イムラ(旧イムラ封筒)の評判と年収553万円|勤続19.5年の封筒最大手
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 対象企業:証券コード3955・大阪の封筒メーカー。同名の工務店とは別法人
- 平均年収:約553万円(有報・単体)。前期578万円から1期で約25万円ダウン
- 人員構造:平均勤続19.5年と長い一方、単体従業員は12期で814→639名
- 転職判断:安定志向なら候補。急成長・高処遇を求める人には不向き
「イムラ 評判」で検索すると、上位20件の半分近くが奈良の注文住宅工務店に関するページで埋まります。転職先として調べたい株式会社イムラ(証券コード3955)は、大阪に本店を置く封筒の国内最大手メーカーで、まったくの別法人です。しかもこの会社は2023年2月に「イムラ封筒」から社名を変えたばかりで、求人・勤務地の検索需要はいまだに旧社名側に残っています。この記事では、有価証券報告書の実額と口コミサイトの数字を切り分けながら、年収・人員構造・勤務地・将来性という転職判断に直結する材料だけを整理します。
「イムラ」で検索すると複数社が混ざる|証券コード3955の見分け方
転職情報を調べる前に、まず対象企業を確定させてください。「イムラ」という社名は複数の無関係な法人で使われており、検索結果は高い確率で混線します。実際に「イムラ 評判」の検索上位を確認すると、注文住宅・工務店の口コミページ、ハウスメーカー掲示板、坪単価比較サイトが多数を占め、封筒メーカーの口コミページはその隙間に挟まっている状態です。
この記事が扱うのは、以下の1社だけです。
- 株式会社イムラ(証券コード3955):本店は大阪府大阪市中央区難波五丁目1番60号 なんばスカイオ18階。封筒の国内最大手メーカーで、東証スタンダード市場上場。業種分類は「パルプ・紙」
一方、以下はいずれも無関係の別法人です。転職先として検討する際は混同しないでください。
- 木の家イムラ(株式会社イムラ/imura-k.com):奈良県の注文住宅工務店。吉野杉の家で知られ、検索上位を最も多く占めるのがこの会社に関するページ
- イムラ株式会社(imura-kk.co.jp):別法人
- 井村屋グループ(証券コード2209):あずきバー等で知られる三重県の食品メーカー。読みが近いだけで資本関係はない
なお、事前情報として流通することのある「イムラは住宅事業を持っている」という理解は誤りです。3955のイムラに住宅事業セグメントは存在しません。公式情報として、同社のセグメントは(1)パッケージソリューション事業、(2)メーリング&デジタルソリューション事業、(3)その他の3区分です。奈良に主力工場があるため工務店と混ざりやすいのですが、事業内容はまったく異なります。
会社の輪郭を先に押さえておきます。創業は1918年(大正7年)7月、大阪の井村商会として。法人設立は1950年2月、2000年に東証・大証第二部へ上場し、2022年4月の市場再編でスタンダード市場へ移行しました。封筒業界で唯一の上場企業で、国内シェアは2割強とされます。代表取締役社長 兼 CEOは井村優氏で、大株主上位に井村家の個人株主と資産管理会社2社が並ぶ同族色の強い資本構成です(上位10名合計35.40%、筆頭はイムラ社員持株会5.35%)。親会社は存在せず独立系ですが、仕入先である日本紙パルプ商事が3.00%を保有しています。
株式会社イムラの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。決算期は毎年1月末で、最新は第76期(2025年2月1日〜2026年1月31日)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社イムラ(旧・株式会社イムラ封筒/IMURA & Co., Ltd.) |
| 証券コード・市場 | 3955/東京証券取引所 スタンダード市場 |
| 本社 | 大阪本社(本店):大阪市中央区難波五丁目1番60号 なんばスカイオ18階/東京本社:港区芝浦一丁目2番3号 シーバンスS館10階 |
| 創業・設立 | 創業1918年7月/設立1950年2月(資本金11億97百万円) |
| 代表者 | 代表取締役社長 兼 CEO 井村 優 |
| 平均年間給与 | 約553万円(5,531千円)※第76期・2026年1月期 有報「従業員の状況」提出会社(単体)ベース。賞与・基準外賃金を含む |
| 平均年齢 | 43.0歳(第76期・提出会社ベース) |
| 平均勤続年数 | 19.5年(第76期・提出会社ベース) |
| 従業員数 | 連結973名(臨時従業員 年間平均128名)/提出会社単体639名(同120名) |
| 売上高 | 218億30百万円(2026年1月期・連結)。2027年1月期の会社予想は225億円 |
| 営業利益 | 11億40百万円(2026年1月期・連結。前期13億1百万円から減益) |
| 経常利益・純利益 | 経常11億80百万円/親会社株主に帰属する当期純利益9億54百万円 |
| 離職率・職種別年収 | 有価証券報告書では開示されていない |
| 出典 | 第76期(2026年1月期)有価証券報告書「従業員の状況」/2026年1月期 決算短信/公式IR |
ここで最初に注意したいのが、平均年間給与553万円は「単体639名」だけの数字だという点です。連結973名との差334名は、2023年に子会社化した物流会社ロジテックや2024年に子会社化したベトナム法人など「その他」セグメント側に厚く、その水準は有報では開示されていません。求人票の給与レンジを見るときは、自分がどの法人に所属する求人なのかを必ず確認してください。
求人検索が今も「イムラ封筒」に集まる理由|2023年2月1日の商号変更
この会社を調べるうえで最も実務的に効く事実が、求職者の検索需要がいまだに旧社名「イムラ封筒」に残っていることです。これは体感ではなく、キーワードの実測値に表れています。
- 「イムラ封筒昭島事業所」:月間検索数 約1,000
- 「イムラ封筒相模原工場」:約590
- 「イムラ封筒 求人」:約110
- 「イムラ 相模原工場」(新社名側):約260
- 「株式会社イムラ 評判」(新社名側):約110
旧社名側のほうが件数で圧倒しています。求人サイト・口コミサイト・掲示板の蓄積、そして働いている人・働いていた人の記憶が旧社名に紐づいたままだからだと推定情報として考えられます。転職会議の口コミ233件も、旧社名「イムラ封筒」を含めた集計です。
実務的な含意は明確です。求人情報や口コミを探すときは「イムラ」だけでなく「イムラ封筒」でも検索してください。新社名だけで探すと、蓄積された情報の大半を取りこぼします。とくに工場・事業所単位の勤務環境に関する情報は旧社名側に多く残っています。
商号変更の経緯は、時系列を正確に押さえておく価値があります。公式情報として、2022年1月18日に商号変更・定款一部変更を適時開示し、2022年4月21日の定時株主総会で決議、実際の施行は2023年2月1日付でした。施行日が新事業年度の初日に設定されている点が特徴です。「2022年に社名変更した会社」と説明されることがありますが、決議が2022年・施行が2023年2月であり、正確には2023年2月1日からが「株式会社イムラ」です。同時に英文社名もIMURA ENVELOPE CO.,INC.からIMURA & Co., Ltd.へ変わり、社名から「封筒(ENVELOPE)」の語が消えました。
1962年から60年以上使ってきた社名から主力商品名を外す判断は、それ自体が経営メッセージです。封筒だけの会社ではなくなるという意思表示であり、後述するEC向け紙製包装材への投資と一本の線でつながっています。
イムラの年収は約553万円|有報と口コミ、3系統の数字の読み分け
結論から言うと、イムラの年収を語る数字は3系統あり、それぞれ母集団が違います。混ぜて理解すると判断を誤るため、順に切り分けます。
有価証券報告書ベースの平均年間給与と4期推移
有価証券報告書によると、第76期(2026年1月期)の提出会社(単体)平均年間給与は5,531千円=約553万円です。賞与および基準外賃金を含みます。ここで見逃せないのが直近の推移です。
- 2023年1月期:578万円
- 2024年1月期:580万円
- 2025年1月期:578万円
- 2026年1月期:553万円(前期比 約25万円ダウン)
3期にわたり578〜580万円で高止まりしていたものが、直近1期で約25万円下がりました。より長い目で見ると2014年1月期484万円→2016年541万円→2021年549万円→2023年578万円と、10年スパンでは上昇してきた会社です。つまり長期では上がってきたが、直近で一度下押ししたというのが正確な理解になります。推定情報としては、賞与部分の変動や人員構成の変化が影響した可能性が考えられますが、有価証券報告書に減額の理由は記載されていません。
あわせて押さえるべきは平均年齢43.0歳・平均勤続19.5年という数字です。43歳・勤続19.5年で553万円という組み合わせは、若手のうちから高い水準に届く給与カーブではないことを示唆します(推定情報)。20代・30代前半で高い年収を狙う設計の会社ではない、と読むのが現実的です。
口コミサイトの回答者ベース年収(OpenWork・エン ライトハウス)
口コミ傾向として、社員クチコミサイトの自己申告値は有報より低く出ています。
- OpenWork:回答者ベースの平均年収 約488万円(レンジ300〜680万円/回答者平均年齢34歳)
- エン ライトハウス(カイシャの評判):約452万円(回答者平均年齢36歳)
有報553万円との差は、母集団の違いでかなり説明がつきます。口コミ回答者の平均年齢は34〜36歳で、有報の43.0歳より7〜9歳若い集団です。年功的な給与カーブがある会社では、若い回答者が中心の口コミ平均が全社平均を下回るのは自然な結果と推定情報として考えられます。どちらかが「正しい」のではなく、見ている人が違うだけです。
ただし、OpenWorkの回答者は24人と少数です。個別スコアや平均年収の信頼度はそれほど高くない点は割り引いて読む必要があります。エン ライトハウスは口コミ228件(正社員39名回答)と母数がやや厚いため、複数サイトを突き合わせる読み方が有効です。
職種・役職別の推定レンジと、選考で確認すべきこと
職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。したがって以下はあくまで推定情報です。有報553万円・口コミ452〜488万円・レンジ300〜680万円という3系統から逆算すると、次のような目安が想定されます。
- 製造・オペレーション職(若手〜中堅):350〜480万円程度
- 法人営業・生産管理(中堅):450〜600万円程度
- 管理職・部門長クラス:600〜680万円超
いずれも幅を持った目安であり、内定時の労働条件通知書で必ず確認してください。とくに確認すべきは次の4点です。
- 賞与の実績支給月数:有報の平均年収に賞与が含まれるため、賞与変動が年収を左右する
- 所属法人:単体(イムラ本体)か、子会社(ロジテック等)かで給与体系が異なる可能性がある
- 交代勤務・時間外の有無:工場配属では基準外賃金の比重が変わる
- 昇給の刻み:口コミでは「一定レベルまでは年次とともに上がる」という声がある一方、その先の伸び方に不満の声も見られる

有報の553万円をもらえると思っていいんですか?
そのまま受け取るのは危険です。553万円は平均年齢43.0歳・勤続19.5年の単体639名の平均値であり、中途入社直後の30代がいきなり届く数字ではないと考えるほうが現実的です(推定情報)。むしろ「長く勤めれば550万円台に到達する会社」という時間軸で読むほうが実態に近いと考えられます。
従業員639名・平均勤続19.5年|「辞めないが増えない」人員構造
この会社の人員データは、転職判断に直結する特徴的な形をしています。結論を先に言うと、辞める人が少ない一方で、全体の人数は着実に減っているという二重構造です。
まず定着面。有価証券報告書によると平均勤続年数は19.5年です。推移も安定的で、2021年1月期16.5年→2022年19.2年→2025年19.8年→2026年19.5年と、この5年で3年分伸びています。製造業のなかでも長期勤続が際立つ水準であり、短期離職が常態化している組織ではないことが数字から読み取れます。平均年齢も40.3歳(2021年1月期)→42.4歳(2024年)→43.0歳(2026年)と一貫して上昇しています。
一方で人員規模です。提出会社(単体)の従業員数は次のように推移しています。
- 2014年1月期:814名
- 2018年1月期:783名
- 2020年1月期:802名
- 2022年1月期:760名
- 2023年1月期:717名
- 2024年1月期:664名
- 2025年1月期:649名
- 2026年1月期:639名
2020年1月期の802名から6期で約163名、約20%減少しています。これは有価証券報告書に記載された事実です。ただし同社が人員削減施策を公表した事実は確認できていないため、リストラによる減少と断定することはできません。定年退職者に対する新規採用の抑制、業務の子会社移管、自然減の積み上がりなど複数の要因が考えられます(推定情報)。実際、連結973名と単体639名の差334名は物流子会社ロジテックやベトナム子会社を含む「その他」セグメント側に厚く、単体の減少の一部がグループ内の配置替えで説明される可能性もあります。
セグメント別の人員内訳(連結・第76期)は次のとおりです。
- パッケージソリューション事業:541名
- メーリング&デジタルソリューション事業:136名
- その他:267名
- 全社(共通):29名
単体では、パッケージ474名・メーリング&デジタル136名・全社29名。つまり単体の人員のほぼ4分の3が封筒・紙製品を作る本業側にいる構造です。転職先としてどのセグメントに入るかで、社内での立ち位置も見える景色も変わります。
この「平均勤続19.5年 × 6期で2割減」という組み合わせを転職検討者としてどう読むか。推定情報として言えるのは、既存社員にとっては居心地がよく定着しやすい環境である可能性が高い一方、組織のポスト構成は上が詰まりやすく、中途入社者が短期で大きな裁量を得るタイプの会社ではない可能性がある、ということです。ここは面接で「直近3年の中途採用実績」「配属部署の年齢構成」を具体的に確認する価値があります。
勤務地マップ|大阪・東京の二本社と全国の生産・メーリング拠点
イムラを検索する求職者が実際に最も多く調べているのは、意外にも年収でも評判でもなく勤務地です。「イムラ封筒昭島事業所」約1,000件、相模原工場関連が合計約850件と、拠点名での検索が突出しています。転勤・配属の不確実性が最大の関心事になっているのだと推定情報として読めます。
公式情報として、主な拠点は次のとおりです。
- 大阪本社(本店・登記上の本社):大阪府大阪市中央区難波五丁目1番60号 なんばスカイオ18階
- 東京本社:東京都港区芝浦一丁目2番3号 シーバンスS館10階
- 奈良新庄工場(奈良県葛城市):主力工場。第2工場が2026年操業開始
- 御所工場(奈良県御所市/1982年操業)
- 相模原工場(神奈川県相模原市中央区/1962年操業)
- 筑波工場(茨城県常総市/1985年操業)
- 都城工場(宮崎県都城市/1974年操業)
- 昭島メーリングセンター(東京都昭島市)
- 関西メーリングセンター(奈良県葛城市)
- 営業拠点:札幌・名古屋・福岡ほか
ここから読み取れる転職判断上のポイントは3つです。
第一に、大阪・東京の二本社制です。登記上の本店は大阪ですが、東京本社も実体を持つ拠点であり、本社機能・営業職では東西いずれの配属もあり得ます。関西出身者が東京勤務になる、あるいはその逆のケースが構造的に起こり得ると推定情報として考えられます。
第二に、生産拠点の地理的な広がりです。奈良(葛城市・御所市)、神奈川(相模原)、茨城(常総)、宮崎(都城)と、西日本と東日本、さらに九州にまたがっています。とくに宮崎・都城工場と首都圏拠点の距離は大きく、製造・生産管理職では配属地の落差が生活設計に直結します。
第三に、メーリングセンターという別種の職場があることです。昭島(東京)と関西(奈良)のメーリングセンターは、封筒を作る工場ではなく、DMのデータ処理・封入封緘・発送を担うオペレーション拠点です。求められるスキルも管理指標も製造ラインとは異なります。昭島事業所の検索数が突出して多いのは、首都圏という立地に加え、この職場特性への関心があるからだと推定情報として考えられます。
選考では「初期配属の候補地」「転勤の頻度と範囲(全国/エリア限定の別)」「メーリングセンター配属の可能性」を具体的に確認してください。求人票に配属地が1カ所しか書かれていない場合でも、将来の異動範囲は別途確認する価値があります。
口コミ傾向とコンプライアンス|法令順守4.2と成長環境2.4の落差
口コミ傾向として、イムラの評価は項目ごとの落差が非常に大きいのが特徴です。総合点だけを見ると平均以下ですが、内訳を見ると評価される部分とされない部分がはっきり分かれています。
OpenWork(総合2.98/5.0)の項目別スコアは次のとおりです。
- 法令順守意識:4.2(最高評価)
- 待遇面の満足度:3.1
- 風通しの良さ:2.9
- 20代成長環境:2.4
- 人材の長期育成:2.3(最低評価)
あわせて、回答者ベースの月間残業22.3時間、有給消化率61.0%という数字も出ています。ただし回答者は24人と少なめで、個別スコアの信頼度は高くありません。参考値として扱ってください。
エン ライトハウス(カイシャの評判、口コミ228件・総合2.8点/正社員39名回答)でも、同じ形の落差が出ています。
- 休日・休暇の満足度:80%(高い)
- 職場の人間関係:70%(高い)
- 年収・給与の納得度:55%
- 会社の成長性・将来性:2.5
- 実力主義:2.4/活気のある風土:2.4
- 経営陣の手腕:2.3(低い)
残業は月27時間という回答です。転職会議は旧社名「イムラ封筒」を含めて233件が蓄積されています。
2サイトを重ねると、輪郭は一貫しています。休みは取りやすく人間関係は穏やか、法令順守もしっかりしている老舗。ただし給与は伸びにくく、業界縮小への危機感から将来性や経営陣への評価は厳しい——縮小市場のニッチトップ企業に典型的な口コミ像です。平均勤続19.5年という定着の良さと、休日・人間関係の高評価は整合しており、逆に「20代成長環境2.4」「人材の長期育成2.3」は、若手が成長実感を得にくいという声が一定数あることを示していると推定情報として読めます。
行政処分・談合事案との関係で確認できたこと
法令順守意識4.2という口コミ評価に関連して、外形的な事実も確認しておきます。データプリント・封筒業界では、公正取引委員会が令和4年(2022年)3月3日に、日本年金機構が発注する案件をめぐって26社の独占禁止法違反を認定し、25社に排除措置命令、24社に課徴金計約17.4億円を命じた事案がありました。
この事案について、公正取引委員会が公表した別表PDFを取得してテキスト抽出のうえ照合したところ、イムラ封筒/イムラの社名は確認できませんでした。ただし当該PDFには文字化けを含む箇所があるため、100%の断定はできません。書けるのは「公正取引委員会の公表資料で確認できる範囲では、イムラの社名は見当たらなかった」というところまでです。なお、イムラ本体に関するその他の行政処分・重大な係争は確認できませんでした。
業績の現在地|売上218億円と、新工場56億円の減価償却
転職判断で最も注意深く読むべきなのが、この会社の業績の「いま」です。結論から言うと、売上は回復しているが、利益は投資負担で一時的に大きく圧迫されている局面にあります。
決算短信によると、2026年1月期(第76期)の連結業績は売上高218億30百万円、営業利益11億40百万円、経常利益11億80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億54百万円でした。売上高の長期推移は次のとおりです。
- 2020年1月期:234.2億円(直近のピーク)
- 2021年1月期:212.3億円
- 2022年1月期:202.3億円(直近のボトム)
- 2023年1月期:217.3億円
- 2024年1月期:208.6億円
- 2025年1月期:209.0億円
- 2026年1月期:218.3億円
- 2027年1月期(会社予想):225億円
コロナ前の234億円をピークに200〜220億円のレンジで推移しており、急拡大も急収縮もしていません。直近10期は営業赤字がなく、継続企業の前提に関する注記(GC注記)も確認できませんでした。この点は財務の安定性としてプラスに評価してよい材料です。
一方、利益は局面が変わりつつあります。営業利益は2023年1月期の14.2億円をピークに、2024年13.1億円→2025年13.1億円→2026年11.4億円と減少しています。そして注目すべきは2027年1月期第1四半期(2026年2〜4月)の数字です。
- 売上高:55億23百万円(前年同期比 ▲2.1%)
- 営業利益:2億36百万円(同 ▲53.8%)
- 純利益:1億42百万円(同 ▲68.5%)
さらに2027年1月期通期の純利益予想は4億60百万円で、前期の9億54百万円から半減以下の見通しです。これは求職者が知っておくべき重要な情報です。
ただし、この減益の性格を誤読しないでください。会社側は新工場稼働に伴う減価償却費の負担増を主因と説明しています。同社は奈良県葛城市に約56億円を投じてEC向け紙製包装材の新工場(奈良新庄第2工場)を建設しました。敷地22,668㎡、延床14,282.44㎡の鉄骨造2階建で、2024年9月着工・2025年12月完成・2026年操業開始。従来の緩衝封筒(いわゆるプチプチ封筒)比で約3分の1の薄さ、不在時も郵便受けに投函でき、リサイクル可能な紙素材という製品です。
つまり、売上高予想は225億円へ増収を見込みながら、利益だけが投資の償却負担で落ちるという構図です。売上が崩れて赤字化しているのではありません。推定情報として、この投資が計画どおりEC向け紙製包材の受注に結びつけば利益は回復に向かい、結びつかなければ償却負担だけが残る、という分岐点にあると考えられます。転職検討者にとっては、賞与原資や昇給余地が当面タイトになる可能性を織り込んでおくのが現実的です。
セグメント別(2026年1月期・連結)では、パッケージソリューション事業が売上151億円(+0.6%)・営業利益10.0億円(▲15.8%)、メーリング&デジタルソリューション事業が売上45.5億円(+12.8%)・営業利益2.81億円(+82.5%)、その他が売上21.8億円(+17.3%)・営業損失1.79億円でした。主力のパッケージ事業は増収減益、メーリング事業は大幅増益、その他は2期連続の営業赤字で赤字幅が拡大しています。
封筒業界の構造変化|郵便料金値上げが数字に出た1期
イムラの将来性を考えるうえで、業界の構造変化は避けて通れません。ただし「ペーパーレスだから厳しい」という一般論では判断材料になりません。ここでは、業界の変化が実際にイムラの数字のどこに、どれだけ出たかを具体的に見ます。
前提となる業界環境は3つです。
- 郵便物の減少:日本郵便の2025年度の引受総物数は160億5,332万通で前年比5.0%減、うち郵便物は117億5,103万通で6.5%減。減少ペースはむしろ加速しています
- 請求書・通知物の電子化:Web明細への切替が金融・通信・公共という封筒の主要需要先で進行中
- 郵便料金の値上げ:2024年10月に定形郵便物が84円→110円、通常はがきが63円→85円へと約30年ぶりの大幅改定。DM発送費用の相場は改定前比で2〜3割上昇しました
この3つ目が、イムラの決算に極めてはっきりと出ています。メーリング&デジタルソリューション事業のセグメント業績を並べると一目瞭然です。
- 2024年1月期:売上43.4億円/営業利益3.23億円
- 2025年1月期:売上40.3億円(▲7.0%)/営業利益1.54億円(▲52.3%)
- 2026年1月期:売上45.5億円(+12.8%)/営業利益2.81億円(+82.5%)
2024年10月の料金改定を挟んだ2025年1月期に、DM事業の営業利益が1期で半減しました。制度変更が企業業績を直撃した稀有な実例です。そして翌2026年1月期には売上・利益とも回復しています。この回復の意味も重要で、単価上昇に対して顧客が発送部数を絞り込み、レスポンスの高いセグメントだけに送る運用へ移行したことで、DMが「大量に撒く媒体」から「効果を測って絞る媒体」へ性格を変えたという業界的な流れと整合します。
この変化は、転職者にとってはむしろ機会になり得ます(推定情報)。単価交渉と物量確保だけの営業ではなく、費用対効果をデータで示せる提案力が受注の決め手になっているためです。リスト精査・レスポンス分析・デジタル併用の設計ができる人材は、マーケティング寄りの経験を武器に評価されやすいと考えられます。
もう一方の柱がパッケージ側の転換です。紙・パルプ業界では印刷用紙の需要減で設備集約が続く一方、EC需要と脱プラを追い風に紙製包装は成長分野です。イムラの56億円の新工場投資、2023年の物流子会社ロジテック取得、2024年のベトナム法人子会社化は、いずれも「封筒屋からEC・パッケージ・物流へ」という一本の線で説明できます。社名から「封筒」を外した2023年2月の商号変更も、この線上にあります。
ただし、この転換が成功するかどうかは現時点では未確定です。「その他」セグメントは2期連続の営業赤字で赤字幅が拡大しており、新規領域が収益化するには時間がかかっている状況が数字に出ています。封筒という主力の市場が縮小トレンドにあることも事実です。会社の将来性を評価する際は、「縮む本業のキャッシュで新領域を育てられるか」という一点に集約して見るのが実務的だと考えられます(推定情報)。
転職先候補としての比較|近接する上場企業との位置づけ
イムラを検討する人が実際に併願しやすい、事業領域の近い上場企業と並べて整理します。年収は各社の有価証券報告書ベースを目安とした推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。
| 企業名 | 領域の近さ | 規模感(売上) | 転職先としての性格 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| イムラ(3955) | —(本記事の対象) | 218億円 | 封筒シェア国内トップ級。長期勤続型、EC紙包材へ転換途上 | ニッチトップで腰を据えて働きたい人 |
| TOPPANエッジ(TOPPANホールディングス傘下) | メーリング・BPOで最大の競合 | イムラを大きく上回る | データプリント・BPOの最大手。大規模案件と分業体制 | 大手の仕組みのなかで専門性を深めたい人 |
| 共同印刷(7914) | DM・情報系印刷で競合 | イムラを上回る | 総合印刷。事業領域が広く配属の幅が大きい | 印刷を軸に複数領域を経験したい人 |
| ナカバヤシ(7987) | 紙加工・データプリント | イムラを上回る | アルバム・事務用品から情報処理まで幅広い | BtoCとBtoB両方に関わりたい人 |
| トーモク(3946) | 段ボール・紙器パッケージ | イムラを大きく上回る | 段ボール大手。EC・物流需要の恩恵を受けやすい | 成長する紙パッケージ領域に賭けたい人 |
この並びから見えるイムラの位置づけは明確です。規模では上位4社に及ばないが、封筒という特定カテゴリでは国内トップ級という構図です。大手の分業体制のなかで一部工程を極めるキャリアと、小さめの組織で封筒からDM・EC包材まで幅広く関わるキャリアのどちらを望むかが、選択の分かれ目になります(推定情報)。業界外への出口も、オーダーメイド品の仕様調整と原価管理の経験は紙器・段ボールメーカーや包装資材商社へ、メーリング側の顧客リスト運用・封入封緘オペレーション設計・レスポンス分析の経験はBPO事業者や発送代行、ダイレクトマーケティング支援会社へと横展開しやすい経験です。
イムラへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。判断材料は「給与カーブの形」「定着率の高さ」「投資局面の利益圧迫」「配属地の広がり」の4点に集約されます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 腰を据えて長く働きたい人(平均勤続19.5年の定着環境) | 3〜5年で年収を大きく引き上げたい人(43歳平均で553万円の水準) |
| 休日・人間関係の安定を重視する人(休日満足度80%・人間関係70%) | 実力主義の評価で早く抜擢されたい人(実力主義2.4の評価) |
| 縮小市場でシェアを守り抜く仕事に意義を感じる人 | 市場全体の成長に乗って伸びたい人 |
| オーダーメイド品の仕様調整・工程改善などすり合わせ型の実務が得意な人 | 体系化された研修・育成プログラムを求める人(人材の長期育成2.3) |
| EC紙包材・DMのデータ活用など新領域の立ち上げに関わりたい人 | 配属地が限定されないと生活設計が立たない人(奈良〜宮崎〜首都圏に分散) |
| 財務の安定(直近10期営業赤字なし)を前提条件にしたい人 | 短期の業績モメンタムを重視する人(2027年1月期は純利益半減見通し) |
イムラへの転職|編集部の見解
編集部の見解として、イムラは「安定を買う会社」であって「成長を買う会社」ではないと整理するのが実態に近いと考えられます。
プラス面は具体的です。封筒という特定カテゴリで国内トップ級のシェアを持ち、業界で唯一の上場企業という参入障壁のあるポジション。直近10期に営業赤字がなくGC注記も見当たらない財務。平均勤続19.5年という定着環境と、休日・人間関係に対する口コミの高評価。これらは働く環境の下地としては堅いと言えます。
一方で、慎重に見るべき点も同じくらい明確です。平均年間給与が直近1期で約25万円下がったこと。単体従業員数が6期で約20%減っていること(人員削減施策の公表は確認できていないため、理由は断定できません)。2027年1月期の純利益予想が前期比半減以下であること。これらを踏まえると、若手が短期で処遇と裁量を伸ばす設計にはなっていない可能性が高いと考えられます。
総合すると、紙・パッケージ業界で長く働く前提のキャリアを描いていて、腰を据えた環境と業界内での確かなポジションを重視する人にはおすすめできる会社です。逆に、年収の伸び幅とスピードを最優先する人、成長市場でのキャリア形成を望む人には、比較表に挙げた規模の大きい同業や成長領域の企業を並行して検討することをおすすめします。
イムラに関するよくある質問
イムラへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。
「イムラ封筒」と「イムラ」は同じ会社ですか?
同じ会社です。公式情報として、株式会社イムラ封筒は2023年2月1日付で商号を株式会社イムラへ変更しました。2022年1月18日に商号変更を適時開示し、2022年4月21日の定時株主総会で決議、施行が2023年2月1日という順序です。求人・口コミの情報は旧社名側に多く蓄積されているため、調べる際は両方の社名で検索することをおすすめします。
奈良の注文住宅「木の家イムラ」とは関係がありますか?
関係ありません。奈良県の注文住宅工務店「木の家イムラ(株式会社イムラ/imura-k.com)」は、証券コード3955の封筒メーカーとはまったくの別法人です。「イムラ 評判」で検索すると工務店側のページが多数表示されるため、混同しやすい点に注意してください。井村屋グループ(2209)も無関係です。
イムラの平均年収はいくらですか?
有価証券報告書によると、第76期(2026年1月期)の提出会社(単体)平均年間給与は約553万円です(賞与・基準外賃金を含む、平均年齢43.0歳)。口コミ傾向としてはOpenWorkの回答者平均が約488万円、エン ライトハウスが約452万円ですが、回答者の平均年齢が34〜36歳と若く、母集団が異なる点に注意が必要です。
転勤や工場配属の可能性はどのくらいありますか?
拠点が大阪本社・東京本社に加え、奈良(葛城市・御所市)、神奈川(相模原)、茨城(常総)、宮崎(都城)、東京(昭島メーリングセンター)に分散しているため、職種によっては広域の異動があり得ると推定情報として考えられます。転勤の頻度・範囲は有価証券報告書では開示されていないため、選考時に「初期配属の候補地」「エリア限定制度の有無」を直接確認してください。
業績が悪化しているという話を見かけますが、大丈夫ですか?
2027年1月期第1四半期は営業利益が前年同期比▲53.8%、通期の純利益予想も前期比半減以下ですが、会社側は新工場稼働に伴う減価償却費の負担増を主因としています。同期の売上高は通期予想225億円と増収見通しで、直近10期に営業赤字はなく、継続企業の前提に関する注記も確認できませんでした。売上が崩れて赤字化している状況ではないという点は押さえておくべきです。ただし、当面は賞与原資や昇給余地がタイトになる可能性があると推定情報として考えられます。
中途採用で評価されやすい経験は何ですか?
推定情報ですが、業界構造から次の3系統が考えられます。第一に、オーダーメイド封筒の仕様調整・短納期対応を支える生産管理・工程改善の経験。第二に、DMの費用対効果をデータで示せる提案営業・マーケティング支援の経験。第三に、顧客リスト管理や封入封緘オペレーションを支えるデータ処理・システム開発の経験です。とくにメーリング&デジタル領域は個人情報を大量に扱うため、情報セキュリティ運用の経験も評価対象になり得ます。
イムラへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報ベース約553万円(平均年齢43.0歳)。直近1期で約25万円ダウン。長期では上昇してきた |
| 定着・働きやすさ | 平均勤続19.5年。休日満足度80%・人間関係70%と口コミ評価も高い |
| 成長環境 | 20代成長環境2.4・人材の長期育成2.3と口コミ評価は低め。体系的な育成を求める人には物足りない可能性 |
| 財務の安定性 | 直近10期に営業赤字なし・GC注記も確認できず。売上は200〜220億円で横ばい圏 |
| 短期の業績 | 2027年1月期は新工場の減価償却で純利益予想が前期比半減以下。当面の処遇には慎重な見方が必要 |
| 事業の将来性 | 封筒市場は縮小トレンド。EC紙包材・DM高度化・海外への転換が進行中だが、その他セグメントは2期連続営業赤字 |
| 勤務地リスク | 大阪・東京の二本社+奈良・相模原・常総・都城・昭島。配属地の落差が大きい |
| コンプライアンス | 口コミの法令順守意識4.2。業界の談合事案でも社名は確認できなかった(公表資料で確認できる範囲) |
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
数値の一次情報は、第76期(2026年1月期)有価証券報告書「従業員の状況」、2026年1月期決算短信、2027年1月期第1四半期決算短信、公式サイトの会社概要・事業所紹介・沿革に基づきます。談合事案については公正取引委員会 令和4年3月3日の報道発表および別表資料を参照しました。郵便物数は日本郵便の公表資料に基づきます。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第76期(2026年1月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミサイトのスコアは回答者数が少ない場合に信頼度が下がるため、回答者数を併記しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
