横浜魚類の年収609万円と朝4時始業の実態|ニッスイ19.8%出資の市場荷受
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:横浜市中央卸売市場本場・南部市場・川崎北部市場を拠点とする水産物の「荷受」。ニッスイが19.8%出資
- 年収:有価証券報告書(第92期)で約609万円。2022年3月期の約499万円から4年で約110万円上昇
- 働き方:営業職は4:00〜12:30始業、休日は日・祝・水曜中心の年間114日。独身寮月1万円・社員食堂あり
- 業績:営業利益率は約1.0%。2022年3月期の営業赤字から3期連続営業増益だが、2027年3月期は減益予想
横浜魚類(7443・東証スタンダード)を検索すると、株価や株主優待の情報が上位に並びます。この記事はそれらとは違い、横浜魚類への転職・就職を検討している人に向けて、「市場の荷受とはどんな仕事か」「年収609万円の中身と4年で110万円上がった背景」「朝4時始業という働き方の実態」「ニッスイとの資本関係」「営業利益率1%の会社の将来性」を、有価証券報告書・決算短信・公式採用情報と少数の口コミを分けて整理したものです。従業員76人の小さな上場企業だからこそ、数字の裏側を読むことが判断の決め手になります。
横浜魚類の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。従業員データは第92期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書の値で、日経会社情報DIGITAL・キタイシホンに転載されたものを確認しています(有報PDF本体の直接確認はできていない二次確認値である点に留意してください)。横浜魚類は非連結・単体決算のため、以下はすべて提出会社単体の数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 横浜魚類株式会社(証券コード7443・東証スタンダード) |
| 本社 | 神奈川県横浜市神奈川区山内町1番地(横浜市中央卸売市場本場内) |
| 設立 | 1947年 |
| 事業 | 水産物卸売業(中央卸売市場の卸売業者=荷受)99%、不動産等賃貸業1% |
| 平均年間給与 | 6,090,067円(約609万円) |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均勤続年数 | 17.8年 |
| 従業員数 | 76名(提出会社単体・2026年3月末) |
| 売上高 | 209億78百万円(2026年3月期・前期比+3.8%) |
| 営業利益 | 2億11百万円(2026年3月期・前期比+34.7%、営業利益率約1.0%) |
| 経常利益/当期純利益 | 2億36百万円/1億85百万円(2026年3月期) |
| 筆頭株主 | ニッスイ 19.8%(親会社ではなくグループ会社の位置づけ) |
| 出典 | 第92期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月25日提出)/2026年3月期決算短信(2026年5月11日)/会社公式サイト |
なお、会社概要や就職情報サイトでは従業員「計113人(正社員77人)」と記載されています。有価証券報告書の76人は正社員ベース、113人は臨時雇用等を含む人数と考えられるため(推定情報)、本記事では有報の76人を基準にし、両者を混用しません。
横浜魚類とは|横浜市中央卸売市場の「荷受」という仕事
結論から言うと、横浜魚類は「魚を売る会社」というより、全国の産地から集まる水産物を市場で仲卸や量販店に卸す「荷受(卸売業者)」です。転職先として見る場合、この業態の収益構造と働き方を理解しているかどうかで、入社後のギャップが大きく変わります。
公式情報として、横浜魚類は1947年設立、横浜市中央卸売市場本場(横浜市神奈川区)を本社とし、南部支社(横浜市金沢区・横浜南部市場)、川崎北部支社(川崎市宮前区・川崎市中央卸売市場北部市場)の3拠点で水産物卸売業を営んでいます。2026年3月期の売上構成は水産物卸売業が208億1百万円(セグメント利益2億19百万円)で全体の99%、不動産等賃貸業が1億78百万円(同36百万円)で1%です。鮮魚部門と冷凍・加工部門がほぼ同規模で、生鮮・冷凍・塩干水産物を仲卸業者、売買参加者、量販店に卸しています。
荷受の収益構造:取扱高は大きく、利益は薄い
荷受は産地から委託・買付で集めた水産物をセリや相対取引で販売し、その取扱高に対する手数料やマージンで稼ぐ業態です。そのため売上高は約210億円と従業員76人の会社としては非常に大きく見えますが、営業利益は2億11百万円、営業利益率は約1.0%にとどまります(公式情報)。従業員1人あたりの売上高は約2億8千万円に達する一方、1人あたり営業利益は約280万円です。
この構造は転職者にとって次の意味を持ちます(推定情報)。
- 売上の増減より、魚価の変動や仕入れ・在庫のロス管理が利益に直結するため、営業職には「相場を読んで売り切る」感覚が求められる
- 利益の絶対額が小さいため、賞与や昇給は業績の波を受けやすい
- 反面、生鮮食品の流通インフラとして需要が消えにくく、雇用は安定しやすい(平均勤続17.8年)
3つの拠点と横浜南部市場の位置づけ
本社のある横浜市中央卸売市場本場は横浜市が開設する中央卸売市場で、横浜魚類はここで同じ水産荷受の横浜丸魚(8045)と並んで営業しています。南部支社のある横浜南部市場は、2015年3月末をもって横浜市の中央卸売市場としての位置づけを終え、民間主体で運営される市場に再編されました(Wikipedia等の公開情報にもとづく推定情報を含みます)。横浜魚類はこの南部市場に引き続き拠点を置き、2023年3月には市場内で低温加工・物流施設「南部ペスカメルカートII」を稼働させています。
川崎北部支社は川崎市中央卸売市場北部市場(川崎市宮前区)にあり、川崎・県北エリアの仲卸・量販店向けの拠点です。転職者が押さえるべき点は、勤務地が3つの市場に限られ、全国転勤がない一方で、いずれも市場内勤務のため始業時刻や休日が市場カレンダーに縛られることです(公式情報と推定情報)。
市場外取引と加工への展開
公式サイトによると、南部ペスカメルカートIIでは水産物・惣菜に加え、精肉・青果・ベーカリーまで加工分野を広げ、量販店向けの完成品を供給する体制を整えています。年間取扱高50億円が目標として掲げられており、売上210億円の会社にとっては約4分の1に相当する規模です。子会社に加工を担う丸浜フレッシュ、関連会社に横浜食品サービスがあります。「市場で魚を右から左に流す」だけでなく、加工品を作って量販店に納める食品メーカー的な機能を持ち始めている点が、同じ荷受でも他社と異なる横浜魚類の特徴です。
ニッスイ19.8%出資と株主構成|親会社ではない「グループ会社」
「横浜魚類 ニッスイ」で調べる人が知りたいのは、「ニッスイの子会社なのか」「待遇はニッスイ基準なのか」という点でしょう。結論は、ニッスイは筆頭株主(19.8%)だが親会社・支配株主ではなく、給与や人事はニッスイ本体とは別建てです(公式情報)。
IRBANK等で確認できる大株主の構成は次の通りです。
- ニッスイ:19.8%(筆頭株主・グループ会社の位置づけ)
- 横浜銀行:4.9%
- 横浜冷凍:3.1%
- 東洋水産:2.0%
地元金融機関と水産・冷蔵・食品の大手が株主に並ぶ、典型的な地域密着型の荷受の資本構成です。ニッスイの持分は20%未満で、横浜魚類は非連結・単体決算の独立した上場企業として運営されています。転職判断への影響を整理すると次の通りです(推定情報)。
- ニッスイグループの商材・情報網にアクセスしやすい面はあるが、ニッスイの給与テーブルや福利厚生がそのまま適用されるわけではない
- 単体決算のため、有価証券報告書の平均年収609万円は「持株会社の少数精鋭の数字」ではなく、市場で働く76人の実態に近い
- TOB・非公開化・MBOといった資本異動の動きは確認できなかった(2026年9月時点)
なお、検索需要の多い株主優待(1,000株以上で約1万円相当の水産物)や株価は投資家向けの情報であり、本記事では扱いません。従業員持株会は福利厚生として存在します。
横浜魚類の年収|有報609万円と「4年で+110万円」の背景
結論として、横浜魚類の平均年収は第92期(2026年3月期)有価証券報告書によると6,090,067円(約609万円)、平均年齢41.8歳、平均勤続年数17.8年です(公式情報)。従業員76人の中小卸としては水準が高く、しかも4年で約110万円上昇しています。ただし、この上昇には「従業員数の減少」と「年齢構成の変化」が絡んでおり、単純に「給与が上がり続けている会社」と読むのは早計です。
年収・従業員数・平均年齢の4年推移
2022年3月期の有価証券報告書(年収ガイド転載)と第92期の値を並べると、次のようになります(公式情報の転載値)。
| 項目 | 2022年3月期 | 2026年3月期(第92期) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 平均年間給与 | 約498.8万円 | 約609.0万円 | +約110万円(+22%) |
| 従業員数(単体) | 96人 | 76人 | ▲20人 |
| 平均年齢 | 45.0歳 | 41.8歳 | ▲3.2歳 |
| 平均勤続年数 | 21.4年 | 17.8年 | ▲3.6年 |
| 営業利益 | ▲48百万円(営業損失) | 211百万円 | 黒字転換・3期連続増益 |
この表から読み取れることを、編集部の分析として整理します(推定情報)。
- 総人件費はほぼ横ばい:平均給与×従業員数の単純計算では、2022年3月期が約4.8億円、2026年3月期が約4.6億円と、会社が支払う給与総額はむしろ微減している。つまり「利益が出たので全員の給与を上げた」というより、人数を絞った分を1人あたりに配分した構図に近い
- 若返りと年収上昇が同時に起きている:通常、平均年齢が下がると平均給与も下がる。逆の動きになっているのは、退職者(2022年時点で勤続20年超のベテラン層を含む)の入れ替わりと、業績連動の賞与増が重なった可能性がある
- 業績との連動性:営業赤字だった2022年3月期の499万円と、営業利益2億円超の2026年3月期の609万円の差は、賞与の変動を含むと考えられる。逆に言えば、2027年3月期が減益予想(後述)である以上、次の期に同じ水準が維持される保証はない
初任給・賞与・昇給の公式条件
公式採用サイトによると、新卒(大卒)の初任給と諸条件は次の通りです(公式情報)。
- 営業部門:基本給236,000円。入寮者は合計284,000円、その他は254,000円
- 管理部門:基本給230,400円+住宅手当10,000円=240,400円
- 賞与:年2回、夏1.4ヶ月+冬2.2ヶ月(計3.6ヶ月)
- 昇給:年1回、5.80%(2025年実績)
- 採用人数:総合職5名
営業部門の基本給236,000円に賞与3.6ヶ月を単純加算すると、手当を除く1年目の年収目安は約370万円です(推定情報・残業代や早朝勤務に関する手当は含まず)。昇給率5.8%は中小企業としては高く、公表通りに毎年適用されれば10年で基本給は約1.7倍になる計算ですが、これは実績値の一時点であり、毎年の保証ではありません。
口コミの給与評価と職種・年代別の目安
口コミ傾向として、就活会議には「1〜8年目は成績に関わらず給与に反映されない(年功序列)」という趣旨の投稿があり、年収・評価の評点は3.1です。エン カイシャの評判では正社員4名の回答で総合3.2、OpenWorkは回答1名(総合2.90)で年収回答も1件のため、統計的な評価はできません。平均年収609万円と平均勤続17.8年という公式数値を合わせて読むと、「若手のうちは基本給と一律賞与で我慢し、勤続とともに水準が上がる」年功型の給与カーブである可能性が高いと考えられます(推定情報)。
そのうえで職種・年代別の目安を示します。有価証券報告書は職種別・年代別の給与を開示していません。公式の初任給・昇給率・平均年収から逆算した目安は次の通りです(すべて推定情報)。
- 20代営業職:370万〜450万円(初任給+賞与3.6ヶ月+昇給)
- 30代営業職:450万〜580万円(平均年齢41.8歳で609万円に近づく手前の水準)
- 40代以上・係長〜課長クラス:600万〜700万円台
- 管理部門:営業部門より初任給が約1.4万円低く、同年代でやや下回る可能性
中途採用の場合は、有報平均609万円が「平均年齢41.8歳・勤続17.8年の平均値」である点を踏まえ、提示年収が自分の年齢・経験に対して妥当かを面接で確認することが重要です。
横浜丸魚・中央魚類との年収比較|同じ水産荷受でどう違うか
横浜魚類の読者が実際に比較するのは、同じ横浜市中央卸売市場本場で営業する横浜丸魚と、豊洲市場最大手の中央魚類でしょう。いずれも有報転載の二次ソース値(日経会社情報DIGITAL・キタイシホン)で、対象期が異なる点に注意してください。
| 企業(コード) | 対象期 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続 | 従業員数(単体) |
|---|---|---|---|---|---|
| 横浜魚類(7443) | 2026年3月期 | 約609万円 | 41.8歳 | 17.8年 | 76人 |
| 横浜丸魚(8045) | 2025年3月期 | 約663万円 | 43.2歳 | 17.7年 | 91人 |
| 中央魚類(8030) | 2026年3月期 | 約669万円 | 44.2歳 | 14.8年 | 217人 |
横浜魚類は3社の中で平均年齢が最も若く、年収は約50〜60万円低い水準です。ただし平均年齢差(1.4〜2.4歳)を考慮すると、年齢あたりの水準に大きな差はないと考えられます(推定情報)。横浜丸魚は水産物販売事業や運送事業も持ち、売上規模が横浜魚類の約2倍である点も、給与水準の差を説明する要因の一つです。
横浜魚類の働き方|営業職は4:00〜12:30始業、休日は市場カレンダー準拠
横浜魚類を転職先として検討するうえで、年収以上に合否を分けるのが勤務時間です。公式情報として、公式採用サイトの募集要項には営業部門の勤務時間が4時00分〜12時30分、管理部門が8時00分〜16時30分と明記されています。魚市場のセリは早朝に行われるため、荷受の営業職は「深夜〜早朝に出勤し、昼過ぎに退勤する」生活リズムが基本です。

朝4時始業ということは、何時に起きて何時に寝る生活になるのでしょうか?
市場勤務者の一般的なパターンから推定すると、営業職は2時台〜3時台に起床し、市場までの移動を経て4時に業務開始、セリと販売のピークを経て12時30分に退勤、午後に仮眠や私用を済ませて20時前後に就寝するリズムになると考えられます(推定情報)。営業職向けに独身寮が月額1万円で用意されているのは、この早朝出勤に対応するためという側面が大きいでしょう。横浜市神奈川区の市場近くに住めるかどうかは、応募前に現実的に検討すべき点です。
休日体系:日・祝・水曜中心の年間114日
公式採用サイトによると、休日は日曜・祝日・概ね水曜日に加え夏季・年末年始で、年間休日は114日です。年次有給休暇は10〜20日、慶弔休暇もあります(公式情報)。土曜日は市場の営業日のため基本的に出勤で、休日は市場カレンダーに従います。カレンダー通りの土日休みを前提にした生活とは合わないため、家族や友人と休みを合わせたい人には制約になります。一方、平日(水曜)が休みになることで、役所や病院、混雑しない行楽地に行きやすいという利点を挙げる市場関係者も少なくありません(推定情報)。
寮・食堂など早朝勤務を支える福利厚生
公式採用サイトに記載のある福利厚生は次の通りです(公式情報)。
- 独身寮:営業職のみ、月額10,000円
- 社員食堂:朝食・昼食つきで月額11,000円
- 貸付金制度、財形貯蓄、従業員持株会
寮費と食堂代を合わせて月2万1千円で住居と1日2食が確保できる計算で、入寮者の初任給284,000円と合わせると、若手の可処分所得は都市部の同年代より多くなる可能性があります(推定情報)。この「若手のうちは貯まりやすい」構造は、後述する年功序列型の給与に対する実質的な補完になっています。
口コミが示す評価:ワークライフバランスは低評価、食堂・休暇は好評価
口コミ傾向として、就活会議(7件)ではワークライフバランス1.6、福利厚生1.6、女性の働きやすさ1.6、スキルアップ1.6と低く、「この業界にワークライフバランスは全くない」という趣旨の投稿があります。一方、エン カイシャの評判(22件・正社員4名回答)では「風通しは良い」「社員食堂あり」「休暇は取りやすい」といった声があり、「20代成長環境」が3.4と最も高い評点です。同じ会社で評価が割れているのは、早朝勤務と市場カレンダーという業態固有の制約を「不便」と見るか「割り切れる」と見るかの違いと考えられます(推定情報)。いずれも回答数が少なく、傾向としての参考に留めてください。
横浜魚類の業績推移|営業利益率0.1%時代から3期連続増益へ
結論として、横浜魚類の業績は「長く利益がほとんど出ない時代が続き、2022年3月期に営業赤字を経て、2024年3月期以降に利益体質へ転換した」という流れです(公式情報)。転職者にとって重要なのは、この改善が続くのか、それとも一時的なのかという点です。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2016年3月期 | — | 8百万円 | 営業利益率0.1%未満の水準 |
| 2017年3月期 | — | 40百万円 | |
| 2018年3月期 | — | 29百万円 | |
| 2019年3月期 | — | 11百万円 | |
| 2020年3月期 | — | 19百万円 | |
| 2021年3月期 | 318億44百万円 | 11百万円 | 営業利益率約0.03% |
| 2022年3月期 | 199億28百万円 | ▲48百万円 | 過去10期で唯一の営業赤字(経常・純利益は黒字) |
| 2023年3月期 | 210億2百万円 | 26百万円 | 黒字回復 |
| 2024年3月期 | 201億4百万円 | 162百万円 | 営業利益率0.8% |
| 2025年3月期 | 202億5百万円 | 157百万円 | 配当6円(30周年記念配含む) |
| 2026年3月期 | 209億78百万円 | 211百万円 | 営業利益率1.0%、配当8円 |
| 2027年3月期(会社予想) | 212億円 | 180百万円 | ▲14.9%の減益予想、配当8円 |
出典は2026年3月期決算短信およびIRBANKの業績推移です。2022年3月期の売上高が318億円から199億円へ大きく減っていますが、この期は多くの企業が収益認識に関する会計基準を適用した期であり、表示方法の変更による減少である可能性が高いと考えられます(推定情報・未確認のため「業績悪化」とは断定できません)。
利益改善の中身と持続性
2021年3月期までの営業利益は年間1千万〜4千万円で、300億円規模の売上に対してほぼゼロに等しい水準でした。それが2024年3月期以降は1.6〜2.1億円で安定し、2025年4月と2026年4月には業績予想の上方修正も行っています(公式情報)。改善の要因として考えられるのは、①2023年3月に稼働した南部ペスカメルカートIIによる加工品の利益率向上、②従業員96人から76人への人員削減に伴う固定費圧縮、③魚価上昇局面での取扱単価の上昇です(推定情報)。
一方で、2027年3月期の会社予想は営業利益180百万円と14.9%の減益です。公式情報としてこの予想が出ている以上、「3期連続増益だから今後も右肩上がり」という見方は成り立ちません。編集部の見解として、荷受の利益は魚価と仕入れロスに左右されやすく、営業利益率1%の会社では数千万円の変動で増減益が入れ替わるため、賞与は「増減があって当然」と考えて応募するのが現実的です。
行政処分・不祥事の有無
行政処分・訴訟・不祥事は、Web検索の範囲では確認できなかった(2026年9月時点)。適時開示では2025年6月16日に「決算短信の数値訂正」がありますが、訂正内容は確認できなかったため、本記事では軽微な数値訂正と推定するに留めます(推定情報)。「確認できなかった」は「存在しない」と同義ではない点にご注意ください。
横浜魚類の将来性|市場経由率が下がる中で荷受はどう生き残るか
水産荷受という業態の将来性を考えるうえで避けて通れないのが、卸売市場を経由する水産物の比率低下です。農林水産省「卸売市場データ集」によると、水産物の卸売市場経由率は1980年頃のピーク時に8割台でしたが、令和元年度には5割を下回る水準まで低下しています。産地直送、漁業者と加工・小売・外食業者の直接取引、ネット通販の拡大が背景で、中央卸売市場の水産物取扱数量・金額は約30年で6〜7割減少しました。横浜魚類の従業員数が2009年の145人から2026年の76人へ半減しているのは、この業界縮小と無関係ではないと考えられます(推定情報)。
逆風:市場経由率の低下と人員減
荷受の売上は市場に集まる水産物の量と単価で決まります。市場経由率が下がれば取扱量は減り、固定費(市場使用料・冷蔵設備・人件費)の負担が相対的に重くなります。横浜魚類の営業利益が2021年3月期までほとんど出なかったのは、この構造的な逆風を受けていたためと見ることができます。従業員76人という規模は、業務の属人化や引き継ぎ不足(就活会議の口コミにも「引き継ぎ不足・退職による業務負荷」の指摘があります)につながりやすい点も、転職者が事前に覚悟しておくべきリスクです(口コミ傾向・推定情報)。
追い風:改正卸売市場法と加工・市場外取引
2020年6月に施行された改正卸売市場法では、荷受が仲卸以外へ直接販売する「第三者販売」や産地からの「直荷引き」などの規制が、各市場の判断に委ねられるようになりました。これにより、荷受が量販店や外食チェーンに直接納品したり、加工品を製造して販売したりする余地が広がっています(公式情報の制度概要と推定情報)。横浜魚類が南部ペスカメルカートIIで水産物に加え精肉・青果・ベーカリーまで加工し、量販店向け完成品として年間50億円の取扱を目指しているのは、まさにこの方向への転換です。「市場の中で待つ荷受」から「量販店の売場をつくる加工・物流業」へ軸足を移せるかどうかが、この会社の将来性を決めると考えられます。
転職者にとっての将来性の読み方
編集部の見解として、横浜魚類の将来性は「業界全体は縮小、ただし個社としては利益体質に転換しつつある」と整理できます。転職者の立場では次の点を押さえておくとよいでしょう(推定情報)。
- 営業職としてセリや相対取引で身につく「魚の目利き」「相場観」「仲卸・量販店との交渉力」は、水産メーカー、量販店の鮮魚バイヤー、外食・給食の仕入れ担当などに持ち出しやすいスキルである
- 加工・物流施設が拡大しているため、今後は市場営業だけでなく、加工品の企画や量販店向けの提案営業、施設運営のキャリアが生まれる可能性がある
- 一方、ニッスイの持分が20%未満で単体決算のため、業績が悪化した際にグループから手厚い支援が受けられる保証はない
- 従業員76人・新卒採用5名の会社では、役職ポストの数が限られる。管理職を目指すなら在籍者の年齢構成(平均41.8歳)を面接で確認したい
横浜魚類の評判・口コミ傾向|少数サンプルをどう読むか
「横浜魚類 評判」「横浜魚類 口コミ」で調べる人向けに、口コミの全体像を整理します。前提として、横浜魚類の口コミはどのサイトも件数が極めて少なく、統計的な評価はできません。以下は口コミ傾向としての参考情報です。
- OpenWork:総合2.90(回答1名、クチコミ4件、年収回答1件)
- エン カイシャの評判:総合3.2(口コミ22件、正社員4名回答)。「20代成長環境」3.4が最高。「風通しは良い」「社員食堂あり」「休暇は取りやすい」の一方で「自己の裁量がない」との声
- 就活会議:総合2.2(7件)。ワークライフバランス1.6、福利厚生1.6、女性の働きやすさ1.6、スキルアップ1.6。年収・評価は3.1。「この業界にワークライフバランスは全くない」「1〜8年目は成績に関わらず給与に反映されない」「引き継ぎ不足・退職による業務負荷」
ネガティブな投稿は「早朝勤務と市場カレンダー」「年功序列型の給与」「少人数ゆえの業務負荷」の3テーマに集約され、ポジティブな投稿は「雇用の安定」「食堂・寮」「風通し」に集まっています。前者は業態固有の制約で、入社前に分かっていれば回避できるミスマッチです。後者は有価証券報告書の平均勤続17.8年という数字と整合しており、「合う人には長く働ける会社」という像が浮かびます。口コミの評点の低さを「会社の質」と読むのではなく、「業態との相性を事前に見極めるべき会社」と読むのが妥当だと考えられます(推定情報)。
東証「卸売業」10社との比較|横浜魚類の立ち位置
横浜魚類と同じ東証33業種「卸売業」に属し、証券コードが近い10社の直近業績と有報平均年収を並べます。同じ「卸売業」でも、メーカー機能を持つ商社と、横浜魚類のような純粋な中間流通では収益構造がまったく異なる点を確認してください(公式情報の転載値。年収はいずれも有価証券報告書ベースで、EDINET原本を直接確認していない二次ソース経由のものを含みます)。
| 企業(コード) | 決算期 | 売上高(増減) | 営業利益(利益率) | 従業員数 | 有報平均年収 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東邦レマック(7422) | 2025年12月期(12月20日決算) | 45.47億円(▲10.9%) | ▲1.20億円(営業損失) | 74名 | 約501万円 | 7期連続営業赤字歴。継続企業の前提に関する重要事象等の記載あり。平均勤続21.6年 |
| 初穂商事(7425) | 2025年12月期 | 連結354.44億円(+1.8%) | 12.16億円(3.4%) | 連結485名/単体298名 | 約544万円 | 純利益▲14.7%。2026年中間は営業利益▲19.6% |
| 山大(7426) | 2026年3月期 | 連結41.02億円(▲0.9%) | ▲2.87億円(3期連続営業赤字) | 連結102名/単体92名 | 約374万円(10社中最低) | 上場廃止予定(整理銘柄・2026年9月28日、ナイスによる子会社化) |
| エコートレーディング(7427) | 2026年2月期 | 連結1,058.11億円(▲0.5%) | 11.10億円(1.0%) | 連結300名/単体263名 | 約559万円 | 2027年2月期1Qは営業利益800万円・純損失。連結従業員5期連続減 |
| 伯東(7433) | 2026年3月期 | 連結1,811.78億円(▲1.1%・10社中最大) | 60.80億円(3.4%) | 連結1,504名/単体727名 | 約967万円(10社中最高) | 2027年3月期予想は売上+25.6% |
| オータケ(7434) | 2025年5月期(第73期) | 連結329.93億円(+5.5%) | 9.78億円(3.0%) | 連結300名/単体283名 | 約565万円 | 2026年5月期決算短信は未開示・有報提出期限を10月30日まで延長中。表の数値は第73期 |
| ナ・デックス(7435) | 2026年4月期 | 連結368.38億円(▲0.1%) | 11.19億円(3.0%) | 連結731名/単体235名 | 約627万円 | 2024〜25年に元業務委託社員の循環取引・不正流用で過年度訂正(行政処分ではない) |
| コンドーテック(7438) | 2026年3月期 | 連結839.49億円(+6.0%) | 46.44億円(5.5%・10社中最高) | 連結1,531名/単体829名 | 約601万円 | 5年連続増配、M&A9社超 |
| 中山福(7442) | 2026年3月期 | 連結430.52億円(+5.1%) | 5.31億円(1.2%) | グループ428名/単体330名 | 約555万円 | 2024年3月期は営業損失▲4.70億円。2027年3月期は減収予想 |
| 横浜魚類(7443) | 2026年3月期 | 209.78億円(+3.8%) | 2.11億円(1.0%) | 76名(非連結) | 約609万円 | 2022年3月期は営業損失▲0.48億円。営業職は4:00始業。年収は4年で+110万円 |
表の注記です。
- 決算期は6種類あります(12月20日・12月末・2月末・4月末・5月末・3月末)。年度を揃えて比較していない点に注意してください
- 山大は2026年9月28日に上場廃止予定(整理銘柄指定中)で、現在形の「上場企業」ではありません
- オータケのみ最新期(2026年5月期)の業績が未確定のため、第73期(2025年5月期)の数値です
- 営業赤字・赤字歴があるのは東邦レマック、山大、中山福、横浜魚類の4社。エコートレーディングは直近1Qが赤字転落
- 持株会社は0社ですが、単体と連結の乖離が大きい会社(ナ・デックス3.1倍、初穂商事1.6倍、コンドーテック1.8倍)は子会社の給与が有報平均に含まれません。横浜魚類は非連結のため、この問題がありません
この表から見える横浜魚類の立ち位置は、「売上規模は10社中下位、営業利益率1.0%はエコートレーディング・中山福と並ぶ薄利グループ、それでも有報平均年収609万円はコンドーテック(601万円)を上回り10社中3位」というものです。年収だけ見れば利益率の割に高い水準で、市場荷受という業態の早朝勤務・年間休日114日に対する対価と見ることもできます(推定情報)。
横浜魚類への転職判断|向いている人と確認すべきこと
ここまでの公式情報・口コミ傾向・分析を踏まえ、編集部の見解として転職判断を整理します。横浜魚類は「誰にでもおすすめできる会社」ではなく、早朝勤務と市場カレンダーを受け入れられる人にとっては、年収と雇用安定のバランスが取れた選択肢だと考えられます。
向いていると考えられる人(推定情報):
- 朝型の生活が苦にならず、午後を自分の時間にできることに価値を感じる人
- 魚や食品流通に興味があり、相場を読んで売り切る仕事に面白さを見いだせる人
- 全国転勤のない横浜・川崎エリアでの勤務を希望し、寮や食堂で生活コストを抑えたい若手
- 短期の成果給より、勤続に応じて水準が上がる安定型の給与を許容できる人
慎重に検討したほうがよい人(推定情報):
- 土日休みや家族・友人と休日を合わせることを重視する人
- 入社数年で成果に応じた大幅な昇給を期待する人(口コミでは「1〜8年目は成績が給与に反映されない」との指摘)
- 大企業並みの研修体系や明確なキャリアパスを求める人(従業員76人・新卒5名の規模)
- 賞与の安定を最優先する人(営業利益率1%で業績変動の影響を受けやすい)
応募前・面接時に確認したいこと:
- 配属先(本場・南部・川崎北部)と、それぞれの始業時刻・通勤手段。寮の空き状況
- 提示年収の内訳(基本給・賞与・早朝勤務に関する手当)と、直近3期の賞与実績
- 2027年3月期の減益予想を踏まえた賞与の見通し
- 南部ペスカメルカートIIなど加工・物流部門への異動可能性と、市場営業以外のキャリア
- 従業員が96人から76人に減った経緯(退職か、自然減か、業務の効率化か)
横浜魚類に関するよくある質問(FAQ)
検索候補に挙がる質問のうち、転職・就職判断に関わるものだけを取り上げます。
横浜魚類の採用は新卒・中途どちらが中心ですか?
公式採用サイトでは総合職5名の新卒採用(営業部門・管理部門)の募集要項が公開されています(公式情報)。中途採用の常設募集は公式サイト上で確認できなかったため、中途で検討する場合は求人サイトや転職エージェント経由で募集の有無を確認する必要があります。従業員76人で平均勤続17.8年の会社であり、中途の採用枠は欠員補充中心になる可能性があります(推定情報)。
南部支社・川崎北部支社の勤務はどう違いますか?
本社は横浜市中央卸売市場本場(神奈川区)、南部支社は横浜南部市場(金沢区)、川崎北部支社は川崎市中央卸売市場北部市場(宮前区)にあります(公式情報)。南部支社には加工・物流施設「南部ペスカメルカートII」があるため、市場営業に加えて加工品・量販店向けの業務が中心になる可能性があります。新卒募集要項の勤務地は本社(横浜市神奈川区)とされており、支社配属の有無や時期は面接で確認してください(推定情報)。
横浜丸魚とはどう違いますか?
横浜丸魚(8045)は横浜魚類と同じ横浜市中央卸売市場本場で営業する水産荷受で、2025年3月期の平均年収は約663万円、従業員91人、売上規模は横浜魚類の約2倍です(有報転載の二次ソース値・公式情報)。横浜丸魚は水産物販売事業や運送事業も持つ一方、横浜魚類は南部市場・川崎北部市場に拠点を持ち、加工分野を広げている点が違いです。同じ市場で2社が競合する構図のため、面接では両社の違いを理解していることが志望動機の説得力につながります。
ニッスイの子会社ですか?待遇はニッスイ基準ですか?
ニッスイは筆頭株主(19.8%)ですが親会社ではなく、横浜魚類は非連結・単体決算の独立した上場企業です(公式情報)。給与・賞与・福利厚生は横浜魚類独自の制度で、平均年収609万円や賞与3.6ヶ月はニッスイ本体の水準とは別物です。
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
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免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。横浜丸魚・中央魚類および卸売業10社の比較数値は、有価証券報告書の転記型データベース経由で確認したものを含みます。記載内容は最終更新時点(2026年9月)の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
