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アビックス(7836)の年収693万円と評判|同名他社と別のLEDビジョン専業

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:証券コード7836・横浜市中区のLEDビジョン専業メーカー。同名他社とは別会社
  • 年収:有報の平均693.5万円。中途提示は420〜550万円で差がある
  • 生産性:従業員65名で連結売上54.1億円=1人あたり約8,300万円
  • 注意点:5期連続増収でも第37期は営業利益14.9%減、上場以来無配が続く

「アビックス」で検索すると、輸入車販売の会社、中古車買取の会社、家電メーカーなど、まったく別の会社の情報が大量に出てきます。この記事が扱うのは、そのどれでもありません。東京証券取引所スタンダード市場に上場する証券コード7836のアビックス株式会社――渋谷QFRONTの大型ビジョンを納入した、LEDビジョン(デジタルサイネージ)専業のファブレスメーカーです。従業員はわずか65名。その65名で年商54億円を稼ぎ、有価証券報告書上の平均年間給与は693.5万円に達します。一方で中途採用ページの提示年収は420〜550万円。この差はなぜ生まれるのか。上場から21年間無配という事実をどう受け止めるべきか。第37期(2026年3月期)有価証券報告書の実額をもとに、転職判断に必要な材料を整理します。

まず確認:あなたが探している「アビックス」はどの会社か

この記事を読み始める前に、いちばん大事な確認をします。「アビックス」という社名は、まったく無関係な複数の企業が使っています。転職先を調べているつもりで、別会社の口コミや求人を読んでいるケースが非常に多く発生する社名です。まずここを切り分けてから本題に入ります。

証券コード7836のアビックス株式会社とは

本記事が扱うのは、以下の会社です(公式情報/第37期有価証券報告書および公式サイト会社概要)。

識別項目内容
正式商号アビックス株式会社(AVIX, Inc.)
証券コード7836(東京証券取引所スタンダード市場)
本社所在地神奈川県横浜市中区弁天通6-85 宇徳ビルディング4F(2023年8月に移転)
設立1989年4月17日(愛知県一宮市でデジタル映像の研究開発を目的に設立)
代表者代表取締役社長 岩切 敏晃(2024年6月27日就任)
事業内容LED表示機(大型LEDビジョン/デジタルサイネージ)の企画・設計・販売・施工・保守、映像配信
拠点横浜本社、東京営業本部(港区新橋)、大阪、名古屋、福岡、岡山、札幌、東北

ポイントは「横浜市中区」「証券コード7836」「LEDビジョン」の3点セットです。求人票や口コミサイトを開いたとき、この3つのいずれかが一致しなければ、別の会社の情報を読んでいる可能性が高いと考えてください。

混同されやすい同名・類似名の別会社

検索サジェストの実測では、7836のアビックスに関係しないキーワードが上位を占めています。以下はいずれも本記事の対象とは別会社です。

  • アビックスインポート(東大阪ほか全国に店舗展開)――輸入車・中古車の販売。「アビックスインポート 東大阪」「越谷」「宝塚インター」など店舗名での検索が非常に多い
  • 株式会社アビックスコーポレーション――自動車販売・買取。「アビックスコーポレーション 評判」「求人」「社長」の検索はこちら
  • アピックスインターナショナル――扇風機・サーキュレーター等の家電。表記が1文字違いのため混同されやすい
  • 有限会社アビックス――就活会議等に別ページが存在。7836とは無関係
  • そのほか「アビックス 買取」「アビックス 中古車」「アビックス 福知山」等で出てくる事業者

特に注意したいのが口コミサイトです。就活会議には「有限会社アビックス」の口コミページが別に存在し、カーセンサーやグーネットに掲載されている「AVIX IMPORT NEXT」のレビューは自動車販売店へのお客様レビューであって、7836のアビックスの社員口コミではありません。評価点だけを見て判断すると、まったく違う会社の評判で転職を決めてしまうことになります。

「アビックス 佐賀 工場」は7836の工場ではない可能性が高い

検索候補に「アビックス 佐賀 工場」が一定の検索数で存在しますが、これも切り分けが必要です。理由は明確で、7836のアビックスは自社工場を一切持たないファブレス企業だからです(公式情報)。有価証券報告書によると、同社は製造設備を保有せず、中国・深圳の協力工場3社にLED表示機の製造を委託しています。したがって「佐賀の工場」は同名の別会社の施設である可能性が高いと考えられます(推定情報)。地方の製造拠点での勤務を想定して同社の求人を探している場合は、この前提が崩れる点を先に把握しておいてください。同社の勤務地は横浜本社と各営業拠点が中心になります。

アビックス株式会社(7836)の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、すべて第37期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書の実額です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
平均年間給与6,935千円(約693万5千円)/対前事業年度増減率 0.01%減
平均年齢40.59歳
平均勤続年数6.21年
従業員数連結65名(ほか平均臨時雇用人員1名)/提出会社も65名
売上高連結5,406,080千円(約54.1億円・前期比24.4%増)
営業利益連結228,629千円(約2.29億円・前期比14.9%減)
経常利益226,687千円(7.4%減)
当期純利益233,189千円(28.4%増)
自己資本比率53.3%(ROE12.6%/ROA6.6%)
資本金1,207,564千円
配当第37期も無配(2005年の上場以来、配当実績なし)
出典第37期 有価証券報告書(2026年6月29日 関東財務局長提出/EDINETコード E02096)

離職率・職種別の年収・男女別賃金差異・男性育休取得率については、同社は女性活躍推進法等の公表義務対象外の規模であり、有価証券報告書でも開示されていません。この点は求人応募時に直接確認する項目になります。

何を売って稼いでいる会社なのか:LEDビジョン専業ファブレスという業態

結論から言うと、アビックスは「大きな画面をつくって、映して、運用し続けることで稼ぐ会社」です。ハードを売って終わりではなく、コンテンツ配信と保守で継続収入を得るモデルを併せ持っている点が事業理解の入口になります。転職後にどんな仕事をするかは、この構造を押さえると具体的に見えてきます。

1999年の渋谷QFRONTから続く街頭ビジョンの草分け

同社の沿革で最も象徴的なのが、1999年11月に渋谷駅前のQFRONTへ納入した大型街頭ビジョン「サイバービジョン(Q’sEYE)」です。日本の街頭ビジョン黎明期からのプレイヤーであり、2004年には第14回ニュービジネス大賞最優秀賞を受賞しています。2020年2月には透過型フィルム式LED「GLASS FILM」、2025年6月には屋外高精細の「サイバービジョンMIPモデル」と室内向け「U-Natural」を発表するなど、製品ラインの更新も続いています。2024年6月にはDirbato向けの「trA Vision」がデジタルサイネージアワード2024の優秀賞を受賞しました。街を歩いていて目に入る大きな画面が自分の仕事の成果物になる――という分かりやすさは、この会社ならではの働く動機になり得ます。

売上の95.2%を占めるデジタルサイネージ関連事業の中身

有価証券報告書によると、第37期の連結売上5,406,080千円のうち、デジタルサイネージ関連事業が5,147,987千円(前期比23.5%増)で全体の95.2%を占めます。この事業はさらに3部門に分かれます。

  • 情報機器部門:LED表示機そのものの製造販売。企画・設計は自社、製造は委託
  • 機器リース部門:ビジョンをリース形態で提供する部門
  • 運営部門:映像配信CMS「DiSi cloud」等のサブスクリプション型サービス。AIサイネージを統合したデジタルプラットフォーム「MiRAi PORT」も展開

残る4.8%がValue creating事業で、連結子会社の株式会社デジタルプロモーションが担う地域密着型のエリアファンマーケティング、ハイパーローカルメディア「タウンビジョン」の運営などです。売上は258,093千円と小さいものの前期比45.6%増と伸び率は高く、セグメント利益も18,284千円(15.4%増)と本体より高い成長率を示しています。ただしこのセグメントの従業員数は0名と有価証券報告書に記載されており、実務は本体側の人員でカバーしている構図が読み取れます(推定情報)。

主力顧客の転換――パチンコホールからスタジアム・商業施設へ

転職判断において最も重要な事業トピックがこれです。同社はかつてパチンコホール向けの大型ビジョンを主力としてきましたが、近年はスタジアム・アリーナ、大型商業施設、シネマコンプレックス、オフィスエントランスへと主力顧客を転換している最中です。有価証券報告書でも「他社が容易に参入できない領域」での差別化を掲げています。

この転換が意味するのは、扱う案件の性質が変わるということです。特定業界の店舗単位の需要から、自治体・ディベロッパー・スポーツ興行主といった長期・大型の案件へ軸足が移れば、営業サイクルも施工規模も変わります。入社後に関わる案件が「転換前の領域」なのか「転換後の領域」なのかは、面接で必ず確認しておきたいポイントです(推定情報)。屋外広告(OOH)業界全体で見ても、アナログ看板は横ばい〜微減である一方、デジタルサイネージ広告費は二桁成長が続いており、同社の方向転換は業界の潮流とは整合的です。

アビックスの年収693.5万円をどう読むか:中途提示420〜550万円とのギャップ

結論を先に言います。アビックスの有価証券報告書上の平均年間給与693.5万円は「盛られた数字」ではなく、グループ全社員の実態値です。ただし、あなたが中途入社したときの初年度年収がその水準になるとは限りません。この2つは矛盾しません。理由を順に説明します。

公式の平均年間給与と4期推移

第37期有価証券報告書「従業員の状況」によると、提出会社の平均年間給与は6,935千円(693万5千円)、対前事業年度増減率は0.01%減です。賞与および基準外賃金を含みます。あわせて平均年齢40.59歳、平均勤続年数6.21年と記載されています。

決算期平均年間給与従業員数(連結)連結売上高
2023年3月期(第34期)約701万円43名3,325百万円
2024年3月期(第35期)約690万円49名3,727百万円
2025年3月期(第36期)約693万円58名4,347百万円
2026年3月期(第37期)693.5万円65名5,406百万円

4期を並べると、売上が1.6倍に伸びる間、平均年収はほぼ横ばい(701万円→693.5万円)という構図が見えます。過年度の平均年収はirbankの集計値(原典は各期有価証券報告書)を参照しています。従業員数が43名から65名へ5割増えているため、給与水準が据え置かれたというより相対的に若手・中途入社層が増えて平均が押し下げられた可能性が高いと考えられます(推定情報)。実際、平均勤続年数6.21年は上場企業としては短い部類で、急拡大中の組織であることを裏づけています。

この会社の平均年収が「信用できる」構造的な理由

上場企業の平均年収を読むとき、最大の落とし穴が持株会社バイアスです。純粋持株会社の有価証券報告書には持株会社単体(数十名の管理部門)の給与しか載らず、グループ数千人の現場実態とかけ離れた数字になることがあります。

アビックスの場合、この問題が構造的に起きません。有価証券報告書の従業員の状況の注記に「連結子会社に従業員は在籍していない」旨が記載されており、提出会社の65名がそのまま連結の全従業員だからです。つまり693.5万円は、社長から新入社員まで含めた全社員65名の実際の平均ということになります。これは調べる側にとって非常にありがたい構造で、同社の公式データを読むうえでの明確な強みです。

それでも中途提示が420〜550万円である理由

一方、同社の中途採用ページで公開されている提示年収レンジは以下の通りです(公式情報/公式採用サイトによると)。

  • 営業総合職:420万円〜550万円
  • 施工・メンテナンス職:350万円〜650万円

平均693.5万円と、営業総合職の上限550万円。この143万円の開きをどう解釈すべきか。考えられる要因は次の通りです(推定情報)。

  • 管理職層の押し上げ:従業員65名に対し管理職は13名(有価証券報告書の女性管理職比率の算定基礎より)。全体の約2割が管理職という構成で、平均年齢40.59歳という数字とも整合します。管理職比率が高い小所帯では、平均値が中途入社の初任水準より上振れするのは自然です
  • 勤続の長い中核層の存在:平均勤続6.21年は組織全体の平均であり、創業期から在籍する層が別途存在すると考えられます
  • 提示レンジは入口の金額:420〜550万円はあくまで入社時の提示であり、昇給後の到達点ではありません

求職者
求職者

結局、自分が入ったらいくらもらえるんでしょうか?

現実的な読み方はこうです。中途入社の初年度は400万円台後半〜550万円前後を想定し、693.5万円は「社内で昇進・昇格した先にある水準」として捉えるのが妥当です(推定情報)。参考までに、OpenWorkには「32歳エンジニアで620万円」という年収事例の書き込みがありますが、口コミ傾向としての1件の投稿であり、これを職種別の相場と受け取るべきではありません。年収を確定させたいなら、内定時の労働条件通知書で基本給・賞与の算定方法・みなし残業の有無を確認するのが唯一の方法です。

従業員65名で売上54.1億円――1人あたり8,300万円の生産性を分解する

アビックスという会社を数字で語るなら、ここが最大の特徴です。従業員65名で連結売上54.1億円、1人あたり売上高は約8,317万円。上場企業としては極めて小規模な組織でありながら、1人あたりの売上規模は決して小さくありません。この数字の意味を、時系列で分解します。

5期連続増収と1人あたり売上高の推移

決算期連結売上高従業員数1人あたり売上高(試算)
2022年3月期(第33期)1,797百万円45名約3,993万円
2023年3月期(第34期)3,325百万円43名約7,733万円
2024年3月期(第35期)3,727百万円49名約7,606万円
2025年3月期(第36期)4,347百万円58名約7,495万円
2026年3月期(第37期)5,406百万円65名約8,317万円

1人あたり売上高は編集部が公式数値から算出した試算値です。読み取れるのは次の3点です。

  • 2022年3月期から2023年3月期にかけて1人あたり売上が約2倍に跳ねている。2021年11月の株式会社プロテラスからのデジタルサイネージ事業吸収分割が寄与したとみられます(推定情報)
  • その後3期は7,500万円前後で横ばい。人員増と売上増がほぼ同じペースで進んでいた局面
  • 第37期で8,300万円台へ再上昇。売上が24.4%増える一方、人員増は12.1%にとどまったため

ファブレスモデルであるため売上に対する仕入原価の比率が高く、この数字をそのまま「稼ぐ力」と読むことはできません。それでも65名で50億円規模の案件を回しているという事実は、一人ひとりの担当範囲が広いことを強く示唆します。

3期連続の増員――採用は明確に続いている

従業員数は43名(2023年3月期)→49名→58名→65名(2026年3月期)と3期連続で増加しています。3年で約1.5倍という増員ペースです。「小さい会社だから採用していないのでは」という懸念は、少なくとも直近3期の実績では否定されます。

第37期時点の内訳は、デジタルサイネージ関連事業49名(ほか臨時1名)、Value creating事業0名、全社(共通)16名です。全社共通が16名=全体の約25%を占めるのは、上場維持に必要な管理部門機能を小所帯で抱えているためと考えられます(推定情報)。転職者の視点では、募集の多くはデジタルサイネージ関連事業側(営業・施工・メンテナンス)である可能性が高いと読めます。なお労働組合は組成されていない旨が有価証券報告書に記載されています。

増収なのに営業利益が14.9%減った理由

第37期は売上24.4%増に対し、営業利益は228,629千円で14.9%減。営業利益率は前期の約6.2%から約4.2%へ低下しました(連結売上と営業利益からの試算)。

この理由について、有価証券報告書は「事業拡大に伴う人員増強等による販売費及び一般管理費の増加」と明記しています。つまり58名→65名の増員と、それに伴う先行コストが利益を圧迫した構図です。これは業績悪化というより戦略的な先行投資局面と読むのが自然です(推定情報)。

転職者にとっての含意は二面あります。ポジティブに見れば「採用を止めない会社」、慎重に見れば「増員のコストが利益で回収できるかはこれからの2〜3期で決まる」ということです。なお当期純利益は233,189千円で28.4%増となっていますが、これは繰延税金資産の回収可能性見直しによる法人税等調整額のプラス寄与によるもので、本業の稼ぐ力が増えたわけではない点は正確に押さえておく必要があります。

財務と上場の実態:無配21年、過去の2期連続赤字をどう受け止めるか

ここは正直に書きます。アビックスの財務には、転職前に知っておくべきネガティブな事実とポジティブな事実の両方があります。片方だけを見て判断しないために、両面を並べます。

知っておくべきネガティブな事実

  • 過去2期連続の赤字:第33期(2022年3月期)は経常損失63,028千円・当期純損失73,045千円、第34期(2023年3月期)も当期純損失7,785千円。第35期以降は黒字化していますが、直近5期のうち2期は赤字だった会社です
  • 2005年の上場以来、一度も配当実績がない:第37期でようやく利益剰余金がプラスに転じた段階で、当期も「自己資本の充実と財務基盤強化を最優先」として配当を見送っています
  • 小型株である事実:発行済株式総数35,129,566株、株価80円前後で時価総額は約28億円規模。株主総利回りは東証株価指数を大きく下回って推移しています
  • のれん276,842千円が総資産の7.5%:監査法人の「監査上の主要な検討事項(KAM)」に指定されており、7年均等償却中。減損が生じれば損益への影響は小さくありません
  • 中国調達への依存:LED表示機を中国・深圳の協力工場3社から外貨建てで仕入れているため、為替変動・現地の労働コスト上昇・調達難が業績に直接効く構造を、同社自身が有価証券報告書のリスク項目で明記しています

あわせて確認すべきポジティブな事実

  • 継続企業の前提に関する注記は第37期有価証券報告書に記載がありません。監査報告書も無限定適正意見です
  • 自己資本比率53.3%:純資産1,983,414千円/総資産3,698,125千円。借入金総額531,200千円に対し現金及び現金同等物は1,134,314千円で、手元資金が借入を上回っています
  • 営業キャッシュ・フローは398,295千円のプラス。本業で現金を生めている状態です
  • ROE12.6%・ROA6.6%:規模は小さいものの資本効率は低くありません
  • 東証スタンダード市場の上場維持基準への不適合や「適合に向けた計画書」の開示は、有価証券報告書本文および公開情報の範囲では見当たりませんでした(株主数7,013人・自己資本比率53.3%)

総合すると、「倒れそうな会社」ではないが「余裕のある会社」でもないというのが実態に近い評価です(推定情報)。無配が続いている以上、社員持株会に加入しても配当収入は現時点で期待できません。一方で財務基盤の強化を優先している姿勢は、成長投資を続けるうえでは合理的とも読めます。

筆頭株主テラスホールディングスは「親会社」ではない

資本関係も正確に把握しておきましょう。筆頭株主は株式会社テラスホールディングス(東京都港区赤坂・純粋持株会社)で持株比率35.31%(12,403,866株)です。これは2021年11月に株式会社プロテラスのデジタルサイネージ事業を吸収分割で承継した際、その対価として交付された株式によるものです。

重要なのは、有価証券報告書上の位置づけが「その他の関係会社」であって「親会社」ではない点です。アビックスは独立した上場会社として意思決定を行っています。第2位以下は上田八木短資2.10%、個人1.67%、SBI証券1.15%と続き、上位10名の合計は46.40%。株主構成はその他の法人40.52%、個人その他52.49%で、個人株主の比率が高いのも小型株らしい特徴です。なお連結子会社は株式会社デジタルプロモーション(100%)とSS Lab.株式会社(50%)、持分法適用関連会社に株式会社エクスポルト(35%)があり、2026年4月には連結子会社「合同会社aua」を新設しています。

口コミから見えるアビックスの働き方(母数が極端に少ない点に注意)

最初に強く断っておきます。アビックス(7836)の口コミは、すべてのプラットフォームで件数が極端に少なく、統計的な信頼性はありません。従業員65名という規模を考えれば当然のことですが、以下の数値は「そういう投稿がある」という以上の意味を持ちません。参考程度に読んでください。

OpenWorkの数値と読み方

口コミ傾向として、OpenWorkの総合評価は3.22ですが、回答者はわずか4名です。1人の投稿が評点全体を大きく動かす水準であることを前提にしてください。

  • 月間残業時間:43.0時間/有給休暇消化率:22.4%
  • 待遇面の満足度3.2/社員の士気3.2/風通しの良さ3.2/法令順守意識3.3
  • 相対的に低い項目:人材の長期育成3.1/社員の相互尊重3.1

残業43.0時間・有給消化22.4%という数字は、額面通りに受け取れば負荷は軽くない水準です。ただし回答者4名の平均であり、施工案件の繁忙期に投稿が偏っている可能性も否定できません(推定情報)。むしろ注目すべきは「人材の長期育成」が最も低い項目に入っている点で、65名という組織規模では研修制度や体系的なキャリアパスの整備に限界があるという構造的な話とも整合します。

エン カイシャの評判・その他プラットフォーム

エン カイシャの評判では口コミ20件・総合評価3.6(うち正社員4名回答)。内訳は会社の成長性3.6、事業の優位性3.6、活気のある風土3.7、経営陣の手腕3.6と、いずれも平均並みからやや高めです。投稿は営業職からのものが中心とされています。就活会議には8件、転職会議にもページが存在します。

総合評価が3.22と3.6に分かれているのは、母数が少なすぎて評点が安定していないことの表れであり、どちらか一方の数字を根拠に判断するのは避けるべきと考えられます。

口コミ全体から見える構図

件数の制約を踏まえたうえで総括すると、投稿には次の二面が併存しています(口コミ傾向)。

評価されている点不満として挙がる点
大型ビジョンという分かりやすい成果物が残る仕事である65名の小所帯ゆえに一人あたりの業務範囲が広く、体制が薄い
スタジアム・大型商業施設案件のスケール感がある月間残業43.0時間・有給消化22.4%という負荷水準の投稿がある
会社の成長性・事業の優位性への評価は平均以上人材の長期育成・相互尊重の評点が相対的に低い
営業職からの投稿が中心で、経営陣の手腕への評価も平均並みそもそも投稿件数が4〜20件で判断材料として薄い

なお福利厚生については、公式採用サイトによると完全週休二日制、退職金制度は中小企業退職金共済、社員持株会、奨学金支援制度、「プロポーズ制度」といった独自制度が案内されています。情報セキュリティではJIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)認証を取得しています。

アビックスの将来性を業界文脈で評価する

「アビックス 将来性」は、同社に関する求職系キーワードの中で最も検索されているものの一つです。結論としては、市場の追い風は明確にある一方、その追い風を65名の体制でどこまで取りに行けるかが論点という評価になります。

デジタルサイネージ市場は成長領域にある

屋外広告(OOH)市場全体は緩やかな成長にとどまる一方、デジタルOOHだけは年平均9〜10%の成長が見込まれ、国内のデジタルサイネージ広告費も直近で前年比二桁成長が続いています。アナログ看板が横ばい〜微減、デジタルビジョンが成長を一手に担うという二極化が業界の基本構図です。アビックスはこの成長側にほぼ100%の事業を置いており、市場選択という意味では正しいポジションにいます。

加えて業界では、気温・天候・時間帯・人流データに連動して広告を自動で切り替えるプログラマティックDOOH(pDOOH)が実用段階に入り、インプレッションでの効果測定も標準化が進んでいます。同社がサブスク型CMS「DiSi cloud」やAIサイネージ統合の「MiRAi PORT」を中核に据えているのは、この文脈上の動きと整合します(推定情報)。

同業・関連企業との立ち位置の違い

読者が実際に比較検討しそうな上場企業と、事業の立ち位置を整理します。年収の推定値は各社の一次情報を横並びで検証できないため掲載せず、事業モデルの違いに絞って比較します。

企業名(コード・市場)主な立ち位置アビックスとの違い
アビックス(7836・スタンダード)LEDビジョン専業のファブレスメーカー。機器+配信+施工保守を一貫提供従業員65名の超小型組織。デジタルサイネージ専業で分散がない
ヒビノ(2469・スタンダード)音響・映像機器の大手。大型LEDディスプレイの施工・レンタルも手掛ける音響・コンサート機材など事業の幅が広く、企業規模も大きい
乃村工藝社(9716・プライム)商業空間ディスプレイ最大手。空間演出の企画から施工まで空間デザイン全体が主戦場で、サイネージはその一要素
スペース(9622・プライム)商業施設・店舗の空間ディスプレイ大手店舗販促の内装・什器が中心。サイネージ専業ではない
リコー(7752・プライム)業務用ディスプレイ/サイネージソリューションを展開する大手オフィス機器を基盤とする総合メーカー。案件規模と組織規模が桁違い

この表から読み取れる転職上の含意は明確です(推定情報)。大手を選べば分業が進み、専門性は深いが担当範囲は狭くなる。アビックスを選べば、企画から施工・運用まで一人で通しで経験できる可能性が高い代わりに、制度やバックオフィスのサポートは薄い――という交換条件になります。

リスク要因も業界共通の構造として理解する

有価証券報告書が挙げるリスクは、①屋外広告物条例など法的規制の変更、②映像配信・SNS運営が通信ネットワークに依存するシステム障害、③中国製LED表示機の外貨建て調達に伴う為替・地政学リスク、④のれんの減損、⑤自然災害・パンデミック等です。①はOOH業界に共通する構造リスクで、繁華街の一等地が物理的に有限であることと合わせて理解しておくとよいでしょう。広告費は景気後退局面で削られやすい費目であるという業界共通の性質も、入社前に織り込んでおきたい点です。

アビックスへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。65名という規模がそのまま「向き不向き」を決める会社です。

向いている人向いていない人
街に残る大型ビジョンという成果物にやりがいを感じる人整った研修制度・体系的なキャリアパスの中で育ちたい人
企画から施工・運用まで幅広く担当したい人担当領域を絞って専門性を深く掘りたい人
売上が5期連続で伸びる拡大局面に自分の裁量で関わりたい人組織の制度・バックオフィス支援が整っていることを重視する人
スタジアム・商業施設など大型案件のスケール感を求める人賞与や配当を含めた待遇の安定性を最優先する人
小規模組織で経営に近い距離で働くことを歓迎する人ネームバリューのある企業で働きたい人(同名他社と混同されやすい社名でもあります)

アビックスへの応募前に確認したい5つのこと|編集部の見解

編集部の見解として、アビックスは「成長市場のなかで拡大局面にある小型企業」であり、裁量と経験の幅を優先する人には合理的な選択肢、安定と制度を優先する人には慎重な検討が必要な会社だと考えられます。おすすめ度を一律に決めるのではなく、以下の5点を面接で確認したうえで自分の軸に照らして判断することをおすすめします。

  • 配属先の事業領域:主力顧客の転換途中であるため、担当が転換前の領域か転換後(スタジアム・商業施設等)かで仕事の性質が変わります
  • 提示年収の内訳:営業総合職420〜550万円という提示に対し、基本給・賞与の算定方法・みなし残業の有無を必ず確認
  • 昇給・昇格の実像:平均693.5万円に到達するまでの標準的な年数と昇格要件。有価証券報告書では開示されていない領域です
  • 残業と有給の実態:OpenWorkの残業43.0時間・有給消化22.4%は回答者4名の数値です。配属部署の実績を直接聞くべきです
  • 増員の継続方針:58名→65名の増員が販管費増となり営業利益を14.9%押し下げています。今後の採用計画と投資回収の見通しを確認したいところです

なお、同名他社に検索が埋もれた小型上場企業という点では、木材メーカーの株式会社オービス(7827)も同じ構造を抱えています。社名で正しく情報にたどり着けない企業をどう調べるかという観点で、あわせて参考になるはずです。

アビックス株式会社(7836)に関するよくある質問

アビックスへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

アビックス株式会社は「アビックスコーポレーション」と同じ会社ですか?

別会社です。証券コード7836のアビックス株式会社は横浜市中区に本社を置くLEDビジョン専業メーカーで、自動車販売・買取を手掛けるアビックスコーポレーション、輸入車販売のアビックスインポート、家電のアピックスインターナショナル、有限会社アビックスとは資本関係も事業内容も異なります。求人票や口コミを見る際は、本社所在地が横浜市中区弁天通かどうかで判別してください。

アビックスの平均年収はいくらですか?

第37期(2026年3月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は6,935千円(約693万5千円)です(公式情報)。連結子会社に従業員が在籍していないため、この数字は全従業員65名の実際の平均にあたります。一方で中途採用の提示レンジは営業総合職420〜550万円、施工・メンテナンス職350〜650万円で、入社時の年収はこのレンジが目安になります(推定情報)。

「アビックス 佐賀 工場」はアビックス(7836)の工場ですか?

その可能性は低いと考えられます。7836のアビックスは自社の製造設備を持たないファブレス企業で、LED表示機の製造は中国・深圳の協力工場3社へ委託しているためです(公式情報)。佐賀の工場は同名の別会社の施設である可能性が高いと考えられます(推定情報)。

アビックスの将来性はどう判断すればよいですか?

市場環境と自社体力を分けて見ることをおすすめします。デジタルサイネージ広告費は二桁成長が続く成長市場であり、同社は5期連続増収を達成しています(公式情報)。一方で第37期は増員に伴う販管費増で営業利益が14.9%減、上場以来無配が続き、時価総額は約28億円規模です。「市場は伸びるが、規模の小ささゆえに変動も大きい」という前提で判断するのが現実的です(推定情報)。

アビックスは中途採用をしていますか?

公式採用サイトに中途採用ページがあり、営業総合職・施工/メンテナンス職などの募集が案内されています。従業員数は43名(2023年3月期)から65名(2026年3月期)へ3期連続で増加しており、採用が継続していることは有価証券報告書の数値からも確認できます(公式情報)。ただし年間の採用人数は数名規模と考えられるため、募集の有無は都度確認が必要です(推定情報)。

アビックスは配当を出していますか?社員持株会に入る意味はありますか?

2005年の上場以来、第37期まで一度も配当実績はありません(公式情報)。第37期でようやく利益剰余金がプラスに転じた段階で、当期も自己資本の充実を優先して配当を見送っています。社員持株会制度自体は公式採用サイトに記載がありますが、現時点では配当収入は見込めないため、加入判断は株価変動リスクを前提に行う必要があります(推定情報)。

アビックスへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有価証券報告書の平均693.5万円は全社員65名の実額。ただし中途提示は420〜550万円で、平均到達には昇格が前提(推定情報)
年収の伸び4期でほぼ横ばい(701万円→693.5万円)。人員急増による構成変化の影響が大きい
事業の成長性5期連続増収・直近24.4%増。デジタルサイネージ市場自体が成長領域
収益性第37期は営業利益14.9%減、営業利益率は約4.2%へ低下。増員の先行投資局面
財務の安全性自己資本比率53.3%、手元資金が借入を上回る。継続企業の前提に関する注記の記載なし
待遇の安定性上場以来無配。過去5期のうち2期は赤字。時価総額約28億円の小型株
働き方OpenWorkでは残業43.0時間・有給消化22.4%との投稿。ただし回答者4名で参考値(口コミ傾向)
キャリアの幅65名で売上54.1億円。企画から施工・運用まで一気通貫で経験できる可能性が高い
育成体制人材の長期育成の評点が相対的に低い。制度に頼らず自走できる人向き(推定情報)
採用の活発さ43名→65名へ3期連続増員。ただし年間採用は数名規模と考えられる

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数・売上高・営業利益はすべて第37期有価証券報告書の実額であり、過年度の平均年収推移はirbankの集計値(原典は各期有価証券報告書)を参照しています。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第37期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。1人あたり売上高・営業利益率などの指標は、公式数値をもとに編集部が算出した試算値です。同名他社との識別についても、証券コード・本社所在地・事業内容の3点で判別できるよう記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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