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日本モーゲージサービスの平均年収749万円は69名分|評判と3事業の正体

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:一棟の住宅にローン・かし保険・保証を重ねて売る住宅金融グループ
  • 平均年収749.6万円:有報記載だが対象は単体69名のみ。連結209名の平均ではない
  • 業績:第21期は増収増益・営業利益率19.9%。ただし翌期は会社予想で減益
  • 働き方:残業月22.6時間・有休76.3%と負荷は軽め。育成と評価に課題の声

まず前置きとして、本記事は住宅ローンの審査相談ではなく、日本モーゲージサービス株式会社(証券コード7192・東証スタンダード市場)への転職を検討している人に向けた記事です。「日本モーゲージサービス 審査 厳しい」「本審査落ちた」「審査 甘い」といった検索は、同社のフラット35を申し込む住宅購入者側のものですが、この記事ではそこには触れません。扱うのは、この会社が何で稼いでいる会社なのかと、公表されている平均年収749.6万円が誰の数字なのかの2点です。同社は従業員209名(連結)の小さな会社で、社名から事業内容が想像しにくく、さらに有価証券報告書に載る年収がグループ全体の実態と一致しないという、転職検討時にかなり誤読しやすい構造を持っています。公式情報・口コミ傾向・推定情報を分けて、順番に解きほぐしていきます。

日本モーゲージサービスとは何の会社か|3つの事業を一棟の住宅に重ねて売る

結論から言うと、日本モーゲージサービスは「住宅一棟に対して、ローン・保険・保証を順番に重ねて売る」ことで収益を積み上げる住宅金融グループです。銀行ではなくノンバンクであり、消費者向けの店舗網も広告も持たず、中小の工務店・ビルダーといった住宅事業者を経由して商品を届けます。有価証券報告書によると、事業は3つのセグメントに分かれています。この構造を先に押さえておかないと、求人票に書かれた職種名も、後述する年収の数字も正しく読めません。

①住宅金融事業|フラット35を自社ブランドで貸すモーゲージバンク

中核事業です。公式情報として、同社は住宅金融支援機構と提携し、全期間固定金利型の「MSJフラット35」「MSJフラット35MAX」を提供しています。加えて変動金利のプロパー商品「MSJ住宅ローン[十色]」、住宅完成前の資金需要をつなぐ「つなぎローン」も扱います。特徴は販売経路で、消費者に直接売り込むのではなく、住宅事業者の営業担当が施主に資金計画を説明する場面で自社商品を採用してもらうBtoBtoC型です。つまり営業職の日常的な相手は個人ではなく法人であり、工務店の経営者・営業責任者との関係構築が仕事の中身になります。有価証券報告書には、広告宣伝に頼らずアライアンスパートナーや代理店経由で販売する方針が明記されています。同社は貸金業登録(関東財務局長(6)第01464号)を持ち、ソニー銀行・auじぶん銀行の銀行代理業許可も保有しています。

②住宅瑕疵保険等事業|国土交通大臣指定の保険法人は全国に5つだけ

この記事で最も重要な固有情報です。子会社の株式会社ハウスジーメンは、住宅瑕疵担保履行法にもとづく住宅瑕疵担保責任保険法人として国土交通大臣の指定を受けており、この指定法人は全国に5法人しか存在しません。新築住宅を引き渡す事業者には保険加入または供託が法律で義務づけられているため、この5法人のいずれかを通らざるを得ない仕組みになっています。ハウスジーメンは新築住宅かし保険に加え、延長保証・地盤保証・住宅性能評価を手がけます。公式情報として、第21期のハウスジーメン単体の営業収益は32億8,565万円、経常利益3億5,030万円、当期純利益2億4,054万円で、日本モーゲージサービスの特定子会社に位置づけられています。参入障壁が制度で守られている領域を、従業員209名規模のグループが押さえている点は、同社を評価するうえで無視できません。

③住宅アカデメイア事業|延長保証と住宅事業者向けクラウド

株式会社住宅アカデメイアが担う3つ目の柱で、住宅設備の延長修理保証、住宅メンテナンス保証、そして住宅事業者向けの業務クラウドを提供しています。金額規模は3セグメントで最も小さいものの、住宅事業者との接点を「引き渡し後」まで伸ばす役割を持ちます。2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務づけられ、いわゆる4号特例も縮小されたことで、中小の住宅事業者は設計・申請・性能証明の実務負担が増しています。この負担を肩代わりするサービスを持てるかどうかが、住宅着工が細っていく市場でのグループの生存戦略になります。

日本モーゲージサービスの公式データ一覧(第21期・有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、すべて第21期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書および決算資料に記載された実額です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
平均年間給与7,496,640円(約749.6万円)/提出会社単体69名・第21期。賞与および基準外賃金を含む。前期比+3.5%
平均年齢47.3歳(提出会社単体・2026年3月31日現在)
平均勤続年数7.9年(提出会社単体・2026年3月31日現在)
従業員数連結209名(臨時雇用者32名は外数)/提出会社単体69名(臨時10名は外数)
営業収益(売上高)79億6,022万円(連結・第21期、前期比+5.2%)
営業利益15億8,358万円(連結・第21期、前期比+13.1%)/営業利益率 約19.9%
経常利益・純利益経常15億9,511万円(+13.7%)/親会社株主に帰属する当期純利益10億8,977万円(+10.9%)
財務指標総資産246億5,734万円/純資産95億5,902万円/自己資本比率38.7%/ROE11.9%
設立・上場2005年8月設立。2016年12月JASDAQ上場→2017年12月 東証二部→2018年9月 東証一部→2022年4月 スタンダード市場
本社・代表東京都港区新橋四丁目3番1号 新虎安田ビル(2024年5月に西新橋から移転)/代表取締役社長 鵜澤 泰功
子会社給与水準ハウスジーメン等の連結子会社の平均年間給与は、有価証券報告書では開示されていない
離職率有価証券報告書では開示されていない
出典第21期 有価証券報告書(2026年6月25日提出・EDINETコードE32803)/公式IR資料

平均年収749.6万円の正しい読み方|この数字は69名分でしかない

ここが本記事の核心です。結論を先に言うと、「日本モーゲージサービスの平均年収は749万円」という理解は、応募する職種によっては大きく外れます。理由は単純で、有価証券報告書に載る平均年間給与は提出会社(日本モーゲージサービス単体)の従業員69名だけを対象にした数字だからです。グループには連結で209名がいて、その過半は別会社に所属しています。

求職者
求職者

求人サイトに「平均年収749万円」と出ていたら、そのまま信じていいのでしょうか?

単体69名と連結209名の内訳を並べると構造が見える

有価証券報告書によると、第21期末の従業員数はセグメント別に次のように配分されています。公式情報です(カッコ内は臨時雇用者数)。

  • 住宅金融事業:52名(5名)/営業収益39億0,718万円(前期比107.8%)
  • 住宅瑕疵保険等事業:118名(12名)/営業収益33億7,474万円(前期比102.0%)
  • 住宅アカデメイア事業:15名(10名)/営業収益6億7,830万円(前期比107.5%)
  • グループ全社(共通):24名(5名)

連結209名のうち、最大人員セグメントは住宅瑕疵保険等事業の118名で、グループの半分以上を占めます。これはハウスジーメン側、つまり住宅検査・保険引受・住宅性能評価の実務を担う人員です。一方、749.6万円という平均年間給与が対象にしているのは提出会社単体の69名(本社59名+西日本支店他8店の10名)であり、その中身は住宅金融事業のローン営業と本社機能です。グループの過半を占めるハウスジーメン所属者の給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。したがって「グループの平均年収」を示す公式数値は存在しない、というのが正確な理解になります。

応募先がグループのどの会社かで、参照すべき数字が変わる

実務的にはこう整理できます(ここからは推定情報を含みます)。日本モーゲージサービス本体の住宅金融事業・本社機能の求人に応募するなら、749.6万円・平均年齢47.3歳・平均勤続7.9年という有報の実額が最も近い参照値になります。一方、ハウスジーメンの住宅検査員・保険引受・住宅性能評価などの求人に応募する場合、この749.6万円はそのまま当てはまるとは考えにくく、職種特性の異なる別会社の水準として、選考過程で個別に確認する必要があります。求人票の社名がグループ会社のどれかを確認し、内定時の労働条件通知書で確定させるのが確実です。

二次サイトの「667万円」との差をどう見るか

求人ボックス給料ナビなど二次アグリゲータでは、同社の平均年収を約667万円とする掲載が見られます。これは求人票の提示レンジなどを集計した推計値であり、本記事では一次情報である有価証券報告書の749.6万円を主値として扱います。ただし両者の差にも意味があります。有報値は在籍者(平均年齢47.3歳・平均勤続7.9年)の実績給与であり、推定情報としては、中途入社時の提示額はそれより低い水準から始まる可能性が高いと考えられます。平均年齢が47.3歳と高めであることは、有報値が管理職・ベテラン層に押し上げられている構造を示唆します。

年収の推移と給与原資の余力も見ておきます。平均年間給与は前期比+3.5%で、逆算すると前期(2025年3月期)は約724万円でした。公式情報として賞与および基準外賃金を含む金額です。給与原資の余力を見る材料としては、第21期の営業利益率が約19.9%と高いこと、5期連続で黒字であること、年間配当を1株22円から30円へ増配していること(配当総額4億4,106万円)が挙げられます。他方で、役員報酬は取締役5名に総額1億0,737万円(1人平均約2,147万円)で、報酬1億円以上の役員はいません。有価証券報告書にはストックオプション制度・退職慰労金制度をいずれも採用していない旨が明記されており、株式報酬による上振れは期待しにくい報酬設計です。

業績の実像|利益率20%の高収益と、翌期の減益予想

ここは良い面と厳しい面を分けて見る必要があります。第21期単体で見れば優良ですが、5期の流れで見ると拡大局面の会社ではありません。転職判断では後者の視点が重要です。

5期推移で見ると、成長ではなく横ばい圏

連結営業収益の推移は、第17期76.9億円→第18期73.3億円→第19期71.1億円→第20期75.7億円→第21期79.6億円です。5期かけて約3%の増加にとどまり、途中では減収も経験しています。経常利益も16.99億円→14.72億円→13.98億円→14.03億円→15.95億円と、公式情報として一度下がってから戻した形です。従業員数も同様で、単体は66→64→67→66→69名、連結は201→198→202→205→209名と、5期でほぼ横ばいです。つまり大量採用で組織を膨らませるフェーズにはなく、欠員補充と少数の戦力採用が中心と考えられます(推定情報)。ポジションの空きが読みにくい会社である点は、応募前に理解しておくべきです。

2027年3月期は会社予想の時点で減益

見落としてはいけない事実として、2027年3月期の会社予想は営業利益13億4,000万円・経常利益13億4,600万円・親会社株主に帰属する当期純利益9億1,000万円と、いずれも第21期実績を下回る計画です(営業収益予想は82.0億円で増収)。増収でも減益という形になります。さらに同社は、中東情勢に起因する建材高騰や工事遅延によって中期的な見通しが立てにくいとして、複数年の中期経営計画を策定せず「2027年3月期経営戦略」という1か年計画のみを開示しています。上場企業としてはかなり率直な開示姿勢で、有価証券報告書に掲げられた経営方針にも「バッド情報ファースト。体裁より中身」と明記されています。推定情報としては、この開示姿勢自体は誠実さの表れと評価できる一方、入社後の賞与や昇給が住宅市況に左右されやすいことを示すシグナルでもあります。

1人あたりで割ると、少数精鋭の収益構造が見える

公表数値を加工すると、この会社の特徴がよりはっきりします。連結209名で営業収益79.6億円ですから、1人あたり営業収益は約3,810万円、1人あたり営業利益は約758万円という計算になります(編集部による算出。推定情報ではなく公表値の単純除算です)。セグメント別に割ると差はさらに明確です。

  • 住宅金融事業:39.07億円 ÷ 52名 = 1人あたり約7,514万円
  • 住宅瑕疵保険等事業:33.74億円 ÷ 118名 = 1人あたり約2,860万円
  • 住宅アカデメイア事業:6.78億円 ÷ 15名 = 1人あたり約4,520万円

住宅金融事業は少人数で大きな収益を回す構造、住宅瑕疵保険等事業は人手をかけて検査・引受を積み上げる労働集約寄りの構造です。この人員あたり収益の差が、単体69名の平均年収749.6万円をグループ全体に当てはめてはいけない実質的な根拠でもあります(推定情報)。応募職種がどちらの構造に属するかで、期待できる報酬の考え方は変わります。

財務と資本構成も確認しておきます。自己資本比率38.7%、ROE11.9%、総資産246億5,734万円。ノンバンクとして住宅ローン債権を抱える都合上、総資産に対して自己資本は厚くありませんが、直近5期はすべて黒字です。資本面では、創業者・鵜澤泰功氏の関連会社である株式会社ビルダーズシステム研究所が25.44%を保有する筆頭株主で、日本レジデンシャルファンドが6.53%、上位10名で49.05%を占めます。親会社はなく独立系ですが、創業オーナー色の強いガバナンスである点は、意思決定のスピードと属人性の両面につながる要素です(推定情報)。IR BANK掲載ベースで時価総額は約92.6億円、PER約10.2倍、配当利回り約4.8%の小型株です。

口コミ傾向から見える働き方|負荷は軽め、育成と風通しに課題

ここからは口コミ傾向です。断定はできませんが、方向性は比較的はっきりしています。OpenWorkの同社ページでは社員クチコミ50件、総合評価2.92(5点満点)となっています。ただし項目別スコアの回答者は11人と母数が小さく、個々のスコアを断定的に扱うことはできません。傾向として読む前提で、以下に整理します。

スコアの並び方に一貫したパターンがある

  • 法令順守意識 3.6:全項目のなかで突出して高い
  • 待遇面の満足度 2.9/社員の士気 2.9/社員の相互尊重 2.9/20代成長環境 2.9
  • 人事評価の適正感 2.8/風通しの良さ 2.6
  • 人材の長期育成 2.5:全項目で最も低い

定量指標では月間残業22.6時間、有給休暇消化率76.3%が示されています。読み取れる口コミ傾向は「コンプライアンスは硬く、残業も少なく有休も取りやすい。一方で、育成の仕組みや風通し、評価の納得感には物足りなさを感じる声がある」という、金融系の中小企業に典型的なパターンです。OpenWorkには、社員の属人化や残業、フランチャイズ形態の提携先との関係性を課題として挙げる営業職の投稿も見られます。

会社側の開示と口コミが一致している点は信頼できる

注目すべきは、会社が有価証券報告書で開示している人的資本指標とOpenWorkの数値がほぼ一致していることです。会社開示ではグループの有給取得率76%、女性管理職比率18%(提出会社単体では19%から23%へ上昇)、男性育休は対象者の約7割が取得とされており、OpenWorkの有休消化76.3%と整合します。推定情報としては、少なくとも労働時間と休暇取得に関する数字は実態を反映していると考えてよいでしょう。なお、エン ライトハウス(カイシャの評判)・転職会議についても同社のページは存在しますが、本記事の調査では件数・評価スコアを特定できなかったため、本文では扱っていません。

制度面の事実

有価証券報告書によると、労働組合は結成されておらず、労使関係は円満と記載されています。離職率については有価証券報告書では開示されていません。平均勤続7.9年に対して平均年齢47.3歳という組み合わせは、推定情報として、新卒から積み上げた社員より中途入社者が多い構成を示唆します。実際、公式採用サイトの掲載は中途採用が中心です。

モーゲージバンクで働くとは|職種別の仕事像とキャリアの伸び方

「住宅ローンの会社」と聞いて銀行の融資担当を想像すると、実態とずれます。モーゲージバンクは預金を原資とせず、実行したローン債権を住宅金融支援機構に買い取ってもらう、あるいは信託・証券化して資金を回収するビジネスです。同社は三井住友銀行とのつなぎ融資債権信託契約(2018年3月)、三菱UFJ信託銀行との住宅ローン債権包括信託基本契約(2020年12月)を結んでおり、これが資金循環の仕組みを支えています。日々の仕事は職種によって大きく異なります。

住宅事業者向けルート営業(住宅金融事業)

52名のセグメントで、営業の相手は個人ではなく中小の工務店・ビルダー・不動産会社です。提携先を開拓し、その営業担当が施主に資金計画を説明する場面で自社商品を選んでもらう。つなぎ融資や資金繰り支援など、事業者側の課題に踏み込めるかどうかが差別化になります。金利上昇局面に入り、「変動か全期間固定か」を数字で説明できる商品知識の価値は上がっています。推定情報として、この経験は他のモーゲージバンク、銀行・信用金庫の住宅ローン推進部門、ハウスメーカーの資金計画職などへ横展開しやすい職務経歴になります。

審査・融資事務・与信管理(ミドルバック)

フラット35は住宅金融支援機構の買取基準に沿った審査が必要で、制度改正も継続的に発生します。2026年8月には中古住宅融資の利便性向上が実施され、2026年10月からは「フラットすまい・るポイント」制度が始まるなど、要件と適用可否の判断が実務の中心にあります。住宅金融支援機構は投資用物件取得を目的とした不正利用への注意喚起も行っており、審査・本人確認は丁寧さが求められる方向にあります。キャリアとしては審査管理・与信企画・コンプライアンスといった内部管理の専門職へ進む道が考えられます(推定情報)。

住宅検査・保険引受・住宅性能評価(ハウスジーメン側)

118名を擁する最大セグメントで、金融というより住宅品質の専門職に近い領域です。国土交通大臣指定の保険法人という立場上、検査・引受の判断が制度に直結します。建築系のバックグラウンドを持つ人にとっては、金融グループにいながら住宅性能・品質の専門性を積める珍しい環境です。推定情報ですが、金融・保険・住宅品質という3領域の知識が同時に身につく職務経歴は、住宅業界のなかでは希少性が高いと考えられます。グループ内では住宅アカデメイア(延長保証・住宅事業クラウド)へ移り、保証商品の開発や住宅事業者向けSaaSのカスタマーサクセスに広がる動線もあり得ます。

将来性の評価|市場は縮む、その中でどこに勝ち筋があるか

結論として、市場全体は縮小方向だが、同社は制度に守られた領域と一棟あたり単価の積上げという2つの防波堤を持っているというのが本記事の見立てです。一般論としての「今後も成長が期待されます」ではなく、材料を分けて評価します。

逆風として確実にあるもの

  • 新設住宅着工の縮小:人口減少と建築コスト・地価の上昇で中期的に減少基調。母数が減れば実行件数も保険引受件数も減ります
  • 金利上昇:住宅ローン金利の上昇は返済負担を押し上げ、実行額の伸びを抑える方向に働きます
  • 制度依存:フラット35は住宅金融支援機構の制度変更が直撃する構造で、有価証券報告書もこれをリスクとして明記しています
  • 許認可更新の負担:貸金業登録は3年ごと、住宅性能評価機関登録・BELS評価機関登録は5年ごとの更新が必要です
  • 期ズレしやすい収益:売上計上が住宅完成時のため、工事遅延がそのまま期ズレになります。会社自身が建材高騰・工事遅延を先行き不透明の理由に挙げています

追い風・防波堤として評価できるもの

  • 国土交通大臣指定の保険法人は全国5法人のみ:新築住宅の引き渡しには保険加入または供託が法律上必要で、制度が需要の下支えになっています
  • 金利上昇は全期間固定への追い風でもある:変動金利が上がる局面では、主力の長期固定商品を説明する機会が増えます
  • 省エネ基準適合の義務化:中小住宅事業者の設計・申請・性能証明の負担が増すほど、性能評価・保証・業務クラウドを提供する側の価値は上がります
  • クロスセルによる一棟あたり単価:着工数が同じでも、ローン・かし保険・延長保証を重ねられれば一棟からの収益は増やせます

推定情報としての総合評価は、「棟数の増加に賭ける会社ではなく、一棟あたりの提供価値を積み増して市場縮小を相殺しにいく会社」です。転職者にとっては、営業の評価軸が件数だけでなくクロスセルの設計力・事業者の課題解決力に寄っていく可能性が高い、と読めます。

同業モーゲージバンクとの比較|SBIアルヒとは規模も収益構造も違う

比較対象として最も意味があるのは、同じフラット35を主戦場とするSBIアルヒ株式会社(7198・東証プライム、旧ARUHI)です。同じ土俵に立ちながら、規模・年収・稼ぎ方が対照的で、どちらが自分に合うかを考える材料になります。数値は各社の直近有価証券報告書・決算資料にもとづく公式情報ですが、評価欄には推定情報を含みます。

比較項目日本モーゲージサービス(7192)SBIアルヒ(7198)
市場区分東証スタンダード東証プライム
営業収益79億6,022万円(2026年3月期・連結)250億8,600万円(2026年3月期・IFRS連結)
従業員数連結209名/単体69名連結522名/単体442名
平均年間給与(有報)749.6万円(単体69名)555.9万円(第12期)
平均年齢/勤続47.3歳/7.9年42.9歳/6.4年
資本関係独立系(創業者関連が25.44%保有)SBIノンバンクホールディングスが62.83%保有の連結子会社
事業の広がりローン+かし保険+保証の3本柱(保険法人を保有)住宅ローンに集中(実行の大半がフラット35関連)
販売チャネル住宅事業者経由のBtoBtoC。自社店舗網は持たない全国拠点網。うち多くがフランチャイズ店舗
1人あたり営業収益約3,810万円(連結ベース)約4,806万円(連結ベース)
向いている人少人数で複数商材を横断し、法人開拓を担いたい人住宅ローン単体の専門性と規模・知名度を重視する人

表から読み取れる推定情報としての違いは3点です。第一に、有報上の平均年間給与は日本モーゲージサービスのほうが高いものの、対象が単体69名という管理職・ベテラン比率の高い母集団である点を割り引く必要があります。SBIアルヒの555.9万円は連結522名・単体442名という厚い母集団の中で算出されており、母集団の性格が違います。第二に、事業の広がり方が逆です。SBIアルヒが住宅ローンに集中して量を取るのに対し、日本モーゲージサービスは一棟に商材を重ねて単価を取ります。第三に、資本の色です。SBIグループの傘下で動くか、創業オーナー色の強い独立系で動くかは、意思決定のスピードや評価のされ方に直結します。

日本モーゲージサービスへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。判断のポイントは「少人数・横ばい規模・中途中心・複数商材」という4つの条件を前向きに使えるかどうかです。

向いている人向いていない人
工務店・ビルダーなど中小住宅事業者への法人ルート営業に手応えを感じられる人個人顧客へのリテール営業を志向し、法人との地道な関係構築に興味が持てない人
ローン・かし保険・保証と、領域をまたぐ知識を自分で束ねられる人ひとつの商材を深掘りする専門特化型のキャリアを描きたい人
研修や育成の仕組みに頼らず、自分で学びを設計できる人体系的な研修・OJT制度のもとで着実に育ててほしい人
残業月22.6時間・有休消化76.3%という働き方の水準を重視する人長時間働いてでも短期間で年収を大きく伸ばしたい人
規模拡大より、制度に守られたニッチ領域で長く続けることに価値を感じる人組織の急拡大に伴うポスト増加や昇進スピードを期待する人
建築・住宅品質のバックグラウンドを金融グループで活かしたい人メガバンク・大手金融のブランドやスケールを求める人

日本モーゲージサービスへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、この会社は「安定して稼いでいる小さな専門会社」であり、評価が分かれるのは待遇の高低ではなく組織規模と成長速度をどう受け止めるかだと考えられます。営業利益率約19.9%、5期連続黒字、増配という数字は、従業員209名の規模としては十分に健全です。特に、国土交通大臣指定の保険法人を全国5法人のうちの1つとしてグループ内に持つ点は、後から誰かが真似できる性質のものではありません。

一方で、5期を通じて営業収益は横ばい圏、従業員数もほぼ変わらず、2027年3月期は会社自身が減益を見込んでいます。ポストが自然に増えていく環境ではないため、昇進・昇給を組織の成長に乗せて実現するタイプの期待は持ちにくいでしょう。口コミ傾向として人材の長期育成2.5・風通し2.6という数字が出ていることも、この規模の会社では制度より個人の裁量に依存しやすい実態を示していると考えられます。総合すると、「働き方の負荷が軽い環境で、住宅金融と住宅品質という2領域の専門性をじっくり積みたい人」にはおすすめできる会社で、逆に成長スピードとポスト獲得を優先する人には向きにくい、というのが結論です。

なお、行政処分・課徴金・重大な訴訟については、第21期有価証券報告書の「事業等のリスク」「重要な契約等」「コーポレート・ガバナンス」を通読した範囲で該当する記載はなく、有報は許認可について取消事由に該当する状況にはないと明記しています。ネット上の断片的な情報ではなく、この一次情報を判断の基準にすることをおすすめします。

日本モーゲージサービスに関するよくある質問(FAQ)

転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。住宅ローン利用者向けの審査に関する質問は本記事の対象外です。

日本モーゲージサービスは何をしている会社ですか?

住宅一棟に対してローン・かし保険・保証を重ねて提供する住宅金融グループです。公式情報として、①住宅金融事業(MSJフラット35、変動金利の[十色]、つなぎローン)、②住宅瑕疵保険等事業(子会社ハウスジーメンによる新築住宅かし保険・地盤保証・住宅性能評価)、③住宅アカデメイア事業(住宅設備延長修理保証・住宅事業クラウド)の3セグメントで構成されています。銀行ではなくノンバンクで、貸金業登録を持つ東証スタンダード上場企業です。

平均年収749.6万円は本当ですか?

第21期の有価証券報告書に記載された実額であり、数字自体は公式情報です。ただし対象は提出会社(日本モーゲージサービス単体)の従業員69名のみで、連結209名の平均ではありません。グループの過半を占める住宅瑕疵保険等事業(ハウスジーメン)118名の給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。応募先がグループのどの会社かによって参照すべき水準は変わります。

ハウスジーメンとはどんな会社ですか?

日本モーゲージサービスの100%子会社で、住宅瑕疵担保履行法にもとづく国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人(全国5法人のみ)です。公式情報として、第21期の営業収益は32億8,565万円、経常利益3億5,030万円で、グループの特定子会社に位置づけられています。従業員はグループ最多の118名で、住宅検査・保険引受・住宅性能評価が主な業務です。

残業や有給休暇の実態はどうですか?

口コミ傾向として、OpenWorkでは月間残業22.6時間、有給休暇消化率76.3%と示されています。会社が有価証券報告書で開示するグループの有給取得率76%とほぼ一致しており、労働時間・休暇に関する数値は実態に近いと考えられます。法令順守意識のスコアも3.6と全項目で最も高くなっています。

新卒採用は行っていますか?

公式採用サイトの掲載は中途採用が中心で、本記事の調査時点では新卒採用の募集掲載は見当たりませんでした。単体従業員数が5期で66名から69名とほぼ横ばいで推移していることからも、推定情報として、大量採用ではなく必要ポジションを個別に募集する形が中心と考えられます。最新の募集状況は公式採用ページで確認してください。

業績が悪化するリスクはありますか?

第21期は増収増益でしたが、2027年3月期の会社予想は営業利益13億4,000万円と前期実績を下回る減益計画です(公式情報)。会社は建材高騰・工事遅延を理由に中期経営計画を策定せず1か年計画のみを開示しています。売上計上が住宅完成時のため工事遅延で期ズレしやすい構造もあり、住宅市況の影響を受けやすい点は理解しておく必要があります。

過去に行政処分や不祥事はありますか?

第21期有価証券報告書の「事業等のリスク」「重要な契約等」「コーポレート・ガバナンス」を通読した範囲では、実際に発生した行政処分・課徴金・重大な訴訟に関する記載は見当たりませんでした。有報には許認可について取消事由に該当する状況にはないと明記されています。ただし本記事は有価証券報告書と公式開示にもとづく確認であり、報道ベースの網羅的な調査は行っていません。

日本モーゲージサービスへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報記載は749.6万円だが対象は単体69名。応募先会社ごとに個別確認が必須(公式情報+推定情報)
収益性営業利益率約19.9%、5期連続黒字、増配。従業員209名規模としては健全(公式情報)
成長性営業収益は5期で横ばい圏、2027年3月期は会社予想で減益。拡大局面ではない(公式情報)
参入障壁国土交通大臣指定の保険法人は全国5法人のみ。制度に守られたニッチ領域(公式情報)
働き方残業月22.6時間・有休消化76.3%・法令順守3.6と負荷は軽めの傾向(口コミ傾向)
育成・評価人材の長期育成2.5・風通し2.6・人事評価2.8と、この領域には物足りなさの声(口コミ傾向)
組織規模連結209名・単体69名。ポストの自然増は期待しにくい(公式情報+推定情報)
キャリアの汎用性フラット35実務・住宅品質の専門性は他社でも通用しやすい(推定情報)
ガバナンス独立系だが創業者関連が25.44%保有。行政処分・重大訴訟の記載は有報に見当たらない(公式情報)

どのサービスを使えばいいか決められないとき

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。年収・従業員数・業績の主値は、すべて第21期(2026年3月期)有価証券報告書の実額です。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは第21期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。1人あたり営業収益などの加工指標は、公表値を編集部が単純除算したものです。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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