の上で長く専門性を積みたい人に合うタイプです。
資本構成とガバナンス|同族33.39%と光通信グループ12.39%という組み合わせ
転職検討者が見落としがちなのが株主構成です。ダイコー通産の場合、この構造は数年先の経営方針や働き方に影響しうる論点を含んでいます。
有価証券報告書によると、2026年5月末基準の主要株主は次の通りです(公式情報)。
| 株主 | 保有比率 | 性格 |
|---|---|---|
| 株式会社ディー・ケー・コーポレーション | 33.39% | 同族の資産管理会社と見られる筆頭株主 |
| UH Partners 2 投資事業有限責任組合 | 6.98% | 光通信グループ |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.57% | 光通信グループ |
| 創業家個人(2名合計) | 約11.10% | 個人株主 |
| 従業員持株会 | 4.56% | 上位10位内 |
注目すべき動きが2つあります。
- 同族の支配力が強い:資産管理会社33.39%+創業家個人約11.10%で、実質的な意思決定は創業家サイドに集中しています。上場企業でありながらオーナー企業的な統治構造だと言えます
- 光通信グループが買い増し中:2026年7月18日受付の変更報告書(No.7)で、光通信および共同保有者の合算保有比率が11.08%から12.39%へ増加しています
この2点について、現時点でTOBや非公開化に関する公表はありません。推定情報として言えるのは、「安定株主が厚く短期的な経営方針の激変は起きにくい」一方で「資本政策が動く余地は残っている」という両面です。選考の場で中期的な経営方針を質問する材料として使うのが実務的です。
もう一点、有価証券報告書ベースで前代表取締役1名が2025年5月期の役員一覧から外れており、世代交代の局面にある可能性があります(推定情報)。経営陣が代わる時期は組織の方針が動きやすいため、入社タイミングとして意識しておく価値があります。
なお、ダイコー通産(7673)に関する行政処分・課徴金・談合・訴訟といった公表事実は、本記事の調査範囲では見当たりませんでした。「存在しない」と断定するものではありませんが、少なくとも転職判断を左右するような公知のコンプライアンス事案は把握していません。
同じ東証上場のBtoB専門商社3社との比較
ダイコー通産の待遇・規模を客観視するために、同じく東証に上場する専門商社3社と並べます。いずれも公式情報(各社の直近有価証券報告書・決算短信)ベースの実額です。決算期が異なる点は必ず読み替えてください——ダイコー通産のみ5月期で、他3社は3月期です。
| 企業名 | 平均年間給与 | 対象期 | 従業員数 | 売上高 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ダイコー通産(7673) | 約674万円 | 2026年5月期 | 140名(非連結) | 219.84億円 | 約5.8% |
| 白銅(7637) | 約777.6万円 | 2026年3月期 | 単体322名/連結401名 | 681億円 | 約4.2% |
| オーウエル(7670) | 約685.7万円 | 2026年3月期 | 単体370名/連結618名 | 682.68億円 | 約1.8% |
| ヤシマキザイ(7677) | 約636.6万円 | 2026年3月期 | 単体246名/連結268名 | 338.65億円 | 約2.2% |
この比較から見えることを整理します。
- 年収水準は中位:674万円は、白銅(777.6万円)に届かないものの、ヤシマキザイ(636.6万円)を上回り、オーウエル(685.7万円)とほぼ同水準です。専門商社として突出して高くも低くもない位置にあります
- 利益率は最も高い:営業利益率5.8%は、比較した4社の中で最も高い水準です。売上規模は小さいものの、収益効率という点では見劣りしません
- 規模は最小、単体完結:140名は比較4社で最も少なく、かつ非連結(単体決算)。子会社に給与水準が異なる社員がいる構造ではないため、有報の674万円がそのまま自分の周囲の水準に近いという読みやすさがあります
- 売上規模は3分の1程度:白銅・オーウエルが680億円前後、ヤシマキザイが338億円に対しダイコー通産は219億円。ただし従業員一人当たり売上で見ると約1.57億円と、少人数で回している構造が浮かび上がります
比較上の注意点として、白銅は半導体製造装置向けの需要サイクルに、オーウエルは自動車向けの動向に、ヤシマキザイは鉄道関連の需要にそれぞれ強く連動するなど、同じ「専門商社」でも顧客業界がまったく異なります。年収の数字だけで並べ替えるのではなく、「どの業界のサイクルに自分のキャリアを乗せるか」という視点で選ぶことをおすすめします。
ダイコー通産の求人・採用情報で確認しておきたいこと
従業員140名という規模の会社では、常時大量の中途採用枠があるわけではありません。推定情報を含みますが、募集は欠員補充と拠点強化に伴って不定期に発生する形が中心だと考えられます。公式採用サイト(新卒・キャリア採用でページが分かれています)と各求人媒体の掲載状況を継続的に確認するのが現実的です。応募段階でとくに確認しておきたい項目を挙げます。
- 配属拠点と将来の異動範囲:全国11拠点のうちどこに配属され、何年程度で異動があるのか
- 職種の具体像:ルート営業中心か、新規開拓・商品企画への関与があるか。自社企画商品に関われるポジションかどうかで身につくスキルが変わります
- 入社後の教育体制:「人材の長期育成2.6」「20代の成長環境2.7」という口コミ傾向のスコアに対して、会社側が何を用意しているかを直接確認する
- 評価・昇給のタイミング:5月決算のため、査定サイクルが3月期決算企業と半年ずれます
- 技術知識の要求水準:光ファイバ、同軸ケーブル、ネットワーク機器といった商材を扱うため、未経験からどの程度キャッチアップが求められるか
ダイコー通産への転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。どちらが優れているという話ではなく、期待する働き方との相性の問題です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 社会インフラを支える安定した事業基盤の上で、長く専門性を積みたい人 | 急成長企業でポジションと年収を短期間で引き上げたい人 |
| 研修に頼らず、自分で情報を取りに行って仕事を組み立てられる人 | 体系的な育成プログラムや手厚いOJTを前提にしたい人 |
| 愛媛・四国、または地方都市での勤務を含めたキャリアを前向きに考えられる人 | 勤務地を限定したい、転勤を避けたい人 |
| 残業を抑えつつ、腰を据えて働きたい人(月残業22.5時間という口コミ傾向) | まとまった連休・長期休暇を確実に取りたい人(有給消化53.0%という口コミ傾向) |
| 少人数組織で担当領域の裁量を持ちたい人(一人当たり売上約1.57億円) | 大企業の分業体制で、専門機能に特化して働きたい人 |
| 通信・電気工事系の商材知識をキャリア資産にしたい人 | 業界を限定しない汎用的な営業スキルを求める人 |
ダイコー通産への転職|編集部の見解
編集部の見解として、ダイコー通産は「派手さはないが、数字で見ると想像より条件が整っている会社」だと評価します。以下、根拠を4つの角度から示します。
- 数字の面:平均年収674万円は専門商社の中位、営業利益率5.8%は比較した同業3社の中で最も高く、自己資本比率50.9%・赤字期なしという安定性があります。「地方の中小企業だから待遇が低いのでは」という先入観は、数字の上では当てはまりません
- 働き方の面:月残業22.5時間・平均勤続13.8年という組み合わせは、消耗して辞める人が少ない環境であることを示唆します。一方で有給消化53.0%と、休みの取りやすさには課題が残る可能性があります
- 実利の面:非連結・単体決算のため、有報の給与水準が現場の実態とほぼ一致します。持株会社型の企業でよくある「平均年収は高いが自分の所属会社は違う」というズレが起きません。転職判断の材料としては読みやすい会社です
- 将来像の面:光インフラの更新需要と防災無線のデジタル化という、社会的に必要とされ続ける需要に乗っています。ただし顧客の投資計画に業績が同期するため、年ごとの波は避けられません
逆に、おすすめしにくいケースも明確です。育成体制への評価(人材の長期育成2.6)が低く、女性の勤続年数が男性の約半分という口コミ傾向がある以上、「手厚く育ててもらいたい人」「両立支援の実績を重視する人」は、選考の中でこの点を具体的に確認しないまま進むべきではありません。口コミが9件しかないという情報の薄さも、裏を返せば自分で確かめる責任が大きいということです。
ダイコー通産に関するよくある質問
検索されている疑問のうち、転職・就職の判断に直結するものに絞って回答します。
ダイコー通産は何の会社ですか?
ケーブルテレビ(CATV)・情報通信ネットワーク向けの資材を扱う専門商社です。光ファイバケーブル、同軸ケーブル、LAN配線材料、ネットワーク機器、工具・測定器、防災無線関連資材などを、通信工事施工業者・電気通信事業者・CATV事業者・電力会社へ供給しています。東証スタンダード市場に上場しており(証券コード7673)、東証の業種区分は卸売業です。1975年設立で、2025年に創業50年を迎えました。
ダイコー通産の平均年収はいくらですか?
有価証券報告書によると、2026年5月期(第51期)の平均年間給与は約674万円です(公式情報)。2024年5月期583万円→2025年5月期639万円→2026年5月期674万円と、直近2期で約91万円上昇しています。ただしこれは平均年齢39.0歳・平均勤続13.8年の全社平均であり、若手層はこれを下回ります。口コミ傾向では「30歳・主任で年収500万円」という事例が見られます。
本社はどこにありますか?勤務地は選べますか?
本社は愛媛県松山市姫原三丁目です。営業拠点は札幌・仙台・東京・名古屋・金沢・大阪・岡山・広島・高松・福岡などを含む全国11カ所で、本社と東京に物流センターがあります。従業員140名に対し拠点が11カ所という構成のため、推定情報として転勤の可能性は前提に考えるべきです。勤務地の限定を希望する場合は、応募時点で制度の有無を確認してください。
決算期が5月なのは、働くうえで何か影響がありますか?
決算期は5月31日で、第51期は2025年6月1日〜2026年5月31日です。3月期決算の企業と比べると、期末・評価・賞与のサイクルが約2カ月ずれます。推定情報ですが、入社時期によっては最初の査定・昇給までの期間が想定と異なる可能性があるため、選考時に「評価と昇給のタイミング」「入社初年度の賞与の扱い」を確認しておくと安心です。決算短信の開示は7月、有価証券報告書の提出は8月です。
働きやすさや社風について、信頼できる情報はありますか?
正直に言えば、口コミの母数が非常に少ないため、口コミだけでは判断できません。OpenWorkの総合3.24は回答9名、エン カイシャの評判の総合3.5は正社員2名回答によるものです(口コミ傾向)。一方で、平均勤続13.8年・従業員140名・赤字期なしといった公式情報は確度が高い材料です。社風については、口コミの数字より面接での質問と、可能であれば現職社員との面談で確かめることをおすすめします。
ダイコー通産への転職判断まとめ
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書、そして自分の経験・適性を含めて行ってください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 2026年5月期の有報で674万円。専門商社として中位。2年で+91万円と上昇局面(公式情報) |
| 年収の伸びしろ | 業績連動色が濃く、投資需要の落ち込み局面では横ばい〜微減もありうる(推定情報) |
| 安定性 | 自己資本比率50.9%・有利子負債比率7.38%・赤字期なし。財務は健全(公式情報) |
| 働き方 | 月残業22.5時間と抑制的だが、有給消化53.0%と休みの取りやすさには課題の可能性(口コミ傾向) |
| 育成・キャリア支援 | 人材の長期育成2.6・20代の成長環境2.7と評価は低め。自走型に向く(口コミ傾向) |
| 勤務地 | 松山本社+全国11拠点。Uターン・Iターンの選択肢になる一方、転勤前提(公式情報) |
| 多様性・両立支援 | 勤続年数が男性15年・女性7.9年と差。選考で具体的な確認が必要(口コミ傾向) |
| 将来性 | 光インフラ更新・防災無線デジタル化という継続需要。ただし顧客集中と市況の波あり(推定情報) |
| ガバナンス | 同族33.39%+創業家個人約11.10%。光通信グループが12.39%へ買い増し中(公式情報) |
| 情報の入手しやすさ | 口コミが一桁台と極端に少なく、自分で確かめる負担が大きい |
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本記事の出典・参考情報
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免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。平均年間給与等については、有価証券報告書のXBRLデータを転載する情報サイト経由で照合した値であることを本文中に明記しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
