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東テクはやばい?年収918万円が1年で77万円上がった空調設備商社の実像

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収918万円は実額:第71期有報の単体値で前期比+9.2%、1年で約77万円増
  • 「やばい」の実体:長時間労働リスクと期末偏重を会社が自ら有報に明記
  • 正体は商社兼サブコン:売上は商品販売56%、人員は工事51%の二面構造
  • 最大の注意点:918万円は単体1,171名の値で、子会社の給与水準は非開示

東テク株式会社(証券コード9960・東京証券取引所プライム市場/本社・東京都中央区日本橋本町)は、業務用空調機器と制御機器を販売する「商品販売事業」と、計装工事・管工事・電気設備工事を自社で設計施工する「工事事業」の二本柱を持つ、建築設備業界の商社兼エンジニアリング企業です。検索候補に「東テク やばい」「東テク 就職難易度」「東テク 不祥事」が並ぶ一方で、第71期(2026年3月期)有価証券報告書の平均年間給与は9,184,178円(約918.4万円)と、上場企業のなかでもかなり高い水準にあります。この記事では、不安系キーワードの中身を会社自身が開示したリスク記述と照らし合わせ、年収・働き方・選考・将来性までを一次情報ベースで整理します。なお、建築部材メーカーの「城東テクノ株式会社」、人材紹介の「日東テクノブレーン株式会社」とはいずれも別法人です。社名が似ているため検索結果が混ざりやすく、口コミを読む際は社名と証券コードを必ず確認してください。

東テクの公式データ一覧(第71期有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数値を一覧で確認します。以下はすべて公式情報(有価証券報告書・公式サイト会社概要)から取得した実額で、口コミサイトの自己申告平均や推定値は含みません。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数は、第71期(2026年3月期)有価証券報告書の「従業員の状況」②提出会社の状況に記載された2026年3月31日現在の数値です。

項目内容
商号東テク株式会社(TOTECH CORPORATION)
上場区分東京証券取引所プライム市場(証券コード9960)
平均年間給与9,184,178円(約918.4万円)/第71期・提出会社。前期8,409,326円から+9.2%(約+77万円)
平均年齢41才1ヵ月(前期・第70期は41才6ヵ月)
平均勤続年数11年9ヵ月(前期・第70期は12年1ヵ月)
従業員数提出会社1,171名(臨時雇用者25名は外数)/連結2,855名(臨時雇用者37名は外数)
従業員のセグメント別内訳(単体)商品販売事業362名/工事事業596名/全社共通213名
従業員のセグメント別内訳(連結)商品販売事業1,001名/工事事業1,450名/全社共通404名
売上高連結1,700億13百万円(前期比+9.0%)
営業利益連結171億25百万円(前期比+16.6%)
経常利益・当期純利益経常利益179億83百万円/親会社株主に帰属する当期純利益131億33百万円
財務指標自己資本比率64.0%/ROE約17.8%/有利子負債5,294百万円(総資産有利子負債依存度4.6%)
設立1955年(昭和30年)7月6日。「東京機工株式会社」として創業し、1986年4月に現商号へ変更
本社東京都中央区日本橋本町三丁目11番11号(2016年12月に自社本社社屋へ移転)
資本金18億5,700万円(発行済株式数41,964,000株)
代表者代表取締役社長 小山 馨(2025年4月就任)
多様性指標女性管理職比率7.5%/男性育児休業取得率41.4%/男女賃金差異は全労働者65.2%・正規雇用66.5%・パート有期51.8%
労働組合有価証券報告書に「労働組合は結成されておりません」と明記(労使関係は円満に推移と記載)
有価証券報告書で開示されていない項目離職率・平均残業時間・有給休暇取得率・初任給・選考倍率(いずれも開示がなく、本記事でも数値は置きません)
出典第71期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月23日提出)/第70期(2025年3月期)有価証券報告書/公式サイト会社概要/株価指標はIR BANK

この表で最初に目を引くのは、平均年間給与の伸び方です。有価証券報告書によると、第71期の「平均年間給与の対前事業年度増減率」は9.2%と本文に明記されており、前期の8,409,326円から1年で約77万円上がっています。注記では「基準外賃金及び賞与を含む/勤続1年未満の者(休職者を含む)は除く」とされており、残業代と賞与を含んだ実支給ベースの数字です。公式情報として、この水準は東テク本体(提出会社)1,171名の平均であり、連結2,855名の平均ではありません。

東テクは何の会社か|「売上は商社・人は工事会社」という二面構造

「東テク なんの会社」「東テク 業種」「東テク 事業内容」という検索が一定量あるのは、同社が商社にも工事会社にも分類しきれないためです。結論を先に言うと、東テクは売上では商社、人員と利益では工事会社という二面構造を持っています。ここを理解しておくと、求人票の職種名を見たときに「自分がどちら側のキャリアに入るのか」が判断できます。

売上は商品販売56%、利益と人員は工事が主役

第71期(2026年3月期)の連結売上高1,700億13百万円のセグメント別内訳(セグメント間取引を含む)は、商品販売事業968億20百万円(前期比+4.0%)、工事事業762億90百万円(同+16.8%)です。比率にすると商品販売が約56%で、売上だけ見れば商社の顔をしています。

ところが、売上総利益ベースのセグメント利益は商品販売216億91百万円(+10.0%)に対し工事265億68百万円(+20.0%)で、利益額は工事事業が上回ります。人員はさらに明確で、連結2,855名のうち工事事業1,450名(51%)、商品販売事業1,001名(35%)、全社共通404名。提出会社単体でも工事事業596名が商品販売事業362名を大きく上回ります。伸び率も工事側が売上+16.8%・利益+20.0%と商品販売を上回っており、成長の主役も工事です。

  • 売上構成:商品販売56% > 工事44%
  • 利益構成(売上総利益):工事265億円 > 商品販売216億円
  • 人員構成(連結):工事1,450名 > 商品販売1,001名
  • 伸び率:工事(売上+16.8%・利益+20.0%)> 商品販売(売上+4.0%・利益+10.0%)

つまり東テクの収益モデルは、「機器を仕入れて売る」だけでは完結していません。空調機器や制御機器を販売し、自社の計装・管工事部門が据付と制御まで手がけ、納入後は保守メンテナンスで継続的に収益を得る一体型です。業務用空調機器は概ね15年前後で更新期を迎えるため、過去に納めた物件がそのまま将来の改修・更新案件の母集団になります。推定情報として、この「売った先がそのまま次の工事案件になる」構造が、5期連続増収という安定性の背景にあると考えられます。

ダイキン工業との二重関係と、仕入先集中というリスク

東テクの事業基盤を説明するうえで外せないのが、1960年のダイキン工業との代理店契約と、1964年の山武ハネウエル計器(現アズビル)との特約店契約です。この2本の契約が、空調機器販売と計装という二本柱の出発点になっています。

注目すべきは、ダイキン工業が株主であり同時に最大の仕入先でもあるという二重関係です。2026年3月31日現在の大株主ではダイキン工業が発行済株式の7.29%(3,000千株)を保有する第2位株主であり、一方で有価証券報告書の「事業等のリスク」では、ダイキン工業からの仕入が仕入全体の23.4%を占める仕入先集中リスクとして会社自身が明記しています。筆頭株主は日本レイ株式会社12.83%で、以下は信託銀行口や金融機関、東テクグループ従業員持株会4.45%、昭和鉄工2.76%、住友商事2.30%などが並び、上位10名合計で52.49%。親会社はなく独立系の資本構成です。

転職判断の観点では、この23.4%という数字は両面で読む必要があります。安定した仕入ルートと価格競争力は強みですが、メーカー側の販売政策や価格改定、直販強化の方向性が変わった場合、商品販売事業の採算が影響を受ける可能性があります。建築設備業界では、代理店・特約店契約に立脚した商社機能がメーカー政策に左右されやすいことが共通の懸念として語られており、東テクもその構造の内側にあります。

「城東テクノ」「日東テクノブレーン」との混同に注意

東テクを調べるうえで最も多い事故が、社名の似た別法人との混同です。検索上では「城東テクノ」(建築部材メーカー。床下点検口や樹脂枠などの製品で検索される)、「日東テクノブレーン」(人材紹介会社)が大量に混ざります。いずれも東テク株式会社(9960)とは資本関係のない別法人です。

一方で「東テク北海道」は同社グループの会社で、有価証券報告書には主要な子会社として日本ビルコン(空調機器保守・管工事)、アイ・ビー・テクノス(計装工事)、東テク北海道、三王機工(2025年4月取得・計装工事)、北日本計装、鳥取ビルコン、アーチバック(制御機器輸入販売)などが挙げられています。連結子会社12社と非連結子会社3社の計15社体制で、2022年3月にはシンガポールのQuantum Automation Pte.Ltd.を子会社4社ごと取得し、マレーシア・中国・タイ・ベトナム・インドネシアへ展開しています。口コミや求人を見るときは、東テク本体の話か、グループ会社の話かを必ず切り分けてください。

東テクはやばい?検索される4つの不安を有報の記述で検証

「東テク やばい」「東テク 激務」「東テク 残業」「東テク ホワイト」という検索候補が並ぶため、ここを正面から扱います。結論として、東テクが危険な会社であると断定できる根拠は、公開情報の範囲では見つかりませんでした。行政処分・課徴金・重大訴訟はいずれも確認できなかった一方で、会社自身が有価証券報告書の「事業等のリスク」で労務面の課題を明記していることが重要です。検索される不安は、炎上型の話ではなく労働環境型の話に寄っていると読めます。以下、会社が自ら書いた記述を軸に4点に分解します。

求職者
求職者

年収918万円と聞くと魅力的だけど、その分きついのでは?

①会社自身が「長時間労働を起因とした健康問題」をリスクに挙げている

有価証券報告書の「事業等のリスク」には、労務管理の項目として「現場作業などによる時間外勤務や長時間労働を起因とした健康問題や生産性低下」への対処が明記されています。これは外部の口コミではなく、会社が投資家向け法定開示で自ら書いた文章です。加えて、工事に伴う人的・物的事故と災害、外注協力会社の確保難、建設業法・労働安全衛生法等の法的規制(特定建設業許可の有効期限は2030年7月28日)もリスクとして並んでいます。

建設業には2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、業界全体で現場の閉所推進や施工管理のICT化、書類の電子化が進んでいます。制度上は改善方向ですが、改善度合いは企業や部署によって差が大きいのが実情です。公式情報として言えるのは「会社はこのリスクを認識し対処すると書いている」ところまでで、平均残業時間は有価証券報告書では開示されていません。本記事でも推定の残業時間を置くことはしません。面接では、配属予定部署の実際の残業時間と休日の取り方を具体的に確認する価値があります。

②繁忙期は構造的に決まっている|下期・期末偏重の季節変動

「きつい時期はいつか」という疑問には、有価証券報告書が答えを書いています。リスク項目の業績の季節変動として、「上半期より下半期に、また各期ともに期末に売上高が増える」と明記されています。建築設備は竣工に合わせて売上が立つため、3月期末に向けて工事の完成が集中する構造です。

これは転職判断においてむしろ有用な情報です。負荷の波が読めない会社より、「どの時期に山が来るか」が構造的にわかっている会社のほうが、生活設計は立てやすいと言えます。推定情報として、年末から3月の竣工ラッシュに業務が集中し、4〜6月は相対的に落ち着く可能性があります。施工管理・現場代理人は工期末や竣工前に負荷が集中しやすいという業界共通の傾向もあり、面接では「直近の決算期末、あなたの部署は何時まで働いていましたか」と期間を限定して聞くのが現実的です。

③労働組合がなく、労働条件は社長決裁ベース

有価証券報告書によると、東テクには労働組合が結成されていません(「労使関係は円満に推移しております」と併記)。さらに同報告書には、従業員の給与等の労働条件について「稟議申請による社長決裁のうえ決定」する旨が記載されています。

これをどう評価するかは価値観によります。組合がないぶん意思決定は速く、実際に平均年間給与は1年で9.2%上がりました。有価証券報告書にも「業界水準および労働市場との競争力を踏まえた水準を設定」という給与決定の考え方が開示されており、外部の労働市場を見て処遇を動かす姿勢が読み取れます。一方で、待遇が悪化する局面で集団として交渉する受け皿はありません。同じ第106バッチの10社を見ても、労働組合があると有価証券報告書に明記されているのは杉本商事1社のみで、東テク・平和紙業・ヨンキュウ・太洋物産・アルテック・北沢産業は結成されていないと記載されています。中小規模の専門商社・設備商社では珍しい形ではない、というのが客観的な位置づけです。

④「ホワイト」側の材料も一次情報で確認できる

不安系キーワードと並んで「東テク ホワイト」の検索もあります。こちらについても、会社の開示から材料を拾えます。

  • 処遇は明確に上向き:平均年間給与は8,409,326円→9,184,178円(+9.2%)。赤字期はなく、5期連続の増収増益
  • 財務が崩れていない:自己資本比率64.0%、有利子負債依存度4.6%。待遇を削る財務的な理由が見当たらない
  • 男性育休取得率41.4%:建設設備業としては低い数字ではなく、制度が運用されていることの傍証になる
  • 勤続11年9ヵ月:現場職を多く抱える業態で11年超の平均勤続は、定着が極端に悪い会社の形ではない
  • 重大訴訟なし:有価証券報告書の「重要な訴訟事件等」は「該当事項はありません」

一方で、多様性指標のうち女性管理職比率7.5%、男女賃金差異(全労働者65.2%・正規雇用66.5%・パート有期51.8%)は、建設設備業界の構造をそのまま映した数字です。職種構成として現場系の技術職・施工管理に男性が多く、一般職に女性が多い構成が賃金差異に反映されている可能性があります。これは東テク固有の問題ではなく業界共通の課題ですが、女性が技術系・管理職でキャリアを伸ばす前例の厚みを知りたい場合は、面接で女性の技術職・管理職の在籍状況を確認しておくとよいでしょう。なお役員構成は男性5名・女性2名で、女性役員比率は28.6%(2026年6月23日時点)と、管理職比率より高い水準にあります。

東テクの年収918万円の中身|1年で77万円上がった理由を分解する

「東テク 年収」「東テク 平均年収」「東テク 給料」は、同社に関する検索のなかで最も需要が濃い領域です。結論から言えば、918.4万円は推定値ではなく有価証券報告書に記載された実額であり、しかも1年で約77万円という異例の伸びを記録しています。ただしこの数字を自分の想定年収に置き換える前に、確認すべき前提が3つあります。

まず公式平均年収と、その内訳の前提を押さえる

第71期(2026年3月期)有価証券報告書の「従業員の状況」②提出会社の状況によると、平均年間給与は9,184,178円(2026年3月31日現在)。有価証券報告書本文には「平均年間給与の対前事業年度増減率 9.2%」と明記され、前期(第70期・2025年3月期)の8,409,326円から約77万円上がっています。注記により、この金額には基準外賃金(時間外手当等)および賞与が含まれ、勤続1年未満の者(休職者を含む)は除かれます。

ここから3点が読み取れます。第一に、残業代を含む実支給額であるため、繁忙期の時間外が多い部署ほど平均を押し上げている可能性があります。第二に、賞与込みのため業績連動の影響が大きく、営業利益が4年で約2.7倍になった期間と給与上昇が重なっています。第三に、入社1年未満が除外されているため、新卒1年目の水準はこの平均に反映されていません。公式情報としての918.4万円は、「在籍1年以上の東テク本体社員の、残業・賞与込みの平均」という意味です。

平均年齢が若返り、勤続が短縮している|母集団の変化が示すもの

年収の伸びと同時に起きているのが、年齢構成の変化です。

項目第70期(2025年3月期)第71期(2026年3月期)変化
平均年間給与8,409,326円9,184,178円+約77万円(+9.2%)
平均年齢41才6ヵ月41才1ヵ月5ヵ月の若返り
平均勤続年数12年1ヵ月11年9ヵ月4ヵ月の短縮
従業員数(提出会社)1,101名1,171名+70名
従業員数(連結)2,679名2,855名+176名

通常、平均年収が上がる会社では平均年齢も上がりやすく(在籍者が歳を重ねるため)、若返りと増収が同時に起きるのは採用を強く増やしている局面の形です。実際、提出会社の従業員は1年で70名増え、連結では176名増(2025年4月の三王機工取得分を含む)。さらに有価証券報告書のリスク欄「人材の採用と育成」には、2026年4月入社がグループ全体で140名と明記されています。

転職検討者にとっての意味は2つあります。推定情報として、(1)若手が増えて平均年齢が下がっているにもかかわらず平均給与が9.2%上がった=単なる高齢化による自然増ではなく、賃上げと賞与増が効いている可能性が高いこと、(2)年140名規模の採用を続けている=採用の門が相対的に開いている局面である可能性があること。同時に、勤続年数の短縮は「新しく入った人が増えた」結果でもあり、教育体制が追いついているかは面接で確かめるべき論点になります。

口コミ上の年収傾向と、職種・応募先による違い

本記事の執筆時点では、OpenWork・転職会議・エン カイシャの評判の各サイトで東テクの評点および口コミ件数を確認できなかったため、口コミ傾向としての定量的な記述は行いません。件数や点数を創作することもしません。代わりに、有価証券報告書から読める構造で年収差を整理します。

  • 応募先が本体か子会社か:918.4万円は提出会社1,171名の値です。連結2,855名のうち約6割は日本ビルコン・東テク北海道・アイ・ビー・テクノス・三王機工・北日本計装・鳥取ビルコンなどの子会社に在籍しており、子会社の給与水準は有価証券報告書では開示されていません。求人に応募する際は、雇用契約の相手が東テク株式会社なのかグループ会社なのかを必ず確認してください
  • 職種による差:募集職種は空調営業職、計装営業職、計装技術職、エネルギー営業職、エネルギー技術職、事務系総合職、一般職。推定情報として、残業代が平均に含まれる構造上、現場稼働の多い技術職・施工管理側は平均前後からやや上、一般職は平均より下になる可能性があります。職種別の年収は有価証券報告書では開示されていません
  • 賞与のウエイト:平均に賞与が含まれるため、業績が落ちた期には平均も下がりうる構造です。東テクは5期連続増収増益で赤字期がないため直近は追い風ですが、景気・民間設備投資の変動は会社自身がリスクの第1項目に挙げています
  • 初任給・退職金・ボーナス月数:いずれも有価証券報告書では開示されておらず、公開情報からは確認できなかったため、内定時の労働条件通知書で確認してください

転職時に確認すべきポイントを整理すると、①雇用主(本体かグループ会社か)、②想定される時間外の水準と固定残業の有無、③賞与の算定ロジック(業績連動の割合)、④配属部署が商品販売側か工事側か、の4点です。918.4万円という平均値は、この4つの条件が揃った本体社員の平均であって、提示年収の保証ではありません。

東テクの「不祥事」は確認できたか|事実として言えることだけを書く

「東テク 不祥事」という検索があるため、結論を先に述べます。今回調査した公開情報の範囲では、行政処分・課徴金・排除措置命令・指名停止・重大な訴訟といった事実は確認できなかった、というのが正確な表現です。

根拠は以下の通りです。第71期有価証券報告書の「重要な訴訟事件等」は「該当事項はありません」と記載され、事業等のリスクの偶発事象の項目でも「当連結会計年度末において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりません」と明記されています。法定開示書類にこの記載があることは、少なくとも重大な係争が期末時点で存在しないことを意味します。

ただし、本記事は報道記事を網羅的に突き合わせた調査ではないため、「不祥事は一件もない」と断定することはしません。「確認できなかった」と「存在しない」は別の話です。読者側で追加確認したい場合は、公式サイトのニュースリリースと適時開示(TDnet)、および公式IRページを時系列で確認するのが最短です。なお、匿名掲示板の書き込みは出典として扱いません。本記事では一次情報と公式開示、そして口コミサイトの集計傾向のみを材料にしています。

一方で、「会社が自ら開示しているリスク」は不祥事よりはるかに読む価値があります。第71期有価証券報告書の事業等のリスクは、(1)景気・民間設備投資と公共投資の変動、競争激化、債権回収、(2)人材の確保・育成、(3)労務管理(時間外勤務・長時間労働を起因とした健康問題)、(4)工事に伴う人的・物的事故と災害、(6)仕入先集中(ダイキン工業からの仕入が23.4%)、(7)外注協力会社の確保、(9)建設業法・労働安全衛生法等の法的規制、(13)業績の季節変動(下期・期末偏重)と具体的に列挙されています。検索で探している「やばさ」の実体は、この(3)(4)(13)に集約されていると読むのが妥当です。

東テクの就職難易度・採用の実態|数値が出ている部分と非公表の部分

「東テク 就職難易度」「東テク 採用大学」「東テク 倍率」「東テク 面接」「東テク 新卒採用」といった検索が合計でまとまった量あります。先に整理しておくと、選考倍率・採用大学・初任給はいずれも公開情報からは確認できなかったため、本記事では数値を置きません。その代わり、有価証券報告書から判断材料になる事実を3つ提示します。

年140名の採用規模と、知名度のギャップ

有価証券報告書のリスク「人材の採用と育成」には、2026年4月入社の新卒採用がグループ全体で140名と明記されています。連結2,855名の会社が単年で140名を採る規模感は、人員の約5%に相当します。さらに提出会社単体の従業員は1年で1,101名→1,171名へ70名増、連結では2,679名→2,855名へ176名増。推定情報として、これは採用を絞っている会社の動きではありません。

一方で東テクはBtoBの設備商社であり、一般消費者向けの商品を持たないため知名度は高くありません。プライム上場・平均年収918.4万円・5期連続増収増益という条件に対して認知が追いついていない状態は、応募側から見ると倍率面では相対的に有利に働く可能性があります。これは推定であり、実際の倍率は公表されていません。

中途採用で評価されやすい経験

同社の募集職種は、空調営業職、計装営業職、計装技術職、エネルギー営業職、エネルギー技術職、事務系総合職、一般職です。事業構造(工事事業が人員51%・利益の主役)と成長領域(有価証券報告書の業績説明に「データセンターなどの成長分野における需要獲得に注力」と明記)から、推定情報として評価されやすい経験を整理します。

  • 計装・自動制御の実務経験:BA/BEMS、DDC、空調自動制御の設計・施工・調整経験。同社の中核能力に直結します
  • 設備系の施工管理経験:管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、電気主任技術者、エネルギー管理士などの資格。建設業許可を持つ工事会社として、資格者の頭数そのものが経営資源です
  • ゼネコン・サブコン・設備工事会社での現場代理人経験:工期管理と協力会社マネジメントの経験は、外注協力会社の確保をリスクに挙げる同社と論点が合います
  • 空調・制御メーカーの技術営業経験:ダイキン工業・アズビルなどの製品知識を持つ人材は、商品販売側で即戦力になりやすい領域です
  • データセンター・大型再開発案件の経験:成長ドライバーと直結するため、案件規模の大きさがそのまま評価につながる可能性があります

選考で確認しておくべき3点

難易度そのものより、入った後のミスマッチを避けるほうが重要です。公式情報から逆算すると、確認すべきは以下の3点です。第一に雇用主(東テク株式会社本体か、グループ会社か)。918.4万円の水準は本体の値で、子会社の給与は非開示です。第二に職種群(商品販売側か工事側か)。繁忙期・評価軸・転勤の発生度合いが変わります。第三に勤務地の広がりです。同社は本社(東京都中央区日本橋本町)のほか大阪支店(大阪市中央区北浜)など全国に拠点を持ち、グループ会社も北海道から鳥取まで広がっています。転勤・出張の範囲は面接で必ず確認してください。

東テクの将来性|5期連続増収増益の中身と、今後の構造リスク

「東テク 将来性」「東テク 強み」という検索に対しては、一般論ではなく5期の実数で答えます。第67期から第71期までの連結売上高の推移は次の通りです。

期連結売上高前期比営業利益の位置づけ
第67期1,101億20百万円—営業利益約63億円
第68期1,266億96百万円+15.0%増益基調
第69期1,407億32百万円+11.1%増益基調
第70期1,559億58百万円+10.8%増益基調
第71期(2026年3月期)1,700億13百万円+9.0%営業利益171億25百万円(+16.6%)

5期連続増収で、売上は4年で約1.54倍。営業利益は第67期の約63億円から第71期の171億25百万円へ約2.7倍になりました。売上の伸び(1.54倍)を利益の伸び(2.7倍)が大きく上回っているのがポイントで、推定情報として、売上総利益が+20.0%伸びた工事事業の比重が上がったこと(=単純な仕入販売より付加価値の高い工事・計装の比率が上がったこと)が利益率改善の主因と考えられます。財務も自己資本比率64.0%、有利子負債5,294百万円で有利子負債依存度4.6%、ROE約17.8%と、収益性と安全性が両立した状態です。

需要サイドの材料も明確です。有価証券報告書の業績説明には「データセンターなどの成長分野における需要獲得に注力」と明記されています。生成AI需要を背景としたデータセンターの新増設、東京・大阪を中心とした大規模再開発、半導体・EV関連工場の国内投資が、業務用空調・熱源・計装工事の需要源になっている局面です。データセンターは高発熱密度に対応する冷却設計や無停止での増設対応など難度が高く、案件単価も大きいため、経験が業界内で評価されやすい領域でもあります。加えて、2050年カーボンニュートラルとZEB普及に向けた建築物省エネ法の規制強化、フロン排出抑制法対応、既存ビルの改修需要が積み上がっており、BEMSによるエネルギー可視化や熱源更新といった省エネ提案は、機器販売から一段上の付加価値領域になっています。同社がエネルギー営業職・エネルギー技術職という職種を立てているのは、この流れに対応した形です。

会社が掲げる目標は、2031年3月期に連結売上2,200億円・経常利益220億円。2026年度から第二次中期経営計画を開始しています。第71期実績(売上1,700億円・経常180億円)からの伸び幅で見ると、年率換算で数%台の成長を想定した現実的な計画と読めます。2027年3月期の会社予想は売上1,800億円・営業利益180億円ですが、これは会社予想であって実績ではありません。

一方で、将来性を語るうえで無視できない構造リスクが3つあります。第一に仕入先集中で、ダイキン工業からの仕入が23.4%。メーカー政策の変更が商品販売事業の採算に影響する可能性があります。第二に景気・設備投資への連動。民間設備投資と公共投資の変動は会社がリスクの第1項目に挙げており、データセンター投資が一巡した局面での受注環境は読みにくくなります。第三に人材と外注協力会社の確保。技能労働者・施工管理技術者の高齢化と採用難は業界全体で解消しておらず、労務費と資材価格の上昇分を発注価格へどこまで転嫁できるかが採算を分けます。2025年4月の社長交代では新社長が計装(工事側)出身であり、推定情報として、人員・利益の主役である工事・計装側をさらに伸ばす方向の舵取りが想定されます。

東テクと同業他社・第106バッチ10社の比較

年収水準と事業構造は、単体で見ても意味が薄く、比較してはじめて判断材料になります。ここでは2つの軸で比較します。1つは空調・計装という同じ土俵の同業他社、もう1つは同時期に調査した上場卸売10社の横並びです。

空調・計装の同業4社との比較ポイント

まず事業構成が近い企業との関係を整理します。なお各社の平均年間給与等は本記事では取得していないため、数値は併記しません(推定情報での穴埋めはせず、各社の有価証券報告書で確認してください)。

企業名(証券コード)事業の重心東テクとの違い比較時に見るべき点
東テク(9960)空調・制御機器の販売+計装/管工事/電気設備工事—商品販売と工事の両輪。売上は商社型、人員・利益は工事型
日本電技(1723)空調計装工事・自動制御の専業商品販売事業を持たない計装専業。事業構成が最も近い直接競合計装技術者としてのキャリアの純度。専業ゆえの深さと、案件領域の幅
高砂熱学工業(1969)空調設備工事の最大手工事主体の大手サブコン。商社機能は持たない案件規模と全国・海外展開。大型案件経験を積みたい場合の比較対象
新日本空調(1952)空調設備工事の大手同じく工事主体。待遇水準の比較対象になりやすい年収水準と勤務地・転勤範囲。有価証券報告書での実額比較が必須
三機工業(1961)総合設備エンジニアリング(建築設備・環境・機械システム)設備領域が広く、プラント・環境系も抱える設備以外の領域に広がるキャリアの可能性

この並びから見える東テクの立ち位置は、「計装専業ほど技術に特化せず、サブコン大手ほど工事に寄り切らない中間」です。機器を売る立場と据付・制御する立場の両方を社内に持つため、営業から技術、技術から提案へ横移動できる余地があります。推定情報として、計装技術者として技術を極めたいなら専業の日本電技、超大型案件の経験を積みたいなら高砂熱学工業や三機工業、機器販売と施工の両面を見ながら顧客に入り込みたいなら東テクが噛み合いやすい、という整理になります。

上場卸売10社の横並び比較(同時期調査)

次に、同じ時期に有価証券報告書ベースで調査した上場卸売・商社系10社を並べます。公式情報として、すべて各社の有価証券報告書の実額です。

会社名(証券コード)市場決算期有報の平均年間給与平均年齢/平均勤続提出会社(単体)/連結 従業員数売上高(連結)営業利益(連結)
因幡電機産業(9934)東証プライム第78期(2026年3月期)989.5万円(+8.2%/前期約914万円)37.6歳/13.0年1,790名/2,230名4,170億23百万円(+8.6%・過去最高)297億11百万円(+16.3%・利益率7.1%)
東テク(9960)東証プライム第71期(2026年3月期)918.4万円(+9.2%/前期840.9万円=+約77万円)41才1ヵ月/11年9ヵ月1,171名/2,855名1,700億13百万円(+9.0%)171億25百万円(+16.6%)
ミスミグループ本社(9962)東証プライム第64期(2026年3月期)914万円(持株会社327名のみ/会社開示の合算値は769.2万円・1,737名)提出41.4歳・合算39.6歳・㈱ミスミ39.2歳/いずれも7.5年327名/11,304名(海外8,092名=72%)4,413億83百万円(+9.8%)476億13百万円(+2.4%・利益率11.6%→10.8%)
アルテック(9972)東証スタンダード第50期(2025年11月期)672.0万円(ほぼ横ばい)46.5歳/12.3年135名/418名175億51百万円(▲3.7%)24百万円(前期は営業損失148百万円。経常損失126百万円=3期連続経常赤字)
杉本商事(9932)東証プライム第101期(2026年3月期)656.7万円(▲0.8%)38.9歳/13.5年491名/592名486億11百万円(▲1.7%)20億47百万円(▲14.5%・利益率4.2%)
平和紙業(9929)東証スタンダード第93期(2026年3月期)638.2万円(+4.5%)46.9歳/22.5年133名/188名157億96百万円(▲1.5%)99百万円(▲30.3%・利益率0.6%)
太洋物産(9941)東証スタンダード第85期(2025年9月期)508.7万円(2期連続微減)45才9ヶ月/12年11ヶ月31名(非連結)196億62百万円(+4.8%)2億47百万円(減益・利益率1.3%)
北沢産業(9930)東証スタンダード第79期(2026年3月期)496.6万円(+4.3%)45歳1か月/15年0か月345名/382名140億31百万円(▲9.8%)2億66百万円(▲68.3%)
植松商会(9914)名証メイン(東証スタンダードは2026年9月21日付で上場廃止)第72期(2026年3月期)487.8万円40.8歳/15.0年75人(非連結)66億31百万円(+5.2%)85百万円(+93.5%・利益率1.3%)
ヨンキュウ(9955)東証スタンダード第52期(2026年3月期)477.9万円(+3.7%)42.9歳/12.7年109名/134名476億76百万円(+6.2%)18億69百万円(+20.9%・利益率3.9%)

【比較表の注記】この表を読むときは、以下の5点を前提として押さえてください。数値の意味を取り違えると、転職判断そのものが狂います。

  • ①決算期が3種類あります。11月期=アルテック(第50期/従業員データは2025年11月30日現在)、9月期=太洋物産(第85期/従業員データは2025年9月30日現在)、残る8社は2026年3月期です(因幡電機産業第78期、東テク第71期、杉本商事第101期、ミスミグループ本社第64期、北沢産業第79期、平和紙業第93期、ヨンキュウ第52期、植松商会第72期=従業員データは2026年3月20日現在)。期数は第50期から第101期まで大きく異なり、杉本商事は創業100年規模の第101期です。必ず「第◯期(20XX年X月期)」として読んでください
  • ②市場区分は植松商会だけが特殊です。同社は東京証券取引所スタンダード市場を「流通株式時価総額」基準の未達により2026年9月21日付で上場廃止となりました(売買最終日2026年9月18日)。名古屋証券取引所メイン市場(2024年12月上場)での上場は継続し、証券コード9914も変更ありません。上場廃止の原因は業績悪化や不祥事ではなく流通株式時価総額基準の未達であり、非上場化するわけでもありません。他9社は東証プライム(因幡電機産業・東テク・ミスミグループ本社・杉本商事)または東証スタンダード(アルテック・平和紙業・太洋物産・北沢産業・ヨンキュウ)です
  • ③平均年間給与はすべて提出会社(単体)の値で、連結全体の水準ではありません。最も差が大きいのはミスミグループ本社で、持株会社単体の914万円は従業員327名(前期632名から半減。有価証券報告書の注記では「当社グループ内の組織変更によるもの」)の数字にすぎず、連結は11,304名(国内3,212名/海外8,092名=海外比率約72%)です。ただし同社は有価証券報告書の「従業員の状況」注記で、提出会社と子会社㈱ミスミが人事制度上ほぼ一体運営であるため両社合算で正社員1,737名/平均年齢39.6歳/平均勤続7.5年/平均年間給与7,692,115円(約769万円・+10.6%)、最大人員会社の㈱ミスミ単体は平均年齢39.2歳/平均勤続7.5年と自ら開示しています。「ミスミの平均年収914万円」とだけ読むのは実態を誤認します。東テクも持株会社ではありませんが、単体1,171名に対し連結2,855名であり、918.4万円は単体の数値です。アルテックも単体135名に対し連結418名で、672.0万円は海外製造子会社を含まない単体の平均(連結内訳は商社事業123名・プリフォーム事業268名・全社27名で人数の主力は製造側)。因幡電機産業(1,790/2,230)、杉本商事(491/592)、北沢産業(345/382)、平和紙業(133/188)、ヨンキュウ(109/134)は事業会社本体で単体が連結の大半を占めるため乖離は小さく、植松商会(75人)と太洋物産(31名)は連結財務諸表を作成していない単体開示企業です(太洋物産は2026年7月のいちごホールディングス子会社化以降は連結化予定で、508.7万円は商社本体31名のみを表します)
  • ④有報の実額と口コミサイトの自己申告平均は別物です。たとえば北沢産業は有報496.6万円に対しOpenWork回答者の自己申告平均358万円(レンジ265〜500万円)で約140万円の差があり、植松商会は有報487.8万円に対しOpenWorkの求人給与レンジ330万〜387万円(新規採用職の求人レンジで全社平均ではない)、エン カイシャの評判では492万円。杉本商事は有報の平均年齢38.9歳・勤続13.5年に対し採用サイトが35.2歳・勤続12.6年と、定義と基準日が違います。ヨンキュウはOpenWorkの口コミが0件、太洋物産は回答者9名(総合2.71)と母数が極端に小さく、スコアを会社の実態として断定することはできません。東テクについても、本記事執筆時点では各口コミサイトの評点・件数を確認できなかったため、口コミ傾向の数値は記載していません
  • ⑤赤字・減益の会社を隠さず読むべきです。アルテックは営業利益24百万円で黒字転換したものの経常損失126百万円=3期連続の経常赤字、さらに減損損失1,057百万円と事業構造改善費用1,198百万円(再生フレーク事業からの撤退)により親会社株主帰属当期純損失2,594百万円。自己資本比率56.4%ながら連結利益剰余金は△113百万円で、商社事業の受注高も8,581百万円(△9.6%)です。北沢産業は営業利益266百万円(前期比▲68.3%)で1年で3分の1以下、連結従業員も5期連続減少(459名→382名)。財務は自己資本比率66.9%・純資産113億55百万円と厚い一方、営業キャッシュフローは△699百万円です。2027年3月期の会社予想は営業利益470百万円(+76.7%)ですが第1四半期は営業損失であり、会社予想は実績ではありません。杉本商事は第101期に初めて減収(▲1.7%)へ転じ営業利益▲14.5%(純利益+10.2%は政策保有株売却などの特別要因)、平和紙業は営業利益率0.6%まで低下、ミスミグループ本社は増収でも経常利益は▲1.6%の減益。ヨンキュウの純利益+167.4%も投資有価証券売却益34億89百万円による一過性要因で、本業の成長ではありません

この10社を並べて見えるのは、同じ「卸売業」でも収益性が10倍以上違うという事実です。営業利益率は因幡電機産業7.1%、杉本商事4.2%、ヨンキュウ3.9%、植松商会1.3%、太洋物産1.3%、平和紙業0.6%、アルテック0.1%(経常は赤字)。因幡電機産業が高い理由は自社製品事業803億円(売上の19.3%)と子会社による製販兼営にあり、「仕入れて売るだけ」ではない構造が利益率を生んでいます。東テクの位置づけはここに重なります。商品販売と工事を併せ持ち、売上総利益では工事が商品販売を上回る構造が、卸売業の平均的な薄利から抜け出す要因になっていると読めます(推定情報)。年収水準でも、東テク918.4万円は10社中2位であり、純粋な仕入販売型の商社(487.8万〜656.7万円)とは明確な差があります。

もう1つの軸は勤続年数です。平和紙業22.5年、植松商会15.0年、北沢産業15年0か月という「辞めない会社」がある一方、ミスミグループ本社は7.5年(中途採用比率84%)で外から入る人が多数派の高流動型です。東テクの11年9ヵ月はその中間で、しかも前期12年1ヵ月から短縮しています。推定情報として、東テクは「定着した社員がベースにいて、そこへ毎年100名超の新しい人が加わっている」段階にあり、中途で入る人にとっては前例がすでにある一方、社内の標準が動いている時期でもあると考えられます。

東テクへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と構造分析をふまえ、適性を整理します(判断には推定情報を含みます)。重要なのは、商品販売側と工事側で答えが変わる点です。

向いている人向いていない人
空調・計装の技術を軸に、機器販売から施工・保守まで一貫して関わりたい人扱う領域を1つに絞り、専門だけを深めたい人(計装専業のほうが噛み合う可能性)
知名度より実額の処遇を重視する人(有報実額918.4万円・1年で+9.2%)ブランド・社名の知名度を重視する人(BtoB設備商社で一般認知は高くない)
繁忙期の波が読める環境を許容できる人(下期・期末偏重を会社が明記)年間を通じて平準化された業務量を求める人
データセンター・再開発・省エネ改修といった成長領域で案件経験を積みたい人案件ごとに勤務地や関係先が変わる働き方を避けたい人
資格取得(施工管理技士・エネルギー管理士等)を処遇と結びつけたい人資格取得の学習負荷を前提にしたくない人
組合ではなく会社の決裁と業績連動で処遇が動く環境を受け入れられる人労働条件を集団交渉の枠組みで担保したい人(労働組合は結成されていない)
増員局面で裁量を取りにいきたい人(単体+70名/連結+176名/新卒140名)制度・教育体制が完全に固まった環境を求める人(平均勤続は短縮方向)

特に確認してほしいのは、上の表の「向いていない人」欄が東テクの欠点ではなく、業態そのものの性質だという点です。建築設備業界では、商社系(機器販売営業)と工事系(施工管理・計装技術)で繁忙期・残業時間・評価制度・昇進スピードが違い、入社後に希望と異なる側へ配属される可能性が共通の懸念になっています。東テクは両方を社内に持つため、この懸念が最も当てはまる会社です。応募段階で職種群を確定させることが、ミスマッチを防ぐ最短の手段になります。

東テクへの転職|編集部の見解

編集部の見解として、東テクは「条件面の数字が先に動いている会社」です。平均年間給与が1年で9.2%・約77万円上がり、その増減率が有価証券報告書本文に明記されているケースは多くありません。営業利益が4年で約2.7倍、自己資本比率64.0%、有利子負債依存度4.6%という財務状況を合わせると、処遇の改善を支える原資がある状態だと考えられます。

そのうえで、総合すると次のように整理できます。空調・計装・設備施工の経験を持つ人、あるいは設備領域で技術と営業の両方に関わりたい人には、有力な選択肢として検討に値します。理由は、利益と人員の主役が工事側にあり、そこが会社の成長エンジンになっているためです。一方で、繁忙期の負荷が期末に集中する構造と、長時間労働リスクを会社自身が開示している点は、事前に織り込むべき条件です。平均残業時間・離職率・有給取得率が有価証券報告書で開示されていないため、この部分は面接での確認に頼るしかありません。

判断を誤りやすいポイントを1つだけ挙げるなら、918.4万円という数字を「グループ全体の水準」と読んでしまうことです。これは提出会社1,171名の平均であり、連結2,855名の約6割が在籍する子会社の給与水準は開示されていません。応募先がどの法人なのかを最初に確認するだけで、期待値のズレはかなり防げます。

東テクに関するよくある質問

検索されている疑問のうち、公開情報で答えられるものに限って回答します。数値が非公表の項目については、推測で埋めずに「開示されていない」と明記します。

東テクは何の会社ですか?読み方は?

業務用空調機器・制御機器の販売(商品販売事業)と、計装工事・管工事・電気設備工事の設計施工(工事事業)を手がける、建築設備業界の商社兼エンジニアリング企業です。英文社名はTOTECH CORPORATIONで、「とうてく」と読みます。1955年に冷暖房機器の販売会社「東京機工株式会社」として創業し、1986年4月に現在の商号へ変更しました。証券コードは9960で、東証プライム市場に上場しています。

東テクの平均年収はいくらですか?

第71期(2026年3月期)有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は9,184,178円(約918.4万円)です。前期(第70期)は8,409,326円で、対前事業年度増減率9.2%が有価証券報告書本文に明記されています。この金額には基準外賃金と賞与が含まれ、勤続1年未満の者は除外されています。なお、これは東テク本体1,171名の平均で、連結2,855名の水準ではありません。

東テク北海道は東テクと同じ会社ですか?

別法人ですが、同じグループの会社です。第71期有価証券報告書には主要な子会社として、日本ビルコン、アイ・ビー・テクノス、東テク北海道、三王機工、北日本計装、鳥取ビルコンなどが挙げられており、グループは連結子会社12社と非連結子会社3社の計15社体制です。応募時に重要なのは、雇用契約の相手が東テク株式会社なのかグループ会社なのかという点で、グループ会社の給与水準は有価証券報告書では開示されていません。なお「城東テクノ」(建築部材メーカー)および「日東テクノブレーン」(人材紹介)は、東テクとは資本関係のない別法人です。

東テクの残業時間や離職率はどのくらいですか?

平均残業時間・離職率・有給休暇取得率は、いずれも有価証券報告書では開示されておらず、今回の調査では確認できなかったため非公表として扱います。数値は置きません。代わりに会社が開示している事実として、事業等のリスクに「現場作業などによる時間外勤務や長時間労働を起因とした健康問題や生産性低下」への対処が明記され、業績は下期・期末に偏る季節変動があるとされています。平均勤続年数は11年9ヵ月(前期12年1ヵ月)、男性育児休業取得率は41.4%です。実際の水準は、配属予定部署について面接で直接確認してください。

東テクの初任給・ボーナス・退職金は公表されていますか?

初任給・賞与月数・退職金制度の詳細は有価証券報告書では開示されておらず、公開情報からは確認できなかったため、本記事では数値を記載しません。確認できるのは、平均年間給与9,184,178円に賞与と基準外賃金が含まれているという注記と、労働条件が稟議申請による社長決裁で決定されると有価証券報告書に記載されている点です。正確な条件は、選考過程での提示内容と内定時の労働条件通知書で確認してください。

東テクの就職難易度・採用大学・倍率は?

選考倍率・採用大学・選考フローの詳細は公開情報からは確認できなかったため、難易度を数値で示すことはできません。判断材料になる事実は、2026年4月入社の新卒採用がグループ全体で140名と有価証券報告書に明記されていること、提出会社の従業員が1年で1,101名→1,171名(+70名)、連結が2,679名→2,855名(+176名)と増えていることです。推定情報として、採用を絞っている局面ではなく、BtoB設備商社で一般知名度が高くないことを考えると、同水準の処遇を持つ企業と比べて応募側に不利とは言いにくい状況です。

東テクへの転職判断まとめ

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と面接での確認内容、自分の経験・適性を合わせて行ってください。

判断軸評価
年収水準有報実額918.4万円(第71期・提出会社)。前期比+9.2%で1年で約+77万円。卸売10社比較では2位の水準
年収の読み方の注意提出会社1,171名の平均。連結2,855名の約6割が在籍する子会社の給与水準は非開示
業績・財務5期連続増収増益。売上4年で約1.54倍、営業利益は約2.7倍。自己資本比率64.0%、有利子負債依存度4.6%
事業構造売上は商品販売56%・工事44%だが、売上総利益と人員では工事が上。実質は設備商社兼サブコン
働き方のリスク会社が長時間労働リスクと下期・期末偏重の季節変動を有報に明記。平均残業時間・離職率は非公表
労働条件の決まり方労働組合は結成されておらず、労働条件は稟議申請による社長決裁。処遇改善は速いが集団交渉の受け皿はない
構造リスクダイキン工業からの仕入が23.4%の仕入先集中。民間設備投資の変動、人材・外注協力会社の確保難
将来性データセンター需要を成長分野として明記。2031年3月期に売上2,200億円・経常220億円を目標(会社目標であり実績ではない)
選考の見通し新卒140名規模の採用継続。倍率・採用大学・初任給は非公表のため、難易度の数値評価はできない
不祥事・訴訟行政処分・重大訴訟は今回の調査では確認できなかった。有報の「重要な訴訟事件等」は該当なしと記載
多様性女性管理職比率7.5%、男性育休取得率41.4%、男女賃金差異65.2%(全労働者)。女性役員比率は28.6%
最優先の確認事項①雇用主が本体かグループ会社か ②商品販売側か工事側か ③転勤・出張の範囲 ④賞与の算定ロジック

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数・セグメント別人員・大株主・リスク情報はすべて有価証券報告書の原文から直接取得しており、二次的な年収アグリゲータは主たる出典として使用していません。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。東テクについては本記事執筆時点で各口コミサイトの評点・件数を確認できなかったため、口コミの点数・件数は記載していません。匿名掲示板の書き込みは出典として扱っていません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第71期および第70期の有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、推定情報とは明確に区別しています。非開示の項目については推測値を置かず「有価証券報告書では開示されていない」と事実ベースで記載する方針です。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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