芙蓉総合リースの年収978万円と純利益半減の正体|転職難易度と中途採用21名
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 年収:有報の平均年間給与は978万8千円、口コミ投稿値は701万円
- 減益の正体:スペイン再エネ債権282億円の計上で純利益▲52.4%
- 働き方:有給取得率92.3%・平均勤続13.8年と定着型の水準
- 難易度:キャリア採用実績は2025年度で21名という狭き門
芙蓉総合リース(8424・東証プライム市場)を転職先として調べると、まったく方向の違う2つの情報にぶつかります。ひとつは「平均年収978万円」「有給取得率92.3%」という、リース業界というより準・銀行系に近い好条件。もうひとつは「2026年3月期に純利益が半減した」という業績ニュースです。この記事では、第57期(2026年3月期)有価証券報告書の実額を一次情報として、高年収の中身と、大幅減益で実際に何が起きたのかを分解します。読み終えたとき、「この会社の年収は自分に当てはまるのか」「減益は一過性なのか構造的なものなのか」を自分の言葉で判断できる状態になることがゴールです。
芙蓉総合リースの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず判断の土台となる数字を一覧にします。以下はすべて公式情報で、第57期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)有価証券報告書および同社IR開示にもとづく実額です。給与・年齢・勤続・従業員数は「従業員の状況」の提出会社(単体)ベースであり、求人サイトや年収推定サービスの二次集計値ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 芙蓉総合リース株式会社(8424・東京証券取引所プライム市場) |
| 本社 | 東京都千代田区麹町五丁目1番地1(住友不動産麹町ガーデンタワー) |
| 設立 | 1969年5月1日(芙蓉グループ6社の共同出資、資本金1億円で発足) |
| 代表者 | 代表取締役社長 織田 寛明 |
| 平均年間給与 | 978万8千円(9,788千円/前事業年度比+4.5%) |
| 平均年齢 | 40.9歳 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 従業員数 | 提出会社876名/連結4,410名(臨時従業員はいずれも外数) |
| 売上高(営業収益) | 7,886億69百万円(前期比+16.3%) |
| 営業利益 | 405億42百万円(前期比▲37.4%) |
| 経常利益 | 382億49百万円(前期比▲44.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 215億65百万円(前期比▲52.4%) |
| 営業資産残高 | 3兆2,530億70百万円(前期比+5.9%) |
| 契約実行高 | 2兆2,011億49百万円(前期比+19.4%) |
| 総資産 | 3兆8,437億25百万円 |
| 資本金 | 105億3,200万円 |
| 有給休暇取得率 | 92.3%(提出会社/目標90.0%以上) |
| 男性育児休業取得率 | 121.4%(提出会社/過年度出産分を含むため100%超) |
| 女性管理職比率 | 33.0%(提出会社/2026年度目標35.0%) |
| キャリア採用実績 | 21名(2025年度) |
| 子会社・関連会社 | 子会社241社(国内201・海外40)、関連会社23社 |
| 出典 | 第57期(2026年3月期)有価証券報告書/公式IR資料 |
平均年収978万8千円と口コミ701万円|約280万円のギャップはどこから生まれるのか
結論から言うと、この280万円の差は「どちらかが間違っている」のではなく、数える対象が違うことから生まれています。有報の978万8千円は提出会社876名全員を平均した実額、口コミの701万円は投稿した50人の平均です。転職検討者にとって重要なのは、自分がどちらの母集団に近いかを見極めることです。
有価証券報告書の実額は978万8千円・前期比+4.5%
有価証券報告書によると、第57期(2026年3月期)の提出会社の平均年間給与は9,788千円(978万8千円)、平均年齢40.9歳、平均勤続年数13.8年です。この金額には賞与および基準外賃金が含まれます。前事業年度比は+4.5%で、逆算すると第56期(2025年3月期)はおよそ937万円だった計算になります。つまり大幅減益となった期に、平均給与はむしろ増えているという点が、この会社の年収を読むうえで最初に押さえるべき事実です(公式情報)。
年収を業績連動で大きく振らす設計ではないことは、給与制度からも読み取れます。有報の人的資本に関する記載では、資格給・職務給を基本に、能力・意欲・チャレンジ精神の評価を反映する仕組みとされ、賞与は全社業績に加えて組織目標・個人目標の達成度で配分されると説明されています。全社業績が賞与の一要素であることから、単年の減益が個人の年収に一定の影響を及ぼす可能性はありますが、基本給部分は資格・職務に紐づく構造といえます(構造の解釈は推定情報)。
OpenWork投稿値701万円との差を生む3つの構造要因
口コミ傾向として、OpenWorkに掲載されている投稿ベースの平均年収は701万円(回答50人、レンジ350万〜1,500万円)です。有報実額との差は約280万円。この差は、次の3点でかなり説明がつきます。
- 回答者の年齢構成:有報の平均年齢は40.9歳ですが、口コミ投稿は20代〜30代前半に偏りやすい傾向があります。平均勤続13.8年という会社で、勤続数年の層だけを集めれば平均は当然下がります。
- コース別人事の存在:有報は男女賃金差異の要因として「賃金が相対的に高い隔地間転勤ありのコースや管理職の女性比率が低いこと」を挙げています。つまり同社には総合職・業務職(一般職)のコース区分が残っており、どのコースで入社するかが年収に直結する構造です。全社平均978万8千円は、転勤ありコース・管理職層を含んだ数字です。
- 母集団が「提出会社876名」であること:連結従業員は4,410名ですが、有報の平均給与が対象にしているのは提出会社876名だけです。残る約8割はシャープファイナンス、芙蓉オートリース、BPO系子会社などグループ各社の従業員で、これらの給与水準は本体と同じとは限りません。口コミサイトには社名を広く捉えた投稿が混ざる可能性もあります。
レンジが350万〜1,500万円と幅広いことも、コース・職種・グループ会社出向の有無で実態が分かれることを示唆します(推定情報)。
転職時に必ず確認すべき年収の5項目
面接や内定時に確認しておくと、入社後のギャップを最も減らせるのは次の5点です。有報からは読み取れない領域なので、労働条件通知書と面談で潰しておく価値があります。
- 採用コース(転勤ありの総合職か、勤務地限定か)と、コース間の年収レンジ差
- 提示年収のうち固定給と賞与の比率、賞与の全社業績連動部分の重み
- 入社時に付与される資格等級と、そこから基幹職に上がるまでの標準年数
- グループ会社への出向・転籍の可能性と、その際の処遇の扱い
- 住宅関連手当・退職金制度など、額面に表れない部分(サジェストでも「家賃補助」「住宅手当」「退職金」が検索されている領域です)
特に4点目は重要です。子会社241社を抱える同社では、グループ会社での勤務がキャリアの一部になり得ます。有報の978万8千円は本体876名の数字であるため、出向・転籍先で本体水準がそのまま維持されるかは、個別に確認しないと分からないと考えておくのが安全です(推定情報)。
2026年3月期に何が起きたのか|スペイン再エネ案件282億円の中身を有報で読む
2025年10月に業績予想の下方修正が開示されて以来、この会社を調べる人が最も気にしているのが「なぜ利益が半分になったのか」です。結論は明確で、海外の再生可能エネルギー案件に絡む債権1件が原因です。景気悪化でも本業縮小でもなく、特定の与信案件に起因する損失であることが有報に明記されています。
減益の数字を並べる|営業▲37.4%・経常▲44.6%・純利益▲52.4%
有価証券報告書によると、第57期の連結業績は営業利益405億42百万円(前期比▲37.4%/前期は約648億円)、経常利益382億49百万円(同▲44.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益215億65百万円(同▲52.4%)でした。一方で売上高(営業収益)は7,886億69百万円と前期比+16.3%の増収です。増収でありながら利益が段階を追うごとに大きく削られている——この形が、今回の減益が売上不振型ではないことを端的に示しています(公式情報)。
282億7,800万円の内訳と会計処理
有報に記載された事実関係は次のとおりです。同社の取引先に対する債権について、取立不能または取立遅延のおそれが生じました。当該取引先は、欧州地域で同社のアライアンス先が主導する再生可能エネルギー事業の開発資金調達を目的に設立された会社で、同社はプロジェクト持株会社を通じて複数の再エネ案件に資金提供していました。このうちスペインにおける一部プロジェクトで、資金不足を理由に開発が遅延していることが判明します。回収可能性を検討した結果、債権の一部について回収の金額・時期に不確実性があると判断されました。
第三者への売却等で回収が見込まれる部分を除いた合計282億7,800万円について、同社は次のように処理しています。
| 処理区分 | 金額 | 損益への影響 |
|---|---|---|
| 当期発生の未収利息を不計上 | 11億76百万円 | 売上の取消(減収要因) |
| 売上原価に計上 | 247億66百万円 | 営業利益を直接圧迫 |
| 貸倒引当金繰入額 | 23億01百万円 | 営業利益を直接圧迫 |
| 貸倒損失 | 33百万円 | 営業利益を直接圧迫 |
注目すべきは、大部分が特別損失ではなく売上原価として営業段階で処理されている点です。だからこそ営業利益の段階からいきなり▲37.4%という数字が出ています。特別損失であれば営業利益は無傷でしたが、そうではありませんでした(公式情報)。
「ファイナンス」セグメント利益▲95.7%が意味すること
影響がどこに集中したかは、セグメント別に見ると一目で分かります。
| セグメント | 外部顧客への売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|
| リース及び割賦 | 6,770億05百万円(+16.0%) | 446億27百万円(+2.0%) |
| ファイナンス | 455億71百万円(+16.8%) | 10億86百万円(▲95.7%) |
| その他 | 660億93百万円(+18.6%) | 111億79百万円(▲2.2%) |
売上はどのセグメントも二桁増なのに、利益はファイナンスだけが▲95.7%の10億86百万円まで落ちています。主力の「リース及び割賦」は利益+2.0%で無傷でした。つまり今回の減益は、金銭の貸付・出資といった投融資型ビジネスに限定された事故であり、モノを貸す本業そのものの収益力が落ちたわけではない、というのが数字の読み方です。
ただし転職判断の観点では、逆の見方も必要です。同社は近年、単純なリースを超えて不動産・航空機・エネルギー環境といったアセットファイナンス領域に経営資源を集中投下してきました。その成長ドライバーである領域で与信事故が起きたということは、成長戦略そのものが内包するリスクが表面化したとも読めます。海外再エネのような案件は、案件組成の妙味が大きい代わりに、現地の資金調達環境や規制に左右されます。この点は「一過性だから気にしなくてよい」と断じるのではなく、面接で会社側の説明を聞くべき論点として持っておくのが妥当です(評価は推定情報)。
減益の裏側で本業は伸びている|売上7,886億円・契約実行高2兆2,011億円の読み方
減益のニュースだけを見ると事業が縮んでいるように見えますが、事業規模を示す指標はむしろ全方向で伸びています。転職先として評価するなら、単年の利益より営業資産がどれだけ積み上がっているかを見るほうが実態に近づきます。
5期の売上推移が示す「踊り場からの再加速」
有価証券報告書によると、連結売上高(営業収益)の推移は次のとおりです。
| 期 | 決算期 | 売上高(営業収益) |
|---|---|---|
| 第53期 | 2022年3月期 | 6,578億47百万円 |
| 第54期 | 2023年3月期 | 6,886億55百万円 |
| 第55期 | 2024年3月期 | 7,085億38百万円 |
| 第56期 | 2025年3月期 | 6,783億95百万円 |
| 第57期 | 2026年3月期 | 7,886億69百万円 |
第56期にいったん減収に転じたあと、第57期で一気に1,100億円積み増して過去最高水準を更新しています。5期間の伸びは約19.9%。総合リースは物件を仕入れて貸す商売なので、売上そのものより、そこに至る契約実行高2兆2,011億49百万円(前期比+19.4%)と営業資産残高3兆2,530億70百万円(同+5.9%)が実力を示します。新規契約が2割近く伸び、貸している資産の総量も増えている状態です(公式情報)。
7つの重点ドメインとM&Aの速度
同社が経営資源を集中投下している重点ドメインは、不動産、航空機、エネルギー環境、BPO/ICT(データセンター関連を含む)、ヘルスケア(診療報酬・介護報酬債権ファクタリング等)、モビリティ/ロジスティクス、サーキュラーエコノミーの7領域です。この顔ぶれは「コピー機や工作機械を貸す会社」というリース業のイメージとはかなり違います。
そして特徴的なのがM&Aの速度です。シャープファイナンス(65%)、アクリーティブ(73.68%)、ヤマトリース(60%)、ワコーパレット(51%・2025年3月)、CBホールディングス(100%・2025年1月)、Southwest Rail Industries(50%・2025年9月)などを傘下に収め、子会社は241社(国内201・海外40)、関連会社23社に達しています。さらに三井住友信託銀行・横浜フィナンシャルグループとの基本合意にもとづき、三井住友トラスト・パナソニックファイナンスの共同事業化も推進中です。
転職者にとっての含意は明快です。入社後にグループ会社への出向やPMI(買収後統合)業務に関わる可能性が高いということ。事業投資・アライアンス・グループ経営に興味がある人には材料が豊富な一方、腰を据えて一つの商品を売り込みたい人にはやや落ち着かない環境になり得ます(推定情報)。
芙蓉総合リースの将来性|V字回復予想と、2027年からのリース会計基準変更
将来性を評価する軸は2つあります。ひとつは減益から戻るのかという短期の話、もうひとつはリース業界そのものの前提が2027年に変わるという中期の話です。後者のほうが、転職後に求められるスキルには直接効いてきます。
2027年3月期は純利益480億円予想|1Q実績も出ている
2027年3月期(第58期)の会社予想は、営業利益700億円・経常利益750億円・親会社株主に帰属する当期純利益480億円です。第57期実績(営業405億42百万円・純利益215億65百万円)からのV字回復を見込む数字で、減益前の水準を上回る計画になります。実績面でも、2027年3月期第1四半期は売上高2,012億円・営業利益197億円・純利益140億円と、通期計画に対して順調な立ち上がりを示しています(公式情報)。
ただし会社予想は達成が保証されたものではありません。今回の損失が海外アライアンス先主導の再エネ案件で発生した以上、海外与信の管理体制が実際にどう見直されるかは継続的な論点です。数字だけを見て「もう終わった問題」と断定するのではなく、面接で「与信プロセスをどう変えたか」を聞ける状態で臨むことをおすすめします。
2027年4月からのリース会計基準変更が、営業の提案内容を変える
業界全体に効く構造変化がひとつあります。企業会計基準委員会(ASBJ)が2024年9月に公表した企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」により、借手はオペレーティング・リースについても原則としてオンバランス処理することになり、2027年4月1日以後開始する事業年度から強制適用されます(早期適用も可)。
これが意味するのは、リース会社が長く提案の柱にしてきた「オフバランス効果」というセールストークが使えなくなるということです。借手企業から見れば、リースを使っても資産・負債が貸借対照表に載るため、単純な財務指標上のメリットは薄れます。結果として業界各社は、モノ+サービスの提供や、資産の売却・再販・リユースを組み込んだ提案へ軸足を移しつつあります。
芙蓉総合リースが掲げるサーキュラーエコノミー、BPO/ICT、ヘルスケア(債権ファクタリング)といった重点ドメインは、まさにこの流れに沿った布陣です。転職者への含意としては、「リース商品を売る営業」ではなく「顧客の資産・業務の課題を設計する営業」が求められる方向に、入社後の仕事が動いていくと考えるのが自然です(推定情報)。金融知識だけでなく、顧客業界のオペレーションを理解して提案できる人にとっては追い風の変化といえます。
中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」は最終年度
中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」は2022〜2026年度の計画で、2026年度が最終年度です。つまり次期中計を策定するタイミングで入社することになります。有報には「次期中期経営計画に向けた戦略的な人材捻出のため、業務の見直しやAI等のツールの積極活用」と明記されており、生産性向上と業務削減の局面に入っていることが読み取れます。定型業務の削減で生まれた人員を成長領域に振り向ける方針と解釈でき、中途入社者が成長領域に配置される可能性を高める材料にはなりますが、同時に既存業務の進め方が短期間で変わる環境でもあります(推定情報)。
働き方と社風|有給92.3%・残業23.3時間と、「士気2.6・評価2.5」の二極化
この会社の評判を読むときのコツは、労働条件と組織の熱量を分けて見ることです。数字を並べると、この2つがはっきり逆方向を向いています。
ホワイト指標は準・銀行系の水準
有価証券報告書によると、提出会社の有給休暇取得率は92.3%(目標90.0%以上)、プラスフライデー(+Friday)取得率92.2%、男性労働者の育児休業取得率121.4%(過年度出産分を含むため100%超)、35歳以上の人間ドック受診率100%、障がい者雇用率2.82%(法定2.5%)です。人材育成関連費用は2021年度対比310%(2026年度目標300%)と、教育投資を定量KPIで開示しています。女性管理職比率33.0%、新卒採用女性比率44.4%は、総合リース業界の中では高い部類です(公式情報)。
労働時間については、口コミ傾向としてOpenWorkの集計で月平均残業23.3時間、有給消化率82.6%という数値が出ています。有給については有報開示の92.3%と口コミ集計の82.6%に開きがあるため、両方を並べて把握するのが正確です。いずれにせよ、月20時間台の残業と8〜9割の有給消化は、金融・リース業界の中でも働きやすい部類に入る水準です。平均勤続年数13.8年・平均年齢40.9歳という数字も、入社後に長く在籍する人が多い組織であることを示しています。
口コミが割れるのは「評価と成長実感」
一方、口コミ傾向としてOpenWorkの総合評価は3.32(口コミ285件、年収投稿53件、回答者66人、全体の上位7%と表示)で、項目別の内訳が明確に二極化しています。
| 評価が高い項目 | スコア | 評価が低い項目 | スコア |
|---|---|---|---|
| 法令順守意識 | 4.7 | 社員の士気 | 2.6 |
| 待遇面の満足度 | 4.3 | 人事評価の適正感 | 2.5 |
定性コメントには「銀行系の硬い企業文化」という評が挙がっており、意思決定の速度や年功的な評価運用に不満が集まる構図が見えます。女性社員からの評価は3.5以上と相対的に高めです。総括すると「給与・福利厚生・コンプライアンスは大手金融水準で満足度が高いが、意思決定の遅さ・年功的な人事評価・成長実感の乏しさに不満が集まる」という、旧財閥系リース会社に典型的なパターンといえます。口コミ285件は提出会社876名・連結4,410名という規模に対して十分な母数があり、傾向として参照する価値はあります。
なお、グループ従業員エンゲージメント指標は3.51(5段階、国内主要17社平均、3.5以上が「高い」水準)と有報で開示されています。会社側の調査と社外口コミサイトのスコアが必ずしも一致しないこと自体が、この会社の評価の難しさを表しているといえます。なお、エン ライトハウス(エン カイシャの評判)・転職会議については、本記事の調査時点で掲載状況を特定していません。

働きやすいのに士気が低いって、結局どういう職場なんでしょうか?
数字から素直に読むなら、「働く条件は整っているが、自分でテーマを作らないと物足りなくなる職場」という像になります。労働時間と待遇に不満がない代わりに、評価が実力より年次に寄りやすく、若手が突き抜けにくい。裏を返せば、腰を据えて専門性を積みたい人・生活の安定を優先したい人にとっては、これ以上ないほど条件の揃った環境です(推定情報)。
芙蓉総合リースの転職難易度|キャリア採用実績は2025年度で21名
難易度を測る最も直接的な材料は、実際に何人採ったかです。有報の人的資本データによると、2025年度のキャリア採用(中途採用)実績は21名。提出会社876名という規模に対して、年間の中途入社は2%強にとどまる計算です。東証プライム上場・平均年収978万8千円という条件を考えれば、応募が集まりやすい一方で枠が極端に少ないという、典型的な高倍率構造にあると考えられます(推定情報)。
21名という数字をどう解釈するか
この21名という数字は、単に「狭い」だけでなく採用の性格も示しています。
- 大量採用ではなく欠員・強化ポジション補充型:年21名では職種を広く募集し続けることは難しく、重点ドメイン(不動産・航空機・エネルギー環境・BPO/ICT・ヘルスケアなど)や管理部門の特定ポジションに絞った募集になりやすいと考えられます。
- タイミングの影響が大きい:枠が少ないほど、求人が出た時点で動ける人が有利になります。恒常的に募集がある企業とは応募戦略が変わります。
- 平均勤続13.8年との整合:定着率が高い=欠員が出にくいため、そもそも中途枠が生まれにくい構造です。
採用区分としては、新卒/キャリア/アルムナイ/ハンディキャップの4本立てで、アルムナイ(退職者の再入社)採用枠を公式に設けている点は特徴的です。一度離れた人が戻る前提の制度があること自体、離職を敵視しない文化の表れとも読めます。
新卒・若手の関心も高い「名門枠」
新卒側の検索需要も厚く、サジェストには「就職難易度」「採用大学」「採用人数」「初任給」「インターン」「SPIボーダー」「就職偏差値」といった語が並びます。芙蓉グループ発祥・みずほ系の資本関係を持つ独立系総合リースという位置づけは、就活市場では安定志向の上位層が狙う枠にあたります。新卒採用女性比率44.4%(2026年度目標40.0%)を達成している点も、女性就活生の関心を集める材料です。なお、初任給や採用人数、選考フローの詳細は有価証券報告書では開示されていないため、公式採用サイトおよび就職情報サイトの最新募集要項で確認してください。
同業他社との比較|みずほリース・三菱HCキャピタル・東京センチュリー・オリックス
総合リース各社は「どこも同じ」に見えますが、資本の系列と事業の重心が違うため、転職後のキャリアも変わります。以下は比較の視点を整理したもので、芙蓉総合リースとみずほリースの平均年間給与は両社の第57期有価証券報告書の実額、それ以外の企業の給与数値は本記事で一次情報を取得していないため記載していません(各社の最新有報でご確認ください)。
| 企業名 | 資本の系列 | 事業の重心 | 平均年間給与(有報) | 転職検討時の比較ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 芙蓉総合リース(8424) | 独立系。芙蓉グループ各社が安定株主で筆頭はヒューリック13.94%、親会社なし | 不動産・航空機・エネルギー環境・BPO/ICT・ヘルスケア・サーキュラーエコノミー | 978万8千円(第57期・提出会社876名) | 年収と有給92.3%は高水準。海外再エネ与信の管理体制が当面の論点 |
| みずほリース(8425) | みずほフィナンシャルグループ23.62%と丸紅20.02%の二大株主体制。親会社なし | 不動産・船舶・航空機・環境エネルギー | 971万8,677円(第57期・提出会社838名) | 年収はほぼ同水準。証券コードが隣接し混同されやすいが完全な別会社 |
| 三菱HCキャピタル(8593) | 三菱系 | 業界最大手級。海外・航空機・ロジスティクスの比重が大きい | 本記事では一次情報を取得していないため記載なし | グローバル案件と規模を優先するなら比較対象になる |
| 東京センチュリー(8439) | 伊藤忠系 | 航空機・IT・オートで事業ポートフォリオが近い | 本記事では一次情報を取得していないため記載なし | 事業構成が最も似ており、志望動機の差別化が難しくなりやすい |
| オリックス(8591) | 独立系の多角化金融 | リース発祥だが不動産・事業投資・保険など多角化 | 本記事では一次情報を取得していないため記載なし | リースの枠を超えた金融総合職としての幅を求める場合の比較先 |
特に混同されやすいのがみずほリース(8425)との違いです。芙蓉総合リースは旧富士銀行を含む芙蓉グループ6社の共同出資で1969年に設立された会社、みずほリースは旧日本興業銀行系の旧・興銀リースが源流です。どちらも現在のみずほフィナンシャルグループのルーツ銀行に連なりますが、資本的には別会社で、みずほFGはみずほリースに23.62%を出資する一方、芙蓉総合リースの株主としてはみずほ銀行3.00%にとどまります。芙蓉総合リースには支配的な親会社が存在しないという点は、意思決定の独立性という意味で転職判断の材料になります(公式情報)。
芙蓉総合リースへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収と働きやすさは高水準である一方、評価スピードと組織の熱量に不満が集まりやすいという二面性が、そのまま適性の分かれ目になります。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 安定した高年収と働きやすさを両立させたい人。有給92.3%・残業23.3時間・平均勤続13.8年という環境を評価できる | 短期間で年収を大きく伸ばしたい人。年功的な評価運用への不満が口コミで挙がっており、成果が即座に処遇へ反映される設計とは限らない |
| 不動産・航空機・エネルギー環境・ヘルスケアなど、アセットファイナンスの案件組成に関心がある人 | 単一商品の深掘り営業をしたい人。重点ドメインが7領域に広がりM&Aも活発なため、担当領域が変わる可能性がある |
| グループ会社への出向・PMI・事業投資といった、会社をまたぐ仕事に前向きな人 | 本社の一部門で腰を据えたい人。子会社241社を抱える構造上、グループ内異動の可能性を織り込む必要がある |
| コンプライアンスと手続きの厳格さを安心材料と捉える人(法令順守意識4.7) | 意思決定のスピードを最優先する人。「銀行系の硬い企業文化」という口コミ評が挙がっている |
| 2027年のリース会計基準変更を、提案スタイルを変えるチャンスと捉えられる人 | 従来型のリース商品知識だけで戦いたい人。オフバランス効果を軸にした提案の前提が変わる |
芙蓉総合リースに関するよくある質問(FAQ)
転職・就職を検討する人からよく検索されている疑問に、公式情報をもとに回答します。
芙蓉総合リースの本社はどこにありますか?移転しましたか?
本社は東京都千代田区麹町五丁目1番地1、住友不動産麹町ガーデンタワーです。2020年6月に神田三崎町から現在地へ移転しました(公式情報)。最寄りは麹町エリアで、以前の水道橋・神田三崎町時代の住所が検索結果に残っている場合があるため、応募書類の送付先などは公式サイトの会社概要で最新の記載を確認してください。
芙蓉総合リースの親会社はどこですか?みずほ系なのでしょうか?
有価証券報告書によると、親会社は存在しません(独立系)。ただし1969年に丸紅飯田(現・丸紅)と富士銀行(現・みずほ銀行)を中心とする芙蓉グループ6社の共同出資で設立された経緯があり、株主には芙蓉グループ各社が並びます。2026年3月31日現在の大株主は、ヒューリック13.94%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)8.95%、明治安田生命8.45%、みずほ信託銀行 退職給付信託 丸紅口(再信託受託者:日本カストディ銀行)5.00%、日本カストディ銀行(信託口)3.51%、損害保険ジャパン3.00%、みずほ銀行3.00%、アズビル2.70%などで、上位10社の合計は51.31%です(公式情報)。「銀行系の人脈を持つが親会社に指図されない独立系」という位置づけになります。
平均年収978万8千円は誰の数字ですか?自分もその水準になりますか?
第57期有価証券報告書の「従業員の状況」に記載された、提出会社(単体)876名の平均年間給与です(賞与・基準外賃金を含む)。平均年齢40.9歳・平均勤続13.8年の集団の平均であるため、20代〜30代前半の水準はこれより低くなるのが一般的です。実際、口コミ傾向としてOpenWorkの投稿ベース平均は701万円(回答50人、レンジ350万〜1,500万円)です。転職時の提示額は採用コース・等級・職種で決まるため、労働条件通知書で必ず確認してください。
中途採用(キャリア採用)の人数はどのくらいですか?
有価証券報告書の人的資本データによると、2025年度のキャリア採用実績は21名です(公式情報)。提出会社876名という規模に対して年間2%強にあたる採用規模で、募集は重点ドメインや管理部門の特定ポジションに絞られる傾向があると考えられます(推定情報)。採用区分は新卒/キャリア/アルムナイ/ハンディキャップの4本立てで、退職者の再入社を受け入れるアルムナイ枠が公式に用意されています。
有価証券報告書や統合報告書はどこで読めますか?
有価証券報告書は金融庁のEDINET(EDINETコードE05438)で全文を閲覧できます。第57期は2026年6月19日提出です。統合報告書・決算短信・中期経営計画などのIR資料は、公式サイトのIRページに掲載されています。年収・平均年齢・勤続年数・従業員数は有報の「従業員の状況」に必ず記載があるため、年収推定サイトの数値ではなく一次情報を直接確認するのが最も確実です。
2026年3月期の大幅減益で、会社の先行きは大丈夫でしょうか?
事実として、減益はスペインの再生可能エネルギー案件に絡む債権282億7,800万円の計上が原因で、主力の「リース及び割賦」セグメント利益は+2.0%と伸びています。売上高は+16.3%の増収、契約実行高は+19.4%、営業資産残高は+5.9%で、事業規模は拡大中です。2027年3月期の会社予想は純利益480億円とV字回復を見込み、第1四半期実績も純利益140億円と立ち上がっています(公式情報)。一方で、海外与信の管理体制がどう見直されるかは今後の論点として残ります。人員削減に関する開示は確認範囲では見当たりませんが、有報には次期中期経営計画に向けて業務の見直しやAI等のツール活用を進める旨が記載されており、業務のあり方は変わっていく可能性があります(推定情報)。
転勤はありますか?コース制はどうなっていますか?
有価証券報告書は男女賃金差異の要因説明の中で「賃金が相対的に高い隔地間転勤ありのコース」に触れており、転勤の有無で区分されたコース別人事が存在することが読み取れます。ただし、具体的な転勤の頻度・エリア・コース転換のルールは有価証券報告書では開示されていません。年収レンジにも直結する要素のため、選考の早い段階で確認することをおすすめします。
芙蓉総合リースへの転職判断まとめ|編集部の見解
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。編集部の見解として、この会社は「条件で選ぶなら極めて強く、スピードで選ぶなら物足りない」という評価に落ち着きます。年収978万8千円・有給92.3%・平均勤続13.8年という条件は、総合リース業界でも上位の水準です。一方で人事評価の適正感2.5・社員の士気2.6という口コミスコアは、成果を早く処遇に反映させたい人にとっては無視できない材料でしょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 提出会社平均978万8千円(前期比+4.5%)。業界上位の水準だが、20代〜30代前半は口コミ投稿値701万円に近い可能性がある |
| 働きやすさ | 有給取得率92.3%、月平均残業23.3時間、男性育休121.4%。金融・リース業界の中でも整った部類 |
| 安定性 | 営業資産残高3兆2,530億円・総資産3兆8,437億円。2026年3月期は減益だが主力セグメントは増益で、事業規模は拡大中 |
| リスク要因 | 海外再エネ案件で282億円の債権処理が発生。海外与信の管理体制が継続的な論点 |
| 成長環境 | 人材育成費用は2021年度対比310%。一方で口コミでは成長実感の乏しさに不満が集まる |
| 転職難易度 | キャリア採用実績21名(2025年度)。枠が少なく、タイミングと専門性の合致が鍵 |
| キャリアの広がり | 子会社241社・重点7ドメイン。グループ会社出向やPMI、事業投資に関わる機会がある |
| おすすめできる人 | 高年収と働きやすさを両立し、アセットファイナンスで長く専門性を積みたい人 |
総合すると、「守りの条件が非常に強い会社で、攻めのテーマを自分で持ち込める人ほど満足度が高くなる」と考えられます。2026年度が中期経営計画の最終年度であり、2027年4月からはリース会計基準の強制適用も始まります。会社の前提が動くタイミングに入る以上、「安定した環境に乗る」だけでなく「変化局面で何を担うか」を語れることが、選考でも入社後でも効いてくるはずです。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
- 芙蓉総合リース株式会社 公式サイト
- 芙蓉総合リース株式会社 IRページ
- 芙蓉総合リース株式会社 採用情報
- EDINET(金融庁・有価証券報告書検索/EDINETコードE05438・第57期は2026年6月19日提出)
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第57期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
