ツカモトコーポレーション(8025)年収575万円と業績5期推移|不動産が支える構造
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 売上規模:2026年3月期の連結売上高は101億661万円。ピーク期の約4分の1
- 利益構造:営業利益の柱は建物賃貸+6.02億円。本業3事業は赤字
- 年収:有価証券報告書の平均年間給与は約575万円(単体117名)
- 定着:平均勤続19.1年・平均年齢46.1歳。人員は1年で9名減
株式会社ツカモトコーポレーション(証券コード8025・東証スタンダード市場)を検索すると、社名の候補に「潰れる」という語が並びます。転職や就職を検討している人にとって、これは「入社しても会社が続くのか」という、待遇より前に確認したい不安そのものです。この記事では、その不安に対して煽りでも慰めでもなく、第107期(2026年3月期)有価証券報告書と決算数値の実額で答えます。売上がどこまで縮んだのか、利益はどの事業が稼いでいるのか、平均年収575万円は誰の数字なのか。5期分の推移とセグメント別の損益を分解すれば、この会社の「危うさ」と「しぶとさ」が両方見えてきます。
株式会社ツカモトコーポレーション(8025)とは|1812年創業・従業員180名の複合企業
まず会社の輪郭をはっきりさせます。転職検討者が最初につまずくのが「どのツカモトなのか」という同定です。この記事が扱うのは、証券コード8025・EDINETコードE02588・本社は東京都中央区日本橋本町1-6-5の株式会社ツカモトコーポレーションです。
公式情報として、同社は1812年(文化9年)に京都で創業し、1920年1月に「株式会社塚本商店」として法人設立されました。1961年に「塚本商事株式会社」、1994年に「ツカモト株式会社」、2003年10月に現在の商号へ変更しています。上場は1963年10月の東証二部が最初で、1973年8月に一部指定、2022年4月の市場区分再編でスタンダード市場を選択しました。創業から200年を超える老舗でありながら、現在は連結従業員180名の小型株というのが実像です。
5つの報告セグメントと、その売上構成
同社は持株会社ではなく事業会社で、本体にユニフォーム・SP事業部、ホーム・ファッション事業部、エイム事業部、賃貸事業部門を持ち、連結子会社としてツカモト市田(和装)とツカモトウェルネス(健康・生活)を擁します。有価証券報告書によると、報告セグメントは次の5つです。
- 洋装(ユニフォーム・販促アパレル等の企画販売):売上約51.4億円
- 健康・生活(健康・環境分野の生活関連機器):売上約25.9億円
- 建物の賃貸業(都内保有不動産の賃貸):売上約9.92億円
- 和装(和装関連商品の加工・販売):売上約9.7億円
- ホームファニシング(寝装・インテリア商品):売上約4.07億円
社名から「和装の会社」を想像する人が多いのですが、売上構成では和装は5事業中4番目で、最大は洋装(ユニフォーム・販促アパレル)です。求人票の職種名だけでは何を売る仕事か分かりにくいため、応募時には「どのセグメントの、どの商材か」を必ず確認したいところです。
同名の「ツカモト」「塚本」企業と混同しないために
「ツカモト」「塚本」を冠する非上場企業は複数存在し、自動車部品系や塗料販売系など業種もまちまちです。求人サイトで見かけた企業が本記事の対象かどうかは、証券コード8025/本社が東京都中央区日本橋本町という2点で判別できます。上場企業であれば有価証券報告書が公開されているため、選考前に自分で数字を確認できるのは大きな利点です。
公式データ一覧(第107期 有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧にしました。すべて公式情報であり、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社ツカモトコーポレーション(証券コード8025) |
| 本社所在地 | 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-6-5 |
| 創業・設立 | 1812年(文化9年)京都で創業/1920年1月 株式会社塚本商店として法人設立 |
| 上場区分 | 東京証券取引所スタンダード市場(1963年10月 東証二部→1973年8月 一部指定→2022年4月 スタンダード市場へ移行) |
| 代表者 | 代表取締役社長 田中文人(2026年6月25日付で就任) |
| 決算期 | 3月期(第107期=2025年4月1日〜2026年3月31日) |
| 平均年間給与 | 5,754千円(約575万円)※第107期・提出会社(単体117名)実額。賞与および基準外賃金を含む |
| 平均年齢 | 46.1歳(第107期・提出会社単体) |
| 平均勤続年数 | 19.1年(第107期・提出会社単体) |
| 従業員数 | 連結180名(ほか臨時従業員40名)/提出会社単体117名(ほか臨時従業員25名)※2026年3月31日現在 |
| 売上高 | 101億661万円(2026年3月期・連結/前期比+4.4%) |
| 営業利益 | 1,726万円(2026年3月期・連結) |
| 経常利益/当期純利益 | 1億8,197万円/1億7,706万円(2026年3月期・連結) |
| 労働組合 | ツカモト労働組合(1961年5月結成・組合員63名/上部団体には未加盟。労使関係は安定と有報に記載) |
| 離職率・職種別年収 | 有価証券報告書では開示されていない |
| 出典 | 第107期 有価証券報告書(2026年6月24日提出・EDINETコード E02588)/公式IR |
なお資本金について、公式サイトの会社概要には28億2,984万円(2007年6月現在)と記載されていますが、表記の基準年次が古いため、最新値は公式IRの最新開示で確認することをおすすめします。
業績の推移|売上はピークの約4分の1、2期連続の営業赤字から薄い黒字へ
結論から書きます。売上規模の縮小は事実であり、直近では2期連続の営業赤字も事実です。同時に、2026年3月期は増収かつ営業黒字に転じたことも事実です。どちらか一方だけを見て判断すると読み違えます。
売上高5期推移とピーク比
有価証券報告書および決算資料によると、連結売上高の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 156億5,892万円 | — |
| 2023年3月期 | 128億7,976万円 | ▲17.7% |
| 2024年3月期 | 97億9,844万円 | ▲23.9% |
| 2025年3月期 | 96億8,122万円 | ▲1.2% |
| 2026年3月期 | 101億661万円 | +4.4% |
さらに長い目盛りで見ると、ピークは2009年3月期の388億円で、2026年3月期はその約4分の1の水準です。2022年3月期からの4年間だけでも約35%減っています。和装市場の構造的な縮小と、採算の合わない事業の整理が数字にそのまま出た形です。2027年3月期の会社予想は売上高100億円で、会社側も規模の拡大ではなく現状維持を見込んでいます。
営業損益・純損益の推移と、2026年3月期の黒字の「薄さ」
損益は売上以上に振れています。
| 決算期 | 営業利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 2億2,933万円 | △3億2,991万円 |
| 2023年3月期 | 1,463万円 | 6,503万円 |
| 2024年3月期 | △2億2,258万円 | 1億7,489万円 |
| 2025年3月期 | △3億3,225万円 | △3億8,007万円 |
| 2026年3月期 | 1,726万円 | 1億7,706万円 |
2024年3月期・2025年3月期は営業赤字で、2025年3月期は経常△2億1,057万円・最終△3億8,007万円と全段階で赤字でした。2026年3月期に営業利益1,726万円で黒字に戻りましたが、売上101億円に対する営業利益率は約0.17%です。「黒字回復」という言葉の印象よりも、実際は極めて薄い黒字であることを押さえておくべきでしょう。2027年3月期の会社予想は営業7,000万円・経常2億円・当期純利益1億5,000万円で、収益力の回復は緩やかな見通しです。
「潰れる」と検索される理由と、そこから読み取れること
検索候補に「潰れる」という語が現れる背景には、上記の売上縮小と赤字期の存在があると推定情報として考えられます。ただし記事として断定できるのは数字の事実までで、存続可能性そのものを外部が言い切ることはできません。転職検討者が見るべきは「今期の黒字か赤字か」という一点ではなく、どの事業が利益を出し、どの事業が損失を出しているかという構造です。次の章で分解します。
利益構造の分解|建物賃貸が稼ぎ、本業3事業が赤字という実態
この会社を理解するうえで最も重要なのがここです。営業利益の実質的な稼ぎ頭は「建物の賃貸業」であり、繊維商社としての本業の一部は赤字が続いています。
セグメント別の営業損益(2026年3月期)
| セグメント | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|
| 建物の賃貸業 | 約9.92億円 | +6.02億円 |
| 洋装 | 約51.4億円 | +1.95億円 |
| 和装 | 約9.7億円 | △0.88億円 |
| ホームファニシング | 約4.07億円 | △2.25億円 |
| 健康・生活 | 約25.9億円 | △3.18億円 |
数字の意味を整理します。建物賃貸は売上約9.92億円に対して利益6.02億円=利益率約61%で、全社売上のわずか1割弱の事業が、他事業の損失を吸収しています。しかもこのセグメントに配属されている連結従業員はわずか2名です。一方、売上規模が最大の洋装は+1.95億円の黒字ですが利益率は約3.8%にとどまり、健康・生活は売上25.9億円を上げながら3.18億円の損失を計上しています。
つまり同社は、業種分類上は繊維商社でありながら、実態としては「都内不動産の賃貸収益で、縮小しつつある繊維・生活関連事業を支えている複合企業」という構造です。この構造は、転職検討者にとって二面性を持ちます。安定的な賃貸収入が全社のクッションになる一方、営業として配属される可能性が高い事業側は、収益改善を求められる厳しい環境にあると推定情報として考えられます。
営業利益1,726万円より経常・純利益が大きい「ねじれ」
2026年3月期は、営業利益1,726万円に対して経常利益1億8,197万円、当期純利益1億7,706万円と、下の段階の利益が上を大きく上回っています。通常、本業の稼ぐ力を示すのは営業利益ですから、この逆転は営業外の要因が利益を押し上げていることを示します。有価証券報告書の記載から、不動産賃貸に関連する収益や営業外収支の寄与が背景にあるとみられます(推定情報)。
この点は面接でも聞かれ得るポイントです。「御社の利益は不動産が支えている構造だと理解していますが、事業側の収益改善の道筋をどう考えていますか」という質問は、数字を読んだ応募者にしかできない問いになります。
平均年収575万円は誰の数字か|有報と口コミの100万円のギャップ
年収の話に入ります。結論は「有報の575万円は正しいが、それが自分に当てはまるとは限らない」です。理由は対象範囲にあります。
有価証券報告書の実額と前期比
第107期有価証券報告書「従業員の状況」によると、公式情報として平均年間給与は5,754千円(約575万円)です。賞与および基準外賃金を含みます。前期・第106期は5,642千円でしたので、1年で約112千円(約11万円)増えた計算です。平均年齢46.1歳・平均勤続19.1年という人員構成を踏まえると、この575万円は40代半ば・勤続約19年の社員が中心の平均値であり、20代・30代の実額はこれより低い可能性があります(推定情報)。
口コミサイトの年収データとの差
口コミ傾向としては、OpenWorkの社員自己申告の平均年収は454万円(21人回答)、エン カイシャの評判では平均515万円・レンジ320万〜700万円(21人回答)と報告されています。有報の575万円とは100万円前後の開きがあります。この差は「どちらかが誤り」というより、次の理由で説明できます。
- 有報の数値は提出会社(単体)117名のみが対象で、子会社勤務者を含まない
- 口コミは在籍・退職を問わず回答者の属性が偏りやすく、若手・非管理職の比率が高くなりがち
- 回答母数が21人と小さく、数名の回答で平均が動く
単体117名/連結180名という「見え方の壁」
ここが同社の年収を読むうえで最大の注意点です。連結従業員180名のうち、有報の575万円がカバーするのは単体117名だけで、子会社であるツカモト市田(和装)・ツカモトウェルネス(健康・生活)に所属する社員はこの数字に含まれていません。同社は持株会社ではないため単体と連結の乖離は約1.5倍にとどまりますが、それでも子会社勤務となる場合の実態は575万円を下回る可能性があります(推定情報)。求人に応募する際は、雇用契約の相手が本体なのか子会社なのかを必ず確認してください。
口コミ傾向として、JobTalkには年功序列型の評価制度である旨や「残業代は100%支給される」との投稿も見られます。年功色が強い制度は、長く在籍するほど有利で、短期での大幅な処遇改善は期待しにくいという性格を持ちます。

結局、自分がもらえる額はどう見積もればいいの?
目安としては、内定時の労働条件通知書に記載される基本給・固定手当・賞与の支給実績を、有報の575万円(40代半ば・勤続19年の平均)と自分の想定年齢から逆算して照合するのが確実です。口コミの数値は参考にとどめ、公式数値と提示額の2点で判断するのが安全です。
平均勤続19.1年が示す組織|定着の高さと、人員減少の同時進行
この会社の人員データには、良い意味でも悪い意味でも珍しい特徴があります。公式情報として、平均勤続年数19.1年・平均年齢46.1歳。同じ2026年3月期決算の繊維・商社系上場企業と比べても、勤続19.1年は際立って長い水準です。
長期勤続が意味すること
平均勤続19.1年は、「新卒で入って定年近くまで勤める社員が組織の中核を占めている」ことを示します。転職検討者にとっての含意は次の2つです。
- プラス面:短期で人が入れ替わる職場ではなく、業務知識や取引先との関係が社内に蓄積されている。腰を据えて働ける環境である可能性が高い
- マイナス面:中途入社者から見ると既存メンバーの関係性が固まっており、ポストの空きも限られる。年功序列型の評価制度と組み合わさると、昇進・昇給のスピードは緩やかになりやすい(推定情報)
人員は1年で連結189名→180名へ
一方で人員は減少しています。有価証券報告書によると、従業員数は前期の連結189名・単体125名から、連結180名・単体117名へ(連結9名減・単体8名減)変化しました。連結の内訳は和装56名、洋装55名、健康・生活33名、ホームファニシング7名、建物賃貸2名、全社共通27名です。ほかに臨時従業員が連結40名・単体25名います。
注目したいのは、売上構成では4番目の和装に、最も多い56名が配置されている点です。売上約9.7億円・セグメント損益△0.88億円の事業に人員が集中している構造であり、事業ポートフォリオの組み替えが今後も続く可能性を示唆します(推定情報)。実際に同社は2019年4月に複数子会社を吸収合併して経営統合し、2024年2月にはツカモトウェルネスを新設するなど、組織再編を継続しています。
労働組合と労使関係
有価証券報告書によると、1961年5月結成のツカモト労働組合が現存し、組合員は63名です。単体117名の約54%が組合員という計算になり、上部団体には加盟しておらず、労使関係は安定していると記載されています。従業員100名規模で企業内組合が機能している点は、労働条件の急激な変更が起きにくい環境を示す材料と読めます。
口コミ傾向から見た働き方と社風|「風通しは良いが、育成と処遇に伸びしろ」
口コミ傾向を整理すると、この会社の評価には一貫したパターンがあります。人間関係や働きやすさは悪くないが、成長機会と処遇には物足りなさがある、という構図です。
OpenWorkのスコア内訳
OpenWorkの総合評価は2.84/5.0(社員クチコミ173件、スコア算出は回答者32人ベース)です。項目別では次のような差が出ています。
- 風通しの良さ:3.6(最も高い項目)
- 社員の士気:2.6
- 社員の相互尊重:2.6
- 人材の長期育成:2.6
風通しの良さだけが1.0ポイント高く突出しています。従業員180名という規模を考えると、経営層と現場の距離が近く、意思疎通がしやすい環境である可能性が高いと考えられます(推定情報)。反面、士気・相互尊重・長期育成が揃って2.6という水準は、体系的な教育制度やキャリア開発の仕組みに課題を感じている投稿が一定数あることを示します。
残業時間と有給消化率
口コミ傾向として、OpenWorkでは月間残業29.0時間、有給消化率46.6%という数値が示されています。月29時間は1日あたり約1.4時間の計算で、商社系としては突出して長い水準ではありません。ただし有給消化率46.6%は半分に届かず、休暇の取りやすさには改善余地があるという見方ができます。就活会議には評判・口コミ29件、評価スコア3.4(やりがい3.0)が掲載されています。
数値を鵜呑みにしてはいけない理由
ここは明確に注意喚起しておきます。OpenWorkの総口コミ件数173件は従業員180名規模の企業としては比較的多いものの、スコア算出の母数は32人、年収回答は21人にすぎません。数人の極端な投稿でスコアが動く水準であり、2.84という総合評価をこの会社の実力値として断定するのは適切ではありません。口コミは「どんな不満が出やすいか」というテーマの把握に使い、数値の絶対水準は参考程度にとどめるのが賢明です。
資本構成|筆頭株主フリージア・マクロス18.38%をどう読むか
転職検討者があまり見ない項目ですが、小型株では資本構成が経営方針に影響することがあります。公式情報として、2026年3月31日現在の筆頭株主はフリージア・マクロス株式会社(証券コード6343)で持株比率18.38%(741千株)です。
経緯を事実だけ並べると、2020年9月に5%超の大量保有報告が提出され、2025年5月には16.28%から17.33%へ買い増しが行われるなど、約5年をかけて段階的に持分を積み上げてきたことが開示から確認できます。一方で、株主提案・TOB・非公開化といった具体的な動きに関する開示は、今回の調査範囲では見当たりませんでした。
したがってこの記事では、「買収されそう」といった憶測は書きません。転職判断上の読み方としては、特定株主の比率が高い企業では、資本効率や事業整理に関する外部からの要請が経営に反映されやすい傾向があるという一般論にとどめ、実際の動きは今後の適時開示で確認するのが妥当です(推定情報)。参考までに、同社の時価総額は2026年9月時点で約53億円規模とされ、東証スタンダードのなかでも小型の部類に入ります。
同業・近い規模の繊維系上場企業との比較
比較対象は「同業だから」ではなく、転職検討者が実際に併願しそうな繊維・アパレル系の上場商社から選びました。いずれも2026年3月期決算です。数値は各社の有価証券報告書・決算資料にもとづく公式情報ですが、比較の解釈部分には推定情報を含みます。
| 企業名 | 連結売上高 | 連結営業利益 | 平均年間給与(単体) | 従業員数(単体/連結) | 構造上の特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ツカモトコーポレーション(8025) | 101億円 | 0.17億円 | 約575万円 | 117名/180名 | 建物賃貸+6.02億円が本業の赤字を吸収 |
| 三共生興(8018) | 239.84億円 | 7.50億円 | 約675万円 | 92名/247名 | 営業利益7.5億円のうち7.44億円が不動産関連 |
| 蝶理(8014) | 2,993億円 | 130.56億円 | 約1,036万円 | 391名/1,444名 | 東レが議決権52.41%を持つ上場子会社 |
この表から読み取れることは3点です。
- 規模が年収に直結している:売上2,993億円の蝶理は平均年収1,036万円、売上101億円のツカモトは575万円と、約1.8倍の差がある
- 「不動産で支える繊維商社」はツカモトだけではない:三共生興も営業利益7.5億円のうち7.44億円が不動産関連であり、老舗繊維系企業に共通する収益パターンといえる
- ツカモトは営業利益の絶対額が突出して小さい:0.17億円という水準は、賞与原資や設備投資の余力という点で他2社と大きく異なる
このほか、GSIクレオス(8101)、モリト(9837)、ヤマトインターナショナル(8127)なども繊維・服飾資材系の上場企業として比較対象になり得ます。なお三共生興の平均年間給与は有価証券報告書の転記値を参照したもので、原本の該当ページを直接確認したものではない点を申し添えます。
業界文脈と将来性|和装市場の縮小と、繊維商社の「仲介機能」の細り
ツカモトコーポレーション単体の数字だけでは、将来性の判断はできません。専門商社という業態が置かれた共通の環境を踏まえる必要があります。
川中ポジションが抱える在庫リスクと与信
専門商社はメーカーと小売・法人顧客をつなぐ「川中」に位置し、在庫リスクと与信を引き受けることで存在価値を保ってきました。裏を返せば、最終需要が縮めばそのまま取扱高に響く構造です。同社の場合、和装の需要縮小が売上388億円(2009年3月期)から101億円(2026年3月期)への長期的な減少に直結しています。この点は、業界共通の懸念というより、同社が最も強く受けた影響と言えます。
単純な取次ぎから、企画・機能提供への転換
メーカーの直販強化やEC調達の広がりにより、右から左へ商品を流すだけの取次ぎは利幅が細っています。生き残る商社は、企画・OEM・小ロット対応・在庫管理といった機能を顧客に提供する方向へ軸足を移しています。同社の洋装セグメント(ユニフォーム・販促アパレルの企画販売)が5事業で最大の売上と2番目の利益を出しているのは、企画機能を伴う商材が相対的に強いという業界潮流と整合的です(推定情報)。
少人数ゆえの業務範囲の広さ
従業員117名(単体)という規模では、営業一人が新規開拓から与信管理、在庫・納期調整、クレーム対応まで担うことが一般的です。分業が進んだ大手商社とは仕事の質がまったく異なります。幅広く手を動かしたい人には裁量の大きい環境ですが、特定領域の専門性を深く積みたい人には物足りなさが出る可能性があります。またセグメントごとに商材も顧客も異なるため、配属先によって身につく専門性と人脈が変わる点も、応募前に確認すべきポイントです。
中途で応募する前に確認したい5つのポイント
ここまでの分析を、応募実務のチェックリストに落とし込みます。求人票と面接の場で、次の5点を確認してください。
- 雇用契約の相手:本体(提出会社)か、子会社のツカモト市田・ツカモトウェルネスか。有報の575万円は本体117名の数字です
- 配属セグメント:黒字の洋装・建物賃貸か、損失計上中の健康・生活/ホームファニシング/和装か。求められる成果の性質が変わります
- 評価・昇給の仕組み:年功序列型という口コミ傾向があるため、中途入社者の初期グレードと昇格要件を具体的に確認したいところです
- 賞与の算定根拠:営業利益率0.17%という水準を踏まえ、賞与が業績連動か固定的かを確認する価値があります
- 有給・残業の実態:口コミ傾向では月29.0時間・有給消化率46.6%。所属部署単位での実績を面接で確認しましょう
なお同社の中途採用の選考フローや採用実績数について、有価証券報告書では開示されていません。募集要項は公式採用サイトで最新情報を確認してください。
ツカモトコーポレーションへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 少人数の組織で、営業から在庫・与信まで幅広く担当したい人 | 分業された環境で特定領域の専門性を深めたい人 |
| 腰を据えて長く働ける職場(平均勤続19.1年)を求める人 | 数年単位で昇進・大幅な年収アップを実現したい人 |
| 縮小市場のなかで収益構造の立て直しに関わりたい人 | 成長市場で拡大フェーズの事業に携わりたい人 |
| ユニフォーム・販促アパレルなど法人向け企画営業に関心がある人 | 消費者向けブランドの大規模マーケティングを志向する人 |
| 上場企業の開示情報を自分で読み、リスクを納得して選びたい人 | ネームバリューや規模の安心感を重視する人 |
編集部の見解|数字を読んだうえで選べるなら、選択肢になり得る
編集部の見解として、ツカモトコーポレーションは「万人向けではないが、構造を理解して入る人にとっては成立する会社」と考えられます。
評価できる点は3つあります。第一に、営業利益6.02億円を生む都内不動産という、変動の小さい収益基盤を持っていること。第二に、平均勤続19.1年・企業内組合の存在が示すとおり、雇用環境そのものは安定的に運営されてきたこと。第三に、上場企業として有価証券報告書で構造をすべて開示しており、応募者が自分でリスクを評価できることです。
一方で慎重に見るべき点も明確です。売上はピークの約4分の1、営業利益率は0.17%、本業3セグメントが赤字、人員は1年で9名減。この状況で賞与原資や昇給余力が大きいとは考えにくく、処遇面の伸びしろは限定的である可能性が高いと言えます(推定情報)。
総合すると、年収の絶対額や成長スピードを最優先する人にはおすすめしにくく、逆に「安定した職場環境」「幅広い裁量」「事業再構築への関与」に価値を感じる人には検討に値するというのが率直な結論です。少なくとも、ネット上の断片的な評判だけで判断するのではなく、この記事で示した数字を自分の優先順位に照らして評価してください。
ツカモトコーポレーションに関するよくある質問
検索されている疑問のうち、公開情報で答えられるものに絞って回答します。
ツカモトコーポレーションが「潰れる」と検索されるのはなぜですか?
売上高が2009年3月期の388億円から2026年3月期の101億円へ縮小したこと、2024年3月期・2025年3月期に営業赤字を計上したことが、存続への不安として検索に表れていると推定情報として考えられます。事実として書けるのは、2026年3月期は増収(+4.4%)で営業利益1,726万円の黒字に転じたこと、経常利益1億8,197万円・当期純利益1億7,706万円を計上したこと、そして営業利益の柱が建物賃貸(+6.02億円)であることまでです。存続可能性を外部が断定することはできませんので、最新の決算短信・適時開示でご自身で確認してください。
平均年収575万円は、実際にもらえる金額ですか?
第107期有価証券報告書の5,754千円は、提出会社(単体)117名の平均で、平均年齢46.1歳・平均勤続19.1年の社員層を反映した数値です。子会社勤務者は含まれません。口コミ傾向ではOpenWork454万円、エン カイシャの評判515万円とこれを下回る数値も報告されています。ご自身の年齢・経験・雇用契約の相手先によって実際の提示額は変わるため、内定時の労働条件通知書で確認してください。
どんな事業をしている会社ですか?
報告セグメントは①洋装(ユニフォーム・販促アパレル、売上約51.4億円)②健康・生活(生活関連機器、約25.9億円)③建物の賃貸業(約9.92億円)④和装(約9.7億円)⑤ホームファニシング(寝装・インテリア、約4.07億円)の5つです。社名の印象と異なり、売上の柱は和装ではなく洋装です。本体にユニフォーム・SP事業部、ホーム・ファッション事業部、エイム事業部、賃貸事業部門を持ち、連結子会社としてツカモト市田とツカモトウェルネスがあります。
残業や有給休暇の実態はどうですか?
口コミ傾向として、OpenWorkでは月間残業29.0時間、有給消化率46.6%という数値が示されています。JobTalkには「残業代は100%支給される」との投稿も見られます。ただし回答母数が20〜32人程度と小さいため、数値は目安として捉え、応募先部署の実態は面接で確認することをおすすめします。なお離職率について、有価証券報告書では開示されていません。
不祥事や行政処分はありますか?
今回の調査の範囲では、不祥事・行政処分・訴訟に関する公表情報は見当たりませんでした。ただし調査は網羅的なものではないため、「そうした事実が存在しない」と断定するものではありません。気になる場合は、公式IRの適時開示一覧をご自身で確認してください。
転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・優先順位も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報575万円(単体117名・平均年齢46.1歳)。同業の蝶理1,036万円・三共生興675万円より低い水準 |
| 収益基盤の安定性 | 建物賃貸が+6.02億円と安定的な収益源。ただし本業3セグメントは赤字 |
| 業績トレンド | 売上はピークの約4分の1。2026年3月期は増収・営業黒字だが利益率0.17%と薄い |
| 働きやすさ | 風通しの良さ3.6が最高評価。月残業29.0時間。有給消化率46.6%は改善余地(口コミ傾向) |
| 定着・雇用の安定 | 平均勤続19.1年。企業内組合あり。一方で人員は1年で連結9名減 |
| 成長・育成環境 | 人材の長期育成2.6と低め。年功序列型の評価制度という口コミ傾向 |
| 情報の透明性 | 上場企業として有報で構造を開示。応募者が自分でリスク評価できる |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
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口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第107期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
