株式会社タカチホ(8225)の平均年収502万円と評判|長野の観光みやげ品卸
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:長野市本社・観光みやげ品卸の上場企業(証券コード8225)
- 平均年収:502万6,612円(第80期有報・単体/前期比+6.8%)
- 事業構造:連結売上の82.5%がみやげ卸売。残りは6事業に分散
- 注意点:会社自身が2027年3月期を減収予想。入社期の見極めが必要
この記事で扱うのは、株式会社タカチホ(証券コード8225・東京証券取引所スタンダード市場/長野県長野市)です。宮崎県の観光地である高千穂峡・高千穂神社、学校法人の高千穂大学、そして証券コード2676の高千穂交易とは、いずれも資本関係のない別の法人です。ここを取り違えると、年収も事業内容も採用情報もすべて別会社のものを見ることになります。まず同定から始め、そのうえで第80期(2026年3月期)有価証券報告書の一次データを使って、この「観光みやげ品卸」という珍しい業態を転職先としてどう評価すべきかを整理します。
株式会社タカチホ(8225)とはどんな会社か|まず「高千穂」との違いを整理する
結論から言えば、株式会社タカチホは長野県長野市に本社を置き、東日本の観光地の土産売店へ商品を卸す「観光みやげ品卸」の上場企業です。読者がこの記事で最初に得られるのは、「自分が調べようとしている会社は本当にこの会社か」という確認です。社名の読みが同じ法人・地名が多いため、ここを固めないまま年収や評判を読んでも判断材料になりません。
混同されやすい同名・類似名の法人と観光地
検索結果に混ざりやすいものを、あらかじめ切り分けておきます(公式情報にもとづく法人の別)。
- 高千穂峡・高千穂神社・高千穂牧場:宮崎県の観光地・施設。企業ではありません。
- 高千穂大学:東京都杉並区の学校法人。事業会社ではありません。
- 高千穂交易株式会社(2676):東証スタンダード上場の商社ですが、本記事の株式会社タカチホ(8225)とは別法人です。
- 株式会社タカチホ(8225):本記事の対象。長野市大豆島に本社を置く、みやげ品卸を主力とする事業会社です。
求人票やIR資料を見るときは、証券コード8225と本社所在地が長野県長野市大豆島5888番地であることを確認するのが最も確実です。
1949年の「高千穂ストアー」から続く長野の老舗
有価証券報告書の沿革によると、同社は1949年に「株式会社高千穂ストアー」として長野で創業し、1951年に善光寺周辺の土産品卸へ事業の軸を移し、1963年に現在の商号へ変更しています。上場の経緯は、1994年10月に日本証券業協会へ店頭登録、2004年12月にジャスダック証券取引所へ上場、2022年4月の市場区分見直しで東証スタンダード市場へ移行、という流れです。さらに2025年1月24日に名古屋証券取引所メイン市場へ重複上場しており、時価総額100億円未満クラスの中小型株としては珍しい動きをしています。
つまり「善光寺の門前で始まった土産卸が、東日本一円の観光流通網に育ち、75年以上続いている」というのがこの会社の輪郭です。推定情報として付け加えると、こうした地域密着の老舗は、急成長よりも取引先との長期関係で稼ぐ構造になりやすく、働き方や評価制度もその文化を引き継いでいる可能性があります。
株式会社タカチホの公式データ一覧(第80期有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。数値はすべて第80期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)の有価証券報告書によるものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社タカチホ(Takachiho Co.,Ltd.) |
| 証券コード/上場市場 | 8225/東証スタンダード市場・名証メイン市場(2025年1月24日に名証へ重複上場) |
| 本社所在地 | 長野県長野市大豆島5888番地 |
| 創業/現商号 | 1949年創業(株式会社高千穂ストアー)/1963年に現商号へ変更 |
| 主な事業 | みやげ卸売・みやげ小売・みやげ製造・温浴施設・不動産賃貸・アウトドア用品・その他(飲食)の7セグメント |
| 平均年間給与 | 5,026,612円(提出会社・単体/前事業年度比+6.8%。基準外賃金および賞与を含む) |
| 平均年齢 | 45.8歳(提出会社・単体) |
| 平均勤続年数 | 14.9年(提出会社・単体) |
| 従業員数 | 連結218名(外、平均臨時雇用者93名)/提出会社195名(外、平均臨時雇用者13名) |
| 売上高 | 連結9,691百万円(前期比+13.5%)/単体8,897百万円 |
| 営業利益 | 連結485百万円(前期比+11.0%) |
| 経常利益/当期純利益 | 490百万円(+12.3%)/328百万円(+6.4%、親会社株主に帰属) |
| 財務指標 | 自己資本比率57.90%/ROE13.58% |
| 翌期(2027年3月期)会社予想 | 売上高9,300百万円・営業利益500百万円・経常利益495百万円・純利益347百万円 |
| 出典 | 第80期 有価証券報告書(2026年6月26日提出/EDINETコード E02787) |
この表で特に注目すべきは、連結218名に対して提出会社が195名=単体比率が約89%である点です。持株会社ではなく事業会社本体が主要な従業員を抱えているため、有価証券報告書に載る平均年間給与が会社の実態をかなり反映しているという意味になります。連結従業員の大半が子会社に所属する企業では有報年収が実態と乖離しますが、同社はその心配が小さい構造です。ただし卸売の実務の一部は13社の地域子会社が担っており、子会社勤務者の給与水準は有価証券報告書では開示されていません。
7つのセグメントで見る事業構造|売上の82.5%は「みやげ卸売」
この章で分かるのは、「入社後に自分が配属される事業が、会社の中でどれくらいの規模と収益性を持つのか」です。同社は7つの報告セグメントを持ちますが、規模も利益率もまったく違います。第80期のセグメント別売上・利益(有価証券報告書によると)は次のとおりです。
| セグメント | 売上高 | 前期比 | セグメント利益 | 売上比率 |
|---|---|---|---|---|
| みやげ卸売 | 7,994百万円 | +20.8% | 672百万円 | 約82.5% |
| みやげ小売 | 683百万円 | ▲14.7% | 57百万円 | 約7.0% |
| 温浴施設 | 331百万円 | +4.3% | 44百万円 | 約3.4% |
| みやげ製造 | 266百万円 | +21.6% | 59百万円 | 約2.7% |
| アウトドア用品 | 222百万円 | ▲42.2% | ▲9百万円(営業損失) | 約2.3% |
| 不動産賃貸 | 147百万円 | ▲0.5% | 50百万円 | 約1.5% |
| その他(飲食) | 45百万円 | ▲6.0% | 0百万円(営業損失) | 約0.5% |
各セグメント利益の合計は約873百万円で、連結営業利益485百万円との差は全社費用等の調整によるものです(推定情報を含む編集部の読み取り)。この表から読める転職判断上のポイントを3つに分けて説明します。
主力のみやげ卸売|東日本約1,500店への供給網が資産
売上の8割超を占める中核事業です。取引先はホテル・旅館、JR駅ビル、高速道路のサービスエリアなど約1,500店の土産売店で、東日本を中心に展開しています。従業員の内訳を見ると、提出会社195名のうち118名(約60%)がみやげ卸売に配置されており、入社後の主戦場が営業・商品供給サイドであることが数字で確認できます。
連結売上9,691百万円を連結従業員218名で割ると、1人当たり売上高は約4,400万円(編集部算出)。卸売業らしく1人が動かす金額は大きく、その分、与信管理や在庫・返品のコントロールが個人の成果に直結しやすい仕事です。有価証券報告書の「事業等のリスク」にも取引先の信用リスクが明記されており、営業職には売る力だけでなく回収・条件交渉の目線が求められます(推定情報)。
利益率が突出する不動産賃貸と温浴施設
見落とされがちですが、不動産賃貸は売上147百万円に対してセグメント利益50百万円=利益率約34%と、規模は小さくても利益の下支え役になっています。商業施設「ショッピングタウンあおぞら」の賃貸事業です。温浴施設「まめじま湯ったり苑」も売上331百万円に対し利益44百万円(約13%)で、いずれも卸売の約8.4%より高い水準です。みやげ製造(自社製菓工場でのクッキー類)も売上266百万円に対し利益59百万円で約22%と、製造機能を持つことが粗利改善に効いていることが読み取れます。
この構造は、業界共通のテーマである「卸を軸にした多角化」の典型です。観光施設の売上に業績が連動しやすい卸売専業のリスクを、小売・製造・温浴・不動産で分散している形といえます。推定情報として、キャリアの観点では卸営業から小売運営・商品開発・施設運営へ横移動できる余地があり、社内でのキャリア幅は業態の割に広い可能性があります。
2期連続で営業赤字のアウトドア用品事業
一方で、釣具・キャンプ用品を扱うアウトドア用品事業(店舗名「アウトドアステーションバンバン」)は、売上222百万円で前期比▲42.2%、セグメント損失9百万円と苦戦しています。前期も26百万円の営業損失で、2期連続の赤字です。有価証券報告書のリスク項目にも同業他社との競合が挙げられており、第80期には減損損失15,370千円を特別損失に計上しています。
また、みやげ小売事業も売上▲14.7%で、賃借契約満了に伴う店舗閉店(富士旬粋、高田店など)が続いています。配属される事業によって、追い風の中で数字を作れるか、縮小の中で立て直しを担うかが変わるのがこの会社の特徴です。求人に応募する際は、募集ポジションがどのセグメントに属するかを必ず確認すべきポイントになります。
平均年収502万円をどう読むか|有報の一次データと前期比+6.8%の賃上げ
結論として、公式情報である第80期有価証券報告書によると、株式会社タカチホの提出会社(単体)平均年間給与は5,026,612円(約502.7万円)です。この数値は基準外賃金および賞与を含みます。読者にとっての意味は、「地方中小型株の卸売企業として、給与がどの位置にあるか」と「今それが上がっている局面なのか」の2点です。
公式の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数
2026年3月31日現在の従業員データ(有価証券報告書によると)は次のとおりです。
- 平均年間給与:5,026,612円(前事業年度比+6.8%)
- 平均年齢:45.8歳
- 平均勤続年数:14.9年
- 従業員数:提出会社195名(外、平均臨時雇用者13名)/連結218名(外、同93名)
前期比+6.8%という開示から逆算すると、前期の平均年間給与は約470万円台だったことになります(編集部による算出=推定情報)。1年で30万円以上動いた計算で、これは定期昇給だけでは説明しにくい変動幅です。後述する業績回復と賞与の連動が効いている可能性が高いといえます。
もう一つ重要なのが、平均年齢45.8歳・平均勤続14.9年という組み合わせです。単純計算で平均入社年齢は31歳前後となり、新卒一括採用だけでなく中途入社者も一定数いる組織像が浮かびます。同時に、平均年齢が45歳を超えている点は推定情報として「若手が薄く、ポジションが上の世代で埋まっている可能性」も示唆します。502万円という平均額は、この年齢構成を前提に読む必要があります。20代・30代の実額はこれより低い水準になるのが一般的です。
口コミに現れる年収・賞与の傾向
ここからは断定できない口コミ傾向の話です。前提として、同社は連結218名規模のため口コミの投稿件数自体が非常に少なく、統計的な分析には耐えません。件数を確認したうえで参考程度に読むのが妥当です。
- エン カイシャの評判(エン ライトハウス):総合3.3点/口コミ34件。不満点として「年収・給与」「退職金制度」が挙がる投稿傾向があります。
- 転職会議:総合3.29点。「賞与は1.5ヶ月」という書き込みがある一方、「不要な残業はなく残業代も出る」「部署によっては業務手当が支給される」という声も併存します。
- OpenWork:総合2.89点ですが回答は2件と極小で、点数の信頼性は高くありません。
- 就活会議:新卒向けの口コミが約50件あり、地方老舗の安定感を評価する声が中心です。
注意したいのは、口コミの「給与が上がりにくい」という声の多くは、賃上げ前の期間に書かれた可能性がある点です。有報の平均年間給与が前期比+6.8%で動いている事実と、過去の投稿は必ずしも同じ時点を見ていません。口コミ傾向は入社後の空気感を知る材料として使い、金額そのものは有報と労働条件通知書で確認するのが正しい順序です。
職種別の目安と、内定時に確認すべき3点
職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。そのため以下はあくまで推定情報ですが、平均502万円・平均年齢45.8歳という構成から逆算すると、20代の若手営業職は平均を下回るレンジ、エリア担当や店長・管理職クラスで平均前後から上、というのが自然な見立てです。有価証券報告書には、中期経営計画(2026年3月期〜2028年3月期)の人材ビジョンとあわせて「年齢・性別・勤続年数に依拠した属人的手当に頼らない給与体系」=基本給と業績連動賞与を中心としたシンプルな構成が明記されています。
これを踏まえ、内定・面接段階で確認すべきは次の3点です。
- 賞与の算定方式:業績連動である以上、好調期と不調期で年収が振れます。第76期のような赤字局面での支給実績を確認できると判断精度が上がります。
- 雇用主が本体か地域子会社か:有報の502万円は提出会社(単体)の数値です。子会社雇用の場合、給与テーブルは別である可能性があります。
- 手当と退職金制度の中身:属人的手当を絞る方針が明記されている以上、住宅手当・家族手当の有無は個別に確認する価値があります。
業績はコロナ赤字からのV字回復|万博特需と2027年3月期の減収予想
この章の結論は、同社は「回復の終盤」にいる可能性があり、入社するタイミングによって見える景色が変わるということです。数字で確認します。
第76期の経常赤字から第80期の過去最高益へ
有価証券報告書によると、連結売上高の5期推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結売上高 | 連結従業員数 | 主な状況 |
|---|---|---|---|
| 第76期(2022年3月期) | 5,247百万円 | 227名 | コロナ影響で経常損失△220百万円・純損失△154百万円 |
| 第77期(2023年3月期) | 7,334百万円 | 207名 | 観光需要の回復局面へ |
| 第78期(2024年3月期) | 8,015百万円 | 198名 | 増収が続く一方、従業員数は198名で底を打つ |
| 第79期(2025年3月期) | 8,536百万円 | 212名 | 増員へ転換 |
| 第80期(2026年3月期) | 9,691百万円 | 218名 | 前期比+13.5%。営業利益485百万円(+11.0%) |
4期で売上は約1.85倍。従業員数も198名を底に2期連続で増えており、採用を絞っていた局面から再び人を採る局面へ移ったことが読み取れます。配当も2022年・2023年3月期の無配から、2024年3月期40円→2025年50円→2026年100円へと急回復し、連結配当性向30%を目標に掲げています。営業利益率は約5.0%で、卸売業としては数%台にとどまりやすい水準(推定情報)の中では悪くない位置です。これは製造・不動産賃貸といった高利益率セグメントを抱えているためと考えられます。
会社自身が減収を予想している意味
ただし、手放しで評価できる状況ではありません。第80期の増収は大阪・関西万博への商品供給が特需として寄与しており、みやげ卸売+20.8%・みやげ製造+21.6%という伸びの一部はこの反動を受ける可能性があります。実際、会社自身が2027年3月期の会社予想を売上高9,300百万円(前期比で減収)と置いています。営業利益は500百万円と微増予想ですが、トップラインの減少を織り込んだ計画です。

回復しているのか、これから落ちるのか、どっちで見ればいいの?
読み方は「赤字からの回復は完了し、特需のはく落を利益率の改善で吸収するフェーズに入った」です(推定情報)。転職者にとっての実務的な意味は明確で、入社1年目に「前年割れの予算」を背負う可能性があるということ。面接では、万博特需の反動をどう見込んでいるか、担当エリアの目標がどう設定されるかを聞いておくと、入社後のギャップを減らせます。
評判・口コミの傾向|「件数が少ない」という前提から読む
ここで得られるのは、数字に出ない働き方の空気感です。ただし繰り返しになりますが、口コミ傾向として扱える件数は限られます(エン カイシャの評判34件、転職会議、OpenWork2件、就活会議約50件)。1件の投稿が平均点を大きく動かす規模であることを前提に読んでください。
評価されている点
- 事業の優位性・挑戦姿勢:エン カイシャの評判では「事業の優位性」「イノベーションへの挑戦」がいずれも3.5点と、総合3.3点より高く出ています。ニッチ業態で確立した取引網が評価されている投稿傾向です。
- 人間関係:良い点として「スタッフ全員が協力的」という声が挙がっています。少人数組織ゆえの距離の近さが働きやすさにつながっているという見方ができます。
- 女性の働きやすさ:「女性が働きやすい」という投稿もあります。ただし後述の女性管理職比率とは分けて考える必要があります。
- 残業の実態:転職会議では「不要な残業はなく残業代も出る」という声があり、月平均残業は24.4時間と表示されています。
不満が集まりやすい点
- 給与・退職金制度:エン カイシャの評判の悪い点として、残業・勤務時間、年収・給与、退職金制度が挙がっています。
- 経営陣への評価:同サイトの項目別で「経営陣の手腕」が3.0点と最も低く出ています。
- 業務量:退職検討理由として「責任と業務量の増加」が挙げられています。少人数で複数事業を回す構造の裏返しといえます。
- 労働時間の運用:転職会議には「サービス残業や無給の休日出勤があった」という指摘も投稿されています。一方で残業代支給を評価する声も併存しており、部署・時期による差が大きい可能性があります。
有給消化率は媒体によって45.9%(転職会議)と92.4%(OpenWork)と大きく食い違っており、この数値から実態を断定することはできません。応募時に、有給取得率と繁忙期(観光シーズン・年末年始)の休暇運用を直接確認することをおすすめします。
働き方と労務データ|残業・有給・労働組合・女性活躍の実数
口コミより信頼度が高いのは、有価証券報告書に載る法定開示項目です。公式情報として確認できる労務データを整理します。
| 項目 | 第80期の開示値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 男女賃金差異(全労働者) | 59.0%(女性÷男性) | 職位・雇用形態の構成差を含む値 |
| 同(正規雇用労働者) | 78.1% | 正規に限ると差は縮小する |
| 同(パート・有期) | 70.9% | 臨時雇用者93名の存在が全体値に影響 |
| 女性管理職比率 | 3.2%(前期3.6%) | 前期から低下している |
| 男性育児休業取得率 | 0.0%→100.0% | 前期0%から急改善 |
| 労働組合 | 1973年結成→2020年3月31日に解散(現在なし) | 有報は「労使関係は円満」と記載 |
この表は、同社の労務環境が「一方向に良い/悪い」と評価できない凸凹型であることを示しています。男性育休取得率が0.0%から100.0%へ動いたのは制度運用が実際に変わった証拠といえる一方、女性管理職比率3.2%は前期の3.6%から下がっており、管理職層の多様化はこれからの課題です。男女賃金差異が全労働者ベースで59.0%と開く一方、正規雇用に限れば78.1%まで縮まる点も、パート・有期の女性比率が高い小売・温浴事業を抱える業態構造の反映と考えられます(推定情報)。
労働組合が2020年3月に解散し現在は存在しない点は、賃金交渉のチャネルという観点で押さえておくべき事実です。ただし直近で平均年間給与が+6.8%動いていることから、組合の有無が賃上げの可否を直接決めているとは読めません。推定情報として、業績連動の色が濃い給与体系と組み合わせて理解するのが妥当です。
同業・近隣上場企業との比較|比べる相手で見え方が変わる
「観光みやげ品卸」は上場企業がごく少ないため、単純な同業横並びが作りにくい業態です。そこで、比較の目的別に相手を変えるという整理をします。年収は各社で開示条件(単体/連結、対象期)が異なるため、本記事では有価証券報告書の実額を確認できたもの以外に数値を掲載していません。
| 企業名(証券コード) | 事業の中心 | 平均年間給与の扱い | タカチホと比べる意味 |
|---|---|---|---|
| 株式会社タカチホ(8225) | 観光みやげ品の卸売+小売・製造・温浴・不動産 | 5,026,612円(第80期有報・提出会社) | 本記事の基準値 |
| マルイチ産商(8228) | 食品卸(長野市本社) | 各種公開情報で約639万円とされる(二次情報。同社IRで要確認) | 同じ長野市の卸売上場企業。地元で転職先を並べたときの現実的な比較対象 |
| 寿スピリッツ(2222) | 観光土産菓子の製造・販売 | 各社IRで要確認(本記事では数値を掲載しない) | 土産「メーカー」側の代表格。卸とメーカーの収益構造の違いを見る軸 |
| 井村屋グループ(2209) | 菓子・食品の製造 | 各社IRで要確認(本記事では数値を掲載しない) | 製造機能を持つ企業との待遇比較 |
| 極楽湯ホールディングス(2340) | 温浴施設の運営 | 各社IRで要確認(本記事では数値を掲載しない) | 温浴施設セグメントに配属される場合の業界比較 |
比較から見える推定情報としての示唆は2つです。第一に、同じ長野市の卸売上場企業であるマルイチ産商とは規模(従業員560名規模とされる)にも給与水準にも差があり、地元で卸売業を軸に転職先を探すなら、両社を並べて条件を確認する価値があります。第二に、寿スピリッツのような土産メーカー側と比べると、タカチホは「作る」より「集めて届ける」機能が中心であり、身につくスキルの方向が異なります。商品開発志向が強い人はメーカー側、取引先網・売場提案志向が強い人は卸側が合いやすいという整理ができます。
将来性を業界構造から評価する|インバウンド・物流2026年問題・中抜き
結論として、市場環境は追い風だが、卸という機能そのものへの構造的な圧力も同時に強まっているというのが公平な見立てです。良い面と厳しい面を分けて示します。
追い風の側
- 訪日客数・訪日消費額は過去最高水準を更新しており、政府は2030年に訪日6,000万人・消費15兆円を目標に掲げています。土産菓子・ご当地菓子市場も2019年比で伸びるとの民間調査があります。
- ホテル・旅館、JR駅ビル、高速道路SA、道の駅といった土産売店チャネルへの卸需要は中期的に底堅いと考えられます。
- 同社は卸で得た売れ筋データを自社製造・直営小売に還流できる垂直統合を持っており、粗利率の改善余地があります(実際、みやげ製造のセグメント利益率は約22%)。
逆風・構造リスクの側
- 外部環境への連動:有価証券報告書の「事業等のリスク」には、景気動向、食品衛生法・公衆浴場法等の法的規制、天候不順・自然災害による観光客減、取引先の信用リスク、アウトドア用品事業の競合、減損会計の影響の6項目が明記されています。第76期の経常赤字はこの構造が現実化した例です。
- 物流2026年問題:ドライバーの時間外労働規制が完全適用され、輸送能力の低下が指摘されています。全国の観光地に点在する小規模売店へ季節波動の大きい小口配送を行う土産卸は、この影響を強く受ける業態です。共同配送・納品リードタイム見直し・受発注のデジタル化が業界課題になっています。
- 中抜きリスク:メーカーと小売の直接取引やECの拡大により、卸の中間機能が縮小する懸念は業界共通です。棚割提案や在庫・返品削減といった「売場づくりのパートナー」機能を出せるかが分岐点になります。
- 消費行動の変化:「モノからコト」へのシフトで、観光地の人出の回復に比べ土産菓子の売上回復はやや弱いとの指摘があります。大量購入型から選別型へ、買われ方自体が変わっています。
したがって推定情報としての評価は、「観光需要という追い風の中で、物流コストと中間機能の価値をどこまで自社で作れるかにかかっている会社」です。単に「観光が戻るから安泰」とは言えず、逆に「卸だから縮小する」とも言えません。転職判断としては、同社が売場提案・PB/OEM開発・物流効率化のどこに人材を投じているかを面接で確認するのが、将来性を測る最も実務的な方法です。
求人・応募時に押さえるべきこと|本体か地域子会社かで条件が変わる
「タカチホ 求人」「株式会社タカチホ 求人」で検索してたどり着いた方に向けて、応募前に整理しておくべき論点をまとめます。
まず構造の理解です。同社は本体に加えて連結子会社13社(越後銘販、札幌旬彩堂、青森銘販、奥羽銘販、庄和堂、蔵王銘販、郡山銘販、赤城銘販、佐渡銘販、東京旬彩堂、富士銘販、ひだ銘販、タカチホサービス)を持ちます。社名が「地域名+銘販」「地域名+旬彩堂」で統一されており、実質的に東日本の地域別営業拠点を分社化した体制と読めます。有価証券報告書によると提出会社195名・連結218名なので、子会社は1社あたり少人数の組織です。
そのうえで、応募時のチェックポイントは次のとおりです(推定情報を含みます)。
- 雇用主の確認:本体採用か地域子会社採用かで、勤務地・給与テーブル・異動範囲が変わる可能性があります。有報に載る502万円は提出会社の数値です。
- 配属セグメントの確認:みやげ卸売(118名配置)が主戦場ですが、製造35名、小売13名、アウトドア5名、温浴4名、不動産2名、管理部門18名と規模差が大きく、事業ごとに業績局面も異なります。
- 勤務地と移動の実態:観光地の売店を回るルート営業は車移動が中心になりやすく、担当エリアの広さが働き方を左右します。
- 採用規模の現実:単体195名規模の会社であり、大量採用型ではありません。募集職種はルート営業、店長、SE、経理などが公開ルート(公式採用サイト、ハローワーク、転職媒体)に出るタイプです。
なお、公開情報の範囲では、同社の行政処分・課徴金・重大訴訟にあたる事実は見当たりませんでした。有価証券報告書にも訴訟・行政処分の記載はなく、役員賠償責任保険の一般的な記載のみです。これは「問題が起きていない」と断定できる材料ではなく、あくまで公開情報の範囲でそうした記載がなかったという事実の報告です。
株式会社タカチホへの転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。どちらが良い・悪いではなく、環境との相性の問題として読んでください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 長野県・東日本を生活拠点に定めており、地元で長く働ける上場企業を探している人 | 都市部の大規模組織で、全国・海外規模の裁量を求める人 |
| 取引先との関係を数年単位で育てるルート営業の面白さが分かる人(平均勤続14.9年の定着型組織) | 短期で成果を出して2〜3年で次のポストへ移りたい、スピード重視の人 |
| 卸・小売・製造・温浴・不動産を横断する多角経営の中で、仕事の幅を広げたい人 | 単一職種を突き詰め、専門特化のキャリアを積みたい人 |
| 業績連動賞与の振れ幅を受け入れられ、会社の数字を自分ごととして見られる人 | 年収の固定性・予測可能性を最優先する人 |
| 観光・地域振興という領域そのものに関心があり、商品の売れる理由を設計したい人 | 組合による労働条件交渉の仕組みや、大企業型の手厚い制度を重視する人 |
編集部の見解|この会社を選ぶ価値があるのはどんな人か
編集部の見解として、株式会社タカチホは「規模で選ぶ会社」ではなく「業態と地域で選ぶ会社」だと考えられます。連結218名・売上96.9億円という規模は上場企業として小さく、給与の絶対額でも同じ長野市のマルイチ産商のような食品卸大手に及ばない可能性があります。それでもこの会社に価値があるとすれば、理由は3つです。
- 希少な業態で一次情報が揃っている:観光みやげ品卸の上場企業はごく少数で、業界研究の情報が薄い領域です。その中で有価証券報告書によって年収・従業員構成・セグメント別収益まで確認できるのは、非上場の同業と比べた大きな差です。
- 回復と賃上げが同時に起きている局面:第76期の経常赤字から4期連続増収、平均年間給与+6.8%、配当は無配から100円へ。会社の体力が戻る過程で入るのは、待遇改善の恩恵を受けやすいタイミングと考えられます。
- キャリアの持ち出しやすさ:観光チャネルの土地勘、小口多頻度取引の経験、売場提案のスキルは、食品卸・菓子メーカー・地域商社・ふるさと納税事業者・SAや駅ナカ運営会社のバイヤー職などへ横展開しやすい資産です。物流・SCM企画や需給管理の経験を積めば、業種を越えて評価されます。
逆に、慎重に見るべき点も明確です。2027年3月期は会社自身が減収を予想しており、万博特需の反動を受ける局面に入ります。アウトドア用品事業は2期連続の営業赤字、みやげ小売は店舗閉店が続き、女性管理職比率は3.2%へ低下しました。上位株主には投資ファンドが複数入り(JAIC系2本で計13.1%、ガバナンス・パートナーズ投資事業有限責任組合5.87%)、2025年2月には筆頭株主が入れ替わる異動が起きています。有価証券報告書には大規模買付者への対応方針も記載されており、資本政策面の緊張は継続していると読めます。
総合すると、「地方で腰を据えて、観光流通という具体的な商売を数字で回したい人」にはおすすめできる一方、待遇の絶対額・組織の安定感・制度の手厚さを最優先する人には、他の選択肢と並べて比較することを強くおすすめします。
株式会社タカチホに関するよくある質問(FAQ)
株式会社タカチホ(8225)への転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。
タカチホの平均年収はいくらですか?
公式情報として、第80期(2026年3月期)有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は5,026,612円(約502.7万円)です。前事業年度比+6.8%で、基準外賃金および賞与を含みます。平均年齢は45.8歳、平均勤続年数は14.9年です。職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていないため、募集ポジションごとの金額は求人票と労働条件通知書で確認してください。
宮崎県の高千穂や高千穂交易(2676)と関係はありますか?
関係ありません。本記事で扱う株式会社タカチホは証券コード8225・東証スタンダード市場(名証メイン市場にも重複上場)、本社は長野県長野市大豆島です。宮崎県の高千穂峡・高千穂神社・高千穂牧場は観光地、高千穂大学は学校法人、高千穂交易株式会社(2676)は別の上場企業であり、いずれも資本関係はありません。
どんな仕事があり、どこに配属される可能性が高いですか?
有価証券報告書の従業員内訳(提出会社195名)によると、みやげ卸売118名、みやげ製造35名、みやげ小売13名、アウトドア用品5名、温浴施設4名、不動産賃貸2名、全社(管理部門)18名です。最も配属される可能性が高いのは、土産売店へのルート営業を中心とするみやげ卸売と考えられます(推定情報)。ほかに自社製菓工場での製造、直営店「旬粋」「九九や旬粋」の小売運営、温浴施設「まめじま湯ったり苑」の運営などがあります。
残業や有給休暇の実態はどうですか?
口コミ傾向としては、転職会議で月平均残業24.4時間、OpenWorkで24.6時間と表示されています。有給消化率は媒体間で大きく食い違っており、この数値から実態を断定することはできません。観光業と接するため、行楽シーズンや年末年始の繁忙度と休暇運用は、面接時に直接確認することをおすすめします。
これから業績が伸びる会社ですか?
断定はできません。公式情報としては、連結売上高が第76期5,247百万円から第80期9,691百万円へ4期連続で増加し、営業利益485百万円(+11.0%)、ROE13.58%、自己資本比率57.90%という数字があります。一方で、2027年3月期の会社予想は売上高9,300百万円と減収です。第80期の増収には大阪・関西万博への商品供給という特需が寄与しており、その反動を織り込んだ計画と考えられます(推定情報)。中期経営計画(2026年3月期〜2028年3月期)の内容と、直近の四半期開示を公式IRで確認したうえで判断してください。
株式会社タカチホへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 企業の同定 | 証券コード8225・長野市大豆島・東証スタンダード/名証メイン。高千穂交易(2676)・高千穂大学・宮崎県の観光地とは別法人 |
| 年収水準 | 502万6,612円(第80期有報・単体)。前期比+6.8%の賃上げ局面。平均年齢45.8歳を前提に読む必要がある |
| データの信頼性 | 連結218名に対し提出会社195名=単体比率約89%。有報年収が実態を反映しやすい構造(子会社勤務者の給与は非開示) |
| 業績局面 | 第76期の経常赤字から4期連続増収・営業利益485百万円へ回復。ただし2027年3月期は会社予想が減収 |
| 事業リスク | アウトドア用品は2期連続営業赤字、みやげ小売は店舗閉店が継続。観光需要・天候・災害への感応度が高い |
| 働き方 | 月平均残業は口コミで24時間台。有給消化率は媒体間で乖離。労働組合は2020年3月に解散済み |
| 多様性・制度 | 男性育休取得率0.0%→100.0%と急改善。一方で女性管理職比率3.2%(前期3.6%)、男女賃金差異は全労働者59.0% |
| 将来性 | インバウンド拡大は追い風。物流2026年問題と卸の中抜きリスクへの対応力が分岐点 |
| キャリアの汎用性 | 観光チャネルの土地勘・小口多頻度取引・売場提案は、食品卸/地域商社/SA・駅ナカ運営会社などへ展開しやすい |
| 資本政策 | 上位株主に投資ファンド(JAIC系2本で計13.1%、ガバナンス・パートナーズ5.87%)。有報に大規模買付対応方針の記載あり |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。年収・従業員数・セグメント別業績はすべて第80期有価証券報告書(EDINETコード E02787/2026年6月26日提出)を一次情報としています。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第80期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。比較表に記載したマルイチ産商の平均年収は二次情報であり、同社IRでの確認を推奨します。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
