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メディアスホールディングスの評判と年収648万円|働くのは連結2,614名の子会社側

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 応募先は本体ではない:連結2,614名に対し持株会社は93名(第16期有報)
  • 公開年収648万円の対象:本体93名のみ。事業会社の給与は有報に開示なし
  • 売上3,023億円でも薄利:2026年6月期は営業利益率0.59%の増収減益
  • 口コミは子会社側にある:本体3件に対し栗原323件・協和244件(OpenWork)

メディアスホールディングス株式会社(証券コード3154・東証プライム)は、医療機器卸(医療機器ディーラー)の純粋持株会社です。検索実測を見ると「メディアスホールディングス」「同 株価」といった投資家向けの検索が大半を占めますが、この記事は株価や投資判断ではなく、転職・就職判断のために書いています。そして転職検討者にとって最初に押さえるべき事実は、応募して働く場所は持株会社本体ではなく、㈱栗原医療器械店・協和医科器械㈱といった事業会社(連結子会社)であるという点です。実際、検索キーワードにも「栗原医療器械店 メディアスホールディングス」という組み合わせが出ており、求職者が事業会社名で調べていることが読み取れます。本記事では、有価証券報告書の実額を一次情報として整理したうえで、公開されている平均年収648万円が「誰の数字か」を切り分け、口コミが実際にどこに蓄積しているのかまで含めて、判断材料をまとめます。

メディアスホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、本記事で扱う数値の出どころを一覧にします。公式情報として断言できるのはここに挙げた実額のみです。重要なのは、給与・従業員データが第16期(2024年7月1日〜2025年6月30日=2025年6月期)有価証券報告書のもので、業績だけが第17期(2026年6月期)決算短信である点です。同社は6月決算のため、3月決算の同業他社と単純比較すると年度がずれます。

項目内容
商号メディアスホールディングス株式会社(MEDIUS HOLDINGS Co.,Ltd.)
証券コード/市場3154/東証プライム市場(2022年4月にプライムへ移行)
本社所在地東京都千代田区有楽町一丁目2番2号(東宝日比谷ビル)
設立・創業持株会社設立2009年7月1日(単独株式移転)/創業は1952年「池谷医療器械店」(静岡県清水市)
代表者代表取締役社長 芥川浩之(2026年8月1日就任)
資本金1,380,877千円(約13.8億円・2025年6月30日現在)
平均年間給与6,484,922円(約648万円)※提出会社(持株会社単体・93名)の実額。賞与・基準外賃金を含む/第16期・2025年6月期
平均年齢40.0歳(提出会社・2025年6月30日現在)
平均勤続年数5.0年(提出会社・2025年6月30日現在)
従業員数連結2,614名〔臨時従業員の年間平均雇用人員936名〕/提出会社93名〔臨時5名〕(2025年6月30日現在)
事業会社の平均年間給与有価証券報告書では開示されていない(有報中の「平均年間給与」の記載は提出会社の1か所のみ)
売上高約3,023億円(連結・2026年6月期/前期比+4.7%・6期連続増収)
営業利益約17.8億円(連結・2026年6月期/前期比▲5.1%)
経常利益/当期純利益23億640万円(▲4.8%)/約9億4,400万円(▲31.4%)(連結・2026年6月期)
前期実績(参考)売上2,886億8,933万円(+11.1%)/営業利益18億75百万円(+41.3%)/純利益13億7,542万円(連結・2025年6月期)
自己資本比率18.4%(2026年6月期)/18.1%(2025年6月期)
労働組合結成されていない(第16期有報「労働組合の状況」に明記/労使関係は円満と記載)
出典第16期(2025年6月期)有価証券報告書(2025年9月25日提出)/2026年6月期決算短信(2026年8月12日発表)/公式IR

この表を見る際の注意点は1つだけです。「平均年間給与6,484,922円」の対象は従業員93名の持株会社単体であり、連結2,614名の平均ではありません。年収ランキング系の集計サイトはこの数字をそのまま「メディアスホールディングスの平均年収」として掲載しますが、実際に医療機器の営業やSPD(院内物品管理)の現場で働く人の待遇を表した数字ではない、という前提で読む必要があります。この点は本記事の中心テーマなので、後段で詳しく分解します。

メディアスホールディングスとは|医療機器を病院に届ける「卸」の持株会社

結論として、メディアスホールディングスは医療機器メーカーと医療機関の間に立つ流通業(ディーラー/専門商社)のグループ本社です。医療機器を「作る会社」ではなく「届けて、据えて、保守して、在庫まで管理する会社」だと理解すると、仕事のイメージがつかみやすくなります。

事業は「医療機器販売」と「介護・福祉」の2セグメント

公式情報として、有価証券報告書に記載された報告セグメントは2つです。売上の大半を占めるのが医療機器販売事業で、第16期(2025年6月期)の内訳は次の通りでした。

  • 医療機器販売事業:2,826億88百万円(前期比+11.3%)=連結売上のほぼ全体
  • 介護・福祉事業:60億01百万円(前期比+3.6%)

医療機器販売事業の中身は、単なる物販ではありません。有報の記載を整理すると、①国内メーカー・代理店から仕入れた医療機器の販売(手術・治療・検査に使う消耗品と、CT・放射線治療装置などの大型備品)、②修理・アフターサービス、③保守契約に基づくメンテナンス、④病院から医療材料の物流管理を請け負うSPD(Supply Processing & Distribution)、⑤医療材料の購買・在庫管理ソフトのASP提供、という複数の機能が束ねられています。つまり営業職の仕事は「モノを売る」だけでなく、病院の在庫・購買・物流という運用そのものに入り込む性格を持ちます。

実務を担うのは連結子会社15社|応募先の社名は「メディアス」ではないことが多い

ここが最重要ポイントです。メディアスホールディングスは純粋持株会社であり、営業実務は各地域の事業会社が担っています。有報に記載された主な連結子会社は次のような顔ぶれです。

  • ㈱栗原医療器械店(群馬)/協和医科器械㈱(静岡)
  • ㈱ミタス(福井)/㈱アルバース(東京)/マコト医科精機㈱(山梨)
  • ㈱秋田医科器械店/佐野器械㈱(京都)/㈱アクティブメディカル(札幌)
  • メディアスソリューション㈱ ほか、連結子会社15社

いずれも旧社名のまま地域に残っているのが特徴で、地域の医療器械店をM&Aで束ねていくロールアップ型のグループ構造です。会社は長期目標として2030年度に売上高5,000億円を掲げています。求職者の目線で言えば、「メディアスホールディングスの求人」と検索しても、実際の募集は各事業会社名で出ているケースがあり、内定時の労働条件通知書に書かれる会社名がHDなのか事業会社なのかで、給与テーブルも評価制度も変わり得るということです。

同名・類似名の企業との混同に注意

「メディアス」という名称は他社にも使われています。ケーブルテレビの知多メディアスネットワーク、医薬品関連の別法人など、まったく資本関係のない企業が検索結果に混ざることがあります。転職検討時は証券コード3154と公式ドメイン(medius.co.jp)で対象企業を確定してから情報収集するのが安全です。

連結2,614名と本体93名|「約28倍の距離」が意味するもの

結論から言うと、メディアスホールディングスの公開データを読むときに最初にやるべきことは、「連結」と「提出会社(=持株会社単体)」を分けることです。第16期有価証券報告書の「従業員の状況」によると、人数は次のようになっています(公式情報)。

区分人数(2025年6月30日現在)備考
連結全体2,614名〔臨時従業員の年間平均雇用人員936名〕グループ全体の実働人数
 医療機器販売事業1,920名〔649名〕営業・SPD・保守などの現場
 介護・福祉事業202名〔56名〕福祉用具・在宅領域
 全社(共通)492名〔231名〕管理部門など
提出会社(持株会社単体)93名〔臨時5名〕全員が「全社(共通)」区分

連結2,614名に対し提出会社は93名。比率にすると約28.1倍の開きがあります。しかも提出会社93名は全員が「全社(共通)」区分、つまりグループ管理機能の人員です。有報に載る平均年齢40.0歳・平均勤続5.0年・平均年間給与648万4,922円は、すべてこの93名を母集団とした数字です。

勤続5.0年という数字も、上場企業の平均としては短めに見えます。ただしその理由は有価証券報告書に記載されていません。持株会社の設立が2009年で歴史が浅いこと、本体がグループ管理機能に特化しており中途採用の比率が高いと考えられることが背景として想定されますが、これは推定情報であり、断定はできません。面接の場で「本体の職種構成と中途比率」を確認するのが最も確実です。

なお、有報には労働組合は結成されていない旨が明記されています(労使関係は円満と記載)。組合の有無は待遇交渉の枠組みに関わるため、賃金制度の改定プロセスを面接で確認しておく価値があります。

平均年収648万円の中身|「誰の数字か」を分解する

ここが本記事の核です。結論を先に置くと、648万円は間違いのない公式実額ですが、あなたが配属される可能性が高い事業会社の水準を示していません。順を追って分解します。

1. 公式の実額(第16期・2025年6月期 有価証券報告書)

公式情報として、有価証券報告書によると提出会社の平均年間給与は6,484,922円です。賞与および基準外賃金を含む金額で、対象は従業員93名。同じ表に平均年齢40.0歳、平均勤続年数5.0年が記載されています。上場企業の平均年収データベースや日本経済新聞の企業情報に「メディアスホールディングスの平均年収648万円」と出ているのは、この数字です。

2. 事業会社の平均年間給与は有報に開示されていない

問題はここからです。第16期有価証券報告書を確認すると、「平均年間給与」という記載は提出会社の1か所にしか存在しません。㈱栗原医療器械店や協和医科器械㈱について有報が開示しているのは「主要な損益情報等」=売上高・経常利益・当期純利益・純資産に限られ、従業員の給与水準は開示されていません。参考までに、有報に記載された主要子会社の単体売上高は次の規模です。

  • ㈱栗原医療器械店:1,008億3,645万円(第16期)
  • 協和医科器械㈱:733億7,100万円(第16期)

連結売上2,886億円のうち約1,742億円をこの2社で占める計算になります。つまりグループの主力を担う2社の給与実態が、一次情報からは読み取れないという構造です。これは同社を批判する話ではなく、開示制度上そうなっているという事実の確認です。ただし転職検討者にとっては、判断材料が1つ足りない状態であることに変わりはありません。

3. 二次ソースで見る事業会社の年収水準(一次情報ではありません)

一次情報が存在しない以上、参考として見られるのは口コミサイトの集計値だけです。以下は口コミ傾向であり、有価証券報告書の実額ではない点を必ず踏まえてください。

対象平均年収(回答ベース)母数性質
メディアスホールディングス(提出会社)6,484,922円従業員93名公式情報(有報実額・2025年6月期)
㈱栗原医療器械店約437万円(平均年齢29歳)OpenWork回答50人二次ソース・口コミ集計値
協和医科器械㈱約451万円OpenWork回答33人二次ソース・口コミ集計値
㈱栗原医療器械店(別サイト)約422万円転職会議292件ベース二次ソース・口コミ集計値

持株会社の648万円と、事業会社の口コミ集計437万〜451万円との差はおよそ200万円です。ただしこの差の解釈には注意が必要です。栗原医療器械店の回答者平均年齢は29歳と若く、HD本体の平均年齢40.0歳とは11歳の開きがあります。年齢構成の違いが差の一部を説明している可能性があり、同一年齢帯で比べた差はこれより小さくなることも考えられます(推定情報)。それでも、「有報の648万円をそのまま自分の想定年収にする」のは実態から離れる、という結論は変わりません。

求職者
求職者

ランキングサイトで648万円と見たのですが、営業職で応募してもその水準ですか?

その648万円は持株会社の管理部門93名の平均です。事業会社の営業職として採用される場合は別の給与テーブルが適用されるため、選考の中で「入社する法人名」と「その法人のモデル年収・賞与実績」を直接確認するのが唯一確実な方法です。求人票の想定年収レンジと、内定時の労働条件通知書の記載を突き合わせてください。

同じ持株会社でも開示姿勢は分かれる|医薬品卸の同業と比べて分かること

「持株会社だから事業会社の給与が分からないのは仕方ない」と思われがちですが、それは制度上の必然ではありません。同じ卸売業・同じ持株会社体制でも、事業会社の平均年間給与を有報で開示している企業があります。

企業(証券コード)有報の平均年間給与その対象事業会社の実額開示
メディアスホールディングス(3154)6,484,922円(2025年6月期)提出会社93名開示なし
バイタルケーエスケー・ホールディングス(3151)6,234,677円(2026年3月期)提出会社52名開示あり(㈱バイタルネット5,588,933円/㈱ケーエスケー5,384,799円)

バイタルケーエスケー・ホールディングスは医薬品卸の持株会社で、連結3,871名に対し提出会社は52名(乖離約74.4倍)と、メディアスHD以上に本体人員が少ない会社です。それでも有報の「最大人員会社の状況」で事業会社2社の平均年間給与を実額開示しており、持株会社623.5万円に対し事業会社は538.5万〜558.9万円という差を読者が自分で確認できます。

この対比から得られる実務的な示唆は次の通りです(推定情報を含みます)。

  • 持株会社の有報年収を「グループの年収」として扱ってよいのは、事業会社の実額が併記されている場合だけ
  • 開示がない企業では、年収の確認は求人票・面接・労働条件通知書に依存するしかない
  • したがってメディアスHDグループへの応募では、選考初期に「どの法人の、どの給与テーブルか」を質問する重要度が相対的に高い

なお、開示の有無は法令違反の話ではありません。「最大人員会社の状況」の記載は各社の判断に委ねられている部分があり、開示しないこと自体が問題という意味ではない点は明確にしておきます。

口コミは本体ではなく子会社に集まっている|評判を読む前提

結論として、「メディアスホールディングスの口コミ」として語れる材料は、ほぼ存在しません。これは同社の評判が悪いという意味ではなく、持株会社本体の投稿数が統計的に評価できない水準だという意味です。

持株会社本体:クチコミ3件・回答者1人

OpenWorkに掲載されているメディアスホールディングスの情報は、総合評価3.01・クチコミ3件・年収データ1件・回答者1人という規模です(口コミ傾向)。エン カイシャの評判でも回答者は数名規模、就活会議の正社員口コミは1件です。この件数で「働きやすい」「働きにくい」を語ることはできません。本体93名という規模を考えれば当然の結果でもあります。ネット記事が「メディアスホールディングスの評判」として何かを断言していたら、その根拠件数を確認することをおすすめします。

事業会社:栗原323件・協和244件と十分な母数がある

一方、実質的なクチコミは事業会社側に蓄積しています。以下はいずれも口コミ傾向であり、会社の公表値ではありません。

項目㈱栗原医療器械店協和医科器械㈱
OpenWork総合評価2.77(クチコミ323件・回答者69人)2.62(クチコミ244件・回答者49人)
月間残業時間(回答平均)24.6時間34.8時間
有給休暇消化率(回答平均)64.2%58.5%
平均年収(回答ベース)約437万円(平均年齢29歳)約451万円
転職会議の件数292件(満足度2.53/平均残業33.9時間)138〜228件(総合3点前後)
就活会議の件数258件126件

スコア分布の特徴|「法令順守だけ突出して高い」形

両社に共通するのは、項目別スコアの形が似ていることです(口コミ傾向)。

  • 低め:人材の長期育成 1.9〜2.3/社員の士気 2.2〜2.5/20代成長環境 2.1〜2.6/待遇面の満足度 2.6
  • 高め:法令順守意識 3.9〜4.2

医療機器という規制の厳しい商材を扱う業種柄、コンプライアンス面の評価が高く出るのは理解しやすい結果です。一方で、育成・士気・待遇の評価は同業内でも高いとは言えない水準で推移しており、投稿の全体トーンはネガティブ寄りと読めます。ただし各スコアは回答者数十人ベースの集計であり、部署・拠点によって体感が大きく異なる可能性がある点は割り引いて読む必要があります(推定情報)。

転職判断への落とし込みとしては、次の整理が実務的です。「コンプライアンスや業務ルールが整った環境で、地域の医療機関と長期の関係を築く仕事」を求める人には合致しやすく、逆に「体系的な育成プログラムと短期の昇給」を最優先する人にとっては、口コミ上の評価が低い領域と希望が正面から衝突する可能性があります。

業績と収益構造|売上3,023億円・営業利益率0.59%が待遇に効く理由

結論として、メディアスホールディングスは売上規模と利益規模のギャップが極端に大きい会社です。転職検討者にとってこれは「給与原資の余裕がどれくらいあるか」を左右する論点なので、数字を並べて確認します。

2026年6月期は増収減益|純利益は前期比▲31.4%

決算短信によると、第17期(2026年6月期)の連結業績は次の通りです(公式情報)。

  • 売上高:約3,023億円(前期比+4.7%)=6期連続増収
  • 営業利益:約17.8億円(前期比▲5.1%)
  • 経常利益:23億640万円(前期比▲4.8%)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益:約9億4,400万円(前期比▲31.4%)

増収でありながら各段階の利益が減少しています。減益要因としては人件費・物流コストの増加と減損損失が挙げられており、営業キャッシュ・フローも約3.7億円へと大幅に減少しました。売上規模3,000億円級の企業としては、手元に残るキャッシュが薄い状態です。一方で2027年6月期は売上高3,250億円・営業利益20億円への回復を会社予想として掲げています。

営業利益率0.59%という水準をどう読むか

第16期(2025年6月期)は営業利益18億75百万円(前期比+41.3%)と好調でしたが、売上2,886億円に対する営業利益率は0.65%。2026年6月期は0.59%とさらに低下しました。売上が1万円あっても、営業段階で残るのは60円前後という構造です。

これは同社固有の問題というより、医療機器卸という業態の構造要因が大きい領域です。業界文脈として次の点が影響します。

  • 保険償還価格に規定される薄利構造:卸が扱う特定保険医療材料は公定価格(保険償還価格)が定期的に見直され、価格改定局面では利幅が圧縮されやすい
  • 顧客である病院の経営環境:医業赤字の病院割合が高水準で推移しており、値引き要求・購買集約・共同購入が強まっている
  • 物流コストの上昇:ドライバーの時間外労働規制で配送コストとリードタイムが悪化。緊急配送・夜間対応・手術用の預託在庫管理を担う医療機器卸は影響を受けやすい

転職検討者への示唆は明確です。「売上3,000億円の大手」という規模感と、個人の待遇水準は必ずしも連動しません。給与原資を判断するなら、売上高より営業利益・販管費・営業キャッシュ・フローの推移を見るほうが実態に近づきます(推定情報)。

財務体質と株主構成

第16期有報ベースで、総資産1,130億2,498万円に対し自己資本比率は18.1%(2026年6月期は18.4%)。卸売業は仕入債務・売上債権が膨らみやすく自己資本比率が低く出やすい業態ですが、厚い水準とは言えません。株主構成は、㈱エム・ケー9.8%、㈱M’s 9.8%、㈱イケヤ7.8%といった創業家系の資産管理会社が上位を占め、日本マスタートラスト信託銀行5.0%、メディアスHD従業員持株会4.9%、栗原医療従業員持株会2.7%、アルフレッサホールディングス1.7%が続きます(2025年6月30日現在)。同族色の強い株主構成である点は、経営の意思決定スピードと安定性の両面に関わる材料です。

卸売業5社の比較|「有報の年収」は前提が社ごとに違う

同じ東証33業種分類「卸売業」の上場5社を並べます。ここで最も伝えたいのは各社の優劣ではなく、有報の平均年間給与は「対象となる会社の範囲」が社ごとにまったく違うため、単純比較できないという事実です。

企業(コード)連結売上高営業利益(利益率)連結/提出会社の従業員数有報の平均年間給与とその対象対象決算期
オーウイル(3143)419.09億円(+7.0%)13.68億円(3.3%)137名/79名699.9万円(提出会社79名)2026年3月期
バイタルケーエスケーHD(3151)6,104.97億円(+1.7%)40.27億円(0.66%・▲29.4%)3,871名/52名(乖離74.4倍)623.5万円(提出会社52名)+事業会社実額を開示(バイタルネット558.9万円・ケーエスケー538.5万円)2026年3月期
八洲電機(3153)745.69億円(+12.9%)72.89億円(9.8%=5社中最高・+38.8%)1,062名/454名823.8万円(提出会社454名)2026年3月期
メディアスHD(3154)3,023億円(+4.7%)17.8億円(0.59%=5社中最低・▲5.1%)2,614名/93名(乖離28.1倍)648.5万円(提出会社93名)/事業会社は開示なし給与は2025年6月期・業績は2026年6月期
レスター(3156)6,309.05億円(+12.5%・5社中最大)167.39億円(2.7%・+18.1%)4,637名/1,234名748.2万円(提出会社1,234名)2026年3月期

表を読むうえでの注記は3点です。

  • 規模差が非常に大きい:売上は最大のレスター6,309億円と最小のオーウイル419億円で約15.1倍、連結従業員数も4,637名と137名で約33.8倍の開きがあります。横並びの数字としてではなく、規模の違いを前提に読んでください。
  • 決算期が揃っていない:メディアスHDのみ6月決算で、しかも本記事では給与が2025年6月期・業績が2026年6月期と年度が異なります。他4社は3月決算です。
  • 収益構造がまったく違う:営業利益率は八洲電機9.8%からメディアスHD 0.59%まで約17倍の開きがあります。同じ「卸売業」でも、電気機器のエンジニアリング商社(八洲電機)と、公定価格の影響を受ける医療系流通(メディアスHD・バイタルケーエスケーHD)では、そもそも利益の出方が異なります。

この比較から言えるのは、「有報の平均年収が高い会社=現場の待遇が良い会社」ではないということです。八洲電機の823.8万円は提出会社454名(連結1,062名の約43%)が対象で実態に近い一方、メディアスHDの648.5万円は連結の3.6%にあたる93名が対象です。母集団のカバー率まで見て初めて、数字の意味が揃います(推定情報を含む解釈です)。

将来性とリスク|2030年度5,000億円のロールアップ戦略と、会社自身が挙げる課題

結論として、メディアスホールディングスの成長戦略は明快です。地域の医療器械店をM&Aで束ね、規模の経済で薄利構造を補うという方向で、長期目標として2030年度売上高5,000億円(医療機器販売業界No.1)を掲げています。2026年6月期まで6期連続増収を達成しているのも、この戦略の結果と読めます。

会社自身がリスクとして開示している内容

有価証券報告書の「事業等のリスク」には、ロールアップ戦略の裏側が正直に書かれています(公式情報)。

  • M&Aに伴うのれんの減損:買収価格の回収が想定通り進まない場合のリスク
  • 買収後に判明する簿外債務・コンプライアンス問題
  • 企業文化の融合失敗による人材流出

3点目は転職検討者に直接関わります。会社自身が「統合がうまくいかなければ人が辞める」というリスクを認識しているという事実であり、入社後にグループ再編・制度統合・拠点統合を経験する可能性が相応にあることを意味します。実際、2026年6月期の減益要因にも減損損失が含まれています。業界全体でも地域ディーラーの再編は続いており、変化に適応できる人にはポストのチャンスが生まれる一方、制度が安定した環境を望む人には負荷になり得ます(推定情報)。

入札・コンプライアンス関連の記述をどう読むか

有報には、贈賄防止法令および独占禁止法(入札談合の禁止)の遵守も事業リスクとして明記されています。これは公的医療機関向けの入札が主力チャネルの一つであるためで、業態上当然の記載です。ここで区別が必要なのは次の点です。

  • 同社について、実際の摘発・行政処分・課徴金納付命令といった事実は確認できなかった(「存在しない」と断定するものではありません)
  • 有報中の「訴訟」に関する記述は役員賠償責任保険の一般的な説明であり、係争中の事案の開示ではない
  • 有報中の「行政処分」に関する記述は内部統制・リスク管理の一般的記述であり、処分事例の記載ではない

検索エンジンや要約サービスがこれらの語を拾って「行政処分」「訴訟」と表示することがありますが、文脈上は制度説明であり、事案の存在を示すものではありません。判断材料として扱う際は、必ず原文の文脈まで確認してください。

トップ交代と、開示から見える組織のばらつき

2026年8月1日付で代表取締役社長が交代しました。創業家出身の池谷保彦氏が健康上の理由で社長を辞任して取締役会長となり、取締役専務執行役員コーポレート統括本部長を務めていた芥川浩之氏が社長に就任しています。創業1952年から続く同族色の強い経営からの交代であり、M&A方針や人事制度の連続性は現時点では未知数です(推定情報)。

組織の状態を測るもう一つの材料が、有報が開示する子会社ごとの人的資本データです(公式情報)。男女賃金差異は全労働者ベースで㈱栗原医療器械店59.8%、協和医科器械㈱52.4%、メディアスソリューション㈱53.9%、正社員ベースでも62〜65%台。女性管理職比率は当社14.8%/栗原12.8%/協和5.1%/メディアスソリューション13.6%、男性育休取得率は当社50.0%/栗原81.0%/協和15.4%/メディアスソリューション100.0%と、同じグループでも会社間の差が大きいのが特徴です。要因は有報に記載されていないため断定はできませんが、営業職の男性比率や役職構成の偏りが影響している可能性があります(推定情報)。応募先の法人単位で確認する価値のある数値です。

仕事内容とキャリアパス|医療機器ディーラーで得られる経験

結論として、この仕事で身につくのは「医療機関との関係資産」と「医療材料の商流・在庫運用の知識」です。メーカー営業とは異なり、多数メーカーの商材を横断して扱うため、製品単体の専門性より病院運用への理解が武器になります。

医療機器卸特有の業務負荷

業界共通の懸念として挙げられるのは、手術立ち会い・緊急納品・夜間や休日の呼び出しなど、医療現場のスケジュールに合わせる必要がある業務です。前掲の口コミ集計でも月間残業は栗原24.6時間・協和34.8時間(口コミ傾向)と、会社によって体感が異なる結果が出ています。数字だけを見れば極端な水準ではありませんが、担当する診療科・病院規模・拠点によってばらつきが出やすい職種である点は、面接で担当エリアと当番体制を具体的に確認するのが実務的です。

営業以外の入口|SPD・物流・介護

メディアスホールディングスは、SPD(院内物品管理・購買代行)や医療材料の購買・在庫管理ソフトのASP提供まで手掛けています。連結の従業員内訳でも介護・福祉事業に202名が配置されており、営業職以外の入口とキャリア転換の余地があるのが特徴です。物流2024年問題や在庫最適化への対応で、物流・在庫管理・情報システムの知見を持つ人材の社内価値は上がっています(推定情報)。

その後の転職市場での評価

医療機器ディーラーで得た経験は、次のような進路につながりやすい領域です。

  • 業界内:医療機器メーカーの営業・マーケティング・クリニカルスペシャリスト、他の医療機器ディーラー・医薬品卸、医療材料の共同購入(GPO)、病院向けコンサルティング
  • グループ内:エリア責任者・支店長・事業会社の管理職。持株会社体制のため、本社の経営企画・M&A・グループ管理部門への異動ルートも存在し得る
  • 業界外:医療系SaaS・電子カルテ・物流DXベンダーの法人営業やカスタマーサクセス、介護・ヘルスケア事業者、医療機関の用度・購買・経営企画

逆に注意すべきは、多メーカーの商材を広く扱うぶん特定製品の専門性が積み上がりにくい点です。将来メーカー側への転職を視野に入れるなら、担当領域(整形外科・循環器・手術関連など)を意識的に絞り、実績を数値で語れる形にしておくことが有効です(推定情報)。

メディアスホールディングスに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、転職・就職判断に直結するものに絞って回答します。

応募すると、どの会社の社員になりますか?

職種によって異なります。メディアスホールディングス本体はグループ管理機能を担う持株会社で、従業員は93名(2025年6月30日現在・全員が「全社(共通)」区分)です。医療機器の営業・SPD・保守などの現場職は、㈱栗原医療器械店や協和医科器械㈱をはじめとする連結子会社15社が採用主体となります。雇用契約を結ぶ法人名は求人票および労働条件通知書で必ず確認してください。

グループにはどんな会社がありますか(組織図)?

有価証券報告書によると、連結子会社は15社です。主なものとして㈱栗原医療器械店(群馬)、協和医科器械㈱(静岡)、㈱ミタス(福井)、㈱アルバース(東京)、マコト医科精機㈱(山梨)、㈱秋田医科器械店、佐野器械㈱(京都)、㈱アクティブメディカル(札幌)、メディアスソリューション㈱などがあり、いずれも地域の医療器械店をM&Aで傘下に収めた経緯から旧社名のまま運営されています。最新のグループ構成は公式サイトの会社概要ページで確認できます。

平均年収648万円は自分にも当てはまりますか?

そのまま当てはめるのは適切ではありません。648万4,922円は第16期(2025年6月期)有価証券報告書に記載された提出会社(持株会社単体・93名)の実額で、賞与および基準外賃金を含みます。事業会社の平均年間給与は有価証券報告書では開示されていません。参考値として二次ソースのOpenWork集計では㈱栗原医療器械店が約437万円(回答50人・平均年齢29歳)、協和医科器械㈱が約451万円(回答33人)です(口コミ傾向)。

残業や休みの実態はどうですか?

会社公表の平均残業時間・有給取得率は有価証券報告書では開示されていません。二次情報として、OpenWorkの回答集計では㈱栗原医療器械店が月間残業24.6時間・有給消化率64.2%、協和医科器械㈱が月間残業34.8時間・有給消化率58.5%です(口コミ傾向/回答者はそれぞれ69人・49人)。医療機器卸は緊急納品や手術立ち会いがあるため、担当先によって差が出やすい職種です。

会社の安定性はどう見ればよいですか?

売上は6期連続増収(2026年6月期 約3,023億円)で、継続企業の前提に関する注記は有価証券報告書に記載されていません。一方で2026年6月期は増収減益(純利益▲31.4%)、営業利益率0.59%、自己資本比率18.4%、営業キャッシュ・フローは約3.7億円まで減少しています。倒産リスクの議論ではなく、給与原資と投資余力の観点で見るべき数字と考えられます(推定情報)。

メディアスホールディングスへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書、そして面接での確認を通じて行ってください。

判断軸確認できた事実と評価
年収の判断材料有報実額648万4,922円は持株会社93名が対象。事業会社の給与は有報未開示のため、求人票と労働条件通知書での確認が必須
事業の安定性6期連続増収・継続企業の前提の注記なし。ただし営業利益率0.59%・自己資本比率18.4%と余裕は厚くない
成長戦略M&Aによるロールアップで2030年度売上5,000億円を目標。統合リスクは会社自身が有報で開示
働き方(二次情報)子会社の口コミ集計で月残業24.6〜34.8時間・有給消化58.5〜64.2%。緊急対応の有無は担当先次第
評価・育成(二次情報)人材の長期育成1.9〜2.3、社員の士気2.2〜2.5と低め。法令順守意識3.9〜4.2は高め
キャリアの広がり営業に加えSPD・物流・介護・グループ管理と横移動の余地。特定製品の専門性は積み上がりにくい
ガバナンス・経営体制創業家系の資産管理会社が上位株主。2026年8月にトップ交代、方針の連続性は今後の開示待ち
向いていると考えられる人地域の医療機関と長期の関係を築きたい人、再編・統合の中で役割を広げたい人、規制の厳しい商材を丁寧に扱える人
慎重に検討したい人体系的な育成プログラムと短期の昇給を最優先する人、公開情報だけで待遇を確定させたい人
求職者
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結局、この会社を受けるかどうかは何で決めればいいですか?

判断の分かれ目は「公開情報の少なさを許容できるか」です。事業の継続性そのものに不安材料は見当たりませんが、事業会社の給与実態が一次情報として存在しないため、選考プロセスの中で自分で情報を取りに行く姿勢が求められます。逆に言えば、面接で「入社する法人名」「その法人のモデル年収と賞与実績」「担当エリアと当番体制」「統合・再編の予定」を確認できれば、判断に必要な材料はほぼ揃います。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。給与・従業員データは第16期(2025年6月期)有価証券報告書、業績は2026年6月期決算短信を出典としています。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。持株会社体制の企業については、提出会社(単体)と連結の数値を必ず区別して記載する方針をとっています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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