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ラサ商事の年収876万円と将来性|連結262名・ラサ工業とは別会社の商社

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 前提:証券コード3023のラサ商事は、ラサ工業(4022)とは別会社です。
  • 年収:有報の平均876万円は提出会社221名の数字で、連結262名の平均ではありません。
  • 将来性:営業利益率10.5%で中期計画を2期前倒し達成、一方で3期連続減収の実績もあります。
  • 不祥事:2021年の会計問題は子会社・旭テックの案件で、現在の内部統制は「有効」評価です。

「ラサ商事」で検索すると、月間検索数の大半は株価・配当・掲示板といった投資家向けの語で占められています。この記事はそちらではなく、投資判断ではなく転職・就職判断のために公開情報を整理したものです。ラサ商事株式会社(東証スタンダード・証券コード3023/本店:東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目11番5号 RASA日本橋ビルディング)は、ジルコンサンドなどの鉱産物と産業機械・建設機械を二本柱とする独立系の技術専門商社で、連結従業員262名という小規模ながら第124期(2026年3月期)に売上高営業利益率10.5%を出した会社です。本記事では、有価証券報告書の実額を軸に、年収876万円の中身・将来性の判断材料・2021年の会計問題の事実関係・口コミ傾向を、それぞれ切り分けて整理します。

ラサ商事(3023)とラサ工業(4022)は別会社|調べる前に外せない前提

結論を先に書きます。ラサ商事株式会社(3023・東証スタンダード・卸売業)と、ラサ工業株式会社(4022・東証プライム・化学)は、資本関係のない別の上場企業です。この前提を外すと、年収も口コミも不祥事情報も、まったく別の会社の数字を読むことになります。転職検討者にとって最初に必要なのは、この切り分けです。

両社は上場市場も業種分類も規模も異なります。ラサ工業は化学メーカーで従業員1,000名を超える規模、ラサ商事は連結262名の専門商社です。公式情報として、ラサ商事の第124期有価証券報告書の大株主一覧にラサ工業の名前は登場せず、関係会社(連結子会社2社・持分法適用関連会社1社)にも含まれていません。

なぜ混同が起きるのか|1939年設立から1961年までの歴史

混同には歴史的な理由があります。ラサ商事は1939年1月、ラサ工業の製品を販売する目的で、資本金10万円・東京都中央区京橋に設立された会社です。ところが有価証券報告書の沿革には「1961年11月 当社はラサ工業株式会社の関連会社ではなくなる」と明記されており、そこから60年以上、両社は別々の道を歩んでいます。

つまり「かつて関係があったが、現在は資本関係がない」というのが正確な整理です。設立時の経緯だけが社名として残り、検索結果では両社のページが並ぶ——これが混同の構造です。

口コミ・不祥事情報を読むときの見分け方

OpenWorkにもエン カイシャの評判にも、ラサ商事とラサ工業の両方の企業ページが存在します。検索上位に混在するため、次の3点で自分が見ているページを確認してください。

  • 証券コード:3023ならラサ商事、4022ならラサ工業
  • 本社所在地:ラサ商事は東京都中央区日本橋蛎殻町(自社ビル)
  • 従業員規模:ラサ商事は連結262名。数百〜千名規模の記載なら別会社の可能性が高い

特に注意すべきは行政処分の情報です。2016年に水道用薬品の入札談合で公正取引委員会から課徴金納付命令を受けたのは「ラサ工業」であり、ラサ商事とは無関係です。ネット上ではこの2件が混ざって語られることがあるため、出典の企業名・証券コードまで確認する習慣をおすすめします。

求職者
求職者

社名が似ているだけで、まったく別の会社なんですね。年収や口コミを見るときも気をつけます。

ラサ商事の公式データ一覧(第124期・有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。いずれも第124期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期、2026年6月24日関東財務局提出)の有価証券報告書に基づきます。

項目内容
商号・証券コードラサ商事株式会社(3023)/東証スタンダード市場
本店所在地東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目11番5号 RASA日本橋ビルディング
設立1939年1月(資本金20億7,692万1千円)
代表者代表取締役社長 青井邦夫(2025年6月就任)
平均年間給与8,764,121円(約876万円)※提出会社221名対象・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢44.4歳(提出会社)
平均勤続年数13.1年(提出会社)
従業員数提出会社221名/連結262名(2026年3月31日現在)
売上高連結282億0,100万円(前期比+6.1%)/提出会社単体253億4,700万円
営業利益連結29億5,800万円(前期比+16.8%)/売上高営業利益率10.5%
経常利益・純利益経常利益32億2,600万円/親会社株主に帰属する当期純利益23億7,800万円
財務指標ROE10.5%/自己資本比率71.1%/現金同等物期末残高56億6,200万円
労働組合1974年結成・組合員数94名(連結子会社2社に労働組合はなし)
女性関連指標女性従業員比率26.9%/女性管理職比率15.4%/男性育休取得率120.0%/男女間賃金格差71.8%
継続企業の前提注記・重要事象等の記載はいずれもなし
出典第124期(2026年3月期)有価証券報告書/公式IR資料

なお新卒初任給の金額については、有価証券報告書に「2020年に新卒(学部卒)初任給を4万円引き上げた」「2019年比で2026年の新卒初任給は41%増」という記述はあるものの、金額そのものは一次情報で特定できなかったため、本記事では断定しません(二次情報のサイト間で数値が食い違っています)。

ラサ商事は何で稼ぐ会社か|売上構成と利益構成の”ねじれ”

転職判断で最初に押さえたいのは「どの部署に入るかで、まったく違う会社になる」という点です。ラサ商事は6つの報告セグメントを持ち、売上が大きい事業と利益を稼ぐ事業が一致していません。配属先の事業がどれかによって、扱う商材・顧客・キャリアの伸び方が変わります。

セグメント別の売上・利益・人員(第124期)

公式情報として、有価証券報告書のセグメント情報から売上・利益・従業員数を並べます。単位は百万円です。

セグメント外部売上高セグメント利益連結従業員数
産機・建機関連9,9901,581133名
化成品関連6,71812711名
資源・金属素材関連5,54910814名
環境設備関連3,08775326名
プラント・設備工事関連2,59516339名
不動産賃貸関連2592052名
全社(共通・管理部門)——37名

この表から読み取れることを3点にまとめます。

  • 主力は産機・建機:売上99.9億円・利益15.8億円で、どちらも最大。連結従業員262名のうち133名(約51%)がここに所属しており、実質的にこの会社の中核です。
  • 売上と利益のねじれ:化成品は売上67.2億円に対し利益1.27億円、資源・金属素材は売上55.5億円に対し利益1.08億円。一方で環境設備は売上30.9億円で利益7.53億円と、売上規模の割に利益貢献が大きい構造です。
  • 不動産が下支え:連結子会社ラサ・リアルエステート(従業員2名)が営業利益2.05億円を稼いでおり、資源商社でありながら不動産賃貸が安定収益源になっています。

推定情報として、この構造から言えるのは「資源・金属素材を志望して入っても、人員配置の実態としては産機・建機関連の技術営業が最も採用の中心になりやすい」ということです。応募段階でどのセグメントの求人かを確認する価値は高いといえます。

商材が特定の1社に依存する構造|有報が自ら挙げるリスク

ラサ商事の有価証券報告書は、事業等のリスクとして13項目を挙げており、そのなかに「特定商品の依存について」という項目があります。内容は以下の2点です。

  • 主力商材のジルコンサンドは、その大半をオーストラリアのアイルカ社1社から仕入れており、日本における総販売代理店契約に基づく取引である
  • 産業用ポンプの主力であるワーマンポンプは、持分法適用関連会社である大平洋機工(出資比率45.51%)との総販売代理店契約に依存している

これは代理店ビジネスの二面性そのものです。公式情報としてラサ商事はジルコンサンドで国内トップクラスの地位にあるとされており、独占的な代理権が高い利益率の源泉になっています。一方で、仕入元との契約条件が変わればセグメント収益が直撃を受ける構造でもあります。売上高営業利益率10.5%という水準は、この「代理権に守られたニッチ」の裏返しと考えられます(推定情報)。

なお検索サジェストには「ラサ商事 レアアース」という語が並びますが、これは資源関連テーマとしての注目が背景にあると考えられ、有価証券報告書のセグメント記載上の主力商材はジルコンサンド・チタン関連素材・アルミナ等の鉱産物です。転職検討者は「資源商社」というイメージより、実際の売上・人員の重心が産業機械側にあることを前提に見るほうが実態に近いでしょう。

ラサ商事の将来性|中期計画の2期前倒し達成と、3期連続減収の実績

「ラサ商事 将来性」は、この会社の転職系検索で最も多い語のひとつです。結論から言えば、好材料と懸念材料が両方あり、どちらか片方だけを見ると判断を誤ります。まず数字で確認します。

売上高・営業利益の5期推移|直近だけを切り取らない

公式情報として、連結売上高の推移は次のとおりです。

期決算期連結売上高前期比
第120期2022年3月期約313億円—
第121期2023年3月期約296億円減収
第122期2024年3月期約279億円減収
第123期2025年3月期約265億円減収
第124期2026年3月期282億0,100万円+6.1%(4期ぶり増収)

直近期は増収増益ですが、その前は3期連続で減収しており、313億円から265億円まで約15%縮んだ実績があります。有価証券報告書がリスクとして挙げる「商品市況の変動」「為替相場の変動」の感応度が高い事業構造であり、資源価格と為替次第で売上は上下する会社だと理解しておく必要があります。

一方、利益面は明確に改善しています。第124期の連結営業利益は29億5,800万円で前期25億3,200万円から+16.8%、経常利益32億2,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益23億7,800万円は、いずれも過去5期で最高水準です。直近5期はすべて黒字で、赤字期はありません。

中期経営計画の到達点と、残された課題

ラサ商事の中期経営計画は、最終年度である2028年3月期に「売上高315億円・営業利益29億円・売上高営業利益率9%以上・ROE10%以上」を掲げています。第124期の実績は営業利益29.58億円・営業利益率10.5%・ROE10.5%で、会社計画25億円を4億5,800万円上回る着地となり、利益系の目標を2期前倒しで達成した格好です。

ただし、達成できていない指標もあります。売上高315億円という目標に対して第124期は282億円で、33億円のギャップが残っています。つまり「利益率の改善では計画を上回ったが、トップラインの成長は計画未達」という状態です。推定情報として、今後の焦点は「利益率を維持したまま売上を伸ばせるか」であり、代理店ビジネスの性質上、これは仕入元との関係強化や新規商材の獲得に依存すると考えられます。

財務面の安定性は転職検討者にとって安心材料です。自己資本比率71.1%、現金同等物期末残高56億6,200万円、営業キャッシュ・フロー+21億3,600万円で、財務キャッシュ・フローは△22億3,200万円(借入返済・配当等)。有価証券報告書に継続企業の前提に関する注記も重要事象等の記載もありません。1株配当は5期で50円→80円へ増配され、株主総利回りは第124期236.7%(配当込みTOPIX202.2%)でした。

将来性を総合すると、推定情報として次のように整理できます。

  • 好材料:営業利益率10.5%という卸売業では突出した収益性、実質無借金に近い財務、代理権に守られたニッチ市場でのポジション
  • 懸念材料:資源価格・為替で売上が振れる構造、3期連続減収の実績、売上目標315億円への未達、仕入先1社依存
  • 会社の規模感:連結262名という小さな組織で、事業ポートフォリオの入れ替え余地は限られる

「ラサ商事 不祥事」の実体|2021年の子会社会計問題を事実で整理する

「ラサ商事 不祥事」という検索が一定数あります。該当する事案は2021年に発覚した連結子会社・旭テック株式会社における不適切な会計処理です。事実関係を、名宛人まで含めて正確に整理します。

何が起きたか|発覚から訂正報告書提出までの経緯

公式情報として、同社の適時開示および有価証券報告書から確認できる事実は以下のとおりです。

  • 連結子会社である旭テック(千葉県袖ケ浦市・プラント設備工事・出資比率100%)の従業員が、赤字工事の発覚を遅らせるため、工事番号を付け替えて売上・売上原価を先送りしていた
  • 2021年3月に当該社員が行方不明になったことを端緒に発覚した
  • 2021年4月9日に弁護士・公認会計士を委員とする社内調査委員会を設置し、同年8月17日に調査報告書を受領
  • 影響は2015年3月期まで遡及し、過年度有価証券報告書の訂正報告書を2021年8月27日までに関東財務局へ提出
  • 2021年3月期の内部統制報告書において「開示すべき重要な不備」を開示

過年度に遡る訂正が必要になった以上、これは軽微な事案ではありません。転職検討者としては、事実として認識しておくべき内容です。

名宛人はどこか、そして現在はどうなっているか

一方で、事実の範囲を広げすぎないことも重要です。確認できる範囲では次のとおりです。

  • 不適切な会計処理を行ったのは連結子会社・旭テックの従業員であり、ラサ商事本体や役員が行政処分を受けたという記録は見当たりません
  • 課徴金納付命令、行政処分、株主代表訴訟などの記録も見当たりません
  • 役員の報酬減額などの処分内容については一次情報で特定できなかったため、本記事では断定しません
  • 第124期(2026年3月期)の内部統制報告書では「財務報告に係る内部統制は有効」と評価され、監査法人(保森監査法人)は連結・個別とも無限定適正意見を表明しています

整理すると、「本体ではなく子会社の現場で起きた会計処理の問題であり、過年度訂正という重い対応を経て、現在は内部統制が有効と評価されている」という状態です。転職判断の材料としては、「起きた事実」と「その後の是正状況」をセットで見るのが妥当でしょう(推定情報)。

なお、繰り返しになりますが、公正取引委員会の課徴金納付命令に関する情報を検索で見かけた場合、それはラサ工業(4022)の事案である可能性があります。企業名と証券コードを確認してください。

ラサ商事の年収876万円は誰の数字か|有報の分解と口コミとの差

「ラサ商事 年収」は求職系で最も検索されている語です。結論を先に書くと、有価証券報告書の平均年間給与8,764,121円(約876万円)は、提出会社ラサ商事単体の従業員221名を対象とした数字であり、連結262名の平均ではありません。この違いを押さえないと、実態を読み違えます。

平均年間給与の4期推移と、平均年齢・勤続年数

公式情報として、有価証券報告書ベースの平均年間給与の推移は次のとおりです。

決算期平均年間給与平均年齢提出会社従業員数
2023年3月期約801万円——
2024年3月期約860万円44.5歳196名
2025年3月期約838万円45.0歳215名
2026年3月期(第124期)8,764,121円(約876万円)44.4歳221名

3年で約75万円上昇していますが、2025年3月期にいったん下がっている点は見落とせません。賞与および基準外賃金を含む数字であり、推定情報として業績連動賞与の影響で年度ごとに振れると考えられます。減収が続いた期に平均給与も下がったという読み方が自然です。

平均勤続年数13.1年、平均年齢44.4歳という数字は、中堅以上のベテランが長く在籍する組織であることを示します。従業員数は196名(2024年3月期)→215名(2025年3月期)→221名(2026年3月期)と増加基調で、希望退職の募集・整理解雇・採用抑制のいずれについても有価証券報告書や適時開示に該当する記載はありません。

連結262名のうち41名は876万円の対象外

ここが最も誤解されやすいポイントです。連結従業員262名の内訳は、提出会社221名+連結子会社41名(旭テック39名・ラサ・リアルエステート2名)です。有価証券報告書の876万円は提出会社221名のみを対象としており、子会社41名は含まれていません。

ただしラサ商事は持株会社ではなく事業会社本体であるため、単体給与=主要な現場(営業・技術営業)の実態を概ね反映していると考えられます。この点は、持株会社の少人数だけを対象にした平均給与とは事情が異なります。応募先がプラント・設備工事関連(旭テック)である場合は、この876万円が自分の待遇の目安にならない可能性がある、という理解が必要です(推定情報)。

口コミ掲載年収642万円・585万円との差をどう読むか

口コミ傾向として、OpenWorkの掲載平均年収は642万円(正社員12人回答)、エン カイシャの評判では585万円(平均年齢32歳)とされています。有報の876万円との間には200〜290万円の開きがあります。

この差は次の要因で説明できると考えられます(推定情報)。

  • 回答者の年齢層:エン カイシャの評判の回答者平均年齢は32歳で、有報の平均年齢44.4歳より12歳若い。平均勤続13.1年という年功カーブの会社では、この差がそのまま年収差になりやすい
  • 回答母数の小ささ:OpenWorkの年収回答は12人、エン カイシャの評判は13人。221名の会社で十数人分では、偏りが出やすい
  • 賞与の扱い:有報の876万円は賞与および基準外賃金を含む額面。口コミは回答時点の理解に依存する

転職時に確認すべきポイントを整理します。

  • 提示年収に賞与がどう含まれるか(有報の876万円は賞与込みの数字)
  • 配属セグメント(産機・建機/環境設備/化成品/資源・金属素材)と、それが提出会社所属か子会社所属か
  • 基本給と各種手当の内訳。口コミ傾向では「基本給は抑えめだが、地域手当・家族手当・住宅手当が厚い」という指摘が見られます
  • 賃上げの継続性。有価証券報告書には「2022年から2026年まで正社員のベースアップを継続」「2019年比で2026年の新卒初任給は41%増」と人的資本投資の記載があります

口コミ傾向から見るラサ商事の働き方|待遇3.1と士気1.9の落差

ラサ商事の口コミは、母数が小さく、サイトによって評価が割れています。この前提を置いたうえで読む必要があります。OpenWorkは総合2.78(回答者37人・クチコミ195件)、エン カイシャの評判は総合3.1(正社員13人回答・クチコミ66件)と、同じ会社でも0.3以上の差があります。転職会議67件、就活会議67件、キャリコネ12人分と、いずれも大企業に比べれば少ない件数です。

評価が高い項目と低い項目がはっきり分かれる

口コミ傾向として、OpenWorkの項目別スコアは以下のように二極化しています。

相対的に高い項目スコア相対的に低い項目スコア
法令順守意識3.9社員の士気1.9
風通しの良さ3.6人材の長期育成2.0
待遇面の満足度3.120代成長環境2.3
——社員の相互尊重2.4
——人事評価の適正感2.5

総合2.78は機械関連業界平均3.01を下回ります。エン カイシャの評判でも、事業の優位性3.3が最高でイノベーション/挑戦2.9が最低という同じ形の分布で、「事業と待遇は評価されるが、組織の熱量と成長実感は評価されない」という傾向が両サイトで一致しています。

口コミ傾向としては「ニッチな成熟市場でリーダーポジションを取れている」という肯定的な評価と、「とにかく古い」という企業文化への批判が併存しています。老舗のニッチ商社に典型的な評価パターンといえます。

労働時間・休暇・制度面の数字

働き方に関する口コミ傾向の数字は次のとおりです。

  • 月間残業時間:OpenWork 24.8時間/エン カイシャの評判 27時間
  • 有給休暇消化率:OpenWork 75.4%
  • 休日・休暇の納得度:エン カイシャの評判 85%(項目内で最高水準)
  • 年収納得度:エン カイシャの評判 75%

一方で、サービス残業の指摘や部門間の負荷格差に関する投稿も見られます。数値上の残業時間が実態と一致するかは、面接時に部門ごとの繁忙期・出張頻度まで確認するのが安全です(推定情報)。

制度面では、公式情報として有価証券報告書に労働組合(1974年結成・組合員94名)の存在が記載されている点、男性育休取得率120.0%、女性管理職比率15.4%(2031年3月期までに20.0%を目標)が開示されている点が確認できます。男女間賃金格差は全従業員ベースで71.8%です。連結子会社2社に労働組合はありません。

卸売業5社で見るラサ商事の位置|利益率は4.8倍の開きがある

同じ「卸売業」でも収益構造はまったく違います。ここでは第75回調査時点で有価証券報告書を確認できた上場卸売業5社を並べます。公式情報として各社の有報・決算開示に基づく数値ですが、決算期が異なる(横浜冷凍のみ9月期、他4社は3月期)ため、年度を必ず確認してください。また売上規模は約18倍、従業員数も約18倍の開きがあり、規模の違いを前提に読む必要があります。

企業名(コード)連結売上高営業利益(利益率)従業員数有報 平均年間給与特記事項
ラサ商事(3023)282.01億円(+6.1%)29.58億円(10.5%)連結262名/提出会社221名876.4万円(2026年3月期)中期計画の利益目標を2期前倒し達成
横浜冷凍(2874)1,255.63億円(+2.7%)42.38億円(3.4%)連結1,804人/提出会社1,446人597.4万円(2025年9月期)冷蔵倉庫19.7%と食品販売1.4%で利益率が大きく異なる
神栄(3004)432.67億円(+7.7%)16.45億円(3.8%)連結468名/提出会社160名763.3万円(2026年3月期)平均給与の対象に電子関連は0名
クリエイト(3024)373.23億円(+2.1%)8.23億円(2.2%)連結591名/提出会社430名540.9万円(2026年3月期)最大顧客が売上の16.5%
日本プリメックス(2795)70.44億円(▲0.7%)4.86億円(6.9%)連結100名/提出会社60名731.3万円(2026年3月期)自己資本比率77.1%・実質無借金

この比較から見えるラサ商事の位置は明確です。

  • 利益率は5社中トップ:10.5%はクリエイトの2.2%の約4.8倍。仲介マージンの薄い一般的な卸売業とは収益構造が違います
  • 平均年間給与も5社中トップ:876.4万円。売上規模では横浜冷凍の約4.5分の1、神栄の約3分の2ですが、給与水準は最も高い
  • 組織はもっとも小さい部類:連結262名は日本プリメックス(100名)に次いで小さく、1人あたりの守備範囲は広くなりやすい

推定情報として、「小さい組織で高い利益率と高い給与水準を実現している」というのがラサ商事の特徴です。これは代理権に守られたニッチ商材のポジションによるところが大きく、逆に言えばそのポジションが揺らいだときの影響も大きい構造といえます。

ラサ商事の就職難易度・採用大学をどう考えるか

「ラサ商事 就職難易度」「ラサ商事 採用大学」という検索が一定数あります。ただし、採用倍率や採用大学の一覧を公式に開示している資料は有価証券報告書にも公式採用サイトにも見当たりません。そのため、ここでは公表されている構造データから難易度を推測する形で整理します(推定情報)。

  • 採用規模が小さい:提出会社の従業員数は221名で、前期比+6名。新卒・中途を合わせても年間の採用人数は一桁台になりやすく、母集団が同じでも採用枠が小さい分、通過率は下がりやすいと考えられます
  • 知名度に対して待遇が高い:平均年間給与876万円という水準が知られると応募が集まりやすくなります。BtoB専門商社は一般消費者の認知度が低い一方、待遇面で調べる層には見つかりやすいポジションです
  • 技術営業の要素が強い:産業用ポンプ、シールド掘進機、水砕スラグ製造設備といった商材を扱うため、機械・設備の理解が求められます。文系営業職であっても技術的な学習意欲が問われる可能性があります
  • 語学と貿易実務:ジルコンサンドの仕入れはオーストラリア、拠点にシンガポール支店・上海駐在員事務所があります。地域別売上は日本25,274百万円に対しアジア2,060百万円・その他606百万円で輸出比率は約1割ですが、輸入取引を含めれば英語と貿易実務の素養は評価されやすいと考えられます

採用大学については、公表データがないため特定の大学名を挙げることはできません。就活会議・ワンキャリア・マイナビといった就職情報サイトに企業ページが存在するため、選考フローや体験談はそちらで確認する形になります。中途採用は技術営業・機械営業が中心で、転職サイトに求人ページが掲載されています。

なお、勤務地は本店(東京都中央区日本橋蛎殻町)のほか、大阪・名古屋・福岡・札幌・仙台・広島の各支店、シンガポール支店、上海駐在員事務所です。海外子会社は保有しておらず、海外拠点はすべて本体所属である点は、駐在の位置づけを考えるうえで押さえておきたい情報です。

ラサ商事への転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。数を揃えるためではなく、実際に判断が分かれそうな軸だけを挙げます。

向いている人向いていない人
ニッチ市場で長く同じ商材を深掘りし、専門性を積み上げたい人短期間で幅広い事業を経験し、変化の速い環境で成長したい人
年収水準と労働時間のバランス(残業月24〜27時間・有休消化75.4%という投稿)を重視する人成果に応じた大幅な評価変動やスピード昇進を求める人
機械・設備の技術的な話を営業として自分で理解したい人技術的な商材知識より、マーケティングや企画で価値を出したい人
少人数の組織で守備範囲を広く持つことを前向きに捉えられる人分業が進んだ体制で、担当領域に集中したい人
老舗企業の落ち着いた文化を居心地よく感じる人「とにかく古い」という口コミの指摘に強い抵抗を感じる人

特に判断が分かれるのは、OpenWorkの「社員の士気1.9」「人材の長期育成2.0」「20代成長環境2.3」という数字をどう受け止めるかです。推定情報として、これは「業績も待遇も安定しているが、組織として上を目指す熱量は高くない」という状態を示している可能性があります。安定を求める人には長所、成長環境を求める人には短所になり得る、同じ事実の裏表です。

ラサ商事への転職|編集部の見解

編集部の見解として、ラサ商事は「数字は良いが、組織評価は伸びない会社」をどう評価するかで結論が変わる企業だと考えられます。

財務・業績の側面は、上場卸売業のなかでも上位です。売上高営業利益率10.5%、ROE10.5%、自己資本比率71.1%、5期連続黒字、中期経営計画の利益目標を2期前倒しで達成、有報の平均年間給与876万円。連結262名という規模でこれらを同時に満たしている会社は多くありません。この点だけを見れば、待遇と安定性を重視する転職者には十分に検討価値があります。

一方で、口コミの項目別スコアは楽観できません。士気1.9・長期育成2.0・20代成長環境2.3という数字は、回答母数37人という限界を踏まえてもなお低い水準です。事業と待遇への評価が高いのに組織評価が低いという分布は、「仕事の中身は悪くないが、人と組織の運営に課題を感じている人が一定数いる」という読み方ができます(推定情報)。

総合すると、次のような整理になります。

  • おすすめできる:30代後半以降で専門商材の営業経験があり、年収水準と生活のバランスを優先したい人。長く同じ商材を担当することに価値を感じる人
  • 慎重に検討したい:20代で成長環境と育成体制を最優先する人。事業の変化やスピード感を求める人
  • 必ず確認したい:配属セグメント(提出会社か子会社か)、賞与を含む年収の内訳、部門ごとの残業実態

2021年の子会社会計問題は、事実として重い出来事でしたが、過年度訂正という対応を経て第124期時点で内部統制は「有効」と評価されています。この事案だけで応募を見送る必要はないものの、面接では「グループ全体のガバナンス体制がどう変わったか」を質問する価値はあるでしょう。

ラサ商事に関するよくある質問(FAQ)

ラサ商事への転職・就職を検討する人から実際に検索されている疑問を、公開情報にもとづいて回答します。

ラサ商事とラサ工業は同じ会社ですか?

別の会社です。ラサ商事は1939年にラサ工業の製品販売会社として設立されましたが、有価証券報告書の沿革に「1961年11月 当社はラサ工業株式会社の関連会社ではなくなる」と明記されています。現在は証券コードも業種も上場市場も異なり(ラサ商事3023・卸売業・東証スタンダード/ラサ工業4022・化学・東証プライム)、ラサ商事の大株主・関係会社にラサ工業は含まれていません。

ラサ商事の平均年収876万円は、全社員の平均ですか?

いいえ。第124期有価証券報告書の平均年間給与8,764,121円は、提出会社ラサ商事単体の従業員221名を対象とした数字です。連結従業員262名のうち、旭テック39名・ラサ・リアルエステート2名の計41名は対象に含まれていません。ただしラサ商事は持株会社ではなく事業会社本体であるため、営業・技術営業といった主要な現場の実態を概ね反映していると考えられます。

ラサ商事の将来性はどう見ればよいですか?

好材料と懸念材料を両方見る必要があります。好材料は営業利益率10.5%・ROE10.5%・自己資本比率71.1%と中期経営計画の利益目標を2期前倒し達成したこと。懸念材料は売上高が313億円(2022年3月期)から265億円(2025年3月期)まで3期連続で減収した実績があり、資源価格・為替の影響を受けやすい構造であること、中期計画の売上目標315億円には33億円届いていないことです。

ラサ商事で過去に不祥事はありましたか?

2021年に連結子会社・旭テックの従業員による不適切な会計処理(工事番号の付け替えによる売上・売上原価の先送り)が発覚し、2015年3月期まで遡って過年度有価証券報告書の訂正報告書を提出、内部統制報告書で「開示すべき重要な不備」を開示しています。ラサ商事本体や役員が行政処分を受けたという記録は見当たりません。第124期時点で内部統制は「有効」と評価されています。

ラサ商事の残業時間や有給休暇の実態はどうですか?

口コミ傾向としては、OpenWorkで月間残業24.8時間・有休消化率75.4%、エン カイシャの評判で残業月27時間・休日休暇納得度85%という数字が掲載されています。ただし回答者はそれぞれ37人・13人と少なく、サービス残業や部門間の負荷格差を指摘する投稿もあります。実態は部門・時期によって差がある可能性があるため、面接での確認をおすすめします。

ラサ商事はリストラを行っていますか?

希望退職の募集・整理解雇・事業撤退に伴う雇用整理のいずれについても、有価証券報告書および適時開示に該当する記載はありません。むしろ提出会社の従業員数は196名(2024年3月期)→215名(2025年3月期)→221名(2026年3月期)と増加基調です。

ラサ商事への転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報876.4万円は比較5社中トップ。ただし提出会社221名対象で、子会社所属は対象外
収益性売上高営業利益率10.5%は比較5社中トップ(最下位2.2%の約4.8倍)
財務安全性自己資本比率71.1%、現金56.62億円、5期連続黒字、継続企業の前提に関する注記なし
成長性第124期は4期ぶり増収だが、その前は3期連続減収。中期計画の売上目標には未達
働き方残業月24〜27時間・有休消化75.4%という投稿。休日休暇の納得度は高め
組織・成長環境OpenWorkで士気1.9・長期育成2.0・20代成長環境2.3と低め。母数37人という限界あり
ガバナンス2021年に子会社で会計問題。過年度訂正を経て第124期は内部統制「有効」評価
事業リスクジルコンサンドはアイルカ社1社、ワーマンポンプは大平洋機工に依存と有報が明記
配属による差連結262名中133名が産機・建機関連。セグメントで仕事内容・所属会社が変わる

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本記事の出典・参考情報

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この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第124期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミサイトの数値は二次情報である旨を本文中に明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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