創健社の評判と年収|35名で上場を続ける自然食品卸の薄利体質と世代交代
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:単体35名で上場を続ける自然食品専業のファブレス卸。自社ブランドが売上の約64%
- 年収:有報の平均年間給与は617万円(第59期)。ただし口コミの若手年収は300万円台で乖離あり
- 変化:1年で平均年齢46.1→42.8歳・勤続19.8→16.0年。ベテラン退職の波が数字に出ている
- 収益:営業利益率0.4%の薄利体質。中途採用は2026年9月時点で募集なし
創健社(東証スタンダード・7413)は、「有精卵マヨネーズ」や有機トマト缶、無添加カレールーなどで自然食品売場ではよく知られた会社ですが、会社そのものについての情報は多くありません。この記事は転職・就職を検討している人向けに、第59期有価証券報告書(2026年3月期)を中心とした公式情報、3サイト合計42件の口コミ傾向、そして編集部の推定を分けて整理したものです。商品のレビューや株主優待・株価に関する投資判断の記事ではありません。「従業員35名の上場企業とはどんな職場か」「平均年収617万円は本当に自分に当てはまるのか」「なぜ1年で平均年齢が3歳以上下がったのか」という3点を軸に読み進めてください。
創健社の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。すべて公式情報で、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は第59期有価証券報告書「従業員の状況」の提出会社(単体)実額です。創健社は持株会社ではなく事業会社そのものが上場しているため、この給与値は本社・支店で働く社員の実態に近い値と考えられます。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社創健社(東証スタンダード・証券コード7413) |
| 本社 | 神奈川県横浜市神奈川区片倉2-37-11 |
| 設立 | 1968年2月5日(1966年6月創業) |
| 代表者 | 代表取締役社長 中村 靖 |
| 事業内容 | 健康自然食品の企画開発・卸売(単一セグメント) |
| 平均年間給与 | 617万5,051円(提出会社・2026年3月31日現在。前期623万6,588円、△1.0%) |
| 平均年齢 | 42.8歳(前期46.1歳) |
| 平均勤続年数 | 16.0年(前期19.8年) |
| 従業員数 | 提出会社35名〔外、臨時雇用者等16名〕/連結38名〔外、臨時雇用者等28名〕 |
| 売上高(連結) | 47億51百万円(2026年3月期、前期比△4.0%) |
| 営業利益(連結) | 21百万円(2026年3月期、前期比△68.0%、営業利益率0.4%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17百万円(△64.2%) |
| 労働組合 | 創健社労働組合(UAゼンセン加盟、組合員24名) |
| 主要拠点 | 横浜本社・大阪支店(兵庫県伊丹市)・名古屋支店・福岡営業所・受注センター(群馬県太田市)・物流センター(群馬県みどり市) |
| 出典 | 第59期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書(2026年6月26日提出)/2026年3月期決算短信/2027年3月期第1四半期決算短信 |
創健社はどんな会社か|自社ブランド64%のファブレス自然食品卸
結論から言うと、創健社は「自然食品の問屋」ではなく、自社ブランド商品を企画し、製造は委託し、卸売機能で販路に届ける「メーカー機能を持つ卸」です。この構造を理解しておくと、営業・企画・品質管理のどの職種で入っても、仕事の中身と会社の収益の関係が見えやすくなります。
事業構造:企画は自社、製造は委託、販売は卸
公式情報として、創健社は1968年設立の自然食品専業企業で、不要な食品添加物を使わない自社ブランド商品を国内外の委託メーカーで製造し、自然食品専門店・生協宅配・量販店・EC・地方問屋に卸しています。自社ブランドの売上は全体の約64%(約30億円)を占め、残りは他社商品の仕入販売です。単体の品目別売上(2026年3月期)は次の通りです。
| 品目 | 売上高(単体) | 構成比 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 調味料(有精卵マヨネーズ・べに花油など) | 12.0億円 | 33.8% | △8.3% |
| 副食品 | 8.1億円 | 22.9% | — |
| 嗜好品・飲料(「メイシーちゃん」シリーズなど) | 8.1億円 | 22.7% | +1.6% |
| 油脂・乳製品 | 3.4億円 | 9.7% | — |
| 乾物・雑穀 | 2.3億円 | — | — |
| 栄養補助食品 | 0.8億円 | — | — |
調味料が3分の1を占め、その中核が看板商品の有精卵マヨネーズです。公式情報として、有精卵の供給減により同商品を300gから200gへ減量したことが、2026年3月期の調味料売上減の主因と説明されています。看板商品1つの原料事情が全社の減収・減益に直結する構造で、これは委託製造・自社ブランド中心のビジネスモデルが持つリスクそのものです。
子会社・髙橋製麺と、35名で労働組合を持つ珍しい構造
唯一の連結子会社が髙橋製麺株式会社(埼玉県鴻巣市)で、明治29年創業の有機JAS認定即席麺工場を持ちます。公式情報として、第59期有報では髙橋製麺に係るのれん・固定資産の減損リスクが「監査上の主要な検討事項(KAM)」に挙げられています。グループで自前の製造拠点はこの1か所に限られ、本体は企画・営業・物流管理に特化した組織です。
もう1つの特徴は、単体35名という規模で労働組合(創健社労働組合、UAゼンセン加盟、組合員24名)が存在することです。上場企業でも数十名規模で労組を持つ会社は珍しく、推定情報ながら、労働条件の変更や賞与について会社と組合の協議の枠組みがある職場と考えられます。口コミで「土日祝休みで暦通り」という声が一貫して出る背景の一つかもしれません。
業界内の立ち位置
自然食品卸の担い手は、ムソー(非上場・大阪、約3,500品目)やオーサワジャパン(非上場)など売上数十億〜百数十億円規模の専業卸・メーカーが中心で、創健社は連結売上47.51億円・従業員38名の規模ながら、この分野で数少ない上場企業です。国内の有機食品市場は農水省推計で2,000億円台前半と食品市場全体の1%未満にとどまり、大手食品卸(国分・日本アクセス・加藤産業など)が物流・デジタル投資で規模を競う世界とは異なる、ニッチで小規模なプレイヤーが多い市場です。推定情報として、大手食品メーカーのような体系的な育成制度や給与水準を期待する場所ではなく、少人数で企画・営業・品質管理を幅広く担う環境と考えるのが妥当です。
有報5期で見る創健社の規模と世代交代|35名・平均年齢が1年で3.3歳若返った意味
この記事で最も重視したい変化がここです。公式情報として、提出会社の従業員数は5期連続で減少し、直近1年で平均年齢と平均勤続年数が大きく動きました。
| 決算期 | 提出会社従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 41名 | — | — | — |
| 2023年3月期 | 40名 | — | — | — |
| 2024年3月期 | 38名 | — | — | — |
| 2025年3月期(第58期) | 37名 | 46.1歳 | 19.8年 | 623万6,588円 |
| 2026年3月期(第59期) | 35名 | 42.8歳 | 16.0年 | 617万5,051円 |
1年で平均年齢が3.3歳、平均勤続年数が3.8年短くなるのは、35名規模でなければ起きにくい動きです。数百名規模の会社なら数人の入退社では平均値はほとんど動きませんが、35名では勤続30年前後のベテランが数名退職し、若手が数名入るだけで、この程度の変化が起こります。
ここからは推定情報です。有価証券報告書には退職者数や退職理由は開示されていないため断定はできませんが、平均勤続が19.8年から16.0年へ動いた事実は、長期在籍していた層の退職があったことを示唆しています。同時に人数が37名から35名へ2名しか減っていないことから、退職と採用が同時に起きた、つまり世代交代が進行中である可能性が考えられます。口コミで「年齢層・勤続年数が高くて新入社員が馴染みにくい」という声が過去に見られたことを踏まえると、この変化は転職検討者にとって二面性があります。
- プラスの見方:長期勤続者中心の組織に風穴が開き、中途入社者が相対的に「新参者」ではなくなりつつある可能性
- マイナスの見方:ベテランが持っていた取引先との関係や商品知識が引き継がれているかは外部から確認できず、少人数のため1人の退職が業務負荷に直結しやすい
面接の場では「直近2年間の入退社の状況」「引き継ぎの体制」を率直に質問して差し支えないテーマです。有報の数字がこれだけ動いている以上、会社側も説明を用意している可能性が高いと考えられます。

35名で上場している会社って、実際どれくらいの規模感なんですか?
売上規模で換算すると、連結売上47.51億円を連結従業員38名で割った1人あたり売上は約1.25億円(単体では46.88億円÷35名=約1.34億円)になります(推定情報・編集部計算)。同じ卸売業でも間接材物販のアルファパーチェスは1人あたり約2.2億円で、食品卸としては人数に対して商品点数と取引先が多い、1人が広い範囲を持つ構造と読めます。一方、営業利益21百万円を38名で割ると1人あたり約55万円にとどまり、売上規模に対して利益が極めて薄いことも同時に分かります。この「1人あたりの担当範囲は広いが、利益の余地は薄い」という構造が、後述する年収や賞与の議論の前提になります。
創健社の年収|平均617万円と口コミ300万円台の乖離をどう読むか
結論を先に言うと、有報の平均年間給与617万円は「35名の中で長く勤めた社員が多数を占めた結果の平均値」であり、中途入社直後の年収の目安としてそのまま使うのは危険です。順を追って整理します。
公式の平均年間給与と推移
公式情報として、第59期有価証券報告書によると提出会社の平均年間給与は617万5,051円(賞与・基準外賃金を含む、2026年3月31日現在)で、前期の623万6,588円から1.0%減少しました。平均年齢42.8歳・平均勤続16.0年の集団の平均です。前期は平均年齢46.1歳・平均勤続19.8年で623万円でしたから、集団が3.3歳若返っても平均給与は6万円しか下がっていません。推定情報ですが、これは退職した層と残った層の給与差がそれほど大きくない、つまり年功による給与カーブが急ではない可能性を示しています。ただし35名の少人数では年次のブレが大きく、単年の平均給与を「相場」として扱わないことが重要です。
口コミ上の年収傾向と有報値の乖離
口コミ傾向としては、転職会議に「20代前半ルートセールスで300万円」「50代課長クラスで500万円」という年収例が見られ、エン カイシャの評判の集計では平均年収543万円・平均年齢45.5歳(同サイト集計、回答者ベース)となっています。またエンの投稿では「20代は生活できない位の定収入」という指摘もあります。有報の617万円との差は70万円から300万円以上と大きく、この乖離は次のように解釈できます(推定情報)。
- 有報値は管理職・長期勤続者を含む全社員の平均で、若手の水準を表していない
- 口コミの投稿者は若手や退職者に偏りやすく、低い側の値が目立ちやすい
- 50代課長で500万円という口コミ例が正しければ、平均617万円は本社管理部門や役職者の給与が平均を引き上げている可能性がある
職種・年代別の推定レンジ
以上を踏まえた編集部の推定情報としての目安です。公式の職種別給与は有価証券報告書では開示されていないため、口コミと有報値から幅を持って示します。
| 区分 | 推定年収レンジ | 根拠 |
|---|---|---|
| 20代・営業(ルートセールス) | 300万〜380万円 | 転職会議の年収例、エンの「20代は定収入」指摘 |
| 30代・営業/企画 | 400万〜500万円 | 有報平均と若手例の中間、みなし残業込みという口コミ |
| 40〜50代・課長クラス | 500万〜650万円 | 口コミの課長500万円例と有報平均617万円 |
営業利益21百万円という直近の利益水準を考えると、業績連動の賞与が大きく上振れする余地は限られます(推定情報)。一方、労働組合がある会社で有給消化率がOpenWorkで82.5%と高めに出ていることから、賃金の下方硬直性や休暇の取りやすさは一定程度期待できるとも読めます。
転職時に確認すべきポイントは次の4点です。
- 提示年収にみなし残業代が何時間分含まれるか(口コミで「残業代がみなし込み」という指摘がある)
- 賞与の直近3年の支給月数と、営業利益が21百万円に落ちた2026年3月期の実績
- 昇給の仕組み(少人数のため等級制度が簡素な可能性があり、評価基準を口頭で確認する価値がある)
- 拠点が横浜・伊丹・名古屋・福岡・群馬に分散しているため、配属地と転勤の有無
創健社の業績|営業利益率0.4%と看板商品減量の影響
転職先としての創健社を評価するうえで、年収以上に重要なのが利益の薄さです。公式情報として、2026年3月期の連結業績は売上高47億51百万円(△4.0%)、営業利益21百万円(△68.0%)、経常利益22百万円(△69.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益17百万円(△64.2%)でした。営業利益率は0.4%です。
| 項目 | 2025年3月期(第58期) | 2026年3月期(第59期) | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高(連結) | 49億50百万円 | 47億51百万円(△4.0%) | 49億円(+3.1%) |
| 営業利益(連結) | 65百万円(+173%) | 21百万円(△68.0%) | 35百万円(+66.1%) |
| 営業利益率 | 約1.3% | 0.4% | 約0.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | — | 17百万円(△64.2%) | 20百万円 |
減益の主因は有精卵マヨネーズの減量
公式情報として、看板商品の有精卵マヨネーズは有精卵の供給減を受けて300gから200gへ内容量を変更し、これが調味料カテゴリーの売上減(単体で△8.3%)と営業利益68%減の主因になりました。前期2025年3月期は営業利益が+173%と好調だった反動でもあります。自社ブランドが売上の64%を占める会社では、原料1つの供給事情が全社利益を左右します。営業職として入社する場合、「値上げ・減量をどう取引先に説明するか」「代替商品をどう提案するか」が日常業務になることは、この数字から想像できます。
過去の赤字期と恒常的な薄利
irbankの集計(有報転記)によると、創健社は2015年3月期(営業損失59百万円)、2017年3月期(同16百万円)、2018年3月期(同14百万円)に営業赤字を計上し、2019年3月期以降は7期連続で営業黒字を維持していますが、その間の営業利益率は0.4〜1.3%にとどまります。さらに公式情報として、2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は売上高11億49百万円(△2.6%)、営業損失16百万円(前年同期は6百万円の損失)、四半期純損失11百万円と赤字スタートで、通期予想は据え置かれています。
これを転職判断にどう反映すべきかを推定情報として整理すると、次の通りです。
- 売上47億円に対して営業利益2,100万円は、社員1人の年収数人分に相当する水準で、業績連動賞与や大幅な賃上げの原資は乏しい
- 一方、自己資本比率38.9%、現預金13.44億円に対して借入金9.44億円と、財務が直ちに危うい状態ではない
- 配当20円(配当性向82.3%)と株主優待を維持しており、個人株主が82.24%を占める会社として株主還元を優先する経営姿勢が読み取れる。社員への分配余地との兼ね合いは面接で確認する価値がある
第7次中期経営計画が掲げる「営業利益1億円」
公式情報として、2026年4月から始まった第7次中期経営計画(〜2029年3月期)では、パッケージ統一によるリブランド、経営企画室の新設、2030年度までの酵母エキス全廃、粗利率を25%から28%へ引き上げ、最終年度に営業利益1億円を掲げています。現状の21百万円に対して約5倍の目標です。推定情報として、達成の鍵は粗利率3ポイントの改善、すなわち仕入価格の上昇を販路ごとにどこまで価格転嫁できるかにあり、営業職には受注管理より「商品価値の説明と値上げ交渉」の力が求められる局面になると考えられます。逆に言えば、この中計期間に入社する人は、リブランドと経営企画という新しい機能の立ち上げに関われる可能性がある点は、少人数企業ならではの機会と言えます。
創健社の口コミ・評判の傾向|42件から読み取れる働き方
まず前提として、創健社の口コミはOpenWork17件・転職会議13件・エン カイシャの評判12件の合計42件と少なく、評価点の回答者はさらに限られます(OpenWorkの評点回答は3人)。統計的な信頼性は低いため、以下は「傾向」として読んでください。
| サイト | 件数 | 総合評価 | 特徴的な数値 |
|---|---|---|---|
| OpenWork | 17件 | 2.88/5(回答3人) | 月間残業39.8時間、有給消化率82.5%、各項目2.8〜2.9で一様 |
| 転職会議 | 13件 | 2.71/5 | 月間残業26.3時間、有給消化率57.5% |
| エン カイシャの評判 | 12件 | 3.4/5 | 成長性3.6・事業の独自性3.6と事業面は高評価 |
肯定的な口コミの傾向
口コミ傾向として共通するのは次の点です。
- 土日祝休みで、年末年始・夏季・GWは暦通りに休める
- 小規模のため風通しがよく、経営層との距離が近い
- 自分が提案・企画した商品が自然食品店や量販店の棚に並ぶ達成感がある
- 事業の独自性(無添加・有機)への共感を持って働ける
「提案した商品が店頭に並ぶ」という声は、自社ブランドが売上の64%を占め、企画から販路までを35名で回している構造だからこそ出てくる評価と言えます。大手メーカーで商品開発に携わるには相応の年次が必要ですが、ここでは若手のうちから商品に関われる可能性があります(推定情報)。
否定的な口コミの傾向
- 年齢層・勤続年数が高く、新入社員が馴染みにくい
- 「残る人は長く残るが、辞める人は1年以内に辞める」という二極化
- 残業代がみなし残業込みで、実残業との関係が見えにくい
- 「20代は生活できない位の定収入」と若手の給与水準への不満
- 健康食品・自然食品の市場が狭く、将来性に不安がある
- 面接時の応募者への配慮不足を指摘する声
「1年以内に辞める人が多い」という口コミ傾向と、有報上の平均勤続16.0年(前期19.8年)という公式情報は、一見矛盾しますが両立します。長く残る層が平均勤続を押し上げ、早期退職者は平均に反映される前に去っているためです。推定情報として、この会社は「合えば長く、合わなければ短く」という適性の見極めが早い職場と考えられ、入社前に業務範囲・給与・社風を具体的に確認する重要度が高いと言えます。
創健社の将来性|狭い自然食品市場で何が変わっているか
結論として、創健社の将来性は「市場が急成長する期待」ではなく、「販路の構造変化に対応できるか」で評価すべきです。公式情報と業界の公開データをもとに整理します。
市場は小さく、政策目標と実態に差がある
国内の有機食品市場は農水省推計で2,000億円台前半、食品市場全体の1%未満です。農水省の「みどりの食料システム戦略」は2050年に有機農業面積を耕地の25%(100万ha)にする目標を掲げますが、2024年度実績は3.98万ha・0.9%にとどまり、国産有機原料の供給は限定的です。有精卵マヨネーズの減量問題は、この「原料が細い」構造の一例と見ることができます(推定情報)。口コミで「市場が狭く将来性に不安」という声が出るのは、この市場規模を反映したものと考えられます。
販路は専門店から生協・量販店・ドラッグストア・ECへ
従来の自然食品専門店は店主の高齢化・後継者不足で店舗数が減少傾向にあり、代わって生協宅配、ネットスーパー・EC、量販店の健康志向棚、ドラッグストアの食品カテゴリーが販路として拡大しています。中計で掲げるパッケージ統一によるリブランドは、専門店の常連客だけでなく、量販店やドラッグストアの棚で初めて商品を見る消費者に認知されるための施策と位置づけられます(推定情報)。転職者にとっては、量販店・EC・生協向けのチャネル別営業経験やデジタルマーケティングの経験が、業界内で希少になりつつあり、強みとして評価される可能性があります。
「無添加」表示規制の厳格化は追い風にも制約にもなる
食品添加物の「無添加」表示に関するガイドライン(2022年策定、2024年完全施行)により、「無添加」「化学調味料不使用」といった表現は制約を受けています。創健社が中計で2030年度までの酵母エキス全廃を掲げるのは、表示で訴求するのではなく成分そのものを見直す方向への転換と読めます(推定情報)。この流れは、食品表示・有機認証・品質保証の知識を持つ人材の需要を高めており、品質管理・商品開発職はキャリアの軸として業界外にも通用しやすい分野です。
以上を編集部の見解として整理すると、創健社の将来性は「売上が伸びるか」より「営業利益率を0.4%から中計目標の水準へ回復できるか」に集約されます。2027年3月期の会社予想は売上49億円(+3.1%)・営業利益35百万円ですが、第1四半期が営業損失16百万円で始まっている以上、目標達成は下期偏重の計画になります。給与・賞与の伸びを期待して入社する場所ではなく、少人数でリブランドと販路転換に関わる経験を得る場所と考えるのが、現時点の数字に基づく妥当な見方です。
創健社の中途採用の現状と転職ルート|「枠の有無」で決まる
公式情報として、創健社の公式採用ページは2026年9月時点で中途採用について「現在募集なし」と表示しており、新卒は2028年卒向けの案内が予定されています。過去にはマイナビ転職に経理職や大阪支店の営業職の求人が掲載された履歴があります(掲載終了)。
ここから言えることは、創健社への転職の難しさは「選考の厳しさ」ではなく「募集枠が出るかどうか」に左右される点です。35名の会社では、退職や増員が発生したときにだけ求人が出ます。前章で見た通り直近1年でベテラン層の退職があったと推定されるため、補充採用が今後出る可能性はありますが、時期は予測できません(推定情報)。
求人を待つ間にできる準備
- 公式採用ページと転職サイトの企業ページをブックマークし、求人が出た時点で即応できるようにする
- 自然食品専門店・生協・量販店のいずれかの販路での営業経験、または食品表示・有機JASの知識を職務経歴書で言語化しておく
- 拠点(横浜・伊丹・名古屋・福岡・群馬)のどこで働けるかを整理しておく
社内・社外のキャリアパス
業界の一般的なキャリアパスと創健社の組織構造を重ねると、次のようなルートが考えられます(推定情報)。
- 社内・営業系:自然食品専門店・生協・量販店・EC担当の営業→チャネル統括→営業部門管理職。新設の経営企画室で中計・リブランド推進に関わる道も
- 社内・企画・品質系:商品企画・品質管理→委託先メーカー管理や有機JAS・食品表示の専門担当→商品開発部門の責任者。子会社髙橋製麺の生産管理に関わる道も
- 業界外・隣接:オーガニック・健康志向を掲げる食品メーカー、生協・自然食品チェーン・ドラッグストアの健康食品バイヤー職
- 業界外:食品卸大手の営業・物流企画職、食品表示・品質保証の知見を活かした認証機関・検査会社
汎用的な食品卸の営業・物流経験は大手卸へ、商品企画・ブランド運営の経験はメーカーや小売のバイヤー職へと、経験の種類によって次の転職先の広がり方が変わります。創健社は自社ブランド比率が高いため、後者の経験を積みやすい会社と位置づけられます。
同じ「卸売業」でも収益構造はまったく違う|同時期の卸売業10社比較
創健社は東証33業種で「卸売業」に分類されますが、同じ分類でも事業内容と収益構造は大きく異なります。ここでは同時期に有価証券報告書を提出した卸売業10社の数値を並べます(公式情報ベース。ただし他社の給与データは有報転記型データベース経由で、EDINET原本の直接確認は未実施のものを含みます。各社とも過年度に訂正報告書が出ている可能性があるため、引用時は訂正後の値かを各社IRで確認してください)。
| 企業(証券コード) | 決算期 | 連結売上高(前期比) | 営業利益(利益率) | 従業員数 連結/提出会社 | 有報平均年間給与 | 上場状況・特記 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 創健社(7413) | 2026年3月期 | 47.51億円(△4.0%) | 0.21億円(0.4%) | 38名/35名 | 617.5万円 | 東証スタンダード。10社中で売上・人員・利益率とも最小。中途採用は募集なし |
| アルファパーチェス(7115) | 2025年12月期 | 589.22億円(+5.3%) | 14.68億円(2.5%) | 265名/228名 | 555万円 | 東証スタンダード。アスクルが61.4%保有の親子上場。1人あたり売上約2.2億円 |
| ダイワ通信(7116) | 2025年3月期 | 52.41億円(+7.3%) | 4.53億円(8.7%)、純損失△1.63億円 | 116名/81名 | 414万円(10社中最低) | 非上場(2026年3月25日に株式併合による非公開化で上場廃止)。不適切な会計処理で東証の措置あり |
| SHINKO(7120) | 2026年3月期 | 193.83億円(+14.7%・非連結) | 9.13億円(4.7%) | 895名〔臨時179名〕 | 542万円 | 東証スタンダード。医療機器・IT保守。第1四半期が毎年赤字の季節性 |
| ユニソルHD(7128) | 2025年12月期 | 1,590.36億円(△1.7%) | 33.80億円(2.1%)、純利益△58.7%(黒字) | 1,966名/51名 | 706万円 | 東証プライム。旧フルサト・マルカHD。持株会社で人員乖離約39倍、最大人員会社の給与開示なし |
| ヤマエグループHD(7130) | 2026年3月期 | 1兆852.19億円(+7.8%) | 180.80億円(1.7%) | 6,414名/123名 | 695.7万円 | 東証プライム。持株会社で人員乖離約52倍だが主要子会社の給与を開示(ヤマエ久野689.9万円等) |
| のむら産業(7131) | 2025年10月期 | 71.11億円(+7.5%) | 7.53億円(10.6%・10社中最高) | 112名/85名 | 608.6万円 | 東証スタンダード。米袋・計量包装機。米価高騰を追い風に中計を上振れで取り下げ |
| 小野建(7414) | 2026年3月期 | 2,531.15億円(△6.9%) | 47.40億円(1.9%)、純損失△22.18億円 | 1,235名/994名 | 514万円 | 東証プライム。鉄鋼流通。減損で上場来初の純損失、4期連続営業減益 |
| 南陽(7417) | 2026年3月期 | 368.15億円(+0.8%) | 28.09億円(7.6%) | 521名/158名 | 663.5万円 | 東証スタンダード。売上の6割は産業機器。自己資本比率65.2% |
| 佐鳥電機(7420) | 2025年5月期 | 1,562.42億円(+5.5%) | 39.93億円(2.6%) | 762名/357名 | 742万円(10社中最高) | 非上場(2026年3月30日上場廃止、共同株式移転でMIRAINIホールディングス〔546A〕の完全子会社。グループとしては上場維持) |
比較表の読み方と注記
- 決算期が5種類あります。12月期(アルファパーチェス・ユニソルHD)、10月期(のむら産業)、5月期(佐鳥電機)、3月期(他6社)で、単純比較の際は年度差に注意してください。
- ダイワ通信と佐鳥電機は2026年3月に上場廃止しており、現在は非上場です。ただし経路が異なり、ダイワ通信は株式併合による完全非公開化、佐鳥電機は萩原電気HDとの共同株式移転により新設持株会社MIRAINI HDが上場したもので、グループとしては上場を維持しています。
- 規模の開き:売上はヤマエHDの1兆852億円と創健社の47.51億円で約228倍、連結従業員はヤマエHD6,414名と創健社38名で約169倍の差があります。「卸売業の上場企業」という括りがいかに広いかが分かります。
- 営業利益率の開き:のむら産業の10.6%から創健社の0.4%まで約27倍の差があります。メーカー機能を持つ専門商社(のむら産業・南陽)は高く、薄利の食品卸・間接材物販(創健社・アルファパーチェス・ヤマエHD)は低く、保守サービス(SHINKO)はその中間という構造です。創健社は「メーカー機能を持つ卸」ですが、委託製造で製造マージンが外部に流れる分、専門商社型ほど利益率が出にくいと考えられます(推定情報)。
- 持株会社の給与開示:ヤマエHD(人員乖離約52倍)は最大人員会社の給与を開示している好例、ユニソルHD(約39倍)は開示がない例です。創健社は持株会社ではなく事業会社単体の上場であるため、617.5万円は実際に働く社員の平均そのものです。この点は、給与を比較するうえで創健社の数値の「透明度」が高いことを意味します。
- 純損失が出た3社:ダイワ通信(調査費用)、小野建(減損で上場来初の赤字)は純損失、ユニソルHDは純利益が58.7%減ったものの黒字です。創健社は純利益17百万円で黒字ですが、2027年3月期第1四半期は純損失11百万円と赤字で始まっています。
創健社への転職判断まとめ
ここまでの公式情報・口コミ傾向・推定情報を、転職判断の軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書で確認してください。
| 判断軸 | 評価(分類) |
|---|---|
| 事業の独自性 | 自社ブランド64%・無添加志向の専業卸で独自性は高い(公式情報)。エンの口コミでも事業の独自性3.6と評価が高い(口コミ傾向) |
| 年収水準 | 有報平均617.5万円は長期勤続層の平均。若手は300万円台という口コミがあり、中途入社直後の水準は別に確認が必要(公式情報+口コミ傾向) |
| 収益の安定性 | 営業利益率0.4%、2027年3月期第1四半期は営業赤字。財務に急迫感はないが賞与・昇給の原資は薄い(公式情報+推定情報) |
| 組織の変化 | 1年で平均年齢△3.3歳・勤続△3.8年。世代交代の途中と推定され、中途者が入りやすい局面の可能性と業務負荷のリスクが同居(公式情報+推定情報) |
| 働き方 | 土日祝休み・暦通り、有給消化率はOpenWorkで82.5%。一方みなし残業への指摘あり(口コミ傾向) |
| 採用の入りやすさ | 2026年9月時点で中途募集なし。難易度より枠の有無で決まる(公式情報) |
| 不祥事・処分 | Web検索および第59期有報のいずれにも、創健社を対象とした行政処分・製品回収・訴訟は確認できなかった(確認できなかったことと存在しないことは別) |
編集部の見解
編集部の見解として、創健社は「自然食品というテーマに共感し、35名の会社で企画から販路まで幅広く関わりたい人」には、大手では得にくい経験を積める会社と考えられます。特に量販店・EC・生協向けの営業経験や、食品表示・有機認証の知識を持つ人は、中計のリブランド・販路転換の局面で貢献の余地が大きいと見られます。一方で、「年収の伸び」「賞与の安定」「体系的な研修」を優先する人には、営業利益率0.4%という現状の数字が示す通り、条件面で期待に合わない可能性が高いと考えられます。若手で300万円台という口コミが実態に近いなら、生活設計上の制約も直視すべきです。総合すると、条件面より仕事の中身と業界への関心で選ぶ会社であり、募集が出た時点で「直近の入退社状況」「みなし残業の時間数」「賞与実績」の3点を確認して判断することをおすすめします。
創健社に関するよくある質問(FAQ)
創健社について転職検討者から実際に検索されている疑問に絞って回答します。
創健社の本社・勤務地はどこですか?
公式情報として、本社は神奈川県横浜市神奈川区片倉2-37-11で、営業本部と横浜支店を兼ねています。ほかに大阪支店(兵庫県伊丹市)、名古屋支店、福岡営業所、群馬県太田市の受注センター、群馬県みどり市の物流センターがあり、子会社の髙橋製麺は埼玉県鴻巣市です。35名の組織を6拠点に分けているため、各拠点は数名規模と推定され、配属先によって業務範囲が大きく変わる可能性があります(推定情報)。
創健社の中途採用・求人は今出ていますか?
公式情報として、2026年9月時点で公式採用ページの中途採用は「現在募集なし」です。過去にマイナビ転職で経理職・大阪支店営業職の掲載歴があります。求人が出るタイミングは退職・増員に依存するため、公式採用ページと主要転職サイトの企業ページを定期的に確認するのが現実的です。
創健社の評判・口コミはどのくらい信頼できますか?
OpenWork17件・転職会議13件・エン カイシャの評判12件の合計42件と少なく、OpenWorkの評点回答者は3人です。口コミ傾向としては「土日祝休み・風通しのよさ」と「若手の給与が低い・1年以内に辞める人が多い」が両方見られますが、件数が少ないため個人の体験の影響を強く受けます。有報の平均勤続16.0年(前期19.8年)という公式情報と合わせて読むことをおすすめします。
創健社の平均年収617万円は持株会社の数字ではありませんか?
違います。公式情報として、創健社は持株会社ではなく事業会社そのものが上場しており、617万5,051円は横浜本社や各支店で働く提出会社35名の平均です。ただし35名の少人数のため年次のブレが大きく、平均年齢42.8歳・平均勤続16.0年の集団の値である点を踏まえ、中途入社直後の年収は別途確認してください。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
- 創健社 公式サイト
- 創健社 IRページ(第59期・第58期有価証券報告書、2026年3月期決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信、第7次中期経営計画)
- 創健社 採用情報
- EDINET(金融庁・有価証券報告書検索)(EDINETコード E02791)
- irbank(有価証券報告書の長期業績推移・過去の営業損益)/農林水産省「みどりの食料システム戦略」関連公表資料(業界文脈)
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
