モリト(9837)の評判と年収|服飾資材商社の有報734万円と口コミ442万円の落差
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:証券コード9837・東証プライム・大阪の服飾資材商社です
- 年収:有報の734万円は持株会社本社73名のみの平均です
- 実態:口コミベースは400万円台。母集団の違いが落差の正体です
- 働き方:残業16.9時間・年間休日123日と負荷は軽めの傾向です
「モリト」と検索しても、上位に出てくるのは同じ読み方の別人・別法人・地名ばかりで、目的の会社にたどり着けない——転職検討者がまず直面するのがこの問題です。本記事が扱うのはモリト株式会社(証券コード9837・東証プライム市場・本社は大阪市中央区南本町)、1908年(明治41年)にハトメ・ホックの仲買商として大阪で創業した、服飾資材・生活産業資材の企画開発型専門商社です。この記事では、第88期(2025年11月期)有価証券報告書の実額をベースに、有報の平均年間給与734万円と口コミサイトの400万円台という約290万円の落差がなぜ生まれるのかを構造から分解し、事業内容・業績・働き方・将来性まで、転職判断に必要な材料を順に整理します。
モリト株式会社(9837)の公式データ一覧|第88期有価証券報告書ベース
まず、本記事で扱う公式情報を一覧で確認します。以下はすべてモリト株式会社 第88期(2024年12月1日〜2025年11月30日)有価証券報告書および同期決算短信の実額です。決算日が11月30日である点、平均年間給与などの単体項目が「提出会社=純粋持株会社モリト株式会社」の数値である点に注意してください。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | モリト株式会社(MORITO CO., LTD.) |
| 証券コード/市場 | 9837/東京証券取引所プライム市場 |
| 本社所在地 | 大阪市中央区南本町4丁目2番4号 |
| 創業/設立 | 1908年(明治41年)6月創業/1935年(昭和10年)12月17日設立 |
| 代表者 | 代表取締役社長 一坪 隆紀 |
| 資本金 | 35億3,249万2千円(発行済株式総数26,800千株) |
| 対象決算期 | 第88期(2025年11月期・決算日11月30日) |
| 平均年間給与 | 7,349,241円(約734万9千円)※提出会社=持株会社単体73名の平均 |
| 平均年齢 | 42.4歳(提出会社ベース) |
| 平均勤続年数 | 10.6年(提出会社ベース) |
| 従業員数 | 連結1,708名〔臨時雇用者平均317名〕/提出会社73名〔3名〕 |
| 売上高 | 568億6,718万円(連結・前期比+17.2%) |
| 営業利益 | 33億3,380万円(連結・前期比+16.2%) |
| 経常利益/当期純利益 | 36億2,499万円(+20.7%)/29億1,686万円(+13.4%) |
| 自己資本比率 | 71.8%(前期74.8%) |
| 年間休日 | 123日(公式採用サイト) |
| 労働組合 | 結成されていない(有価証券報告書に記載) |
| 出典 | 第88期 有価証券報告書(2026年2月24日提出)/2025年11月期決算短信/公式採用サイト |
この表で最も誤読されやすいのが平均年間給与の行です。上場企業の有価証券報告書に載る平均年間給与は、原則として「提出会社(単体)」の数字であり、モリトの場合その提出会社は2019年6月に移行した純粋持株会社です。つまり734万円は、グループ1,708名のうち本社機能を担う73名だけの平均になります。この構造は次章以降で詳しく分解します。
モリト(9837)とはどんな会社か|ハトメ・ホックから始まった117年のパーツ商社
結論から言うと、モリトは「服のボタンやホック、面ファスナー、バックルのような小さな部品を、企画から作って売る会社」です。読者にとってのメリットは、この一文を押さえるだけで求人票に並ぶ「資材営業」「商品開発」「生産管理」といった職種の中身が一気に想像しやすくなることです。一般消費者向けのブランドを持たないため知名度は高くありませんが、同社が掲げるスローガンは「小さなパーツで世界を変え続ける」であり、ハトメ・ホックの分野では世界有数のシェアを持つグローバルニッチトップ型の企業に位置づけられます。
1908年創業・大阪発。森藤商店からモリトへという社名の変遷
沿革は公式情報として有価証券報告書に記載があります。1908年(明治41年)6月に大阪市西区でハトメ・ホックの仲買商として創業し、1935年(昭和10年)12月17日に株式会社森藤商店として資本金50万円で設立されました。1963年に森藤株式会社、1976年11月に現社名のモリト株式会社へ商号変更しています。上場の経緯は1989年7月に大阪証券取引所市場第二部、2013年7月の市場統合で東証二部、2016年12月に東証一部、2022年4月の市場区分見直しでプライム市場という流れです。
ここから読み取れる企業性格は2つあります。ひとつは創業117年という業歴の長さで、取引先との関係が世代をまたいで続く商流を持つこと。もうひとつは一貫して大阪に本社を置く関西発の企業であることです。転職検討者にとっては、「短期で市場を取りに行く会社」ではなく「長い取引関係の上に事業が積み上がっている会社」という前提で選考に臨むほうが実態に近い、と推定情報として整理できます。
アパレル関連・プロダクト関連・輸送関連という3本柱
モリトの事業は、扱う商材だけを並べると相当に雑多に見えます。第88期の事業別売上高は公式情報として次のとおりです。
- アパレル関連事業:325億4,700万円。ホック、ハトメ、面ファスナー、バックルなどの服飾資材。1960年から『マジックテープ®』の販売を手がけ、製造元のクラレファスニング株式会社に30%出資(持分法適用関連会社)しています
- プロダクト関連事業:178億5,500万円。文具・OA機器向け資材、マリンレジャー・スノーボード用品、ゲーム関連商材、厨房機器レンタル・清掃サービスなど
- 輸送関連事業:64億6,300万円。自動車内装部品
この「服の部品も、スノーボードも、厨房機器レンタルも、自動車の内装部品も同じ会社」という構造が、何の会社か一言で説明しづらいという印象の正体です。ただし裏を返せば、国内アパレル市場が1990年代の15兆円規模から縮小し8兆円台にとどまっている中で、衣料一本足を避けて収益源を分散させてきた結果とも読めます。作業服・ユニフォーム、アウトドア、文具、レジャー、自動車といった非アパレル領域を持つことは、業界共通の生存戦略でもあります。
さらに重要なのが、モリトが単なる仕入販売の商社ではなく自社工場を持つメーカー機能付き商社である点です。生産拠点は中国・深圳、ベトナム・ダナン、米国ジョージア州などにあり、海外拠点は香港・上海・タイ・インド・メキシコ・オランダにも広がります。第88期の地域別売上は日本413億1,000万円(+25.1%)、アジア82億8,000万円(△1.1%)、欧米72億7,500万円(+1.7%)で、海外売上比率は約27.4%です。営業職であっても素材知識・試作・品質保証まで踏み込む仕事になりやすく、純粋なトレーディング志向の人とはズレが出やすい、と推定情報として考えられます。
2019年の持株会社移行で「実際に働く会社」は分かれた
転職検討者が最初に理解しておくべき構造がこれです。2019年6月、モリト株式会社は純粋持株会社へ移行しました。現在のモリト株式会社は経営管理・本社機能を担い、実際の事業はモリトジャパン株式会社、モリトアパレル株式会社、モリトオートパーツ株式会社などの事業会社が担っています。連結子会社は22社、非連結子会社1社、持分法適用関連会社1社という構成です。
主要事業会社の単体業績も公式情報として開示されています。第88期はモリトジャパン株式会社が売上高114億3,600万円・経常利益6億3,500万円・当期純利益4億3,500万円、モリトアパレル株式会社が売上高123億1,900万円・経常利益9億5,600万円・当期純利益6億4,100万円です。
この構造が実務に効いてくるのは、求人に応募したとき、雇用契約の相手が「モリト株式会社」なのか事業会社なのかで、給与テーブルも仕事内容も変わり得るという点です。新卒採用は「グループ4社共通の総合職採用」と公式採用サイトに記載があり、入口が共通でも配属先で経験の積み上がり方が変わります。中途採用で応募する場合は、募集要項の会社名を必ず確認してください。

求人サイトで見た「モリト」の平均年収が700万円台だったのですが、これはそのまま受け取っていい数字ですか?
モリトの年収734万円をどう読むか|有報と口コミの落差は構造で説明できる
先に結論を書きます。有価証券報告書の734万9,241円と、口コミサイトの400万円台は、どちらも間違いではありません。見ている集団がまったく違うだけです。この章を読めば、求人票や年収サイトの数字を自分の条件に翻訳する方法が分かります。
有報の734万9,241円は「持株会社単体73名」の平均
公式情報として、第88期有価証券報告書「従業員の状況(2)提出会社の状況」に記載された平均年間給与は7,349,241円、平均年齢42.4歳、平均勤続年数10.6年、従業員数73名〔臨時雇用者3名〕です。賞与および基準外賃金を含む金額です。
ここで決定的に重要なのが従業員数73名という数字です。連結従業員数は1,708名ですから、有報の平均年収が代表しているのはグループ全体の約4.3%にすぎません。残る約1,635名はモリトジャパン、モリトアパレル、モリトオートパーツ、および海外子会社などに所属しており、その給与水準は有価証券報告書の平均年間給与には含まれていません。地域別の従業員内訳は日本706名〔211〕、アジア865名〔101〕、欧米137名〔5〕で、人数ベースではアジアが最大です。
この構造がどれほど数字を動かすかは、持株会社移行の前後を比べると分かります。移行前の2018年11月期は302名ベースで平均年間給与585万円、平均勤続年数16.9年でした。移行によって母集団が本社機能中心の73名に絞られた結果、平均年間給与は約150万円上振れし、平均勤続年数は16.9年から10.6年へ短くなりました。人が急に高給になったのではなく、集計対象が入れ替わったと読むのが正確です。
口コミベースの年収は400万円台|母集団が違うだけで矛盾ではない
次に口コミ傾向です。エン カイシャの評判では回答者ベースの平均年収が442万円(平均年齢35歳)とされ、OpenWorkでも同様に400万円台という水準が示されています。有報の734万円との差は約290万円ですが、この差は次の3つでほぼ説明がつきます。
- 所属の違い:口コミの投稿者には事業会社所属の社員が含まれる一方、有報の対象は持株会社単体73名に限られます
- 年齢構成の違い:有報の平均年齢は42.4歳、口コミ回答者の平均年齢は35歳前後で、7歳前後の開きがあります
- 集計方法の違い:有報は賞与・基準外賃金を含む実額の平均、口コミは回答者の自己申告値です
OpenWorkに投稿された年収事例としては「3年目営業で300〜350万円」「43歳営業課長で700万円」といった口コミ傾向が確認できます。この2つを並べると、若手のうちは400万円前後、管理職に到達すると700万円前後という推定情報としてのカーブが見えてきます。有報の734万円は「入社直後に得られる金額」ではなく、本社機能に在籍する平均42.4歳の層の水準だと理解するのが妥当です。なお、OpenWorkには事業会社「モリトジャパン」の別ページも存在するため、口コミを調べる際はどの会社のページを見ているかを確認してください。
初任給・年間休日と、転職時に必ず確認したい3点
入口の条件は公式情報として公開されています。2026年度の初任給は東京・社宅なしの場合で基本給253,000円+諸手当50,700円=合計303,700円、年間休日は123日、勤務地は会社指定で国内外の異動があります。新卒採用は毎年6〜10名程度の少数採用です。
これらを踏まえ、モリトの求人を検討する際に確認すべき点を3つに絞ります。
- 雇用契約の相手先:モリト株式会社(持株会社)か、モリトジャパン/モリトアパレル/モリトオートパーツ等の事業会社か。給与テーブルが異なる可能性があります
- 年収提示の内訳:基本給・諸手当・賞与の割合と、賞与の算定根拠(会社業績連動か個人評価か)
- 異動と赴任の範囲:海外拠点が9か国以上に広がり海外従業員は1,000名超のため、駐在・出張の可能性を具体的に確認する価値があります
あわせて、モリトには労働組合が結成されていないことが有価証券報告書に明記されています。会社独自の資格階級制で勤続年数に応じて昇格試験を受けるという口コミ傾向もあり、賃上げや制度変更のプロセスがどう決まるのかは、面接段階で率直に聞いておきたい論点です。
モリトの評判・口コミ傾向|法令順守4.6と人材の長期育成1.9という落差
この章の結論は「働きやすさとコンプライアンスは高く評価される一方、育成・評価・処遇への不満が集中する」という、老舗商社に典型的な評価分布が出ている、というものです。読者にとってのメリットは、自分が何を優先するかによってモリトの評価が正反対に振れる理由が分かることです。以下はすべて口コミ傾向であり、断定ではありません。
高く評価されている項目
OpenWorkの「モリト」ページは総合評価2.66/5.0(回答20人)ですが、項目別に見ると強弱が極端に分かれます。突出して高いのが法令順守意識4.6で、これは上場企業の中でもかなり高い部類です。また平均残業時間16.9時間/月、有給消化率70.5%という数値も投稿から集計されています。
エン カイシャの評判では総合3.3点(正社員11人・口コミ65件)で、事業の優位性3.8、社会貢献度3.7、成長性3.6が高く評価されています。納得度は休日・休暇88%、勤務時間80%、職場の人間関係75%と、時間と人間関係に関する満足度が高いのが特徴です。良い点として本町の自社ビル・駅近というオフィス環境を挙げる声も見られます。
低く評価されている項目
一方、OpenWorkで低いスコアが並ぶのは育成・評価・処遇の領域です。人材の長期育成1.9、20代成長環境2.2、人事評価の適正感2.2、社員の士気2.4、社員の相互尊重2.4、待遇面の満足度2.6、風通しの良さ2.8という分布で、法令順守意識4.6との差は2.7ポイントに達します。エン カイシャの評判でも経営陣の手腕2.9、実力主義3.0が低く、年収の納得度は64%と他項目より低い水準です。課題として部署ごとの風土のばらつきを挙げる声も確認できます。
この分布を一言でまとめると「コンプライアンスと時間の使い方は堅いが、成長機会と評価の納得感が課題」という構図です。長時間労働に疲れて転職先を探している人にとっては魅力的に映り、逆に若いうちに急速に裁量とポジションを得たい人にとっては物足りなく映る可能性がある、と推定情報として整理できます。
口コミを読むときの前提|母数は20人前後
数値を扱ううえで必ず添えるべき注意点があります。OpenWorkの回答者は20人、エン カイシャの評判の正社員回答は11人(口コミ総数65件)で、母数が小さいため個別の投稿が平均を大きく動かします。転職会議にもページはありますが、いずれにせよ従業員1,708名規模の企業に対する母数としては十分とは言えません。この記事でスコアを紹介しているのは、絶対値の高低を評価するためではなく、項目間の相対的なコントラストが明確に出ているためです。個別の投稿を一般化せず、面接での逆質問で裏を取る材料として使うことをおすすめします。
なお、モリト株式会社および連結子会社について、Web上の情報および第88期有価証券報告書の「事業等のリスク」「重要な後発事象」等の記載を調べた範囲では、行政処分・課徴金・重大訴訟・リコール等の事実は確認できなかったという状況です。これは「そうした事実が存在しないことの証明」ではなく、あくまで今回の調査範囲での結果である点にご留意ください。有価証券報告書のリスク記載は、コンプライアンス、知的財産権、製造物責任・景品表示、海外進出、信用、海外安価品との価格競争、仕入価格変動、保有資産の時価変動、情報システム、為替変動、自然災害・感染症といった一般的な想定リスクの列挙にとどまっています。
働き方と人的資本データ|残業16.9時間・年間休日123日と有給取得率64.2%のギャップ
この章では、口コミではなく有価証券報告書の人的資本開示という一次情報で働き方を検証します。読者のメリットは、投稿ベースの体感値と会社が公表している実績値のズレを把握できることです。
第88期有価証券報告書に記載された提出会社の人的資本指標は公式情報として次のとおりです。
- 年次有給休暇取得率64.2%(2026年度の目標は75.0%)
- 女性管理職比率17.6%(2026年度の目標は20.0%)
- 男性育児休業取得率50.0%
- 男女賃金差異:全労働者65.2%、正規69.2%、パート・有期21.4%
事業会社別の開示もあり、モリトジャパン株式会社は女性管理職比率9.1%・男性育休取得率100.0%・男女賃金差異61.2%、モリトアパレル株式会社は6.7%・100.0%・62.6%、モリトオートパーツ株式会社は男女賃金差異68.9%です。
ここから読み取れることを3点に整理します。
- 労働時間の負荷は軽めの傾向:残業16.9時間(OpenWork)/22時間(エン カイシャの評判)という口コミ傾向と、年間休日123日という公式情報は方向として一致しています
- 有給は口コミより公表値のほうが低い:口コミの有給消化率70.5%に対し、有報の取得率は64.2%です。会社自身が目標75%を掲げていることからも、改善途上のテーマだと分かります
- 男女賃金差異と女性管理職比率は課題として残る:全労働者ベース65.2%という水準は、職階構成の偏りを示唆します。一方、事業会社の男性育休取得率100%は明確な強みです
業界文脈として補足すると、服飾資材・産業資材の商社では、貿易実務や現地サプライヤー管理を担う職種で海外出張・駐在が発生しやすく、労働時間の平均値だけでは負荷を測りきれない側面があります。モリトは勤務地が会社指定で国内外の異動があると明記しているため、「残業は少ないが異動と出張はある」という前提で働き方を評価するのが実態に近い、と推定情報として考えられます。
業績で見るモリトの現在地|売上568億円・営業利益率5.9%の意味
この章の結論は「直近期は数字が明確に良い。ただし成長の主因はM&Aであり、その統合が今後の焦点になる」です。転職検討者にとっては、入社後3〜5年の仕事がどこから生まれるかを見極める材料になります。
5期の売上推移とM&Aの寄与
第88期決算短信および有価証券報告書による連結売上高の推移は公式情報として以下のとおりです。
| 決算期 | 連結売上高 | コメント |
|---|---|---|
| 第84期 | 436.4億円 | — |
| 第85期 | 484.8億円 | 前期から約48億円増 |
| 第86期 | 485.3億円 | ほぼ横ばい |
| 第87期 | 485.4億円 | 3期連続で485億円前後の踊り場 |
| 第88期(2025年11月期) | 568億6,718万円 | 前期比+17.2%と大きく伸長 |
注目すべきは、第85期から第87期までの3期が485億円前後で足踏みしていた点です。そこから第88期に一気に83億円上乗せした主因は、2024年12月の株式会社Ms.ID、2025年4月の株式会社ミツボシコーポレーションの連結子会社化です。連結従業員数が前期比199名増となったのも同じ理由です。つまり第88期の+17.2%は、既存事業の自律成長というより買収による規模拡大の色が濃い、と読むのが正確です。
利益面では営業利益33億3,380万円(+16.2%)、経常利益36億2,499万円(+20.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益29億1,686万円(+13.4%)で、直近5期に赤字期はありません。営業利益率は約5.9%です。卸売業としては悪くない水準で、たとえば食品卸の営業利益率が1%台前半にとどまるケースと比べると、企画開発型・自社工場保有というモデルが利幅に効いていることが数字で確認できます。
地域・事業セグメントの内訳と海外売上比率27%
第88期のセグメント別の状況は公式情報として次のとおりです。地域別売上は日本413億1,000万円(+25.1%)、アジア82億8,000万円(△1.1%)、欧米72億7,500万円(+1.7%)。セグメント利益は日本25億7,000万円(+24.7%)、アジア7億7,300万円(+3.7%)、欧米3億7,400万円(+15.5%)です。
ここから見える構図は明確です。利益の約7割を日本が稼ぎ、海外は人数のほうが多いという非対称です。従業員数は日本706名に対しアジア865名ですが、セグメント利益は日本25.7億円に対しアジア7.7億円。アジアは生産機能を担う拠点が中心であるため、この差は事業の性格の違いによるものと推定情報として説明できます。
アジアが減収となった理由も有価証券報告書に記載があり、中国での日系自動車メーカー向け内装部品の生産終了が影響しています。あわせて中国経済の低迷、米国の通商政策の影響が明示されています。欧州では一部事業から撤退し、SCOVILL FASTENERS UK LTD.は2025年9月9日付で清算結了しています。海外展開が広いことは強みであると同時に、地政学と通商政策の影響を直接受ける構造でもある、という両面を押さえておく必要があります。
財務の堅さと、のれん・商標権が増えたことの意味
財務指標は公式情報として、自己資本比率71.8%、純資産398億3,200万円、総資産554億9,800万円です。自己資本比率70%台は卸売業として非常に高く、財務基盤は堅いと言えます。第88期の1株当たり配当は70円、株主総利回りは307.8%で、配当込みTOPIXの217.2%を上回っています。発行済株式総数は自己株式消却により30,000千株から26,800千株へ減少しています。
一方で注意点もあります。自己資本比率は前期74.8%から71.8%へ3.0ポイント低下しており、その要因は2件のM&Aで発生したのれん・商標権が計24億円超増加したことです。買収した事業が想定した収益を上げられなければ減損の可能性が残ります。また、報告セグメントを第88期より変更しているため、前期との単純比較には注意が必要である旨も有価証券報告書に明記されています。
転職判断への翻訳としては、「潰れにくさ」を重視するなら財務は安心材料、「成長の質」を見るなら買収先の統合が実際に利益に結びつくかを2〜3期追う必要がある、というのが推定情報としての読み方です。
モリトの将来性|業界構造の変化と中期経営計画から考える
結論として、モリトの将来性を左右するのは「国内アパレル市場の縮小をどこまで非アパレル領域とM&Aで埋められるか」という一点に集約されます。単に「今後も成長が期待される」と書いても判断材料にならないため、業界に実在する変化を具体的に並べます。
副資材業界が直面している3つの変化
- 国内アパレル市場の頭打ち:小売市場はコロナ禍から回復して8兆円台に戻ったものの、1990年代の15兆円規模には遠く及びません。EC化率が20%台前半まで上昇する一方で単価下落と二次流通の拡大が進み、副資材の需要はアパレル生産量に連動するため、衣料依存のままでは成長が描きにくい構造です
- 生産地の再編:縫製地はベトナム・インドネシア・バングラデシュ等へ分散が進み、資材商社も供給網を「中国+1」に組み替えています。ただしASEAN組立てでも部品の多くを中国から輸入する構造が残るため、移管は簡単ではありません。関税や為替を織り込んだ値決めの力が問われます
- サステナビリティ規制の波及:EUのエコデザイン規則(ESPR)に基づき、2026年7月から大企業を対象に売れ残り衣料・履物の廃棄が禁止され、デジタル製品パスポート(DPP)による製品情報開示も段階的に求められます。国内でも経済産業省が2024年6月に繊維・アパレル産業の環境配慮情報開示ガイドラインを示しました。ボタン・ファスナー・面ファスナーといった副資材は分解性やトレーサビリティの記載対象になるため、リサイクル素材や単一素材化への対応がサプライヤー選定の条件になりつつあります
モリトはこの3つ目に対して、廃漁網100%使用の糸『MURON®』、はぎれを活用した混抄紙『ASUKAMI®』といったサステナブル素材ブランド『Rideeco®』を展開しています。志望動機や面接で語る際、環境規制対応と事業を結びつけやすい素材が実在するのは、この会社を受けるうえでの実利的な強みです。
中期経営計画とM&A路線が生む仕事
モリトは2024年1月にアップデートした第8次中期経営計画に基づき、収益力向上・管理体制強化・投資戦略とサステナブル経営を推進していると公式情報として開示しています。実際の動きも、2019年6月の持株会社化、2021〜22年の事業会社3分割(ジャパン/アパレル/オートパーツ)、2024年12月のMs.ID、2025年4月のミツボシコーポレーションと、組織再編とM&Aが連続しています。
この局面で増える仕事は、推定情報として次のように整理できます。
- コーポレート側:買収先の制度・システム・会計の統合、グループ管理、経営企画、IR。持株会社は73名の少数組織のため、1人あたりの担当範囲が広くなりやすい
- 事業会社側:買収で増えた商材ラインの営業・商品企画、既存取引先へのクロスセル、生産管理・品質保証
- グローバル側:中国依存の見直しに伴うASEAN供給網の構築、現地サプライヤー管理、貿易実務
逆にリスクとして意識すべきは、短期間に複数社を取り込んだことによる統合途上の負荷です。制度・システム・カルチャーが揃うまでは現場に摩擦が生じやすく、これは業界共通の懸念でもあります。面接では「買収した会社の人事制度は統合済みか」「どのタイミングで自分の部署に影響が及ぶか」を確認しておく価値があります。
他社と比べたモリトの位置|同業比較と上場商社10社の有報データ
比較の目的は順位づけではなく、「モリトの数字がどういう性格のものか」を相対的に理解することです。ここでは服飾資材まわりの比較対象と、有報の平均年間給与を横並びにした上場商社10社の表を順に示します。
服飾資材・アパレル関連での比較対象
転職検討者が実際に併願しやすい、あるいは待遇の比較対象になりやすい企業を挙げます。以下は各社の事業特性の整理であり、待遇の優劣を示すものではありません。
| 企業名(証券コード) | 位置づけ | モリトとの比較ポイント |
|---|---|---|
| YKK株式会社(非上場) | ファスナー世界最大手 | ホック・スナップ領域で競合。非上場のため有報の平均年間給与は公表されておらず、待遇比較は求人情報・口コミ情報に依存します |
| 蝶理株式会社(8014・東証プライム) | 東レ子会社の繊維・化学品専門商社 | 大阪本社・海外比率の高さという点で性格が近く、繊維商社志望者が併願しやすい対象です |
| タキヒヨー株式会社(9982・東証スタンダード) | 名古屋の老舗アパレル卸 | 創業250年超の歴史系商社。「老舗の商流をどう継ぐか」という論点が共通します |
| 株式会社川辺(8123・東証スタンダード) | ハンカチ・服飾雑貨の老舗卸 | 規模感が近く、服飾雑貨という隣接カテゴリを扱う点で比較しやすい対象です |
この4社と並べると、モリトの特徴は「商社でありながら自社工場と自社ブランド素材を持ち、かつアパレル以外の3割超を非衣料で稼いでいる」点にあると整理できます。純粋な繊維商社志望であれば蝶理、老舗卸の商流を志向するならタキヒヨーや川辺、ものづくりに寄った資材の企画開発を志向するならモリト、という推定情報としての住み分けが可能です。
上場商社10社の有報データで見るモリトの位置
次に、同時期に有価証券報告書を確認した上場商社・卸売業10社を、有報の平均年間給与と従業員数で横並びにします。公式情報として各社の有価証券報告書に基づく数値です。
| 会社名(証券コード) | 市場 | 決算期 | 有報の平均年間給与 | 平均年齢/平均勤続 | 提出会社(単体)/連結 従業員数 | 売上高(連結) | 営業利益(連結) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 加藤産業(9869) | 東証プライム | 第79期(2025年9月期) | 748万円 | 40.45歳/14.81年 | 1,152名/4,099名 | 1兆1,787億68百万円 | 181億80百万円(+7.9%) |
| トラスコ中山(9830) | 東証プライム | 第63期(2025年12月期) | 752.6万円 | 39.3歳/14.7年 | 1,756名/3,258名 | 3,200億43百万円(+8.5%) | 228億円(+14.2%) |
| オートバックスセブン(9832) | 東証プライム | 第79期(2026年3月期) | 723.7万円 | 45.8歳/16.3年 | 820名/5,617名 | 2,800億55百万円(+12.2%) | 137億95百万円(+13.8%) |
| 泉州電業(9824) | 東証プライム | 第76期(2025年10月期) | 706万円 | 39.3歳/15.0年 | 579名/838名 | 1,355億91百万円(△0.4%) | 90億円台(△13.5%) |
| 英和(9857) | 東証スタンダード | 第79期(2026年3月期) | 741.4万円 | 43.9歳/13.7年 | 346名/400名 | 488億46百万円(+3.6%) | 29億75百万円(+6.8%) |
| モリト(9837) | 東証プライム | 第88期(2025年11月期) | 734万円(本社73名のみ) | 42.4歳/10.6年 | 73名/1,708名 | 568億67百万円(+17.2%) | 33億33百万円(+16.2%) |
| ソレキア(9867) | 東証スタンダード | 第68期(2026年3月期) | 666万円 | 44.2歳/20.4年 | 単体703名 | 304億円台 | 26億2千万円台(+51.7%) |
| リリカラ(9827) | 東証スタンダード | 第85期(2025年12月期) | 569万円 | 43.0歳/16.0年 | 545名 | 332億70百万円(△1.8%) | 8億00百万円(+259.3%) |
| 大丸エナウィン(9818) | 東証スタンダード | 第76期(2026年3月期) | 529.6万円 | 47.0歳/12.6年 | 478名/676名 | 326億97百万円(△2.2%) | 13億60百万円(+2.7%) |
| 共同紙販ホールディングス(9849) | 東証スタンダード | 第75期(2026年3月期) | 497万円 | 51.7歳/24.1年 | 124名/137名 | 164億46百万円 | △30百万円(2期連続の営業赤字) |
【比較表の注記】この表は、そのまま順位表として読むと確実に誤読します。以下の3点を必ず併せて確認してください。
① 決算期が5種類に割れているため、単純比較はできません。12月期はトラスコ中山(第63期=2025年12月期)とリリカラ(第85期=2025年12月期)、11月期はモリト(第88期=2025年11月期)、10月期は泉州電業(第76期=2025年10月期)、9月期は加藤産業(第79期=2025年9月期)、3月期はオートバックスセブン・ソレキア・大丸エナウィン・英和・共同紙販ホールディングスです。参照している年度が社によって1年以上ずれるため、表中では必ず「第◯期(20XX年X月期)」を併記しています。なおリリカラは有価証券報告書の提出が2026年3月26日というだけで、決算期は12月です。
② 有報の「平均年間給与」はすべて提出会社(単体)の値であり、連結全体の水準ではありません。単体従業員が連結に占める比率が低いほど、その数字の代表性は下がります。この表で代表性が最も低いのがモリトです。提出会社73名に対し連結1,708名で、比率は約4.3%。734万円は持株会社の本社機能のみの数字であり、モリトジャパン/モリトアパレル/モリトオートパーツの現場実態を表すものではありません。移行前の2018年11月期(302名ベース)は585万円でした。同様の読み違えが起きやすいのがオートバックスセブンで、持株会社ではないもののフランチャイズ本部であり、723.7万円は本部単体820名の数字です。国内1,059店のうち直営は18店にとどまり、残りは連結子会社312店と、連結対象外のフランチャイズ加盟法人729店(資本関係のない別会社で有報に記載なし)です。逆に代表性が高いのが共同紙販ホールディングスで、持株会社ながら過去に事業を本体へ戻した経緯があり、提出会社124人=洋紙卸売事業111人+管理13人という構成のため、497万円は現場実態をほぼ表しています。トラスコ中山・加藤産業・泉州電業・大丸エナウィン・ソレキア・リリカラ・英和は事業会社本体ですが、いずれも連結が単体を上回り、子会社所属分は有報の平均年間給与に含まれません。特に加藤産業は単体1,152名に対し連結4,099名と差分が約3,000名と大きくなっています。
③ 有報の実額と口コミサイトの自己申告平均は必ず分けて見てください。乖離は主に回答者の年齢構成の差で説明できます(有報は平均40〜50代、口コミは30代前半が中心)。モリトは有報734万円に対しエン カイシャの評判442万円(平均年齢35歳)。同様に加藤産業は有報748万円に対しOpenWork506万円/エン カイシャの評判470万円(平均年齢32歳)、トラスコ中山は752.6万円に対しOpenWork564万円/エン521万円、オートバックスセブンは723.7万円に対しOpenWork527万円(平均年齢34歳)、英和は741.4万円に対しOpenWork468万円/エン465万円(平均年齢33歳)、ソレキアは666万円に対しOpenWork462万円、大丸エナウィンは529.6万円に対しエン447万円(平均年齢36歳)、リリカラは569万円に対し口コミ集計490〜509万円です。いずれも入社してすぐ有報の金額が支給されるという意味ではありません。
あわせて、赤字・減益の会社も隠さず記載しています。共同紙販ホールディングスは第75期に営業損失30百万円で2期連続の営業赤字、経常損失2,460千円です。当期純利益37,782千円(前期比+34.9%)は賃貸不動産売却によるもので本業の稼ぐ力ではなく、連結従業員数も第71期160人から第75期137人へ減少しています。ただし有利子負債ゼロ・自己資本比率41.7%と財務は堅いという両面があります。減益予想の会社としてはトラスコ中山が2026年12月期の会社予想で営業利益217億2,000万円(△4.8%)、英和が2027年3月期予想で営業利益26億6,000万円(△10.6%・新人事制度導入による先行投資)を見込んでいます。泉州電業は2025年10月期が減収減益、大丸エナウィンは減収増益(営業利益は過去最高)です。ソレキアの2026年3月期の急伸はWindows 10サポート終了に伴う更新需要という一過性要素を含み、翌期の反動減の可能性が残ります。リリカラの営業利益+259.3%は前期の営業利益2億22百万円が低かったことの裏返しで、中期経営計画「Beyond-120」の営業利益20億円目標に対し有報で「10億円程度にとどまる見込み」と会社自ら未達を認めています。また、リリカラは2017年3月13日に壁紙の価格カルテルで公正取引委員会から排除措置命令および課徴金納付命令(課徴金1,315万円)を受けており、これは行政処分であって刑事罰ではなく、9年前の事案です。泉州電業とソレキアの平均年収・従業員数は有価証券報告書PDF本文を直接参照できなかったため二次集計値を採用していますが、出典は各社の第◯期有価証券報告書です。
この表の中でモリトを見ると、売上規模は10社中で中位、成長率(+17.2%)は最上位グループ、営業利益率5.9%も上位という位置づけになります。加藤産業の営業利益率が約1.5%であることと比べると、企画開発型モデルの利幅の厚さが際立ちます。一方で平均年間給与の代表性は10社中で最も低いという点が、モリトを検討するうえで最も注意すべき論点です。
モリトへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。どちらが優れているという話ではなく、自分が仕事に求めるものと会社の性格が合うかどうかの整理です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 労働時間と休日を安定させたうえで長く働きたい人(残業16.9時間・年間休日123日・有給取得率64.2%) | 20代のうちに裁量と役職を一気に取りに行きたい人(人材の長期育成1.9・20代成長環境2.2という口コミ傾向) |
| 素材・部品の知識を積み上げ、企画から品質保証まで踏み込む専門性を身につけたい人 | 売買の口銭で回すトレーディングだけに集中したい人(自社工場と企画開発機能が仕事に入ってくる) |
| 海外サプライヤー管理・貿易実務・語学を活かしたい人(海外従業員1,000名超・海外売上比率27.4%) | 転居や海外赴任を避けたい人(勤務地は会社指定で国内外の異動あり) |
| M&A後の統合や制度設計といった、正解のない仕事に面白さを感じる人 | 制度・システムが完全に整った環境で自分の業務に集中したい人(統合途上の負荷が生じる可能性) |
| 環境規制・サステナビリティを事業に結びつけたい人(Rideeco®・MURON®・ASUKAMI®) | 成果に応じて短期で処遇が変わる仕組みを求める人(実力主義3.0・人事評価の適正感2.2という口コミ傾向) |
特に判断が分かれやすいのが3行目です。海外拠点が香港・深圳・上海・ダナン・タイ・インド・米国・メキシコ・オランダに広がる会社で、勤務地は会社指定と明記されています。海外志向がある人には強い魅力ですが、勤務地を固定したい人にとっては最初に確認すべき条件になります。
編集部の見解|モリトをどう評価するか
編集部の見解として、モリト株式会社は「数字の読み方さえ間違えなければ、条件が明確で判断しやすい会社」だと考えられます。理由を4つの角度から述べます。
論理の面では、有報の734万円と口コミの400万円台という落差が、持株会社単体73名対連結1,708名という構造で説明しきれる点が大きいと言えます。多くの企業では乖離の原因が不明瞭なまま「実態は分からない」で終わりますが、モリトの場合は移行前の585万円(302名ベース)という比較対象まで開示されているため、誤解の余地が小さいのです。応募時に雇用契約の相手先を確認すれば、大きな期待値のズレは避けられます。
実利の面では、残業16.9時間・年間休日123日・有給取得率64.2%という水準と、自己資本比率71.8%・5期連続黒字という財務の堅さの組み合わせは、腰を据えて働きたい層に対して素直に評価できる材料です。他方で、待遇面の満足度2.6・年収納得度64%という口コミ傾向もあり、給与の絶対額を最重視するなら他社と並べて検討する価値があります。
感情の面で言えば、「何の会社か説明しづらい」ことは入社後もついて回ります。服のホックもスノーボードも厨房機器レンタルも自動車内装部品も同じグループというポートフォリオは、面白いと感じる人と落ち着かないと感じる人にはっきり分かれるはずです。ここは適性の問題であり、優劣ではありません。
未来像の面では、2024年12月と2025年4月の連続M&Aによって売上が+17.2%伸びた局面にあり、統合・制度設計・グループ管理といった仕事が生まれやすい時期です。持株会社が73名の少数組織であることは、裏を返せば1人あたりの担当範囲が広く、コーポレート経験を積みたい人にはチャンスがあることを意味します。総合すると、安定した労働環境の中で素材・貿易・グループ管理の専門性を積みたい人にはおすすめできる一方、短期での昇給・昇格スピードを最優先する人には慎重な検討をすすめます。
モリト(9837)に関するよくある質問
モリト株式会社への転職・就職を検討する人から寄せられやすい質問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。
モリトの本社はどこにありますか?
公式情報として、本社は大阪市中央区南本町4丁目2番4号(電話06-6252-3551)です。地下鉄本町駅周辺の自社ビルで、口コミでも駅近というオフィス環境が良い点として挙げられています。本社以外にも東京・名古屋・福山・札幌などに事業所があり、物流拠点として2018年開設の関東ロジスティクスセンターと八尾配送センターを持ちます。海外は香港・深圳・上海・ベトナム(ダナン)・タイ・インド・米国・メキシコ・オランダに拠点があります。
モリト株式会社の評判はどう見ればよいですか?
口コミ傾向としては、OpenWorkの総合評価2.66/5.0(回答20人)、エン カイシャの評判の総合3.3点(正社員11人・口コミ65件)という水準です。法令順守意識4.6、休日・休暇の納得度88%が高く、人材の長期育成1.9、人事評価の適正感2.2が低いという、項目ごとの落差が大きいのが特徴です。母数が20人前後と少ないため、個別の投稿を一般化せず「時間と法令順守は堅い、育成と評価は課題」という傾向として読むのが妥当です。
モリトの年収は本当に700万円台ですか?
第88期有価証券報告書の平均年間給与は7,349,241円ですが、これは提出会社(純粋持株会社)の73名のみを対象とした金額です。連結従業員1,708名の大半が所属する事業会社の水準ではありません。口コミ傾向では回答者ベースの平均年収は400万円台(エン カイシャの評判で442万円・平均年齢35歳)で、年収事例としては「3年目営業300〜350万円」「43歳営業課長700万円」といった投稿が見られます。求人に応募する際は、雇用契約の相手先がどの会社かを必ず確認してください。
モリトグループの年収はどの会社を見ればよいですか?
グループの事業会社(モリトジャパン株式会社、モリトアパレル株式会社、モリトオートパーツ株式会社など)は非上場のため、有価証券報告書での平均年間給与は開示されていません。参考になるのは各事業会社の単体業績で、第88期はモリトジャパンが売上高114億3,600万円・当期純利益4億3,500万円、モリトアパレルが売上高123億1,900万円・当期純利益6億4,100万円です。またOpenWorkには事業会社「モリトジャパン」の別ページも存在するため、口コミ傾向を調べる際はページを分けて確認するのが実務的です。
モリトの求人ではどんな経験が評価されますか?
求人内容は時期によって変わるため断定はできませんが、推定情報として次の経験は評価されやすいと考えられます。①アパレル・スポーツ・作業服・自動車部品などの資材調達/生産管理/品質保証の経験、②貿易実務・海外サプライヤー管理・語学(海外売上比率27.4%・海外従業員1,000名超)、③環境規制・化学物質規制への対応経験(ESPRやDPPへの対応が業界課題となっているため)、④M&A後の統合や経理・人事・システムのグループ管理経験(持株会社が73名の少数組織であるため)。新卒はグループ4社共通の総合職採用で毎年6〜10名程度の少数採用です。
モリトに労働組合はありますか?
公式情報として、第88期有価証券報告書には「労働組合は結成されていない」旨が記載されています。口コミ傾向では、会社独自の資格階級制があり勤続年数に応じて昇格試験を受けるという、年功寄りの人事制度を指摘する声が見られます。賃金改定や制度変更がどのようなプロセスで決まるのかは、面接や内定後の条件確認の場で直接質問しておくとよいでしょう。
モリトへの転職判断まとめ
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・希望条件と照らして確認してください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 会社の同定 | 証券コード9837・東証プライム・大阪市中央区本社の服飾資材商社。同じ読み方の別法人・別人物とは無関係です |
| 年収の読み方 | 有報734万9,241円は持株会社単体73名の平均。口コミベースは400万円台で、母集団の違いによる差です |
| 働き方 | 残業16.9時間/月・年間休日123日・有給取得率64.2%(会社目標75%)。負荷は軽めの傾向です |
| 評価・育成 | 法令順守意識4.6と高い一方、人材の長期育成1.9・人事評価の適正感2.2という口コミ傾向があります |
| 業績 | 売上568億67百万円(+17.2%)・営業利益33億33百万円(+16.2%)。直近5期に赤字期はありません |
| 成長の中身 | 第88期の伸びは主にM&A(Ms.ID・ミツボシコーポレーション)による。統合の成否が今後の焦点です |
| 財務の安全性 | 自己資本比率71.8%(前期74.8%)。のれん・商標権が24億円超増え、減損の可能性は残ります |
| 海外要素 | 海外売上比率27.4%・9か国以上に拠点。勤務地は会社指定で国内外の異動があります |
| リスク情報 | 調査した範囲では行政処分・課徴金・重大訴訟・リコール等の事実は確認できなかった状況です |
| 応募時の必須確認 | 雇用契約の相手先(持株会社か事業会社か)、賞与の算定根拠、赴任・異動の範囲の3点です |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
数値の主たる出典は、モリト株式会社 第88期有価証券報告書(2026年2月24日 近畿財務局長へ提出/EDINET提出書類 E02703)および2025年11月期決算短信です。平均年間給与7,349,241円・平均年齢42.4歳・平均勤続年数10.6年・従業員数73名は、いずれも有価証券報告書「従業員の状況」の原文から確認した実額であり、二次集計サイトの推定値ではありません。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第88期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。持株会社体制の企業については、有報の平均年間給与が提出会社単体の数値である点を必ず注記する方針です。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
