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ギークリーはやばい?働く側の年収607.9万円と平均勤続2.2年を検証

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 立場:サービス利用者側ではなく、ギークリー社に入社する側の記事です
  • 年収:法定開示の平均は607.9万円、口コミ自己申告は約400〜575万円
  • 成長:第16期は売上97.8億円・営業利益3.1倍、ただし前期は41.3%の減益
  • 注意点:平均年齢28.5歳・平均勤続2.2年、残業は口コミで月39.7〜63.2時間

「ギークリー やばい」で検索する人には、まったく立場の違う二種類の読者がいます。ひとつはギークリーの転職支援サービスを使うかどうか迷っている求職者、もうひとつは株式会社ギークリーという会社に社員として入りたい人です。検索結果の上位を占めるのは前者向けの記事ばかりで、「勝手に応募されるのでは」「連絡がしつこいのでは」といった利用者目線の話が中心になっています。本記事は後者、つまりギークリー社への転職・入社を検討している人のために書いています。同社は2026年2月27日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場した証券コード505Aの企業で、IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介(転職エージェント)を単一セグメントで営んでいます。上場にあたって金融庁のEDINETに提出された有価証券届出書(新規公開時)には、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数といった労務データが法定開示として載りました。噂や体験談ではなく、その一次データを起点に「転職先としてのギークリー」を組み立てていきます。

「ギークリーはやばい」は誰の話か|利用者の評判と社員の評判は別物

最初に、この記事を読むうえで一番大事な整理をします。ギークリーに関する「やばい」という評判は、サービスを使う側の話と社員として働く側の話の二層に分かれており、この二つを混ぜて読むと転職判断を完全に誤ります。結論から言えば、ギークリーを「やばい企業」と断定できる根拠は公表資料の範囲では見当たりません。ただし、成果主義の給与制度・急拡大する組織・繁忙期の負荷という特徴があるため、人によって評価が大きく割れる会社であることは数字からも読み取れます。

検索上位を占めているのは「エージェント利用者」の評判

「ギークリー やばい」で上位に並ぶのは、転職メディアが書いたサービスレビュー記事です。そこで語られている不満は「担当者から複数人に連絡が来た」「求人の紹介数が多すぎる」「経験が浅いと紹介を断られた」といった、エージェントを利用する求職者側の体験に関するものが中心です。ギークリー自身も自社のオウンドメディア「Geekly Media」で「評判はやばい?」という自己分析記事を出しており、この領域は同社を含む競合が大量の記事を投入している激戦区です。

ここで重要なのは、これらの口コミはギークリーの社内の働き方を一切説明していないという点です。エージェントの営業スタイルに対する評価と、そこで働く社員の待遇・労働環境は別の話です。転職先として同社を見るなら、こちらの情報はいったん脇に置いてかまいません。

働く側の「やばい」は成果主義・残業・勤続年数の話

一方、社員側の評判として実際に語られているのは、次の3点に集約されます。口コミ傾向として整理すると以下のとおりです。

  • 3か月ごとに評価が改定される成果主義で、結果が出ないと収入が伸びにくいという指摘
  • 残業時間がOpenWorkで月39.7時間、エン カイシャの評判で月44時間、転職会議で月63.2時間と、サイトによって幅はあるものの軽くはない水準
  • 平均勤続年数2.2年という、法定開示に表れた組織の若さ

反対に、評価が高い項目もはっきりしています。OpenWorkの総合スコアは3.68で、内訳では「20代成長環境4.3」「会社の成長性4.2」「実力主義4.2」「活気のある風土4.1」が高く出ています。つまり「20代が短期間で伸びる環境」と「成果を出せないときの厳しさ」が同じ制度から生まれている構図です。本記事では以降、この働く側の論点だけを扱います。

求職者
求職者

結局、ギークリーは社員にとって働きやすい会社なんですか?

一言で答えるのは誠実ではありません。法定開示された平均年収は同世代の水準を上回る一方、平均勤続は2.2年と短く、残業の口コミも軽くない。以下、判断材料になる数字を分解していきます。

株式会社ギークリーとはどんな会社か|証券コード505A・IT/Web/ゲーム特化の人材紹介

転職先として評価する前に、まず会社の輪郭を押さえます。ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に職種を絞った転職エージェントで、求人企業に紹介した求職者が入社した時点で手数料を受け取る完全成功報酬型のビジネスです。事業は人材紹介の単一セグメントで、持株会社ではなく事業会社そのものです。この「単一セグメントの事業会社」という点は、後述する年収データの読み方に直結します。

まず同名・類似名との混同を整理する

ギークリーは検索ノイズが多い社名です。転職判断の前に、次の3つを切り分けておいてください。

  • 株式会社ギークリー(505A・東証スタンダード)=本記事の対象。IT・Web・ゲーム特化の人材紹介会社
  • ギークス株式会社(geechs/7060)=別会社。フリーランスIT人材サービスなどを手掛ける企業で、資本関係はありません
  • Geekly Media/Geekly Review=いずれもギークリーが運営する自社メディアの名称で、会社名ではありません

また「ギークリー ログイン」「マイページ」「退会」といった検索は、いずれも転職支援サービスの利用者が使う導線であり、入社を検討する人が探している情報ではありません。

MA・CA・RAの3分業と、独自基幹システム「OLG」

ギークリーの社内はMA(集客・面談設定)/CA(求職者担当)/RA(求人企業担当)の3分業で構成されています。一般的な人材紹介会社に多い「一人が求職者も企業も担当する両面型」ではなく、役割を分けた片面型に近い設計です。さらに独自の基幹システム「OLG(オルグ)」が、過去の求職者スキルや成約実績を構造化して蓄積し、CAが面談で数項目を入力すると推薦求人が自動で提案される仕組みになっていると有価証券届出書に記載されています。

これは転職検討者にとって二つの意味を持ちます(推定情報)。第一に、業界未経験でも比較的早く戦力化しやすいということ。システムとMAの集客に支えられ、CAは面談と意思決定支援に集中できます。第二に、逆に「集客から企業開拓まで一気通貫でエージェント力をつけたい人」には担当範囲が狭く感じられる可能性があるということです。同じ人材紹介でも、両面型の会社とは身につくスキルの形が変わります。

拠点・沿革・許認可

公式サイトによると、本社は東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号の渋谷アクシュ10階で、渋谷に本社を含む3拠点、加えて2023年11月開設の大阪オフィスを持つ計5拠点体制です。2011年8月に東京都港区赤坂で設立され、同年12月に渋谷へ移転してIT・Web・ゲーム業界の転職支援を開始、2018年12月に初のTVCM放映、2019年1月に「Geekly Media」、2022年1月に「Geekly Review」を開始し、2025年2月に現本社へ移転、2026年2月27日に上場しました。事業運営には職業安定法に基づく厚生労働大臣の有料職業紹介事業許可(13-ユ-305272、有効期限2029年11月30日)を取得しています。代表取締役社長は創業者の奥山貴広氏です。

ギークリーの公式データ一覧(有価証券届出書ベース)

判断の土台となる公式情報を一覧にします。ここで最初に注記しておくべき重要な点があります。同社は5月決算で2026年2月の上場のため、本記事作成時点で通期の有価証券報告書はまだ提出されていません。したがって労務データは、上場申請にあたって2026年1月22日にEDINETへ提出された有価証券届出書(新規公開時)の「従業員の状況」=2025年12月31日現在の実額を使用しています。業績は2026年7月14日に開示された第16期決算短信によるものです。基準日が異なる点にご注意ください。

項目内容
商号株式会社ギークリー(Geekly, Inc.)
上場区分・証券コード東京証券取引所スタンダード市場・505A(2026年2月27日上場)
本社東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号 渋谷アクシュ10階
設立2011年8月
代表者代表取締役社長 奥山 貴広
資本金3,000万円
平均年間給与6,079千円(約607.9万円)※2025年12月31日現在・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢28.5歳 ※2025年12月31日現在
平均勤続年数2.2年 ※2025年12月31日現在
従業員数382人(正社員の就業人員、外数で平均臨時雇用者46人)※2025年12月31日現在
売上高9,783百万円(第16期・2026年5月期、前期比36.9%増)
営業利益2,156百万円(第16期・2026年5月期、前期比206.4%増)
経常利益・当期純利益経常2,130百万円/当期純利益1,516百万円(第16期)
会社予想(第17期)売上12,080百万円・営業利益2,506百万円・当期純利益1,701百万円(2027年5月期)
セグメント人材紹介事業の単一セグメント
許認可有料職業紹介事業 13-ユ-305272(有効期限2029年11月30日)
労働組合結成されていない
監査法人PwC Japan有限責任監査法人
出典有価証券届出書(新規公開時・2026年1月22日提出)/第16期決算短信(2026年7月14日開示)/公式サイト

なお離職率と平均残業時間の公式数値は、有価証券届出書では開示されていません。この2項目については口コミベースの参考値しか存在しない点を、あらかじめ押さえておいてください。

平均年収607.9万円の中身|口コミの400万〜575万円と100万円以上ずれる理由

ギークリーの年収について検索すると、サイトによって400万円台から600万円台まで数字が散らばります。結論から言えば、法定開示の607.9万円が主値で、口コミの数字はいずれも母集団が違う参考値です。ただし「607.9万円もらえる」と読むのも誤りです。この差がどこから来るのかを分解します。

法定開示の607.9万円が指しているもの

有価証券届出書の「従業員の状況」に記載された平均年間給与6,079千円は、2025年12月31日時点の正社員382人の平均で、賞与および基準外賃金(残業代等)を含む金額です。ここで効いてくるのが、ギークリーが持株会社ではなく事業会社単体(単一セグメント)だという点です。持株会社が提出会社になっている企業では、有報の平均給与が管理部門数十名だけの数字になり現場と乖離するケースが頻繁にありますが、ギークリーの場合はCA・RA・MAという現場職を含む全正社員の平均です。つまりこの607.9万円は現場実態をおおむね反映していると考えてよい数字です。

その一方で、注意点も3つあります。第一に、この数字は正社員のみで、契約社員・パート・派遣(平均臨時雇用者46人)は含みません。第二に、平均年齢が28.5歳と若いため、28.5歳平均で607.9万円という読み方をする必要があります。国税庁の民間給与実態統計調査で20代後半の平均が400万円前後で推移していることを踏まえると、年齢比では高い水準です。第三に、残業代込みの数字であるため、労働時間の長さが平均値を押し上げている部分がある点は差し引いて読むべきです。

口コミ3サイトの数字と、母集団の違い

口コミ傾向として、主要3サイトの自己申告平均は次のように分かれています。

  • OpenWork:約575万円(年収回答44人ベース)
  • エン カイシャの評判:約487〜491万円(正社員51〜55人回答)
  • 転職会議:約400万円

いずれも法定開示より低い水準です。この乖離が生まれる理由は推定情報として次のように整理できます。ひとつは投稿時期のズレで、口コミは数年前の在籍時の年収がそのまま残ります。同社は5年で従業員が74名から385名へ増えており、直近の給与テーブルと数年前のそれが同じとは限りません。もうひとつは回答者の偏りで、口コミサイトへの投稿は退職者や不満を持つ層に寄りやすい構造があります。加えて、賞与や残業代を含めずに基本給ベースで申告するケースも混じります。

逆に言えば、口コミの400万〜575万円というレンジは「入社初期」「成果が平均的なとき」の現実的な着地点を示唆しているとも読めます。法定開示の607.9万円と口コミレンジの両方を並べて見るのが、最も誤解の少ない読み方です。

職種・役職別の推定レンジと、面接で必ず確認すべき3点

ギークリーは職種別・役職別の年収を開示していないため、以下はあくまで推定情報です。法定開示の平均607.9万円、平均年齢28.5歳、成果主義という制度、口コミの年収納得度78%という数字から逆算すると、次のような構造が考えられます。

  • 未経験入社の1年目:口コミレンジ下限の水準からスタートし、インセンティブが乗るかどうかで年収が動く可能性
  • 成果を出しているCA・RA:平均を押し上げている層で、法定開示の平均を上回る水準に達している可能性
  • マネジメント層:3か月ごとの評価改定という制度上、昇格の速度が年収の伸びを決める可能性

参考として、有価証券届出書には男女賃金差異が全労働者79.2%・正規雇用82.2%・非正規雇用158.8%(対象期間2024年6月1日〜2025年5月31日)、女性管理職比率25.0%、男性育休取得率100.0%と開示されています。正規雇用の男女差が82.2%にとどまる背景は開示されていませんが、成果連動の比重が高い給与制度では担当ポジションや在籍年数の構成差が数字に出やすい、という一般的な傾向はあります。

選考の場で確認すべきポイントは3つです。(1) 固定給とインセンティブの構成比、(2) 3か月ごとの評価改定で下がる可能性があるかどうか、(3) みなし残業時間の有無とその時間数。この3点を押さえれば、平均値ではなく「自分の場合の年収」が具体的に見えてきます。

働く側の「きつい」の中身|成果主義・残業・4月繁忙期

ここでは、社員として入った場合に何が負荷になるのかを具体的に見ます。結論として、ギークリーの「きつさ」は精神論ではなく制度と季節性という構造から来ているため、事前に把握しやすいタイプの負荷です。

3か月ごとの評価改定という給与制度

口コミ傾向として繰り返し語られるのが、3か月ごとに評価が改定される成果主義の給与制度です。これを「基準が明確で不満が出にくい」と評価する声がある一方、「成果主義を掲げながら昇降格が上長の判断に左右される」という指摘も見られます。OpenWorkでは「実力主義4.2」が高スコアである半面、退職理由として給与面の不満が挙がっており、同じ制度が満足と不満の両方を生んでいることが分かります。

この制度が向く人は、四半期という短いサイクルで結果を出し、それを収入と役職に直結させたい人です。逆に、成果が出るまで時間がかかるタイプの人や、安定した固定給を前提に生活設計をしたい人にとっては、3か月ごとに評価が動く環境は負荷になり得ます。

残業時間と有給消化率をどう見るか

残業時間の公式数値は開示されていないため、口コミ傾向の数字を並べます。OpenWorkで月39.7時間、エン カイシャの評判で月44時間、転職会議で月63.2時間。有給消化率は60.2%です。サイト間で20時間以上の開きがあるのは、回答者の在籍時期・部署・役職が異なるためと考えられます(推定情報)。

ここで重要なのは、平均年間給与607.9万円がこの残業代を含んだ金額であるという点です。残業が減れば年収も下がる構造になっている可能性があり、「年収も高く残業も少ない」という組み合わせを期待して入ると、期待とのズレが起きやすい領域です。一方で、職場の人間関係満足度81%という数字も出ており、労働時間の長さが人間関係の悪さに直結しているわけではないことも併せて押さえておくべきです。

4月入社集中という、会社自身が開示した季節性

ここは公表資料で裏が取れる、数少ない「きつさ」の根拠です。ギークリーは有価証券届出書の事業等のリスクで、4月入社が集中するため第4四半期(3〜5月)に売上が偏る季節性を自らリスクとして開示しています。人材紹介は求職者が入社した時点で売上が立つため、企業の4月入社に合わせて業務が集中する構造です。

つまり、口コミに出てくる残業時間の幅は、部署差だけでなく時期差でも説明がつきます。年間を通じて平坦に働く職場ではなく、繁忙期に負荷が寄る職場だと理解しておくべきでしょう。面接では「繁忙期の実残業時間」と「閑散期の実残業時間」を分けて聞くのが有効です。

なお、同社は事業等のリスクで労務管理を独立した項目として立て、労働時間や労働環境の管理について労働基準監督署等の調査で違反が認められ行政指導を受けた場合の影響に言及しています。これはあくまで将来発生し得るリスクとして会社が自ら開示しているものであり、過去に是正勧告や法令違反があったという事実の記載ではありません。この点は誤読が広がりやすいため、明確に区別してください。

平均勤続2.2年をどう読むか|1年で94名増えた組織の数字の見方

平均勤続年数2.2年という数字だけを見て「定着していない会社だ」と結論づけるのは早計です。この数字は離職と採用増の両方で短くなるためです。ギークリーの場合、後者の影響が相当に大きいことが公表数値から分かります。

従業員数は5年で74名から385名へ

有価証券届出書の主要な経営指標等の推移によると、従業員数は第10期74名→第11期100名→第12期127名→第13期156名→第14期266名→第15期385名(2025年5月期)と、5年でおよそ5倍になっています。さらに届出書の注記には「最近日までの1年間において従業員数が94名増加。主な理由は業容拡大に伴う新卒採用及び中途採用の増加」と明記されています。

382名のうち直近1年の入社者が94名いれば、その94名の勤続年数は最大でも1年です。この分母効果だけで全社平均は大きく引き下がります。平均勤続2.2年という数字は、離職の多さを直接証明するものではありません。もっとも、逆に「離職が少ない」ことを証明するものでもありません。離職率は有価証券届出書では開示されておらず、両方の可能性が残っている、というのが公表資料から言える限界です。

同業のムービンも勤続2.1年という事実

比較の視点を入れると、この数字の意味がさらに見えてきます。当サイトで扱っている株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア(421A・東証グロース)は、コンサル業界特化の人材紹介会社ですが、有価証券報告書では平均勤続年数2.1年・平均年齢32.9歳・提出会社単体90名と開示されています。ギークリー2.2年、ムービン2.1年。特化領域も規模もまったく違う2社が、ほぼ同じ勤続年数に着地しているわけです。

ここから読み取れるのは(推定情報)、成長期の人材紹介会社では勤続年数が2年前後になりやすい構造があるということです。事業が伸びれば人を増やし、増やせば平均勤続は下がる。加えて人材紹介という仕事は、業界内での転職や事業会社の人事への移動が起きやすい職種でもあります。「勤続2.2年=ブラック」ではなく、「この業界のこのフェーズではよくある数字」として相対化したうえで、自分が何年でどのスキルを取りに行くかを設計するのが現実的です。

業績はV字だが一本調子ではない|第15期41.3%減益が示す収益構造

転職先の安定性を見るとき、直近1期の数字だけを見るのは危険です。ギークリーの場合、上場直前期に一度大きく利益が落ち、上場期に急回復しているという凸凹が数字にはっきり出ています。

期売上高営業利益当期純利益
第14期(2024年5月期)5,840百万円—(経常1,198百万円)855百万円
第15期(2025年5月期)7,147百万円(+22.4%)703百万円(▲41.3%)493百万円(▲42.3%)
第16期(2026年5月期)9,783百万円(+36.9%)2,156百万円(+206.4%)1,516百万円
第17期(2027年5月期・会社予想)12,080百万円(+23.5%)2,506百万円(+16.2%)1,701百万円

減益の理由は「求職者をどう集めるか」のコスト

注目すべきは第15期です。売上は22.4%伸びているのに、営業利益は41.3%減っています。会社の説明は求職者獲得コストの上昇に伴う販売促進費の増加と人件費増で、販売費及び一般管理費は5,685百万円(前期比45.7%増)に膨らみました。売上は伸びたが、それ以上に集客コストが伸びたという構図です。

人材紹介の収益構造はシンプルで、求職者をいくらで集め、何割を成約させ、1件いくらの手数料を得るかの掛け算です。ギークリーは自社サイト・オウンドメディア・TVCMなどのインバウンドと、外部転職プラットフォームへのスカウトのアウトバウンドを併用していますが、後者は外部への支払いが増えるほど利益率が下がります。同社が事業等のリスクで「広告宣伝効果」「転職サイト運営企業の利活用」を自ら挙げているのは、この構造を認識しているからです。

業界文脈:求人検索エンジンへの依存と集客コストの上昇

この現象はギークリー固有ではなく、人材サービス業界全体の潮流と一致します。求人の応募獲得はIndeed・求人ボックス・スタンバイといった求人検索エンジンからの流入に大きく依存しており、2026年3月施行のIndeedの掲載ポリシー改定では、採用企業以外(人材紹介・派遣・採用代行など)の無料掲載が実質的にできなくなりました。大量掲載を行ってきた事業者ほどコスト負担が増す構図です。各社は媒体の分散、自社集客(SEO・SNS・会員基盤)の強化、掲載の「量から質」への転換を進めています。

ギークリーが自社でオウンドメディア「Geekly Media」とクチコミサイト「Geekly Review」を運営し、TVCMまで打っているのは、外部プラットフォームへの依存度を下げるための投資と位置づけられます(推定情報)。転職先として見るなら、「自社集客の内製化が続く会社かどうか」が中長期の利益率、ひいては賞与原資に効いてくるという見方ができます。面接で聞くなら「インバウンドとアウトバウンドの構成比」と「生成AI検索が普及したときの集客方針」が実質的な質問になります。

顧客の分散度とリピート率は数字が良い

ネガティブ材料ばかりではありません。第16期決算短信および有価証券届出書によると、取引先数は1,417社、売上上位10社の構成比は10.0%(2025年5月期)と、特定顧客への依存が小さい構造です。求人企業のリピート率は80.2%、早期離職に伴う返金率は2.9%と開示されています。加えて新規登録者数は93,111人(2025年5月期、前年比34.8%増)、面談数は20,065件(2024年5月期)から25,648件(2025年5月期)へ増加しています。

顧客集中リスクが小さく、リピートも取れているという点は、営業現場から見れば「一社が抜けて数字が崩れる」タイプの不安が小さいことを意味します。減益リスクは集客コスト側にあり、顧客基盤側にはない、という整理ができます。

ギークリーの転職難易度|入口は広く、入ってからの基準は明確

結論から言えば、ギークリーの転職難易度は「入るハードルは高くないが、入ってからの基準が明確」というタイプだと考えられます(推定情報)。この判断の根拠は、採用の実績数値と募集の出方の両方にあります。

1年で94名採用という数字が意味すること

有価証券届出書に明記された「直近1年で従業員94名増、主な理由は業容拡大に伴う新卒採用及び中途採用の増加」という記載は、採用の門戸が実際に開いていることの直接的な証拠です。382名の会社が1年で94名を採るというのは、既存社員のおよそ3人に1人が直近1年入社という規模感です。経営指標としてもKPIに「面談CAの人数」を掲げ、2025年5月期第1四半期の70名から2026年5月期第2四半期には90名へ増やしています。CAの人数が経営指標そのものである以上、採用は継続的な経営課題です。

新卒・初任給・未経験採用について現時点で言えること

「ギークリー 新卒」「ギークリー 初任給」といった検索も一定数ありますが、初任給の金額・採用予定人数・選考倍率は有価証券届出書では開示されていません。したがって本記事では具体的な金額を示しません。公表資料から言えるのは、新卒採用と中途採用の双方を拡大していること、公式サイトに新卒採用・キャリア採用双方の入口があること、そして未経験からのCA職の募集が転職サイト上に出ていることです。

そのうえで、入社後のハードルは明確です。KPIとして開示されている面談CA1人あたり年間売上8,800万円(2025年5月期)という数字は、個人が背負う数字の規模感を示しています。この水準を「経営指標として公開している会社」である以上、成果が可視化される前提で働くことになります(推定情報)。入口の広さと、入ってからの基準の明確さはセットで捉えるべきです。

転職先としての将来性|市場の追い風と、上場後の論点

将来性は、事業が伸びるかと会社としてのガバナンス・株主構成の二軸で見ます。前者はポジティブ、後者は要観察、というのが公表資料から読み取れる姿です。

市場側:IT人材の需給ギャップと専門特化の優位

人材サービス業界全体では、生産年齢人口の減少を背景に採用難が構造的に続いており、成長の中心は一般事務系からIT・専門職・エッセンシャル領域へ移りつつあります。一般事務派遣が単価競争と自動化圧力にさらされる一方、IT・専門領域は単価も紹介手数料も高く、需要が読みやすい領域です。ギークリーはこの伸びている側に最初から張っている会社だと言えます。

加えて、求人企業がSIer・ITコンサル・ネット関連・ゲーム企業に加えて、DX内製化を進める非IT事業会社へ広がっているという点は、顧客の裾野が広がる方向の変化です。取引先1,417社・上位10社構成比10.0%という分散度は、この裾野の広さを裏づけています。

会社側:オーナー色・流通株式比率・配当方針

一方で、上場企業としての論点も公表されています。有価証券届出書は事業等のリスクとして「大株主について」「特定人物への依存」を挙げており、創業者である奥山貴広氏と同氏の資産管理会社である株式会社ブリッジインベストメントが引き続き大株主である旨が記載されています。さらに、上場時点で流通株式比率がスタンダード市場の上場維持基準に近接する見込みである旨まで自ら開示しています。上場したてのオーナー色が強い会社である、という理解が必要です。

ポジティブ側の材料としては、配当方針に累進配当(減配せず維持または増配を基本とする方針)を掲げ、2026年5月期の年間30円から2027年5月期は57円への大幅増配を予想している点、自己資本比率65.0%(第15期)と財務が厚い点が挙げられます。なおIPO時は公開価格1,900円に対して初値1,757円(約7.5%下回る)というスタートでした。株価は業績と市況で動くものであり会社の良し悪しを示すものではありませんが、「上場したばかりで、市場からの評価がこれから定まる会社」という位置づけは押さえておくべきです。

同業・近い上場企業との比較

転職先として並べて検討されやすい会社との比較を、公表されている数値の範囲で整理します。数値の未記載欄は、本記事で一次資料を参照していないため意図的に空けています(推定情報を含みます。最新の正確な数値は各社の公式IRでご確認ください)。

企業名上場区分特化領域平均年間給与(公式開示)平均年齢/勤続転職先としての位置づけ
株式会社ギークリー東証スタンダード・505AIT・Web・ゲーム607.9万円(2025年12月31日現在)28.5歳/2.2年20代で成果主義の中で伸ばしたい人向け。3分業でCAの担当範囲は明確
株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア東証グロース・421Aコンサルティング業界989万円(第26期・提出会社単体)32.9歳/2.1年単体90名の少数精鋭。ハイキャリア領域の専門性を深めたい人向け
レバレジーズ株式会社非上場IT(レバテックキャリア)ほか非上場のため法定開示なし非開示IT特化エージェントの比較検討で最も名前が挙がる相手
ビジョナル株式会社東証プライム・4194ハイクラス人材プラットフォーム本記事では未参照本記事では未参照エージェント業ではなくプラットフォーム型。ギークリーの集客先でもあり競合でもある
株式会社キャリアデザインセンター東証プライム・2410ITエンジニア(type)本記事では未参照本記事では未参照媒体とエージェントの両輪。メディア運営側の職種にも関心があるなら比較対象

この表から読み取れる要点は2つです。第一に、人材紹介会社の平均年収は「どの領域に特化しているか」で決まるということ。コンサル特化のムービンが989万円、IT・Web・ゲーム特化のギークリーが607.9万円という差は、紹介する求人の年収帯と1件あたり手数料の差をそのまま映しています。第二に、勤続年数はどちらも2年台だということ。特化領域が違っても勤続が近いということは、これが会社ごとの問題ではなく業界とフェーズの問題である可能性を示しています。

ギークリーに向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。同社は「合う人には非常に合い、合わない人には合わない」タイプの会社であり、この見極めが転職判断の中心になります。

向いている人向いていない人
3か月ごとの評価改定を「早く報われる仕組み」と捉えられる人四半期ごとに評価が動く環境より、年1回の安定した昇給を望む人
20代で裁量と実績を短期間に積みたい人(20代成長環境4.3)じっくり育成されながら数年かけて一人前になりたい人
IT・Web・ゲーム領域に関心があり、業界知識を深めたい人特定業界に絞らず幅広い業界の人材ビジネスを経験したい人
MA・CA・RAの分業に乗り、面談と意思決定支援に集中したい人集客から企業開拓まで一気通貫で担う両面型の経験を積みたい人
繁忙期(3〜5月)に負荷が寄ることを前提に働ける人年間を通じて平坦な業務量と労働時間を重視する人
成長企業のスピード感と組織の変化を前向きに捉えられる人制度・体制が固まった組織で腰を据えて働きたい人

ギークリーに関するよくある質問(FAQ)

ギークリーへの転職・入社を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。サービス利用ではなく、社員として入る側の視点で答えています。

ギークリーの平均年収はいくらですか?

公式情報として、有価証券届出書(新規公開時)の「従業員の状況」に記載された平均年間給与は6,079千円(約607.9万円)で、基準日は2025年12月31日です。賞与および基準外賃金を含み、対象は正社員382人です。持株会社ではなく事業会社単体の数字であるため、現場実態をおおむね反映していると考えられます。ただし平均年齢28.5歳の平均値である点、口コミの自己申告平均は約400万〜575万円と幅がある点は併せて確認してください。

ギークリーは「やばい」「最悪」と言われていますが本当ですか?

検索結果に並ぶ「やばい」記事の多くは、転職エージェントのサービス利用者としての体験を扱ったもので、社員としての働き方の評価ではありません。社員側の評価としては、OpenWorkの総合スコア3.68で「20代成長環境4.3」「会社の成長性4.2」「実力主義4.2」が高い一方、残業時間や成果主義の厳しさを指摘する口コミ傾向もあります。公表資料の範囲で「やばい企業」と断定できる根拠は見当たりませんが、適性が明確に分かれる会社ではあります。

ギークリーの離職率は公表されていますか?

離職率は有価証券届出書では開示されていません。平均勤続年数2.2年という数字は開示されていますが、これは直近1年で従業員が94名増えた採用拡大の影響も含んでおり、離職の多寡を直接示すものではありません。判断材料が必要な場合は、面接の場で「直近1年の入社者数と在籍者数」「配属予定部署の在籍年数の分布」を確認するのが実務的です。

ギークリーの残業時間はどのくらいですか?

残業時間の公式数値は開示されていません。口コミ傾向としては、OpenWorkで月39.7時間、エン カイシャの評判で月44時間、転職会議で月63.2時間と、サイトによって幅があります。有給休暇の消化率は60.2%です。加えて、同社は4月入社が集中することによる第4四半期(3〜5月)への売上偏重を自らリスクとして開示しており、時期によって負荷が変動する構造である点は押さえておくべきです。

未経験からギークリーのキャリアアドバイザーになれますか?

公表資料からは、新卒採用・中途採用の双方を拡大していること(直近1年で従業員94名増)、独自の基幹システム「OLG」がCAの推薦求人提案を支援していることが分かります。この仕組みは業界未経験者でも早期に面談を担当できるよう設計されていると届出書に記載されています。ただし選考基準・倍率は公表されていないため、「未経験でも必ず入れる」という保証ではありません(推定情報)。

ギークリーとギークス(geechs)は同じ会社ですか?

別会社です。本記事の対象は東証スタンダード上場・証券コード505Aの株式会社ギークリーで、IT・Web・ゲーム業界特化の人材紹介会社です。ギークス株式会社(geechs/7060)はフリーランスIT人材サービスなどを手掛ける別法人で、資本関係はありません。また「Geekly Media」「Geekly Review」はギークリーが運営する自社メディアの名称です。

編集部の見解と、ギークリーへの転職判断まとめ

編集部の見解として、ギークリーは「20代で人材ビジネスの成果主義に振り切って経験を積みたい人」には強くおすすめできる一方、「安定した固定給と平坦な業務量を重視する人」には慎重な検討が必要な会社だと考えられます。判断の決め手は、平均年間給与607.9万円という数字そのものよりも、その内訳が「28.5歳平均・残業代込み・3か月ごとの評価改定」で構成されているという事実です。同じ607.9万円でも、成果が出る人と出ない人で実際の着地は大きく変わります。

また、上場直前期の第15期に営業利益が41.3%減った事実は、決してネガティブ材料としてだけ読むべきものではありません。売上が22.4%伸びる中で集客投資を先行させた結果であり、翌第16期に営業利益3.1倍で回収しています。ただし「右肩上がり一辺倒の会社」という前提で入社すると、次に集客コストが上がる局面で賞与や評価が振れたときに違和感を持つことになります。業績が投資判断で動くタイプの会社だと理解しておくことが、入社後のミスマッチを防ぎます。

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書で必ずご自身で確認してください。

判断軸評価
年収水準平均607.9万円(28.5歳平均・賞与および基準外賃金込み)。年齢比では高めだが、成果と残業に連動する構造
働き方・労働時間公式開示なし。口コミでは月39.7〜63.2時間、有給消化率60.2%。3〜5月の繁忙期に負荷が寄る季節性を会社が開示
成長環境OpenWorkで20代成長環境4.3・実力主義4.2。3か月ごとの評価改定で結果が早く反映される
組織の安定度平均勤続2.2年。ただし直近1年で94名増という採用拡大の影響が大きい。離職率は開示されていない
業績・将来性第16期売上97.8億円(+36.9%)・営業利益21.6億円(+206.4%)。ただし第15期は41.3%減益と凸凹あり
事業基盤取引先1,417社・上位10社構成比10.0%・リピート率80.2%と顧客分散は良好。集客コストが利益の変動要因
会社としての論点上場したてでオーナー色が強く、流通株式比率が上場維持基準に近接する見込みと自ら開示。累進配当は方針として明示
向く人IT・Web・ゲーム領域に関心があり、四半期単位の成果主義を歓迎できる20代〜30代前半

どのサービスを使えばいいか決められないとき

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券届出書・決算短信・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の中核データは、2026年1月22日にEDINETへ提出された有価証券届出書(新規公開時)の「従業員の状況」(2025年12月31日現在)を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。同社は2026年2月上場かつ5月決算のため、記事作成時点で通期の有価証券報告書は提出されていません。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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