株式会社進和(7607)の評判と年収731.8万円|自動車関連72%の依存構造
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 同定:本記事は証券コード7607・名古屋市守山区の株式会社進和です
- 年収:有価証券報告書の平均年間給与731.8万円。4年で約+21%
- 事業構造:自動車関連が売上の71.9%。トヨタ19.0%・デンソー10.1%
- 注意点:有報の年収は単体577名の数値。連結925名の平均ではありません
この記事で扱うのは、株式会社進和(証券コード7607・東証プライム/名証プレミアの重複上場・本社は愛知県名古屋市守山区苗代二丁目9番3号)です。溶接・ろう付・溶射といった金属接合を中核技術とし、商社機能と製造機能を併せ持つエンジニアリング商社で、公式ドメインは shinwa-jpn.co.jp、EDINETコードはE02896です。転職・就職の判断で最初に効くのは「この会社の売上が誰から来ているか」と「実際にいくら払われているか」の2点です。本記事は第75期(2024年9月1日〜2025年8月31日)の有価証券報告書を主軸に、顧客構成・年収の5期推移・セグメント別の明暗・制度面までを、公式情報/口コミ傾向/推定情報を分けて整理します。
株式会社進和(7607)とは|名古屋・守山区の金属接合エンジニアリング商社
結論から言えば、進和は「自動車の生産ラインをつくる、溶接・接合の専門商社兼メーカー」です。東証33業種の分類は卸売業ですが、実態は機器を右から左へ流す口銭ビジネスではなく、加工・設計製作・施工まで自社で抱えています。読者にとっての意味は明快で、営業職であっても製品と現場の技術理解が評価軸になる、ということです。

「進和」で検索すると、建設会社や学校法人など別の会社ばかり出てくるのですが……
まず同定から|商号が似た別法人が全国に複数ある
「進和」「シンワ」を含む商号・屋号の法人は、建設業・不動産管理・教育・飲食など幅広い業種に全国で複数存在します。検索結果に出てくる評判・求人・話題が、本記事の対象である上場会社のものとは限りません。転職検討時は、次の3点で同定してください。
- 証券コード7607/EDINETコードE02896(公式情報・有価証券報告書)
- 本社所在地:〒463-0046 愛知県名古屋市守山区苗代二丁目9番3号
- 公式ドメイン:shinwa-jpn.co.jp(採用サイトは recruit.shinwa-jpn.co.jp)
あわせて紛らわしい点をもう1つ。進和の連結子会社に株式会社アイシン(不動産管理・損害保険代理)がありますが、自動車部品大手のアイシン(証券コード7259)とはまったくの別会社です。求人票やIR資料を読むときに取り違えないよう注意してください。
商社部門と製造部門の二刀流という事業の形
進和は、商社部門で金属接合関連機器・材料、産業機械、FAシステム関連商品を販売し、製造部門では肉盛溶接・溶射加工、ろう付加工、メンテナンス工事の施工、FAシステム製品の設計製作を自前で行っています。会社四季報系の二次情報による商品別構成比は、金属接合36・産業機械31・FAシステム26・メンテナンス他7(この構成比のみ二次ソース値です)。技術部には航空宇宙機器を扱う部署も置かれています。
この「売るだけでない商社」への転換は、金属接合・生産設備分野の業界全体で進んでいる流れでもあります。メーカー直販やネット販売が広がるなか、商社が選ばれる条件は技術提案・現場対応・アフターサービスを束ねられるかどうかに寄っており、進和はその内製化を進めてきた側にいます。推定情報として付け加えると、この構造は「文系出身でも技術を学ぶ意欲があるかどうかが入社後の伸びを左右する」働き方につながりやすいと考えられます。
グループは連結子会社15社・9カ国12現地法人
連結子会社は15社です。国内は物流の株式会社進栄、不動産管理・損保代理の株式会社アイシン、自動車部品の樹脂製品を製造販売する株式会社ダイシンなど。海外は米国・ブラジル・メキシコ・タイ・インドネシア・マレーシア・インド・中国(上海/煙台/天津)・英国に展開し、米州・アジアパシフィック・中国など9カ国に12の海外現地法人を持ちます。第75期からはインドの現地法人が新規連結となり、これに伴い旧「東南アジア」セグメントは「アジア・パシフィック」へ名称変更されています。
進和の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。決算期が3月ではなく8月末である点に注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社進和(SHINWA CO., LTD.) |
| 証券コード/上場市場 | 7607/東証プライム・名証プレミア(重複上場) |
| 本社 | 〒463-0046 愛知県名古屋市守山区苗代二丁目9番3号 |
| 創立 | 1951年(昭和26年)2月12日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 瀧谷 善郎 |
| 資本金 | 951百万円 |
| 平均年間給与 | 7,317,721円(約731.8万円) |
| 平均年齢 | 40.1歳 |
| 平均勤続年数 | 11.7年 |
| 従業員数 | 連結925名[臨時188名]/提出会社577名[臨時81名] |
| 売上高 | 861億4,600万円(連結・前期比+10.7%) |
| 営業利益 | 45億3,600万円(連結・前期比+27.4%) |
| 経常利益/当期純利益 | 48.0億円/約33.1億円(連結) |
| 主要顧客 | トヨタ自動車163億8,300万円、デンソー86億6,600万円 |
| 対象期 | 第75期(2024年9月1日〜2025年8月31日=2025年8月期) |
| 出典 | 第75期 有価証券報告書(2025年11月19日提出)/公式サイト会社概要・採用サイト |
トヨタ19%・デンソー10%|顧客集中72%を転職者はどう読むか
進和を評価するうえで最も重要な数字がここです。有価証券報告書によると、第75期の主要顧客はトヨタ自動車が16,383百万円で連結売上の約19.0%、デンソーが8,666百万円で約10.1%。この2社だけで連結売上の約29%を占めます。さらに自動車関連産業向け売上は61,949百万円、構成比71.9%です。読者が得られる結論は「進和の業績は、日本の自動車産業の設備投資サイクルとほぼ一体で動く」ということになります。
依存度は一時的な数字ではなく、5期にわたる構造
自動車関連の構成比は第71期70.6%から第75期71.9%へと推移しており、一貫して7割超で安定しています。つまり直近だけたまたま偏ったのではなく、これが進和のビジネスモデルそのものだと理解すべきです。会社自身も有価証券報告書の「事業等のリスク」の第1項に自動車関連産業への依存を挙げ、特にトヨタ自動車グループへの依存度が高いと明記しています。企業側が自己申告しているリスクなので、面接で触れても失礼にはあたりません。
安定として働く面|受注の読みやすさと技術の蓄積
顧客集中には明確なプラス面があります。第一に、主要顧客との関係が長期にわたるため、案件の発生タイミングや技術要求が読みやすく、提案の精度を上げやすいこと。第二に、要求水準の高い顧客に鍛えられることで、接合工法や生産設備に関する知見が個人にも組織にも蓄積されること。第三に、日系顧客の海外生産に追随する形で現地法人網が育っており、国内で培った関係が海外案件につながる構造があることです。
実際、公式情報として第75期の連結売上は前期比+10.7%、営業利益は+27.4%と大きく伸びており、国内自動車生産の回復局面では業績が素直に反応することが確認できます。参考までに、業界統計では2026年7月の日本国内生産は76万1,142台・前年同月比7.9%増と伸びました。
リスクとして働く面|設備投資は「台数」より「タイミング」で振れる
一方で、注意すべき点も具体的です。生産設備の需要は生産台数そのものより新型車の立ち上げやライン更新のタイミングに左右されるため、需要には波があります。米国の通商・関税政策や北米での現地生産再編は、日系サプライヤーの投資判断に不確実性を残しており、実際に第75期の米州セグメントは減収・営業利益ほぼ半減という結果になりました。
有価証券報告書の「事業等のリスク」には、このほか為替変動リスク、大型プロジェクト受注リスク(受注10億円超・引渡しまで1年超の案件があり、棚卸資産の長期計上や採算悪化の可能性)、海外進出リスク、情報セキュリティリスクが挙げられています。とくに大型案件リスクは、現場の働き方(納期集中・立ち上げ時の負荷)にも関係しうる項目として、推定情報ながら面接で確認する価値があります。
進和の平均年収は731.8万円|4年で+21%上昇した実額推移
年収に関する結論は明確です。有価証券報告書によると、第75期(2025年8月31日現在・提出会社=進和単体)の平均年間給与は7,317,721円(約731.8万円)。賞与および基準外賃金を含む金額で、二次サイトの推定値ではなく一次情報の実額です。
5期の推移|605.0万円→731.8万円
単年の数字より説得力があるのは推移です。いずれも有価証券報告書の実額です。
| 対象期 | 平均年間給与 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2021年8月期 | 6,049,996円(約605.0万円) | — |
| 2022年8月期 | 6,484,163円(約648.4万円) | 約+7.2% |
| 2023年8月期 | 6,645,746円(約664.6万円) | 約+2.5% |
| 2024年8月期 | 6,930,064円(約693.0万円) | 約+4.3% |
| 第75期=2025年8月期 | 7,317,721円(約731.8万円) | 約+5.6% |
4年間の上昇幅は約126.8万円、率にして約+21%です。しかも4期すべてでプラスであり、特定の一年だけ跳ねたわけではありません。注目したいのは、有価証券報告書に「当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満」と明記されている点です。労働組合を通じた賃上げ交渉の枠組みがない状態でこの上昇幅が実現している、という読み方ができます。
平均年齢40.1歳・平均勤続11.7年が示すもの
年収は年齢構成とセットで見ないと誤読します。第75期の提出会社は平均年齢40.1歳・平均勤続11.7年。推移を見ると平均年齢は2021年8月期の37.8歳から40.1歳へ、平均勤続は10.7年から11.7年へと、いずれも緩やかに伸びています。
ここから読み取れるのは、「人が入れ替わって平均年齢が上がった」のではなく「同じ人が長く在籍して年齢と勤続が同時に上がった」構造だという点です(推定情報)。平均年齢が2.3歳上がる間に平均年収が約21%伸びているため、年齢上昇だけでは説明しきれない賃上げが起きているとも読めます。定着と処遇改善が同時に進んでいる会社を探している人には、素直に評価できる材料です。
初任給・賞与・手当|資格で月給が明確に動く設計
公式採用サイトによると、初任給(2026年4月実績)は大卒全職種245,000円、院卒営業職255,000円、院卒技術職265,000円。昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)です。手当の設計が具体的で、転職検討者が計算しやすいのが特徴です。
- 住宅手当:10,000〜45,000円
- 地域手当:3,000〜25,000円
- 資格手当:70種類以上(月2,000円〜50,000円)。TOEIC600点で月5,000円、800点で10,000円、900点で15,000円、日商簿記1級10,000円、1級施工管理技士・公認会計士30,000円など
- そのほか家族手当、時間外・休日勤務手当、出張手当、海外勤務手当
語学と資格が月給に直結する設計であるため、推定情報としては「入社後に自分の努力で可処分所得を積み増せる余地が大きい」タイプの給与体系と考えられます。TOEIC900点で月15,000円=年18万円という水準は、資格取得の投資対効果を計算しやすい部類です。
731.8万円という数字の射程|単体577名と連結925名のズレ
有報の平均年間給与を使うときは、「誰の平均か」を必ず確認するのが鉄則です。進和の731.8万円は提出会社(進和単体)577名の数値であり、連結925名の平均ではありません。ここを押さえておくと、求人票の提示額とのギャップに驚かずに済みます。
単体比率62.4%|持株会社ではないが、グループ全体でもない
連結925名に対し提出会社は577名で、単体比率は約62.4%。進和は純粋持株会社ではなく事業会社本体(商社部門+製造部門を自社保有)なので、有報の給与は現場実態を比較的よく表します。この点は、本社管理部門だけを抱える持株会社の有報年収より信頼度が高いと言えます。
ただし残りの約37.6%、すなわち海外現地法人、樹脂製品製造の株式会社ダイシン、物流の株式会社進栄などに所属する人の給与は含まれていません。連結のセグメント別従業員内訳は日本647名、中国109名、アジア・パシフィック107名、米州58名、その他4名で、海外に約278名が在籍しています。応募する職種・法人がどこに属するかで、参照すべき水準は変わります。
口コミサイトの評点は本記事では扱いません
口コミ傾向について正直に書きます。OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判といった主要口コミサイトの投稿件数・総合評点は、本記事の調査時点では取得できていません。したがって「口コミ○件」「総合評価○点」といった数値の紹介は行いません。件数が少ないか多いかの推測も、数値としては書きません。
代わりに、口コミで論点になりやすいテーマについては、有価証券報告書と公式採用サイトで裏の取れる事実のみを提示します。具体的には、①労働組合が存在しないこと、②平均勤続11.7年と定着は長い部類であること、③女性管理職比率1.9%・男女賃金差異は全労働者64.1%と女性のキャリア面は数値上まだ弱いこと、④年間休日121日・リフレッシュ休暇・副業制度など制度面は整備方向であること、⑤全職種で海外を含む転勤の可能性が明記されていること、⑥資格手当70種類超で語学・資格が給与に直結すること。以下のセクションで順に扱います。
制度・働き方から見る進和|年間休日121日と資格手当70種類超
働き方を判断するうえで有効なのは、「制度として文書化されているか」を見ることです。以下は公式採用サイトの募集要項・福利厚生ページに記載のある公式情報です。
休日・勤務時間・柔軟性
- 勤務時間9:00〜18:00(休憩1時間)、一部部門でフレックスタイム制
- 週休2日(土日)、年間休日121日
- リフレッシュ休暇:有給5連休を推奨し、土日と合わせて最長9連休。奨励金あり(入社3年目以上)
- 副業制度あり、オールシーズンノーネクタイ
- 目標チャレンジ面談(半期1回)、サークル活動補助金、福利厚生倶楽部
年間休日121日は、土日祝と年末年始をおおむね確保できる水準です。副業制度とフレックスの一部導入は、中堅規模のBtoB商社としては先行している部類に入ります。一方、推定情報として注意しておきたいのは、顧客の工場や生産ラインに入る仕事の性質上、立ち上げ時期の出張や休日対応が発生しうる点です。平均残業時間・有給取得率は有価証券報告書では開示されていないため、面接や労働条件通知書で必ず実数を確認してください。
住まいと資格|独身寮は実質9,000円
金額換算しやすい福利厚生も具体的です。独身寮は寮費20,000円/月・家具家電付きのワンルームで、食事補助手当11,000円があるため実質的な自己負担は月9,000円。引越し費用は会社負担です。地方から名古屋圏へ移る人にとっては、初年度の可処分所得に直接効く条件と言えます。確定拠出年金、従業員持株会も用意されています。
資格手当が70種類以上(月2,000円〜50,000円)という設計は、「何を勉強すれば給与が上がるか」が明示されているということです。技術商社では扱う商材が溶接・ろう付・溶射・FA設備と技術的であり、機械や材料の知識をどうキャッチアップするかが業界共通の関心事になっています。手当がその道筋を可視化している点は、未経験から入る人にとって実利的な情報です。
正直に書くべき数字|労働組合なしと女性比率1.9%
ポジティブな材料だけでは判断できないので、弱い数字も並べます。有価証券報告書によると、第75期・提出会社の女性管理職比率は1.9%、男女賃金差異は全労働者64.1%/正規雇用67.4%/パート・有期50.3%です。会社は女性活躍推進のワーキンググループを設置し、フレックスタイム制度を全社導入、女性管理職比率の向上をKPI化していますが、実績値としてはまだ低い水準にあります。
また前述のとおり労働組合は結成されておらず、労働条件は会社主導で決まる構造です。過去4年の賃上げ実績を見る限りこの構造がマイナスに働いているとは読めませんが、推定情報として「交渉の枠組みが制度化されていない」点は、長期の待遇安定性を重視する人にとって確認材料になります。女性のキャリア形成を最優先に置く人は、KPIの進捗と実際のロールモデルの有無を選考過程で聞くことをおすすめします。
業績と将来性|国内+19.4%に対し米州▲21.9%という濃淡
「将来性がある/ない」という一般論ではなく、セグメント別の実数で見ます。結論は「国内が強く伸び、海外の一部が明確に失速している」という濃淡のある状態です。
セグメント別の明暗
| セグメント | 売上高(第75期) | 前期比 | 営業利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 672億円 | +19.4% | 30.8億円 | +91.2% |
| 米州 | 86.5億円 | ▲21.9% | 6.65億円 | ▲49.1% |
| アジア・パシフィック | 56.7億円 | +22.6% | 6.69億円 | — |
| 中国 | 41.6億円 | ▲15.4% | 1.07億円 | — |
| その他 | 5.06億円 | ▲48.8% | ▲5.2百万円(損失) | — |
編集部の分析として注目したいのは営業利益率の逆転です。売上規模が最大の日本セグメントの営業利益率は約4.6%であるのに対し、アジア・パシフィックは56.7億円の売上で6.69億円の営業利益=約11.8%と、規模は小さいながら最も収益性が高くなっています。米州も約7.7%と日本を上回りますが、前期比では利益がほぼ半減しました。海外勤務を視野に入れる人にとっては、「どの地域に配属されるか」で見える景色がかなり違う、ということです(数値は公式情報、解釈は推定情報)。
2026年8月期は微減益予想|数字を伏せずに見る
第75期の営業利益45.3億円は前期35.5億円からの+27.4%回復ですが、その前の第74期は前々期の52.1億円から大幅減益でした。つまりV字ではなく上下動です。そして会社の2026年8月期予想は売上870億円・営業利益43億円・経常45億円・純利益31億円で、再び微減益の見通しです。
ただし2026年8月期の第3四半期累計は売上約682億円・営業利益約40.2億円・経常利益約42.0億円で、経常利益の通期予想に対する進捗率は93.3%に達しています。推定情報として、会社予想が保守的に置かれている可能性は指摘できますが、着地を断定はできません。転職判断では「増益基調の会社」ではなく「自動車の設備投資サイクルに合わせて上下する会社」と捉えるのが実態に近いでしょう。
接合技術の変化と自動化投資|非自動車領域の開拓
業界の中期トレンドは、進和の事業と正面から噛み合っています。電動化と軽量化により、車体は高張力鋼板・アルミ・樹脂・銅(電池やモーター部品)といった異種材料の組み合わせが増え、従来のスポット溶接一辺倒では対応しきれない領域が広がりました。レーザ溶接、摩擦攪拌接合、ろう付、接着といった工法の使い分けが実務課題になっており、バッテリーパックやモーターの接合品質は安全性に直結するため要求水準も上がっています。
自動化投資も底堅く推移しています。国際ロボット連盟(IFR)によれば、米国の産業用ロボット設置台数は2025年に約3万8,000台・前年比11%増で、うち自動車産業向けが約1万3,500台と最大の需要先でした。進和はこの流れに対し、レーザ加工、IoT/DXによる設備の稼働監視、超精密微量塗布装置、航空宇宙機器といった非自動車領域の開拓を進めています。加えて、装置の据付後に発生するメンテナンス・消耗材・改造工事はストック性収益として設備投資の谷を埋めるクッションになります。会社は2026年7月21日に中期経営計画の策定を開示していますが、数値目標の中身は本記事では扱いません(未取得のため)。
上場企業としての進和|PBR0.88倍・配当利回り4.08%と株主構成
転職先の安定性を見るとき、株式市場からの評価も一つの材料になります。公式情報ではなく市場データ(2026年9月7日時点)ですが、時価総額は約419億円、予想PER13.15倍、PBR0.88倍、予想配当利回り4.08%、予想ROE6.69%、予想ROA4.52%です。
PBRが1倍を割っているのは、売上861億円・営業利益45億円という事業規模に対して市場評価が控えめであることを示します。推定情報として、顧客集中と海外セグメントの不安定さがディスカウント要因になっている可能性は考えられますが、断定はできません。従業員1人当たり売上高を計算すると連結925名で約9,313万円となり、在庫と設備を持つ技術商社としては標準的な水準です。
資本構成は独立系でオーナー色のある形です。有価証券報告書によると、第75期末の大株主上位は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)10.8%、進和取引先持株会3.8%、進和従業員持株会3.7%、東朋テクノロジー株式会社3.0%、野村信託銀行(投信口)2.9%、日本カストディ銀行(信託口)2.7%などで、これに創業家系とみられる同姓の個人株主を含む個人が複数名並びます(個人株主の氏名・持株比率は個人情報のため本記事では記載しません)。上位10名の合計は37.6%、自己株式413,755株(2.99%)は除外されています。有価証券報告書には「当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません」と記載されており、親会社のいない独立企業です。TOB・非公開化の動きは本記事の調査範囲では見当たりませんでした。取引先持株会と従業員持株会が上位に並ぶ構造は、取引関係と従業員が株主として関与している安定株主型と読めます(推定情報)。
同じ「卸売業」の上場商社と数字を並べる
年収は単独では評価できません。ここでは、同じ東証33業種「卸売業」に分類される上場中堅商社の有価証券報告書の実額を並べます。決算期が会社ごとに異なるため、期と年度を併記しています。すべて公式情報(各社の有価証券報告書「従業員の状況」)です。
| 企業名(コード) | 平均年間給与 | 対象期 | 平均年齢/勤続 | 単体/連結従業員 | 事業の性格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 進和(7607) | 約731.8万円 | 第75期=2025年8月期 | 40.1歳/11.7年 | 577名/925名(62.4%) | 金属接合・FAの技術商社+製造 |
| ダイトロン(7609) | 約858万円 | 第74期=2025年12月期 | 41.8歳/15.1年 | 877名/1,117名(78.5%) | 電子機器・装置の商社+製造 |
| オーハシテクニカ(7628) | 約646.6万円 | 第74期=2026年3月期 | 45.0歳/15.0年 | 232名/721名(32.2%) | 自動車用締結部品(日経分類は自動車部品) |
| NaITO(7624) | 約581.9万円 | 第75期=2026年2月期 | 44.7歳/19.9年 | 297名/309名(96.1%) | 機械工具商社(親会社あり) |
| 田中商事(7619) | 約534.7万円 | 第65期=2026年3月期 | 39.4歳/13.4年 | 437名/455名(96.0%) | 電設資材の卸売 |
この5社のなかで進和は年収で2番目、平均年齢では2番目に若いポジションにあります。40.1歳で731.8万円という組み合わせは、45.0歳で646.6万円、44.7歳で581.9万円という他社と比べると、年齢あたりの水準として相対的に高いと読めます(推定情報)。
収益性でも並べておきます。売上高営業利益率は、進和が約5.3%(861.5億円/45.4億円)、ダイトロンが約6.8%、オーハシテクニカが約5.9%、田中商事が約3.1%、NaITOが約0.9%。同じ「卸売業」でも収益構造はまったく違うことが分かります。進和は中位ですが、前期の約4.6%から改善しており、方向としては上向きです。
なお、転職活動で実際に併願先になりやすいのは上表の会社だけではありません。ダイヘン(溶接・接合機器の大手メーカーで、進和が扱う商材の川上側)、岡谷鋼機(名古屋の老舗独立系商社)、山善・ユアサ商事(機械工具・産業機械の専門商社)などは、職種の近さや勤務地の観点から比較対象になりやすい企業です。各社の給与水準は本記事では扱いませんので、それぞれの有価証券報告書で確認してください。
進和で描けるキャリアパス|社内の道と業界外の出口
転職判断では「入った後にどこへ行けるか」まで見るべきです。進和が属する金属接合・生産設備の技術商社では、キャリアの出口が比較的はっきりしています。
社内で伸ばす道
- 営業系:技術営業として特定顧客・特定商材(金属接合材料、産業機械、FAシステム)を担当し、案件の大型化に伴ってライン一括提案、海外現地法人の営業責任者、事業領域の管理職へ進む道。公式採用サイトの職種区分は国内営業/営業アシスタント/海外技術営業に分かれています。
- 技術系:製造部門で肉盛溶接・溶射やろう付の加工技術、FAシステムの設計製作、メンテナンス施工を担当し、工法開発・品質保証・生産技術の専門職、あるいはレーザ加工・航空宇宙・二次電池といった新領域の立ち上げメンバーへ広がる道。職種区分には施工管理、技術、経理、情報システムも用意されています。
公式採用サイトによると、2027年新卒は営業職20名程度・技術職10名程度という小規模採用で、勤務地は営業が愛知・大阪・東京・埼玉、技術は愛知に限定されています。ただし全職種で海外を含む転勤の可能性が明記されており、勤務地を固定したい人は選考段階で確認が必要です。
業界外への出口|接合と自動化の知見は持ち運べる
進和で得られる専門性は、社外でも通用しやすい部類です。接合工法の知見は完成車メーカー・部品メーカー・設備メーカーのいずれでも評価されるため、顧客側の生産技術・設備調達部門や、溶接機・ロボット・レーザ装置メーカーの技術営業/アプリケーションエンジニアへの移動が現実的な選択肢になります。
もう一つの方向が自動化領域です。ロボットSIer、FAシステムインテグレーター、装置メーカーの立ち上げ・プロジェクトマネジメント職は慢性的に人材需要があり、工場自動化のニーズは自動車以外の食品・物流・医療分野にも広がっています。推定情報ですが、進和のようにライン一括提案まで手掛ける会社での経験は、業界をまたいだ移動においても説明しやすい実績になると考えられます。BtoBで社名の知名度が高くないことを不安視する声は業界共通の懸念ですが、職務経歴として語れるのは社名ではなく担当した案件と工法です。
進和への転職が向いている人・向いていない人
これまでの公式情報と業界文脈をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 技術を学ぶ意欲があり、文系出身でも溶接・FAの知識を身につけたい人 | 商材知識を深めずに、対人スキルだけで成果を出したい人 |
| 資格・語学で給与が上がる仕組みを活かしたい人(資格手当70種類超) | 年功や在籍年数だけで自動的に処遇が上がることを期待する人 |
| 名古屋圏に腰を据え、長期での勤続と昇給を重視する人(平均勤続11.7年) | 勤務地を完全固定したい人(全職種で海外含む転勤の可能性が明記) |
| 特定顧客と深く長く付き合い、案件を大型化させる仕事に手応えを感じる人 | 顧客が分散した事業ポートフォリオでリスクを抑えたい人(自動車関連71.9%) |
| 顧客の工場・生産ラインという現場に入ることを面白いと感じる人 | 繁閑の波や立ち上げ時期の出張・現場対応を避けたい人 |
| 非自動車の新領域(レーザ・航空宇宙・二次電池)を中長期で育てたい人 | 短期で成果と昇進が明確に返ってくる環境を求める人 |
進和に関するよくある質問(FAQ)
進和への転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。すべて公式情報を根拠に、断定できない部分は断定していません。
株式会社進和はどこの上場市場に上場していますか?
東証プライム市場と名証プレミア市場の重複上場です(証券コード7607)。EDINETコードはE02896、本社は愛知県名古屋市守山区苗代二丁目9番3号、創立は1951年2月12日です。商号の似た別法人が全国に複数あるため、検索時はこのコードと所在地で同定してください。
進和の平均年収はいくらですか?
有価証券報告書によると、第75期(2025年8月期)の平均年間給与は7,317,721円(約731.8万円)です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は提出会社(単体)577名で、連結925名の平均ではありません。推移は2021年8月期の約605.0万円から4年で約+21%上昇しています。
進和の離職率は公表されていますか?
離職率および新卒3年以内離職率は、有価証券報告書では開示されていません。代わりの手がかりになるのが平均勤続年数で、第75期は11.7年(2021年8月期は10.7年)と伸びています。平均年齢も37.8歳から40.1歳へ上昇しており、在籍が長期化している傾向は数値から読み取れます。ただし職種別・部門別の内訳は開示されていないため、応募先の部署の実態は面接で確認してください。
口コミサイトでの評価はどうなっていますか?
本記事の調査時点では、OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判などの投稿件数・総合評点を取得できていないため、点数や件数の紹介は行いません。代わりに、有価証券報告書と公式採用サイトで裏の取れる事実(労働組合なし、年間休日121日、資格手当70種類超、女性管理職比率1.9%など)を本文で提示しています。口コミを参照する場合は、商号の似た別法人のページを見ていないか必ず確認してください。
どんな職種で採用していますか?
公式採用サイト(2026年1月開設)の職種区分は、国内営業/営業アシスタント/施工管理/海外技術営業/技術/経理/情報システムです。2027年新卒は営業職20名程度・技術職10名程度の予定で、勤務地は営業が愛知・大阪・東京・埼玉、技術が愛知。初任給は大卒24.5万円、院卒営業25.5万円、院卒技術26.5万円(2026年4月実績)です。中途採用の募集内容は時期によって変動するため、公式採用サイトで最新の要項を確認してください。
決算期が8月なのは、選考や入社時期に影響しますか?
進和の事業年度は9月1日から翌年8月31日で、第75期は2024年9月〜2025年8月です。有価証券報告書の提出は11月、株主総会も秋になります。3月決算を前提にした「期初の4月入社」「上期・下期」の感覚とはズレるため、推定情報として、賞与月(6月・12月)や評価サイクル、入社時期の扱いは面接時に確認しておくと安心です。昇給は年1回(4月)と公式採用サイトに記載があります。
進和への転職判断まとめ|編集部の見解
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。編集部の見解として、進和は「自動車産業の設備投資という明確な土俵の上で、技術を身につけながら長く働き、その分だけ処遇が上がっていく会社」という評価が実態に近いと考えられます。分散したポートフォリオを求める人には合いませんが、専門性を1つに絞って深めたい人にはむしろ好条件です。最終的な判断は、求人票と労働条件通知書、そして配属予定部署の実情を確認したうえで行ってください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報実額731.8万円・4年で約+21%。40.1歳という平均年齢を考えると相対的に高い部類(推定情報) |
| 年収の代表性 | 単体577名/連結925名で単体比率62.4%。海外・製造子会社の給与は含まれない点に注意 |
| 事業の安定性 | 自動車関連71.9%・トヨタ19.0%・デンソー10.1%。読みやすさとリスクが表裏一体 |
| 業績トレンド | 第75期は増収+10.7%・営業+27.4%。ただし2026年8月期は微減益予想で、上下動する型 |
| 海外の見え方 | アジア・パシフィックは営業利益率約11.8%と好調、米州は営業利益▲49.1%。地域差が大きい |
| 働き方・制度 | 年間休日121日、リフレッシュ休暇で最長9連休、副業可、寮は実質月9,000円 |
| 弱い数字 | 女性管理職比率1.9%、男女賃金差異64.1%、労働組合なし。改善KPIは設定済み |
| キャリアの持ち運び | 接合・自動化の知見は顧客側の生産技術やロボットSIerへ転用しやすい |
| 確認すべき項目 | 平均残業時間・有給取得率・離職率は有価証券報告書では開示されていない。面接で実数を確認 |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。数値の主出典は第75期有価証券報告書(2025年11月19日提出)です。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第75期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。商品別構成比のみ会社四季報系の二次ソース値であることを本文に明記しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
