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テクセンドフォトマスクの評判は口コミ1件|年収807万円と国内2拠点を有報で読む

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収:有報の平均年間給与は約807万円(単体499名ベース)
  • 勤務地:国内の生産拠点は朝霞と滋賀の2拠点のみ
  • 資本関係:TOPPAN HDが46.55%の持分法適用関連会社
  • 口コミ:投稿が実質1〜2件しかなく、数字で判断するしかない

テクセンドフォトマスク株式会社は、2024年11月1日に「トッパンフォトマスク」から社名を変え、2025年10月16日に東証プライムへ上場したばかりの会社です。そのため転職検討者が最初にぶつかる壁は、口コミサイトにほとんど情報がないことです。OpenWorkの回答者は1名、エン ライトハウス(エン カイシャの評判)の口コミ投稿は0件。通常の「評判記事」で使える材料がほぼありません。本記事では、その事実を隠さずに書いたうえで、代わりに公式情報である有価証券報告書・決算資料・公式サイトの数値を使って、年収・勤務地・親会社との関係・将来性という転職判断に直結する4点を組み立て直します。

テクセンドフォトマスクの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数字を一覧にします。すべて公式情報で、出典は第5期(2026年3月期)の有価証券報告書と決算資料です。ここを押さえておくと、以降のセクションで「その数字が何を意味するのか」が読み取りやすくなります。

項目内容
商号テクセンドフォトマスク株式会社(Tekscend Photomask Corp./旧社名:株式会社トッパンフォトマスク)
上場区分東京証券取引所プライム市場(証券コード429A・2025年10月16日上場)
本社東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター33階
設立2021年12月13日(2022年4月1日に会社分割で営業開始)
代表者代表取締役社長執行役員CEO 二ノ宮 照雄
資本金104億円
平均年間給与約807万円(第5期・提出会社単体499名ベース)
平均年齢43.5歳(第5期・提出会社単体)
平均勤続年数3.3年(第5期・提出会社単体)
従業員数連結1,944名(うち臨時158名)/提出会社単体499名(うち臨時80名)
売上高(収益)1,295億7,600万円(第5期・IFRSベース/前期比+9.8%)
営業利益275億3,000万円(第5期/前期比▲2.4%)
当期利益249億4,700万円(親会社の所有者に帰属/前期比+150.8%)
筆頭株主TOPPANホールディングス株式会社 46.55%(持分法適用関連会社)
出典第5期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2026年3月期決算資料/公式サイト会社概要

なお、平均年間給与の約807万円はEDINETに提出されたXBRLを転載しているirbank経由で確認した値であり、EDINET原本PDFの直接確認までは至っていないため概数として扱っています。また、この数字は日本国内の本社・朝霞・滋賀を中心とする単体499名の平均であり、連結1,944名の7割超を占める海外拠点の従業員の待遇は含まれていません。参考までに、日本経済新聞の企業情報では795万円(前期ベース)と表示されています。

テクセンドフォトマスクとは?TOPPANから分社した「外販世界シェア約39%」のフォトマスク専業メーカー

結論から言うと、テクセンドフォトマスクは半導体の回路パターンをウエハに転写するための原版「フォトマスク」だけを作る専業メーカーです。読者にとってのメリットは、事業構造が単純なぶん「何で稼いでいて、何が崩れるとキャリアに影響するか」を短時間で理解できる点にあります。

社名変更と分社の経緯|2022年に営業開始した「若い会社」

事業の源流は、TOPPAN(旧・凸版印刷)が1961年にシリコントランジスタ用フォトマスクを試作したことにさかのぼります。1970年には滋賀工場が竣工し、以降半世紀にわたって印刷技術の応用としてフォトマスクを手がけてきました。会社としての現在の形になったのは最近で、2021年12月13日にTOPPANホールディングスの100%出資で設立され、2022年4月1日の会社分割でフォトマスク事業を承継して営業を開始しています。そして2024年11月1日に「トッパンフォトマスク」から「テクセンドフォトマスク」へ社名を変更しました。TechnologyとAscendを組み合わせた造語です。

転職検討者にとって重要なのは、法人としては2022年営業開始の若い会社であり、社内制度や評価の運用も相対的に新しいという点です。同時に、TOPPANから転籍してきた社員が中核を担っているため、実質的な組織文化には大企業由来の部分が残っていると推定されます。この「新しい法人+長い事業history」という二重構造は、面接で社風を確認するときの重要な着眼点になります。

外販市場という戦い方|市場全体の約37%を占める領域で世界トップ

フォトマスクは、半導体メーカー自身が自社で内製する分と、外部の専業メーカーから購入する分に分かれます。テクセンドが戦っているのは後者の「外販市場」で、公式サイトによるとこの外販市場の規模は約3,000億円、フォトマスク市場全体の約37%を占め、同社はここで世界シェア約39%のトップに立っています。最先端のEUV領域からレガシー(成熟)ノードまで幅広くカバーしている点が特徴です。

この立ち位置は転職判断に二つの意味を持ちます。実利面では、半導体メーカーやファウンドリと直接取引する立場のため、業界の最先端動向に触れられます。一方のリスク面では、顧客の設備稼働・投資サイクルに業績が直結するため、半導体市況の谷では受注が振れやすいという構造があります。

報告セグメントは1つだけ|地域別で見ると「ほぼ海外の会社」

同社の報告セグメントはフォトマスク事業の単一セグメントです。事業が1本である以上、多角化企業のように「不調な事業から好調な事業へ異動する」というキャリアの逃げ道は基本的にありません。第5期の地域別収益を見ると、その性格はさらにはっきりします。

地域収益(第5期)構成比(概算)
中国354億円約27%
米国252億円約19%
台湾189億円約15%
韓国181億円約14%
欧州125億円約10%
日本103億円約8%
その他91億円約7%

日本はわずか約8%で、海外比率は9割を超えています。日本の本社に勤めながら、収益の大半は海外の顧客と海外拠点から生まれている——これがテクセンドフォトマスクという会社の実像です。英語でのやり取りや海外拠点との調整が日常業務に入ってくる可能性は高いと推定されます。

テクセンドフォトマスクの評判・口コミは実質1〜2件しかない|その事実をどう扱うか

先に結論を述べます。この会社について、口コミサイトから読み取れることはほとんどありません。それを承知したうえで数字と公開条件で判断するのが、現時点で最も誠実なアプローチです。

各サイトの掲載状況|回答者1名という母数

確認できた口コミ傾向の掲載状況は次の通りです。

  • OpenWork(社名は「テクセンドフォトマスク(旧:株式会社トッパンフォトマスク)」で登録):総合評価2.94/回答者1名。内訳は待遇面の満足度2.9、社員の士気2.9、風通しの良さ3.0、人事評価の適正感2.9。有給休暇取得率56.6%(2024年8月時点)と掲載
  • エン ライトハウス(エン カイシャの評判):口コミ投稿0件。表示されている総合3.5は正社員1名の回答に基づく参考値で、サイト自身が「10名未満の少ないデータから算出」と明記
  • 転職会議:旧社名トッパンフォトマスク時代のページが残るものの、母数は小さい

定性的なコメントとして確認できるのは「基本給が低い」「部署によっては土日出勤が必要」といった限定的な声にとどまります。回答者1名のスコアを会社全体の評価として読むことはできません。2.94という数値も、3.5という数値も、統計的には個人の感想以上の意味を持たないことを踏まえて扱うべきです。

求職者
求職者

口コミが1件しかない会社って、逆に危ないってことですか?

そうとは限りません。口コミが少ない理由として合理的に推定できるのは、①国内の在籍者が単体499名と少なく、投稿母数そのものが小さいこと、②2024年11月の社名変更で旧社名の口コミと分断されたこと、③2025年10月の上場までBtoB専業で一般認知が低かったこと、の3点です。ネガティブな事実が隠されているという根拠は確認できていません。ただし、口コミで補えない分は、面接や労働条件通知書で自分の目で確認する必要があるという実務的な負担は増えます。

平均勤続年数3.3年をどう読むか|「早期離職が多い会社」とは限らない理由

有価証券報告書によると、第5期の平均勤続年数は3.3年(前期2.7年)です。この数字だけを見ると短期離職が多い会社に見えますが、この読み方は誤りになりうると考えられます。理由は明快で、同社は2021年12月設立・2022年4月営業開始の分社会社であり、TOPPANから転籍した社員の勤続年数が制度上リセットされているためです。営業開始から第5期末までが約4年ですから、そもそも勤続年数が4年を超える社員は原則として存在しません。

むしろ注目すべきは、平均年齢が43.5歳と高めで、前期の43.1歳から上昇している点です。推定情報ですが、これは若手の大量採用よりも経験者中心の構成であることを示唆します。合わせて、連結従業員数が前期比+75名で1,944名に増えている点も、事業として人員を絞る局面にはないことの傍証になります。

公開されている労働条件|口コミより先に確認すべき数字

口コミが薄いぶん、公開されている条件面の情報が判断材料として相対的に重くなります。公式採用サイトによると、2026年4月入社の初任給は学部卒27万8,000円、修士了30万円、博士了32万円です。年間休日は125日、創立記念日休暇の制度があります。有給休暇取得率は56.6%(2024年8月時点)と公開されており、これは半分強という水準で、全社的に取得が徹底されている状態とまでは言えません。製造拠点を持つメーカーとして、生産スケジュールに左右される部署では取得しにくい可能性があると推定されます。

テクセンドフォトマスクの年収は約807万円|有報実額と「単体499名」という前提

年収について知りたい読者への結論は、公式の平均年間給与は約807万円で、日本の上場メーカーとしては高めの水準です。ただしこの数字には読み解くべき前提が二つあり、そこを外すと入社後にギャップが生じます。

1. 公式平均年収と推移

有価証券報告書によると、第5期(2026年3月期・提出会社単体)の平均年間給与は約807万円です。前期にあたる2025年3月期は、JPXで公開されている「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」に794.6万円と記載されています。

期平均年間給与平均年齢平均勤続年数単体従業員数
第5期(2026年3月期・有報)約807万円43.5歳3.3年499名
前期(2025年3月期・Ⅰの部)794.6万円43.1歳2.7年489名

1年で約12万円、率にして約1.6%の増加です。会社としては増収営業減益の期にあたるにもかかわらず給与水準は上がっており、推定情報ですが、上場を控えた人材確保と物価上昇を踏まえた処遇改善が働いたと考えられます。ただし比較できるのが2期分しかないため、これを継続的な昇給トレンドと断定することはできません。上場後に提出された有価証券報告書は第5期の1期分のみであり、開示されている財務・人員データの範囲そのものが限られている点は、この会社を評価するうえで正直に踏まえるべき制約です。

2. 「単体499名」が意味すること|海外拠点の待遇は含まれない

ここが最も誤読されやすい部分です。有報の平均年間給与は提出会社単体499名の数値であり、これは日本の汐留本社・朝霞サイト・滋賀サイトを中心とする国内従業員が対象です。連結従業員数は1,944名ですから、約1,445名、社員の7割超を占める中国・台湾・韓国・米国・ドイツ・フランス・シンガポールの海外拠点勤務者の給与は、この807万円という数字にはまったく反映されていません。

言い換えると、この約807万円は「テクセンドフォトマスクという1,944名の企業グループの平均」ではなく、「日本で採用され日本で働く約499名の平均」です。日本で応募する読者にとっては、むしろこちらの方が実感に近い数字と言えます。なお、同社は持株会社ではなく事業会社そのものであるため、持株会社の有報でありがちな「役員クラスばかりの少人数平均で数字が高く出る」という歪みは生じにくい構造です。

3. 職種別の目安と、面接で必ず確認すべきこと

職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。以下はあくまで推定情報としての目安です。平均年齢43.5歳・平均約807万円という構成から逆算すると、20代後半〜30代前半の若手層は500万〜650万円程度、30代後半〜40代の中堅層で700万〜900万円程度、管理職層で1,000万円前後というレンジが考えられます。ただし口コミに「基本給が低い」という声がある点を踏まえると、基本給と諸手当・賞与の構成比によって手取り感が変わる可能性があります。

面接・条件提示の場では、次の4点を確認しておくと入社後のギャップを防げます。

  • 基本給と賞与・諸手当の内訳(賞与の業績連動比率がどの程度か)
  • 製造拠点勤務の場合の交替勤務・休日出勤の有無と手当
  • 海外拠点への出向可能性と、その際の処遇(国内給与ベースか現地ベースか)
  • 上場後の株式報酬制度・持株会の有無

勤務地は朝霞と滋賀の2拠点のみ|転職判断で最も見落とされやすい事実

年収より先に確認すべきかもしれないのが勤務地です。結論として、テクセンドフォトマスクの国内生産拠点は朝霞サイトと滋賀サイトの2つだけです。ここを知らずに応募すると、生活設計が根本から変わることになります。

公式サイトによると、国内外の拠点は次のように配置されています。

区分拠点
本社汐留本社オフィス(東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター33階)
国内生産拠点朝霞サイト(埼玉県新座市野火止7-21-33)/滋賀サイト(滋賀県東近江市妙法寺町1101-20)
アジア上海(中国)、桃園サイト・新竹オフィス(台湾)、利川サイト(韓国)、シンガポールサイト・シンガポールオフィス
米州ラウンドロックサイト・オフィス(米テキサス州)
欧州ドレスデンサイト+Advanced Mask Technology Center(ドイツ)、コルベイユサイト(フランス)

会社は世界9つの製造拠点を持つと説明しています。つまり製造拠点の大半は海外にあり、国内で製造・技術系として働く選択肢は朝霞(埼玉県新座市)か滋賀(東近江市)に限られます。首都圏在住で東京勤務を前提に考えている人が製造・生産技術系のポジションに応募する場合、朝霞は通勤圏に入る可能性がありますが、滋賀配属の可能性は現実的な検討事項として最初に確認すべきです。逆に関西・滋賀近郊に生活基盤がある人にとっては、この2拠点体制はむしろ腰を据えて働ける条件になります。

また、連結1,944名に対し単体499名という構成は、日本で採用される人が全社員の約4分の1であることを意味します。海外拠点への出向・駐在がキャリアパスに含まれる可能性は、業界平均より高いと推定されます。転勤や海外赴任の許容度は、この会社を選ぶうえで年収と同じかそれ以上に重要な判断軸です。

テクセンドフォトマスクの将来性|半導体市況とフォトマスクという事業の性格から読む

「テクセンドフォトマスク 将来性」は、この会社について実際に多く検索されているテーマです。ここでは不安を煽るのではなく、フォトマスクという事業がどういう性格の商売なのかを整理したうえで、直近の数字が何を示しているかを読むという順序で説明します。

フォトマスク事業の性格|「装置」ではなく「消耗しない原版」を売る商売

フォトマスクは、半導体の設計データを物理的な原版に落とし込んだものです。設計が変われば新しいマスクが必要になり、微細化が進むほど1枚あたりの単価と技術要求が上がります。この構造から、事業の性格として次の3点が導かれます。

  • 顧客の新製品開発サイクルに連動する:半導体メーカーが新しいチップを設計するたびに需要が発生するため、量産数量そのものより「設計案件数」に近い動きをします
  • 最先端とレガシーの両方に需要がある:EUVを使う先端ロジックだけでなく、車載・産業向けの成熟ノードでも継続的にマスクが必要です。同社が最先端からレガシーまでカバーしていることは、需要の裾野が広いことを意味します
  • 参入障壁が高く、寡占的:外販市場で世界シェア約39%という数字は、価格ではなく技術と品質で選ばれている構造を示します。ただし寡占市場は、いったん価格競争が始まると利益率への影響が大きく出やすい面もあります

直近の業績が示していること|増収だが営業段階では減益

第5期(2026年3月期)の実績を整理します。すべて公式情報です。

項目第5期(2026年3月期)前期比
収益(売上高)1,295億7,600万円+9.8%
売上総利益433億円+5.2%
営業利益275億3,000万円▲2.4%
税引前相当(経常利益表示)334億3,200万円—
当期利益(親会社所有者帰属)249億4,700万円+150.8%

読み取れるのは、売上は伸びているのに営業利益は減っているという構図です。売上が+9.8%に対し売上総利益は+5.2%と伸びが鈍く、営業利益は▲2.4%。つまり1円売るごとの儲けが薄くなっているということです。会社は増収営業減益の主因として中国市場での価格競争を挙げています。営業利益率は約21%と絶対水準では高いものの、方向としては低下しています。

当期利益が+150.8%と大きく伸びていますが、これは営業段階より下の要因によるもので、本業の稼ぐ力が1.5倍になったという意味ではありません。この差を混同しないことが、この会社の業績を正しく読むうえでの要点です。

さらに、2027年3月期第1四半期は売上収益300億7,600万円(前年同期比+0.9%)に対し営業利益58億7,500万円(同▲12.7%)と、減益基調が続いています。赤字ではありませんが、利益率の低下が一時的なものか構造的なものかは、現時点では判断材料が足りません。

中国依存というリスク要因

地域別収益で最大の市場は中国の354億円(全体の約27%)です。上場時の開示資料でも、中国での競争激化が利益圧迫要因として明示されています。ここには二つの論点があります。

  • 価格競争:最大市場でありながら、その市場が利益率低下の主因になっているという状況です
  • 地政学:米中の半導体規制・輸出管理の動向によって、取引条件や供給体制が影響を受ける可能性があります

加えて、JPX公開のⅠの部のリスク情報には、中国のグループ会社が工場として使用する賃借物件について現地法令・行政手続き上の問題があり、当局の判断次第で生産活動に制約が生じる可能性があると記載されています。これは会社自身が有価証券報告書で開示しているリスク項目であり、2026年8月時点で実際に処分や是正命令が出たという報道は確認できていません。あくまで開示されたリスクとして把握しておくべき事項であり、すでに問題が発生していると解釈すべきものではありません。

成長投資の方向|EUV・シンガポール新工場・ナノインプリント

一方で、成長に向けた投資テーマは明確です。公式IRによると、同社は中期方針としてEUVマスクの開発・量産体制構築、車載・産業用向け中位ノードの増強(シンガポール・米国・インド)、レガシー領域の維持、ARグラス用ウェーブガイドモールドなどのナノインプリント新規事業を掲げています。象徴的なのが、シンガポールに約2億ドルを投じる新工場を2025年10月に起工したことです。これはシンガポール初のフォトマスク工場とされます。

ただし注意点として、2025年9月4日に開示された「中期事業目標」では具体的な売上・利益の数値目標は示されておらず、定量的な中期目標は確認できていません。方向性は示されているが到達点の数字はない、という状態です。転職検討者としては、面接で「この投資が自分の配属領域にどう関わるか」を具体的に聞き出す価値があります。

株価と「上場ゴール」という論点

投資家向けの話に見えますが、転職判断にも関わるので事実だけ整理します。2025年10月16日の上場では公開価格3,000円に対し初値3,570円をつけました。しかしその後は公開価格を割り込み、2026年3月30日には2,671円まで下落した局面があります。上場時の時価総額は約3,356億円で、2025年のIPOではJX金属に次ぐ規模と報じられました。

赤字ではなく財務も安定していますが、上場直後に減益が続いている企業は「上場ゴール」という批判にさらされやすい局面にあるのは事実です。推定情報として言えば、この状況は社内的にも「上場企業として利益成長を示す」プレッシャーとして働く可能性があり、コスト管理や生産性向上の要求が強まることは想定しておいたほうがよいでしょう。

TOPPANホールディングスとの関係|46.55%を持つ筆頭株主と「持分法適用関連会社」の意味

「テクセンドフォトマスク 親会社」「TOPPANとの関係」は検索の多いテーマです。結論を先に示すと、TOPPANホールディングス(7911)が46.55%を保有する筆頭株主であり、テクセンドは同社の持分法適用関連会社です。完全に独立した会社ではありません。

経緯を時系列で整理します。

  • 2021年12月:凸版印刷(現TOPPANホールディングス)の100%出資で設立
  • 2022年4月:会社分割によりフォトマスク事業を承継、営業開始
  • 2024年11月1日:社名を「トッパンフォトマスク」から「テクセンドフォトマスク」へ変更
  • 2025年10月16日:東証プライム上場。同日、TOPPANホールディングスの連結子会社から持分法適用関連会社へ異動(「親会社、その他の関係会社及び主要株主の異動に関するお知らせ」を開示)

上場時の売出しにより、TOPPANHDの持株比率は2025年9月30日時点の50.1%から46.55%(46,237,901株)へ低下し、支配株主から外れました。第5期有報の株主構成では、TOPPANHDに次いで日本マスタートラスト信託銀行(信託口)6.91%、QATAR HOLDING LLC 4.63%などが並びます。

TOPPAN側から見ると何が起きたか

この異動は、親会社側の数字にはっきり表れています。TOPPANホールディングスは2025年10月16日付でテクセンドを連結から除外し持分法適用関連会社としたため、2026年3月期の連結営業利益予想は一転して営業減益となり、実績も連結営業利益671億円・前期比▲21.1%の減益となりました。これは、テクセンドがTOPPANグループの利益にとってそれだけ大きな存在だったことの裏返しでもあります。

転職検討者にとっての意味

資本関係を転職判断に翻訳すると、次のようになります(推定情報を含みます)。

  • ポジティブ面:連結子会社を外れたことで、意思決定のスピードや独自の投資判断の自由度は上がったと考えられます。社名からTOPPANを外したのも、外販市場のリーディングカンパニーとして顧客に対する中立性を打ち出す狙いと説明されています。半導体メーカー各社と取引する立場では、この中立性は事業上の価値を持ちます
  • 注意すべき面:46.55%は依然として圧倒的な筆頭株主であり、取締役の選任や重要な意思決定に影響を及ぼしうる比率です。また元同一グループとしての取引関係も残ります。「TOPPANグループから完全に独立した会社」と理解するのは正確ではありません
  • 待遇の比較:TOPPANホールディングスとテクセンドは別法人であり、給与・福利厚生・人事制度が同一である保証はありません。旧グループの条件を前提に判断しないよう注意が必要です

同業・関連企業との違い|どこと比べて選ぶべきか

フォトマスクや半導体マスク関連で転職先の候補になりうる企業との違いを整理します。各社の平均年収は本記事では一次情報を確認していないため記載していません。年収比較を行う場合は、必ず各社の有価証券報告書「従業員の状況」で確認してください。

企業名(コード)フォトマスク領域での立ち位置テクセンドとの主な違い
テクセンドフォトマスク(429A)フォトマスク外販市場で世界シェア約39%のトップ、単一セグメント専業事業が1本に集中。海外比率9割超、国内生産拠点は2つ
大日本印刷(7912)フォトマスク事業を持つ国内の総合印刷大手印刷・包装・エレクトロニクスなど多角化。事業間の異動余地が広い
HOYA(7741)マスクブランクス(マスクの素材)で最大手、EUV領域でも競合ライフケア(眼鏡・医療)とエレクトロニクスの二本柱。事業ポートフォリオが分散
SKエレクトロニクス(6677)フォトマスク専業の国内上場企業企業規模が小さく、事業領域・拠点構成が異なる
TOPPANホールディングス(7911)テクセンドの筆頭株主(46.55%)。元同一グループ連結約5万人規模の総合企業。テクセンドの連結除外により2026年3月期は連結営業利益671億円・▲21.1%

比較の軸を整理すると、「半導体フォトマスクという一点に賭けるか、多角化企業の中の一事業として関わるか」がこの5社を分ける最大の違いです。テクセンドは前者の純度が最も高く、業界が伸びれば恩恵を直接受け、市況が落ちれば影響も直接受けます。DNPやHOYA、TOPPANHDは後者で、事業ポートフォリオの分散がリスク緩和として働く一方、フォトマスク領域での専門性の深め方は会社の方針に左右されます。

テクセンドフォトマスクへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と限られた口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
半導体の最先端(EUV)から成熟ノードまで、技術そのものに継続的な興味がある人事業ポートフォリオが分散した会社で、複数事業を渡り歩くキャリアを望む人
朝霞(埼玉県新座市)または滋賀(東近江市)勤務を現実的な選択肢として受け入れられる人東京23区内での勤務にこだわりがあり、製造拠点勤務を想定していない人
海外顧客・海外拠点との協働や、将来的な海外赴任に前向きな人国内完結の業務環境を望む人(収益の9割超が海外由来)
口コミが少なくても、有報や決算資料を自分で読んで判断できる人入社前に社内の空気感を口コミで十分に確認したい人
2022年営業開始の若い法人で、制度づくりに関与する余地を前向きに捉えられる人長い歴史を持つ企業の完成された制度・年功的な安定を求める人
上場直後の減益局面を「これから改善する余地」と捉えて働ける人安定成長の実績が数期にわたって確認できる会社を選びたい人

テクセンドフォトマスクへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、テクセンドフォトマスクは「事業の中身は極めて明快だが、会社としてのデータが少ない」という特殊な状態にあります。フォトマスク外販市場で世界シェア約39%、営業利益率約21%、海外比率9割超という事業のプロフィールは、BtoBニッチトップとして十分に魅力的です。平均年間給与約807万円という水準も、国内メーカーとしては高い部類に入ります。

一方で、判断材料としては情報が足りません。上場後の有価証券報告書は第5期の1期分のみ、中期経営計画に定量目標はなく、口コミは実質1〜2件。通常なら5年分の推移を並べて評価するところが、2期比較しかできない状態です。総合すると、「事業の魅力で選ぶなら合理的だが、会社としての実績を確認してから決めたい人には時期尚早」と考えられます。

とくに、増収でありながら営業利益が▲2.4%、直近四半期も▲12.7%と減益が続いている点は、面接で必ず会社側の説明を聞くべきポイントです。中国での価格競争が主因とされていますが、それが一巡するのか継続するのかで、数年後の処遇・投資余力は変わります。「シェア39%のトップ企業だから安心」という理解で止めず、利益率が下がっている理由まで確認したうえで判断することをおすすめします。

テクセンドフォトマスクに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問に、公式情報をもとに簡潔に回答します。

テクセンドフォトマスクは何の会社ですか?

半導体の回路パターンをウエハに転写するための原版「フォトマスク」の製造・販売に特化した専業メーカーです。東証33業種の分類では「その他製品」ですが、実態は半導体製造用部材メーカーです。半導体メーカーやファウンドリ向けにフォトマスクを外部販売する「外販市場」(市場規模約3,000億円)で、世界シェア約39%のトップに立っています。

テクセンドフォトマスクの親会社はTOPPANですか?

2025年10月16日の上場をもって、TOPPANホールディングスの連結子会社から持分法適用関連会社へ異動しました。ただしTOPPANホールディングスは現在も46.55%を保有する筆頭株主であり、完全に独立した会社ではありません。親会社の方針や取引関係の影響を受ける余地は残ります。

テクセンドフォトマスクの年収はどのくらいですか?

有価証券報告書によると、第5期(2026年3月期・提出会社単体)の平均年間給与は約807万円、平均年齢は43.5歳です。ただしこれは国内の単体499名の平均であり、連結1,944名の7割超を占める海外拠点の従業員は含まれていません。新卒初任給は2026年4月入社で学部卒27万8,000円、修士了30万円、博士了32万円です。

勤務地はどこですか?朝霞・滋賀以外に国内拠点はありますか?

本社は東京都港区の汐留シティセンター33階です。国内の生産拠点は朝霞サイト(埼玉県新座市野火止)と滋賀サイト(滋賀県東近江市妙法寺町)の2拠点のみで、それ以外の製造拠点はすべて海外(中国・台湾・韓国・シンガポール・米国・ドイツ・フランス)にあります。技術・製造系での応募を検討している場合は、この2拠点のどちらになるかを最初に確認することをおすすめします。

口コミがほとんどないのはなぜですか?

OpenWorkの回答者は1名、エン ライトハウスの口コミ投稿は0件です。理由として推定されるのは、①国内在籍者が単体499名と母数が小さいこと、②2024年11月の社名変更で旧社名トッパンフォトマスク時代の口コミと分断されたこと、③2025年10月の上場まで一般認知が低かったこと、の3点です。口コミが少ないこと自体が問題を示す証拠ではありませんが、その分は面接や労働条件通知書で確認する必要があります。

平均勤続年数3.3年は離職率が高いということですか?

そうとは限りません。同社は2021年12月設立・2022年4月営業開始の分社会社で、TOPPANから転籍した社員の勤続年数が制度上リセットされています。営業開始から第5期末までが約4年ですから、勤続年数が4年を超える社員は原則として存在しません。なお離職率そのものは有価証券報告書では開示されていません。

テクセンドフォトマスクの将来性はどう見ればよいですか?

外販市場での世界シェア約39%、EUVマスクの開発・量産体制構築、シンガポールへの約2億ドル投資による新工場(2025年10月起工)など、成長投資の方向は明確です。一方で第5期は増収営業減益(営業利益▲2.4%)、2027年3月期第1四半期も営業利益▲12.7%と減益が続いており、中国市場での価格競争が利益率を圧迫しています。市場ポジションの強さと、直近の収益性低下の両方を見て判断すべき局面と考えられます。

テクセンドフォトマスクへの転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして面接での確認を含めて行ってください。

判断軸評価
年収水準有報の平均年間給与は約807万円(単体499名・第5期)。国内メーカーとしては高めの部類。ただし基本給と賞与の構成は要確認
勤務地国内は汐留本社と朝霞・滋賀の2生産拠点のみ。転勤・海外赴任の許容度が判断を左右する
事業の強さフォトマスク外販市場で世界シェア約39%、営業利益率約21%。BtoBニッチトップとして明確
直近の業績第5期は増収営業減益(収益+9.8%/営業利益▲2.4%)。2027年3月期第1四半期も営業利益▲12.7%。赤字ではない
リスク中国が最大市場(約27%)で価格競争の主因。米中規制の影響、Ⅰの部に記載された中国賃借物件の法令・行政手続き上のリスク
資本関係TOPPANホールディングスが46.55%の筆頭株主で持分法適用関連会社。完全独立ではない
働き方の情報年間休日125日、有給取得率56.6%(2024年8月時点)。口コミは実質1〜2件で判断材料が乏しい
情報の制約上場後の有報は第5期の1期分のみ。中期経営計画に定量目標なし。推移で評価しにくい

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は、第5期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」の記載に基づきます。本記事の年収数値は、EDINET提出XBRLを転載しているirbankの表示を経由して確認したもので、EDINET原本PDFの直接確認までは行っていないため「約807万円」と概数で表記しています。売上・利益はIFRSベース(「収益」「営業利益」「親会社の所有者に帰属する当期利益」)です。

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに本記事の対象企業は2025年10月上場で開示実績が1期分に限られるため、確認できた範囲と確認できていない範囲を本文中で明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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