大阪発ビーアンドピー(7804)の評判と年収|有報579万円と口コミ377万円の差
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 年収:有報の単体平均は579万4,319円(第40期・平均年齢38.4歳)
- 口コミとの差:OpenWork回答者平均は377万円。ただし平均年齢28歳の若手中心
- 業績:単体売上は5期連続増収、自己資本比率81.15%と財務は堅い
- 弱点:待遇満足度1.9・長期育成1.8が低評価。残業は月38.8〜50時間の投稿
この記事で扱う「ビーアンドピー」は、証券コード7804・東証スタンダード市場に上場する、大阪発の販促・広告制作会社「株式会社ビーアンドピー」です。検索候補に出てくる「エアビーアンドピー」(民泊サービスAirbnbの誤記とみられます)や、菓子・飲食ブランドとして出てくる「スコーン ビーアンドピー」とはまったくの別会社ですので、先に整理しておきます。本記事は株価や優待の解説ではなく、この会社への転職・就職を検討している人が「入って後悔しないか」を判断するための記事です。年収は有価証券報告書の実額を主値に置き、口コミサイトの数値とは明確に分けて扱います。
株式会社ビーアンドピーの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、転職判断の土台になる数値を一覧にします。以下はすべて公式情報で、第40期(2024年11月1日〜2025年10月31日/2025年10月期)の有価証券報告書にもとづきます。同社は第40期から初めて連結財務諸表を作成しているため、従業員の給与関連は「提出会社=ビーアンドピー単体」、業績は「連結」という組み合わせになる点に注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社ビーアンドピー(B&P Co., Ltd.) |
| 証券コード/市場 | 7804/東京証券取引所スタンダード市場 |
| 設立 | 1985年10月(和田山コピーセンター株式会社として大阪市西区阿波座に資本金300万円で設立) |
| 代表者 | 代表取締役社長執行役員 和田山 朋弥 |
| 平均年間給与 | 5,794,319円(第40期・提出会社単体/賞与および基準外賃金を含む) |
| 平均年齢 | 38.4歳(第40期・提出会社単体) |
| 平均勤続年数 | 9.7年(第40期・提出会社単体) |
| 従業員数 | 連結207名(臨時雇用者24名は外数)/提出会社単体188名(同23名は外数) |
| 売上高 | 連結44億9,500万円(単体39億3,336万円・前期比+11.2%) |
| 営業利益 | 連結7億0,165万円(経常利益7億0,977万円) |
| 当期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益4億9,132万円 |
| 自己資本比率 | 81.15%(連結) |
| 資本金 | 300,472千円(第40期末) |
| 労働組合 | なし(有価証券報告書に「労使関係は円満に推移」と記載) |
| 女性管理職比率・男性育休取得率・男女の賃金差異 | 女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外のため、有価証券報告書では開示されていない |
| 出典 | 第40期 有価証券報告書(2026年1月28日 近畿財務局提出)/公式IR |
なお公式サイトの会社概要では従業員数を217名(2026年4月30日現在)としていますが、これは基準日が異なり、グループ計とみられます。本記事では基準日と範囲が明確な有価証券報告書の連結207名/単体188名を採用します。
ビーアンドピーは何の会社?「コピー屋」から40年で東証上場した販促メーカー
この会社を一言でいうと、大判インクジェット出力を生産の中核に持つ、販促・広告制作(セールスプロモーション)会社です。転職検討者にとって重要なのは、同社が代理店的な「制作会社」ではなく、自前の工場と機械を持つ「メーカー型」だという点です。この一点が、年収の伸び方も、残業の出方も、身につくスキルもすべて規定しています。
1985年の「和田山コピーセンター」から、2001年のコピー事業撤退まで
沿革は有価証券報告書に明記されている公式情報です。同社は1985年10月、大阪市西区阿波座で資本金300万円の「和田山コピーセンター株式会社」として創業しました。その後1990年11月に別法人として株式会社ビーアンドピーを設立し、1991年10月に和田山コピーセンターを株式会社ビーアンドピーへ社名変更、旧法人を清算して現在の法人につながります。
転換点は1996年です。この年に写真画質のインクジェットプリンターを導入し、複写サービスから大判プリント業へ軸足を移しました。そして2001年にコピー事業から完全撤退しています。祖業を捨てるという判断を実際にやり切った会社である、という事実は転職検討者にとって示唆的です。
上場までの流れも整理しておきます。2019年7月に東証マザーズへ上場し、2021年10月に東証市場第二部へ市場変更、2022年4月の市場区分見直しでスタンダード市場へ移行しました。大阪のコピー屋として始まった会社が、約34年かけて上場企業になり、そこからさらに市場区分を上げてきた——この縦軸が同社を理解する最短ルートです。
4つの販売市場と、そこに乗せるデジタル領域
現在の事業は、有価証券報告書によると以下の4つを主要な販売市場としています(公式情報)。
- 店頭用POP・什器:小売店頭の販促物。売場そのものを作る領域
- 屋外広告サイン:ビルの大型看板、駅・商業施設のサイン
- 布地プリント(昇華転写):のぼり、タペストリー、フラッグなど
- 空間装飾:壁紙・床材へのプリントによる内装演出
ここにオフセット印刷/シルクスクリーン印刷/オンデマンド印刷、オーダーグッズ制作、デジタルサイネージ(映像配信システム)販売、AR(拡張現実)サービス、そしてネット通販サイト「ハイプリント」「インクイット」の運営が組み合わさります。第40期からセグメントは「セールスプロモーション事業」の単一セグメントに整理されました。
デジタル側の動きは具体的です。2021年にデジタルサイネージ販売を開始、2023年にAR「Promotion AR」、2024年に「Novelty AR」を投入し、2024年12月にはシンガポールのZKDigimax社と業務提携(同社はインドネシアのデジタルサイネージ市場で高いシェアを持つとされます)、2025年2月には東京本社にショールームを開設しています。「紙とインクの会社」で終わらせない意思は、施策として形になっている段階です。
顧客はBtoB中心|取引先10社で売上の約28%という集中度
顧客は広告代理店・広告制作会社・印刷会社・デザイン会社・屋外サイン業者が中心で、エンドユーザー直販ではなくBtoBが主軸です。生産体制は、全国で100台超の業務用インクジェットプリンターと100名超のオペレーターを抱え、主要拠点は24時間体制。武器は「短納期・小ロット対応」で、代理店側が困る急な差し替えや小さな面付けを引き受けられることが受注の源になっています。
一方で、有価証券報告書は事業等のリスクとして「取引先10社で売上の約28%」という集中度と、「インクジェットプリントは特殊な技術や特許が不要であり、比較的参入障壁が低い事業」という一文を自ら記載しています。会社自身がこう書いているという事実は、後述する年収水準の議論にそのままつながります。
勤務地はどこ?大阪本店・東京本社・横浜ファクトリーの6拠点体制
「ビーアンドピー 大阪」「ビーアンドピー 横浜」「ビーアンドピー 移転」といった検索が一定数あるとおり、この会社は勤務地の理解が転職判断に直結するタイプです。結論から言うと、登記上の本店は大阪、本社機能は東京にもあるという二拠点体制で、生産拠点は分散配置されています。
- 大阪本店(登記上の本店):大阪市西区江戸堀二丁目6番33号。有価証券報告書の表紙に記載される正式な本店
- 東京本社:東京都港区海岸3-3-8 安田8号ビル7F(公式サイト会社概要)。2025年2月にショールームを開設
- 横浜ファクトリー:横浜市神奈川区。首都圏の生産を担う拠点
- 名古屋営業所/福岡営業所/京都営業所
合計で全国6拠点、生産機能は大阪・横浜・名古屋・福岡に分散しています(公式情報)。転職検討時に押さえるべきポイントは3つです。
- 営業職と生産(オペレーター)職では立地の意味が違う:営業は代理店の集まる東京・大阪の比重が高く、生産職は工場所在地に紐づきます(推定情報)
- 「移転」の検索は子会社側の動きも含む可能性:2025年9月に連結子会社・株式会社イデイの大阪本社をビーアンドピー大阪本店へ移転統合しており、これに伴う固定資産除却損等735万円が特別損失に計上されています
- 転勤の範囲は求人票で必ず確認:6拠点体制である以上、職種によって異動可能性の幅は変わります。有価証券報告書では転勤範囲の開示はされていないため、内定時の労働条件通知書での確認が必要です

大阪と東京、どちらが「本社」なんですか?
有価証券報告書の表紙に載る登記上の本店は大阪、公式サイトが「東京本社」と表記しているのが港区海岸の拠点です。創業地は大阪、東京は市場の中心という役割分担で、どちらか一方が格上というより機能で分かれていると読むのが実態に近いと考えられます(推定情報)。
年収は「有報579万円」と「口コミ377万円」のどちらが実態か
この記事で最も丁寧に扱うべき論点です。結論を先に言うと、どちらも正しい数字であり、見ている集団が違うだけです。この構造を理解しないまま「口コミの377万円が実態だ」と判断すると、判断を誤ります。
公式の平均年間給与は579万4,319円(第40期・単体)
有価証券報告書「従業員の状況」によると、第40期(2025年10月31日現在・提出会社=ビーアンドピー単体)の平均年間給与は5,794,319円、平均年齢38.4歳、平均勤続年数9.7年です。賞与および基準外賃金を含む金額で、これが同社の公式情報としての年収水準になります。
重要なのは推移です。前期・第39期(2024年10月31日現在)は5,608,387円、平均年齢37.6歳、平均勤続9.0年でした。つまり1年間で約18.6万円(+3.3%)の増加です。しかもこの引き上げは印象論ではなく、第40期は賃上げ促進税制の適用を受けているという会計上の裏づけがあります。実際に賃上げを行った企業でなければ適用を受けられない制度であり、「上がっている」という主張には根拠があります。
| 項目 | 第39期(2024年10月期) | 第40期(2025年10月期) | 差分 |
|---|---|---|---|
| 平均年間給与(単体) | 5,608,387円 | 5,794,319円 | +185,932円(+3.3%) |
| 平均年齢 | 37.6歳 | 38.4歳 | +0.8歳 |
| 平均勤続年数 | 9.0年 | 9.7年 | +0.7年 |
| 従業員数(単体) | 191名(臨時16名) | 188名(臨時23名) | △3名 |
この表からは、従業員数が微減する一方で平均勤続年数が伸びていることが読み取れます。新規採用で若手が大量に入っているというより、定着層が中心の年齢構成になっていると考えられます(推定情報)。平均勤続9.7年は、従業員200名規模の企業としては短くありません。
OpenWorkの「377万円」をどう読むか|約200万円の差の正体
一方、口コミ傾向としてOpenWorkに掲載されている回答者平均年収は377万円です。有報の579万円との差は約200万円。この数字だけを見ると強い違和感がありますが、内訳を見ると理由がはっきりします。
- 回答者数は17人(有報の母集団は単体188名)
- 回答者の平均年齢は28歳(有報の平均年齢は38.4歳)
- 回答レンジは204万〜550万円
つまり年齢が10歳以上違う集団を比べていることになります。平均年齢28歳の層と38.4歳の層で年収が200万円違うこと自体は、日本の多くの企業で起こる差であり、それ自体が異常を示すものではありません。転職検討者が読み取るべきは次の2点です。
- 入社直後〜20代の実額は、有報の579万円ではなく口コミレンジ側に近い可能性が高い(推定情報)。30代後半で579万円という「到達点」と、20代の「出発点」を混同しない
- レンジ上限550万円が20代側の投稿から出ている点は、伸び方に個人差があることを示唆します(推定情報)
加えて、連結ベースの平均年収は開示されていません。2024年11月に子会社化した株式会社イデイ(従業員は連結207名−単体188名=概ね19名相当)の給与水準は有価証券報告書では開示されていないため、イデイ側で採用される場合の待遇は求人票・労働条件通知書で個別に確認する必要があります。
年収を確認するときのチェックポイント
数字を並べただけでは判断できないので、面接・オファー段階で確認すべき項目に落とし込みます(推定情報を含みます)。
- 賞与の変動幅:有報の平均年間給与は賞与を含みます。業績連動の割合が大きいほど、好調期と不調期の差が出ます
- 基準外賃金(残業代)の含有:平均年間給与には基準外賃金が含まれます。後述のとおり残業時間の投稿は月38.8〜50時間と幅があるため、残業代を除いた基本給ベースの水準を必ず確認すべきです
- 昇給の傾き:前期比+3.3%という実績は全社平均です。個人の昇給カーブは等級制度に依存するため、等級ごとのレンジ提示を求めるのが確実です
- 職種差:営業職と生産オペレーター職で評価軸が異なる可能性があります。有価証券報告書では職種別年収は開示されていません
業績と財務|5期連続増収・自己資本比率81%、ただし子会社は債務超過
転職先として見るとき、業績は「給与原資があるか」「潰れないか」の2点に効きます。同社はこの2点に関してはかなり良好というのが公式数値から読める結論です。
単体売上は5期連続増収、経常利益は5期で2.6倍
有価証券報告書によると、単体売上高の推移は以下のとおりです(公式情報)。
| 期 | 単体売上高 | 単体経常利益 |
|---|---|---|
| 第36期 | 25億4,924万円 | 2億7,129万円 |
| 第37期 | 29億1,500万円 | — |
| 第38期 | 31億7,431万円 | — |
| 第39期 | 35億3,620万円 | — |
| 第40期(2025年10月期) | 39億3,336万円(+11.2%) | 7億1,423万円 |
5期連続の増収で、売上は約1.54倍、経常利益は約2.6倍です。売上より利益の伸びが速い——これは単価改善か稼働率改善のどちらか、あるいは両方が効いていることを示します(推定情報)。第40期は会社公表の期初予想に対し売上高104.5%・営業利益111.1%と上振れし、単体でも過去最高の売上高・営業利益を記録しました。直近5期で赤字期は見当たりません。
連結では売上高44億9,500万円、営業利益7億0,165万円、経常利益7億0,977万円、親会社株主に帰属する当期純利益4億9,132万円。売上高経常利益率15.8%は、受託生産型の製造業としては高い水準です。
財務は「潰れにくさ」で見ると相当固い
財務面の数値も公式情報として押さえておきます。
- 自己資本比率81.15%(連結)
- 現預金33億4,564万円。有利子負債はほぼなく、無借金体質に近い
- 営業キャッシュ・フロー7億4,300万円
- ROE12.89%、1株当たり純資産1,642.72円、1株当たり当期純利益213.53円
- 1株配当は第36期31円→第37期34円→第38期43円→第39期60円→第40期80円と5期で2.6倍。2024年2月には株主優待制度も新設
売上44.9億円の会社が現預金33.4億円を持っているという構図で、短期的な資金繰りリスクは考えにくい状態です。転職者目線では「給与の原資と会社の存続」という不安はかなり小さい部類に入ると考えられます(推定情報)。ただし、財務が固いことと、その利益が個人の給与にどれだけ配分されるかは別の話です。この点は後述する待遇評価とセットで見る必要があります。
ネガティブ材料|連結子会社イデイは債務超過、KAMは「売上高の期間帰属」
良い数字だけでは判断材料になりませんので、注意すべき点も並べます。
- 連結子会社・株式会社イデイは債務超過:2024年11月に100%子会社化した広告代理店で、売上高577,993千円。当期純損失△174万円、純資産△3,810万円と純資産がマイナスの状態です。規模は小さいものの、M&A後の統合(PMI)が進行中の段階といえます
- 連結初年度である:第40期から初めて連結財務諸表を作成しており、前期との連結ベース比較はできません
- 特別損失735万円:イデイ大阪本社の移転に伴う固定資産除却損等で、性質としては通常の損失です
- 会社自身が挙げるリスク:参入障壁の低さ、取引先10社で売上の約28%という集中、材料費(インク・用紙)の上昇、人材の確保、M&Aリスク
ここで誤読されやすいのが監査上の主要な検討事項(KAM)です。同社のKAMは「売上高の期間帰属の適切性」とされています。これは受注生産で工期が期末をまたぐ案件が多い業態では一般的に取り上げられる論点であり、不祥事や会計不正を意味するものではありません。実際、有価証券報告書の記載および本記事の調査範囲では、行政処分・課徴金・訴訟・会計不正等に関する記載は見当たりませんでした。TOB・非公開化に関する発表も見当たりません。
なお資本構成としては、筆頭株主の英知興産株式会社が54.75%を保有する創業家オーナー企業です。取締役会長執行役員に和田山英一氏、代表取締役社長執行役員に和田山朋弥氏が就いており、ビーアンドピー従業員持株会も1.83%を保有しています。2025年1月には監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。過半数を創業家側が握る構造は、意思決定の速さという利点と、社外からのガバナンス圧力が効きにくいという論点の両面を持ちます(推定情報)。
働き方の実数|月残業38.8〜50時間・有給54.7%と「24時間体制」の関係
ここが、この会社への転職で最も慎重に見るべき領域です。結論から言うと、残業が出やすい構造的な理由が会社側の説明にはっきり書かれている——これが同社の特徴です。
まず口コミ傾向のデータを並べます。
- OpenWork:月平均残業38.8時間、有給休暇消化率54.7%、女性比率32.2%
- エン「カイシャの評判」:月間残業50時間と記載。勤務時間の納得度は48%
2サイトで38.8時間と50時間という差がありますが、いずれも「短くはない」水準です。有給消化率54.7%も、全社平均としては高い数字とは言えません。ただしこれらは投稿者の自己申告にもとづく口コミ傾向であり、会社が公表した実績値ではない点に注意が必要です。
重要なのは、この背景を会社自身が有価証券報告書で説明していることです。同社は「受注生産型の業務特性上、繁閑差により負担が生じる場面もある」と記述しています。憶測ではなく、会社公認の構造です。理由は明快で、
- 主要拠点は24時間体制で生産している:100台超の業務用プリンターと100名超のオペレーターを回す
- 武器が「短納期・小ロット対応」である:代理店の急な差し替え・追加に応えることが受注の源泉
- 販促物には「動かせない締切」がある:セール、キャンペーン、イベント、展示会。開催日は動きません
- KAMが「売上高の期間帰属」であることも、工期が期をまたぐ案件が一定量あることの傍証です
つまり繁閑差は事業モデルの裏返しであって、マネジメントを改善すれば消える種類のものではない部分を含みます。逆に言えば、この構造を理解して入る人にとっては「想定内」になります。会社側の緩和策としては、有価証券報告書に人的資本の取り組みとしてノー残業デーの推進、育児休業・時短勤務、社内クラブ活動、教育研修体制の整備が記載されています。
なお、離職率は有価証券報告書では開示されていません。また女性管理職比率・男性育休取得率・男女の賃金差異は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外として提出会社・連結子会社とも記載が省略されています。これらのデータが「出ていないこと自体」も、判断材料の一つとして受け止めるべきです。定量的に働き方を確認したい場合は、面接で残業時間の実績・繁忙期の期間・有給取得の運用を直接質問するのが最も確実です。
口コミ評価の凸凹|相互尊重3.9・挑戦3.8 vs 待遇1.9・長期育成1.8
同社の口コミ傾向は、平均点よりも「項目ごとの落差」を見た方が実像に近づきます。総合点は平凡でも、中身は極端に凸凹しています。
| サイト | 総合 | 高評価の項目 | 低評価の項目 |
|---|---|---|---|
| OpenWork(34人) | 2.75/5.0 | 社員の相互尊重3.9(印刷・紙パ業界9位)/法令順守意識3.6 | 待遇面の満足度1.9/人材の長期育成1.8 |
| エン カイシャの評判(正社員39人・口コミ206件) | 3.0 | イノベーションへの挑戦3.8/会社の成長性・事業の優位性3.3/活気のある風土3.2/人間関係の満足度78% | 経営陣の手腕2.7/年収・給与の納得度49%/勤務時間の納得度48% |
OpenWorkでは、社員の士気2.6/風通しの良さ2.6/20代成長環境2.6/人事評価の適正感2.6と中位項目が並ぶなか、待遇面1.9と長期育成1.8だけが突出して低いという形になっています。一方で社員の相互尊重3.9は印刷・紙パルプ業界9位にランクインしており、これは同規模企業のなかでは高い部類です。
この2つを重ねると、口コミ傾向としての像は次のようにまとめられます。
- 人間関係と社風は良い:相互尊重3.9、人間関係の満足度78%、活気のある風土3.2
- 挑戦はさせてもらえる:イノベーションへの挑戦3.8はエン側の最高評価項目
- 給与への納得感が弱い:待遇1.9、年収納得度49%
- 体系的な育成の仕組みへの評価が弱い:人材の長期育成1.8
- 経営層への評価が分かれる:経営陣の手腕2.7が最低項目
- 労働時間への納得感が弱い:勤務時間納得度48%
「働く人同士の関係は良いが、制度と処遇への評価が低い」という、規模拡大局面の企業に出やすいパターンです。実際、単体売上が5期で1.5倍になる過程で従業員数は188〜191名と横ばいであり、1人あたり売上が上がっている=現場の負荷が増えている可能性は数字からも読み取れます(推定情報)。
ただし解釈には幅を持たせるべきです。母数はOpenWork 34人、エン 39人(口コミ総数206件)で、従業員200名規模の中小型株としては十分な回答数がある一方、大企業ほどのサンプル数ではありません。特定の時期・特定の部署の投稿が平均を動かしている可能性は残ります。

待遇1.9って、かなり低いですよね?
数字としては低い部類です。ただし同じ会社で有報の平均年収は前期比+3.3%上がり、賃上げ促進税制の適用も受けているという事実も並存します。口コミは過去の在籍期間を含む累積の評価であり、直近の改善が反映されるまでには時間差があります。過去の評価と直近の実績を分けて読むのが実務的です(推定情報)。
将来性|中期計画「売上50億円」と、会社自身が書く「参入障壁の低さ」
将来性は、ポジ側とネガ側を分けて見るのが公平です。まずポジ側の公式情報から。
- 中期経営計画2024-2026:2026年10月期に売上高50億円・営業利益7億5,000万円を目標
- 第40期時点で連結売上44億9,500万円・営業利益7億0,165万円と、計画に対して前倒しで進捗
- デジタルサイネージ、AR、海外提携(ZKDigimax)、東京ショールームと、プリント以外の収益源を実際に立ち上げている
- ネット通販「ハイプリント」「インクイット」という直販チャネルを持ち、代理店経由以外の入口がある
次にネガ側です。これも会社自身の記載が最も信頼できます。
- 「インクジェットプリントは特殊な技術や特許が不要であり、比較的参入障壁が低い事業」と有価証券報告書に明記されている
- 取引先10社で売上の約28%という集中度。大口の方針変更が業績に効きやすい
- 材料費(インク・用紙)の上昇がコスト側のリスク
- 人材の確保を会社自身がリスクに挙げている
この「参入障壁が低い」という自己認識は、転職判断にとって非常に重要です。参入障壁が低い=価格競争が起きやすい=人件費の天井が作られやすい、という論理は一般論としては成り立ちます。待遇評価1.9という口コミと、会社が書く参入障壁の低さは、無関係ではない可能性があります(推定情報)。
ただし同社は「短納期・小ロット・24時間体制」という運用の厚みで差別化しており、これは機械を買えば即座に真似できる種類のものではありません。100台超の設備と100名超のオペレーターを回すオペレーション自体が参入障壁の代替になっている、という読み方も可能です。実際に売上高経常利益率15.8%を出せている事実は、単純な価格競争に飲み込まれていないことを示唆します。
業界文脈としては、販促・広告制作の領域は季節・イベント需要に強く連動する短サイクルの需要変動を持ち、販路が特定の大口取引先に集中しやすいという構造を共有します。加えて単一セグメント・中堅規模ゆえに社内の職種横断の異動や管理職ポストが限られるという懸念も、この規模の企業には共通します。これらは同社固有の弱点というより、業態としての性質として理解すべき部分です(推定情報)。
同業・近接企業との違い|比較で見るビーアンドピーの立ち位置
転職検討時に実際に併願されうる企業と、事業の軸で比較します。各社の平均年収は本記事では有価証券報告書実額を取得していないため、金額の並列比較は行いません(推定値の並列は誤解を招くため)。比較軸は「仕事の性質がどう違うか」に置きます。以下は事業内容にもとづく整理であり、推定情報を含みます。
| 企業名 | 区分 | 事業の軸 | ビーアンドピーとの違い | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社ビーアンドピー | 東証スタンダード(7804) | 大判インクジェットを核にした販促物の自社生産+デジタル販促 | — | モノとして残る販促物を、自社設備で作り切りたい人 |
| プリントネット | 上場企業(7805) | ネット印刷・印刷通販 | Webからの受注に最適化された量産型。ビーアンドピーのEC「ハイプリント」「インクイット」と直接競合する領域 | EC・オペレーション効率化に関心がある人 |
| ラクスル | 東証(4384) | 印刷EC+広告事業のプラットフォーム | 自社工場を持たず提携工場を束ねるモデル。小ロット・短納期という顧客ニーズは重なる | プラットフォーム側・IT寄りのキャリアを志向する人 |
| 博展 | 上場企業 | 展示会・イベント空間の企画制作 | 「空間」の企画・演出が主戦場で、企画提案の比重が高い | 企画・ディレクション寄りに進みたい人 |
| スペース | 東証(9622) | 店舗ディスプレイ・什器の企画制作 | 店舗まるごとの内装・什器が中心で、規模が大きい | 大型の店舗開発案件に関わりたい人 |
この整理から見えるビーアンドピーの位置は、「企画会社」でも「プラットフォーム」でもなく、生産設備を自前で持つメーカー型という点です。デザインを一から起こす仕事より、入稿されたデータを高品質・短納期で確実に形にする力が評価軸の中心になると考えられます(推定情報)。この違いは、入社後に身につくスキルと転職市場での売り方に直結します。
ビーアンドピーへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。軸は「受注生産型・24時間体制」という業態に自分が乗れるかどうかです。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 納期が動かない仕事に強く、繁閑差を前提に働き方を組み立てられる人 | 月38.8〜50時間という残業水準(口コミ傾向)が生活設計上どうしても難しい人 |
| 街や店頭で「自分が作ったもの」を見られることにやりがいを感じる人 | 成果物が匿名化されるより、企画者としてクレジットされたい人 |
| 体系的な研修より、現場で手を動かして覚えるスタイルが合う人(長期育成1.8という評価をふまえて) | 入社後の育成プログラムや資格支援の充実を重視する人 |
| 財務の堅さ・無借金体質・5期連続増収という安定性を重視する人 | 短期間で大幅な年収アップを狙う人(待遇満足度1.9・年収納得度49%) |
| 大阪・横浜・名古屋・福岡など、拠点の所在地で働きたい人 | 転勤範囲を限定したいが、求人票で確認せずに入りたい人 |
| 同僚との関係の良さを重視する人(相互尊重3.9・人間関係満足度78%) | 経営陣の発信力・戦略の明快さを重視する人(経営陣の手腕2.7) |
| プリント技術+デジタル(サイネージ・AR)の両方に触れたい人 | 単一セグメント・200名規模ゆえのポストの限られ方が気になる人 |
キャリアパスの観点でも整理しておきます(推定情報)。社内では代理店・印刷会社向けのルート営業 → 提案型の販促プランナー/大口担当 → 営業マネジメントという道と、生産オペレーター → 生産管理・品質管理 → 拠点の生産統括という道が主軸になると考えられます。社外に出る場合は、サイン・ディスプレイ業界、印刷EC、什器・空間装飾メーカー、広告制作会社の制作進行といった隣接領域への横移動が現実的です。大判プリントの実務知識は業界内では通用しますが、業界外での換算が難しい種類の専門性でもあるため、「営業の提案力」「生産管理の数値管理力」といった汎用スキルを意識的に積むことが、その後の選択肢を広げます。
編集部の見解|「潰れにくいメーカーで、モノを作る側に立ちたい人」向き
編集部の見解として、総合すると同社は「安定性と仕事のやりがいを取り、給与の伸びと育成の手厚さでは妥協できる人」に向いた会社と考えられます。判断の根拠は3点です。
第一に、財務と業績のリスクが小さいこと。自己資本比率81.15%、現預金33.4億円、5期連続増収、直近5期に赤字期が見当たらないという組み合わせは、200名規模の上場企業としては上位に入ります。「転職先が数年で傾く」タイプの不安は小さいと考えられます。
第二に、年収の議論は「到達点」と「出発点」を分ければ整理できること。有報579万円(平均年齢38.4歳)は妥当な到達点であり、口コミ377万円(平均年齢28歳)は出発点に近い数字です。前期比+3.3%の賃上げと賃上げ促進税制の適用実績もあります。一方で、待遇満足度1.9・年収納得度49%という評価が並存するのも事実で、「上がってはいるが、社員の期待には届いていない」という読み方が最も実態に近いと考えられます。
第三に、残業は事業モデルと不可分であること。「受注生産型の業務特性上、繁閑差により負担が生じる場面もある」と会社自身が書いており、24時間体制の生産拠点を持つ以上、この性質が根本から変わることは考えにくいです。ここを許容できるかが、この会社への転職の最大の分岐点になります。
逆におすすめしにくいのは、体系的な研修と明快な等級制度のもとで計画的に年収を上げたい人です。人材の長期育成1.8という評価は無視できる数字ではなく、制度に頼らず自走できるかが問われます。
ビーアンドピーに関するよくある質問(FAQ)
転職・就職を検討する人からよく出る疑問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。
ビーアンドピーはどんな会社ですか?「エアビーアンドピー」とは違うのですか?
本記事の対象は証券コード7804・東証スタンダード市場の株式会社ビーアンドピーで、大阪発の販促・広告制作会社です。大判インクジェット出力を核に、店頭POP・什器、屋外広告サイン、のぼり・タペストリー、空間装飾を手がけます。検索候補に出る「エアビーアンドピー」は民泊サービスAirbnbの誤記とみられ、「スコーン ビーアンドピー」は飲食系ブランドとみられるまったくの別物です。
本社は大阪ですか、東京ですか?横浜ファクトリーとは何ですか?
有価証券報告書の表紙に記載される登記上の本店は大阪(大阪市西区江戸堀二丁目6番33号)、公式サイトが「東京本社」と表記するのが東京都港区海岸の拠点です。横浜ファクトリー(横浜市神奈川区)は首都圏の生産拠点で、ほかに名古屋・福岡・京都の営業所があり、全国6拠点体制です(公式情報)。
平均年収はいくらですか?口コミの377万円との差は何ですか?
有価証券報告書(第40期・2025年10月期)によると、提出会社単体の平均年間給与は5,794,319円、平均年齢38.4歳です(公式情報)。OpenWorkの回答者平均377万円は回答17人・平均年齢28歳の数値で、母集団の年齢が10歳以上異なります(口コミ傾向)。単純比較はできず、20代の実額は口コミレンジ側に近い可能性があります(推定情報)。
残業はどのくらいですか?
口コミ傾向としては、OpenWorkで月平均38.8時間、エン「カイシャの評判」で月間50時間という記載があります。有給消化率は54.7%(OpenWork)です。会社側も有価証券報告書で「受注生産型の業務特性上、繁閑差により負担が生じる場面もある」と記載しており、主要拠点が24時間体制であることが背景にあります。実績値は面接で直接確認するのが確実です。
離職率は公表されていますか?
離職率は有価証券報告書では開示されていません。また女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女の賃金差異も、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外として、提出会社・連結子会社とも記載が省略されています。参考値として、有報の平均勤続年数は9.7年(第40期・単体)です。
経営は安定していますか?上場廃止のリスクはありますか?
第40期は連結売上高44億9,500万円・営業利益7億0,165万円で、自己資本比率81.15%、現預金33億4,564万円と財務は堅い状態です(公式情報)。東証スタンダード市場への上場を維持しており、TOB・MBO・非公開化に関する発表は見当たりません。ただし筆頭株主の英知興産が54.75%を保有する創業家オーナー企業であるため、構造としては大株主の意向が通りやすい点は事実として押さえておくべきです。
子会社の株式会社イデイに配属・出向する可能性はありますか?
イデイは2024年11月に100%子会社化された広告代理店で、大阪市中央区玉造に所在していましたが、2025年9月に大阪本社をビーアンドピー大阪本店へ移転統合しています。イデイ側の給与水準は有価証券報告書では開示されていません。またイデイ単体は当期純損失△174万円・純資産△3,810万円と債務超過の状態です。応募先がどちらの法人かは求人票で確認し、労働条件通知書の雇用主名義を必ず見てください。
未経験でも応募できますか?どんな職種がありますか?
職種としては営業職、生産オペレーター職、制作・DTP、生産管理、管理部門などが想定されます(推定情報)。全国で100台超のプリンターと100名超のオペレーターを抱える自社生産型のため、生産側の人員需要は継続的にあると考えられます。会社自身も有価証券報告書のリスクとして「人材の確保」を挙げています。ただし職種別の募集要件・採用実績は有価証券報告書では開示されていないため、公式採用サイトおよび最新の求人票で確認してください。
ビーアンドピーへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして自分の適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準(到達点) | 有報の単体平均579万4,319円・平均年齢38.4歳。前期比+3.3%で賃上げ促進税制の適用実績あり(公式情報) |
| 年収水準(20代の体感) | OpenWork回答者平均377万円・平均年齢28歳・レンジ204万〜550万円。若手期の実額は控えめとみられる(口コミ傾向) |
| 待遇への納得感 | OpenWork待遇面1.9、エン年収納得度49%と評価は厳しい(口コミ傾向) |
| 働き方 | 月残業38.8〜50時間・有給消化54.7%。24時間体制の受注生産という構造要因あり(口コミ傾向+公式情報) |
| 人間関係・社風 | 相互尊重3.9(業界9位)、人間関係満足度78%、イノベーションへの挑戦3.8と高評価(口コミ傾向) |
| 育成体制 | 人材の長期育成1.8。自走型の人向き(口コミ傾向) |
| 業績・財務の安定性 | 単体5期連続増収、自己資本比率81.15%、現預金33億4,564万円、直近5期に赤字期は見当たらず(公式情報) |
| 将来性 | 中計は2026年10月期に売上50億円・営業利益7.5億円で前倒し進捗。一方で会社自身が「参入障壁が低い」「取引先10社で約28%」と記載(公式情報) |
| リスク要因 | 連結子会社イデイが債務超過。材料費上昇、人材確保。KAMは「売上高の期間帰属の適切性」で受注生産業の一般的論点(公式情報) |
| 総合 | 安定性とモノづくりのやりがいを取り、給与の伸びと育成の手厚さで妥協できる人に向く(推定情報) |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
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免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第40期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。時価総額など一部の株式指標は二次情報源(irbank・2026年8月21日時点で約54億円)を参照しており、その旨を明記しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
