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横浜丸魚の年収663万円は単体91名の平均|評判と経常利益が営業の2倍になる構造

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収:有報の平均年間給与は662万6,511円。ただし提出会社単体91名の数値
  • 収益構造:営業利益4.6億円に対し経常利益9.0億円。差は配当金収入
  • 定着:平均年齢43.2歳・平均勤続17.7年。単体91名の小規模組織
  • 注意点:最大顧客1社で連結売上の約22.7%。口コミの母数は実質1名

横浜丸魚株式会社(証券コード8045・東証スタンダード市場)は、横浜市中央卸売市場本場を拠点とする水産物卸売会社、いわゆる「荷受」です。第90期有価証券報告書によると平均年間給与は662万6,511円で、前事業年度から+7.36%(約45万円)上昇しています。ただしこの金額は連結178名ではなく提出会社単体91名の平均であり、そのまま「横浜丸魚グループの年収」と読み替えることはできません。この記事では、有価証券報告書の実額をもとに、年収の内訳・稼ぎ方の構造・働き方・将来性を、転職判断に必要な順序で整理します。公式情報・口コミ傾向・推定情報を明確に分けて記載します。

横浜丸魚の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数値をまとめます。以下はすべて第90期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書および決算数値にもとづく公式情報で、二次的な年収アグリゲータの推計値は使用していません。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名横浜丸魚株式会社(Yokohama Maruuo Co., Ltd.)
証券コード・上場区分8045/東京証券取引所 スタンダード市場
本社〒221-0054 神奈川県横浜市神奈川区山内町1番地(横浜市中央卸売市場本場内)
設立1947年10月30日(設立時の商号は横浜市場荷受株式会社、1948年1月に現商号へ変更)
代表者代表取締役社長 小島 雅裕
平均年間給与662万6,511円(提出会社単体・賞与および基準外賃金を含む/前事業年度比+7.36%)
平均年齢43.2歳(提出会社単体/第89期は42.6歳)
平均勤続年数17.7年(提出会社単体/第89期は17.8年)
従業員数連結178名(ほか臨時従業員の年間平均99名)/提出会社単体91名(ほか臨時41名)
売上高連結406億4,362万円(前期比+2.0%)/提出会社単体284億1,840万円
営業利益連結4億6,240万円(前期比+30.4%/営業利益率約1.1%)
経常利益・純利益経常利益9億772万円(+27.7%)/親会社株主に帰属する当期純利益6億1,231万円(+20.5%)
財務指標総資産308億7,166万円/純資産210億5,194万円/自己資本比率67.9%/ROE3.2%
1株当たり配当・配当性向年34円(うち中間15円)/配当性向32.0%
労働組合横浜丸魚労働組合(2026年3月31日現在の組合員29人、前期31人)
男女の賃金差異・女性管理職比率・男性育休取得率公表義務の対象外として有価証券報告書では記載が省略されており、開示されていない
出典第90期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月22日提出)/公式IR・公式採用サイト

横浜丸魚はどんな会社か|横浜市中央卸売市場本場の水産物荷受

転職検討者がまず押さえるべきは、横浜丸魚が「魚を売る店」でも「水産メーカー」でもなく、産地から集荷した水産物を仲卸業者・売買参加者に卸す公共性の高い卸売会社(荷受)だという点です。有価証券報告書によると、拠点は横浜市中央卸売市場本場と、川崎市中央卸売市場北部市場内にある川崎北部支社(川崎市宮前区水沢1-1-1)の2カ所です。勤務地の選択肢が神奈川県内に限られることは、転職後の生活設計に直結します。

沿革をたどると、前身の横浜魚市場株式会社が1931年に水産物の荷受を開始し、戦時統制を経て1947年10月30日に「横浜市場荷受株式会社」として設立、翌1948年1月に現商号へ変更されています。株式は1963年6月に日本証券業協会へ店頭登録、2004年12月にジャスダック、2013年7月に東証JASDAQ(スタンダード)を経て、2022年4月4日の市場区分見直しで東証スタンダード市場へ移行しました。創業から数えれば90年超、会社設立からでも約80年の歴史を持つ地域インフラ型の企業という位置づけです。

「水産物荷受」の中で横浜丸魚がどこに立つのか

読者が混同しやすいのが、上場している水産物荷受が複数社あることです。中央魚類(8030)と築地魚市場(8039)は豊洲市場、OUGホールディングス(8041)は大阪市中央卸売市場を主戦場としており、横浜丸魚は横浜市中央卸売市場本場を地盤とする別法人です。同じ業態でも取扱規模・市場・収益構造は大きく異なります。なお築地魚市場は横浜丸魚の大株主でもあり(所有比率3.61%)、業界内での資本のつながりがある点は覚えておくと理解が進みます。

規模で見ると、連結売上高406億円・連結従業員178名という水準は、上場している水産物荷受のなかでは小さい部類に入ります。組織が小さいことは「一人あたりの担当範囲が広い」という実利にも、「ポストが空きにくい」という制約にもつながります。この二面性は、後述する平均勤続17.7年という数字と合わせて読むと立体的に見えてきます。

連結子会社4社と4つの報告セグメント

連結の範囲は、横浜丸魚本体に加えて水産物販売の株式会社ハンスイ(100%)、卸売の川崎丸魚株式会社(51%)、販売の館山丸魚株式会社(100%)、運送の株式会社横浜魚市場運送(100%)の4社です。親会社は存在せず、資本的には独立系です。報告セグメントは以下の4区分で、第90期の売上高とセグメント利益は次の通りです(公式情報)。

  • 水産物卸売事業:売上325億9,983万円/セグメント利益2億8,226万円(内訳は鮮魚96億28万円、冷凍97億8,550万円、塩干加工他132億1,152万円)
  • 水産物販売事業:売上74億6,961万円/セグメント利益1,526万円(量販店・外食産業への市場外販売)
  • 不動産等賃貸事業:売上1億8,675万円/セグメント利益1億2,642万円
  • 運送事業:売上3億8,742万円/セグメント利益3,904万円

売上の約8割を水産物卸売事業が占める一方で、利益の出方はまったく均等ではありません。この歪みが、この会社を理解するうえでの最大のポイントになります。

平均年収663万円の中身|提出会社単体91名・前年比+7.36%の実額

結論から書きます。第90期有価証券報告書「従業員の状況」に記載された平均年間給与は662万6,511円で、賞与および基準外賃金を含みます。対前事業年度増減率は+7.36%と有報に明記されており、第89期の617万2,186円から1年で約45万円増えた計算です。市場の荷受という業態から「薄給ではないか」と想像していた読者にとっては、実額とのギャップが最初の発見になるはずです。

ただし、ここが最も注意すべき点です。662万6,511円は提出会社(横浜丸魚単体)91名の平均であり、連結178名の平均ではありません。連結従業員のうち残る約87名が所属する子会社4社(ハンスイ、川崎丸魚、館山丸魚、横浜魚市場運送)の給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。求人を見る際は、応募先が本体なのかグループ会社なのかで前提が変わることを必ず確認してください(推定情報ではなく、開示範囲という事実の問題です)。

平均年収・平均年齢・平均勤続年数の推移から読める人材構造

第90期と第89期を並べると、この会社の人材構造がはっきり見えます。

  • 平均年間給与:617万2,186円(第89期)→ 662万6,511円(第90期/+7.36%)
  • 平均年齢:42.6歳 → 43.2歳
  • 平均勤続年数:17.8年 → 17.7年

平均年齢43.2歳に対して平均勤続17.7年ということは、25歳前後で入社してそのまま在籍し続ける社員が中心の「超長期定着型」だと読めます。有価証券報告書の人材戦略に関する記載でも、月例給は基礎給に年齢・勤続年数・等級を加味して算定するとされており、年功的な要素が制度として残っていることが公式に確認できます。

従業員数の推移も見ておきましょう。連結/単体の順に、第86期184名/95名 → 第87期184名/94名 → 第88期179名/95名 → 第89期178名/96名 → 第90期178名/91名と推移しており、単体は直近1年で5名減っています。母数が91名しかない組織で5名の減少は構成比では小さくない変化です。ただし有価証券報告書には離職率の開示がないため、この5名減が退職によるものか定年・グループ内異動によるものかは判断できません。ここを「離職が増えている」と断定するのは根拠に欠けます(推定情報としても踏み込みすぎです)。

初任給28万円に最初から「深夜手当8,000円」が組み込まれている

公式採用サイトによると、新卒総合職の初任給は次の通りです。

  • 営業部門配属:280,000円(基本給230,000円+住宅手当42,000円+深夜手当8,000円)
  • 管理部門配属:272,000円(基本給230,000円+住宅手当42,000円)

注目すべきは、営業部門の初任給に最初から深夜手当が固定的に組み込まれている点です。これは求人票から読み取れる客観的な事実で、深夜・早朝の時間帯に勤務する前提で給与設計がされていることを示します。なお始業の具体的な時刻は公式には明示されていないため、「何時出社か」までは断定できません。勤務時間は採用サイトに「出勤時間より9時間00分(8時間労働+1時間休憩)」と記載されているのが唯一の一次情報です。

また、住宅手当が42,000円と手厚く設定されている点も、初任給の水準を押し上げる要因になっています。諸手当は役職・営業・住宅・家族・超勤・通勤・深夜・衛生手当が用意され、福利厚生は社会保険完備、財形貯蓄、厚生資金貸付、保養施設、退職金制度(勤続3年以上)、交通費全額支給、社員食堂完備とされています。

求職者
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平均663万円って、市場の会社としては高いほうですか?

同じ2026年3月期の有価証券報告書で比べると、中央魚類668.5万円、OUGホールディングス(持株会社本体29名)702.3万円、築地魚市場609.4万円で、横浜丸魚の662.7万円は水産物荷受の上場企業のなかでは中位から中位上に位置します。特筆すべきは伸び率で、築地魚市場が▲8.7%だったのに対し、横浜丸魚は+7.36%と対照的でした(いずれも各社有価証券報告書の単体ベース)。

有価証券報告書で開示されていない年収データ

正直に書きます。転職検討者が知りたい以下の項目は、横浜丸魚の有価証券報告書では取得できません。

  • 男女の賃金差異・女性管理職比率・男性育休取得率:いずれも「公表義務の対象外」として記載が省略されている
  • 職種別・役職別の年収レンジ:開示なし
  • 離職率・平均残業時間・有給休暇取得率:有価証券報告書には記載がなく、口コミサイトでも未開示
  • 子会社4社の給与水準:提出会社単体のみの開示のため取得不可

これらを推測値で埋めることはしません。実際の条件は、選考の過程および内定時の労働条件通知書で確認するのが唯一確実な方法です。

経常利益が営業利益の約2倍になる理由|配当金収入という第二の柱

この会社の損益計算書には、他業種から転職を検討する人が見落としやすい特徴があります。第90期の連結業績は次の通りです(公式情報)。

  • 連結売上高:406億4,362万円(前期比+2.0%、+8億100万円)
  • 連結営業利益:4億6,240万円(+30.4%)=営業利益率 約1.1%
  • 連結経常利益:9億772万円(+27.7%)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益:6億1,231万円(+20.5%)

営業利益4.6億円に対して経常利益が9.0億円と約2倍に膨らんでいます。この差の主因は、受取配当金をはじめとする営業外収益、すなわち政策保有株式からの配当です。横浜丸魚の有価証券報告書は事業等のリスクのなかで、配当金収入が損益に与える影響は「多大」であると明記しています。つまり会社自身が、本業以外の収益源への依存を経営リスクとして開示しているということです。

これは転職判断に直結します。「経常利益9億円の会社」という表面的な印象で入社を決めると、実際に自分が配属される本業の稼ぎ方(営業利益率1.1%の世界)とのギャップに戸惑う可能性があります。本業で稼ぐ力と、保有資産から得る収益は分けて評価すべきです。

セグメント別に見ると「本業だけで稼いでいない」構造が見える

第90期のセグメント別の利益率を計算すると、事業ごとの稼ぎ方の違いが明確になります(数値は有価証券報告書のセグメント情報から算出)。

セグメント売上高セグメント利益利益率(算出値)
水産物卸売事業325億9,983万円2億8,226万円約0.9%
水産物販売事業74億6,961万円1,526万円約0.2%
不動産等賃貸事業1億8,675万円1億2,642万円約68%
運送事業3億8,742万円3,904万円約10%

売上325億円の水産物卸売事業が2億8,226万円しか利益を残さないのに対し、売上わずか1億8,675万円の不動産等賃貸事業が1億2,642万円の利益を上げています。売上規模で175倍の差がある事業が、利益では2.2倍しか違わないという構図です。水産物販売事業(市場外販売)にいたっては利益率0.2%で、第90期には同セグメントで閉鎖の意思決定に伴う減損損失1,026万円が特別損失に計上されており、連結内での事業の取捨選択が進んでいることがうかがえます。

この構造は、水産物荷受という業態に共通する特徴でもあります。本業の卸売は受託手数料や仕切差益が中心で営業利益率1%前後にとどまりやすく、冷蔵倉庫・不動産・運送といった非卸売セグメントが利益を支えるのが業界の一般的な姿です。転職者の視点で言えば、非卸売セグメント(不動産管理・運送・物流設計)の経験は社内でも転職市場でも希少性が出やすい領域だと考えられます(推定情報)。

2022年3月期の営業赤字から3期連続増益へ

好調な数字だけを並べるのは公平ではないので、5期分の連結営業利益の推移を示します。

  • 第86期(2022年3月期):△1億5,230万円(営業赤字)
  • 第87期(2023年3月期):1億2,299万円
  • 第88期(2024年3月期):2億7,708万円
  • 第89期(2025年3月期):3億5,472万円
  • 第90期(2026年3月期):4億6,240万円

わずか4年前には営業赤字を計上していた事実は隠すべきではありません。同時に、そこから3期連続で営業増益を続け、赤字期から約6億円の改善を実現しているのも事実です。売上高の推移(375億9,223万→406億7,078万→386億1,416万→398億4,189万→406億4,362万円)を見ると、売上はほぼ横ばいのレンジで動いており、利益改善は売上拡大ではなく採算管理によってもたらされたと読めます(推定情報)。第91期(2027年3月期)の会社予想は売上高412億円・営業利益4億8,000万円で、慎重ながら増収増益の計画です。

なお提出会社単体では売上高284億1,840万円・営業利益8億5,034万円と、連結の営業利益4億6,240万円を上回ります。ただし連結と単体の差には子会社側の損益と連結上の内部取引消去の双方が影響するため、この差だけで子会社の巧拙を評価することはできません。

ロピア1社で連結売上の約22.7%|成長ドライバーと集中リスクの二面性

有価証券報告書の「主要な顧客ごとの情報」には、転職検討者が必ず知っておくべき数字が載っています。最大顧客は食品スーパーの株式会社ロピアで、第90期の売上高は92億4,414万円。連結売上高406億4,362万円に対して約22.7%を占めます。前期の77億3,349万円から約19億円増えており、連結の増収分(+8億100万円)を大きく上回る伸びです。

これは二面性をもって読む必要があります。

  • ポジティブ面:量販店ルートを自ら開拓し、市場を経由しない流通が広がるなかでも取引を伸ばせている。会社が「集荷と販売を自ら作る」方向に動けている実証と考えられる
  • ネガティブ面:1社で売上の2割超という顧客集中は、取引条件の変更や取引縮小が起きた場合の業績インパクトが大きい

加えて有価証券報告書は、事業リスクとして品質問題による補償損失、政策保有株式の配当金収入の減少、在庫の市況変動による評価損、漁獲量・魚価の変動、異常気象・自然災害、ロシア・ウクライナ紛争によるロシア産水産物の調達難と欧州迂回ルートによるコスト増、中東情勢による燃料費高騰を挙げています。仕入も販売も外部環境に大きく振られる業態であることは、入社前に理解しておきたい点です。

口コミの母数は実質1名|横浜丸魚の評判をどう読むか

ここは他の記事があまり正直に書かない部分なので、はっきり示します。横浜丸魚の口コミ情報は、統計的な代表性を持つほど集まっていません。

  • OpenWork:総合評価2.95/5.0。社員クチコミ8件・年収給与1件。ただし実質的な回答者は「元営業職・勤続3年未満・2020年以前退職」の1名に集中
  • エン ライトハウス:検索しても該当企業のページが見当たらず、掲載を確認できなかった
  • 転職会議:企業ページを特定できなかった

OpenWorkの項目別スコアは、待遇面の満足度2.9/社員の士気2.9/風通しの良さ3.0/社員の相互尊重2.9/20代成長環境2.9/人材の長期育成2.9/法令順守意識3.2/人事評価の適正感2.9。法令順守意識だけがやや高く、残りはほぼ横並びの2.9台です。残業時間・有給休暇取得率はいずれも未開示でした。

この数字をどう扱うべきか。回答者が実質1名である以上、「評価2.95だからこういう会社だ」と結論づけることはできません。単体91名・連結178名という規模を踏まえれば、口コミが集まらないこと自体はごく自然な現象です。むしろ口コミ傾向として言えるのは、「退職者を含めても投稿が8件しかない=人の出入りが激しい組織ではない可能性がある」という間接的な示唆にとどまります(推定情報)。

口コミが薄い企業を評価するときは、代わりに有価証券報告書の人的資本データを見るのが現実的です。横浜丸魚の場合、平均勤続17.7年、労働組合(横浜丸魚労働組合/組合員29人)の存在、平均年間給与+7.36%の引き上げという3つの一次情報が、口コミの代替指標として機能します。特に平均勤続17.7年は、上場企業全体で見ても長い部類に入る水準です。

なお、コンプライアンス面については、第90期有価証券報告書の「事業等のリスク」「コーポレート・ガバナンスの状況」「重要な後発事象」「偶発債務」および直近2年の適時開示のいずれにも、不祥事・行政処分・課徴金・訴訟に関する記載はありませんでした。「不祥事が存在しない」と断定はできませんが、開示ベースでは該当する事実は見当たりません。また、2023年5月12日に会計監査人の異動が開示され、現在は監査法人FRIQが監査を担当しています。これは監査法人の交代であって、行政処分や不正会計を意味するものではありません。

働き方と休日|市場カレンダー準拠で年間休日112日

転職後の生活が最も大きく変わるのが、この項目です。公式採用サイトによると、休日は日曜・祝日・隔週水曜(市場カレンダーに準拠)+お盆・年末年始で、2024年の年間休日は112日。ほかにリフレッシュ休暇7日、有給休暇5日の取得が必須とされています。

ここで重要なのは日数そのものより「休みの入り方」です。一般的なオフィスワークの土日休みとは異なり、土曜は市場の開市日にあたるため出勤日になり、代わりに水曜が隔週で休みになるという組み立てです。家族や友人との予定が合いにくい、土日開催のイベントに参加しづらいといった生活面の影響は、入社前に具体的にイメージしておくべきポイントになります。

勤務時間帯についても事実ベースで整理します。有価証券報告書に勤務時間の記載はなく、公式採用サイトの「出勤時間より9時間00分(8時間労働+1時間休憩)」が唯一の一次情報です。始業時刻そのものは公式に明示されていないため断定できませんが、営業部門の初任給に深夜手当8,000円が固定で含まれていることから、深夜・早朝の時間帯に勤務する前提の職場であることは事実として読み取れます。

水産物荷受という業態は、業界全体として早朝・深夜の稼働が前提で、開市日カレンダーに沿って土曜も動きます。この生活リズムを受け入れられるかどうかが、適性の最大の分かれ目だと考えられます(推定情報)。逆に言えば、日中の商談中心の営業スタイルを想定している人にとっては、業務そのものより生活時間の設計が課題になります。

同業の水産物荷受と比べた横浜丸魚の位置

読者が実際に併願・比較検討しそうな上場水産物荷受3社と並べます。公式情報にもとづく数値ですが、平均年間給与はいずれも各社の提出会社(単体)ベースであり、グループ全体の平均ではない点に注意してください。決算期はすべて2026年3月期で揃っています。

企業名平均年間給与(単体)連結売上高営業利益率従業員数(単体/連結)主な拠点市場
横浜丸魚(8045)662.7万円(+7.4%)406.4億円約1.1%91名/178名横浜市中央卸売市場本場
中央魚類(8030)668.5万円(+0.4%)1,586億円約2.1%217名/794名豊洲市場
築地魚市場(8039)609.4万円(▲8.7%)674.5億円約0.25%164名/292名豊洲市場
OUGホールディングス(8041)702.3万円(本体29名のみ)3,636.7億円約1.7%29名/1,301名大阪市中央卸売市場

この表から読み取れることを整理します。

  • 年収水準は横並び:4社の単体平均は609万〜702万円のレンジに収まり、同業内で年収だけを理由に選ぶ意味は小さい。むしろ伸び率の差(横浜丸魚+7.4%/築地魚市場▲8.7%)のほうが直近の勢いを示している
  • 横浜丸魚は最小規模:連結178名は4社中で最も小さい。組織が小さいぶん一人あたりの守備範囲が広くなりやすい一方、部門数も限られる
  • OUGの702.3万円は本体29名の管理部門のみの数値:同社は持株会社で、事業会社側は別開示(ショクリュー514名629.1万円/うおいち395名783.1万円)。単純比較には向かない
  • 営業利益率はいずれも1〜2%台:横浜丸魚の1.1%は業態として標準的な水準であり、この会社固有の弱さではない

そのうえで横浜丸魚に固有の特徴を挙げるなら、営業利益率は同業並みでありながら、配当金収入によって経常段階では利益が倍増する点です。似た構造を持つ会社として築地魚市場があり、同社は本業の水産物卸売が営業損失でも冷蔵倉庫事業が補填する形になっています。「本業以外が支える」という点は業界共通の課題ですが、その支え方が不動産と有価証券配当(横浜丸魚)か、冷蔵倉庫(築地魚市場)かで、社内で経験できる仕事の中身は変わります(推定情報)。

将来性|中期経営計画2026と資本政策から読む3〜5年

将来性を一般論ではなく、開示されている計画と数値から評価します。横浜丸魚は2026年5月12日に新中期経営計画「横浜丸魚グループ中期経営計画2026 〜Transform & Growth〜」(2026年度〜2028年度)を策定しました。基本コンセプトは「Face To Face With」で、柱は集荷力・海外輸出・販売力・水産流通の4つ。目標指標として連結売上高・営業利益に加えてROEを採用しています。

ROEを目標に据えた点には意味があります。第90期のROEは3.2%と低位で、自己資本比率67.9%・純資産210億円という厚い財務基盤の裏返しとして資本効率の低さが構造的な課題になっているためです。実際、資本政策はこの1〜2年で明確に動いています。

  • 2025年5月:中間配当制度を導入(第90期の配当は年34円、うち中間15円)
  • 2025年11月:3億7,536万円の自己株式取得を実施
  • 2026年8月6日:発行済株式の17.00%(1,234,800株)にのぼる自己株式の消却を開示
  • 連結DOE1.2%を目安とする累進的な配当方針を明示(配当性向は第90期32.0%)

株価も第90期は最高2,060円・最低863円で、第89期(最高1,044円・最低830円)から高値が約2倍になりました。時価総額は約152億円です。財務基盤が厚く、株主還元に踏み込む余力がある会社という評価は、開示情報から裏付けられます。

一方で、業界の逆風も直視する必要があります。中央卸売市場を経由する水産物の割合は長期的に低下しており、量販店・外食チェーンの産地直取引や商社経由の調達が広がっています。数量は伸びず単価が上がる局面が続き、円安下では海外との買い付け競争も論点です。「セリで待つ」だけのビジネスは縮小方向にあり、産地開拓と量販店への提案で自ら商流を作れるかが分かれ目という業界構造の変化は、横浜丸魚にも等しく当てはまります。

その意味で、ロピア向け売上を1年で19億円伸ばし、中期計画に「海外輸出」「販売力」を明記したことは、会社が変化の方向を認識している証左と受け取れます(推定情報)。転職検討者としては、「安定した地域インフラ企業」という側面と、「業界構造の変化に対応中の小規模企業」という側面の両方を前提に、自分がどちらの側の仕事をしたいのかを決めるのが現実的です。

横浜丸魚への転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。断定ではなく、判断材料としてご覧ください。

向いている人向いていない人
早朝・深夜の勤務と市場カレンダー準拠の休日(日曜・祝日・隔週水曜)を生活に組み込める人土日固定休みや日中中心の勤務時間を前提に生活設計をしたい人
1社に長く在籍し、地域インフラを担う仕事に腰を据えて取り組みたい人(平均勤続17.7年)3〜5年単位で会社を移りながらキャリアを組み立てたい人
魚種ごとの相場観・産地人脈という、時間をかけて蓄積する専門性に価値を感じる人短期間で成果が数値化され、実力主義で処遇に反映される環境を求める人
単体91名という小所帯で、担当範囲が広く一人あたりの裁量が大きい環境を好む人大企業の充実した研修制度・多様なキャリアパス・頻繁な社内公募を期待する人
神奈川県内(横浜市神奈川区・川崎市宮前区)で長期的に働きたい人全国転勤や海外駐在を通じてキャリアの幅を広げたい人
営業利益率1.1%の薄利構造のなかで、採算管理や原価に向き合う仕事に意義を見出せる人高い利益率を背景にした大型投資や新規事業開発に携わりたい人

特に最初の行は決定的です。深夜手当が初任給に組み込まれ、土曜が稼働日になるという働き方は、業務内容の好き嫌い以前に生活そのものの設計を変えます。ここに納得できるかどうかを、面接の場でも遠慮なく確認することをおすすめします。

横浜丸魚に関するよくある質問

横浜丸魚への転職・就職を検討する人から挙がりやすい疑問を、公開情報にもとづいて回答します。

横浜丸魚の読み方は?

「よこはままるうお」と読みます。英文表記は Yokohama Maruuo Co., Ltd. です。社名の「丸魚」は、1948年1月に前身の横浜市場荷受株式会社から商号変更した際に用いられたもので、以来80年近く使われています。

平均年収663万円はグループ全社員に当てはまりますか?

当てはまりません。662万6,511円は提出会社(横浜丸魚単体)91名の平均で、連結178名の平均ではありません。子会社の株式会社ハンスイ、川崎丸魚株式会社、館山丸魚株式会社、株式会社横浜魚市場運送に所属する社員の給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。応募先が本体かグループ会社かによって前提が変わるため、選考の段階で必ず確認してください。

初任給に深夜手当が入っているのはなぜですか?

公式採用サイトの新卒総合職の初任給は、営業部門配属が280,000円(基本給230,000円+住宅手当42,000円+深夜手当8,000円)、管理部門配属が272,000円です。営業部門にのみ深夜手当が固定で含まれているのは、市場の業務が深夜・早朝の時間帯に及ぶことが前提になっているためと読み取れます。始業の具体的な時刻は公式には明示されていないため、面接時に実際の勤務シフトを確認することをおすすめします。

勤務地はどこになりますか?

公式採用サイトによると勤務地は横浜市神奈川区と川崎市宮前区です。本社は横浜市中央卸売市場本場内(神奈川区山内町1番地)、もう一拠点は川崎市中央卸売市場北部市場内にある川崎北部支社(川崎市宮前区水沢1-1-1)です。全国転勤を伴う配置は想定しにくく、神奈川県内で長く働きたい人には条件が合いやすいと考えられます(推定情報)。

休日は土日休みですか?

土日休みではありません。公式採用サイトによると休日は日曜・祝日・隔週水曜(市場カレンダー準拠)+お盆・年末年始で、2024年の年間休日は112日でした。土曜は市場の開市日にあたるため出勤日になり、代わりに水曜が隔週で休みになる点が、一般的な勤務カレンダーとの最大の違いです。ほかにリフレッシュ休暇7日、有給休暇5日の取得必須が制度化されています。

口コミサイトの情報が少ないのはなぜですか?

従業員数が提出会社単体91名・連結178名と小規模であることが大きな理由と考えられます。OpenWorkのクチコミは8件で、実質的な回答者は元営業職の1名に集中しており、統計的な代表性はありません。エン ライトハウスには企業ページの掲載自体がなく、転職会議でも企業ページを特定できませんでした。この規模の企業で口コミが少ないのは自然な現象であり、投稿数の少なさを企業評価に直結させるのは適切ではありません。代わりに有価証券報告書の平均勤続年数17.7年や労働組合の存在といった一次情報を判断材料にすることをおすすめします。

残業時間や有給休暇の取得率は公開されていますか?

公開されていません。有価証券報告書には残業時間・有給休暇取得率・離職率の記載がなく、OpenWorkでもいずれも未開示でした。また男女の賃金差異・女性管理職比率・男性育休取得率は「公表義務の対象外」として有価証券報告書での記載が省略されています。これらの数値は推測せず、選考過程および内定時の労働条件通知書で直接確認してください。

横浜丸魚への転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性・生活条件も含めて確認してください。

判断軸評価と根拠
年収水準提出会社単体91名の平均で662万6,511円(前年比+7.36%)。同業4社(609万〜702万円)のなかで中位以上だが、子会社の水準は開示されていない
昇給の勢い1年で約45万円増。3期連続の営業増益と歩調が合っており、直近の勢いは同業のなかで良好
定着・組織平均年齢43.2歳・平均勤続17.7年の超長期定着型。単体91名の小所帯でポストは限られる
収益構造営業利益率約1.1%の薄利。経常利益は配当金収入で約2倍に膨らむ構造で、会社自身が配当金収入への影響を「多大」とリスク開示
顧客構成最大顧客1社で連結売上の約22.7%。成長ドライバーである一方、集中リスクでもある
働き方市場カレンダー準拠で年間休日112日、土曜稼働・隔週水曜休み。営業部門は深夜手当が初任給に固定で含まれる
財務安定性自己資本比率67.9%・純資産210億円と厚い。一方でROE3.2%と資本効率が課題で、自己株式消却など是正が進行中
将来性中期経営計画2026で集荷力・海外輸出・販売力・水産流通の4本柱。市場経由率低下という業界逆風のなかで商流を自ら作れるかが焦点
情報の得やすさ有価証券報告書の開示は詳細だが、口コミは実質1名で判断材料にしにくい。面接での直接確認の重要度が高い

総合すると、編集部の見解として、横浜丸魚は「地域の水産インフラを担う小規模で財務の厚い企業に、長期前提で腰を据えたい人」には検討価値のある会社だと考えられます。年収は同業内で見劣りせず、直近の引き上げ幅も大きく、財務基盤は堅牢です。一方で、営業利益率1.1%の薄利、単体91名という組織規模、市場カレンダーに従う生活リズム、最大顧客への集中は、いずれも入社後に自分が向き合う現実になります。これらを「安定」と受け取るか「制約」と受け取るかで、この会社の評価は大きく分かれます。

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本記事の出典・参考情報

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公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第90期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。開示のない項目については推測値を用いず、「有価証券報告書では開示されていない」と事実ベースで記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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