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日本アイ・エス・ケイの転職・年収515万円と評判|旧キング工業の最大事業は歯科機器

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:旧キング工業。金庫・歯科機器・書庫ロッカーの3事業メーカー
  • 最大事業:売上・利益ともデンタル(歯科医療機器)が首位
  • 勤務地:本店登記は東京だが、本社機能と製造は茨城県つくば市
  • 平均年収:515万7千円(第79期有報・単体272名のほぼ全社平均)

日本アイ・エス・ケイ株式会社(証券コード7986・東証スタンダード市場)を転職先として検討するとき、最初につまずくのが「そもそも何をしている会社なのか分からない」という点です。社名から業種が読み取れず、検索しても出てくるのは金庫の製品ページと、回答者が数名しかいない口コミサイトばかり。この記事では、第79期(2025年12月期)有価証券報告書と会社公式サイトの一次情報をもとに、事業構成・勤務地・年収・将来性という転職判断に直結する4点を順に解きほぐします。あわせて、口コミ情報と推定情報を明確に分けて示します。

日本アイ・エス・ケイとは?旧キング工業から改称した創業110年のBtoBメーカー

結論から言うと、日本アイ・エス・ケイは耐火金庫からスタートし、いまは歯科医療機器とスチール家具まで手がける創業110年のBtoB専業メーカーです。読者が最初に得るべき情報は「社名が実態を表していない」という一点で、ここを押さえないと求人票の職種名も口コミも正しく読めません。

社名から業種が読めないのは、2014年に商号変更したから

この会社は2014年4月まで「キング工業株式会社」という社名でした。金庫ブランドの「CROWN」「King CROWN」は現在も使われており、公式サイトのドメインも king-ind.co.jp のまま運用されています。つまり、製品の世界では旧社名が生きたまま、法人としての名前だけが「日本アイ・エス・ケイ」に変わった状態です。

この構造を知らないと、次のようなミスマッチが起きます(推定情報を含みます)。

  • 「日本アイ・エス・ケイ」で検索しても製品情報が出てこず、事業内容がつかめない
  • 逆に「キング工業 金庫」で検索すると、金庫の暗証番号・鍵の問い合わせ情報ばかりが並ぶ
  • 面接で「御社の主力製品は金庫ですよね」と答えると、実態と外れた認識になる

なお、運送業を営む同名別法人の「アイ・エス・ケイ」は、証券コード7986の当社とはまったく関係のない会社です。ネット上の情報を集める際は、証券コード7986・本店所在地・旧社名キング工業の3点で特定してください。

1916年創業、1989年に歯科分野へ参入という異色の変遷

公式サイトの沿革によると、創業は1916年(大正5年)8月、東京都台東区で初代社長が個人商店「日進社」を興し、手提金庫・ポンプ・消火器の製造販売を始めたのが起点です。1948年に資本金240万円でキング工業株式会社として設立、1974年12月に日本証券業協会の登録銘柄として株式を公開しています。

転職検討者にとって重要なのは、1989年に帝国デンタル製作所を吸収合併して歯科分野へ参入したという一点です。この決断がなければ、現在の最大事業は存在していません。金庫という成熟した市場に軸足を置きながら、歯科という別の成長市場を取り込んだ結果として、いまの3事業体制ができています。2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所へ上場し、2022年4月の市場区分見直しで東証スタンダード市場に移行しました。資本金は10億9,080万円、発行済株式数は1,776,000株です。

茨城の「広沢グループ」に属する同族企業という位置づけ

第79期有価証券報告書の「大株主の状況」によると、筆頭株主は廣澤興産有限会社(23.17%)で、以下、廣澤清氏(14.16%)、広沢かほる氏(9.11%)、公益財団法人広沢育英会(7.82%)、広沢有限会社(6.52%)と続き、上位10名の合計で67.49%を占めます(公式情報)。会社は「支配株主等に関する事項について」を適時開示しており、茨城県筑西市の複合施設「ザ・ヒロサワ・シティ」を運営する企業群、いわゆる広沢グループの一員です。

グループ内での位置づけは、採用にも直接影響します。新卒・キャリアともにグループ会社である育良精機株式会社との合同採用の形をとっており、募集要項がグループ側のリクルートサイトに掲載されることがあります。応募段階で「どちらの会社への配属になるのか」を確認しておくことが、後の期待値ギャップを防ぐ実務的なポイントです(推定情報)。

日本アイ・エス・ケイの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。すべて公式情報として、第79期(2025年12月期)有価証券報告書および決算短信から取得した実額です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名日本アイ・エス・ケイ株式会社(旧・キング工業株式会社)
証券コード/市場7986/東証スタンダード市場(その他製品)
本店所在地東京都台東区元浅草二丁目7番13号(本社機能・主力工場は茨城県つくば市寺具1395番地の1)
平均年間給与約515万7千円(5,157千円)
平均年齢38.1歳
平均勤続年数13.5年
従業員数連結283名(外、平均臨時雇用者44名)/提出会社単体272名
売上高60億64百万円(連結・前期比+2.8%)
営業利益5億95百万円(連結・前期比+14.9%)
経常利益6億04百万円(連結・前期比+5.5%)
親会社株主に帰属する当期純利益4億18百万円(前期比△3.4%)
自己資本比率70.4%(第79期末)→73.7%(第80期中間末)
設立/創業1948年4月設立/1916年8月創業
労働組合結成されていない(有価証券報告書に明記・労使協調と記載)
出典第79期(2025年12月期)有価証券報告書、2026年12月期第2四半期決算短信、公式サイト

最大事業は金庫ではない|3つのセグメントを売上と利益で分解する

この記事で最も伝えたい事実がここです。日本アイ・エス・ケイの売上・利益がいちばん大きいセグメントは、金庫ではなく歯科医療機器(デンタル関連)です。応募する職種によって、実質的にまったく別の会社に入ることになります。

第79期(2025年12月期)の連結売上高は60億64百万円(前期比+2.8%)で、内訳は次の通りです(公式情報)。

  • デンタル関連 20億65百万円(+3.8%)/セグメント利益2億79百万円(+14.2%)
  • 書庫ロッカー関連 19億61百万円(△2.7%)/セグメント利益1億65百万円(△3.4%)
  • 鋼製品関連(金庫) 17億22百万円(+6.5%)/セグメント利益2億74百万円(+7.8%)
  • 不動産賃貸関連 1億78百万円(+7.7%)/セグメント利益1億55百万円(+7.6%)
  • その他 1億36百万円(+20.8%)/セグメント利益29百万円(+24.7%)

鋼製品関連(耐火金庫)|社名の由来だが売上は3番目

耐火金庫・防盗金庫の「CROWN」「King CROWN」シリーズを製造し、あわせて手提金庫を仕入販売する事業です。生産は群馬県の中之条工場が担っています。売上規模では3番手ですが、セグメント利益2億74百万円はデンタルに次ぐ2位で、利益率の高い事業であることが分かります。指紋・静脈認証に加え、虹彩認証・顔認証を搭載した高付加価値モデルへ注力しており、価格競争一辺倒ではない領域を作っている点は、事業の安定性を見るうえで前向きな材料です。

一方で、有価証券報告書の「事業等のリスク」には鋼材仕入価格の上昇による収益圧迫が挙げられています。金庫と書庫ロッカーはいずれも鋼材が主原料であるため、市況の影響を同時に受ける構造にある点は理解しておくべきポイントです。

デンタル関連|売上・利益とも最大の主力事業

歯科診療用ユニット(診療チェア周辺の設備)などの歯科医療機器を製造・仕入販売する事業で、茨城県つくば市の筑波工場が生産拠点です。売上20億65百万円は全社の約34%にあたり、セグメント利益2億79百万円も全事業で最大、しかも前期比+14.2%と伸び率が最も高くなっています。連結子会社の株式会社ビアンエアージャパン(従業員11名・つくば市)も、この分野の部品を担っています。

従業員配置を見ると構造がさらに明確になります。連結283名のセグメント別内訳は、書庫ロッカー関連105名、デンタル関連100名、鋼製品関連72名、全社共通6名です。人員面でも「金庫の会社」ではないことが数字で裏づけられます。

ただし有価証券報告書のリスク記載には、歯科医療の健康保険制度・診療報酬改定の動向が需要に影響する点が明記されています。市況ではなく制度に業績が左右される事業であり、金庫・スチール家具とは異なるリスク要因を持つことは押さえておきたいところです。

書庫ロッカー関連|オフィス・学校向けスチール家具

オフィスや学校向けの書庫・ロッカーなどスチール家具を製造・販売する事業で、茨城県筑西市の川島工場と北海道の札幌工場が生産を担います。売上19億61百万円は僅差の2位ですが、3事業で唯一の減収(△2.7%)・減益(△3.4%)となりました。

業界文脈として、オフィス家具市場は在宅勤務の定着後にオフィス回帰が進み、什器の単純供給から働き方に合わせた空間提案へと付加価値の重心が移っています。日本アイ・エス・ケイは大手のように空間コンサルティングまで内製する体制ではないため、収納什器という製品カテゴリで戦うポジションにあります。学校向けの更新需要が売上を支える一方、少子化の影響を中長期で受けやすい領域でもあります(推定情報)。

本社は東京?茨城?有報から読み解く勤務地の実態

転職検討者が最も誤解しやすいのがここです。結論を先に述べると、登記上の本店は東京都台東区ですが、本社機能と製造の中心は茨城県つくば市にあります。「本社勤務=東京勤務」と考えて応募すると、想定と違う結果になりかねません。

有価証券報告書上の本店所在地は東京都台東区元浅草二丁目7番13号で、これは「東京事業所」にあたります。一方、会社公式サイトが本社として掲げ、有価証券報告書でも「最寄りの連絡場所」および「本社、筑波工場」と記載されているのは茨城県つくば市寺具1395番地の1です。採用の主担当窓口もつくば市寺具側にあります。

有価証券報告書「主要な設備の状況」に記載された各拠点の従業員数を並べると、力点の置かれ方が一目で分かります(公式情報)。

拠点所在地役割従業員数
本社・筑波工場茨城県つくば市寺具1395番地の1本社機能/歯科医療機器の生産60名
川島工場茨城県筑西市小川1691書庫・ロッカーの生産70名
中之条工場群馬県吾妻郡中之条町伊勢町26-1耐火金庫の生産38名
札幌工場北海道札幌市清田区平岡3条2-13-1書庫・ロッカーの生産38名
東京事業所(本店登記地)東京都台東区元浅草2-7-13管理・営業機能27名

東京事業所の27名に対し、茨城県内の2拠点だけで130名。設備の帳簿価額でも川島工場747百万円、中之条工場216百万円、本社・筑波工場203百万円、札幌工場74百万円となっており、東京事業所は年間13,800千円で賃借している形です。資産の重心も人員の重心も、明確に工場側にあります。

営業拠点は札幌・盛岡・仙台・北関東・群馬・北陸(金沢)・名古屋・大阪(東大阪)・広島・四国(高松)・福岡・鹿児島など全国に広がっています。整理すると、想定される働き方は次の3類型です(推定情報)。

  • 製造・技術系:つくば市・筑西市・中之条町・札幌のいずれかの工場勤務。地域密着で転居転勤の頻度は低いと考えられる
  • 営業系:全国12前後の営業拠点に配属。広域転勤の可能性がある
  • 管理系:東京事業所またはつくば本社。人数枠は小さい
求職者
求職者

求人票に「本社」と書いてあったら、東京とつくばのどちらですか?

この点は求人票の表記だけでは判別できません。募集要項の勤務地欄が「本社」となっている場合、公式サイトの表記に従えばつくば市寺具を指す可能性が高いといえます。面接前に必ず、勤務地が郵便番号レベルでどこなのかを確認してください。

平均年収515万7千円は誰の数字か|「乖離ゼロ型」という珍しい構造

この見出しの結論は明快です。日本アイ・エス・ケイの有価証券報告書に載る平均年収515万7千円は、ほぼ全社員の実態を表しています。上場企業の有報年収は「一部の社員の数字」であることが多いなかで、この会社は例外的に信頼して読める部類に入ります。

公式の平均年収・平均年齢・平均勤続年数

第79期有価証券報告書「従業員の状況」(2025年12月31日現在)によると、提出会社の数値は次の通りです(公式情報)。

  • 平均年間給与:5,157千円(約515万7千円)/賞与・基準外賃金を含む
  • 平均年齢:38.1歳(前期38.7歳)
  • 平均勤続年数:13.5年(前期14.2年)
  • 従業員数:提出会社272名(外、臨時雇用者44名)

前期(第78期)の有報記載値は489万9千円だったため、1年で約26万円(+5.3%)増えた計算になります。同時に平均年齢が0.6歳下がり、平均勤続年数が0.7年短くなっているため、単純な定昇の積み上げだけでなく、若手の採用や賃金水準の見直しが同時に進んだ可能性が考えられます(推定情報)。

連結283名−単体272名=差はわずか11名

ここが同規模の上場企業と比べて特徴的な点です。連結従業員283名に対し提出会社単体は272名で、差はわずか11名。この11名は連結子会社である株式会社ビアンエアージャパン(茨城県つくば市・筑波工場、デンタル部品)の従業員です。

純粋持株会社や海外生産子会社を多く抱える企業では、有報の平均年収が「本社にいる数十名の管理職の数字」になってしまい、現場の実感と大きくずれることがあります。日本アイ・エス・ケイの場合、単体272名がそのまま全社の96%を占めるため、そうしたズレが構造的に発生しません。工場の現業職から本社の管理部門、全国の営業までを含んだ全社平均が515万7千円である、と読むのが正確です。

ただし「全社平均」であることは、裏を返せば職種や拠点による幅がこの平均の内側に畳み込まれていることも意味します。工場の現業職と本社の管理職では実額が異なるはずで、その分布は有価証券報告書では開示されていません。応募職種の実額は、内定時の労働条件通知書で確認する以外に確定させる方法はありません。

口コミ上の給与傾向|「基本給が低く手当で補う」という指摘

給与の内訳については、口コミ傾向として次のような声が見られます。転職会議には全94件(うち年収・給与カテゴリ12件)、就活会議には99件の投稿があります。

  • 基本給が低めに設定され、住宅補助などの手当で総額を補う構造になっているという趣旨の指摘
  • 退職金の算定基礎を抑える設計ではないか、という推測を含む投稿
  • 昇給の幅が大きくないという声

これらはいずれも匿名の投稿であり、会社が公表した制度説明ではありません。ただし基本給と諸手当の比率は、退職金・賞与・残業単価のすべてに影響する重要な論点です。選考が進んだ段階で、月給の内訳(基本給・固定手当・住宅手当)と退職金制度の有無を具体的に質問しておくことを強くおすすめします。有価証券報告書に記載された男女の賃金差異は、全労働者67.7%、正規雇用労働者70.3%、パート・有期労働者54.4%(男性を100とした女性の比率)です。

働き方と社風|口コミ評価2.74と平均勤続13.5年のギャップをどう読むか

この会社の評判を読むときに欠かせない前提が一つあります。口コミの母数が極端に少ないことです。回答者が数名しかいないスコアを、そのまま会社の実像として受け取るのは適切ではありません。そのうえで、公式データと突き合わせると興味深いギャップが見えてきます。

まず口コミ傾向を整理します。OpenWorkの総合評価は2.74点ですが、評価回答者はわずか5名程度です。同サイト上では残業時間が月平均16.7時間、有給消化率が21.9%という数値が示されています。エン カイシャの評判では総合2.8点(正社員回答7名/口コミ38件)で、なかでも経営陣のリーダーシップ評価2.6点が低くなっています。いずれも会社公表値ではなく、少数回答にもとづく二次情報である点に注意が必要です。

投稿内容に繰り返し現れるテーマは、おおむね次の3つに分類できます。

  • 給与水準への不満:基本給が低く手当で補う構造、昇給幅の限定
  • 社風の古さ:「考えが古い」「見て覚える式の教育で成長環境が限定的」という趣旨の指摘
  • 働き方:日常的な残業や休日出勤があり、長期休暇が取りにくいという声

ここで公式情報と突き合わせます。有価証券報告書上の平均勤続年数は13.5年、平均年齢は38.1歳です。単純計算で、平均的な社員は24〜25歳前後で入社し、そのまま在籍し続けていることになります。新卒採用中心で定着率が高い構造がうかがえ、連結従業員数も第75期270名→第79期283名と微増基調を保っています。

この2つは矛盾しているように見えますが、両立しうる解釈があります(推定情報)。

  • 解釈A:待遇や成長機会に不満はあっても、地域における雇用の安定性が高く、結果として長く働ける環境になっている
  • 解釈B:口コミを投稿する層は退職者や不満を持つ層に偏りやすく、5〜7名という母数では在籍者の平均的な実感を代表していない
  • 解釈C:茨城・群馬・北海道という工場立地では同条件の転職先が限られ、転職が起きにくい

どの解釈が実態に近いかを外部から断定することはできません。ただ、「刺激的な成長環境を求める人」と「安定して長く働きたい人」で評価が正反対に割れやすい会社であることは、公式データと口コミの両方から読み取れます。なお有価証券報告書によると労働組合は結成されておらず、労使関係は協調的と記載されています。労働条件の交渉を組合が代行する仕組みがない点は、事実として認識しておくべきです。男性労働者の育児休業取得率は66.7%と記載されています。

業績と財務|5期連続黒字・自己資本比率70%台という安定性

転職先としての「潰れにくさ」を見るなら、この会社の財務は素直に評価できます。結論として、直近5期はすべて黒字で、継続企業の前提に関する注記(GC注記)も記載されていません。

連結売上高の5期推移は、第75期55.4億円→第76期52.8億円→第77期57.1億円→第78期59.0億円→第79期60.6億円と、コロナ禍で一度落ち込んだあと3期連続で増収に転じています(公式情報)。第79期の連結営業利益は5億95百万円(+14.9%)、経常利益6億04百万円(+5.5%)。親会社株主に帰属する当期純利益4億18百万円は前期比△3.4%の減益ですが、これは法人税等調整額72百万円を計上したことによるもので、本業の悪化ではありません。

進行期の第80期も好調です。2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信によると、中間の連結売上高は31億56百万円とほぼ横ばいながら、営業利益4億26百万円(前年同期比+26.3%)、経常利益4億32百万円(+25.6%)、中間純利益2億89百万円(+31.4%)と大幅増益。通期予想は売上高61億円、営業利益6億30百万円(+5.7%)、当期純利益4億50百万円(+7.5%)です。

財務面では、自己資本比率70.4%(第79期末)→73.7%(第80期中間末)と高水準を維持し、現預金は14.1億円。配当は年30円を5期連続で維持しており、配当性向は11.3%にとどまります。株価指標は2026年8月時点で株価1,931円、時価総額約34億3千万円、予想PER6.58倍、PBR0.61倍、予想ROE9.25%です。

ただし過去には振れもありました。第76期(2022年12月期)は経常利益が1億73百万円と前期比約64%減に落ち込んでいます。鋼材価格や原材料市況の影響を受けやすい事業構造であることは、5期の推移から確認できます。

転職先としての将来性とリスク|上場維持基準・ガバナンス・事業環境

財務が堅実である一方で、転職前に必ず把握しておくべき論点が3つあります。ネガティブな面も含めて事実ベースで整理します。

上場維持基準への適合計画が複数年にわたり進行中

会社は2026年3月25日に「上場維持基準の適合に向けた計画(改善期間入り)について」を適時開示しています。これに先立ち、2024年3月29日に「計画に基づく進捗状況について」、2025年3月28日に「進捗状況及び計画期間の変更について」を開示しており、複数年にわたり基準未達の状態が続いていることが分かります。

ただし、どの項目(流通株式比率・流通株式時価総額・株主数のいずれか)が未達なのか、具体的な数値と改善期限がいつなのかは、本記事の調査では開示PDF本文を入手できず内訳を特定できませんでした。断定を避け、事実関係のみを示します。参考事実として、上位10大株主で67.49%を保有し、加えて自己株式242千株(発行済株式数の約13.6%)を保有しているため、市場に流通する株式が構造的に少ない状態にあります。時価総額も約34億円と小型です。

ここで誤解を避けるために強調しておきます。上場維持基準への適合計画は、経営破綻や事業停止とはまったく別の話です。財務は自己資本比率70%台・5期連続黒字であり、事業継続そのものが危ぶまれている状況ではありません。転職判断に関わるのは「将来的に株式市場での立場が変わる可能性がある」という点に限られます。なお、TOB(株式公開買付)やMBO(経営陣による買収)の公表は、2026年8月10日の中間決算短信までの適時開示を確認した範囲では見当たりませんでした。同族保有比率が高く上場維持基準の課題を抱える企業は、一般論として将来的な非公開化の観測が出やすい類型ではありますが、当社について具体的な計画が公表された事実はありません(推定情報)。

ガバナンスと多様性は明確な弱点

第79期有価証券報告書の記載から、次の事実が確認できます(公式情報)。

  • 役員は11名全員が男性で、女性役員はゼロ
  • 代表取締役会長は1938年生まれ(87歳)、代表取締役社長は1947年生まれ(78歳)
  • 社長はグループの育良精機株式会社の代表取締役社長を兼任
  • 管理職に占める女性労働者の割合は0.0%
  • サステナビリティに係る基本方針を定めていない、人材育成に関する指標・目標も定めていない旨を有報に明記

これらは評価ではなく開示された事実です。ダイバーシティ推進や体系的な人材育成プログラムを重視する人にとっては、明確なミスマッチ要因になり得ます。逆に、制度よりも現場の技術習得を重視する人にとっては、必ずしも障害にならない可能性もあります(推定情報)。

事業環境|3事業がそれぞれ別のリスクを持つ分散構造

将来性を考えるうえで、この会社の特徴は3事業のリスク要因が互いに独立していることです。金庫と書庫ロッカーは鋼材市況と国内の設備投資に、デンタルは歯科診療報酬制度に、不動産賃貸は保有物件の時価に、それぞれ依存しています。ひとつの事業が不調でも他が支える構造は、第79期に書庫ロッカーが減収減益となるなかで全社が増収増益を確保した実績が示しています。

一方で、各事業の規模が20億円前後にとどまるため、単独では大手と正面から競争できる規模ではありません。認証技術を載せた高付加価値金庫、歯科という制度に守られた市場、学校・オフィス向け収納什器という、いずれもニッチで参入障壁のある領域に留まることが、この会社の生存戦略と考えられます(推定情報)。有価証券報告書のリスク記載には、国内4工場に生産が集中しているため大規模地震等の自然災害の影響を受けやすい点、保有不動産の時価下落による減損リスクも挙げられています。

同業上場メーカーとの比較|規模と年収のポジション

読者が実際に併願しそうな上場企業と、規模・年収を並べます。推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。年収はいずれも各社有価証券報告書「従業員の状況」に記載された提出会社(単体)の平均年間給与です。

企業名(コード)連結売上高平均年間給与(単体)重なる事業領域向いている人
日本アイ・エス・ケイ(7986・スタンダード)60.6億円約515.7万円(単体272名)金庫/歯科機器/書庫ロッカー少人数で製品に近く関わりたい人
コクヨ(7984・プライム)3,598.8億円約786万円(単体2,346名)書庫・ロッカー等オフィス家具大手の制度と海外展開を志向する人
イトーキ(7972・プライム)1,536.8億円約757万円(単体2,491名)オフィス家具、金庫・セキュリティ空間提案型の法人営業をしたい人

数字が示す通り、売上規模でコクヨの約60分の1、イトーキの約25分の1であり、平均年収でも250万円以上の差があります。この差を「見劣り」と読むか「役割の違い」と読むかが判断の分かれ目です。大手では商品企画・営業・設計・生産技術が明確に分業されますが、従業員272名の会社では一人が担う範囲が広くなります(推定情報)。

比較対象としては他に、オフィス家具・什器で最大手級のオカムラ(7994)、歯科材料・歯科機器の専業上場メーカーである松風(7979)が挙げられます。金庫分野ではエーコー、クマヒラ、ダイヤセーフといった非上場の専業メーカーが競合にあたります。「金庫メーカーの中で選ぶ」のか「オフィス家具業界で選ぶ」のか「歯科医療機器業界で選ぶ」のかによって、比較すべき相手がまったく変わる点が、この会社の併願設計の難しさです。

日本アイ・エス・ケイへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。特に勤務地と社風の2点で、評価が大きく分かれる会社です。

向いている人向いていない人
茨城・群馬・北海道で腰を据えて長く働きたい人東京勤務を前提に「本社」求人へ応募したい人
ニッチな製品を深く理解して売る/作る仕事に価値を感じる人大規模プロジェクトやブランドの知名度を重視する人
倒産リスクの低さ・雇用の安定を最優先する人短期間で年収を大きく引き上げたい人
少人数で業務範囲が広いことを成長機会と捉えられる人体系的な研修・育成プログラムを求める人
制度より現場で技術を覚えるスタイルが合う人ダイバーシティ推進や女性管理職のロールモデルを重視する人

日本アイ・エス・ケイに関するよくある質問

検索サジェストや口コミサイトのQ&Aで実際に見られる疑問に、公式情報と推定情報を分けて回答します。

日本アイ・エス・ケイの旧社名は何ですか?

2014年4月までキング工業株式会社でした(公式情報)。金庫ブランドの「CROWN」「King CROWN」や公式サイトのドメイン king-ind.co.jp には旧社名の名残があります。1948年に東京都台東区で設立され、2014年に現社名へ商号変更しています。運送業の同名別法人「アイ・エス・ケイ」とは無関係です。

本社は東京と茨城のどちらですか?

有価証券報告書上の本店所在地は東京都台東区元浅草二丁目7番13号ですが、会社公式サイトが本社として掲げ、有報でも「本社、筑波工場」とされるのは茨城県つくば市寺具1395番地の1です(公式情報)。東京事業所の従業員は27名、つくばの本社・筑波工場は60名で、実質的な本社機能は茨城県にあります。求人票の「本社」がどちらを指すかは、応募前に必ず確認してください。

中之条工場や川島工場では何を作っていますか?

群馬県吾妻郡中之条町の中之条工場は耐火金庫(従業員38名)、茨城県筑西市の川島工場は書庫・ロッカー(同70名)を生産しています(公式情報)。ほかに茨城県つくば市の筑波工場が歯科医療機器、北海道札幌市の札幌工場が書庫・ロッカーを担当し、国内4工場体制です。

求人はどこで出ていますか?中途採用はありますか?

募集は公式サイトの採用ページで公開されるほか、グループ会社の育良精機株式会社との合同採用という形をとることがあり、募集要項がグループ側のリクルートサイトに掲載される場合があります(公式情報)。従業員272名規模のため、中途採用の枠は職種ごとに小さいと考えられます(推定情報)。応募時には、配属会社と勤務地の2点を必ず確認してください。

年収は上がりますか?賞与や手当はどうなっていますか?

有価証券報告書によると平均年間給与は第78期489万9千円→第79期515万7千円と1年で約26万円増えています(公式情報/賞与・基準外賃金を含む)。一方で口コミ傾向としては、基本給が低めで住宅補助などの手当が総額を支えているという趣旨の指摘が見られます。ただし回答者が5〜7名と母数が少ないため、実際の内訳は選考時に月給の構成(基本給・固定手当)と退職金制度を直接確認するのが確実です。

会社の経営は安定していますか?上場は続きますか?

財務面は堅実です。直近5期(第75〜79期)はすべて黒字で、継続企業の前提に関する注記(GC注記)の記載もなく、自己資本比率は70.4%(第79期末)から73.7%(第80期中間末)へ上昇しています(公式情報)。一方で、上場維持基準については2026年3月25日に「上場維持基準の適合に向けた計画(改善期間入り)について」を開示しており、複数年にわたり基準未達の状態が続いています。未達項目の内訳と改善期限は本記事の調査では特定できませんでした。経営破綻の話とは別問題である点にご注意ください。

日本アイ・エス・ケイへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準単体平均515万7千円。全社員をほぼ網羅した平均であり実感との乖離は小さい。ただし同業大手とは250万円以上の差
年収の信頼性連結283名に対し単体272名で乖離11名。有報年収がほぼ全社の実態を示す珍しい構造
事業の安定性5期連続黒字・GC注記なし・自己資本比率70%台。3事業がそれぞれ独立したリスク要因を持つ分散構造
勤務地本店登記は東京だが実質は茨城県つくば市。工場は茨城2・群馬1・北海道1。営業拠点は全国
働き方口コミでは残業月16.7時間・有給消化率21.9%(回答5名程度)。平均勤続13.5年と定着率は高い
成長環境体系的な育成制度は限定的。有報で人材育成の指標・目標は未設定と明記
ガバナンス・多様性役員11名全員男性、管理職女性比率0.0%。同族色が強く支配株主に関する開示あり
要確認事項上場維持基準の適合計画が複数年進行中。未達項目の内訳は本記事では特定できず

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。数値は第79期(2025年12月期)有価証券報告書および2026年12月期第2四半期決算短信にもとづきます。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。特に本記事で扱った口コミスコアは回答者5〜7名という少数回答にもとづく二次情報であり、会社公表値ではありません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第79期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。上場維持基準に関する記載は適時開示の存在を確認した範囲にとどめ、内訳を特定できなかった部分は推測を加えず事実のみを記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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