ヨンキュウ(9955)の年収478万円と評判|餌料が利益9割の宇和島水産商社
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:証券コード9955・愛媛県宇和島市の魚類養殖向け水産商社
- 年収:有価証券報告書の平均年間給与は約478万円(前期比+3.7%)
- 稼ぎ方:売上66%の鮮魚は利益率0.7%、利益の約9割は餌料・飼料
- 注意点:純利益+167.4%は投資有価証券売却益による一過性要因
この記事で扱うのは株式会社ヨンキュウ(証券コード9955・東証スタンダード市場/愛媛県宇和島市/魚類養殖向けの餌料販売と鮮魚卸を手がける水産商社)です。検索結果に混ざる英検四級・漢検四級・数検四級・四級船舶免許・四級審判(サッカー)・四九フェリー、さらに同じ読みのアパレルブランドや人名は、いずれも同社とは無関係です。社名は1963年に「四国急速冷凍株式会社」として創業した経緯に由来します。そしてこの会社を転職先として調べ始めると、多くの人が同じ壁に当たります。OpenWorkの社員クチコミが0件で、ネット上の評判から実態を推し量る手段がほとんどないのです。そこで本記事は、第52期(2026年3月期)有価証券報告書と決算短信という一次情報だけを材料に、年収・組織規模・稼ぎ方・将来性・ガバナンスを分解します。口コミが見つからない会社をどう判断するか、その手順ごとお持ち帰りいただく構成です。
株式会社ヨンキュウとは|証券コード9955・宇和島の「養殖トータルサポート」型商社
最初に結論です。ヨンキュウは魚類養殖という一点に特化した水産商社であり、稚魚・餌料の供給から、育った魚の買い取り・加工・全国市場への販売、物流までを一本で引き受けるビジネスモデルを持ちます。転職検討者にとっての意味は明快で、「水産物を右から左に流す卸売」ではなく「養殖業者の経営に伴走する提案営業」が仕事の中心になる、ということです。
混同されやすい検索語との切り分け
同社の社名は検索上、極端に不利な条件にあります。サジェストの上位を占めるのは「四九 フェリー」「英検 四級」「漢検 四級」「数検 四級」「四級海技士」「四級審判 サッカー」「世界遺産検定 四級」「hsk 四級」といった検定・資格・交通関連の語で、これらはすべて同社とは無関係です。同社本体に向けられた検索は「ヨンキュウ 株価」「ヨンキュウ 株主優待」「ヨンキュウ 宇和島」「ヨンキュウ うなぎ」など投資家・地元層由来のものが中心で、「評判」「求人」「採用」「年収」といった転職系の検索は合わせてもごく小さな規模にとどまります。つまりこの会社は「評判がネットに溜まっていない会社」であり、記事で読む価値があるのは噂の検証ではなく一次情報の読み解きだと言えます。
社名の由来と沿革
有価証券報告書の沿革によると、同社は1963年4月26日、養殖魚用餌料の販売を目的に「四国急速冷凍株式会社」として愛媛県宇和島市で設立されました(資本金5,000千円)。1990年4月に四国急速冷凍・四国餌料販売・四国水産の3社が合併し、1991年6月に商号を株式会社ヨンキュウへ変更。1993年10月に日本証券業協会へ株式を店頭登録し、2004年12月ジャスダック上場、2013年7月東証JASDAQ、2022年4月の市場区分見直しで東証スタンダード市場へ移行しています。社名は「四国急速冷凍」の略称がそのまま残ったもので、公式情報として確認できる沿革です。なおTOB(株式公開買付け)や非公開化の動きは確認できなかったため、上場企業として採用活動を続ける前提で読んで差し支えありません。
2つの事業セグメントと子会社
売上は2つのセグメントで構成されます。
- 鮮魚の販売事業:四国・九州の漁協や養殖業者からブリ・マダイなどの養殖魚を仕入れ、全国の中央卸売市場の荷受会社へ販売。天然稚魚の国内外調達・販売、マダイの人工ふ化稚魚の生産販売、ハマチフィーレ等の加工品も扱います。
- 餌料・飼料の販売事業:養殖業者に生餌・配合飼料・モイストペレット(自社製造)を供給。餌は養殖経営費の最大項目であり、相場観と養殖技術の知識が要求される領域です。
連結子会社は鮮魚・餌料販売の海昇(売上194億円規模)、運送の四急運輸、クロマグロ養殖の日振島アクアマリンLLP(出資99.7%)、ウナギ養殖の西日本養鰻の4社。持分法適用関連会社として鮮魚小売・飲食の最上鮮魚(2025年3月に出資比率を30.97%から44.24%へ引き上げ)があります。拠点は本社(宇和島)のほか三崎事業所(神奈川県三浦市)、東京営業所、名古屋営業所、鹿児島事業所、蒲江種苗センター(大分県佐伯市)、遊子出張所ほか。本社加工場はISO22000(2021年12月)、三崎加工場はFSSC22000(2023年10月)を取得し、EU向け輸出水産食品取扱施設認定(EU HACCP)と水産エコラベルMEL認証も保有しています。
ヨンキュウの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、すべて第52期(2026年3月期)有価証券報告書および2026年3月期決算短信の実額です。最新の正確な数値は公式IR・EDINETで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社ヨンキュウ(THE YONKYU CO., LTD.) |
| 証券コード/市場 | 9955/東京証券取引所スタンダード市場 |
| 本社 | 愛媛県宇和島市築地町2丁目318番地235 |
| 設立 | 1963年4月26日(四国急速冷凍株式会社として創業) |
| 代表者 | 代表取締役社長 笠岡恒三 |
| 平均年間給与 | 4,778,997円(約478万円・前事業年度比+3.7%/提出会社) |
| 平均年齢 | 42.9歳(提出会社) |
| 平均勤続年数 | 12.7年(提出会社) |
| 従業員数 | 連結134名(外、臨時雇用者79名)/提出会社109名(外、臨時雇用者73名) |
| 売上高 | 476億76百万円(連結・前期比+6.2%) |
| 営業利益 | 18億69百万円(連結・前期比+20.9%/営業利益率3.9%) |
| 経常利益 | 21億94百万円(連結・前期比+4.3%) |
| 当期純利益 | 37億84百万円(前期比+167.4%/うち投資有価証券売却益34億89百万円) |
| 総資産/純資産 | 552億91百万円/407億80百万円 |
| 自己資本比率 | 73.7% |
| 労働組合 | 結成されていない(労使関係は良好と記載) |
| 出典 | 第52期(2026年3月期)有価証券報告書/2026年3月期決算短信 |
あわせて押さえておきたいのが、女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女間賃金差異はいずれも公表義務対象外として有価証券報告書で記載が省略されている点です。さらに決算説明会の開催も決算補足説明資料の作成も「無」と開示されています。これは良し悪しの話ではなく、「外部に開示される情報量が少ない会社である」という事実として転職判断に織り込むべき材料です。数字が出てこない項目は、面接や内定時の労働条件通知書で自分で確認するしかありません。
ヨンキュウの年収478万円を有価証券報告書で分解する
結論から言えば、ヨンキュウの平均年間給与は4,778,997円(約478万円)です。第52期有価証券報告書「第1 企業の概況 5 従業員の状況等(2)②提出会社の状況」に記載された実額で、賞与・基準外賃金を含みます。前事業年度比+3.7%の増加で、水準そのものは突出して高くありませんが、ここ数年は一貫して上向いています。
平均年間給与の6期推移
有価証券報告書ベースで並べると、同社の給与水準は2022年3月期を底に右肩上がりです。
| 決算期 | 平均年間給与 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2021年3月期 | 約444万円 | — |
| 2022年3月期 | 約415万円 | 減少 |
| 2023年3月期 | 約443万円 | 増加 |
| 2024年3月期 | 約447万円 | 増加 |
| 2025年3月期 | 約460万円 | 増加 |
| 2026年3月期(第52期) | 約478万円 | +3.7% |
2022年3月期の415万円から2026年3月期の478万円まで、4年で約63万円・15%超の上昇です。推定情報として読み解くなら、この改善は営業利益が2023年3月期の27.7億円をピークに2024年3月期19.4億円、2025年3月期15.5億円と落ち込んだ局面でも続いており、業績連動で乱暴に上下させる賃金運用ではない可能性が考えられます。ただし同社には労働組合が結成されていないため、賃金改定は会社側の決定に委ねられる構造です。上昇局面が続く保証がある話ではありません。
平均年齢42.9歳・平均勤続12.7年という前提
平均年収を評価するときは、必ず年齢と勤続年数をセットで見ます。同社は平均年齢42.9歳(2024年3月期・2025年3月期の43.3歳から微減)、平均勤続年数12.7年。勤続年数は2023年3月期11.9年→2024年3月期12.1年→2025年3月期12.3年→2026年3月期12.7年と4期連続で伸びており、在籍が長期化している=人が出ていきにくい傾向を示す数字です。
ここから読める実務的な示唆は2つあります。第一に、40代前半・勤続13年前後の層が平均478万円を構成しているため、推定情報として20代・30代前半の水準はこれより低いレンジに収まる可能性が高いと考えられます。中途入社の提示額が平均値どおりになると期待するのは危険です。第二に、勤続が伸びている組織では役職ポストの回転が遅くなりやすく、昇格による年収ジャンプの時期が読みにくくなります。面接では「現在の等級制度と、入社後3〜5年でどの等級まで想定されるか」を具体的に確認するのが現実的です。
この478万円が「誰の」数字なのかという注意点
ヨンキュウは持株会社ではなく事業会社本体なので、この478万円は本社機能と現場の両方を含む実感に近い数値です。ただし対象は提出会社(単体)109名のみで、連結134名との差である子会社、すなわち西日本養鰻(ウナギ養殖)・四急運輸(運送)・海昇(鮮魚・餌料販売)の従業員給与は含まれていません。応募先が本体か子会社かで給与体系が異なる可能性があり、求人票の募集企業名を必ず確認すべきポイントです。

平均478万円って、この規模の上場企業としては高いんですか?
後述の10社比較で詳しく見ますが、同じ「卸売業」に分類される上場企業でも有価証券報告書の平均年間給与は477万円台から989万円台まで分布します。先に結論だけ言えばヨンキュウの478万円は本記事で比較した10社の中で最も低い水準です。一方で営業利益率3.9%は10社中3番目に高く、「薄給の薄利企業」ではなく「収益性は上位・給与は下位」という組み合わせになっています。この差をどう解釈するかが、転職判断の分かれ目になります。
口コミが0件の会社をどう判断するか
結論を先に置きます。ヨンキュウには、判断材料になるだけの口コミが存在しません。 OpenWorkの企業ページ(株式会社ヨンキュウ/愛媛県宇和島市/東証スタンダード9955)は「社員クチコミ0件」「回答者0人」で、総合評価・残業時間・有給消化率といった各スコアはすべて「–」表示、「社員クチコミはまだ投稿されていません」と明記されています。転職会議・エン カイシャの評判・Indeedについては、企業ページの特定自体ができなかったため掲載有無を断定できません。
したがって本記事では、口コミ傾向として語れる材料がそもそも無い、というところから出発します。スコアや件数を推測で補うことはしません。大事なのは、なぜ0件なのかを構造から理解することです。
- 母数が小さい:提出会社109名・連結134名。在籍者と退職者の総数自体が、口コミサイトに投稿が溜まる規模に届いていません。
- 立地が限定的:本社は愛媛県宇和島市。転職口コミサイトの主利用者である都市圏のホワイトカラー層と重なりにくい構造です。
- 勤続が長い:平均勤続12.7年で4期連続上昇。退職者が書く「退職理由」型の投稿が生まれる頻度が低いと推定情報として考えられます。
- 知名度の偏り:指名検索の大半が株価・株主優待といった投資家由来で、求職者由来の検索が小さい。
口コミが無い会社を前にしたとき、やってはいけないのは「情報が無いから判断できない」と止まることと、「情報が無いから問題があるのだろう」と想像で埋めることです。代わりに使えるのが有価証券報告書の定量データです。本記事が年収6期推移・勤続年数の推移・従業員数の10年推移・セグメント別人員配置・労働組合の有無・開示省略項目を順に並べているのは、口コミの代替指標を一次情報で組み立てるためです。出典が特定できない匿名の書き込みは判断材料として成立しないため、本記事では扱いません。
利益の約9割を稼ぐのは餌料・飼料|売上と利益が逆転する収益構造
この記事で最もお伝えしたいのがここです。ヨンキュウは売上の3分の2を鮮魚で作り、利益の約9割を餌料・飼料で作っています。 決算短信のセグメント情報を並べると、そのねじれが一目で分かります。
| セグメント | 売上高(2026年3月期) | 売上構成比 | セグメント利益 | 利益率 | 利益構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鮮魚の販売事業 | 314億66百万円(+9.1%) | 約66% | 2億20百万円(+194.9%) | 0.7% | 約11% |
| 餌料・飼料の販売事業 | 162億05百万円(+1.0%) | 約34% | 16億94百万円(+13.8%) | 10.5% | 約88% |
| その他 | 3百万円 | 約0% | 1百万円 | — | 約0% |
公式情報として、鮮魚の利益率は0.7%、餌料・飼料は10.5%。同じ会社の中で利益率に15倍の差がついています。売上で見れば鮮魚が主力ですが、会社の利益を支えているのは餌料・飼料だということです。
なぜ鮮魚の利益率は0.7%にとどまるのか
有価証券報告書「事業等のリスク」に、その理由がはっきり書かれています。同社の収益構造は「販売数量×1kgあたり一定幅のマージン」で成り立っており、供給過剰時には価格が低下し、供給不足時には価格が上昇する形で数量とマージンの双方が振れます。つまり鮮魚販売は、売上が9.1%伸びても利益が2億円台という、典型的な薄マージン×大量数量のビジネスです。加えて売上の約6割を占めるこの事業は、稚魚の池入時期(上半期)と年末年始に偏る季節変動を抱えています。
逆に餌料・飼料が10.5%という商社としてかなり高い利益率を出せているのは、推定情報として、生餌から配合飼料・モイストペレットへの転換を自社製造で手がけていることと、餌が養殖経営費の最大項目であるために技術提案の価値が価格に乗りやすいことが効いていると考えられます。単価だけで比較される商材ではなく、給餌効率や魚の成育という成果で評価される商材だという違いです。
転職者にとっての意味:配属が待遇より重い
この構造は、キャリア設計に直結します。
- 餌料・飼料営業:相場観(魚粉の国際価格・為替)、飼料の栄養設計、養殖技術の理解、養殖業者との長期関係構築が一体となる職種。会社の利益源であり、専門性の希少性が高い領域です。
- 鮮魚の仕入・販売:産地(漁協・養殖業者)と市場(荷受会社)をつなぐ役割。数量と鮮度のオペレーション能力、早朝の市場取引に合わせた勤務リズムが前提になります。マージンが薄いため、与信・代金回収の責任も重い領域です。
- 加工・輸出:ISO22000/FSSC22000/EU HACCP/MEL認証を備えた加工場を持ち、米国に加えEU向け輸出も推進中。加工度を上げた販売は業界全体の成長ドライバーで、経験が業界内で評価されやすい領域です。
面接で「どのセグメントのどの機能に配属されるのか」を確認しないまま入社すると、同じ社名でも仕事の性質が大きく変わります。会社選びより職種選びの比重が高い会社だと捉えるのが適切です。
純利益+167.4%の正体|一過性要因を抜いた実力値と財務体質
2026年3月期の数字を見て「過去最高益の好調企業」と受け取ると、判断を誤ります。親会社株主に帰属する当期純利益37億84百万円(前期比+167.4%)の大部分は、特別利益として計上された投資有価証券売却益34億89百万円(前期は14百万円)によるもので、本業の成果ではありません。
| 利益段階 | 2026年3月期 | 前期比 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 18億69百万円 | +20.9% | 本業の実力値(営業利益率3.9%) |
| 経常利益 | 21億94百万円 | +4.3% | 会社目標26億円に対し達成率84.4% |
| 当期純利益 | 37億84百万円 | +167.4% | うち投資有価証券売却益34億89百万円 |
読み方の順序はこうです。まず営業利益18億69百万円(+20.9%)が本業の伸びで、これは素直に評価できます。次に経常利益21億94百万円は+4.3%にとどまり、会社が掲げていた連結経常利益26億円という目標に対しては達成率84.4%の未達です。最後の純利益だけが2.6倍に跳ねているのは、保有株式を売った結果にすぎません。期末配当25円のうち8円は特別配当であると会社自身が明記しており(普通17円+特別8円、配当総額306百万円、配当性向8.1%)、増配も一過性要因と連動しています。公式情報に基づいてこう整理すると、「増収増益で絶好調」という印象はかなり補正されます。
5期の売上・営業利益推移
中期で見ると、売上は伸びている一方、営業利益は波があります。
| 決算期 | 連結売上高 | 連結営業利益 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 約352億円 | — |
| 2023年3月期 | 約402億円 | 約27.7億円(ピーク) |
| 2024年3月期 | 約451億円 | 約19.4億円 |
| 2025年3月期 | 約449億円 | 約15.5億円 |
| 2026年3月期 | 476億76百万円 | 18億69百万円 |
4年で売上は352億円から477億円へ約35%拡大しましたが、営業利益は2023年3月期の27.7億円をピークに15.5億円まで落ち、直近でようやく18.7億円へ戻した形です。推定情報として、これは前述の「販売数量×一定幅マージン」という収益構造の表れと考えられます。売上は魚価と数量で膨らみますが、利益は魚価が上がるほど比例して増えるわけではありません。売上の伸びを成長率として読まないのが、この業態を見るときの基本姿勢です。
財務体質は極めて厚い
一方で貸借対照表は堅固です。総資産552億91百万円、純資産407億80百万円、自己資本比率73.7%。期末の現金及び預金は225億17百万円で、営業キャッシュフロー+26億60百万円、投資キャッシュフロー+32億60百万円(有価証券売却による流入を含む)、財務キャッシュフロー△8億20百万円。1株当たり純資産3,327.30円、EPS308.87円、ROE9.5%です。会社開示によると2026年3月末のPBRは0.85倍で、純資産を下回る評価にとどまっています。
転職判断の観点では、この財務の厚さは「赤潮・高水温・台風といった外部要因で一時的に大きく振れても、雇用と投資を止めずに耐える余力がある」ことを意味します。推定情報ですが、魚価・天候に左右される業態でありながら、給与が4期連続で上昇してきた背景にはこの余力があると考えられます。ただし同社は2027年3月期の連結業績予想・年間配当予想をいずれも未開示・未定としており、中長期の目標数値も「経営成績が大きく変動するため設定していない」と有価証券報告書に明記しています。先の数字を会社が示さない会社である、という点は押さえておくべきです。
従業員134名・臨時79名|少数精鋭組織の働き方を数字から読む
結論として、ヨンキュウは正社員と同規模の臨時雇用者が現場を支える、極端にコンパクトな組織です。売上477億円を連結134名で回しているため、1人当たり売上高は単純計算で3億5,000万円を超えます。商社としては珍しくない水準ですが、裏を返せば一人が担う取引規模と責任が大きいということです。
セグメント別の人員配置
| 区分 | 従業員数(連結) | 臨時雇用者 |
|---|---|---|
| 鮮魚の販売事業 | 94名 | 73名 |
| 餌料・飼料の販売事業 | 26名 | 6名 |
| その他 | 1名 | — |
| 全社共通 | 13名 | — |
| 合計 | 134名 | 79名 |
注目すべきは偏りです。臨時雇用者79名のうち73名が鮮魚の販売事業に集中しています。推定情報として、加工場での処理・選別・パッキングや水揚げ時の作業といった現場業務を臨時雇用で厚く賄う構成と考えられます。一方で利益の約9割を稼ぐ餌料・飼料の販売事業は26名(臨時6名)しかいません。26名が会社の利益の大半を生んでいる計算になり、この部門の一人当たり収益性は極めて高いと言えます。中途で入る際、どちらの事業に何人の組織として入るのかは、裁量・育成体制・繁忙の質すべてに影響します。
単体従業員数の10年推移
提出会社(単体)の従業員数は、2016年3月期の126名から2割弱減少し、2023年3月期の102名を底に105名→107名→109名と3期連続で微増しています。縮小から緩やかな増員への転換局面にあると読めます。推定情報として、直近の増員と給与上昇が同時に起きていることは、採用に積極姿勢が出ている可能性を示す材料です。ただし年間の採用規模は数名単位と見られ、募集が常時あるタイプの会社ではありません。
労働組合なし・開示されていない労務データ
有価証券報告書には労働組合は結成されていない旨と、労使関係は良好である旨が記載されています。組合がない場合、賃金・労働時間などの労働条件は会社側の決定プロセスで決まるため、入社前の条件確認の重要性が相対的に高まります。加えて、女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女間賃金差異は公表義務対象外として記載が省略され、役員14名は全員男性(女性役員比率0.0%)です。離職率・平均残業時間・有給取得率・初任給についても有価証券報告書では開示されていません。
業界共通の論点として、市場取引に合わせた早朝始業、水揚げ立会い、海上・屋外作業、臭いや力仕事を伴う場面があり得ることは、水産・養殖系の職場では一般的な前提です。これらが自分の想定する働き方と合うかは、口コミ傾向で確かめる手段が無い以上、面接や職場見学で直接確認するのが唯一の方法になります。
ウナギ完全養殖への挑戦と養鰻事業の赤字|将来性の両面
ヨンキュウの将来性を語るうえで外せないのが、「夢の技術」と「足元の赤字」が同居しているという事実です。どちらか片方だけを見ると評価を誤ります。
2025年9月、ウナギのふ化仔魚をシラスウナギまで育成
同社は2025年9月16日、適時開示として「ウナギのふ化仔魚を稚魚まで育てることに成功した」ことを公表しました。場所は蒲江種苗センター(大分県佐伯市)で、水産研究・教育機構の技術指導と仔魚提供を受け、約200日をかけてシラスウナギまで育てたものです。ウナギ養殖は天然シラスウナギの採捕に依存してきた領域であり、人工種苗化は業界の長年の課題です。公式情報として、同社がこの技術的到達点に立ったことは確認できます。完全養殖の実用化・商業化の時期や採算性については会社が具体的に示していないため、ここから先は期待値として扱うべき話です。
一方で、ウナギ養殖事業は2026年3月期に営業赤字
同じ期の有価証券報告書・決算短信は、連結子会社の西日本養鰻が手がけるウナギ養殖事業が2026年3月期に営業赤字だったと明記しています。理由として挙げられているのは「国内需要の低迷」「国産鰻の荷余り感」「中国等からの安価な活鰻輸入による販売価格の一層の下落」です。同社は鹿児島(曽於・鹿屋第二・鹿屋第三)に養鰻場を増設してきており、その投資回収が課題として残ります。技術的な前進と事業採算は別問題だということです。
有価証券報告書が挙げるリスクを整理する
将来性を考えるなら、会社自身が列挙しているリスクを読むのが最短です。有価証券報告書「事業等のリスク」には次の内容が記載されています。
- 売上の約6割を占める鮮魚販売事業は業界・価格動向に業績が左右され、稚魚の池入時期(上半期)と年末年始に偏る季節変動がある
- 収益構造が「販売数量×1kgあたり一定幅マージン」であるため、供給過剰時は価格低下、供給不足時は価格上昇と、数量・マージン双方が振れる
- 人工ふ化事業は高収益だが病気による斃死リスクがあり、マグロ養殖は台風・津波・環境汚染・赤潮による大量死リスク、養鰻はシラスウナギ不漁による仕入価格高騰と病気による斃死リスクを抱える
- 台風・津波・環境汚染・赤潮により養殖業界全体に大規模被害が生じるリスク
- 食品安全基本法・食品衛生法・JAS法・製造物責任法等の規制強化と品質問題リスク
- 魚価下落や養殖魚の斃死による生産者の在庫棄損に伴う売上債権の貸倒リスク(貸倒引当金229百万円を計上)
- 減損会計適用リスク
さらに経営環境について、有価証券報告書・決算短信はいずれも「気候変動による温暖化の影響により赤潮の発生や海水温の上昇等によるリスクが増大」「配合飼料など原材料価格の高止まり」により厳しいと記載しています。国内一人当たりの魚類消費量も減少傾向です。推定情報として総合すると、同社の将来性は「国内消費の縮小」「気候リスクの増大」という向かい風と、「養殖の比重上昇」「輸出拡大」「人工種苗化」という追い風が同時に吹く構図にあると考えられます。一方向の成長ストーリーとしては描けません。
魚類養殖業界の構造変化とヨンキュウの立ち位置
業界の流れを押さえると、同社の事業設計が理にかなっていることが見えてきます。結論として、ヨンキュウは業界の構造変化の「中核に位置する側」にいます。
「獲る漁業」から「育てる漁業」へ
水産庁の統計では2023年の漁業・養殖業生産量は383万トン(前年比約2%減)と長期的に減少する一方、生産額は1兆6,853億円(同約5%増)と単価上昇で増えています。海面養殖業の収穫量は約85万トン、うち魚類養殖は約24万トンで、ブリ類・マダイ・クロマグロ・ギンザケが中心です。食用魚介類の自給率は54%前後、国内消費は1人年間21.4kg程度まで縮小しました。天然資源が読みにくくなるなかで、計画生産が可能な養殖の比重が相対的に高まっているのが大きな流れです。産地と全国市場をつなぐ同社のポジションは、この変化の恩恵を受けやすい側にあります。
餌料コストの重さと輸出重点品目
給餌養殖では餌料費が経営コストの最大項目で、魚粉は国際相場と為替に強く連動します。生餌から配合飼料・モイストペレットへの転換、魚粉代替原料の活用、給餌効率の改善は継続テーマであり、モイストペレットを自社製造する同社の餌料・飼料事業が10.5%の利益率を確保できている背景もここにあります。また2024年の水産物輸出は45万トン・3,609億円で前年比7.5%減と足踏みしましたが、政府はブリ・タイ・ホタテガイ・真珠・錦鯉を輸出重点品目に選定しています。輸出先構成は中国向けシェアが2022年の22%から2024年に2%程度へ縮小し、代わって米国向けが14%から21%へ拡大しました。EU HACCPを取得済みの同社が米国に加えEU向け輸出を推進しているのは、この組み替えに対応した動きと読めます。
担い手不足とトータルサポート型の価値
漁業就業者は2023年時点で12万1,389人(前年比1.4%減)と減少・高齢化が続き、新規就業者は年1,733人程度。養殖業では特定技能1号の外国人材が1,361人(2024年12月末)まで増えています。自動給餌システムや自動網掃除ロボットの導入といったスマート水産業化も進行中です。人手と資金に制約のある養殖業者が増えるなかで、稚魚・餌料・出荷・加工・物流までを一括で支える「養殖トータルサポート」型の商社機能の価値は相対的に高まっています。推定情報として、同社が2012年2月に魚力・松下水産・木村水産・坂本水産、2020年3月にマルハニチロ(現Umios)・フィード・ワン・坂本飼料、2024年11月にWismettacフーズ(西本Wismettacホールディングス子会社)と資本業務提携を重ねてきたのは、この伴走型モデルを業界大手と組んで広げる狙いと考えられます。業界の主要プレイヤーと相次いで組めている事実は、事業基盤の安定性を示す材料です。
キャリアの観点では、この業界で伸びしろを左右するのは「国内卸売だけで終わるか、加工・輸出・海外販路まで経験できるか」です。同社は加工場・認証・輸出実績・種苗センター・養殖子会社まで抱えており、社内で経験の幅を広げられる余地はあります。一方で、推定情報として、魚類養殖という専門性の高いニッチ領域であるため、業界外へ出る際は「調達と物流の実務」「与信管理」「相場対応力」という汎用部分に翻訳して語る準備が必要になると考えられます。食品卸・スーパー・外食チェーンのバイヤー、食品メーカーの原料調達、冷凍・コールドチェーン物流などが現実的な接続先です。
資本構成とガバナンス|オーナー企業+地元金融という型
ヨンキュウの意思決定構造は、典型的な地方オーナー企業+地元金融の形です。有価証券報告書によると大株主上位10名で議決権の60.24%を占め、筆頭は有限会社オフィスFRM(11.02%)。ほかに有限会社シンセイ(5.94%)が並び、創業家系とみられる個人株主が上位に複数入ります。そこへ伊予銀行(4.68%)・愛媛銀行(4.68%)・香川銀行(4.08%)の地銀3行と、取引先である築地魚市場(3.30%)が続きます。親会社は存在しません。
この構成から読める実務上の示唆は3点です。第一に、推定情報として、上位10名で6割を握る構造では敵対的買収や短期的な株主圧力で経営方針が急変する可能性は低く、長期の事業投資(種苗センター、養鰻場増設、クロマグロ養殖)を続けやすい環境にあると考えられます。第二に、同じ構造は経営判断が少数に集中しやすいことも意味します。意思決定が速い反面、方針転換の影響が全社に一気に及びます。第三に、地元金融3行が株主に並ぶことは、地域に根を張った資金調達基盤がある一方、本社機能が宇和島から動きにくいことも示します。勤務地の選択肢という観点では、本社・宇和島が中心であることを前提に考える必要があります。
その他のガバナンス情報として、役員は男性14名・女性0名(女性役員比率0.0%)、会計監査人は監査法人和宏事務所、定時株主総会は2026年6月17日開催です。決算説明会の開催・決算補足説明資料の作成はいずれも「無」と開示されています。なお、第52期有価証券報告書の全文(96ページ)を通して検索した限り、訴訟・行政処分・課徴金・品質偽装等に関する記載は一件も確認できなかったという点を事実として記しておきます。
卸売業10社比較|年収と収益性のレンジで見るヨンキュウ
同じ「卸売業」に分類される上場企業10社を、有価証券報告書の実額で並べました。比較の目的は順位付けではなく、ヨンキュウの478万円という数字がどの位置にあり、何と引き換えになっているのかを把握することです。
| 会社名(証券コード) | 市場 | 決算期 | 有報の平均年間給与 | 平均年齢/平均勤続 | 単体/連結 従業員数 | 売上高(連結) | 営業利益(連結) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 因幡電機産業(9934) | 東証プライム | 第78期(2026年3月期) | 989.5万円(+8.2%) | 37.6歳/13.0年 | 1,790名/2,230名 | 4,170億23百万円(+8.6%) | 297億11百万円(利益率7.1%) |
| 東テク(9960) | 東証プライム | 第71期(2026年3月期) | 918.4万円(+9.2%) | 41才1ヵ月/11年9ヵ月 | 1,171名/2,855名 | 1,700億13百万円(+9.0%) | 171億25百万円(+16.6%) |
| ミスミグループ本社(9962) | 東証プライム | 第64期(2026年3月期) | 914万円(持株会社327名のみ/会社開示の合算値769.2万円・1,737名) | 提出41.4歳・合算39.6歳/7.5年 | 327名/11,304名 | 4,413億83百万円(+9.8%) | 476億13百万円(利益率10.8%) |
| アルテック(9972) | 東証スタンダード | 第50期(2025年11月期) | 672.0万円(ほぼ横ばい) | 46.5歳/12.3年 | 135名/418名 | 175億51百万円(△3.7%) | 24百万円(経常損失126百万円) |
| 杉本商事(9932) | 東証プライム | 第101期(2026年3月期) | 656.7万円(△0.8%) | 38.9歳/13.5年 | 491名/592名 | 486億11百万円(△1.7%) | 20億47百万円(利益率4.2%) |
| 平和紙業(9929) | 東証スタンダード | 第93期(2026年3月期) | 638.2万円(+4.5%) | 46.9歳/22.5年 | 133名/188名 | 157億96百万円(△1.5%) | 99百万円(利益率0.6%) |
| 太洋物産(9941) | 東証スタンダード | 第85期(2025年9月期) | 508.7万円(2期連続微減) | 45才9ヶ月/12年11ヶ月 | 31名(非連結) | 196億62百万円(+4.8%) | 2億47百万円(利益率1.3%) |
| 北沢産業(9930) | 東証スタンダード | 第79期(2026年3月期) | 496.6万円(+4.3%) | 45歳1か月/15年0か月 | 345名/382名 | 140億31百万円(△9.8%) | 2億66百万円(△68.3%) |
| 植松商会(9914) | 名証メイン(東証スタンダードは2026年9月21日付で上場廃止) | 第72期(2026年3月期) | 487.8万円 | 40.8歳/15.0年 | 75人(非連結) | 66億31百万円(+5.2%) | 85百万円(利益率1.3%) |
| ヨンキュウ(9955) | 東証スタンダード | 第52期(2026年3月期) | 477.9万円(+3.7%) | 42.9歳/12.7年 | 109名/134名 | 476億76百万円(+6.2%) | 18億69百万円(利益率3.9%) |
【比較表の注記】この表を読むときは、次の5点を必ず踏まえてください。
- 決算期が3種類あります。アルテックは第50期=2025年11月期(従業員データは2025年11月30日現在)、太洋物産は第85期=2025年9月期(同2025年9月30日現在)で、残る8社が2026年3月期です。期数は第50期から第101期まで大きく異なるため、必ず「第◯期(20XX年X月期)」の形で年度を確認してください。
- 市場区分は植松商会だけが特殊です。同社は東京証券取引所スタンダード市場を「流通株式時価総額」基準の未達により2026年9月21日付で上場廃止となりましたが、名古屋証券取引所メイン市場(2024年12月上場)での上場は継続し、証券コード9914も変更ありません。原因は業績悪化や不祥事ではなく基準未達であり、非上場化するわけでもありません。
- 有報の「平均年間給与」はすべて提出会社(単体)の値です。最も注意が必要なのはミスミグループ本社で、914万円は持株会社単体327名(前期632名から半減)の数字にすぎません。同社は有価証券報告書「従業員の状況」の注記で、提出会社と子会社㈱ミスミが人事制度上ほぼ一体運営であるため両社合算で正社員1,737名/平均年齢39.6歳/平均勤続7.5年/平均年間給与7,692,115円(約769万円・+10.6%)であることを自ら開示しており、連結は11,304名(国内3,212名/海外8,092名=海外比率約72%)です。914万円だけを見ると実態を誤認します。東テクは単体1,171名に対し連結2,855名で、子会社の給与水準は非開示。アルテックは単体135名に対し連結418名で、人数の主力は製造側です。ヨンキュウは単体109名/連結134名と乖離が小さい事業会社本体ですが、子会社分は含まれません。植松商会(75人)と太洋物産(31名)は連結財務諸表を作成していない単体開示企業です。
- 有報の実額と口コミサイトの自己申告平均は別物です。たとえば北沢産業は有報496.6万円に対しOpenWork回答者の自己申告が358万円(レンジ265〜500万円)で約140万円の差があります。植松商会もOpenWorkの「求人給与レンジ330万〜387万円」は新規採用職のもので全社平均ではありません。ヨンキュウはそもそもOpenWorkの口コミが0件、太洋物産も回答者9名(総合2.71)と母数が極小で、スコアを会社の実態として断定できる状態にはありません。
- 赤字・減益の社もそのまま載せています。アルテックは営業利益24百万円で黒字転換した一方、経常損失126百万円=3期連続の経常赤字、さらに減損損失1,057百万円と事業構造改善費用1,198百万円により当期純損失2,594百万円へ拡大しました。北沢産業は営業利益が前期比△68.3%と1年で3分の1以下になり、連結従業員も5期連続減少しています。杉本商事は第101期に初めて減収に転じ営業利益△14.5%、平和紙業は営業利益率0.6%まで低下しました。逆にヨンキュウの純利益+167.4%と杉本商事の純利益+10.2%は、いずれも有価証券売却益による一過性要因です。
この表の最大の読みどころは、同じ卸売業でも営業利益率が0.1%から7.1%まで約12倍の差がつく点です。因幡電機産業7.1%>杉本商事4.2%>ヨンキュウ3.9%>植松商会1.3%≒太洋物産1.3%>平和紙業0.6%>アルテック0.1%。ヨンキュウは10社中3位の収益性を確保していながら、平均年間給与は10社中最も低い477.9万円です。推定情報として、この組み合わせは「収益性が低くて払えない会社」ではなく、「地方立地で人件費の相場が異なり、従業員109名という小規模組織で利益を内部に厚く残している会社」と解釈するのが自然です。自己資本比率73.7%・PBR0.85倍という数字もその解釈と整合します。年収水準を最優先するなら他社が優位ですが、収益構造の健全さと雇用の安定性を優先するなら評価は変わります。
ヨンキュウへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と業界文脈をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。年収の絶対額ではなく、働く環境と得られる専門性で判断が分かれる会社です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 愛媛・四国を生活拠点にしたい、またはUターン・Iターンを考えている人 | 首都圏・都市部での勤務を前提にキャリアを組みたい人 |
| 一次産業の現場(産地・加工場・市場)に入り込むことに面白さを感じる人 | 早朝始業や屋外・海上作業、力仕事を伴う場面を避けたい人 |
| 相場と技術提案を組み合わせる専門性(餌料・種苗)を深めたい人 | 業界を問わず通用する汎用スキルを最短で得たい人 |
| 定着率の高い少人数組織で長く腰を据えたい人 | 大人数の同期・手厚い研修制度・明確な昇格レースを求める人 |
| 財務の堅さと事業の継続性を年収より重視する人 | 30代で年収700万円以上を明確な目標に置いている人 |
| 情報が少ない環境でも自分で一次情報を取りに行ける人 | 口コミや評判を十分に集めてから意思決定したい人 |
ヨンキュウへの転職|編集部の見解
編集部の見解として、ヨンキュウは「数字で評価するほど印象が良くなり、情報量で評価すると不安が残る会社」です。
評価できる点は明確です。営業利益率3.9%は同類の卸売業の中で上位であり、利益の約9割を稼ぐ餌料・飼料事業の10.5%という利益率は商社としてかなり高い水準です。自己資本比率73.7%、現預金225億17百万円という財務は、魚価・天候という外部変動を前提にした業態として十分な耐久力があります。平均勤続12.7年が4期連続で伸び、平均年間給与も4期連続で上昇し、単体従業員数も102名を底に3期連続で微増しました。定着・給与・人員のすべてが同じ方向を向いているのは、中堅企業としては良好なサインです。
一方で、慎重に見るべき点も同じだけあります。平均年間給与477.9万円は比較10社で最も低く、年収の絶対額を優先する転職では選びにくい水準です。2027年3月期の業績予想も配当予想も未開示で、中長期の数値目標も設定していないと有価証券報告書に明記されています。決算説明会も補足資料も「無」、女性管理職比率・男性育休取得率・男女間賃金差異は記載省略、離職率・残業時間・有給取得率も有価証券報告書では開示されていません。OpenWorkの口コミは0件です。つまり入社前に外から確かめられる情報が構造的に少なく、確認作業の負荷が応募者側に寄っています。
総合すると、地方で一次産業の専門性を長く積みたい人にはおすすめできる会社だと考えられます。特に餌料・飼料や種苗のように、相場観と技術が掛け算になる領域は、26名という少人数で会社の利益の大半を担っており、若いうちから裁量を得られる可能性が高いポジションです。逆に、年収の伸びや勤務地の選択肢、制度の整備度を重視する人にとっては、納得感を得にくい選択になるでしょう。どちらの評価が正しいかではなく、自分がどちらの軸で転職するのかを先に決めるべき会社です。
ヨンキュウに関するよくある質問
同社について実際に検索されている疑問のうち、転職・就職判断に関わるものへ一次情報ベースで回答します。回答はすべて第52期(2026年3月期)有価証券報告書・決算短信と、確認できた公開情報の範囲にとどめています。
ヨンキュウの平均年収はいくらですか?
第52期(2026年3月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は4,778,997円(約478万円)で、前事業年度比+3.7%です。賞与・基準外賃金を含み、対象は提出会社(単体)109名。平均年齢42.9歳・平均勤続12.7年という構成が前提なので、推定情報として20代・30代前半はこれより低いレンジになる可能性が高いと考えられます。西日本養鰻・四急運輸・海昇といった子会社の給与はこの数値に含まれていません。
ヨンキュウの求人・採用情報はどこで確認できますか?
公式サイト(http://www.yonkyu.co.jp/ )が情報の起点になりますが、本記事作成時点では採用専用ページのURLを特定できていません。募集状況は公式サイトと一般の求人媒体を併用して確認するのが確実です。なお単体従業員数は109名、直近3期の増員幅は2名ずつ(105→107→109名)であり、推定情報として年間採用は数名規模と考えられます。常時大量募集があるタイプの会社ではないため、求人が出た時点での応募準備が前提になります。
ヨンキュウの評判・口コミはどうですか?
OpenWorkの企業ページは社員クチコミ0件・回答者0人で、総合評価や残業時間などのスコアはすべて未表示です。転職会議・エン カイシャの評判・Indeedについては企業ページを特定できなかったため、掲載有無を断定できません。したがって口コミ傾向として提示できる情報はありません。本記事ではスコアや件数を推測で補わず、有価証券報告書の定量データ(年収推移・勤続年数・従業員数推移・労働組合の有無)で代替しています。出典が特定できない匿名の書き込みは用いていません。
勤務地はどこになりますか?
本社は愛媛県宇和島市築地町で、ほかに三崎事業所(神奈川県三浦市)、東京営業所、名古屋営業所、鹿児島事業所、蒲江種苗センター(大分県佐伯市)、遊子出張所などがあります。拠点が産地・市場・加工場に沿って分散しているため、職種により勤務地が大きく変わります。大株主に地元金融3行が並ぶ資本構成からも、推定情報として本社機能は宇和島を軸に置かれ続ける可能性が高いと考えられます。
株価や株主優待の情報は転職判断に役立ちますか?
同社の指名検索は「ヨンキュウ 株価」「ヨンキュウ 株主優待」が大半を占めますが、これは投資家由来の関心です。転職判断に直接使えるのは配当や優待ではなく、本記事で扱った営業利益率3.9%、自己資本比率73.7%、セグメント別の利益構成といった事業の数字です。なお2026年3月期の期末配当は25円(普通17円+特別8円、配当性向8.1%)で、特別配当8円は投資有価証券売却益に対応する一過性のものだと会社が明記しています。
マルハニチロ(現Umios)などとの資本業務提携はどんな意味がありますか?
有価証券報告書によると、同社は2012年2月に魚力・松下水産・木村水産・坂本水産、2020年3月にマルハニチロ(現Umios)・フィード・ワン・坂本飼料、2024年11月にWismettacフーズ(西本Wismettacホールディングス子会社)と資本業務提携を締結しています。水産最大手・養魚飼料最大手・輸出商社と順に組めている事実は、推定情報として販路と調達の両面で事業基盤が固まっていることを示す材料です。転職後のキャリアとしても、提携先との協業案件に関わる経験は業界内での評価につながりやすいと考えられます。
ヨンキュウへの転職判断まとめ
ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく内定時の労働条件通知書と自分の適性を照らして行ってください。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報実額477.9万円(+3.7%)。比較10社では最も低いが4期連続で上昇中 |
| 収益構造 | 営業利益率3.9%で10社中3位。利益の約9割を餌料・飼料(利益率10.5%)が稼ぐ |
| 業績の実力値 | 営業利益18億69百万円(+20.9%)。純利益+167.4%は投資有価証券売却益による一過性要因 |
| 財務の安全性 | 自己資本比率73.7%、現預金225億17百万円。外部変動への耐久力は高い |
| 定着性 | 平均勤続12.7年で4期連続上昇。単体従業員数も3期連続微増 |
| 組織規模 | 単体109名/連結134名+臨時79名。一人の担当範囲は広い |
| 勤務地 | 本社は愛媛県宇和島市。三崎・東京・名古屋・鹿児島・佐伯などに分散 |
| 将来性 | 養殖比重の上昇・輸出拡大・ウナギ人工種苗化は追い風。国内消費縮小・気候リスク・養鰻の営業赤字は向かい風 |
| 情報開示 | 決算説明会・補足資料とも「無」。労務指標の多くは有報で記載省略。口コミは0件 |
| ガバナンス | 上位10名で60.24%のオーナー企業+地銀3行。親会社なし。不祥事の記載は確認できなかった |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
- 株式会社ヨンキュウ 公式サイト
- 株式会社ヨンキュウ 第52期(2026年3月期)有価証券報告書
- 株式会社ヨンキュウ 適時開示・決算短信一覧(IR BANK)
- EDINET(金融庁・有価証券報告書検索)
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第52期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、推定情報とは明確に区別しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
