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株式会社ミクリード(7687)の評判と年収786万円|34名で売上76億円の実像

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:個人経営の居酒屋など中小飲食店に業務用食材を直販する通販会社(東証グロース・7687)
  • 年収:有報の平均年間給与786.2万円。ただし34名・平均45.2歳の小所帯の平均値
  • 業績:6期連続増収・4期連続最高益。一方で2026年3月期4Qは経常利益26.1%減と減速
  • 論点:株主上位3社で50.7%。2025年にカクヤス系「ひとまいる」の持分法適用会社に

「ミクリード」で検索すると、上位に並ぶのは飲食店オーナー向けの仕入れサービス比較記事です。ログイン方法、カタログ請求、送料、商品の味――ほとんどが「買う側」の情報で、そこで働く側の情報はほとんど流通していません。実際、OpenWorkの社員クチコミは0件、エン カイシャの評判も6件でスコア非表示という状態です。この記事は、口コミという材料がほぼ使えない会社を、有価証券報告書・決算短信・公式IRという一次情報だけで再構成することを目的にしています。平均年収786.2万円という数字の中身、従業員34名で売上76億円を回す組織の実像、そして2025年に動いた資本構成まで、転職判断に必要な材料を順に整理します。

株式会社ミクリード(7687)とは|「結局なんの会社?」を30秒で

結論から言えば、ミクリードは個人経営の居酒屋を中心とした中小飲食店に、業務用食材をカタログ通販とECで直接売る会社です。東証の業種分類は卸売業ですが、実態は「食材の通販会社」と言ったほうが働くイメージに近くなります。自社工場は持たず、商品の企画・調達・受注・物流をコントロールするモデルで、公式サイトでは中小飲食店の裏方を担う存在として自社を説明しています。読者にとって重要なのは、この事業モデルが職種構成をそのまま決めている点です。商品企画・バイヤー、EC/WEBマーケティング、受注センター運営、出荷センター運営――求人が出るのはおおむねこの4系統になります。

顧客は、大手食品卸が営業効率の面でカバーしにくい「個人店」

公式サイトによると、取引先は1万店を超える中小飲食店です。大手食品卸は1店あたりの発注額が大きいチェーン・大型店を優先しやすく、月に数万円しか仕入れない個人店は営業効率の面で後回しになりがちです。ミクリードはその空白地帯を主戦場に置き、「個人店でロスが出にくい、使いきれる小容量」という規格で商品を設計しています。串もの・揚物・冷凍デザートのように、仕込み工数を削れて廃棄も出にくい商材が中心です。営業マンが1店ずつ回るのではなく、カタログとWEBで注文を受ける仕組みそのものが競争力になっている、という点が同業の卸売会社との最大の違いです。

約4,000点、年2回のカタログ、深夜2時まで受ける受注センター

取扱アイテムは約4,000点。これを年2回の紙カタログと自社ECサイトの両輪で売ります。注目したいのは受注体制で、365日受注・佐賀の受注センターが深夜2時まで電話に対応し、千葉・習志野の出荷センターから一部地域を除き翌日配送という水準です。飲食店の店主が営業終了後に発注する生活時間に合わせた設計であり、これがサービスの差別化要因である一方、オペレーションの負荷とコストがそのまま会社の課題になる構造でもあります。転職検討者としては、この「深夜2時まで」「365日」という言葉が自分の応募職種にどうかかるのかを、面接で必ず具体化しておきたいところです。

会社が追っているKPIは「顧客店舗数」と「WEB経由の新規獲得率」

公式IRによると、同社が重要指標として挙げているのは売上高、売上高営業利益率、顧客店舗数、新規顧客店舗数、そして新規顧客のWEB経由獲得率です。紙カタログという極めてアナログな資産を持ちながら、新規獲得はWEBで測る――このハイブリッドが会社の性格を表しています。評価指標がここに置かれている以上、マーケティング職・EC職の成果は数字で可視化されやすい一方、獲得数が伸びない期には打ち手の責任も明確に問われる環境だと考えられます(推定情報)。

株式会社ミクリードの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。なお本記事の給与・従業員データは、有価証券報告書「従業員の状況」の掲載値を、EDINET由来の企業情報データベース(IRバンク)と日経会社情報DIGITALの双方で一致を確認したうえで採用しています。

項目内容
会社名株式会社ミクリード(MICREED)
証券コード/市場7687/東京証券取引所グロース市場(2020年3月16日 東証マザーズ上場、2022年にグロースへ移行)
本社東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス28F
その他拠点出荷センター(千葉県習志野市)、受注センター(佐賀県佐賀市)
代表者代表取締役社長 片山礼子
創業/現法人の設立創業1995年10月/現法人設立2012年11月
資本金98百万円(2026年3月末現在)
平均年間給与約786.2万円(7,862,000円)
平均年齢45.2歳
平均勤続年数5.2年
従業員数34名(ほかに臨時従業員1名)/非連結・提出会社。公式会社概要は「41名(常勤36名、非常勤役員5名)」と集計範囲が異なる
売上高76億7,100万円(前期比+13.2%・非連結)
営業利益4億700万円(前期比+9.5%)
経常利益/当期純利益4億1,000万円(+9.9%)/2億7,900万円(+8.2%)
株主構成(上位3社)ひとまいる23.59%、国分グループ本社18.04%、トーホー9.07%(合計50.7%)
出典第31期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」「大株主の状況」/2026年3月期決算短信(2026年5月14日開示)/公式会社概要

平均年収786.2万円の読み方|34名・平均45.2歳という前提を外さない

先に結論を書きます。ミクリードの平均年間給与786.2万円は、東証グロース上場企業としては明確に高い部類です。ただしこの数字を「若手でもこのくらいもらえる会社」と読むのは誤りで、従業員34名・平均年齢45.2歳という構成の裏返しとして理解する必要があります。ここを外すと、入社後の期待値が現実と大きくずれます。

公式の平均年間給与と、二次サイトの推計値のズレ

有価証券報告書(第31期・2026年3月期)によると、平均年間給与は7,862,000円です。一方、転職口コミサイト系の推計値はこれより低く出ています。口コミ傾向として、エン カイシャの評判の推計は717万円、年収ガイドの掲載値は638.4万円ですが、後者は2022年時点の古い数値であり、6期連続増収・4期連続最高益という業績の伸びが反映されていません。年収の主値として使うべきは有報の786.2万円で、二次サイトの数値は参考程度に留めるのが妥当です。逆に、有報の値だけを見て「入社1年目から786万円」と考えるのも誤りです。

平均年齢45.2歳・勤続5.2年が意味すること

平均年齢45.2歳は、上場企業の中でも高めの部類に入ります。従業員34名という規模で平均年齢がここまで上がるということは、管理職・専門職(バイヤー、商品企画、経営管理、システム)の比率が高く、若手の頭数で平均が押し下げられていないことを示します。一方、平均勤続年数5.2年は決して長くありませんが、これは定着の悪さだけで説明できる数字ではありません。現法人が2012年11月にカクヤスから分社化されて設立された経緯があり、法人としての歴史そのものが十数年しかないため、勤続年数の絶対値は構造的に短く出ます(推定情報)。「45.2歳・勤続5.2年」は、中途採用で経験者を集めてきた組織像と整合的です。

職種別レンジは開示されておらず、転職時は個別条件で確認する

有価証券報告書では、職種別・役職別の年収は開示されていません。したがってここから先は推定情報になります。平均786.2万円という水準と、管理職・専門職比率が高いという構成をふまえると、実務担当クラスと部門を任される層とで相応の開きがある可能性があります。34名の組織では等級テーブルが細かく整備されていないケースもあり、提示額は個別交渉の色が濃くなる可能性があります。応募時には次の3点を必ず確認してください。

  • 賞与の算定根拠:業績連動の比率と、直近5期の支給実績(同社は2022年3月期に営業赤字を経験しています)
  • みなし残業の有無と時間数:365日受注体制の会社であるため、提示年収に何時間分が含まれるかで実質時給が変わります
  • 昇給の仕組み:等級制度・評価サイクルが明文化されているか、それとも個別判断か

34名で76.7億円|1人あたり売上2.2億円の組織で何が起きるか

この会社を理解するうえで、最も分かりやすい一次データがこれです。有価証券報告書上の従業員34名に対し、売上高は76億7,100万円。1人あたり売上高は約2.2億円になります。上場企業として見ても極小の組織であり、この一点が待遇の高さと業務負荷の広さ、その両方を同時に説明します。

求職者
求職者

34名で76億円って、一人あたりの仕事量はどうなっているんですか?

有報34名と公式41名の差、そして千葉・佐賀の現場

まず数字の前提を揃えます。有価証券報告書(第31期)では従業員34名(ほかに臨時従業員1名)、一方で公式会社概要(2026年3月末現在)は「41名(常勤36名、非常勤役員5名)」と表記しており、集計範囲が異なります。加えて、佐賀の受注センターと千葉・習志野の出荷センターの実務をどこまで自社雇用が担い、どこから外部委託・派遣が担っているのかは、公開資料からは判別できません。つまり「有報の34名=現場の全人員」と読むのは危険で、実際に現場を動かしている頭数はこれより多い可能性があります(推定情報)。面接では、応募先の部門に何人いるのかを具体的に聞くべきです。

「守備範囲が広い」の実利と負荷は、必ず両面で見る

少人数組織のメリットとデメリットは、同じ事実の裏表です。転職判断としては、次の両面を天秤にかけることになります。

  • 実利の面:意思決定の階層が薄く、担当した施策が売上KPIに直結する。商品企画からWEB集客、物流条件の設計まで、事業の全体像が見える経験を積みやすい
  • 負荷の面:分業が細かくないため、1人が抜けたときの代替が効きにくい。専門特化型のキャリアを積みたい人には、業務範囲が広すぎると感じられる可能性がある
  • 教育の面:34名規模で体系的な研修制度を整えるのは一般に難しく、OJT中心になりやすい(推定情報)。自走できる経験者向きの環境と考えられる

本社は新宿駅至近の新宿モノリス28Fですが、実オペレーションは千葉と佐賀に分かれています。同じ会社でも、勤務地によって働き方がまったく違うという点は、求人票を見る前に押さえておきたい構造です。

口コミがほとんど存在しない上場企業|分かること・分からないこと

ミクリードの転職検討で最初にぶつかる壁が、これです。上場企業でありながら、社員クチコミがほぼ存在しません。この状況を「隠している」と読むのは早計で、母数の問題として捉えるのが妥当です。ここでは、口コミサイトから何が分かり、何が分からないのかを切り分けます。

OpenWork0件、エン カイシャ6件という状態

口コミ傾向として、現状は次のとおりです。OpenWorkには企業ページ自体は存在するものの回答者0人でスコア全項目が「–」の未評価状態、エン カイシャの評判は口コミ6件のみで「データ不足のためスコアを非表示」という表示になっています。しかもその6件はすべて「成長・働きがい」カテゴリに偏っており、年収・給与カテゴリの投稿は0件です。転職会議にも企業ページはありますが、掲載は本社所在地・従業員数・設立年といった基礎情報が中心です。従業員34名という規模を考えれば、投稿が集まらないのは自然な帰結と言えます。参考までに、同じ第93バッチで扱ったBuySell Technologies(連結2,466名)はOpenWorkに222名規模の回答が集まっており、会社規模と口コミ件数はほぼ比例します。

断片から読み取れる3つの傾向

件数が少ないため統計的な評価はできませんが、投稿内容から共通して読み取れる口コミ傾向は次の3点です。いずれも「少数精鋭・裁量大・属人的」という一つの像に収束します。

  • 少ない人数で組織を運営しており、個人の能力を最大限に生かせるという趣旨の記述が見られる
  • その裏返しとして、個人作業が多く社内コミュニケーションは少なめという趣旨の記述がある
  • 繁閑差が大きく、帰宅時間がシーズンによってばらつくという趣旨の記述がある

なお、告発型・トラブル型のネガティブな投稿は見当たりません。また同社について、行政処分・重大な訴訟・会計処理を巡る問題・業績下方修正といった報道も見当たりませんでした。「悪い評判が伏せられている」のではなく、そもそも語られていないという状態です。

口コミが無い会社を、どう見極めるか

口コミが使えない以上、判断材料は一次情報と面接に寄せるしかありません。順序としては、①有報の「従業員の状況」と業績推移、②事業リスクの記載と大株主構成、③面接での「直近1年の退職者数と職種」「繁忙期の実労働時間」「評価と昇給の決め方」という具体質問、の3段階が現実的です(推定情報)。34名規模であれば、これらは経営陣が即答できる粒度の情報であり、答えの具体性そのものが組織のマネジメント水準を測る材料になります。

業績はコロナ赤字からのV字回復、ただし4Qに減速のサイン

ミクリードの業績は、「居酒屋の景気=会社の業績」がそのまま数字に出るという点で極めて分かりやすい構造をしています。転職判断で見るべきは、V字回復の事実だけでなく、直近に出ている減速のサインです。

5期の売上・利益推移を並べる

決算短信によると、直近5期の推移は以下のとおりです(非連結)。公式情報として、6期連続増収・4期連続の最高益更新が続いています。

決算期売上高営業利益当期純利益
2022年3月期30億2,900万円△5,900万円△3,700万円
2023年3月期46億6,800万円1億9,400万円—
2024年3月期59億3,600万円3億2,200万円—
2025年3月期67億7,600万円3億7,200万円—
2026年3月期76億7,100万円(+13.2%)4億700万円(+9.5%)2億7,900万円(+8.2%)

2022年3月期は営業損失5,900万円・経常損失5,700万円・当期純損失3,700万円の赤字でした。緊急事態宣言下で居酒屋が営業できなければ、食材は売れません。そこから4年で売上を2.5倍にした回復力は素直に評価できますが、同時に外部環境で業績が一気に振れる事業であることを、この5行がそのまま証明しています。賞与の業績連動比率を確認すべき理由も、ここにあります。

利益率の水準と、4Q単独で出た経常26.1%減

2026年3月期の売上高営業利益率は約5.3%です。食品卸売としては悪くない水準ですが、注目すべきは通期ではなく四半期の中身です。2026年3月期の4Q単独では、経常利益が前年同期比26.1%減の1,700万円、売上営業利益率は1.4%から0.9%へ低下しています。原材料・エネルギー価格の上昇と物流コスト、そして飲食店側の人手不足が同時に効いてくる局面で、薄利多売型のモデルは利益率が真っ先に削られます。通期の「増収増益」という見出しだけで判断せず、四半期の推移まで見るべき典型例です。

2027年3月期の会社計画と配当

会社計画では、2027年3月期の経常利益は4億5,000万円(+9.8%)です。配当は2026年3月期の年間8.5円に対し、2027年3月期は9.1円の予想となっています。増配計画を出せている点は、手元のキャッシュと収益力に一定の自信があることの表れと読めます(推定情報)。一方で株価は、公募価格890円・初値818円に対して2026年9月時点で445円と上場来ほぼ半値の水準にあり、時価総額は約29.6億円です。PER(予想)9.85倍、PBR1.77倍、ROE(予想)17.96%という指標からは、収益性は評価されつつも成長期待が織り込まれていない小型株という市場の見方がうかがえます。なお、同社が上場維持基準に不適合であるといった開示は出ていません。

ミスミ→カクヤス→分社化→ひとまいる|資本の変遷と“出戻り”の意味

ミクリードを転職先として評価するとき、業績以上に重要になるのが資本構成です。この会社は、日本の上場企業の中でもかなり数奇な資本の変遷をたどっており、それが今の立ち位置を規定しています。

創業から現在までの流れ

公式サイトの沿革によると、経緯は次のとおりです。

  • 1995年10月:株式会社ミスミの多角化事業「フード事業部」として創業
  • 2006年4月:株式会社ミクリードとして設立
  • 2007年10月:カクヤスへ譲渡/2008年6月:カクヤスに吸収合併
  • 2012年11月:カクヤスから分社化し、現在の法人が設立
  • 2013年:国分グループ本社・トーホーが資本業務提携により株主に
  • 2016年1月:SKYグループホールディングス傘下へ
  • 2020年3月16日:東証マザーズ上場(公募890円・初値818円)
  • 2025年8月29日:カクヤス系の株式会社ひとまいるが23.67%を8億8,100万円で取得し資本業務提携、9月2日付で持分法適用会社に

つまりこの会社は、2008年にカクヤスへ吸収され、2012年に分社化して独立し、上場後の2025年に再びカクヤス系の資本の下に入ったことになります。「出戻り」と言える構図です。

大株主上位3社で50.7%という構造

有価証券報告書「大株主の状況」(基準日2026年3月31日)によると、上位株主は①株式会社ひとまいる23.59%、②国分グループ本社株式会社18.04%、③株式会社トーホー9.07%で、上位3社の合計は50.7%。代表取締役社長の持株比率は3.57%(第4位)です。ここで重要なのは、この3社の顔ぶれです。国分とトーホーは食品卸の大手、ひとまいるは飲食店向けの酒類配達で知られる企業――いずれも同じ業界のプレイヤーです。独立系ベンチャーではなく、業界の主要企業に囲まれた「上場子会社的ポジション」にあると理解しておく必要があります。

提携の実務影響と、転職者が見ておくべき論点

ひとまいるとの資本業務提携で公表されている実務内容は、カクヤス倉庫からのミクリード商品配送、受注システムの共同使用、出向を含む人材交流です。この3点は、そのまま転職者にとっての両面性を示します。

  • メリット側:34名の会社が単独では持てない物流網とシステム基盤を、提携で使える。ボトルネックだった配送コスト・受注インフラの改善余地が広がる
  • リスク側:「出向を含む人材交流」が明示されている以上、入社後に所属や業務範囲が変わる可能性は織り込んでおくべき

さらに構造の話として、上位3社で50.7%を握られ、うち1社が持分法適用会社化まで進んだ以上、将来的な連結子会社化や資本再編の可能性は構造上否定できません。ただしこれはあくまで構造からの推定情報であり、2026年9月時点でTOBや非公開化に関する公表は出ていません。事実として断定せず、「そういう地合いにある会社」として認識しておくのが正確な理解です。面接で「ひとまいるとの提携で、自分の職種の業務はどう変わる想定か」を聞くのは、極めて実務的な質問になります。

業界構造から見た将来性|個人居酒屋の減少とEC化の綱引き

将来性を評価するには、会社単体ではなく顧客市場そのものの動きを見る必要があります。ミクリードの顧客は個人経営の飲食店であり、この市場は今、逆風と余白が同居しています。

顧客市場は縮小、ただし浸透率はまだ1割強

業界データによると、2025年の飲食業倒産は初めて年1,000件台に達し、2026年上半期も509件と過去最多を更新、うち居酒屋が118件と初めて100件を超えました。倒産の9割超は資本金1千万円未満の小・零細規模で、物価高・人手不足型の倒産が増えています。顧客の母数が減っているというのは、率直に言って厳しい事実です。一方で、対象となる中小飲食店は全国に約13万店あるとされ、業務用食材通販の浸透率は1割強にとどまるとされます。つまり「既存顧客の減少を、新規開拓が上回れるか」という綱引きが事業の本質であり、ミクリードが新規顧客店舗数とWEB経由獲得率をKPIに置いているのは、この構造への直接的な回答です。6期連続増収は、現時点では新規獲得が減少を上回っていることを意味します。

EC化率8割超の領域と、物流コストという重し

追い風もあります。食品分野のBtoB取引はEC化率が8割台と全産業でも突出して高く、カタログ・電話・FAXからWEB発注への置き換えが進んでいます。ミクリードの「紙カタログ×EC」というハイブリッドは、この移行期の顧客層にちょうど噛み合っています。他方で重しになるのが物流です。トラックドライバーの時間外規制以降も輸送力不足は解消しておらず、2030年度には約34%の輸送力不足が見込まれるとの試算もあります。飲食店向けは小口・多頻度配送が中心で、翌日配送や365日受注というサービス水準を維持すること自体がコストです。4Q単独の利益率低下は、この業界共通の圧力が同社にも及んでいることの表れと考えられます(推定情報)。ひとまいるとの物流連携は、この重しへの対策という文脈で読むと筋が通ります。

この会社で身につくスキルは、社外で通用するか

転職者にとって将来性は、会社の存続確率だけでなく自分の市場価値の問題でもあります。業界のキャリアパスを踏まえると、ミクリードで積める経験は、次のように社外の言葉へ置き換えられます。

  • 商品企画・バイヤー:原価交渉力と、小容量規格でヒットを作る商品開発経験。大手業務用食品卸・食品メーカーの業務用購買/商品部へ持ち出しやすい
  • EC・WEBマーケティング:BtoBの新規獲得をWEBで回した実績。飲食店向けSaaS・受発注プラットフォーム・食品EC企業のマーケティング/事業開発で評価されやすい
  • 受注センター・出荷センター運営:小口多頻度・翌日配送のオペレーション設計とコスト管理。物流企業やSCM企画職に接続する

いずれも、「大手にはできない領域をどう取るか」を自分の頭で考えた経験としてパッケージできるのが強みです。34名の会社で事業全体を見た経験は、職務経歴書上では希少性として書けます。

同業・関連企業の中でのポジション

ミクリードを1社だけ見ても、待遇や規模が高いのか低いのか判断できません。ここでは2つの角度から比較します。1つ目は事業モデルの位置づけ、2つ目は数値です。推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。

企業名市場区分事業モデル主な顧客ミクリードとの関係
株式会社ミクリード(7687)東証グロースカタログ通販・ECによる直販(自社工場なし)個人経営の居酒屋など中小飲食店1万店超—
株式会社トーホー(8142)東証プライム業務用食品卸(配送・現金卸・店舗)外食企業全般株主(9.07%・2013年に資本業務提携)
国分グループ本社株式会社非上場総合食品卸(中間流通の最大手級)小売・外食・メーカー株主(18.04%・2013年に資本業務提携)
株式会社ひとまいる(7686)東証スタンダード飲食店・家庭向けの酒類等の配達飲食店・一般家庭筆頭株主(23.59%)。2025年9月に持分法適用会社化
尾家産業株式会社(7481)/株式会社久世(2708)東証スタンダード外食向け業務用食品卸(営業担当が付く従来型)外食チェーン・中規模店資本関係なし(事業領域が近い比較対象)

この表から分かるのは、ミクリードの競合は「同業の卸」というより「営業担当が付く従来型の卸売モデル」そのものだということです。営業マンを置かずカタログとWEBで受注する構造が、そのままコスト構造と職種構成の違いになっています。営業職としてキャリアを積みたい人には、そもそも職種の入口が異なる点に注意が必要です。

次に、同じ2026年3月期決算で食品流通に属する上場企業として、株式会社アイスコ(7698・低温食品卸/食品スーパー)と数値を並べます。規模がまったく違う2社を比べることで、ミクリードの特徴が明確になります。

比較項目ミクリード(7687)アイスコ(7698)
決算期2026年3月期2026年3月期
売上高76億7,100万円(+13.2%)577億1,600万円(+5.5%)
営業利益/利益率4億700万円/約5.3%7億8,200万円/約1.4%
従業員数(有報)34名(臨時1名)868名(単体)
平均年間給与(有報)約786.2万円約442.1万円
組織の性格極小組織・管理職/専門職比率が高い店舗・物流の現場人員を多く抱える

売上規模は7.5倍の差がありますが、営業利益率はミクリードが約5.3%、アイスコが約1.4%と逆転しています。倉庫や店舗といった固定費の重い資産を持たず、通販という高粗利のチャネルに絞った結果です。そして平均年間給与は約1.8倍の開きがありますが、これは待遇の良し悪しというより組織構成の違いです。現場人員を多く抱える会社の平均と、管理職・専門職中心の34名の平均を、同じ土俵で比べることはできません。「786万円」という数字は、この前提込みで読む必要があります。

株式会社ミクリードに向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。34名という規模がすべての項目に効いてくる点が、この会社の特徴です。

向いている人向いていない人
商品企画・EC・物流のいずれかで実務経験があり、指示を待たずに自走できる人体系的な研修やメンター制度のもとで、基礎から育ててほしい人
担当業務が売上KPIに直結する環境で、成果を数字で示したい人大組織の分業体制で、一つの専門領域を深く掘りたい人
外食・中食業界に関心があり、個人店の課題解決に手触りを感じられる人景気変動を受けにくい安定した業界で働きたい人
資本構成の変化や提携による業務範囲の変化を、機会として捉えられる人所属・業務範囲が変わる可能性を不確実性として避けたい人
社内コミュニケーションが少なめでも、一人で進めることが苦にならない人チームで議論しながら進める文化を重視する人

この表は、口コミ傾向の「個人の能力を最大限生かせる反面、個人作業が多い」という記述と、有報が示す組織規模から導いたものです。自分の働き方の好みと合うかどうかの問題として読んでください。

求人はどこに出ているか|応募前に確認したい5つのこと

ミクリードへの応募を考えるとき、最初につまずくのが入口の分かりにくさです。公式コーポレートサイトのグローバルナビゲーションは「会社案内/事業案内/IR情報」の3つで構成されており、採用専用ページは見当たりません。実質的な自社運営の採用窓口はWantedlyの企業ページで、ほかにエン転職(掲載内容は2018年時点と古いものです)、doda、リクルートエージェント、パソナキャリア経由の中途募集が見られます。新卒採用の実施状況は、公開情報からは判別できません。中途採用がエージェント経由中心である可能性が高いため、募集が出た瞬間に情報を得られる体制を作っておくことが実務的です(推定情報)。

応募前・面接時に確認しておきたいのは、この記事で扱った論点をそのまま質問に変換した次の5点です。

  • 勤務地と配属:本社(新宿)/出荷センター(千葉・習志野)/受注センター(佐賀)のどこか、異動の可能性はあるか
  • 部門の人数と分業:応募職種の部門に何名いて、自分の守備範囲はどこからどこまでか
  • 繁閑差と実労働時間:365日受注体制のなかで、自分の職種の繁忙期はいつで、そのときの実態はどうか
  • ひとまいるとの提携の影響:出向を含む人材交流の対象になり得るか、システム共同化で業務がどう変わるか
  • 評価と昇給:賞与の業績連動比率、等級制度の有無、直近の昇給実績

34名の会社では、これらの質問に対する回答の具体性がそのまま組織の成熟度を映します。曖昧な回答が続くようであれば、それ自体が判断材料になります。

株式会社ミクリードに関するよくある質問(FAQ)

ミクリードへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。事業内容に関する検索が多い企業のため、事業と労働条件の両面から回答します。

ミクリードは何の会社ですか?

個人経営の居酒屋を中心とした中小飲食店向けに、業務用食材をカタログ通販・ECで直販する会社です(東証グロース・証券コード7687)。約4,000点の商品を年2回の紙カタログと自社ECサイトで販売し、1万店を超える飲食店に届けています。自社工場は持たず、企画・調達・受注・物流をコントロールするモデルです。なお「ミクリード ログイン」「ミクリード 注文」といった検索の多くは飲食店オーナー(顧客)による利用目的の検索で、本記事が扱う転職・採用の文脈とは異なります。

ミクリードとカクヤス(ひとまいる)はどういう関係ですか?

公式情報として、ミクリードは2008年にカクヤスへ吸収合併され、2012年11月に分社化して現在の法人になった経緯があります。そして2025年8月29日、カクヤス系の株式会社ひとまいる(7686)がミクリード株式23.67%を8億8,100万円で取得して資本業務提携を締結し、9月2日付でミクリードはひとまいるの持分法適用会社となりました。提携内容としてはカクヤス倉庫からの配送、受注システムの共同使用、出向を含む人材交流が公表されています。

ミクリードの年収は高いですか?

有価証券報告書(第31期・2026年3月期)によると、平均年間給与は約786.2万円で、東証グロース上場企業としては高めの水準です。ただし従業員34名・平均年齢45.2歳という構成で、管理職・専門職の比率が高いことが数字を押し上げている面があります。「若手が大量に在籍する会社の平均」ではないため、自分の想定ポジションでの提示額は個別に確認する必要があります。職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。

ミクリードの口コミ・評判が少ないのはなぜですか?

最大の理由は母数の小ささと考えられます(推定情報)。有価証券報告書上の従業員は34名で、OpenWorkは回答者0人、エン カイシャの評判も6件のみでスコア非表示という状態です。また「ミクリード 評判」で検索した場合、上位に表示されるのは転職口コミではなく飲食店オーナー向けの仕入れサービス比較記事であるため、労働環境に関する情報にたどり着きにくい構造もあります。なお、告発型のネガティブな投稿や不祥事の報道は見当たりません。

ミクリードの将来性はどう評価すべきですか?

6期連続増収・4期連続最高益(2026年3月期 売上76億7,100万円・営業利益4億700万円)というトラックレコードはプラス材料です。一方で、顧客である飲食業の倒産は2025年に初めて年1,000件台に達しており、市場そのものは縮小しています。2026年3月期4Q単独では経常利益が前年同期比26.1%減と減速サインも出ました。「縮小する市場で、通販の浸透率1割強という余白をどこまで取れるか」が評価軸であり、新規顧客店舗数とWEB経由獲得率という同社のKPIは、まさにその指標です。

ミクリードの採用にはどこから応募できますか?

公式コーポレートサイトに採用専用ページは見当たらず、実質的な自社窓口はWantedlyの企業ページです。ほかにdoda、リクルートエージェント、パソナキャリアなどのエージェント経由、およびエン転職(掲載内容は2018年時点と古いものです)で募集情報が見られます。募集数が多い規模の会社ではないため、エージェントに希望を登録して非公開求人の連絡を待つ方法が現実的です(推定情報)。

株式会社ミクリードへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報の平均年間給与786.2万円はグロース市場では高水準。ただし34名・平均45.2歳という構成込みで読む必要がある
業績の安定性6期連続増収・4期連続最高益。一方で2022年3月期は営業赤字、2026年3月期4Qは経常26.1%減と外部環境に振れやすい
収益構造売上高営業利益率約5.3%は食品流通として良好。固定資産を持たない通販モデルが効いている
組織・働き方1人あたり売上約2.2億円。裁量と守備範囲の広さは表裏一体。勤務地(新宿/千葉/佐賀)で働き方が大きく異なる
情報の透明性IR開示は上場企業として整備。一方で社員クチコミはほぼ存在せず、労働環境は面接で直接確認する前提になる
資本構成のリスク上位3社で50.7%。2025年にひとまいるの持分法適用会社化。出向を含む人材交流が公表されている点は要確認
市場環境顧客である中小飲食店は減少傾向。ただし業務用食材通販の浸透率は1割強で、新規開拓の余白は残る
向く人商品企画・EC・物流のいずれかで自走でき、事業全体を見る経験を積みたい経験者

総合すると、「安定した大組織で守られながら働きたい人」には合わず、「小さい会社で事業の全体像に触れ、成果を数字で示したい経験者」には十分に検討価値がある会社と考えられます。年収の絶対水準は魅力的ですが、それは組織構成の裏返しでもあります。判断の決め手は、勤務地・部門人数・提携による業務変化という3点を面接でどこまで具体化できるかにあります。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

本記事の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は、第31期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」の掲載値です。有報PDF原本の直接取得は行っておらず、EDINET由来の企業情報データベース(IRバンク)と日経会社情報DIGITALの掲載値が一致することを確認したうえで採用しています。業績数値は2026年3月期決算短信(2026年5月14日開示・非連結)にもとづきます。

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として扱い、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。社員クチコミが極端に少ない企業であるため、労働環境に関する記述は断定を避け、投稿から読み取れる傾向としてのみ記載しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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