株式会社オービス(7827)の評判と年収526万円|取締機ではない福山の木材メーカー
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 別会社:取締機のオービスとも化粧品オルビスとも無関係の上場メーカー
- 正体:広島県福山市の梱包用製材メーカー(証券コード7827)
- 年収:第66期の平均年間給与は526.1万円(提出会社単体)
- 要注意:第67期中間は営業利益が前年同期比84.2%減と急ブレーキ
「株式会社オービス」で検索しても、出てくるのは速度違反自動取締装置の話か、化粧品のオルビスの話ばかり——そんな経験をした方に向けた記事です。証券コード7827の株式会社オービス(ORVIS CORPORATION)は、広島県福山市に本社工場を構える東証スタンダード上場のメーカーで、ニュージーランド松を原料とした梱包用製材を主力としながら、プレハブハウス・システム建築、太陽光発電の売電、さらにはゴルフ場運営までを一社で抱える多角化企業です。この記事では、まず「どのオービスなのか」をはっきりさせたうえで、第66期(2025年10月期)の有価証券報告書ベースの年収・従業員数、4セグメントの利益構造、そして進行期に起きている急減益までを、公式情報・口コミ傾向・推定情報の3つに分けて整理します。
まずここから|そのオービスは、取締機でも化粧品でもありません
結論から言うと、転職先として検討している「株式会社オービス」は、証券コード7827・広島県福山市の東証スタンダード上場メーカーです。この記事を最初に読むメリットは、検索結果に紛れ込む2つの別物を先に切り分けられることです。社名が三重に衝突しているせいで、企業研究の入口でつまずく人が非常に多い会社だからです。
1つ目のノイズ:速度違反自動取締装置の「オービス」
日本で「オービス」といえば、まず思い浮かぶのは道路脇に設置された速度違反自動取締装置の通称です。「オービス 光った」「オービス 何キロから」「移動式オービス」「オービス 通知 いつ来る」といった検索が日常的に大量に行われており、社名単体で検索した場合の結果は、ほぼこの交通取締の文脈に埋め尽くされます。この装置と株式会社オービスの間に、資本関係も事業上の関係もありません。装置の名称は光学機器メーカーが名付けた商標に由来するもので、福山の木材メーカーとは全くの別系統です。企業研究で情報が出てこないのは、会社の情報が乏しいからというより、検索語が一般名詞に食われているためだと考えてください。
2つ目のノイズ:化粧品の「ORBIS(オルビス)」
もう1つの混同先が、スキンケア・化粧品ブランドの「ORBIS(オルビス)」です。こちらはポーラ・オルビスホールディングス傘下の企業で、株式会社オービスとは完全に別会社です。カタカナ表記は「オルビス」ですが、ローマ字表記が「ORBIS」であるため、転職領域でも「オルビス 年収」「オルビス 転職」といった記事が大量に存在し、検索結果を奪い合う関係になっています。なお、福山の同社の英文社名はORVIS CORPORATIONで、綴りは「ORBIS」ではなく「ORVIS」です。RとVの並びが違うだけですが、この一文字が両社を分ける決定的な差になります。
3つ目が本命:広島県福山市松永町の株式会社オービス
本命である株式会社オービスの基本プロフィールを整理します。以下はすべて公式情報(公式サイト「会社案内/会社概要」および公式IR資料)にもとづくものです。
- 本社所在地:広島県福山市松永町六丁目10番1号(本社と工場が併設)
- 上場市場:東京証券取引所スタンダード市場(証券コード7827/業種区分:その他製品)、上場日は2006年9月5日
- 創業:1950年、創業者の中浜勇氏が山林作業の請負を開始
- 会社設立:1959年11月(登記上の設立。公式サイトの記載を採用)
- 代表者:代表取締役社長 中浜勇治氏(2011年1月就任)。創業家が経営を継承するオーナー系企業
- 資本金:7億1,595万6,508円
- 決算期:10月末
ここで押さえておきたいのは、同社が持株会社ではなく事業会社そのものだという点です。後述する有価証券報告書の平均年間給与は提出会社単体の数値ですが、その単体に主力の木材事業・ハウス事業の現場社員が含まれているため、持株会社型の企業でよくある「本社管理部門20人だけの平均年収が公表されている」という歪みが起きにくい構造になっています。転職検討者にとっては、公表数値がそのまま現場の実態に近いという点で読みやすい会社です。

結局、何を作っている会社なんですか?
株式会社オービスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。数値はいずれも第66期(2024年11月1日〜2025年10月31日/2025年10月期)のものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社オービス(ORVIS CORPORATION) |
| 証券コード・市場 | 7827/東証スタンダード市場 |
| 本社 | 広島県福山市松永町六丁目10番1号(本社工場併設) |
| 設立 | 1959年11月(創業1950年) |
| 平均年間給与 | 5,261,000円(第66期・提出会社単体) |
| 平均年齢 | 45.9歳(第66期・提出会社単体) |
| 平均勤続年数 | 12.2年(第66期・提出会社単体) |
| 従業員数 | 連結211名/提出会社単体189名(2025年10月31日現在) |
| 売上高 | 126億円(連結・第66期/前期比10.4%増) |
| 営業利益 | 6億5,900万円(連結・第66期/前期比13.6%増) |
| 経常利益 | 6億4,300万円(連結・第66期/前期比11.3%増) |
| 当期純利益 | 4億2,200万円(連結・第66期/前期比3.0%減) |
| 自己資本比率 | 45.4%(総資産126億円、有利子負債45.4億円) |
| 初任給 | 22.0万円(日経会社情報DIGITAL掲載値) |
| 離職率・平均残業時間 | 有価証券報告書では開示されていません |
| 出典 | 第66期 有価証券報告書「従業員の状況」/2025年10月期決算短信(2025年12月12日開示)/公式サイト会社概要 |
なお、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の4項目は第66期有価証券報告書「従業員の状況」に由来する数値ですが、本記事の作成環境では有価証券報告書PDF原本を直接参照できず、irbank(EDINETコードE00639)および日経会社情報DIGITALの掲載値で確認した二次経由の取得である旨を明記しておきます(給与・年齢の2項目は両ソースで同額が一致、平均勤続年数12.2年はirbank単独ソース)。また、一部の年収まとめサイトには450.7万円・平均年齢46.4歳・平均勤続11.6年という別の期の数値が流通しています。数字を比較する際は、必ず「第66期・2025年10月期の値かどうか」を確認してください。
正体は「輸出される機械の木箱」を作る会社|木材事業という祖業
株式会社オービスの正体を一言で言えば、日本から輸出される機械を包む木材を作っている会社です。読者にとっての意味は明確で、最終製品が消費者の目に触れないBtoBの裏方産業だということ。知名度で会社を選ぶ人には物足りず、産業インフラの安定性を評価する人には向くタイプの企業です。
主力の木材事業では、ニュージーランド松(ラジアータパイン)などを原料とした梱包用製材を製造・販売しています。工作機械、半導体製造装置、重量物のプラント機器といった「輸出される機械」は、船便の長期輸送に耐えるために木箱や木製パレットで厳重に梱包されます。その木材を供給しているのが同社です。公式サイトでは、この分野で国内トップクラスの地位にあると位置づけられています(具体的なシェア率の公表数値は確認していないため、順位は「トップクラス」という自社の位置づけとして扱います)。
参入障壁と景気連動性という、この事業の両面
輸出用の木材梱包材には、ISPM No.15(IPPCの熱処理基準)という国際基準が課されます。害虫の越境移動を防ぐための規格で、対応設備と認定を持つ事業者でなければ扱えません。これは新規参入を難しくする障壁であり、同社の事業が価格競争一辺倒になりにくい理由の1つと考えられます(推定情報)。
一方で、需要の性質上どうしても避けられない弱点もあります。最終需要が「他社の輸出」である以上、顧客である機械メーカーの設備投資サイクル、為替、関税政策、海外の設備投資動向によって受注量が振れます。世界の木製包装市場自体は年率2%弱の緩やかな成長が見込まれる安定市場とされますが、それは市場全体の話であって、個社の四半期業績が安定することを意味しません。実際、第66期の木材事業は増収(74.4億円・前期比1.3%増)にもかかわらず、セグメント営業利益は3.01億円と前期比29.8%減となっています。原料が輸入針葉樹中心であるため、為替と海上運賃が原価に直結する構造も理解しておくべきポイントです。
キャリアとしての「木材」はどこに接続するか
同じ木材でも、扱う製品によって転職市場での接続先は変わります。たとえば同じ木材系の上場メーカーである永大産業は、住宅の内装建材(ドア・フローリング・キッチンなど)が主力で、顧客はハウスメーカーや工務店、最終的には住宅を建てる個人です。対して株式会社オービスの木材事業は梱包用製材=製造業向けの資材であり、顧客は機械メーカーや物流事業者です。同じ「木材メーカー」という括りでも、営業先も景気変動の受け方も全く違います。推定情報として整理すると、同社で積める経験は、規格対応・品質保証・輸入材の調達実務・歩留まり改善といった領域であり、他の木材・建材メーカーだけでなく、輸出梱包業者や3PLなど物流関連、商社の木材部門にも接続しやすい性質を持ちます。
4セグメントの正体|木材・ハウス・エコ・太陽光売電・ゴルフ場
この会社を評価するうえで最も重要なのが、事業ポートフォリオの構造です。結論を先に言うと、売上の6割を木材が稼ぐ会社なのに、利益の稼ぎ方は全く別の姿をしています。第66期のセグメント別実績(公式情報・決算短信ベース)を並べます。
| セグメント | 売上高 | 前期比 | セグメント営業利益 | 前期比 | 営業利益率(概算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 木材事業 | 74.4億円 | +1.3% | 3.01億円 | ▲29.8% | 約4.0% |
| ハウス・エコ事業 | 43.6億円 | +34.0% | 3.51億円 | +141.5% | 約8.1% |
| 太陽光発電売電事業 | 4.56億円 | +2.0% | 3.02億円 | +6.2% | 66.3% |
| ライフクリエイト事業 | 3.82億円 | +0.5% | 0.50億円 | ▲28.6% | 約13.1% |
読みどころ①:木を売る会社が、電気で同じだけ稼いでいる
表を縦に見てください。売上74.4億円の木材事業が稼ぐ営業利益は3.01億円。一方、売上わずか4.56億円の太陽光発電売電事業が稼ぐ営業利益は3.02億円です。売上規模は16倍以上違うのに、利益額はほぼ同額。売電事業の営業利益率66.3%という数字が、この歪みを作っています。
これは自社保有の太陽光発電所による売電で、設備を建ててしまえば燃料費も原材料費もかからない事業です。転職検討者にとっての意味は2つあります。1つは、会社の利益の約3割が、社員の働きとほぼ無関係に発電所から生まれているということ。もう1つは、その利益が現場の頑張りで増減しないぶん、賞与や昇給の原資として現場に還元される感覚が薄くなりうるということです(推定情報)。逆に見れば、本業が悪化した局面でも一定の利益を下支えするクッションになっており、地方中堅メーカーとしては珍しく強い財務体質(自己資本比率45.4%)を支える一因になっていると考えられます。
ただし、この構造には期限の概念があります。FIT制度は2026年度以降、屋根設置・自家消費重視へ大きく舵を切っており、事業用の地上設置太陽光は2027年度以降にFIT/FIPの支援対象外となる方向が示されています。既存の自社発電所も、買取期間が終われば相対PPAや市場連動売電といった収益設計の組み直しが必要になります。今の66.3%という利益率が恒久的なものではないという前提で将来性を見るべきです(推定情報)。
読みどころ②:セグメント利益の合計が、連結営業利益と一致しない
4セグメントの営業利益を単純合計すると10.04億円になりますが、連結営業利益は6.59億円です。差額の約3.45億円が全社費用・調整額として控除されている計算になります。売上126億円・従業員211名の規模に対して全社費用の負担が相応にあるということであり、セグメント単位の好調さがそのまま全社の利益に直結するわけではない点は、業績説明を読む際の注意点です(推定情報)。
読みどころ③:木材メーカーなのに、配属先にゴルフ場がある
ライフクリエイト事業は、中洲ゴルフ場などの運営を行う事業です。売上3.82億円と規模は小さいものの、「木材メーカーに入社したはずが、グループ内にゴルフ場運営という全く別業種の職場がある」という事実は、転職判断の実用論点になります。木材加工・システム建築・再生可能エネルギー・レジャーという4つの異文化が1社に同居しているわけで、部門を越えた異動の可能性、部門ごとに異なる評価軸、望まない領域への配属といった点は、選考の段階で確認しておく価値があります。
あわせて、第2の柱であるハウス・エコ事業についても整理しておきます。この事業はプレハブハウス、システム建築(倉庫から大型工場まで自社一貫生産)、仮設建物のリース、太陽光発電システムの設計施工を手がけます。「株式会社オービス プレハブ」という検索でたどり着くのはこの領域です。子会社に鉄骨製作の寿鉄工株式会社(Hグレード認定工場)を持ち、木材・鉄骨・太陽光をグループ内で垂直統合している点は、同規模の地方メーカーとしては特徴的な体制と言えます。
株式会社オービスの年収は526.1万円|第66期の実額とその読み方
年収に関する結論は明快です。有価証券報告書(第66期・2025年10月期)によると、提出会社単体の平均年間給与は5,261,000円。同時点の平均年齢は45.9歳、平均勤続年数は12.2年です(いずれも公式情報。ただし前述のとおり二次経由での確認値)。
平均年齢45.9歳・勤続12.2年から読める給与カーブ
この3つの数字はセットで読む必要があります。平均年収526.1万円という数値は、平均年齢45.9歳の集団の平均です。国内の民間企業全体で見れば45歳前後の平均年収は概ね500万円台に収まる水準ですから、同社の526.1万円は年齢を考慮すると「地方の中小型上場メーカーとして標準的〜やや控えめ」というレンジに位置づけられます(推定情報)。
より重要なのは、平均勤続12.2年という数字です。従業員189名(単体)の会社で平均勤続が12年を超えるのは、定着率が高いことを示す一方、社員構成が高齢化している可能性も同時に示唆します。転職検討者の実利に引き付けて言えば、20代・30代で入社した場合、上のポストが埋まっている状態から始まる可能性が相対的に高いということです。ただし公式採用ページには人事制度について「年功序列ではなく実力主義」と明記されており、制度上は年次に依存しない評価を志向していることになります。制度の運用実態は求人面談で確認すべきポイントです。
口コミ傾向:残業がなくなった結果、手取りが減ったという声
ここからは口コミ傾向です。前提として、この会社は口コミの母数が極端に少ないという特殊事情があります。OpenWorkの「オービス(建材)」ページは総合評価2.96/5.0ですが、回答者はわずか6人。転職会議は全31件(うち年収・給与カテゴリは7件)です。統計的な代表性を主張できる規模ではないため、以下は「そういう投稿がある」という水準で読んでください。
投稿傾向としては、報酬に関する声が明確に一方向へ寄っています。「残業しないと生活が苦しい」「残業が月80時間ほどあった時期は給料が十分だったが、残業がなくなってから手取りが驚くほど少なくなった」という趣旨の投稿が複数見られます。これは残業削減が進んだ企業で典型的に起きるパターンで、基本給ベースが厚くないぶん、残業代の消滅が可処分所得に直撃した構図と読めます(推定情報)。逆に言えば、平均526.1万円という数字は残業代を含んだうえでの水準であり、残業がほぼ発生しない部署に配属された場合の個人の受取額は、平均を下回る可能性があります。
職種別の推定レンジと、求人票で確認すべきこと
職種別・役職別の年収は有価証券報告書では開示されていません。ここでは求人媒体の提示額から推定情報としてレンジを示します。OpenWork掲載の求人では、提示年収レンジは概ね420万〜675万円とされています。募集職種は公式採用ページによれば、木材事業の営業職・機械オペレーター、ハウス事業の営業職・施工管理・設計です。この幅の広さは、経験年数・職種・役割の差を反映したものと考えられます。
選考段階で確認すべき項目を整理します。
- 基本給と固定残業代の内訳:口コミの傾向を踏まえると、提示額のうち残業代がどれだけを占めるかが最重要
- 賞与の実績月数:過去に「賞与5ヶ月」と記載された求人が出た実績がある一方、業績連動の度合いは要確認
- 配属セグメントと異動範囲:木材/ハウス・エコ/太陽光/ライフクリエイトのどこに属するか
- 勤務地の変更範囲:本社工場(福山)以外の可能性
- 福利厚生:公式採用ページには財形貯蓄、資格取得支援、従業員持株会、社有車貸与、退職金(勤続3年以上)、ゴルフ場割引、社員旅行などの記載があります
決算期が10月末|年収比較と入社時期の読み方が変わる
意外に見落とされやすいのが決算期です。株式会社オービスの決算期は10月末(第66期は2024年11月1日〜2025年10月31日)。日本の上場企業の多数派である3月期・4月期の企業とは、会計年度が半年ずれていることになります。これは事務的な違いに見えて、転職検討者には3つの実務的な影響があります。
- 賞与・昇給のサイクルがずれる:評価期間と査定タイミングが一般的な3月期企業と異なるため、入社月によっては初回の評価・賞与算定までの期間が想定と変わる可能性があります(推定情報)
- 年収の期ずれ比較に注意:「2025年の平均年収」という表現でも、同社の第66期は2024年11月〜2025年10月であり、3月期企業の2024年4月〜2025年3月とは対象期間が半年しか重なりません
- 業績ニュースのタイミングがずれる:決算発表・業績修正の時期が他社と揃わないため、選考中に最新の業績情報を追う際は同社独自のスケジュールを見る必要があります
実務的な対処はシンプルで、内定時の労働条件通知書で「賞与の算定期間」「初回の昇給時期」を必ず文面で確認することです。半年のずれが、初年度の受取総額に効いてくる可能性があります。
業績のボラティリティ|増収増益の直後に、営業利益84.2%減
この記事で最も注意して読んでほしいセクションです。結論として、株式会社オービスの業績は、直近1年で「絶好調」と「急ブレーキ」の両方を経験しています。片方だけを見て判断すると、実像を大きく取り違えます。
第66期(2025年10月期):増収増益で着地
決算短信によると、第66期の連結業績は売上高126億円(前期比10.4%増)、営業利益6億5,900万円(同13.6%増)、経常利益6億4,300万円(同11.3%増)と、増収増益で着地しました。牽引したのはハウス・エコ事業で、売上43.6億円(前期比34.0%増)、セグメント営業利益3.51億円(同141.5%増)と大幅に伸びています。物流再編や製造業の国内投資を背景に、システム建築市場そのものが拡大局面にあったことも追い風になったと考えられます(推定情報)。なお当期純利益だけは4億2,200万円(前期比3.0%減)と減少しており、営業段階の伸びが最終利益まで通っていない点は留意が必要です。
第67期中間(2026年10月期第2四半期):急ブレーキ
ところが、2026年6月12日に開示された進行期の中間決算では、状況が一変しています。売上高55億7,800万円(前年同期比17.2%減)、営業利益6,100万円(前年同期比84.2%減)。前期に141.5%の増益を叩き出したハウス・エコ事業の反動が主因とされています。
この振れ幅をどう読むか。同社の営業利益は年間で6億円台の規模ですから、中間で6,100万円という水準は、通期の利益水準が前期から大きく変わる可能性を示すものです。ただし、システム建築や仮設建物リースは案件の計上時期に左右されやすい事業であり、下期に案件が集中する可能性も否定できません。なお、2026年10月期の通期業績予想の具体的数値は本記事作成時点で確認できていないため、通期がどう着地するかについて断定的な記述は避けます(報道ベースでは減益予想・増配予定とされていますが、数値の確定情報として扱いません)。
転職判断への落とし込み
整理すると、この会社の業績プロファイルは次のようになります。
- 下支えは強い:太陽光売電が利益率66.3%で年3億円前後の営業利益を安定供給。自己資本比率45.4%
- 振れ幅は大きい:ハウス・エコ事業が業績のスイング要因。前期+141.5%→当期中間で全社84.2%減益
- 主力は伸び悩み:木材事業は増収でもセグメント利益は29.8%減と収益力が低下傾向
- 規模は小さい:時価総額約31億円、有利子負債45.4億円。総資産126億円に対して負債の比重は軽くない
賞与が業績連動である場合、この振れ幅がそのまま年収の変動として跳ね返る可能性があります(推定情報)。安定した固定収入を最優先する人は、賞与の変動幅について過去実績を確認しておくべきです。
働き方と社風の口コミ傾向|時間は守られるが、若手育成は弱点
ここは口コミ傾向のセクションです。繰り返しになりますが、OpenWorkの回答者6人・転職会議31件という母数であり、断定的な評価はできません。そのうえで、投稿の方向性は驚くほどはっきり二極化しています。
良い方向:労働時間は明確に良好
OpenWorkの集計では、月間残業時間2.2時間、有給消化率83.9%という数値が示されています。上場メーカーとしては極めて少ない残業水準です。投稿には「現在は残業がなく毎日定時退社できる」「残業代は1分単位でもらえる」といった声があり、評価項目でも風通しの良さ3.3、法令順守意識3.3が相対的に高くなっています。社長がボトムアップの意見を吸い上げる場を設けているという記述も見られます。従業員189名という規模ゆえに、経営陣との距離が近いことが働きやすさに寄与している可能性があります(推定情報)。
厳しい方向:若手の成長環境と報酬
一方、低評価が集中しているのが育成関連です。OpenWorkの項目別では人材の長期育成2.7、社員の相互尊重2.7、20代成長環境2.7と、いずれも中央値を下回ります。前述の報酬面の声(残業減=手取り減)と合わせると、「時間は守られるが、基本給ベースは厚くなく、若手の育成投資は手薄」という像が浮かびます。新卒については入社後1〜2日の社外研修後にOJT、部門別・職種別の定期研修があると公式採用ページに記載されていますが、体系的な教育プログラムの厚みを重視する人にとっては物足りない可能性があります。
過去の労働関係法令違反公表事案について
安全管理に関わる事実として、以下を記載しておきます。2017年8月3日、広島労働局が労働基準関係法令違反に係る公表事案として、約1か月の休業を要する労働災害について労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかった(労働安全衛生法第100条・労働安全衛生規則第97条違反)として、同社を送検・公表したとされています。ただし、厚生労働省の公表リストは掲載から1年で削除される運用のため、本記事作成時点で一次原本は参照できず、法人情報サイト(houjin.jp)経由の転載情報にもとづく記載であることを明記します。
この事案について、押さえるべき点を分けて整理します。
- 事実:約9年前(2017年)の公表事案であり、内容は報告書の未提出(手続き違反)である
- 推定情報:現在も同様の運用が続いているかどうかを示す情報はなく、「今も労災報告を怠っている」といった断定はできません
- 実務的対応:製材・木材加工の現場は重量物の取り扱い、粉じん、騒音を伴います。選考時に安全教育の内容、保護具の支給、ヒヤリハット報告の運用について具体的に質問することが、最も確実な確認方法です
勤務地と求人|福山本社工場を軸に、営業拠点は広域に分散
「株式会社オービス 求人」「株式会社オービス 広島工場」「株式会社オービス 岡山」といった検索が実際に行われていることから、勤務地への関心が高い会社だと分かります。ここでは分かっていることと、分かっていないことを分けて書きます。
公式情報として確実なのは、本社が広島県福山市松永町六丁目10番1号にあり、本社と工場が併設されていることです。JR山陽本線松永駅周辺のエリアで、福山市西部にあたります。
そのうえで、検索サジェストには「広島工場」「岡山」「千葉」「大阪営業所」「東京営業所」「広島営業所」「千葉営業所」「神戸」「名古屋」「市川」「本八幡」といった地名が並びます。これは、製造拠点を西日本に置きつつ、営業機能を全国の主要都市に配置している体制であることを示唆します(推定情報)。梱包用製材とプレハブ・システム建築という商材の性質上、顧客である機械メーカーや倉庫の建設需要は全国に分散するため、営業網の広域展開には合理性があります。ただし各拠点の正確な所在地・機能・人員規模については公式に確認していないため、応募前に公式サイトの拠点一覧および求人票の勤務地欄で必ず確認してください。
求人の出方については、マイナビ転職、doda、リクルートエージェント、ハローワークといった媒体に継続的に掲載実績があり、職種は施工管理・設計・営業・機械オペレーターが中心です。過去には「上場企業で安定して働ける【事務スタッフ】土日祝休み/賞与5ヶ月」という条件の求人が広島県で出た実績もあります(掲載終了済み)。従業員189名の会社であるため、募集は職種単位で少人数・不定期になりやすく、希望職種の募集が常時あるとは限りません(推定情報)。転職エージェント経由で非公開求人の有無を確認するアプローチが現実的です。
同業・比較検討先との位置づけ
株式会社オービスは事業が多角化しているため、比較対象も1つに定まりません。読者が実際に併願しそうな企業を、比較の軸ごとに整理します。推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。
| 企業名 | 比較の軸 | オービスとの違い | こちらが向く人 |
|---|---|---|---|
| ナガワ(9663・東証プライム) | ユニットハウス・システム建築 | この分野の最大手で規模・待遇水準が大きく異なる。オービスのハウス・エコ事業と直接競合 | システム建築・仮設建物の領域で規模の大きい企業を志向する人 |
| 日成ビルド工業(1916・東証スタンダード) | システム建築+立体駐車場+太陽光 | 事業ポートフォリオの構成がオービスと酷似。建築系のキャリアで最も比較しやすい | 建築×再エネの複合キャリアを、より建築寄りに積みたい人 |
| ウッドワン(7898・東証スタンダード) | 広島県の木材・建材メーカー | 同じ広島の木材系上場企業だが、住宅内装建材が主力でBtoC寄り。地元での採用競合になりやすい | 広島県内で木材業界に残りつつ、住宅・消費者向け製品に関わりたい人 |
| 中国木材(非上場・広島県呉市) | 国内最大級の製材メーカー | 製材の規模で国内最大級。地元木材業界の転職先としては最有力の比較対象 | 製材そのものを深く極めたい人。上場企業であることにこだわらない人 |
| 永大産業(7822・東証スタンダード) | 木材を扱う上場メーカー | 同じ木材でも住宅内装建材が主力で、顧客はハウスメーカー・工務店。BtoBの梱包材とは営業先も景気連動性も別物 | 木材の加工技術を、住宅・生活空間の側で活かしたい人 |
比較のポイントを1つ挙げるなら、「規模」か「多能工的な経験」かです。ナガワや中国木材は各分野で規模が大きく、専門性を1本に深掘りしやすい環境と考えられます。対して株式会社オービスは、189名の会社で木材・建築・再エネ・レジャーの4領域を抱えるため、1人が触れる業務範囲が広くなりやすい構造です(推定情報)。専門性を一本に絞りたい人にとっては、配属方針の確認が特に重要になります。
将来性をどう評価するか|3つの外部環境と、社内の課題
将来性の議論は、事業ごとに分けなければ意味がありません。同社の4事業は、それぞれ全く異なる外部環境に置かれています。
- 木材事業(売上の約6割):世界の木製包装市場は年率2%弱の緩やかな成長が見込まれる安定市場とされ、ISPM No.15対応という参入障壁もあります。一方で国内では木材自給率が42.5%まで上昇し、輸入材依存から国産材へのシフトが進行中。輸入針葉樹を主原料とする同社にとって、調達構造の見直しが中期的な論点になる可能性があります(推定情報)
- ハウス・エコ事業(売上の約3割):システム建築市場は2021年度の約1,384億円から2026年度に約1,982億円へ、年平均7.4%程度の成長が見込まれるとされます。ただし成長の中身は件数増より、物流再編・高仕様案件の増加と資材費・労務費上昇による単価上昇。建設業の時間外労働規制と技能者不足(いわゆる2026年問題)により、工期・見積精度・原価管理の巧拙が採算を左右する局面に入っています
- 太陽光発電売電事業(利益の柱の1つ):FIT制度が自家消費・屋根設置重視へ転換し、事業用地上設置は2027年度以降にFIT/FIPの支援対象外となる方向。既存発電所の買取期間終了後の収益設計が課題になります。施工側では自家消費型・オンサイトPPA・蓄電池併設といった提案型案件への移行が進んでおり、「発電所を建てる」から「顧客の電気代削減を設計する」への役割転換が求められる領域です
- ライフクリエイト事業:規模が小さく、全社の将来性を左右する要素にはなりにくいと考えられます(推定情報)
社内側の課題として最も大きいのは人材です。木材・製材品業界は中小事業者が多く、事業所数の減少と経営者・技能者の高齢化が続いています。同社の平均年齢45.9歳・平均勤続12.2年という構成は、安定している反面、10年単位で見れば技能承継が経営課題になる構造を示しています。20代成長環境2.7という口コミ評価と合わせて考えると、若手が入って育つ仕組みを作れるかどうかが、この会社の中期的な分水嶺になりうると考えられます(推定情報)。裏を返せば、若手・中堅で入社した人にとっては、承継されるべき役割が空いている環境とも読めます。
株式会社オービスに関するよくある質問
「株式会社オービス」で実際に検索されている疑問に絞って回答します。
株式会社オービスは上場していますか?
はい。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、証券コードは7827、業種区分は「その他製品」です。上場日は2006年9月5日(公式情報・公式サイト会社概要)。時価総額は約31億円と、上場企業のなかでは小型の部類に入ります。親会社は存在せず、独立系の企業です。
資本金・従業員数はどのくらいですか?
資本金は7億1,595万6,508円、従業員数は連結211名/提出会社単体189名です(単体189名は公式サイト会社概要に2025年10月31日現在として記載)。なお、鉄骨製作の子会社である寿鉄工株式会社の従業員は単体189名に含まれません。連結211名との差分22名分については、給与水準が単体と異なる可能性があります(推定情報)。
プレハブや太陽光も扱っているのですか?
はい。ハウス・エコ事業として、プレハブハウス、システム建築(倉庫から大型工場まで自社一貫生産)、仮設建物のリース、太陽光発電システムの設計施工を手がけています。加えて、自社保有の発電所による太陽光発電売電事業も別セグメントとして持っています。「株式会社オービス プレハブ」「株式会社オービス 太陽光」といった検索でたどり着くのは、この領域です。
社長は誰ですか?創業者との関係は?
代表取締役社長は中浜勇治(なかはま ゆうじ)氏で、2011年1月28日就任です。創業者は中浜勇氏で、1950年に山林作業の請負を開始したのが同社の始まりです。創業家が経営を継承するオーナー系企業にあたります。他の役員として専務取締役の梅田隆氏、常務取締役の谷本泰志氏の名が確認できます(公式情報)。なお大株主の具体的な持株比率は、本記事作成時点の無料公開情報では特定できていません。
化粧品の「オルビス」やスピード違反の「オービス」と関係はありますか?
いずれも関係ありません。化粧品のORBIS(オルビス)はポーラ・オルビスホールディングス傘下の別会社です。速度違反自動取締装置の通称「オービス」も、この会社とは無関係です。福山の同社の英文社名はORVIS CORPORATIONで、綴りが異なります。企業研究の際は「株式会社オービス」「オービス 福山」「オービス 7827」のように限定子を付けて検索すると、目的の情報にたどり着きやすくなります。
平均年収526.1万円と450.7万円、どちらが正しいのですか?
期が違います。526.1万円は第66期(2025年10月期)の値で、これが直近の数値です。450.7万円(平均年齢46.4歳・平均勤続11.6年)は別の期の値で、一部の年収まとめサイトに残っているものです。決算期が10月末である点も含め、比較する際は必ず「どの期の数字か」を確認してください。
株式会社オービスへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | この会社の状況 | 重視する人にとっての示唆 |
|---|---|---|
| 年収水準 | 第66期平均526.1万円(平均年齢45.9歳・単体)。求人提示レンジは概ね420〜675万円 | 年齢を踏まえると標準的〜やや控えめ。大幅な年収アップを狙う転職には向きにくい(推定情報) |
| 労働時間 | 口コミ集計で月間残業2.2時間・有給消化率83.9% | 時間的余裕を最優先する人には強い訴求。ただし残業代前提の収入設計は成り立ちにくい |
| 業績の安定性 | 第66期は増収増益、第67期中間は営業利益84.2%減。太陽光売電が下支え、自己資本比率45.4% | 財務は健全だが利益の振れ幅は大きい。賞与の業績連動度合いの確認が必須 |
| 事業の専門性 | 木材・システム建築・太陽光・ゴルフ場の4領域を189名で運営 | 幅広い経験を積みたい人に向く。専門を1本に絞りたい人は配属方針の確認が重要 |
| 若手の成長環境 | 口コミの項目別評価で20代成長環境2.7・人材の長期育成2.7と低め | 体系的な育成を期待する人には物足りない可能性。自走できる人には裁量が回りやすい(推定情報) |
| 勤務地 | 本社工場は広島県福山市。営業拠点は広域に分散しているとみられる | 備後エリアで働きたい人には有力な選択肢。転勤範囲は求人票で要確認 |
| 情報の入手しやすさ | OpenWork回答6人・転職会議31件と口コミ母数が極端に少ない | ネットの評判だけでは判断材料が足りない。面談での直接確認の比重が大きくなる |
総合すると、株式会社オービスは「知名度ではなく構造で選ぶ会社」と言えます。編集部の見解として、この会社が合いやすいのは、備後・広島エリアで腰を据えて働きたい人、労働時間の安定を年収より優先する人、そして多角化企業のなかで複数事業に触れながら現場に近い立ち位置で経験を積みたい人です。反対に、短期間で年収を大きく引き上げたい人、体系的な研修と明確な昇進ラダーを求める人、都市部で規模の大きい組織を志向する人には、他の選択肢を並行して検討する価値があります。いずれの判断をするにせよ、口コミ母数が極端に少ない企業である以上、面談と労働条件通知書での直接確認が、他社以上に重要になるという点だけは共通です。
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
第66期(2025年10月期)決算短信は2025年12月12日開示、第67期第2四半期(中間期)決算短信は2026年6月12日開示です。従業員関連4指標(平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数)は第66期有価証券報告書「従業員の状況」に由来しますが、本記事ではirbank(EDINETコードE00639)および日経会社情報DIGITALの掲載値で確認した二次経由の数値である旨を、本文中に明記しています。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として位置づけ、取得経路が二次経由である場合はその旨を明示したうえで、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
