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旧・山田債権回収管理|山田再生系債権回収総合事務所の評判と年収、売上6割が派遣の実態

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 社名変更:旧・山田債権回収管理総合事務所が2025年3月31日に改称した同一企業
  • 実態:売上の約6割は債権回収ではなくグループ士業法人への人材派遣
  • 年収:有価証券報告書の平均523万円は全社平均。口コミ回答者平均は371万円
  • 評価の偏り:法令順守意識4.7に対し待遇の満足度1.8という極端な内訳

株式会社山田再生系債権回収総合事務所(証券コード4351・東証スタンダード市場)は、2025年3月31日付で旧商号「株式会社山田債権回収管理総合事務所」から現在の社名へ変更した企業です。ネット上の口コミ・求人情報の大半はいまだ旧社名で登録されているため、新社名で検索しても情報にたどり着けない「検索迷子」が起きやすい状態にあります。また、社名が似ている山田コンサルティンググループ(4792・東証プライム)とは資本関係のない別会社です。なお、この記事は同社から督促のハガキや電話を受け取った方に向けた案内ではありません。支払いに関するお問い合わせは同社の公式サイトに記載された窓口をご確認ください。ここから先は、同社への転職・就職を検討している方に向けて、有価証券報告書などの公式情報、口コミ傾向、編集部の推定を明確に分けて整理します。

まず整理|旧「山田債権回収管理総合事務所」と何が変わったのか

転職検討者がこの会社を調べるとき、最初につまずくのが名前の問題です。ここを先に整理しておかないと、口コミサイトも求人情報も業績データも別々の会社の話に見えてしまいます。結論としては、旧社名・新社名・Web上のブランド表記の3つはすべて同じ一つの会社を指しています。

公式情報として整理すると、同社は2025年2月5日に「商号の変更および定款の一部変更に関するお知らせ」を適時開示し、第44回定時株主総会での定款変更承認を経て、2025年3月31日付で商号を「株式会社山田債権回収管理総合事務所」から「株式会社山田再生系債権回収総合事務所」へ変更しています。「事業再生を支える再生系サービサー」という位置づけを社名そのものに込めた改称です。一方で、公式サイト上のブランド表記は「山田再生系サービサー総合事務所」、英文名は YAMADA SERVICER SYNTHETIC OFFICE となっており、登記上の社名と表示名が一致していません。

転職検討者にとって、この名前の三重構造は実務上こう影響します。

  • 口コミサイト:OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判・就活会議のいずれも、投稿のほぼすべてが旧社名時代のもの。新社名で検索すると件数が極端に少なく見える
  • 求人・企業情報サイト:doda・日経会社情報などでも旧社名表記が残っているページがある
  • 業績データ:株探・Yahoo!ファイナンスなどは証券コード4351で一貫しているため、コード検索が最も確実

したがって、この会社を調べるときは「山田債権回収管理総合事務所」と「4351」の2つで検索し直すのが実務的な近道です。本記事でも、口コミを引用する際は旧社名時代の投稿である旨を前提としています。

山田コンサルティンググループ(4792)とは別会社です

もう一つの混同ポイントが、事業再生・M&Aコンサルティング大手の山田コンサルティンググループ(4792・東証プライム)との取り違えです。社名の頭が「山田」で共通し、どちらも事業再生の領域に関わるため混同されやすいのですが、公式情報として両社に資本関係はありません。山田再生系債権回収総合事務所は親会社を持たない独立系企業で、山田グループという自社グループの中核事業会社という位置づけです。転職活動で企業研究を進める際、コンサルティングファームのつもりで応募すると仕事内容がまったく異なるため、この点は最初に切り分けておく必要があります。

1981年設立・法務大臣許可第20号という業歴

同社の公式情報による沿革は、1981年(昭和56年)10月26日設立、1999年に債権管理回収業の営業許可(法務大臣許可第20号)を取得、2002年3月20日に株式公開、というものです。1999年はいわゆるサービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)が施行された年であり、許可番号「第20号」は、法施行直後に許可を取得した最初期の一社であることを示しています。さらに2002年の株式公開は、サービサーとしては業界で初めての上場でした。40年以上の業歴と、業界最初期からの許可保有という点は、転職先を評価するうえで軽視できない事実です。

山田再生系債権回収総合事務所の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。数値はいずれも2025年12月期(第45期)の有価証券報告書および決算開示にもとづきます。

項目内容
商号株式会社山田再生系債権回収総合事務所(旧・株式会社山田債権回収管理総合事務所)
証券コード/市場4351/東京証券取引所スタンダード市場(業種:その他金融業)
設立1981年10月26日(1999年に法務大臣許可第20号を取得、2002年3月20日に株式公開)
本社神奈川県横浜市西区北幸1-11-15 横浜STビル18階
代表者代表取締役社長 山田晃久
平均年間給与約523万円(提出会社単体・派遣スタッフを含む全社平均)
平均年齢45.5歳
平均勤続年数9.67年
従業員数231名(連結・提出会社単体とも231名/臨時従業員は単体12名・連結13名)
売上高22億8,055万円(連結・前期比▲0.4%)
営業利益7,407万円(連結・前期比+105.6%)
資本金10億8,450万円
報告セグメントサービサー事業/派遣事業/不動産ソリューション事業の3区分
格付日本格付研究所(JCR)サービサー格付「S3」(2017年以降据置が継続)
出典2025年12月期(第45期)有価証券報告書「従業員の状況」ほか公式IR資料・適時開示

なお期数表記については補足が必要です。「第45期」は2025年3月28日開催の第44回定時株主総会からの逆算にもとづく整理であり、有価証券報告書表紙の期数表記そのものを本記事で直接照合したものではありません。本文では原則として「2025年12月期」という決算期表記を主に用います。

正体解説|債権回収会社なのに、売上の約6割は「派遣事業」

この記事で最も伝えたい事実がここです。社名から想像する「債権回収の専業会社」というイメージと、実際の売上構成は大きくズレています。入社後にどの事業へ配属されるかで仕事内容がまったく異なるため、応募前に必ず押さえておくべきポイントです。

公式情報として、同社の報告セグメントはサービサー事業・派遣事業・不動産ソリューション事業の3区分です。そのうえで、Yahoo!ファイナンスの「連結事業」欄に示された2025年12月期の売上構成比を見ると、おおよそ次の姿になります(構成比は二次情報の集計値であり、有価証券報告書のセグメント売上実額そのものではないため、推定情報として約〜%で示します)。

セグメント売上構成比(概算)主な業務内容
派遣事業約57%グループの司法書士法人・土地家屋調査士法人 山田合同事務所等への労働者派遣
サービサー事業約32%金融機関等から譲り受けた特定金銭債権の管理・回収
不動産ソリューション事業約11%不動産コンサルティング、借地権負担付土地の売買など

つまり、看板であるサービサー事業は売上の3分の1程度にとどまり、過半は士業法人向けの人材派遣が稼いでいる構造です。この構造を知らずに「債権回収のプロになりたい」と考えて応募すると、想定と異なるキャリアに進む可能性があります。

サービサー事業(約32%)|法務大臣許可がなければできない仕事

サービサー事業は、金融機関などから譲り受けた特定金銭債権について、債務者と連絡を取り、支払能力や生活状況を確認しながら返済計画を組み立て、回収まで進める業務です。法務大臣の許可を受けた会社しか行えない点が最大の特徴で、業務は債権管理回収業に関する特別措置法をはじめとする法令とガイドラインに厳格に縛られます。取立行為の時間帯・方法・文言に至るまで規制があり、逸脱すれば会社の許可そのものが危うくなるため、社内のコンプライアンス体制は必然的に厳しくなります。

仕事の性質としては、金融・与信の知識、法務の基礎知識、そして電話や面談で相手の事情を聞き取り、現実的な着地点を設計する対人交渉力が中核になります。回収額という数字で成果が可視化される一方、相手は支払いが困難な状況にある個人・法人であることが多く、感情的な負荷は小さくありません。この点は業界共通の適性論点です。

派遣事業(約57%)|派遣先はグループ内の士業法人

売上構成比で最大の派遣事業は、一般的な人材派遣会社のように多数のクライアント企業へ人材を送り込むビジネスとは性格が異なります。公式情報によれば、主な派遣先はグループの司法書士法人・土地家屋調査士法人 山田合同事務所などであり、実質的にはグループ内の士業事務所を支える事務・実務スタッフの供給機能です。

ここから導かれる推定情報として、この事業に配属された場合のキャリアは「登記手続きや不動産関連書類の実務に習熟した士業事務所スタッフ」に近づく可能性があります。司法書士・土地家屋調査士といった資格の学習環境が近くにあるという意味ではプラスに働く余地もありますが、債権回収の専門性を積み上げたい人にとっては期待とのギャップが生じやすい領域です。求人に応募する段階で、募集ポジションがどのセグメントに属するのかを必ず確認するべきでしょう。

不動産ソリューション事業(約11%)|再生案件の出口を担う

不動産ソリューション事業は、不動産コンサルティングや借地権負担付土地の売買などを扱います。事業再生や債権回収の現場では、担保不動産や借地権のように権利関係が複雑な資産をどう処理するかが最終的な出口になります。同社がこの機能を自社に持っていることは、サービサー事業との相乗効果という観点で理解しやすい構成です。規模は小さいものの、不動産実務と法務がクロスする経験を積める点は、この会社ならではの特徴といえます。

横浜STビル18階に集約された「山田グループ8社」という構造

同社を転職先として評価するとき、単体の会社としてではなくグループ全体の構造で見ると理解が進みます。公式情報によれば、本社が入る横浜STビル18階には、サービサー本体に加えて次の各社が集約されています。

  • 山田エスクロー信託
  • 山田資産コンサル
  • 山田事業承継・M&A
  • 司法書士法人 山田合同事務所
  • 土地家屋調査士法人 山田合同事務所
  • 税理士法人 山田合同事務所
  • 行政書士法人 山田合同事務所
  • 社会保険労務士法人 山田合同事務所

合計8社が同一フロア圏に集まる、いわば「横浜のワンストップ士業ビル」とでも呼ぶべき構造です。事業再生の案件では、債権の整理、不動産の処分、税務、登記、労務、事業承継といった論点が同時に発生します。それらを一つの建物の中でつなげられる体制は、独立系サービサーとしての差別化要素です。

推定情報として、転職者側のメリット・デメリットを整理すると次のようになります。メリットは、債権回収という一つの職能に閉じず、税務・登記・不動産・労務といった隣接領域の実務に触れる機会が生まれやすいこと。デメリットは、グループ内に多様な法人があるぶん、自分がどの法人・どの機能に属するのかで待遇や仕事内容が分かれやすいこと、そして社外での市場価値が「山田グループの中でしか通用しないやり方」に寄るリスクがあることです。面接では、配属予定の事業と、そこで想定される3年後の担当範囲を具体的に確認しておきたいところです。

役員構成も特徴的です。公式情報では取締役3名(うち2名が弁護士)、監査役3名という小規模な体制で、士業比率の高さが際立ちます。加えて、代表取締役社長の山田晃久氏が発行済株式の35.09%を保有する筆頭株主であり、資産管理会社とみられるワイ・エス・シーが20.42%、山田由紀子氏が4.13%を保有しています。創業家周辺で過半に迫る持株比率を持つオーナー企業である点は、意思決定の速さと同時に、経営方針が個人の判断に大きく左右されうるという両面を持ちます。株主構成は個人その他68.74%、その他の法人25.36%、金融機関5.21%で、金融機関では横浜銀行が4.93%を保有しています。

年収の実像|有価証券報告書523万円と口コミ371万円、どちらを信じるべきか

年収については、2つの数字が大きく食い違っているという事実から入る必要があります。結論を先に言えば、どちらも正しく、指している対象が違います。この差を理解しないまま「平均523万円の会社」と受け取ると、入社後に大きな認識のズレが生じます。

公式の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数

有価証券報告書によると、2025年12月期の提出会社単体における平均年間給与は約523万円(日本経済新聞の会社情報では5,236,435円と表示)、平均年齢は45.5歳、平均勤続年数は9.67年、従業員数は231名です。臨時従業員は単体12名・連結13名と記載されています。

ここで決定的に重要なのが、この523万円が派遣事業のスタッフや管理部門まで含んだ提出会社単体の全社平均だという点です。売上の約6割を派遣事業が占める会社の全社平均であるため、職種別・雇用形態別の実態を示す数値ではありません。「有報523万円=入社時にもらえる額」という読み方は事実誤認になります。

もう一つ注目すべきは、平均年齢45.5歳・平均勤続9.67年という組み合わせです。旧社名時代の有価証券報告書には平均年齢43.8歳・勤続9.0年・従業員240名という記録もあり、平均年齢が上がりながら人員はゆるやかに減少していることがうかがえます。推定情報として、若手の新規流入が細く、在籍者が長く残る年齢構成になっている可能性が考えられます。定着率という観点ではプラスですが、20代・30代前半で成長機会を求める層にとっては、社内の年齢バランスがキャリア設計に影響しうる論点です。

口コミベースの年収傾向(旧社名時代の投稿が中心)

口コミ傾向として、エン カイシャの評判では平均年収371万円(回答者平均年齢34歳)というデータが示され、年収への納得度は52%と報告されています。有価証券報告書の523万円との差はおよそ150万円です。この差は、次の要因が重なって生じていると推定されます。

  • 年齢の違い:有報の対象は平均45.5歳、口コミ回答者は平均34歳。約11歳分の年功差がそのまま反映されている
  • 母集団の違い:有報は派遣事業・管理部門を含む全社平均、口コミは回答した正社員に偏る
  • 回答数の少なさ:口コミサイトの回答者数は数十名規模で、平均値のブレが大きい

また、口コミ傾向として「新卒1年目の年収が300万円程度」という投稿事例、「賞与は毎年ほぼ2ヶ月」「昇給がほぼない」「退職金が10年勤務で十数万円」といった処遇面の指摘が見られます。求人ボックスなど二次アグリゲータの推計値は515万円前後ですが、これらは有価証券報告書の数値を転載・加工したものとみられ、現場の実感値としては扱えません。

年代別の推定レンジと、面接で必ず確認すべきこと

以上を総合して、推定情報としての年収レンジを整理します。あくまで公式値と口コミの中間を補間した目安であり、実際の提示額は職種・経験・雇用形態によって変動します。

層推定年収レンジ根拠となる材料
新卒1年目300万円前後口コミの投稿事例
20代後半〜30代前半330〜420万円程度口コミ回答者平均371万円(34歳)から補間
30代後半〜40代(サービサー実務中核層)450〜550万円程度全社平均523万円・平均年齢45.5歳から補間
管理職・役職者600万円超の可能性全社平均を押し上げる層として推定

面接・内定段階で確認すべき点は明確です。第一に配属予定セグメント(サービサー事業か派遣事業か不動産ソリューション事業か)。第二に賞与の算定方式——後述するとおり同社の営業利益は期ごとの振れ幅が非常に大きく、賞与が業績連動なら変動リスクを直接受けます。第三に昇給テーブルと退職金制度の実際の水準です。口コミで指摘されている項目こそ、労働条件通知書と就業規則で書面確認すべきポイントになります。

評判の実像|「法令順守4.7・待遇1.8」という極端な内訳が語るもの

同社の評判を読み解くカギは、総合点ではなく項目別スコアの偏りにあります。総合点だけを見て判断すると、この会社の本質を見誤ります。

口コミ傾向として、OpenWorkでの総合スコアは2.48(回答者23人)です。ただし内訳を並べると、明らかに一つの項目だけが突出しています。

評価項目スコア(5点満点)
法令順守意識4.7
社員の相互尊重2.6
風通しの良さ2.3
社員の士気2.3
人事評価の適正感2.1
20代の成長環境2.1
人材の長期育成1.8
待遇面の満足度1.8

この分布から読み取れる構図を、編集部は次のように推定します。サービサーという法務大臣許可業種であるがゆえに、コンプライアンス体制は徹底されている。しかし、その厳格さに見合う見返りが処遇や育成投資には十分に反映されていない——という状態です。金融・法務系の許可業種では、規制順守にかかるコストが先に固定費として乗るため、原資が処遇に回りにくい構造は業界共通の論点でもあります。

ここで重要なのは、法令順守意識4.7というスコア自体は転職者にとって大きな価値を持つということです。債権回収という業務は、一歩間違えれば違法な取立てとして会社の許可を脅かします。「コンプライアンスが緩い現場で、個人が法的リスクを背負わされる」という事態が起きにくいことは、この業界で働くうえでの安全弁です。実際、法務省の債権回収会社に対する行政処分に関する公表資料、および金融庁の行政処分事例集を確認した範囲では、同社に対する業務改善命令・業務停止命令・許可取消に該当する記載は見当たりませんでした。ただしこれは「不祥事が存在しない」ことの証明ではなく、あくまで公表資料の範囲での話です。

働き方|残業28.9時間・有給68.6%という数字は悪くない

処遇面のスコアが低い一方で、労働時間まわりの数字は必ずしも悪い水準ではありません。口コミ傾向として、OpenWorkでは月間平均残業28.9時間、有給休暇消化率68.6%と報告されています。エン カイシャの評判では休日・休暇の納得度が82%、職場の人間関係の満足度が71%と、いずれも比較的高い数値です。

ただし、残業時間については出典によって幅があります。エン カイシャの評判では残業月31時間(男性38時間、女性21時間)と報告されており、退職理由として「残業時間が多く家庭とのバランスが取れない」という声も挙がっています。推定情報として、部署や繁忙期による偏りが大きい可能性が考えられます。平均勤続年数が9.67年と長いことは、休みの取りやすさと人間関係の良好さが定着に寄与していることの傍証ともいえるでしょう。

低く出ている項目は「成長環境」と「処遇の天井」に集中する

口コミ傾向として、エン カイシャの評判では総合2.8/5.0(正社員21名回答)、事業の優位性・独自性は3.2と平均的ですが、実力主義・成長環境の評価はいずれも2.6と低めです。転職会議には76件、就活会議には81件の口コミが登録されており、いずれも旧社名で登録されています。

これらを総合すると、批判の矛先は「働き方のつらさ」よりも「伸びしろの見えなさ」に集中していると読めます。休日は取りやすく人間関係も悪くない、コンプライアンスは堅い。しかし昇給余地が小さく、評価の納得感が薄く、若手の育成投資が手薄——という構図です。

求職者
求職者

コンプラが堅くて休みも取りやすいなら、悪くない会社では?

その受け止め方は一面では正しいものです。判断を分けるのは「何を求めて転職するか」です。安定した環境で腰を据えて専門実務を積みたい人にとっては合理的な選択肢になりえます。一方、20代・30代で年収を伸ばしながら市場価値を高速で積み上げたい人にとっては、平均年齢45.5歳・人材の長期育成1.8という数字はミスマッチのサインとして受け取るべきでしょう。なお、これらの口コミはいずれも回答者数が数十名規模にとどまるため、評価の信頼区間は広い点も申し添えます。

業績10年の実態|売上は横ばい、営業利益は乱高下する構造

転職先としてこの会社を評価するうえで、業績の「水準」と「安定性」は分けて見る必要があります。結論から言うと、売上規模は10年以上ほとんど変わっておらず、利益は年によって激しく振れる——これが同社の財務プロフィールです。

有価証券報告書および決算開示によると、2025年12月期の連結売上高は22億8,055万円(前期比▲0.4%)、営業利益は7,407万円(前期比+105.6%)でした。前期にあたる2024年12月期は売上22億9,000万円(前期比▲7.8%)、営業利益36百万円(前期比▲56.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益49百万円(同▲58.7%)です。

決算期連結売上高営業利益特記事項
2013年12月期—営業赤字 約3.7億円大幅な営業損失を計上した期
2014年12月期約32.5億円営業黒字 約8.3億円直近10年超で売上のピーク。前期から急反転
2024年12月期22億9,000万円(▲7.8%)36百万円(▲56.6%)純利益49百万円(▲58.7%)
2025年12月期22億8,055万円(▲0.4%)7,407万円(+105.6%)売上横ばい、営業利益は倍増
2026年12月期 第1四半期4.28億円(+1.0%)営業損失 1億0,300万円サービサー事業は好調も派遣事業が減収減益

この表から読み取るべき事実は3つあります。

  • 成長していない:直近10年の売上はおおむね20〜27億円のレンジで推移し、ピークは2014年12月期の32.5億円。売上規模はむしろ当時から縮んでいる
  • 利益の振れ幅が異常に大きい:2013年12月期の営業赤字3.7億円から翌期の営業黒字8.3億円へ、12億円規模の反転が起きている。直近も営業利益36百万円→7,407万円と倍増している
  • 足元は赤字スタート:2026年12月期第1四半期は営業損失1億0,300万円。売上高4.28億円は前年同期比+1.0%と横ばいで、サービサー事業は好調だったものの、主力の派遣事業が減収減益となったことが要因とされる

なお会社は2026年12月期の通期について大幅な増収増益を予想しています。サービサー事業は債権の回収完了時期によって収益計上が期をまたいで偏るため、四半期単位の赤字が直ちに通期の結果を意味するわけではありません。ただし、通期予想の達成は現時点で未確定であることは押さえておく必要があります。

転職判断への含意を推定情報として整理すると、次のようになります。第一に、賞与や昇給が業績連動である場合、この振れ幅は個人の手取りに直結します。第二に、売上が横ばいで推移している以上、組織の急拡大に伴うポスト増は期待しにくく、昇進機会は限定的である可能性があります。第三に、時価総額約35億円・発行済株式4,268,000株・株主数7,047名という超小型株であり、資本市場から大型の成長投資を調達するタイプの企業ではありません。「安定した金融企業」という単純な理解ではなく、「規模は小さく成長は緩いが、許可という参入障壁で40年以上生き残ってきた企業」という理解が実態に近いといえます。

サービサー業界の構造と将来性|許可業者は104社から72社へ

個社の話だけでは将来性は判断できません。ここではサービサー業界そのものの構造を押さえます。結論として、この業界は拡大市場ではなく、参入障壁に守られた縮小・寡占市場です。

債権管理回収業は1999年施行のサービサー法によって、弁護士法の例外として民間企業に解禁された業務です。参入には法務大臣の許可が必要で、取締役に弁護士を置くこと、一定の資本金を有することなど厳格な要件が課されます。許可業者数は2009年頃の104社をピークに減少が続き、2023年12月末で73社、2024年4月で72社、直近も72社という水準で推移しています。

この構造が意味することを、転職検討者の視点で整理します。

  • 新規参入がほぼ起きない:許可要件が厳しく、既存業者の淘汰・統合が進んでいる。少数のプレーヤーが年間十兆円規模の債権を扱う寡占構造
  • 景気に逆相関する面がある:不良債権の発生量が業界の原資であるため、景気後退局面ではむしろ取扱債権が増える可能性がある
  • 専門性が社外で通用しにくい面もある:許可業種特有の実務であり、汎用的な営業スキルとは異なる。一方で金融機関の債権管理部門、信用保証会社、家賃債務保証会社、リース会社の債権管理部門などへの横展開は考えられる
  • 業者数の減少はリスクでもチャンスでもある:淘汰の側にいれば事業縮小、残る側にいれば取扱シェアの拡大につながる

推定情報として、同社が生き残ってきた条件を挙げるなら、①法務大臣許可第20号という最初期からの許可保有、②親会社を持たない独立系ゆえの機動性、③グループ8社の士業ネットワークによる案件の一括処理力、の3点でしょう。日本格付研究所(JCR)のサービサー格付は「S3」で、2017年から2026年7月22日の据置まで一貫して変更がありません。格付は維持されている一方、上位への引き上げも起きていない——これは同社の安定性と成長の限界を同時に示す指標として読めます。

加えて、同社の売上の約6割を占める派遣事業は、サービサー業界の景気動向とは異なるドライバーで動きます。士業法人の業務量、登記件数、不動産取引の活況度に左右されるため、2026年12月期第1四半期の営業損失も派遣事業の減収減益が主因とされています。将来性を評価する際は、サービサー業界の話だけでなく、士業事務所の実務需要という別の軸も併せて見る必要があります。

同業・関連企業との比較|独立系サービサーという立ち位置

比較対象は「同業だから」ではなく、読者が実際に迷いそうな選択肢で選びました。上場サービサー系グループ、大手消費者金融傘下の債権回収会社、独立系の代表格、そして混同されやすい同名系コンサルの4社です。推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。

企業名位置づけ規模感働き方の傾向(推定)向いている人
山田再生系債権回収総合事務所(4351)独立系サービサー。許可第20号。売上の約6割は士業向け派遣連結売上22.8億円・従業員231名残業28.9時間・有給68.6%。処遇は横ばい傾向横浜勤務で腰を据え、法務・不動産・登記まで広く触れたい人
Jトラスト(8508)傘下に日本保証等を持ち国内外で債権回収・金融事業を展開する上場グループグループ規模は同社より大きい海外展開があり事業ポートフォリオの入替が活発金融事業の企画・M&A的な動きに関わりたい人
AG債権回収(アイフル 8515 の100%子会社)2002年設立、国内64番目のサービサー。大手消費者金融グループの一員親会社は東証プライム上場親会社の与信・回収基盤に連動した業務量消費者与信・大量債権のオペレーションを経験したい人
パルティール債権回収(非上場)独立系サービサーの代表格。立ち位置が最も近い比較対象非上場のため開示情報は限定的公開情報が少なく、口コミベースでの判断が中心独立系の裁量ある環境を志向する人
山田コンサルティンググループ(4792)事業再生・M&Aコンサル。資本関係はない別会社東証プライム上場のコンサルティングファームコンサル業界水準の稼働と報酬体系再生案件をコンサルタントとして手掛けたい人

この比較から見える同社の固有性は明確です。上場サービサーでありながら親会社を持たず、士業グループを内包し、本社が東京ではなく横浜にある——この組み合わせを持つ企業は他にほとんどありません。首都圏在住で「東京勤務ではない上場企業」を条件に探している層にとって、この立地条件は実利的な価値を持ちます。

一方で、推定情報として率直に述べれば、年収水準・成長投資・キャリアの拡張性という点では、より規模の大きいグループのほうが選択肢は広くなります。同社を選ぶ合理性は「規模」ではなく「働き方と業務範囲の組み合わせ」に見出すべきでしょう。

山田再生系債権回収総合事務所への転職が向いている人・向いていない人

これまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。ここまで見てきたとおり、この会社は「万人向けではないが、条件が合う人には合理的」というタイプです。

向いている人向いていない人
法令・規程に沿って正確に手続きを進めることに苦を感じない人(法令順守意識4.7の環境)ルールより結果を優先するスピード感で成果を出したい人
横浜勤務を条件に、上場企業で腰を据えて働きたい人東京都心や全国転勤を通じてキャリアの幅を広げたい人
債権回収・登記・不動産・税務など隣接領域に横断的に触れたい人一つの専門領域を深掘りして市場価値を尖らせたい人
休日の取りやすさ・人間関係の安定を優先する人(有給消化68.6%・人間関係満足度71%)20代のうちに年収を大きく伸ばしたい人(口コミ回答者平均371万円)
支払いが困難な相手の事情を聞き取り、現実的な着地点を粘り強く設計できる人対人交渉の感情的負荷を継続的に受け止めることが負担になる人
年齢層が高い組織で、年長者と協働することに抵抗がない人(平均年齢45.5歳)若手中心の環境で同世代と競い合いたい人(20代成長環境2.1)
会社の急成長より事業の継続性を重視する人組織拡大に伴うポスト増・昇進機会を期待する人(売上は10年横ばい)

特に注意すべきは、「債権回収のプロになりたい」という動機で応募する場合です。売上構成比で見れば派遣事業が約57%を占めるため、配属によっては士業事務所向けの実務スタッフとしてのキャリアになる可能性があります。この点を面接段階で確認せずに入社すると、動機と実態のギャップが最も生じやすいポイントになります。

山田再生系債権回収総合事務所に関するよくある質問(FAQ)

転職・就職を検討する人からよくある質問と、公開情報にもとづく回答をまとめました。

「山田債権回収管理総合事務所」を調べていたのですが、同じ会社ですか?

はい、同じ会社です。公式情報として、2025年3月31日付で「株式会社山田債権回収管理総合事務所」から「株式会社山田再生系債権回収総合事務所」へ商号が変更されました。2025年2月5日に適時開示され、定時株主総会での定款変更を経ての改称です。証券コードは変更前後とも4351のままです。口コミサイトや求人情報の多くはまだ旧社名で登録されているため、企業研究の際は旧社名でも検索することをおすすめします。

山田コンサルティンググループとは関係がありますか?

資本関係のない別会社です。山田コンサルティンググループ(4792・東証プライム)は事業再生・M&Aコンサルティングを手掛ける企業で、山田再生系債権回収総合事務所は親会社を持たない独立系の債権回収会社です。どちらも事業再生の領域に関わるため顧客層が重なる場面はありますが、公式情報として両社は別法人であり、業務内容も採用条件も異なります。

債権回収の仕事に配属されるとは限らないのですか?

その可能性があります。報告セグメントはサービサー事業・派遣事業・不動産ソリューション事業の3区分で、売上構成比はそれぞれ約32%・約57%・約11%です(構成比は二次情報の集計にもとづく推定情報)。売上規模で最大の派遣事業は、グループの司法書士法人・土地家屋調査士法人などへの労働者派遣です。応募の段階で、募集ポジションがどのセグメントに属するのかを必ず確認してください。

年収は平均523万円と考えてよいですか?

その理解は正確ではありません。有価証券報告書によると2025年12月期の平均年間給与は約523万円ですが、これは平均年齢45.5歳・派遣スタッフや管理部門を含む提出会社単体の全社平均です。一方で口コミ傾向として、エン カイシャの評判では平均年収371万円(回答者平均年齢34歳)と報告されています。年齢層と母集団が異なるため両者に差が生じています。実際の提示額は労働条件通知書で確認してください。

残業や休みの実態はどうですか?

口コミ傾向として、OpenWorkでは月間平均残業28.9時間、有給休暇消化率68.6%、エン カイシャの評判では休日・休暇の納得度82%と報告されています。一方、エン カイシャの評判では残業月31時間(男性38時間・女性21時間)という数値や、「残業時間が多く家庭とのバランスが取れない」という退職理由も挙がっています。部署や繁忙期による差がある可能性があります。

会社の安定性はどう評価すべきですか?

「規模は小さいが参入障壁に守られている」という理解が実態に近いと考えられます。公式情報として、2025年12月期の連結売上高は22億8,055万円(前期比▲0.4%)、営業利益7,407万円(同+105.6%)です。ただし2026年12月期第1四半期は営業損失1億0,300万円を計上しており、期ごとの利益の振れ幅が大きい点は考慮が必要です。日本格付研究所のサービサー格付は「S3」で2017年以降据え置かれています。

山田再生系債権回収総合事務所への転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
企業の正体法務大臣許可第20号の独立系サービサー。ただし売上の約6割は士業法人向け派遣事業
年収水準有価証券報告書の全社平均523万円(45.5歳)。口コミ回答者平均は371万円(34歳)と差が大きい
働き方残業28.9時間・有給消化68.6%・休日納得度82%と、労働時間まわりの数値は悪くない
コンプライアンス法令順守意識4.7と突出。許可業種として体制は堅固と読める
処遇・育成待遇の満足度1.8・人材の長期育成1.8・20代成長環境2.1と低評価が集中
成長性売上は10年おおむね20〜27億円で横ばい。ピークは2014年12月期の32.5億円
業績の安定性営業利益の振れ幅が大きく、2026年12月期第1四半期は営業損失1億0,300万円
業界環境許可業者は104社→72社へ縮小。参入障壁は高く寡占的だが市場拡大は限定的
立地横浜STビル18階。東京勤務ではない上場企業という希少ポジション
ガバナンス社長35.09%を含む創業家周辺で過半に迫るオーナー企業。時価総額約35億円の超小型株

編集部の見解として、同社は「安定して働きたい人には合理的だが、収入と成長スピードを求める人にはミスマッチが起きやすい会社」と考えられます。法令順守意識4.7・有給消化68.6%・平均勤続9.67年という組み合わせは、環境の安定性という点で明確な強みです。40年以上の業歴と許可第20号という参入障壁は、簡単に失われるものではありません。

一方で、待遇の満足度1.8と人材の長期育成1.8という数字、売上10年横ばいという業績、平均年齢45.5歳という年齢構成は、キャリアの上昇カーブを描きたい人にとっては逆風として働く可能性があります。とりわけ20代・30代前半で応募を検討する場合は、配属セグメント・昇給テーブル・賞与の算定方式の3点を書面で確認したうえで判断することを強くおすすめします。「この会社で何を得て、次にどこへ行けるか」まで設計できるなら、選択肢として十分に成立します。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

数値の取得経路に関する注記

平均年間給与523万円・平均年齢45.5歳・平均勤続年数9.67年・従業員数231名は、いずれも2025年12月期の有価証券報告書「従業員の状況」にもとづく数値ですが、本記事における取得元はEDINET由来のXBRLを集計するirbankおよび日本経済新聞の会社情報であり、有価証券報告書PDF原本の当該ページを直接照合したものではありません。「第45期」という期数表記も第44回定時株主総会からの逆算にもとづく整理です。セグメント別の売上構成比(約32%/約57%/約11%)はYahoo!ファイナンス「連結事業」欄の構成比であり、有価証券報告書のセグメント売上実額そのものではありません。従業員数についてはYahoo!ファイナンスの企業情報欄に225名との表示もありますが、本記事では有価証券報告書ベースの231名を採用しています。行政処分に関しては、法務省および金融庁の公表資料を参照した範囲で該当する記載は見当たりませんでしたが、これは処分事実の不存在を証明するものではありません。

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミの引用にあたっては、投稿の大半が旧社名「山田債権回収管理総合事務所」時代のものである点、および回答者数が数十名規模で評価の信頼区間が広い点を前提としています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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