新都ホールディングスの年収429万円は社員10名だけの数字|評判・上場廃止を有報で検証
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 年収429.8万円の正体:有報の数字は持株会社の社員10名だけが対象です
- 事業の実体:売上の約88%が金属リサイクル。アパレル卸から転換した会社です
- 売上2.3倍の中身:成長はM&Aによるもので、単体は当期純損失1億01百万円
- 口コミの注意点:投稿の多くは2017年の社名変更前の情報と推定されます
新都ホールディングス株式会社(証券コード2776・東証スタンダード市場/卸売業)を検索すると、上位に並ぶのは株価・掲示板・PTSといった投資家向けの話題です。しかしこの記事は、投資判断ではなく転職判断のために書いています。転職先としてこの会社を見るとき、本当に知るべきなのは株価ではなく、「どんな事業をしていて、誰がどこで働き、給与や雇用の裏づけがどうなっているか」です。本記事では第42期(2025年2月1日~2026年1月31日/2026年1月期、有価証券報告書 提出日2026年4月24日)の一次情報を軸に、口コミや推定と明確に分けて整理します。なお、同名の「新都工業株式会社」は別会社です。本記事が扱うのは証券コード2776の新都ホールディングスのみです。
新都ホールディングス(2776)の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
まず、転職判断の土台になる数値を一覧にします。すべて公式情報=第42期有価証券報告書の実額です。読み方の注意も同じ表に併記しました。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,298千円(約429.8万円)※提出会社(持株会社)の従業員10名のみが対象 |
| 平均年齢 | 49.7歳(提出会社10名ベース・2026年1月31日現在) |
| 平均勤続年数 | 1.1年(提出会社10名ベース) |
| 従業員数 | 連結121名[ほか平均臨時雇用者2名]/提出会社10名[臨時0名] |
| 売上高 | 連結279億39百万円(前期比+127.21%)/提出会社単体26億06百万円 |
| 営業利益 | 連結5億93百万円(前期0億43百万円)/経常利益5億43百万円 |
| 当期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益0億98百万円(前期0億17百万円) |
| 提出会社(単体)損益 | 経常損失0億99百万円・当期純損失1億01百万円 |
| 自己資本比率 | 24.25%(連結純資産40億75百万円) |
| 本店所在地 | 東京都豊島区北大塚三丁目34番1号 |
| 設立 | 1984年1月26日(設立時の商号:株式会社クリムゾン) |
| 代表者 | 代表取締役社長 塚本 明輝 |
| 上場区分 | 東京証券取引所 スタンダード市場(2022年4月4日移行)・証券コード2776 |
| 配当 | 第38期~第42期はいずれも無配 |
| 労働組合 | 結成されていない |
| 女性管理職比率・男性育休取得率・男女賃金差異 | 常用労働者100人以下のため公表義務の対象外として記載省略 |
| 出典 | 第42期(2026年1月期)有価証券報告書/同社IR資料 |
新都ホールディングスはどんな会社か|アパレル卸から金属スクラップへ転換した経歴
この会社を理解する最短ルートは、社名も事業も別会社レベルで入れ替わっているという事実を先に押さえることです。ここを知らずに口コミや過去記事を読むと、まったく違う会社の情報を読んでしまいます。
公式情報として有価証券報告書の沿革を追うと、同社は1984年1月26日に東京都墨田区東駒形で「株式会社クリムゾン」として設立され、カジュアルウェアの企画・販売を目的とするアパレル卸として出発しています。2003年7月に日本証券業協会へ店頭登録、2004年12月にジャスダック証券取引所へ上場。2017年10月に新都ホールディングス株式会社へ商号変更し、2018年7月に本社機能を東京都豊島区北大塚へ移転しました。2022年4月4日の市場再編で東証スタンダード市場へ移行しています。
売上の約88%は金属リサイクル|4セグメントの内訳
第42期の連結売上高279億39百万円は、次の4セグメントで構成されています(公式情報)。
- 金属リサイクル事業:245億09百万円(前期比+142.85%)/セグメント利益8億47百万円。鉄・銅・アルミ・ステンレス等のスクラップの収集・破砕・選別・圧縮と、国内販売および中国・韓国・東南アジア向けの輸出入
- プラスチックリサイクル事業:15億40百万円(前期比▲23.21%)/セグメント損失0億26百万円。PET・PP・PE等の再生品の輸入・国内販売・加工
- 不動産関連サービス事業:1億85百万円(+45.24%)/セグメント利益1億03百万円。主に中華圏および在日中国人顧客向けのインバウンド不動産サービス、解体事業を含む
- その他:17億04百万円(前期0億70百万円)/セグメント利益1億10百万円。旧アパレル、日用雑貨・酒類の貿易、AI(GPU機器)の国内販売・リース等
売上比率にすると金属リサイクルが約88%。転職先として見るなら、実質的には「資源リサイクル系の中小商社(金属スクラップ商社)」と理解するのが実態に近いと考えられます(推定情報を含む解釈)。
本体は実質的な持株会社|事業は子会社6社が担う
もう一つ重要なのが、本体(提出会社)は実質的な持株会社であり、事業そのものは連結子会社が担っている点です。第42期有報の「関係会社の状況」によると、連結子会社は6社あります。
- 株式会社北山商事(長野県長野市・資本金5,000万円・金属リサイクル・持分50.1%):売上209億47百万円、経常利益5億54百万円、当期純利益3億65百万円、純資産7億98百万円、総資産63億69百万円。連結売上の10%超を占める特定子会社で、実質的にグループの大黒柱です
- 龍一商事株式会社(茨城県北相馬郡利根町・500万円・金属リサイクル・50.2%):2025年8月4日に株式交付で子会社化、みなし取得日2025年9月30日で第42期は3か月分のみ連結
- 栄新商事株式会社(京都府宇治市・7,000万円・金属リサイクル・50.9%):2025年11月20日に株式交付で子会社化、みなし取得日2025年12月31日で第42期は貸借対照表のみ連結
- 株式会社大都商会(東京都豊島区・5,000万円・プラスチックリサイクル・100%):代表者は社長が兼任
- 上海鋭有商貿有限公司(中国上海市・1,329,373人民元・その他/アパレル・100%)
- 新都AI株式会社(東京都豊島区・1,000万円・AI関連・100%・2025年10月設立)
金属リサイクルの3社はいずれも持分50%台で、完全子会社ではありません。応募先が「持株会社本体」なのか「長野・茨城・京都にある子会社」なのかで、勤務地も仕事内容も待遇もまったく別物になる構造です。
平均年収429.8万円は社員10名の数字|有報の読み解き方
この記事で最も伝えたい論点がここです。結論から言うと、「新都ホールディングスの平均年収429万円」という理解は、そのままでは実態とずれます。

平均年収429万円って書いてあるけど、これは現場でスクラップを扱っている人の給料ってこと?
①公式の平均年間給与|対象は提出会社10名のみ
公式情報として、第42期有価証券報告書「従業員の状況(2)提出会社の状況」に記載された平均年間給与は4,298千円(約429.8万円)、2026年1月31日現在の実額です。ただし、この欄が対象とするのは提出会社(持株会社)の従業員10名だけです。その10名の内訳は、金属リサイクル1名・不動産関連サービス1名・その他1名・全社(共通)7名。つまり7割が管理部門で、現場人員はほぼ含まれていません。
一方、連結ベースの従業員は121名[ほか平均臨時雇用者2名]で、セグメント別内訳は金属リサイクル61名[1]、プラスチックリサイクル13名、不動産関連サービス7名、その他3名、全社(共通)37名[1]です。110名超は子会社所属であり、その給与水準は有価証券報告書では開示されていません。
これは持株会社形態の上場企業では珍しくない構造ですが、開示姿勢には差があります。たとえばアルフレッサホールディングスは持株会社67名の838.7万円に加えて中核事業会社アルフレッサ株式会社の569.3万円を、円谷フィールズホールディングスは持株会社110名の776.4万円に加えてフィールズ株式会社の747.6万円を、それぞれ有報内で確認できます。新都ホールディングスの場合、事業を担う北山商事・龍一商事・栄新商事・大都商会の給与水準は有報に記載がありません。ここは応募時に自分で確認するしかない領域です。
②平均年齢49.7歳・平均勤続1.1年をどう読むか
同じ表の平均年齢は49.7歳、平均勤続年数は1.1年です(いずれも提出会社10名ベース)。勤続1.1年という数字だけを見ると強い違和感がありますが、これは母数が10名しかないことと、M&A後の人員入替が重なった結果と考えるのが自然です(推定情報)。連結従業員数が第41期70名→第42期121名へ急増している事実とも整合します。少人数組織の平均勤続年数は1人の入退社で大きく振れるため、この数値をもって定着率を論じることはできません。
③口コミ上の年収傾向と、転職時に必ず確認すべきこと
口コミ傾向としては、OpenWork・エンゲージ会社の評判のいずれも回答者数が一桁〜10人台にとどまり、年収に関する投稿も統計的な代表性を持つ規模ではありません。後述するとおり投稿時期の問題もあるため、本記事では口コミ由来の推定年収レンジを前面には出しません。公式情報である429.8万円が「持株会社10名の数字」であることを踏まえたうえで、以下を面接・内定時に直接確認するのが最も確実です(推定情報を含む実務アドバイス)。
- 雇用契約の相手が持株会社(新都ホールディングス)か、子会社(北山商事等)か
- その法人の給与テーブル・賞与実績・昇給実績(有報では非開示のため労働条件通知書で確認)
- 勤務地が東京都豊島区の本店か、長野県長野市・茨城県北相馬郡利根町・京都府宇治市の各拠点か
- 金属スクラップの現場業務(収集・破砕・選別・圧縮)を含むか、商社機能・管理部門か
- 賞与が業績連動の場合、連結業績と自社(雇用主となる法人)業績のどちらに連動するか
売上が1年で2.3倍になった中身|M&Aによる拡大と単体赤字という両面
「急成長企業」と見えるかどうかは、成長の中身を分解すれば判断できます。ここは転職判断に直結する部分なので、数字で押さえます。
連結売上5期推移と、増えた理由
公式情報として、連結売上高の5期推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結売上高 | 連結従業員数 |
|---|---|---|
| 第38期 | 47.7億円 | 38名 |
| 第39期 | 40.2億円 | 43名 |
| 第40期 | 62.9億円 | 45名 |
| 第41期 | 123.0億円 | 70名 |
| 第42期(2026年1月期) | 279.4億円 | 121名 |
5期で売上は約5.9倍、従業員数は約3.2倍。ただしこの増加は、いずれもM&A(株式交付による子会社化)によるものです。2024年5月に北山商事(50.1%)、2025年8月に龍一商事(50.2%)、2025年11月に栄新商事(50.9%)を取得しています。北山商事1社で売上209億円あり、連結売上の大半を占めます。既存事業の積み上げによるオーガニックな成長ではない、という点は正確に理解しておく必要があります。
買収の対価は現金ではなく株式交付でした。その結果、発行済株式総数は39,066,100株→53,377,500株へ約37%増加しています(希薄化)。大株主も入れ替わり、2026年1月31日現在で北山聡明氏11.62%(当社取締役・北山商事代表取締役社長)、福田卓也氏11.25%(栄新商事会長)、DADU(HONG KONG)CO.,LIMITED 6.42%、塚本明輝氏(代表取締役社長)6.26%、塩満龍一氏5.17%と続き、上位10名で52.35%を占めます。買収先の経営者が上位株主になる構造で、親会社は存在しません。
連結は増収増益、しかし単体は赤字・営業CFもマイナス
損益は両面で見る必要があります。公式情報として第42期は、連結営業利益5億93百万円(前期0億43百万円)、経常利益5億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益0億98百万円(前期0億17百万円)と、連結では増収増益です。セグメント利益も金属リサイクル8億47百万円、不動産関連サービス1億03百万円、その他1億10百万円と黒字が並びます。
一方で、以下の事実も同じ有報に記載されています。
- 提出会社(単体)は経常損失0億99百万円・当期純損失1億01百万円(第42期)
- プラスチックリサイクル事業はセグメント損失0億26百万円、かつ減収(▲23.21%)
- 営業キャッシュ・フローは△3億52百万円とマイナス
- 短期借入金+15億01百万円、長期借入金+11億44百万円と有利子負債が急増。会社自身が「事業等のリスク」で「有利子負債の増大によるリスク」を明記
- 自己資本比率は第40期58.15%→第41期23.61%→第42期24.25%と大きく低下
- 第39期△2億12百万円、第40期△3億94百万円と連結最終赤字が2期続いた時期がある
- 第38期~第42期はいずれも無配
「連結の売上と利益は伸びたが、稼いでいるのは買収した金属リサイクル子会社であり、本体単体は赤字で、資金は借入で賄っている」——これが第42期の構図です。危機や倒産を意味するものではありませんが、賞与原資や人材投資の余力を読むうえでは、連結の増収だけを見るのは不十分だと考えられます(推定情報)。
「やばい」「上場廃止」と検索される理由と、有報で確認できる事実
社名と併せて「やばい」「上場廃止」が検索されているのは事実です。ただし検索している層の多くは求職者ではなく個人投資家である可能性が高いと考えられます(推定情報)。株価・掲示板・PTSといった検索が全体の大半を占めているためです。ここでは煽らず、有価証券報告書とIR開示で確認できる事実だけを並べます。
上場廃止に関して確認できた事実・確認できなかった事実
- 債務超過ではありません。第42期末の連結純資産は40億75百万円、自己資本比率24.25%です(公式情報)
- 継続企業の前提に関する注記はありません。第42期有報の連結・個別いずれの注記も「(継続企業の前提に関する事項)該当事項はありません」と記載されています(公式情報)
- 上場維持基準不適合・改善期間入り・監理銘柄指定に関する開示は、有報・IRのいずれにおいても見当たりませんでした。第42期有報に「上場維持基準」「流通株式」に関する記載自体がありません
- TOB・非公開化の動きも開示上は見当たりませんでした
- 行政処分・課徴金納付命令・第三者委員会/特別調査委員会の設置・過年度決算の訂正・監査法人の交代も、いずれも開示上は見当たりませんでした(監査法人アリアの継続監査期間は5年で、第42期時点の交代はありません)
一方で、過去に第39期△2億12百万円・第40期△3億94百万円と連結最終赤字が2期続いた時期があり、その頃の開示では営業損失・営業キャッシュ・フローのマイナスに言及していました。第42期時点でも営業CFは△3億52百万円です。「上場廃止になる」と断定できる材料は見当たりませんが、財務指標の振れ幅が大きい会社である——これが事実ベースの答えになります。
疑念が生じやすい構造的な論点(有報記載事項)
不安系の検索が生まれやすい背景には、有報に開示されている以下の事項があると考えられます(公式情報として事実のみ記載し、評価は加えません)。
- 関連当事者取引:社長の関連会社である恒逸JAPAN株式会社への貿易売上10億40百万円・売掛金5億86百万円(貸倒引当金17百万円を新規計上)。香港のテンイェインダストリアル(ホンコン)カンパニーからの借入に対する無償の担保提供1億98百万円(保証料の支払なし)。社長個人による借入債務保証1億98百万円。大都ホールディングス株式会社への短期貸付23百万円
- 資本・人的な海外とのつながり:香港のDADU(HONG KONG)CO.,LIMITED(DIRECTOR=代表取締役社長の本名 DENG MINGHUI)が6.42%を保有。中国・上海の上海鋭有商貿有限公司を100%子会社として保有。代表取締役社長の「塚本明輝」は鄧明輝氏の日本における通称名であり、2025年9月より通称名で表記する旨が有報の大株主の状況 注記に明記されています
- 訴訟:2018年9月に発生した労災事故につき、2023年10月31日付で引っ越し業者の従業員から当社を被告とする損害賠償請求訴訟が提起されています(請求額4,833万円)。また連結子会社 大都商会に対する損害賠償請求訴訟(請求額6,935万円)は有報提出日までに和解が成立し、訴訟関連費用6,000万円を特別損失に計上、訴訟損失引当金3,768万円を計上しています。2025年12月15日の取締役会では「子会社の違約金請求訴訟(被告)和解決議」が行われています
- AIデータセンター構想の進捗:静岡県小山町で2年間に200〜300億円規模のAIデータセンターを整備する構想が2025年2月に日本経済新聞で報じられました。一方、提携先HASHCAT社との業務提携契約は2026年6月24日に解約が決議され、2026年8月19日には資金使途の変更が開示されています。時価総額約54億円(2026年8月25日終値101円)の規模との対比もあり、構想の進捗は現時点で不透明です
- ガバナンス体制の規模:監査法人は監査法人アリア(継続監査期間5年、監査報酬31,500千円)、内部監査グループの人員は1名です
これらはいずれも有価証券報告書に開示されている事実であり、違法性や不正を示すものではありません。ただし「小型株・オーナー色の強いガバナンス・海外関連当事者取引が並ぶ構造」であることは、入社後の意思決定スピードや経営方針の変わりやすさに影響しうる要素として、把握しておく価値があります(推定情報)。
口コミが少なく、しかも旧アパレル時代のもの|評判の正しい読み方
結論を先に言うと、この会社は「口コミで評判を判断する」という方法自体が成立しにくい会社です。理由は2つあります。
①母数が一桁〜10人台しかない
口コミ傾向として、主要サイトの状況は次のとおりです。
| サイト | 総合評価 | 件数・回答者数 |
|---|---|---|
| OpenWork | 3.25/5.0 | クチコミ59件・回答者数10人 |
| エンゲージ 会社の評判 | 3.4 | 口コミ41件・正社員6人の回答 |
| 就活会議 | — | 38件(転職会議からの転載) |
OpenWorkの項目別では「法令順守意識」3.6・「20代成長環境」3.6が相対的に高く、「人事評価の適正感」2.7・「人材の長期育成」2.8が相対的に低い傾向です。月間残業18.5時間、有給消化率78.6%という数値も出ています。ただし回答者数が10人では、平均値が1〜2人の投稿で大きく動きます。数字の上下を根拠に働きやすさを断定することはできません。
②投稿の大半が「社名変更前=アパレル卸時代」のものと推定される
より本質的な問題はこちらです。OpenWorkの会社紹介文は現在も「カジュアルアパレルの卸売・ブランドライセンス事業」のままで更新されていません。同社がアパレル卸から社名変更したのは2017年10月ですから、投稿の多くはそれ以前=旧クリムゾン時代のものと推定されます(推定情報)。
つまり、売上の約88%を占める現在の金属リサイクル事業や、買収子会社である北山商事・龍一商事・栄新商事の職場実態を示す口コミは、事実上ほとんど存在しません。「口コミの評価が3.25だから普通の会社」という読み方は、別業態だった時代の評価を現在の会社に当てはめることになります。
したがって本記事では、口コミを補助的な参考にとどめ、有価証券報告書の一次データで人員構成・給与・財務を確認する方針を採っています。同じ理由から、匿名掲示板の書き込みは出典として扱いません。
働く場所は本社か子会社か|求人・勤務地の実態と確認事項
「新都ホールディングス 求人」「新都ホールディングス 採用」で検索しても情報が出にくいのには、構造的な理由があります。ここを理解しておくと、応募時のミスマッチを大きく減らせます。
まず自社サイトに採用専用ページが見当たりません。企業サイト内の該当URLはSDGs紹介ページになっており、募集職種・待遇の記載はありません。求人はdoda・マイナビ転職・ハローワーク・タウンワークといった外部媒体を経由するかたちになります(公式情報:公式サイト上に採用要項の掲載なし)。
次に、雇用主となる法人によって勤務地がまったく異なります。有報の記載から整理すると次のとおりです。
| 雇用主となりうる法人 | 所在地 | 担当領域 |
|---|---|---|
| 新都ホールディングス(提出会社・従業員10名) | 東京都豊島区北大塚三丁目34番1号 | 持株会社機能・管理部門が中心(全社共通7名) |
| 株式会社北山商事(持分50.1%) | 長野県長野市 | 金属リサイクル(グループ最大の事業会社) |
| 龍一商事株式会社(持分50.2%) | 茨城県北相馬郡利根町 | 金属リサイクル |
| 栄新商事株式会社(持分50.9%) | 京都府宇治市 | 金属リサイクル |
| 株式会社大都商会(100%) | 東京都豊島区 | プラスチックリサイクル |
| 新都AI株式会社(100%) | 東京都豊島区 | AI関連(2025年10月設立) |
連結121名のうち金属リサイクル61名[臨時1]が現場の中核で、全社(共通)37名[1]が管理系です。「東京の上場企業に入るつもりが、実際の職場は長野・茨城・京都の事業会社だった」という取り違えが起きうる構造ですので、求人票の「就業場所」と「雇用契約の相手方」は必ず文面で確認してください(推定情報を含む実務上の注意)。
なお、労働組合は結成されていません。また常用労働者が100人以下であるため、女性管理職比率・男性育休取得率・男女の賃金差異は公表義務の対象外として有報では記載が省略されています。人員削減(希望退職募集・整理解雇・自然減)に関する開示は見当たらず、連結従業員は45名→70名→121名と増加傾向にあります。
金属リサイクル業界のなかでの立ち位置と、転職先としての将来性
将来性は「業界」と「この会社」を分けて見る必要があります。両者の評価は必ずしも一致しません。
業界サイドの追い風と、この会社が受けやすい振れ
資源リサイクルは、GX(脱炭素)政策と資源循環の要請を背景に、卸売・商社セクター全体でポートフォリオの重点領域とされています。総合商社各社も石炭火力など炭素集約度の高い事業を入れ替えつつ、再生可能エネルギーや素材リサイクルへ投資を振り向けており、「トレードで口銭を得るモデル」から「出資先の事業経営で利益を取るモデル」への転換が業界共通のテーマになっています。新都ホールディングスがM&Aで事業会社を取り込んで拡大してきた形は、規模はまったく違うものの、この潮流と同じ方向を向いていると言えます(推定情報)。
一方、同社が受けやすい振れも有報の「事業等のリスク」に明記されています。リスクの筆頭は「海外での事業活動リスク」で、スクラップの輸出先である中国・韓国・東南アジアの需要動向、中国の不動産市況、米ドル・人民元建て取引の為替変動が業績に直結する構造です。加えて「有利子負債の増大によるリスク」も自社で挙げています。市況連動型のビジネスであるため、賞与や採用計画が景気局面で振れる可能性は織り込んでおくのが妥当です(推定情報)。
この会社固有の変数:買収の継続性とAI事業
転職先としての将来性を左右する固有の変数は2つあると考えられます(推定情報)。
- M&Aを続けられるか:直近3期の成長はすべて株式交付による子会社化に依存しています。株式を対価にした買収は発行済株式を約37%増やしており、繰り返せば希薄化も進みます。既存子会社の利益をどれだけ伸ばせるかが次の論点です
- AI事業が事業として立ち上がるか:2025年10月に新都AI株式会社を設立し、同月に神奈川大学との受託研究契約も取締役会で決議しています。ただし静岡県小山町のデータセンター構想については、提携先との業務提携契約が2026年6月24日に解約決議され、2026年8月19日に資金使途の変更が開示されました。現時点では構想段階と見るのが妥当です
直近では2026年6月11日に2027年1月期第1四半期決算が発表され、2〜4月期の経常損益は黒字となっています。買収3社が通期で寄与する第43期の数字が、成長の持続性を測る最初の判断材料になります。
上場卸売業4社との比較|規模の違いを前提に読む
東証の業種分類上、新都ホールディングスは「卸売業」に属します。同じ卸売業の上場企業と並べると、この会社の位置がはっきりします。ただし売上高で最大約111倍、連結従業員数で最大約221倍の開きがあるため、優劣ではなく「規模と構造の違い」として読んでください。決算期が各社で異なる点にも注意が必要です(公式情報:各社有価証券報告書)。
| 企業名(コード) | 連結売上高・収益 | 利益 | 従業員数(連結/提出会社) | 有報の平均年間給与 | 対象決算期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新都ホールディングス(2776) | 279.39億円(+127.21%=M&Aによる) | 営業利益5.93億円(利益率2.1%)/単体は当期純損失1億01百万円 | 121名/10名 | 429.8万円(持株会社10名のみ) | 2026年1月期 |
| 双日(2768) | 2兆7,573.50億円 | 当期利益1,036.11億円(▲6.3%) | 26,789名/2,519名 | 1,257.2万円 | 2026年3月期 |
| アルフレッサホールディングス(2784) | 3兆1,040.64億円 | 営業利益361.64億円(利益率1.2%) | 12,525名/67名 | 838.7万円(持株会社67名のみ。アルフレッサ株式会社は569.3万円) | 2026年3月期 |
| 円谷フィールズホールディングス(2767) | 1,741.42億円 | 営業利益174.55億円(利益率10.0%) | 1,774名/110名 | 776.4万円(持株会社110名のみ。フィールズ株式会社は747.6万円) | 2026年3月期 |
| アップルインターナショナル(2788) | 408.09億円(▲6.8%) | 営業利益5.68億円(利益率1.4%) | 83名/20名 | 812.1万円 | 2025年12月期 |
この表から読み取れることを3点に整理します。
- 持株会社の有報年収は横並び比較に使えない:アルフレッサHD 838.7万円、円谷フィールズHD 776.4万円、新都HD 429.8万円はいずれも持株会社の少数社員が対象です。前2社は中核事業会社の数値も併記されているのに対し、新都HDは子会社の給与水準が有報に記載されていません
- 営業利益率は卸売業として突出して低くはない:新都HD 2.1%は、アルフレッサHD 1.2%やアップルインターナショナル 1.4%と近い水準です。医薬品卸・自動車輸出・金属スクラップはいずれも薄利多売型で、円谷フィールズHD 10.0%のようなコンテンツ型とは収益構造が異なります
- 規模が違えば安定性の意味も変わる:連結121名の会社では、1件の大型取引や1社の子会社業績が全体を動かします。「上場企業だから安定」という前提は、時価総額約54億円・従業員121名という規模では成り立ちにくいと考えられます(推定情報)
新都ホールディングスへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 金属スクラップ・資源循環という市況型ビジネスの面白さを理解できる人 | 年収・賞与・昇給の見通しが数字で示されないと動けない人 |
| 少人数組織で役割を自分で広げられる人(提出会社は10名、連結でも121名) | 制度・研修・キャリアパスが整った大企業型の環境を求める人 |
| M&A後のPMI・グループ管理・連結決算の実務を経験値にしたい人 | 組織や事業ポートフォリオの変化が続く環境にストレスを感じる人 |
| 中国・香港・東南アジアとの貿易実務や語学を活かしたい人 | 海外市況・為替に業績が左右されない安定業種を志向する人 |
| 勤務地が長野・茨城・京都など地方拠点になる可能性を許容できる人 | 東京本社勤務を確約したい人、口コミで社風を見極めたい人 |
新都ホールディングスに関するよくある質問
検索されている疑問のうち、有価証券報告書・IR開示で答えられるものに絞って回答します。
新都ホールディングスの平均年収は429万円ですか?
第42期有価証券報告書に記載された平均年間給与は4,298千円(約429.8万円)で、これは公式情報です。ただし対象は提出会社(持株会社)の従業員10名のみで、うち7名は全社共通(管理部門)です。連結121名の大半を占める子会社所属者の給与水準は、有価証券報告書では開示されていません。応募先の法人ごとに労働条件通知書で確認する必要があります。
上場廃止になる可能性はありますか?
第42期時点で債務超過ではなく(連結純資産40億75百万円・自己資本比率24.25%)、継続企業の前提に関する注記もありません(連結・個別とも「該当事項はありません」)。上場維持基準不適合・改善期間入り・監理銘柄指定に関する開示も見当たりませんでした。一方で営業キャッシュ・フローは△3億52百万円、自己資本比率は第40期58.15%から低下しており、過去に連結最終赤字が2期続いた時期もあります。将来を断定することはできませんので、四半期ごとのIR開示を継続的に確認することをおすすめします。
なぜ売上が1年で2.3倍にもなったのですか?
M&A(株式交付による子会社化)が理由です。2024年5月に北山商事、2025年8月に龍一商事、2025年11月に栄新商事を子会社化しており、北山商事1社だけで売上209億47百万円を計上しています。既存事業が2.3倍になったわけではない点が重要です(公式情報)。
口コミサイトの評価はあてになりますか?
口コミ傾向として参考にはなりますが、OpenWorkの回答者数10人、エンゲージ会社の評判の正社員回答6人と母数が極端に小さく、統計的な代表性はありません。さらにOpenWorkの会社紹介文が「カジュアルアパレルの卸売」のままであることから、投稿の多くは2017年10月の社名変更前のものと推定されます。現在の主力である金属リサイクル事業の実態を示す口コミはほとんど存在しません。
求人はどこで探せますか?勤務地はどこですか?
公式サイトに採用専用ページは見当たらず、doda・マイナビ転職・ハローワーク等の外部媒体経由が中心です。勤務地は、持株会社本体であれば東京都豊島区北大塚、子会社であれば長野県長野市(北山商事)、茨城県北相馬郡利根町(龍一商事)、京都府宇治市(栄新商事)、東京都豊島区(大都商会・新都AI)と大きく異なります。応募前に「雇用契約の相手方」と「就業場所」を必ず確認してください。
新都ホールディングスへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 年収の透明性 | 有報の429.8万円は持株会社10名のみが対象。子会社の給与水準は非開示のため、個別確認が必須 |
| 事業の実体 | 売上の約88%が金属リサイクル。アパレル卸からの転換企業であることの理解が前提 |
| 業績 | 連結は増収増益(営業利益5億93百万円)だが、提出会社単体は当期純損失1億01百万円。営業CFは△3億52百万円 |
| 財務の安定性 | 債務超過ではなくGC注記もないが、自己資本比率は58.15%→24.25%へ低下、有利子負債は急増 |
| 成長の中身 | M&A(株式交付)による拡大。株式数は約37%増加し希薄化。既存事業の成長力は今後の判断材料 |
| 働き方の情報 | 口コミは母数一桁〜10人台かつ旧事業時代のものが中心。有報の一次データで補う必要がある |
| 勤務地 | 本店は東京都豊島区。ただし子会社採用の場合は長野・茨城・京都の可能性がある |
| 向く人 | 少人数・市況型・M&A後の組織で自ら役割を作れる人。貿易・グループ管理の実務を積みたい人 |
どのサービスを使えばいいか決められないとき
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本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。数値の主たる出典は第42期(2026年1月期)有価証券報告書です。
公式情報源
採用情報については、公式サイトに採用専用ページが見当たらないため、doda・マイナビ転職等の外部求人媒体の企業ページをご確認ください。
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。匿名掲示板の書き込みは出典として扱っていません。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第42期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。特に本記事では、平均年間給与が提出会社10名のみを対象とした数値である点を明示しました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
