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株式会社フジシールの年収・評判|有報802万円は社員46人分、連結は5,670人

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収:有報の802万円は持株会社の社員46人分の平均値
  • 現場の実額:事業会社の口コミ平均は471〜542万円と開き
  • 事業:シュリンクラベルが売上の61.7%、海外比率は約55%
  • 注意点:新卒と中途で待遇差を指摘する口コミが複数ある

「フジシールの平均年収は802万円」——この数字を見て応募を決めようとしているなら、いったん立ち止まってください。この802万円は、有価証券報告書を提出している株式会社フジシールインターナショナル(持株会社)の従業員46人だけの平均です。一方、実際に募集がかかり、工場や営業の現場を動かしているのは株式会社フジシールをはじめとするグループ事業会社で、連結従業員数は5,670人。つまり有報の給与欄が映しているのは、グループ全従業員のわずか0.8%にすぎません。この記事は、その差を数字で分解したうえで、事業構造・業績・勤務地・口コミまでを転職判断の順番で整理します。

株式会社フジシールと株式会社フジシールインターナショナルの違い

最初に押さえるべきは、求職者が検索している会社名と、有価証券報告書に載っている会社名が別法人だという点です。ここを取り違えると、年収も働き方も採用条件もすべて読み違えます。

公式情報として、有価証券報告書を提出しているのは株式会社フジシールインターナショナル(証券コード7864・東証プライム市場・業種分類は「その他製品」)です。本社は大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番9号で、東京本社も併設されています。この会社は経営戦略の策定とグループ監査を担う純粋持株会社であり、ラベルを製造しているわけでも、営業に回っているわけでもありません。

実際に製造・営業を担うのが、国内事業会社の株式会社フジシールです。公式サイトによると、国内グループは以下の5社で構成されています。

  • 株式会社フジシール:国内の中核事業会社。製造・営業の主体
  • 株式会社フジアステック(兵庫県尼崎市):R&D拠点「S×Sセンター」を擁する
  • 株式会社フジシールウエスト(山口県宇部市):西日本の生産拠点
  • 株式会社フジシールビジネスアソシエ:グループの間接業務を担う
  • 取手ファーマ株式会社(茨城県取手市)

これに海外14社(米州3社・欧州8社・アセアン4社・南アジア1社)が加わります。会社発表では「世界15カ国で6,000人以上」という規模です。

そしてこの構造は、検索データにもはっきり表れています。実際に検索されているのは持株会社名ではなく、事業会社名の「株式会社フジシール」のほうです。口コミサイトでも、OpenWorkに寄せられた口コミ件数は事業会社「フジシール」が284件、持株会社「フジシールインターナショナル」が141件と、事業会社側が約2倍。求職者の関心が事業会社に集まっていることが分かります。

本記事も、この実態にあわせて株式会社フジシールを主語に据えて解説します。ただし有価証券報告書の数値は持株会社のものしか存在しないため、「どちらの数字か」を毎回明示していきます。

フジシールの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず、判断の土台になる公式情報を一覧で確認します。ここに並ぶ給与・年齢・勤続年数はすべて持株会社単体46人の数値である点を、必ず頭に置いてください。

項目内容
商号株式会社フジシールインターナショナル(Fuji Seal International, Inc.)
証券コード・市場7864/東証プライム市場(業種分類:その他製品)
本社所在地大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番9号(東京本社を併設)
創業・設立創業1897年(明治30年)/設立1958年10月18日(株式会社藤尾製作所)。2004年10月1日に持株会社化し現社名へ
代表者岡﨑成子(取締役代表執行役社長CEO)
平均年間給与802万円(第68期・提出会社=持株会社単体46名ベース)
平均年齢47.0歳(同上・持株会社単体46名ベース)
平均勤続年数13.6年(同上・持株会社単体46名ベース)
従業員数連結5,670名(臨時393名)/提出会社単体46名(臨時2名)。2026年3月31日現在
売上高2,177億5,200万円(2026年3月期・連結/前期比+2.5%)
営業利益204億6,300万円(同・連結/前期比+8.6%)
経常利益220億900万円(同・連結/前期比+20.1%)
当期純利益206億5,500万円(同・連結/前期比+69.3%。特別要因を含む)
翌期会社予想2027年3月期:売上2,286億円/営業利益222億円/経常利益224億円/純利益153億円(前期比▲25.9%)
離職率・職種別年収有価証券報告書では開示されていない
出典第68期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」、2026年3月期決算短信(2026年5月13日)、公式IR「品目別・セグメント別売上高」

この表を見て「平均年収802万円で平均年齢47歳、勤続13.6年なら安定した会社だ」と読むのは自然な反応です。しかし、その解釈が成り立つのは従業員46人の世界に限った話です。次章で、この数字の中身を分解します。

平均年収802万円は「社員46人」の数字|現場との250万〜330万円の差

結論から書きます。有価証券報告書の802万円を、自分が受け取る年収の目安にしてはいけません。この記事で最も伝えたいのはこの一点です。

有報の給与欄が示すのは、全従業員の0.8%

有価証券報告書によると、第68期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)の「従業員の状況」は次の通りです(公式情報)。

  • 提出会社(=持株会社)従業員数:46名(ほか臨時2名)
  • 平均年間給与:802万円
  • 平均年齢:47.0歳/平均勤続年数:13.6年
  • 連結従業員数:5,670名(ほか臨時393名)

単体46名に対して連結5,670名。その差は5,624名、倍率にして約123倍です。46÷5,670=約0.8%。つまり有報の給与欄は、グループ全従業員のうち1%にも満たない層の平均を示しているにすぎません。

そしてこの46人が誰かといえば、持株会社の役割から考えてグループ本社の経営幹部・コーポレート人材が中心と考えられます(推定情報)。経営戦略、グループ監査、IR、人事制度の設計といった機能を担う層です。平均年齢47.0歳・勤続13.6年という数字も、キャリア後半の管理職層が多い母集団像と整合します。

母数46人ゆえに、年によって数字が大きく振れる

もう一つ重要なのは、この802万円が安定した数字ではないことです。有価証券報告書ベースで直近3期を並べると次のようになります。

対象期平均年間給与(提出会社単体)平均年齢平均勤続年数
第68期(2026年3月期)802万円47.0歳13.6年
第67期(2025年3月期)825万円——
2024年3月期731万円45.7歳10.6年

2024年3月期の731万円から2025年3月期は825万円へ約94万円上昇し、2026年3月期は802万円へ23万円下落。平均勤続年数も10.6年から13.6年へ3年も動いています。従業員が数十名しかいない母集団では、数人の異動・退職・出向だけで平均値が数十万円単位で動くのは当然です(推定情報)。「前年より上がった/下がった」という比較にも、事業会社の待遇改善を読み取ることはできません。

事業会社「株式会社フジシール」の実額は、口コミベースで471〜542万円

では、実際に応募先となる事業会社の水準はどうか。有価証券報告書には事業会社単体の給与開示がないため、ここからは口コミ傾向として扱います。

  • OpenWork:平均年収542万円(33人の回答による集計)
  • エン カイシャの評判:471〜505万円のレンジ
  • 口コミ回答者の平均年齢:約35歳

有報の802万円との差は、250万円〜330万円規模。この乖離は「口コミが不正確だから」ではなく、見ている母集団が違うから生じています。有報=47歳・持株会社46人、口コミ=35歳・事業会社の一般社員層。比較対象として最初から噛み合っていないのです。

転職検討者が参照すべきは、当然ながら後者に近い水準です。求人情報ベースでも、中途採用の提示は月給23万円〜46万円+各種手当とされ、公開されている年収例は760万円(51歳・入社18年目)、560万円(39歳・入社4年目)となっています。この2例からは、40歳前後で500万円台、50代管理職層で700万円台という推定情報としてのイメージが描けます。

求職者
求職者

じゃあ有報の802万円は嘘なんですか?

嘘ではありません。持株会社46人の平均としては正確な開示です。問題は、その数字があなたが入る会社の数字ではないという一点にあります。同じ構図は、持株会社体制を採る他の上場企業でも繰り返し起きています(広済堂ホールディングス、エステールホールディングス、バンダイナムコホールディングス、ウイルコホールディングス、トランザクション、日本創発グループ)。フジシールは、そのなかでも単体と連結の差が123倍と特に大きい事例です。

中途入社で確認すべき条件|「契約社員採用」「賞与」に関する口コミ

年収の水準以上に、中途で入る人にとって実務的に重要な論点があります。新卒入社と中途入社で待遇に差があると指摘する口コミが複数あることです。ここは求人票の額面だけを見ていると見落とします。

口コミ傾向として、給与制度について次のような声が確認できます。

  • 「初任給・基本給は比較的高いが、賞与はそこまで高くない」
  • 「中途採用はほとんど契約社員採用で、新卒入社でないと待遇は厳しい」
  • 「中途は何年かするまで賞与をもらえない」

これらは投稿者個人の経験であり、全職種・全時期に当てはまると断定はできません。ただし複数の投稿で同じ趣旨が繰り返されている点は、応募前の確認事項として扱う価値があります。

なぜこの論点が効いてくるのか。賞与が薄い、あるいは支給開始まで期間があるという条件は年収の総額を大きく変えるからです。月給が同じ35万円でも、賞与4か月なら年収560万円、賞与ゼロなら420万円。この140万円の差は「月給いくらか」だけを見ていると見えません。

選考が進んだ段階で、次の項目は必ず書面で確認することをおすすめします(推定情報を含む一般的な確認手順です)。

  • 雇用形態:正社員か、契約社員(有期)か。契約社員の場合、正社員登用の条件・実績
  • 賞与の扱い:初年度の支給有無、支給開始時期、支給月数の実績レンジ
  • 年収の内訳:基本給・固定残業代の有無と時間数・各種手当の内訳
  • 勤務地:配属拠点と、将来的な転勤範囲(後述の通り拠点が全国に分散)
  • 評価制度:昇給の頻度と、中途入社者の等級スタート位置

とくに雇用形態と賞与の2点は、内定時の労働条件通知書で必ず文言を確認してください。口コミが指摘する差が自分のケースに当てはまるかどうかは、この書面でしか確定できません。

フジシールは何を作る会社か|シュリンクラベルが売上の61.7%

転職先として評価するには、この会社が何で稼いでいるかを数字で押さえる必要があります。結論を先に言えば、フジシールはシュリンクラベル1品目で売上の6割超を稼ぐ、集中度の高い軟包装メーカーです。

公式IRによると、2026年3月期の品目別売上高は次の構成です(公式情報)。

品目売上高構成比内容
シュリンクラベル1,343億円61.7%ペットボトル等に熱収縮させて装着するフィルムラベル
ソフトパウチ294億円13.5%詰め替え用洗剤・食品などの軟包装パウチ
機械231億円10.6%ラベラー・充填機などの装着機械
タックラベル170億円7.9%粘着タイプのラベル
その他136億円——

ここで注目すべきは、「機械」が単体で231億円あることです。これはフジシールのビジネスモデルを理解する鍵になります。同社は包材を売るだけでなく、その包材を容器に装着するラベラー・充填機といった機械、さらに顧客工場のライン設計までをセットで提供する「パッケージング・システム」型の企業です。公式サイトによると、世界のシュリンクラベル市場では最大手クラスの位置づけとされています。

この構造は、転職者のキャリアに直結します。

  • 営業職:単なる資材の価格交渉ではなく、顧客の生産ラインを含めた提案が求められる。飲料・食品・トイレタリー・医薬といったナショナルブランドが主要顧客層
  • 技術・機械系職種:機械設計・電気制御・フィールドサービスといった、素材メーカーには通常ない職種の受け皿がある
  • 製造・生産技術:印刷(フレキソ等)・成形・品質管理といった現場技能。工場ごとの設備で身につくスキルが変わる

商業印刷・パッケージ業界全体の潮流として、グラフィック用紙(出版・チラシ向け)が構造的に縮小する一方、パッケージング分野は減少幅が小さく、脱プラスチックや環境対応印刷を軸に設備投資が続いている領域とされています。フジシールは、印刷業界のなかでも投資が続く側に軸足を置いた企業だと整理できます(推定情報)。

業績2,177億円の中身|成長ドライバーは完全に海外へ移った

次に業績です。決算短信によると、2026年3月期(連結)の実績は増収増益でした(公式情報)。

  • 売上高:2,177億5,200万円(前期比+2.5%)
  • 営業利益:204億6,300万円(同+8.6%)
  • 経常利益:220億900万円(同+20.1%)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益:206億5,500万円(同+69.3%)

ここだけ見れば好調です。しかし転職判断に必要なのは、この売上をどこで稼いでいるかという中身のほうです。

外部売上の約55%が海外|米州は5年で約1.9倍

2026年3月期の地域別外部売上高は次の通りです(公式情報)。

地域外部売上高(2026年3月期)備考
日本983億円国内グループ5社が担当
米州682億円2021年3月期359億円から5年で約1.9倍
欧州332億円現地8社体制
アセアン180億円現地4社体制

合計すると海外3地域で1,194億円、外部売上に占める海外比率は約55%。すでに国内より海外のほうが大きい会社です。とりわけ米州は2021年3月期の359億円から2026年3月期の682億円へ、5年で約1.9倍に拡大しました。成長ドライバーは完全に海外へ移っていると読めます。

これは求職者にとって両面の意味を持ちます。

  • プラス面:海外14社体制で駐在・海外拠点マネジメント・貿易実務といったポジションが実在する。国内需要が頭打ちの素材・包装業界において、成長領域を持っている
  • マイナス面:為替、米国の関税・通商政策、現地人件費インフレの影響を業績が直接受ける。海外次第で利益が振れる構造は、賞与や昇給の安定性にも波及しうる(推定情報)

2027年3月期は「増収増益、しかし最終減益」

ここが最も誤読されやすい部分です。会社が公表した2027年3月期予想は次の通りです(公式情報)。

項目2026年3月期実績2027年3月期会社予想増減
売上高2,177億5,200万円2,286億円+5%
営業利益204億6,300万円222億円+8.5%
経常利益220億900万円224億円+1.8%
当期純利益206億5,500万円153億円▲25.9%

売上・営業利益は伸びる予想なのに、純利益は25.9%減という見通しです。この不一致をどう読むか。前期の純利益+69.3%は、営業利益の+8.6%を大きく上回っています。営業段階の伸びでは説明できない増益であり、特別要因を含んでいる可能性が高いと考えられます(推定情報)。翌期予想で純利益だけが落ちるのは、その特別要因が剥落する前提とみるのが自然です。

つまり、「純利益が過去最高」という見出しだけで実力を判断すると誤読する期だということです。転職判断としては、営業利益の204億円→222億円(+8.5%)という本業の伸びのほうを実力ベースの指標として見るのが妥当でしょう。営業利益率も約9.4%から約9.7%へ改善する計算になり、業績そのものは堅調と評価できます。

ラベルレスPETボトルは逆風か追い風か|将来性の両面

売上の61.7%をシュリンクラベルに依存する構造は、将来性を考えるうえで避けて通れません。ここは単純な追い風でも逆風でもないため、両方向から整理します。

逆風として働きうる要素

国内飲料市場では、ラベルレスPETボトルの採用が広がっています。ケース販売の飲料を中心に、ラベルそのものを貼らない商品設計が定着しつつあり、これは構造的にシュリンクラベルの需要を削る方向に働きます。売上の6割超を1品目に依存する事業構造では、この動きは無視できないリスク要因です(推定情報)。

追い風として働きうる要素

一方で、同じ環境規制が新しいラベル需要を生んでもいます。

  • 環境対応ラベルへの置き換え需要:リサイクル適性の高い素材、分別しやすい構造、再生材の利用など、単価の高い機能ラベルへの切り替えが進む
  • 再生材利用の制度化:2026年4月施行の改正資源有効利用促進法により、製造段階での再生材利用が公的な義務の枠組みに入り、2027年度以降は再生プラスチック利用目標の策定・計画提出が求められる方向で議論が進んでいる。素材と印刷の両方に技術を持つ企業には対応需要が生まれる
  • 水性フレキソ等の環境対応印刷:溶剤系からの転換で、設備と技術を持つ企業に受注が集まりやすい
  • 海外市場:ラベルレス化が国内ほど進んでいない米州・アセアン市場での成長余地

実際、フジシールは2024年にサントリーグループとの協働で、ロールラベルの両面水性フレキソ印刷を実現したと公表しています。これは「ラベルが減る」流れに対して「ラベルの中身を高度化する」方向で応じている実例です。

転職判断としては、「ラベルという製品カテゴリの数量」ではなく「環境対応で高度化する単価」に賭ける会社と理解するのが実態に近いでしょう(推定情報)。面接では、応募先の部門が国内数量を追う側か、環境対応・海外の成長側かを確認しておく価値があります。

勤務地で働き方が変わる|宇部・筑波・結城・尼崎

フジシールの転職で見落とされがちなのが勤務地です。持株会社の本社は大阪ですが、実際に人が働いている場所は全国に分散しています。同じ「フジシール」でも、拠点によって仕事も生活も大きく変わります。

拠点所在地特徴
本社(持株会社・事業会社)大阪市淀川区宮原(新大阪)/東京本社併設経営・管理・営業機能。持株会社の46名はここが中心と考えられる
筑波工場茨城県稲敷郡阿見町香澄の里従業員約604名の大規模拠点。持株会社単体46名の約13倍の人員がこの1工場にいる
結城工場茨城県結城市新堤仲通り茨城県内のもう一つの生産拠点
株式会社フジシールウエスト山口県宇部市西日本の生産拠点。別法人として運営
株式会社フジアステック兵庫県尼崎市R&D拠点「S×Sセンター」を擁する開発機能
取手ファーマ株式会社茨城県取手市グループ会社

公式採用サイトによると、募集の勤務地は茨城・三重・兵庫・東京・大阪が挙げられています。

この一覧から読み取れることが3つあります。

第一に、人員の重心は茨城県にあります。筑波工場だけで約604名。持株会社単体46名の13倍以上がこの1工場に在籍している計算で、「大阪本社の会社」というイメージとは実態が異なります。

第二に、宇部(フジシールウエスト)は別法人です。株式会社フジシールウエストとして山口県宇部市で運営されており、応募する場合は雇用主が別会社になります。給与体系・評価制度・福利厚生が本体と完全に同一とは限らないため、求人票の会社名を必ず確認してください。

第三に、現場職の求人は「軽作業」「流れ作業」「未経験歓迎」といった条件のものが多い点です。これは製造現場としては珍しくない募集形態ですが、キャリア形成の観点では、入口の職務内容と、その先にどんな技能・等級が積み上がるのかを分けて考える必要があります(推定情報)。

なお、一部で言及されることのある滋賀県の工場については、本記事の調査範囲では公式情報が見当たらなかったため、記載していません。

口コミが示す「待遇は悪くないが育たない」という構造

ここからは口コミ傾向です。断定はできませんが、事業会社側に284件という十分な投稿数があり、傾向としては読み取る価値があります。

2つの会社で、評価スコアが分かれている

OpenWorkでは、事業会社と持株会社が別々に登録されています。

項目フジシール(事業会社)フジシールインターナショナル(持株会社)
総合評価2.79(口コミ284件・58人回答)2.73(口コミ141件・25人回答)
月平均残業時間19.9時間15.7時間
有給休暇消化率63.6%67.5%
法令順守意識3.83.9
社員の士気2.4—
人材の長期育成2.41.8(全項目中で最低)
人事評価の適正感2.4—
待遇面の満足度—3.5

評価が高い項目:労働時間と制度面

製造業として見たとき、月平均残業19.9時間(持株会社側15.7時間)は短めの部類です。有給消化率63.6〜67.5%、法令順守意識3.8〜3.9も、いずれも平均を上回る水準の投稿傾向を示しています。

制度面では、育児休業取得率が女性92.3%・男性34.4%と開示されており、男性取得率は製造業の一般的水準と比べても低くはありません。女性労働者比率は29.2%、役員構成は男性12名・女性4名(女性比率25%)で、代表執行役社長CEOも女性です。製造業としては女性役員比率が高い部類に入ります(公式情報)。住宅手当など新卒向けの福利厚生が手厚いという声も見られます。

評価が低い項目:評価と育成

一方、社員の士気2.4/人材の長期育成2.4/人事評価の適正感2.4という3項目が揃って低い点が、この会社の口コミの特徴です。持株会社側では人材の長期育成が1.8と全項目中で最も低くなっています。

投稿には次のような趣旨のものがあります。

  • 「ワークライフバランスは取りにくい、土日出勤も多いが、マネジメント層は基本何もしない」
  • 「会社に将来性が無い」

残業時間の数値(19.9時間)と「ワークライフバランスは取りにくい」という投稿は一見矛盾しますが、これは職種・拠点による差と読むのが自然でしょう(推定情報)。工場の交替勤務・立ち上げ対応と、本社のコーポレート職では実感がまったく違います。平均値だけで働き方を判断せず、応募先部門の実態を面接で確認する必要があります。

総じて、口コミから読み取れるのは「労働時間と制度は悪くないが、評価と育成に不満が集まる」という構造です。給与制度についても前述の通り「初任給・基本給は比較的高いが賞与はそこまで高くない」という声があり、入口の条件は整っているが、その後の伸びが見えにくいという共通のパターンが浮かびます。ここを許容できるかどうかが、この会社での適性を分ける要素になりそうです。

なお、公正取引委員会による排除措置命令・課徴金納付命令、製品リコール、重大な訴訟については、本記事の調査範囲では該当する公表情報が見当たりませんでした。ただし、それらが存在しないと断定するものではありません。

創業家が3割前後を保有する資本構成(有報の開示事実)

フジシールインターナショナルは、株主構成にも特徴があります。ここは評価が読者によって分かれる論点なので、有価証券報告書に開示されている事実のみを並べます。

有価証券報告書「大株主の状況」によると、主要株主は次の通りです(公式情報)。

株主持株比率
株式会社創包14.5%
公益財団法人フジシール財団8.9%
公益財団法人Innovation of FUJI3.3%
藤尾弘子3.3%

創業家に関連するとみられるこれらの保有を合計すると、30%前後になります。また、取締役代表執行役社長CEOの岡﨑成子氏と、取締役の岡﨑陽一氏が親子関係にあることが有価証券報告書で開示されています。

同社は1897年(明治30年)創業、1958年10月18日に株式会社藤尾製作所として設立され、キャップシール製造から始まった120年以上の歴史を持つ大阪発の企業です。2004年10月1日に持株会社体制へ移行して現社名になりました。

この資本構成をどう評価するかは読者の価値観によって分かれるため、本記事では開示されている事実のみを提示し、評価は行いません。転職判断上は「短期の株主圧力で方針が急変しにくい会社である」という前提として押さえておけば十分でしょう。

セキとの資本業務提携と、同業他社との位置関係

ラベル・パッケージ業界は、いま再編と提携が進んでいる領域です。フジシールもその当事者になっています。

セキとの相互出資(2024年3月15日)

2024年3月15日、フジシールインターナショナルはセキ株式会社(7857・愛媛県松山市)と資本業務提携を締結しました。内容は次の通りです(公式情報)。

  • フジシールがセキ株式15万株(発行済株式総数の3.33%)を取得
  • セキがフジシール株式10万株(同0.17%)を取得(相互出資)
  • 提携内容は、環境配慮型パッケージの共同開発、安定供給体制の構築、人財育成・働き方改革の推進

セキは愛媛県松山市に本社を置く総合印刷会社で、洋紙販売・出版広告なども手がける地方拠点型の企業です。ラベル大手と地方総合印刷が組む形は、印刷業界で近年増えている「大手メーカー・大手印刷との資本業務提携で技術や販路を補完する型」の典型例といえます。同じ年に、フジシールはサントリーグループとの協働でロールラベルの両面水性フレキソ印刷を実現しており、環境対応印刷が提携の実務的な軸になっていることが分かります。

同業他社との比較

転職先候補として比較しやすい企業を整理します。各社の平均年収は開示ベースと母集団の定義が異なるため単純比較ができません。ここでは事業構造と着眼点で並べます(推定情報を含みます)。

企業名(証券コード・本社)主力領域フジシールとの違い転職時の着眼点
フジシールインターナショナル(7864・大阪市淀川区)シュリンクラベル61.7%・ソフトパウチ・ラベラー等の機械1品目集中度が高く、海外比率約55%包材+機械+ライン設計を一体で扱う。持株会社と事業会社の別に注意
大日本印刷(7912・東京都新宿区)情報コミュニケーション、生活・産業(包材含む)、エレクトロニクス包材は事業の一部。ディスプレイ材料や電子部品など事業領域が圧倒的に広い職種・配属の選択肢は広いが、包装分野に特化したキャリアを積みたい人には分散リスク
TOPPANホールディングス(7911・東京都文京区)情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクス同じく総合印刷の巨人。持株会社体制持株会社体制のため、有報の年収を事業会社の実額と混同しない点はフジシールと同じ注意が必要
リンテック(7966・東京都板橋区)粘着製品(タックラベル用粘着紙・工業用テープ)、電子・光学材料粘着素材のメーカー。フジシールとはタックラベル領域で接点素材寄りのキャリア。半導体・光学材料など非包装領域の比重が大きい
セキ(7857・愛媛県松山市)総合印刷、洋紙販売、出版広告、カタログ販売・EC2024年3月にフジシールと相互出資。地方拠点型で規模は大きく異なる愛媛での勤務が中心。提携相手として業界内の位置関係を知るうえで参考になる

この比較から見えるフジシールの立ち位置は、「総合印刷大手のように事業が分散していない代わりに、ラベル・軟包装という1領域で世界的なポジションを持つ専業型」です(推定情報)。

フジシールへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向を踏まえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。断定ではなく、確認すべき論点の整理として読んでください。

向いている人向いていない人
ラベル・軟包装という1領域で専門性を深めたい人幅広い事業領域を横断してキャリアを組み立てたい人
包材だけでなく機械・ライン設計まで含めた提案に面白さを感じる人製品単体の営業・技術に集中したい人
海外比率55%という環境で、駐在や海外拠点との協業を志向する人国内勤務に限定したい人(成長領域が海外に寄っている)
残業月20時間前後・有給消化6割超という水準を重視する人評価制度の納得感・昇給スピードを最優先する人
茨城・山口・兵庫など地方拠点での勤務に抵抗がない人都市部勤務を前提に考えている人
環境規制対応を成長機会と捉えられる人国内のラベル数量の縮小リスクを許容しにくい人

とくに評価・育成への納得感を重視するタイプの方は、口コミの低スコア項目が自分の許容範囲かを面接で丁寧に確認することをおすすめします。逆に、労働時間の安定性と大手グループの基盤を重視する方にとっては、条件面で検討に値する企業といえます。

フジシールに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、公開情報で答えられるものを整理しました。

株式会社フジシールの従業員数は何人ですか?

有価証券報告書によると、2026年3月31日現在の連結従業員数は5,670名(ほか臨時393名)です(公式情報)。ただしこれはグループ全体の数字で、事業会社である株式会社フジシール単体の従業員数は有価証券報告書では開示されていません。なお、有報を提出している持株会社・株式会社フジシールインターナショナル単体の従業員数は46名(ほか臨時2名)です。会社発表では「世界15カ国で6,000人以上」とされています。

株式会社フジシールの求人はどんな職種が多いですか?

公開されている求人を見ると、大きく製造・生産技術などの現場職と、営業・技術営業・機械系エンジニア・コーポレート職に分かれます。工場の現場職は「軽作業」「流れ作業」「未経験歓迎」といった条件の募集が多く見られます。中途採用の給与提示は月給23万円〜46万円+各種手当とされています(口コミ傾向・求人情報ベース)。応募時は、雇用形態(正社員か契約社員か)と賞与の支給条件を必ず確認してください。

フジシールウエスト宇部工場はどんな職場ですか?

株式会社フジシールウエストは山口県宇部市に拠点を置く、フジシールグループの国内事業会社の一つです(公式情報)。株式会社フジシールとは別法人のため、応募時の雇用主・給与体系・評価制度が本体と同一とは限りません。求人票に記載された会社名を確認したうえで、労働条件通知書で条件を確定させることをおすすめします。工場単位の従業員数や具体的な勤務シフトは、有価証券報告書では開示されていません。

株式会社フジシールの社長は誰ですか?

有価証券報告書で確認できるのは、持株会社である株式会社フジシールインターナショナルの役員構成です。同社の代表者は岡﨑成子氏(取締役代表執行役社長CEO)で、取締役の岡﨑陽一氏とは親子関係にあることが有価証券報告書で開示されています(公式情報)。事業会社である株式会社フジシール側の代表者については、本記事では有価証券報告書に記載のある持株会社の役員のみを公式情報として扱っています。

株式会社フジシールの年収はいくらですか?

有価証券報告書に記載された802万円(第68期・2026年3月期)は、持株会社単体46名の平均であり、事業会社の水準ではありません(公式情報)。事業会社「フジシール」の実態は、OpenWorkの集計で平均542万円(33人回答)、エン カイシャの評判では471〜505万円のレンジとされています(口コミ傾向)。公開されている年収例は760万円(51歳・入社18年目)、560万円(39歳・入社4年目)です。転職検討時の目安としては、後者の水準を出発点に考えるほうが実態に近いと考えられます(推定情報)。

フジシールへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、記事の情報だけでなく、内定時の労働条件通知書と自分の経験・適性を照らし合わせて行ってください。

判断軸評価と根拠
年収の実態有報802万円は持株会社46名の値。事業会社の口コミ水準は471〜542万円。250万〜330万円の差を前提に判断する
年収データの信頼度有報値は母数46名のため年による振れが大きい(731万円→825万円→802万円)。傾向の読み取りには不向き
中途入社の条件「契約社員採用が多い」「賞与の支給まで期間がある」という口コミが複数。労働条件通知書での確認が必須
労働時間月平均残業19.9時間、有給消化63.6%は製造業として悪くない水準。ただし職種・拠点差がある可能性
事業の安定性売上2,177億円、営業利益204億円で堅調。ただしシュリンクラベル1品目で61.7%という集中構造
成長性海外比率約55%、米州は5年で約1.9倍。成長は海外主導。為替・関税の影響を受けやすい
業績の読み方2027年3月期は営業増益(+8.5%)だが純利益は▲25.9%予想。本業の伸びで評価するのが妥当
評価・育成人材の長期育成2.4・人事評価の適正感2.4と口コミ評価は低め。ここが最大の要確認ポイント
勤務地茨城(筑波約604名・結城)、山口(宇部)、兵庫(尼崎)、大阪・東京。転勤範囲の確認が必要
ガバナンス創業家関連が30%前後を保有、社長と取締役が親子関係と有報で開示。評価は読者の価値観による

総合すると、フジシールは「業績も労働時間も安定しているが、有報の年収に期待して入ると落差が大きく、評価・育成面に不満が集まりやすい会社」と整理できます。専門領域を深めたい人、労働時間の安定を重視する人には検討価値があり、逆に昇給スピードや評価の納得感を最優先する人は、条件を書面で詰めてから判断するのが安全です。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

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免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。事業会社「株式会社フジシール」の年収水準として示した471〜542万円は口コミサイトの集計値(二次情報)であり、有価証券報告書に記載された実額ではありません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第68期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに本記事では、有価証券報告書の給与欄が提出会社(持株会社)単体の数値であることを繰り返し明示し、事業会社の実態と混同されないよう構成しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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