フィットクルー(旧トライアス)の評判と年収|年休183日・有報平均381万円の実像
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 正体:女性専用ジム「UNDEUX SUPERBODY」を運営する旧トライアス(2025年12月上場)
- 年収:有報の平均年間給与は約381.6万円、平均年齢27.8歳・勤続2.0年
- 働き方:年間休日183日・2勤2休が最大の特徴。休日と給与のトレードオフ型
- 足元:売上は5年で約12倍。ただし2026年11月期は営業利益を約50%下方修正
この記事は、株式会社フィットクルー(東証グロース・証券コード469A)への転職・就職を検討している方に向けた、企業分析記事です。同社が運営する女性専用パーソナルジム「UNDEUX SUPERBODY(アンドゥスーパーボディ)」を利用者として調べている方向けの、体験料金・店舗情報・トレーニング効果の記事ではありません。ここで扱うのは、パーソナルトレーナー・カウンセラーとして働く側から見た年収・働き方・会社の将来性です。同社は2015年設立の旧社名「株式会社トライアス」で、社名変更の経緯を知らないと口コミサイトの情報を取りこぼします。上場後初の有価証券報告書(第11期・2025年11月期)で開示された実額をベースに、口コミ傾向・推定情報と切り分けて整理します。
株式会社フィットクルーはどんな会社か|旧トライアスから東証グロース上場までの11年
結論から言うと、フィットクルーは「女性専用パーソナルジム1本で売上の約9割を稼ぐ、大阪発の単一事業型ベンチャー」です。転職検討者がまず押さえるべきは、(1)社名が変わっているため過去の口コミが分散していること、(2)持株会社ではなく事業会社そのものであるため有価証券報告書の数字が現場実態に近いこと、の2点です。この2つを理解しておくと、以降の年収・働き方の数字が正しく読めます。
旧社名「株式会社トライアス」からの商号変更|口コミを探すときの注意点
同社は2015年1月15日に株式会社トライアスとして設立され、その後フィットクルーへ商号変更しています。これは転職検討者にとって実務的に重要です。転職会議では現在も「フィットクルー(旧: トライアス)」という表記で口コミが集約されており、投稿の一部は旧社名時代のものです。エン カイシャの評判やOpenWorkでは現社名で登録されていますが、掲載件数がサイトごとに大きく異なるため、片方だけを見ると印象が偏ります。
具体的には、口コミ傾向として次のような分散が起きています。
- 転職会議:旧社名併記で社員口コミが計95件規模に集約
- エン カイシャの評判:口コミ206件・総合3.2(正社員27名回答ベースの評点)
- OpenWork:総合3.24/5.0だが回答者は14人と少数
回答者14人のOpenWorkスコアと、206件のエン カイシャの評判を同じ重みで扱うと判断を誤ります。推定情報にはなりますが、母数の大きい側を全体傾向、小さい側を個別事情の色が濃いサンプルとして読むほうが安全です。
主力はUNDEUX SUPERBODY|4つの事業と売上構成の偏り
公式サイトによると、同社は次の4事業を展開しています。転職後にどの事業に配属されるかで働き方が変わるため、規模感とセットで押さえてください。
- UNDEUX SUPERBODY:主力の女性専用パーソナルトレーニングジム。20〜50代女性がコア顧客で、トレーニング指導と食事改善指導をセットで提供
- UNDEUX SUPERBODY LIFE:月額通い放題型。2026年5月に主力ブランドへ統合済み
- Dr.plus Fit:運動・栄養指導を重視した全年齢向け業態
- プロジム(Pro Gym):パーソナルトレーナー養成スクール
売上構成はパーソナルトレーニング約90%/物販(プロテイン等)約6%/スクール約2%/その他約2%(2025年11月期・二次ソースによる構成比のため推定情報を含みます)。つまり、実質的に売上のほぼすべてがトレーナーのセッション売上で成り立っている構造です。
ここから読み取れる転職上の含意は明快です。物販やスクールが収益の柱ではない以上、会社の業績=現場トレーナーの稼働と契約継続率とほぼ同義になります。バックオフィスや企画職で入社しても、評価の物差しは店舗の数字に強く紐づく可能性が高いと考えられます(推定情報)。
大阪市西区・本町駅徒歩圏の本社|関西発の全国チェーンという珍しい立地
本社は大阪府大阪市西区靱本町1-13-9 中央ビル1階で、大阪メトロ四つ橋線・御堂筋線「本町駅」から徒歩数分の立地です。上場フィットネス企業は東京本社が多いなかで、関西発で全国展開している上場企業という点は同社の特徴です。
転職検討者にとってこれは2つの意味を持ちます。第一に、本部機能(経営企画・人事・WEBマーケティング等)のポストが大阪にあるため、関西で本部キャリアを積みたい人には希少な選択肢になります。第二に、店舗は首都圏を含む全国に広がっているため、店舗職の配属地と本社の所在地が一致しません。求人媒体では東京都港区など首都圏の募集も出ているため、応募時に必ず配属エリアと異動可能性を確認してください。代表取締役社長は創業者の鹿島紘樹氏で、上場前ベースで発行済株式の58.44%を保有するオーナー経営者です。意思決定が速い一方、経営方針が創業者の判断に集約されやすい構造だと考えられます(推定情報)。
フィットクルーの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。同社は連結子会社を持たない単体決算のため、以下の従業員データは持株会社の本部社員だけを映したものではなく、店舗トレーナーを含む実態に比較的近い数字です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社フィットクルー(Fitcrew Inc.)/旧社名:株式会社トライアス |
| 上場区分・証券コード | 東京証券取引所グロース市場・469A(2025年12月12日上場) |
| 本社 | 大阪府大阪市西区靱本町1-13-9 中央ビル1階 |
| 設立 | 2015年1月15日(資本金2,200万円・公式会社概要) |
| 代表者 | 代表取締役社長 鹿島紘樹 |
| 平均年間給与 | 3,816千円(約381.6万円) |
| 平均年齢 | 27.8歳 |
| 平均勤続年数 | 2.0年 |
| 従業員数 | 277名(うち臨時従業員3名/提出会社単体・前期末比+27名) |
| 売上高 | 2,920百万円(29億2,095万円/前期比+19.0%) |
| 営業利益 | 274百万円(2億7,465万円/前期比+143.2%) |
| 経常利益・当期純利益 | 経常267百万円/当期純利益249百万円 |
| 翌期会社予想 | 2026年11月期:売上3,574百万円(+22.4%)/営業利益172百万円(△37.4%) |
| 店舗数 | 上場時53店舗 → 2026年11月期1Q末55拠点 → 同期末69店舗計画(中長期180店舗構想) |
| 離職率・3年定着率 | 有価証券報告書では開示されていない |
| 出典 | 第11期(2025年11月期)有価証券報告書「従業員の状況」(EDINETコードE41055、2025年11月30日現在)/決算短信・適時開示/公式会社概要 |
従業員数について1点補足します。公式サイトの「会社概要」ではアルバイト・パートを含めて292名(2025年11月現在)と表記されており、有報の277名とは集計範囲が異なります。求人票や説明会で「約290名」と聞いた場合、それはアルバイトを含む数字だと理解しておくと齟齬がありません。
フィットクルーの平均年収381.6万円をどう読むか|有報実額と口コミ自己申告のズレ
まず結論です。有価証券報告書によると、第11期(2025年11月期)の平均年間給与は3,816千円=約381.6万円。これは同社の全社平均であり、店舗トレーナー単独の水準ではありません。転職検討者が押さえるべきポイントは、「有報381.6万円」と「口コミ自己申告318〜329万円」の約50〜60万円の差をどう解釈するかに尽きます。以下、公式数値 → 属性データ → 口コミ傾向 → 推定レンジ → 確認事項の順で整理します。
平均年齢27.8歳・平均勤続2.0年が示す組織プロフィール
有価証券報告書によると、平均年齢は27.8歳、平均勤続年数は2.0年(いずれも2025年11月30日現在・提出会社単体)です。上場企業全体で見ると、この2つの数字はかなり若く・短い部類に入ります。
この組み合わせが意味することを、転職判断に必要な形に分解します。
- 年齢構成が若い:27.8歳という平均は、20代前半〜半ばの現場トレーナーがボリュームゾーンであることを示唆します。年齢に関係なく責任あるポジションに就ける可能性が高いと考えられます(推定情報)。
- 勤続が短い:2.0年は、2015年設立という会社の若さと、前期末比+27名という急拡大(新入社員が平均を押し下げる)の両方で説明できます。有価証券報告書は従業員数の増加理由を「事業拡大に伴うパーソナルトレーナーの人員確保」と記載しています。
- 年齢と年収の関係:平均27.8歳で381.6万円という水準は、20代の給与としては極端に見劣りするものではありません。問題は、勤続が短いため「30代でいくらになるか」を示す社内データが外部から読めない点です。
なお同社は2025年12月上場のため、上場後初の有価証券報告書がこの第11期分です。したがって、多くの上場企業記事で行える「平均年収の3〜5年推移」の比較は、現時点では原理的に不可能です。本記事では代わりに、後述する売上・利益・人員の推移から昇給余地を分析します。
口コミ上の年収傾向は318〜329万円|有報との差が生まれる3つの理由
口コミ傾向としては、自己申告ベースの平均年収は有報値より低めに出ています。
- OpenWork:平均年収318万円(レンジ270〜400万円)・回答者の平均年齢26歳・回答14人
- エン カイシャの評判:平均年収329万円・平均年齢29歳
この差については、次の3つの要因が考えられます(推定情報)。
- 母集団の違い:有報は本部・管理部門・管理職を含む全社平均。口コミ投稿者は現場トレーナーに偏りやすく、店舗職単独の水準は有報値より低い可能性があります。
- 賞与・手当の計上:有報の平均年間給与は賞与・基準外賃金を含みます。自己申告では基本給ベースで回答されるケースがあります。
- 回答時期:OpenWorkの回答者平均年齢は26歳と、有報の27.8歳よりさらに若く、勤続の浅い層に寄っています。

結局、入社したら年収はいくらになるんですか?
正直に言えば、職種・役職別の公式な給与テーブルは有価証券報告書では開示されていません。そのうえで、有報の全社平均381.6万円と口コミ自己申告318〜329万円という2つの実データから逆算すると、推定情報として次のレンジが考えられます。
- 未経験入社のパーソナルトレーナー(1〜2年目):おおむね300万円前後が目安。口コミの下限270万円はこの層と重なると考えられます。
- 経験を積んだトレーナー・店舗責任者クラス:350〜400万円前後が目安。口コミ上限の400万円がこの帯に相当する可能性があります。
- 本部・管理職:全社平均を押し上げている層。具体的な水準は開示されていないため、面接での確認が必要です。
これはあくまで公開データからの推定であり、内定時の労働条件通知書が唯一の正確な情報です。
年収面で面接時に確認すべきポイント
同社の給与構造には、公開情報から読み取れる「確認しないと差が出る」論点があります。転職判断のために、以下は選考の場で必ず具体化してください。
- インセンティブ・歩合の設計:売上の約9割がパーソナルトレーニングである以上、個人の契約獲得や継続率が報酬に反映される仕組みがあるかは中核論点です。固定給と変動給の比率を確認しましょう。
- 評価軸の変化:リカーリング収益比率は2025年11月期で51.6%と、回数券売り切り型から月額継続課金型への転換が進んでいます。評価が「新規販売」から「継続率」へ移行している可能性があり(推定情報)、どちらで評価されるかは収入に直結します。
- 昇給の実績:平均勤続2.0年のため、社外から昇給カーブが見えません。「3年目・5年目のモデル年収」を質問することで実態に近づけます。
- 副業の可否と範囲:求人票では同業種の副業OKと明記されています。具体的な許可範囲を確認する価値があります。
年間休日183日・2勤2休は本当か|休日と給与のトレードオフを数字で検証
フィットクルーを転職先として見たとき、最大の差別化要素は年間休日183日・2勤2休というシフト設計です。マイナビ転職・女の転職typeなどの求人票に明記されており、これは一般的な企業の年間休日120日前後と比べて突出しています。ただし、この休日の多さと給与水準はセットで評価する必要があります。ここでは求人条件・口コミスコア・退職検討理由の3つの実データを突き合わせます。
求人条件と口コミスコアの構造|「休日と人間関係」対「給与と評価制度」
求人媒体に掲載されている条件は次の通りです(公式情報=募集要項ベース)。
- パーソナルトレーナー職/未経験歓迎
- 年間休日183日・2勤2休
- 残業月10時間程度
- 同業種の副業OK
- 募集職種はパーソナルトレーナー、カウンセラー、WEBマーケティング
これに対し、口コミ傾向として各サイトのスコアは以下のような分布を示しています。
| 評価項目 | スコア・数値 | 出典サイト |
|---|---|---|
| 総合評価 | 3.24/5.0(回答14人) | OpenWork |
| 社員の相互尊重 | 4.1(項目内で最高) | OpenWork |
| 待遇面の満足度 | 2.4(項目内で最低) | OpenWork |
| 20代成長環境 | 3.5 | OpenWork |
| 人材の長期育成 | 2.5 | OpenWork |
| 月平均残業/有給消化率 | 9.7時間/96.9% | OpenWork |
| 総合評価 | 3.2(口コミ206件・正社員27名回答) | エン カイシャの評判 |
| 休日休暇の満足度 | 91% | エン カイシャの評判 |
| 職場の人間関係満足度 | 79% | エン カイシャの評判 |
| 年収・給与の納得度 | 59% | エン カイシャの評判 |
| 実力主義/経営陣の手腕 | 2.6/2.4(項目内で最低) | エン カイシャの評判 |
| 月間残業時間 | 23時間 | エン カイシャの評判 |
2サイトのスコアは、「休日休暇と人間関係は高評価、待遇・評価制度・経営への納得感は低評価」という同じ形を示しています。母数の異なる2つの独立したソースが同じ方向を向いている点は、傾向としての信頼性を高めます。転職判断の言い方に直すと、「働きやすさをお金に換えている会社かどうか」を自分の優先順位で判定するという構図です。
ポジティブ側で共通して挙がるのは、年間休日183日・2勤2休、残業の少なさ、女性専用ジムという環境の清潔さ、年齢に関係なくキャリアアップできる点、産休・育休への柔軟な対応です。ネガティブ側で共通するのは、給与水準、評価制度への不満、そして「良くも悪くも体育会系」と表現される社風です。なお退職者評価は3.1と現職者評価よりやや低く出ています。
「1日11時間・セッション11本」という退職検討理由との整合をどう見るか
ここは本記事で最も慎重に扱うべき論点です。OpenWorkの「退職検討理由」には「1日11時間労働」「1日セッション11本」という記述があります。一方、同じOpenWorkの集計では月平均残業9.7時間と表示されています。この2つは一見矛盾します。
この乖離について、断定できる説明はありません。考えられる解釈は次の通りです(推定情報)。
- 2勤2休シフトの構造上の帰結:年間休日183日=ほぼ1日おきの休みを実現するには、1勤務日の拘束時間が長くなる設計が自然です。1日11時間拘束でも、月間所定労働時間の枠内に収まれば「残業」としてはカウントされません。
- 店舗・時期・職種による差:エン カイシャの評判では月間残業23時間との自己申告もあり、OpenWorkの9.7時間と2倍以上の開きがあります。繁忙店舗と閑散店舗の差が大きい可能性があります。
- 投稿時点の差:旧社名時代を含む古い投稿と直近の投稿が混在しています。
転職検討者が取るべき対応は明確です。「年間休日183日」と「1日の拘束時間・1日あたりのセッション上限」は必ずセットで質問すること。休日日数だけを見て応募すると、1日の負荷を見落とします。逆に、まとまった休みが定期的に取れる働き方を求めている人にとっては、業界内でも希少な条件であることも事実です。
同業種の副業OK|「基本給を副業で補う」キャリアモデルの是非
求人票に明記された同業種の副業OKという条件は、フィットネス業界では実務的に大きな意味を持ちます。通常、パーソナルジム運営会社は自社顧客の流出を懸念して同業副業を制限しがちだからです。
この設計から読み取れることは2つあります(推定情報)。第一に、トレーナーが個人の顧客を持ちながら在籍できるため、将来的な独立を視野に入れた人には実質的なメリットになります。第二に、裏を返せば基本給を副業で補うことが前提化されたキャリアモデルとも読めます。年間休日183日という休みの多さは、副業に充てる時間を確保できるという意味でもあります。
したがって同社の待遇は、「単体の年収」ではなく「年収+副業収入+休日の可処分時間」の合計で評価するのが実態に近いと考えられます。副業をする意思がない人には、休日の多さが魅力でも収入面の物足りなさが残る可能性があり、これが口コミ評価の二極化を生む構造的な理由だと考えられます。
売上5年で約12倍、しかし2026年11月期は減益予想|業績と店舗拡大の実像
転職先として同社を評価するうえで避けて通れないのが、「急成長企業だが、足元は投資先行で減益局面にある」という事実です。良い面と厳しい面の両方を、開示数値で確認します。
業績推移|5年で売上約12倍、利益は2023年11月期に黒字化
決算短信によると、同社の業績は次のように推移しています。
| 決算期 | 売上高 | 当期純利益 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2020年11月期 | 240百万円 | △62百万円 | 赤字期 |
| 2023年11月期 | — | 黒字転換 | — |
| 2024年11月期 | 2,454百万円 | 44百万円 | — |
| 2025年11月期(第11期) | 2,920百万円(+19.0%) | 249百万円 | 営業利益274百万円(+143.2%) |
| 2026年11月期(会社予想) | 3,574百万円(+22.4%) | 147百万円 | 営業利益172百万円(△37.4%) |
2020年11月期の240百万円から2025年11月期の2,920百万円まで、5年間で売上は約12倍。2025年11月期の営業利益率は約9.4%で、赤字期を脱してからの収益改善は明確です。ここまでは素直にポジティブな材料と言えます。
さらに、開示数値から転職判断に使える指標を計算してみます(以下は編集部による推定情報としての試算です)。
- 1店舗あたり年商:2,920百万円 ÷ 上場時53店舗 = 約5,500万円/店。パーソナルジムとしては小型店舗を数多く回す構造です。
- 1人あたり売上高:2,920百万円 ÷ 277名 = 約1,054万円/人。前期は2,454百万円 ÷ 250名 = 約982万円/人であり、1年で1人あたり売上が約7%改善しています。人を増やしながら生産性も上げられている点は評価できます。
- 人件費比率の目安:平均年間給与381.6万円 × 277名 = 約10.6億円。売上29.2億円に対し約36%(賞与・法定福利費の計上方法により実際の売上原価・販管費上の人件費とは一致しません)。労働集約型サービス業として想定内の水準です。
- 1店舗あたり人員:277名 ÷ 53店舗 = 約5.2名/店。2026年11月期末の69店舗計画を同じ密度で満たすには、単純計算で約360名規模の人員が必要になります。採用が成長のボトルネックになる構造だと考えられます。
最後の点は転職検討者にとって重要です。店舗数を伸ばすには人を採るしかない労働集約型モデルであるため、採用意欲は当面高い状態が続くと考えられます。同時に、急拡大期の企業に共通する「教育が追いつかない」「制度が後追いになる」というリスクも同居します。OpenWorkの「人材の長期育成2.5」という低スコアは、この構造と整合的です。
2026年4月の下方修正の中身|なぜ営業利益が約50%減るのか
2026年4月14日、同社は2026年11月期の業績予想を修正しています(TDnet適時開示)。内容は次の通りです。
| 項目 | 修正前 | 修正後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,570百万円 | 3,574百万円 | ほぼ据え置き |
| 営業利益 | 344百万円 | 172百万円 | △49.8% |
| 経常利益 | 319百万円 | 159百万円 | △50.2% |
| 当期純利益 | 261百万円 | 147百万円 | △43.7% |
注目すべきは、売上はほぼ据え置きのまま、利益だけが半減している点です。つまり需要の失速ではなく、費用先行によるものだと開示から読み取れます。会社が示した主な要因は以下です。
- ピラティススタジオ11店舗の収益化までの営業損失:71百万円
- パーソナルトレーナー28名増員に伴う人件費増:36百万円
- ブランド統合(UNDEUX SUPERBODYとUNDEUX SUPERBODY LIFEの統合)による売上減:93百万円
- 人材投資:16百万円
- 広告宣伝費の削減による一部相殺:△51百万円
そして2026年11月期第1四半期は、売上731百万円(+11.2%)に対し営業利益11百万円(△67.4%)と、実際に大幅減益で着地しています。予想だけでなく実績にも表れている点は正確に押さえるべきです。
転職検討者にとっての解釈は、両面から見る必要があります。ネガティブに読めば、入社時期が「利益が出ていない年」に重なるため、賞与原資や昇給に影響が及ぶ可能性があります(推定情報)。ポジティブに読めば、減益要因がトレーナー増員36百万円・人材投資16百万円という人への投資を含んでおり、「人を採って店を増やすために利益を削っている」構図です。撤退や縮小に伴う減益とは性質が異なります。どちらの読み方を採るかは、自分が拡大局面のリスクを取れるタイプかどうかで決まります。
ピラティス参入とVALX GYM|上場半年でM&Aを連発する組織への入社
同社は上場後わずか半年で、立て続けに事業譲受を実行しています。
- 2026年5月1日:Ascenders株式会社のピラティススタジオ11店舗を事業譲受。同日、UNDEUX SUPERBODYとUNDEUX SUPERBODY LIFEをブランド統合。
- 2026年7月16日:VALX株式会社とVALX GYM5店舗の事業譲渡および資本業務提携の基本合意を締結(VALX側によるフィットクルー株式取得の検討を含む)。
ピラティスは、フィットネス業界全体でも2026年の注目テーマとして挙げられる成長業態です。低価格24時間ジムの乱立で価格競争が厳しくなるなか、高単価・指導者依存型のピラティス業態へ横展開するのは業界の潮流と整合しています。
ただし転職検討者の視点では、リスクと機会が同居します(推定情報)。
- 機会:新業態の立ち上げ・統合フェーズは、若手にポジションが回りやすい局面です。平均年齢27.8歳という組織であれば、入社数年で店舗立ち上げや業態企画に関与できる可能性があります。
- リスク:ブランド統合による売上減93百万円が示す通り、統合は短期的に数字を悪化させます。人事制度・評価制度の統合が進行中の場合、入社時の条件と1〜2年後の条件が変わる可能性があります。譲受された店舗の従業員と、プロパー社員の処遇差も論点になり得ます。
選考の場では、「自分が配属される可能性のある業態(UNDEUX/ピラティス/VALX GYM)はどれか」「評価制度は統合後どうなるか」を確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。
フィットネス業界の構造から見たフィットクルーの立ち位置
個社の数字だけでは、381.6万円という年収や183日という休日が業界内でどの位置にあるか判断できません。ここで業界構造を踏まえて相対化します。
国内フィットネスクラブ運営市場は2024年度に約7,100億円規模となり、2019年度の過去最高水準を回復しました。2025年8月時点で全国のフィットネス施設数は13,876施設、うち24時間型施設は5,034施設に達しています。一方で、月額3,000円前後の低価格帯24時間ジムが急増したことで顧客獲得競争は激化し、物価上昇下でも会費値上げが難しい薄利多売構造が業界課題になっています。
この構造のなかで、フィットクルーは低価格・無人化とは真逆の「高単価・完全対人指導」で差別化する側に立っています。パーソナルジム市場は数百億円規模とされ、フィットネス市場全体の一部に過ぎませんが、単価が高いぶん1人のトレーナーが生む売上も大きくなります。実際、同社の1人あたり売上高は約1,054万円と試算されました。
働く側から見た含意は次の通りです。
- スキルが資産になりやすい:無人型ジムの店舗運営職と異なり、指導技術・カウンセリング力・食事指導の知見が個人に蓄積します。同業種の副業OKという制度と組み合わせると、独立志向の人には相性が良い環境です。
- 景気・可処分所得の影響を直接受ける:高単価サービスは節約局面で最初に削られやすく、売上の約9割を単一事業に依存する構造はその影響を増幅します。
- 業態多様化がキャリアの幅を広げる:ピラティスなど新業態の導入は、業界全体で進む複合化の流れと一致します。複合サービスの企画・運営スキルを積めば、ウェルネス・美容・レジャー領域への転職の幅も広がります。
フィットネス業界のキャリアパスは一般に、(1)店舗トレーナー・店長からエリアマネージャー/スーパーバイザーへ、(2)本部の店舗開発・企画部門へ、(3)FCオーナーや独立開業へ、(4)多店舗展開型サービス業の店舗運営職へ、の4方向に分かれます。同社は直営中心・中長期180店舗構想という前提から、(1)の店舗マネジメントルートと(3)の独立ルートが現実的な主軸になると考えられます(推定情報)。
同業他社との比較|転職先候補としてどう並べるか
フィットネス業界で転職先を比較する際、事業モデルが違うと「同業」と言っても求められる能力が変わります。以下は、転職検討者が実際に併願しやすい4社との比較です。各社の給与水準は開示形式・集計範囲が異なり単純比較ができないため、ここでは事業モデルと求められる役割の違いで整理します(推定情報を含みます。年収の正確な数値は各社の公式IRでご確認ください)。
| 企業名 | 事業モデル | 主な職種の役割 | フィットクルーとの違い |
|---|---|---|---|
| フィットクルー(469A・東証グロース) | 女性専用パーソナルジム直営(売上の約9割が対人セッション) | パーソナルトレーナー、カウンセラー | —(年間休日183日・2勤2休・同業副業OKが特徴) |
| RIZAPグループ(2928) | 高単価パーソナル『RIZAP』と低価格『chocoZAP』の二層展開 | トレーナー、店舗運営、本部企画 | ブランド知名度と事業規模が大きく、低価格業態も経験できる。事業構成が複雑で配属の幅が広い |
| Fast Fitness Japan(7092・東証プライム) | エニタイムフィットネスのマスターフランチャイジー(FC主体) | FC加盟店支援、スーパーバイザー、店舗開発 | 対人指導ではなくFC運営指導が中心。多店舗マネジメント経験を積みたい人向け |
| カーブスホールディングス(7085・東証プライム) | 女性専用サーキットトレーニングの全国チェーン | インストラクター、店舗運営 | 『女性専用』という同じ軸だが、短時間・低単価・高回転モデルでパーソナル指導とは業務内容が異なる |
| セントラルスポーツ(4801・東証プライム) | 総合フィットネスクラブ(スイミング・スクール事業併営) | インストラクター、スクールコーチ、施設運営 | 老舗大手で制度・研修が整備されている一方、パーソナル指導に特化したキャリアは積みにくい |
この比較から見える結論は、「パーソナル指導のスキルを個人資産として積みたいならフィットクルー、多店舗マネジメントや大企業の制度を取りたいなら上場大手」という住み分けです。フィットクルーは組織規模で上記大手より小さく、制度の整備度では見劣りする可能性がある一方、意思決定の近さと若手の裁量では優位に立ちます。
フィットクルーへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。無理に当てはめるのではなく、自分の優先順位と照らして読んでください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 年収より休日の量と自由時間を優先したい人(年間休日183日・2勤2休) | 20代のうちから年収の絶対額を優先して伸ばしたい人 |
| 将来の独立を視野に、指導スキルと顧客対応力を個人に蓄積したい人(同業副業OK) | 制度・研修・キャリアパスが整備された環境で着実に育ちたい人(人材の長期育成2.5) |
| 未経験からトレーナーを目指したい人(自社スクール『プロジム』あり・未経験歓迎求人) | 専門性を深く極めたい経験者で、既に確立した評価制度を求める人(実力主義2.6) |
| 組織が拡大・統合していく局面を面白いと感じられる人(M&A連発・180店舗構想) | 入社時の条件・体制が数年変わらないことを前提に計画を立てたい人 |
| 体育会系の距離感が近い職場を苦にしない人(社員の相互尊重4.1) | フラットで個人主義的な社風を好む人(「良くも悪くも体育会系」という声) |
| 関西で本部・企画のキャリアを積みたい人(大阪・本町本社) | 上場企業のブランド・安定性を重視する人(上場直後・公開価格割れ・減益予想) |
フィットクルーへの転職|編集部の見解
編集部の見解として、フィットクルーは「条件が分かりやすく、判断しやすい会社」です。年間休日183日という強みと、平均年収381.6万円・平均勤続2.0年という弱みが、どちらも数字ではっきり見えているためです。多くの企業では良い面と悪い面が曖昧なまま入社することになりますが、同社は判断材料が開示されています。
そのうえで、総合すると次のように考えられます。「時間の余裕を取りながらパーソナル指導の実力を付け、数年後に独立や次のステップを狙う」というキャリア設計を持っている人にはおすすめできる環境です。同業副業OK・自社養成スクール・若い組織という3点が、この設計と噛み合っています。
一方で、「安定した昇給カーブと整備された制度のもとで長く勤めたい」という志向の人には、現時点では条件が揃っていないと考えられます。平均勤続2.0年は会社の若さで大部分が説明できますが、社外から昇給実績が読めないのも事実です。加えて2026年11月期は営業利益が半減する予想で、第1四半期も大幅減益です。撤退による減益ではなく人員増・新業態投資による費用先行ですが、入社直後の待遇改善余地という点では慎重に見るべきです。
最後に、株価は公開価格2,200円・初値3,000円に対し2026年8月時点1,628円と公開価格を下回って推移しています。株価自体は日々の需給で動くため転職判断に直結しませんが、資本市場からの評価が定まっていない段階の企業に入社するという事実は認識しておくべきです。
フィットクルーに関するよくある質問(FAQ)
フィットクルーへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。
フィットクルーと「株式会社トライアス」は同じ会社ですか?口コミはどちらで探すべきですか?
同じ会社です。同社は2015年1月15日に株式会社トライアスとして設立され、その後フィットクルーへ商号変更しています。転職会議では現在も「フィットクルー(旧: トライアス)」の表記で口コミが集約されており、旧社名時代の投稿も含まれます。ただしブランド名「UNDEUX SUPERBODY」で検索するとジム利用者(お客様側)のレビューが大量に出てくるため、社員口コミを探す場合はOpenWork・エン カイシャの評判・転職会議など転職系サイトに絞ってください。
未経験からパーソナルトレーナーとして入社できますか?
求人媒体(マイナビ転職・女の転職type・エンゲージ等)の募集要項では未経験歓迎と明記されています。加えて同社は自社でパーソナルトレーナー養成スクール「プロジム(Pro Gym)」を運営しており、公式情報として社内に育成の仕組みを持っています。有価証券報告書によると従業員数は前期末比+27名で、増加理由は「事業拡大に伴うパーソナルトレーナーの人員確保」と記載されており、採用意欲は継続していると考えられます。ただしOpenWorkの「人材の長期育成」は2.5と低めで、体系的育成というより現場実践中心である可能性があります(推定情報)。研修期間と内容は面接で必ず確認してください。
本社は大阪ですが、勤務地はどこになりますか?
本社は大阪市西区靱本町(本町駅徒歩数分)ですが、店舗は全国に展開しており、2026年11月期第1四半期末時点で55拠点、同期末69店舗を計画しています。求人媒体では東京都港区など首都圏の募集も掲載されているため、「本社=大阪」と「勤務地=大阪」はイコールではありません。本部職は大阪本社に置かれていると考えられますが(推定情報)、店舗職は募集ごとに配属エリアが異なります。応募時点で配属予定地・転勤の有無を確認してください。
2026年11月期の減益予想は、転職判断にどう影響しますか?
減益の中身は費用先行であり、売上予想は3,570百万円から3,574百万円とほぼ据え置きです。転職判断としては、賞与原資や昇給が短期的に抑制される可能性がある一方、人員増・新業態投資が続く=採用は継続するという両面で読むのが妥当だと考えられます(推定情報)。内定時には賞与の支給実績と算定方法を確認してください。
フィットクルーへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収水準 | 有報実額381.6万円(平均年齢27.8歳)。20代としては極端に見劣りしないが、待遇面の口コミ評価は低め(OpenWork 2.4)。副業を含めた総収入で評価すべき |
| 休日・働き方 | 年間休日183日・2勤2休は業界内でも突出。ただし1日の拘束時間に関する口コミがあり、日数と1日の負荷はセットで確認が必要 |
| 社風・人間関係 | 社員の相互尊重4.1・職場人間関係満足度79%と高評価。「良くも悪くも体育会系」という声もあり相性が分かれる |
| 成長・キャリア | 自社養成スクールあり・20代成長環境3.5。一方で人材の長期育成2.5・実力主義2.6と制度面の評価は低め |
| 会社の成長性 | 売上5年で約12倍、2026年11月期も+22.4%の増収予想。中長期180店舗構想と積極的なM&A |
| 足元のリスク | 2026年11月期は営業利益△37.4%の減益予想(4月に約50%下方修正)。売上の約9割が単一事業に依存。上場直後で株価は公開価格割れ |
| 定着・組織の安定 | 平均勤続2.0年。離職率・3年定着率は有価証券報告書では開示されていない。急拡大とM&A統合が同時進行中 |
| 総合 | 「休日と自由時間を確保しながら指導スキルを積み、数年後の独立・ステップアップを狙う人」に噛み合う。安定した制度と昇給カーブを求める人は慎重に |
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この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の中核データは、第11期(2025年11月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。売上構成比・株価・時価総額など一部の数値は二次ソースにもとづく参考値であり、本文中でその旨を明記しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
