企業

野崎印刷紙業の年収523.9万円は実態に近い|京都第二工場と評判をデータで検証

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 平均年収:有価証券報告書で523.9万円(第86期・単体377名)
  • 数字の信頼度:連結422名に対し単体カバー率89%と高い
  • 勤務地:本社は京都市北区、主力生産は京都市南区の京都第二工場
  • 事業の中身:売上の56%が包装資材・紙器、商業印刷は8%

野崎印刷紙業株式会社(証券コード7919・東証スタンダード市場)を調べている人の検索は、「評判」や「年収」よりも先に「京都第二工場」「本社」といった勤務地に集まります。つまり、この会社に関心を持つ人の多くは「京都で働ける印刷・パッケージ会社を探している」層です。この記事では、第86期(2026年3月期)有価証券報告書の実額を軸に、勤務地の実態・平均年収523.9万円の代表性・売上構成・5期の業績推移を順に整理します。とくに有報の平均年収が実態とどれだけ近いかという論点では、同じ印刷クラスタの持株会社と比較することで、この会社の数字がなぜ信頼できるのかを具体的に示します。

野崎印刷紙業の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数字を一覧にします。以下はすべて公式情報で、第86期(2025年4月1日〜2026年3月31日)有価証券報告書および2027年3月期第1四半期決算短信にもとづきます。人事データは提出会社(単体)、業績は連結の数値です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名野崎印刷紙業株式会社(証券コード7919)
上場市場東京証券取引所スタンダード市場(2022年4月に東証一部から移行)
本社所在地京都市北区小山下総町54番地の5
創業・設立1868年(明治元年)創業/1932年 合資会社野崎商店設立/1962年 現商号へ
代表者代表取締役社長 野﨑 隆男
平均年間給与523.9万円(5,239千円・前事業年度比3.0%増/賞与および基準外賃金を含む)
平均年齢47.5歳
平均勤続年数21.2年
従業員数連結422名(臨時39名は外数)/提出会社単体377名(臨時29名は外数)
売上高140億16百万円(連結・前期比3.8%減)
営業利益5億16百万円(連結・前期比25.2%減)
経常利益/当期純利益5億70百万円(24.0%減)/3億59百万円(31.2%減)
財務指標自己資本比率43.51%、ROE7.95%、配当性向38.77%(年間配当7.5円)
翌期予想2027年3月期 売上高146億50百万円(4.5%増)・営業利益7億26百万円(40.6%増)
出典第86期(2026年3月期)有価証券報告書/2027年3月期第1四半期決算短信

勤務地から見る野崎印刷紙業|京都第二工場と全国拠点の配置

この会社を検索する人が最も多く入力しているのは「京都第二工場」です。先に結論を書くと、本社と主力生産拠点は同じ京都市内でも別の区にあり、さらに生産拠点は関東・東北にも分かれています。「京都の会社だから京都で働ける」と考えて応募すると、配属で想定が崩れる可能性があります。ここを最初に押さえておくと、求人票や面接で確認すべきことがはっきりします。

本社は京都市北区、主力工場は京都市南区

有価証券報告書によると、本店・本社は京都市北区小山下総町54番地の5です。一方、検索需要が最も大きい京都第二工場は京都市南区にあり、本社とは別の場所です。北区の本社は管理・営業機能、南区は生産・物流機能という役割分担になっており、同じ市内でも通勤経路はまったく変わります。有報「主要な設備の状況」では、京都地区に京都第二工場を含む複数の工場と、京都物流センター(京都市南区)が記載されています。求人を見るときは「京都勤務」ではなく「北区か南区か」まで確認することをおすすめします。

また、連結子会社4社のうち旭ラベル株式会社(出資100%・特定子会社)とフェニックス電子株式会社(71.5%)は京都市北区、早和製本株式会社(97.0%)は京都市南区、株式会社ツバサ製作所(59.0%)は京都府京丹後市に所在します(公式情報)。京都府内で完結するキャリアを望む人にとって、グループ内に複数の受け皿がある点は現実的な安心材料になります。

関東工場(埼玉県鴻巣市)・東北工場(宮城県柴田郡川崎町)という転勤の現実

有価証券報告書に記載されている生産拠点は、京都地区のほかに関東工場(埼玉県鴻巣市)と東北工場(宮城県柴田郡川崎町)があります。物流拠点も、東京物流センターが埼玉県鴻巣市、東北物流センターが宮城県柴田郡川崎町に置かれています。従業員422名(連結)の会社が3つの地域に生産機能を持っている構造なので、生産・生産管理・品質保証といった職種では、京都以外への異動が現実的な選択肢として存在します(推定情報)。

これは弱点というより設計思想の問題です。包装資材や紙器は容積が大きく輸送コストが効くため、需要地の近くで生産する体制は合理的です。裏を返せば、「顧客の近くで作る」という事業構造が続く限り、地域分散した拠点配置も続くと考えられます。転勤の可否は個人の生活設計を直撃するため、応募前に「配属拠点の候補」「転勤の頻度と範囲」を必ず確認しておきたいところです。

営業拠点は札幌から広島まで|営業職は全国が対象になる

営業拠点は、仙台支店(仙台市青葉区)ほか3営業所、東京支店(東京都豊島区)ほか1営業所、大阪営業所(大阪市福島区)ほか3営業所が有価証券報告書に記載されています。サジェストにも「仙台」「大阪営業所」「札幌」「広島」「福岡」といった地名が並んでおり、営業職を検討する人が勤務地から調べている様子がうかがえます。連結の部門別人員は工場部門201名・販売部門75名・全社共通146名(第86期・連結)で、人数構成上も生産が中心の会社です。販売部門75名で全国の拠点を担当していることになるため、一人あたりのカバー範囲は広いと考えられます(推定情報)。

平均年収523.9万円の信頼度|単体377名・連結422名というカバー率89%

結論から書くと、野崎印刷紙業の有報年収は「実態に近い数字」として読める珍しいケースです。上場企業の有価証券報告書に載る平均年間給与は提出会社(単体)の数値なので、グループの大半が子会社にいる会社では実態とかけ離れます。この会社はその心配が小さい構造になっています。年収の見方を、公式数値→代表性→口コミとの差の順で整理します。

有報の実額と対象期をまず確認する

第86期有価証券報告書「従業員の状況」によると、平均年間給与は5,239千円(約523.9万円)、前事業年度比3.0%増です。基準日は2026年3月31日で、賞与および基準外賃金を含みます。同時に開示されている平均年齢は47.5歳、平均勤続年数は21.2年です。これらはすべて公式情報であり、口コミサイトの推計値ではありません。

ここで重要なのは、523.9万円が「47.5歳の人の年収」だという点です。平均年齢47.5歳・平均勤続21.2年という構成から逆算すると、平均的な社員は26歳前後で入社して20年以上在籍している計算になります(推定情報)。新卒入社中心で長く勤める人が多い組織像が浮かび、20代・30代で中途入社した場合の提示額は、この平均より下に来る可能性が高いと考えられます。

持株会社型との決定的な違い|カバー率89%という強み

有報年収の信頼度は「単体従業員数 ÷ 連結従業員数」で機械的に測れます。野崎印刷紙業は単体377名/連結422名なのでカバー率は約89%。同じ印刷・情報関連クラスタで比較すると、この数字の意味がはっきりします。

企業名有報の平均年間給与単体/連結従業員数カバー率数値の読み方
野崎印刷紙業(7919)523.9万円377名/422名約89%グループ実態にほぼ一致する
共同印刷(7914)671万円1,912名/3,136名約61%子会社1,224名は含まれない
NISSHA(7915)741万円724名/5,305名約14%連結の大半が数字の外側
TAKARA & COMPANY(7921)893万円(41名の持株会社単体)41名/1,245名約3%現場実態とは大きく異なる

TAKARA & COMPANYの893万円は、純粋持株会社である提出会社41名だけの数字です。連結1,245名に対して約30倍の人数差があり、口コミベースの実勢(450万〜520万円台)とは約400万円の開きがあります。同じ「有報の平均年収」でも、会社の器の作り方ひとつで意味がまったく変わるのです。その点、野崎印刷紙業は純粋持株会社ではなく製造・販売を自ら行う事業会社で、単体に9割近い従業員が在籍しています。523.9万円という数字を額面どおり比較材料に使える数少ない会社と言えます。

求職者
求職者

有報の平均年収って、どこまで信じていいんですか?

判断基準はシンプルで、「単体従業員数が連結に近いか」を見ることです。野崎印刷紙業のように9割近ければ実態に近く、持株会社で数十名しかいない場合は経営中枢だけの数字になります。求人を比較するときは、金額そのものより先にこのカバー率を確認すると、見かけの高年収に振り回されずに済みます。

口コミベースの年収と有報の差をどう解釈するか

口コミ傾向として、エン カイシャの評判では「35歳・約330万円」という回答ベースの数値が掲載されています。有報の523.9万円との差は約190万円ですが、これは矛盾ではなく年齢構成と回答者の職種偏りで説明がつく差です(推定情報)。有報は47.5歳・勤続21.2年の全社平均、口コミは35歳前後の回答者が中心で、しかも回答者数は正社員26名にとどまります。

実務的な読み方はこうです。入社時の提示額は口コミ側の水準に近く、長く在籍した先の到達点が有報側に近いと考えるのが自然です(推定情報)。年功的な積み上がりが効く組織では、中途入社直後の年収と社内平均のギャップが大きくなります。面接では「同職種・同年代のモデル年収」と「昇給の実績レンジ」を具体的に聞き、内定時は労働条件通知書で賞与の算定方法まで確認しておきましょう。

社名は「印刷紙業」でも商業印刷は8%|売上構成で見る仕事の中身

入社後に担当する仕事を知るうえで、売上構成は求人票より正直です。結論として、この会社は「印刷会社」というより「パッケージとラベルの会社」です。連結セグメントは「印刷事業」の単一ですが、有価証券報告書の事業部門別内訳を見ると重心がはっきりします。

事業部門第86期売上高構成比主な製品
包装資材及び紙器・紙工品79億9百万円約56%包装紙、紙袋、紙器、軟包装、ビジネスフォーム
情報機器及びサプライ品44億40百万円約32%タグ・ラベル・シール、バーコードプリンター、カードプリンター
商業印刷11億26百万円約8%カタログ、パンフレット、DM、ポスター、高級美術印刷、カレンダー
その他5億39百万円約4%キャリーバッグ、チケットパック等

注目すべきは第2の柱です。情報機器及びサプライ品には、タグやラベルといった消耗品だけでなく、バーコードプリンター・フルカラーカードプリンターという機械そのものが含まれます。子会社の株式会社ツバサ製作所が製造、フェニックス電子株式会社が販売を担う体制で、印刷会社でありながらハードウェアを自社グループで作って売っているという珍しい構造です(公式情報)。

これは転職判断に直結します。印刷業界の共通課題である紙需要の縮小に対し、この会社の売上の約9割はパッケージ(モノを包む需要)とラベル・機器(モノを識別する需要)に乗っています。出版・新聞・商業印刷を主力にする会社とは、受ける逆風の性質が違うということです。一方で、デザインやカタログ制作といった「印刷らしい仕事」を期待して入ると、実際の主戦場は紙器・軟包装や機器販売だった、というギャップが起こり得ます(推定情報)。応募前に、自分がやりたい仕事が売上56%側なのか8%側なのかを見極めることが重要です。

業績5期推移と2027年3月期の回復予想|減益の中身を分解する

第86期は減収減益でした。ただし数字を分解すると、需要が崩れたというよりコストと一時的な投資が利益を圧縮した年という姿が見えてきます。まず売上の推移を確認します。

決算期連結売上高前期比
第82期(2022年3月期)130億83百万円—
第83期(2023年3月期)134億37百万円約2.7%増
第84期(2024年3月期)141億57百万円約5.4%増
第85期(2025年3月期)145億70百万円約2.9%増
第86期(2026年3月期)140億16百万円3.8%減

5期を通して見ると、第82期の130億83百万円から第86期の140億16百万円へ約7%増えています。直近期は減収ですが、5期トレンドとしては横ばいから微増というのが実像です(公式情報にもとづく編集部の集計)。

利益面では、第86期の営業利益5億16百万円は前期比25.2%減、経常利益5億70百万円が24.0%減、当期純利益3億59百万円が31.2%減と、減益幅が売上の減少率より大きくなりました。会社は減益要因として、原材料価格の高止まり/賃上げ等による人件費増/工場設備の修繕工事増/IT機器の全面更新に伴う製造原価上昇を挙げています。このうち修繕工事とIT機器更新は毎期発生する性質のものではないため、翌期に剥落する可能性があります(推定情報)。

実際、2027年3月期の会社予想は売上高146億50百万円(4.5%増)・営業利益7億26百万円(40.6%増)で、第1四半期は売上高36億58百万円(2.5%増)・営業利益2億38百万円(前年同期比71.5%増)と、通期予想に対して順調な滑り出しになっています。営業利益率で見ると第86期の3.7%が翌期予想では約5.0%まで戻る計算です。

財務の安全性についても触れておきます。自己資本比率は43.51%、ROEは7.95%で、直近5期はいずれも黒字、継続企業の前提に関する注記(GC注記)も付されていません。ただし第82期は経常利益1億43百万円・当期純利益10百万円と実質的にほぼ収支均衡の水準でした。設備投資が年10億円規模と重く、第86期は長期借入8億円・短期借入の純増7.2億円を実施しています。設備産業らしく、利益が投資と原材料市況に振られやすい構造であることは、入社後の賞与の変動を考えるうえで前提にしておきたい点です(推定情報)。

会社自身も有価証券報告書「事業等のリスク」で、(1)価格競争による受注価格の低下、(2)原紙価格上昇の価格転嫁が困難であること、(3)情報機器在庫の陳腐化を重要リスクとして明示しています。加えて商業印刷部門はカタログの隔年制作サイクルに業績が左右されると説明されており、部門単位では受注に周期性があります。これらは会社が自ら開示している公式情報であり、外部の憶測ではありません。

野崎印刷紙業の評判・口コミ傾向|回答者8〜26名という母数を前提に読む

先に前提を共有します。この会社の口コミは母数が小さく、平均点を額面どおり受け取るのは適切ではありません。OpenWorkの回答者は8名、エン カイシャの評判の正社員回答者は26名(口コミ総数114件)にとどまります。数名の投稿でスコアが大きく動く規模なので、点数より「どのテーマに声が集まっているか」を見るほうが実用的です。

スコアと回答者数を並べて確認する

口コミ傾向として、媒体別の状況は次のとおりです。OpenWorkは総合2.85/5(回答者8名)で、待遇面の満足度・20代成長環境・人事評価の適正感・風通しの良さがいずれも2.8前後。月平均残業は23.4時間、有給消化率は59.6%と記録されています。エン カイシャの評判は総合2.1/5(正社員回答26名)で、項目別では「会社の成長性・将来性」1.8、「経営陣の手腕」「仕事を通じた社会貢献」1.7が低めです。納得度は給与41%・勤務時間45%・休日53%。このほか転職会議に73件、就活会議に63件の投稿があります。

スコアは全体に辛口ですが、回答者8名という母数で「この会社はこうだ」と一般化することはできません。同時に、投稿が少ないこと自体が、在籍者の情報発信量が少ない=外から実態が見えにくい会社であることを示しています。

ネガティブとポジティブの両面を分けて読む

投稿内容を分類すると、傾向は次のように整理できます(いずれも口コミ傾向であり断定ではありません)。

  • 厳しめの声が集まるテーマ:給与水準への納得感、昇給ペース、成長性・将来性への評価、年功的で意思決定が保守的という指摘
  • 相対的に評価される点:月平均残業23.4時間という水準、極端な長時間労働の投稿が中心テーマになっていないこと、定着率の高さ
  • 数字が裏づける点:平均勤続21.2年という有報の実額は、長く勤める人が多いという投稿傾向と整合的です

老舗の中堅メーカーで見られやすい「安定はしているが、処遇と成長実感には物足りなさが出る」という構図に近いと考えられます(推定情報)。腰を据えて長く働きたい人と、短期間で年収を大きく伸ばしたい人とで、評価が正反対になりやすい会社です。

働き方と人的資本KPI|勤続21.2年・男性育休100%と、残る課題

働き方は口コミだけで判断せず、有価証券報告書の人的資本KPIと突き合わせると精度が上がります。第86期・提出会社ベースの開示は次のとおりです(公式情報)。

指標数値読み取り
平均勤続年数21.2年上場中堅企業としてはかなり長い。定着は強み
平均年齢47.5歳同時に組織の高齢化を示す指標でもある
男性育児休業取得率100%制度が形骸化していないことを示す数値
管理的地位にある女性労働者の割合5.9%女性の管理職登用は道半ば
男女の賃金の差異全労働者67.2%/正規雇用81.7%/パート・有期60.0%正規のみで見ると差は縮む

この会社の面白さは、「古い体質」と読まれがちな指標と、先進的な指標が同居している点です。平均勤続21.2年・平均年齢47.5歳は年功的な組織像を示しますが、男性育休取得率100%は多くの中堅メーカーが達成できていない水準です。制度としての休みは取りやすい一方、女性管理職比率5.9%が示すとおり登用面の課題は残ります(推定情報)。

報酬制度では、譲渡制限付株式報酬制度を役員だけでなく従業員にも適用しています。株主構成を見ると、取引先持株会「陽光会」が11.57%、従業員持株会が2.07%を保有し、自己株式が発行済株式の24.77%を占めます。従業員が株主でもある設計は、業績と処遇の関係を意識しやすい環境と言えます。なお、離職率や職種別の年収は有価証券報告書では開示されていません。この2点は面接や内定時の条件確認で埋めるべき情報です。

印刷業界の構造変化と野崎印刷紙業の立ち位置|将来性をどう評価するか

将来性は「印刷業界だから厳しい」で片づけると判断を誤ります。重要なのは、業界の中でどの需要に乗っているかです。印刷業界全体では、紙の出版物販売額が2025年に約9,647億円(前年比4.1%減)と50年ぶりに1兆円を割り、印刷メディア広告費も約1兆1,929億円(同6.0%減)で4年連続の減少となりました。新聞発行部数も1997年のピークから半分以下です。2025年度の印刷業の休廃業・解散は230件(前年度比18.6%増)と過去最多で、倒産と合わせ年間300件超が市場から退出しています。

この逆風は、主に出版印刷・商業印刷・新聞印刷を直撃します。野崎印刷紙業の商業印刷は売上の約8%。つまり、業界の最も厳しい部分への露出が小さい構造です。一方で相対的に底堅いとされるのがパッケージ・軟包装分野で、印刷軟包装の世界市場は2026年に約1,245億ドル、2031年まで年率6%台の成長が見込まれるとの予測もあります。この会社の売上56%が乗っているのはこちら側です。

もう一つの柱である情報機器・ラベル(32%)は、物流や小売のトレーサビリティ需要と結びついています。バーコード・カードプリンターは在庫の陳腐化リスクを会社自身がリスク要因に挙げるとおり、技術更新の速さが裏側のリスクになりますが、需要そのものは紙媒体の縮小とは別の軸で動きます。

加えて、印刷会社としては珍しい定量的な指標を挙げておきます。連結売上140億16百万円を連結従業員422名で割ると、一人あたり売上高は約3,320万円。共同印刷(売上982億円・連結3,136名)の約3,130万円と近い水準で、営業利益率3.7%も同社の2.2%を上回ります。規模は小さくても、一人あたりの生産性という点では大手中堅と遜色ない位置にいるという読み方ができます(編集部による推定情報を含む試算)。

中期経営計画「nozaki2024/2026 “SHINKA”」では、可変印字・加飾技術と「印刷×DX」を成長ドライバーに掲げ、ROEをKPI化しています。ここから読み取れる将来像は、紙を刷る量で稼ぐのではなく、パッケージの付加価値と識別技術で稼ぐ方向です。転職者の観点では、この方向に自分の経験が接続するかどうかが、10年後の仕事量を左右すると考えられます(推定情報)。

なお、2025年3月に会計監査人が恒栄監査法人から新創監査法人へ交代しています。理由は恒栄監査法人が日本公認会計士協会の上場会社監査事務所登録を拒否されたことによるもので、野崎印刷紙業側の会計不正等を原因とするものではありません。小型株では監査法人の変更が起きること自体は珍しくないため、事実関係を正しく理解しておけば過度に不安視する必要はない事象です。

野崎印刷紙業への転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。判断の分かれ目は「勤務地」「昇給のスピード感」「担当したい仕事の領域」の3つです。

向いている人向いていない人
京都を拠点に長く働きたい人(本社・京都第二工場・グループ4社が京都府内)勤務地を京都に固定したい一方で、生産・生産管理職を志望する人(関東・東北への異動可能性がある)
パッケージ・紙器・軟包装やラベルの領域で専門性を積みたい人カタログ・広告など商業印刷やデザイン職を主戦場にしたい人(売上の約8%)
腰を据えて勤続を重ね、年功的な積み上げを許容できる人短期間で年収を大きく伸ばしたい人、成果連動の比重が高い制度を望む人
設備投資と現場改善に関わりたい生産技術・保全志向の人意思決定のスピードや新規事業の立ち上がりを重視する人
機器販売やサプライ品を含む提案営業に関心がある人企業規模やブランド力を優先し、大手プライム企業の待遇を基準にしたい人

野崎印刷紙業への転職|編集部の見解

編集部の見解として、この会社は「数字が正直に読める中堅パッケージメーカー」という位置づけで評価できます。理由を4点に整理します。

  • データの信頼性:有報の平均年収523.9万円は単体377名/連結422名とカバー率89%で、グループ実態にほぼ一致します。応募判断の土台が揺れないことは、実は大きな価値です。
  • 逆風の当たり方:業界最大の逆風である出版・商業印刷の比率が約8%と小さく、売上の9割弱がパッケージとラベル・機器に乗っています。
  • 処遇の伸びしろ:平均年齢47.5歳での523.9万円という水準は、20代・30代の到達点として大きな上振れを期待しにくい構造です(推定情報)。年収の伸びを最優先する人には物足りない可能性があります。
  • 業績の振れ:営業利益は5億円前後の規模で、修繕・IT更新といった支出で25%動きます。2027年3月期は40.6%増益予想と回復基調ですが、賞与の安定性は面接で確認しておきたいところです。

総合すると、京都で腰を据えて働きたい人、パッケージ・ラベルという需要が残る領域で専門性を積みたい人にはおすすめできる会社だと考えられます。逆に、勤務地の自由度や短期的な年収アップを最優先するなら、同じ印刷クラスタでもザ・パック(3950)や共同印刷(7914)、TOPPANホールディングス(7911)まで含めて比較したほうが納得感のある結論に届くはずです。

野崎印刷紙業に関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、公式情報で答えられるものに絞って回答します。

野崎印刷紙業の平均年収はいくらですか?

第86期(2026年3月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は523.9万円(5,239千円)で、前事業年度比3.0%増です。賞与および基準外賃金を含み、対象は提出会社(単体)377名、基準日は2026年3月31日です。同時に開示されている平均年齢は47.5歳、平均勤続年数は21.2年なので、47.5歳時点での全社平均という読み方が正確です。

本社と工場はどこにありますか?京都第二工場の場所は?

本社は京都市北区小山下総町54番地の5です。検索の多い京都第二工場は京都市南区にあり、本社とは別の場所です。有価証券報告書に記載されている生産拠点は、京都地区(京都第二工場ほか)、関東工場(埼玉県鴻巣市)、東北工場(宮城県柴田郡川崎町)です。物流拠点は京都物流センター(京都市南区)、東京物流センター(埼玉県鴻巣市)、東北物流センター(宮城県柴田郡川崎町)に置かれています。

転勤はありますか?

転勤の有無や頻度は有価証券報告書では開示されていません。ただし、生産拠点が京都・埼玉・宮城の3地域に、営業拠点が仙台・東京・大阪ほか全国に分散している事実から、職種によっては勤務地の変更が生じ得ると考えられます(推定情報)。応募時に配属候補地と転勤範囲を明示的に確認することをおすすめします。

どんな製品を作っている会社ですか?

第86期の事業部門別売上では、包装資材及び紙器・紙工品が79億9百万円(約56%)、情報機器及びサプライ品が44億40百万円(約32%)、商業印刷が11億26百万円(約8%)、その他5億39百万円です。包装紙・紙袋・紙器・軟包装のほか、タグ・ラベル・シール、バーコードプリンターやフルカラーカードプリンターという機器そのものも手がけています。社名から想像される商業印刷は売上の1割未満です。

業績は安定していますか?赤字になったことはありますか?

第82期から第86期までの直近5期はいずれも黒字で、継続企業の前提に関する注記(GC注記)も付されていません。第86期は売上140億16百万円(3.8%減)・営業利益5億16百万円(25.2%減)と減収減益でしたが、2027年3月期は営業利益7億26百万円(40.6%増)の予想で、第1四半期は前年同期比71.5%増と回復基調です。自己資本比率は43.51%です。

求人はどこで確認できますか?キャリア採用はありますか?

公式採用サイトによると、新卒採用はマイナビ経由で案内され、キャリア採用は個別の問い合わせを受け付ける形式で、常時の募集要項掲示は行われていません。求人情報サイト側では京都第二工場の募集などが掲載される時期があります。公募のタイミングが読みにくいタイプの会社なので、転職エージェント経由で非公開求人の有無を確認する方法が現実的です(推定情報)。

野崎印刷紙業への転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・希望勤務地も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報523.9万円(47.5歳平均)。カバー率89%で実態に近いが、若手の到達点は下振れしやすい
データの透明性持株会社バイアスがなく、印刷クラスタの中で有報値の代表性が最も高い部類
勤務地本社は京都市北区、主力工場は京都市南区。生産は埼玉・宮城にも分散し職種により異動の可能性
事業の安定性売上の約88%がパッケージとラベル・機器。出版・商業印刷への依存が小さい
業績・財務直近5期黒字・GC注記なし。自己資本比率43.51%。営業利益は5億円規模で年ごとの振れが大きい
働き方平均勤続21.2年・男性育休100%。一方で女性管理職比率5.9%、離職率は非開示
口コミ評価OpenWork2.85(回答者8名)、エン カイシャの評判2.1(正社員26名)。母数が少なく参考値として扱う
将来性中計「nozaki2024/2026 “SHINKA”」で可変印字・加飾技術と印刷×DXを推進。翌期は40.6%増益予想

どのサービスを使えばいいか決められないとき

このサイトはアフィリエイトで収益を得ています。読者がサービスに登録すると当サイトに報酬が発生します。

自分の状況だとどのサービスが合うのか判断がつかない場合は、無料の相談を受け付けています。相談内容をうかがったうえで、条件に合いそうな転職サービスをご案内します。

登録や応募を急かすことはしません。 「いま動かないほうがいい」と考えた場合はそう伝えます。

→ 無料転職相談はこちら

※当サイトは職業紹介事業者ではありません。求人の紹介・あっせんは行わず、転職サービスのご案内までを行います。

本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第86期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。拠点については有価証券報告書に記載のある事業所のみを掲載しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
著者紹介
記事URLをコピーしました