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品川リフラの年収は689万円|純利益2.7倍の正体は土地の売却益

品川リフラの平均年収689万7,613円と営業利益2.5%増・純利益166.6%増を対比したアイキャッチ画像
コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

先に2つ、前提を確認します。

**1つめ。「品川リフラクトリーズ株式会社」は、2025年10月に「品川リフラ株式会社」へ社名が変わりました。**創業150周年を機とした変更です。旧社名で検索すると古い記事に当たります。

2つめ。ネット上で見かける「平均年収688万円」は1年古い数字です。最新の有価証券報告書(2026年3月期)に記載された平均年間給与は689万7,613円です。

そのうえで、この記事の本題に入ります。この会社の直近の決算は「純利益2.7倍」ですが、これを実力の伸びと読むと判断を誤ります。

結論|年収は横ばい。利益の急増は本業ではない

評価項目 判定 根拠(2026年3月期)
年収水準 ○ 平均年間給与6,897,613円
年収の伸び △ 前期比+0.2%。ほぼ横ばい
連結売上の伸び ◎ 1,777億38百万円(+23.4%)
本業の利益 △ 営業利益136億9百万円(+2.5%)
最終利益 ◎(要注意) 260億71百万円(+166.6%)。ただし土地の売却益372億37百万円を含む
定着 ◎ 提出会社の平均勤続年数17.3年
財務の安全性 ○ 自己資本比率46.1%

向いている人:長く勤める前提で、腰を据えて技術を積みたい人。海外案件に関わりたい人。
慎重に考えたい人:短期で年収を上げたい人。直近の給与改定は+0.2%です。

この記事の調査条件

使ったのは有価証券報告書の原本と、会社自身の適時開示だけです。 どちらも誰でも無料で確認できます。

  • 第192期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月22日提出/EDINET書類管理番号 S100YFV6)……主要な経営指標等の推移(第188期以降の5期)、沿革、従業員の状況等、連結損益計算書、注記
  • 固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ(2026年3月5日開示)
  • 確認日:2026年9月5日
  • 口コミサイトの推定年収は根拠に使っていません

判定の手順は勤続年数と従業員数の動きをセットで読むにまとめています。

品川リフラの平均年収689万7,613円と営業利益2.5%増・純利益166.6%増を対比したアイキャッチ画像

平均年間給与は689万7,613円

有価証券報告書の「従業員の状況等」にある、提出会社(品川リフラ単体)のデータです。

項目 2026年3月31日現在
従業員数 1,301名
平均年齢 44.7歳
平均勤続年数 17.3年
平均年間給与 6,897,613円
平均年間給与の対前事業年度増減率 +0.2%

平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。

**注目は+0.2%です。**連結売上が23.4%増えた期に、給与はほぼ動いていません。理由は次の章でわかります。

なお、提出会社の従業員1,301名の内訳は、耐火物852名・先端機材78名・エンジニアリング268名・全社共通103名です。断熱材セグメントは0名で、これは断熱材事業がイソライト工業株式会社などの子会社で行われているためです。

純利益2.7倍の中身を分解する

2026年3月期の連結業績です。

項目 2026年3月期 前期比
売上高 1,777億38百万円 +23.4%
EBITDA 221億34百万円 +23.3%
営業利益 136億9百万円 +2.5%
経常利益 159億86百万円 +17.1%(為替差益の影響)
親会社株主に帰属する当期純利益 260億71百万円 +166.6%

**売上+23.4%に対して営業利益+2.5%。**そして最終利益だけが+166.6%です。この差はどこから来たのか。連結損益計算書の特別損益を見ると答えが出ます。

項目 前期 当期
特別利益合計 18億36百万円 375億87百万円
うち固定資産売却益 7億69百万円 372億45百万円(うち土地372億37百万円)
特別損失合計 6億51百万円 102億5百万円
うち減損損失 2億20百万円 97億16百万円

**純利益260億71百万円のうち、本業で稼いだものではない土地の売却益が372億37百万円あります。**同時に減損損失97億16百万円(会社の説明では赤穂工場および海外子会社2社)も計上しています。

会社自身も配当政策の項で、この状況を認めています。有報にはこう書かれています。

近年は積極的なM&Aの実施に伴いのれんの償却額が増加し、キャッシュ創出能力を示すEBITDAと営業利益の乖離が拡大しているほか、成長資金の確保を目的とした資産売却等により当期利益が大きく変動するなど、配当金の決定にあたり会計上の利益に基づく配当性向を基準とすることが必ずしも適切とは言えない状況となっています。

そのため2027年3月期からは配当性向を基準とする方針をやめ、連結株主資本配当率へ変更すると明記されています。会社自身が「当期利益は判断材料として不安定だ」と言っているわけです。

給与が+0.2%だった理由

ここまで見れば、平均年間給与の伸びが+0.2%だったことは自然に読めます。**本業の利益は+2.5%しか伸びていないからです。**土地を売って得た372億円は、有報によれば有利子負債の返済と成長投資に充てられます。給与原資として扱われていません。

「最終利益が2.7倍だから昇給が期待できる」とは読めないということです。

従業員数が2.4倍|ただし日本の採用ではない

もう1つ、大きく動いた数字があります。連結従業員数です。

決算期 連結従業員数 提出会社の従業員数
2022年3月期 2,817名 1,159名
2023年3月期 3,340名 1,221名
2024年3月期 3,373名 1,201名
2025年3月期 3,732名 1,224名
2026年3月期 9,089名 1,301名

**連結が1年で5,357名増えています。2.4倍です。**一方、提出会社は1,224名から1,301名へ77名の増加にとどまります。

有報の注記に理由が書かれています。**2025年5月30日にブラジルのReframax Engenharia S.A.を連結子会社化したためです。**さらに注記はこう続きます。

国内エンジニアリング事業においては、工事現場作業の大部分を外部の請負会社に委託しておりますが、同社(Reframax Engenharia S.A.)では、工事および補修作業を含む業務全般を自社で直接行っております。また、同社においては、プロジェクト単位で人員を有期雇用する形態であることから、従業員数は期間ごとに変動いたします。

つまり増えた5,357名の多くは、ブラジルでプロジェクト単位に有期雇用される現場作業者です。日本での採用が2.4倍になったわけではありません。

連結従業員9,089名のうち、エンジニアリングセグメントが5,950名を占めます。前期の連結全体(3,732名)より多い数字です。

求人サイトで「従業員数9,000名超」と書かれていたら、この内訳を思い出してください。

5期の推移で見る会社の形

提出会社(単体)の5期推移です。

決算期 売上高 経常利益 従業員数 自己資本比率
2022年3月期 761億20百万円 60億76百万円 1,159名 53.1%
2023年3月期 842億40百万円 73億31百万円 1,221名 51.2%
2024年3月期 878億83百万円 84億22百万円 1,201名 56.8%
2025年3月期 854億10百万円 86億66百万円 1,224名 49.0%
2026年3月期 869億57百万円 101億48百万円 1,301名 59.0%

**単体の売上は5期で14.2%増と、緩やかです。**連結が110,784百万円から177,738百万円へ60.4%伸びているのとは対照的で、成長のほとんどはM&Aによる子会社の取り込みで起きています。

有報の沿革を見ると、直近4年だけでもこれだけの動きがあります。

  • 2022年3月 イソライト工業を完全子会社化
  • 2022年12月 ブラジルのSR do Brasil Ltda.を子会社化
  • 2024年3月 コムイノベーションを子会社化
  • 2024年10月 オランダのGouda Refractories Group B.V.を完全子会社化
  • 2025年5月 ブラジルのReframax Engenharia S.A.の株式60%を取得
  • 2025年9月 イタリアのDanieli社と共同出資で子会社を設立
  • 2026年3月 米国のDynamix Casting Fluxes, LLCの持分51%を取得

買収でグループを広げる会社です。転職先として見るなら、この方針をどう捉えるかが分かれ目になります。

転職先として見たときの判断材料

定着はよい

提出会社の平均勤続年数は17.3年、平均年齢44.7歳です。労働組合(品川リフラ労働組合・UAゼンセン所属)の組合員数は917名で、従業員1,301名の70.5%にあたります。

判定表が置いている3つのパターンの判定表でいえば、**年収→(横ばい)・勤続年数↑・従業員数↑**にあたります。急拡大でも縮小でもなく、安定型です。

給与の伸びは期待しすぎない

直近の改定は+0.2%です。会社は有報で「給与改定は当社ならびにグループ各社の状況や消費者物価指数、競合他社の動向を踏まえて設定」と書いています。業績連動を強く打ち出してはいません。

会社が掲げている人材目標

有報の「人材戦略に関する基本方針等」に、数値目標が3つ書かれています。

  • 2030年までに女性管理職比率25%以上
  • 2030年までに外国籍社員数を2020年度比3倍以上
  • 教育研修時間を1人当たり年間20時間以上

海外子会社が急速に増えている実態と、外国籍社員3倍という目標は整合しています。

よくある質問

品川リフラの初任給はいくらですか

**有価証券報告書に初任給の記載はありません。**当サイトでは推定値を掲載していないため、初任給は会社の採用ページでご確認ください。有報からわかるのは、全従業員の平均年間給与が6,897,613円だということだけです。

品川リフラクトリーズと品川リフラは別の会社ですか

同じ会社です。**2025年10月、創業150周年を機に品川リフラクトリーズ株式会社から品川リフラ株式会社へ商号を変更しました。**証券コードは5351のままです。なお1875年の創業から数えて150年で、品川リフラクトリーズという社名になったのは2009年10月(JFE炉材株式会社との合併時)です。

残業時間や離職率はわかりますか

**有価証券報告書に残業時間・離職率の開示はありません。**当サイトでは推定値を掲載していません。わかるのは平均勤続年数が17.3年であることだけです。

業績は良いのですか悪いのですか

**本業は堅調、ただし急成長ではありません。**売上は連結で+23.4%ですが、これはブラジル子会社の取り込みが大きく、営業利益の伸びは+2.5%です。最終利益の+166.6%は土地の売却益によるもので、来期は同じようには出ません。ただし2027年3月期第1四半期には、オーストラリアのクイナナ工場の土地収用に伴う固定資産売却益約37億12百万円を計上する予定と有報に記載されています。

まとめ

  • 社名は2025年10月に品川リフラクトリーズ株式会社から品川リフラ株式会社へ変更。証券コードは5351のまま
  • 平均年間給与は6,897,613円(2026年3月期)。**前期比+0.2%**でほぼ横ばい。ネット上の「688万円」は1年古い
  • 平均年齢44.7歳・平均勤続年数17.3年。定着はよい
  • 連結売上は+23.4%だが、営業利益は+2.5%。純利益+166.6%の中身は土地の売却益372億37百万円
  • 同時に減損損失97億16百万円(赤穂工場および海外子会社2社)を計上している
  • 会社自身が「当期利益が大きく変動する」ため、2027年3月期から配当性向基準をやめると有報に明記
  • 連結従業員数は3,732名→9,089名。増加分の大半はブラジル子会社のプロジェクト単位の有期雇用であり、日本の採用ではない
  • 提出会社の従業員は1,224名→1,301名(+77名)
  • 直近4年で7件の買収・出資。M&Aでグループを広げる会社

**この会社を「利益が2.7倍に伸びた成長企業」として見ると、入社後に期待とずれます。**本業は+2.5%、給与は+0.2%です。逆に、17.3年の平均勤続が示す安定と、海外展開の広がりに魅力を感じるなら、条件は合っています。

※本記事の数値は2026年9月5日時点で公開されている有価証券報告書および適時開示に基づきます。最新の情報は必ず公式のIR資料でご確認ください。

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参考・出典

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コロ助
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企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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