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ナカバヤシの評判・年収553万円|フエルアルバムと図書館運営を担う会社の実像

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 正体:文具メーカーであり、公共図書館の運営受託も担う複合企業
  • 年収:有報の平均年間給与は553.7万円(提出会社単体・第76期)
  • 働き方:口コミでは月間残業7.6時間・有給消化69.7%と負荷は軽め
  • 将来性:売上は5期横ばい、営業利益は前期比+60.9%と改善傾向

「フエルアルバム」や「スイングロジカルノート」は知っていても、それを作っているナカバヤシ株式会社(証券コード7987・東証スタンダード市場)がどんな会社かまで知る人は多くありません。実はこの会社、紙製文具のメーカーであると同時に、全国の公共図書館の運営を受託する事業者でもあります。「ナカバヤシ 図書館 求人」という検索が一定数存在するのは、この二面性が理由です。この記事では、第76期(2026年3月期)有価証券報告書という一次情報を軸に、年収・仕事内容・勤務地・業績・過去の法令違反までを、公式情報/口コミ傾向/推定情報の3つに分けて整理します。

ナカバヤシとはどんな会社か|大阪発「紙×アウトソーシング」の複合企業

結論から言えば、ナカバヤシは「文具メーカー」という一言では説明しきれない会社です。転職検討者にとって重要なのは、同じ会社の中に「モノを作って売る仕事」と「顧客の業務を受託して回す仕事」がまったく別の事業として並存している点です。応募する事業部によって、働き方もキャリアの伸び方も大きく変わります。

公式情報として、第76期有価証券報告書によると、本店は大阪府大阪市中央区北浜東1番20号(1976年3月竣工の本社ビル)、東京本社は東京都板橋区東坂下二丁目5番1号にあります。代表取締役社長執行役員は中林一良氏で、創業家が経営トップを務めるオーナー系企業です。資本金は66億66百万円、発行済株式28,794,294株。有価証券報告書の大株主の状況では親会社は存在せず、独立系として経営されています。

3つの報告セグメント|売上の内訳で会社の形が見える

ナカバヤシの事業は3つの報告セグメントに分かれています。2026年3月期の外部顧客への売上高は以下の通りです(公式情報・第76期有価証券報告書セグメント情報)。

  • ビジネスプロセスソリューション事業:296億18百万円(前期比△4.9%)。図書製本、公共図書館の運営受託・指定管理、法人向け手帳、データプリント/BPO、シール・ラベル、卒業アルバム、パッケージ。
  • コンシューマーコミュニケーション事業:305億91百万円(前期比+1.4%)。フエルアルバムをはじめとするアルバム・ファイル・ノート等の紙製文具、収納整理用品、PC周辺機器、シュレッダ、製本機、チャイルドシート、オフィス家具、ぬいぐるみ。
  • エネルギー事業:12億84百万円(前期比△6.7%)。松江バイオマス発電株式会社による木質バイオマス発電と自社太陽光。

注目すべきは、受託系のBPS事業と、製品を売るCC事業がほぼ半々という構造です。売上規模で見れば、ナカバヤシは「文具の会社」であると同時に「受託の会社」でもあります。連結子会社は20社あり、このほか「その他」区分で野菜プラント事業・にんにくファーム事業まで手掛けています。

1923年創業、ルーツは「製本所」

沿革をたどると事業構成の理由が見えてきます。公式情報として、有価証券報告書の沿革によれば、1923年4月に大阪市浪速区河原町で中林安右衛門氏が雑誌合本・図書修理業「中林製本所」を開業したのが創業。1951年6月に資本金50万円・従業員18名で株式会社中林製本社として法人設立され、1963年に中林製本手帳株式会社、1970年10月に現在の「ナカバヤシ株式会社」へ改称しました。

つまり創業事業が「本を綴じ、図書を修理する」ことだった会社です。そこから図書館との取引が生まれ、現在の図書製本・図書館運営受託につながっています。アルバムやノートといった消費者向け文具は、製本技術の応用として後から広がった事業と位置づけられます。この順序を理解しておくと、面接で「なぜ文具メーカーが図書館を運営しているのか」を語れるようになります。

同名の別会社に注意|求人検索で混線しやすい

転職活動で実務的に重要な注意点があります。ナカバヤシという社名の会社は複数存在し、建設・施工管理を手掛ける別法人(nakabayashi.asia)もあります。求人サイトの検索結果でも混線しやすいため、応募先を確認する際は証券コード7987・本店が大阪市中央区北浜東1番20号の上場企業かどうかを必ず確認してください。また、グループ内には「ナカバヤシファクトリー株式会社」「日本通信紙株式会社」「国際チャート株式会社」などの連結子会社があり、これらは別法人としての採用となります。

ナカバヤシの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名ナカバヤシ株式会社(NAKABAYASHI CO.,LTD.)
証券コード/上場区分7987/東京証券取引所スタンダード市場(業種:その他製品)
本店所在地大阪府大阪市中央区北浜東1番20号(東京本社:東京都板橋区東坂下二丁目5番1号)
創業/設立1923年4月創業(中林製本所)/1951年6月設立
代表者代表取締役 社長執行役員 中林 一良
資本金66億66百万円
平均年間給与5,537,405円(約553.7万円)※提出会社単体・賞与および基準外賃金を含む
平均年齢42.7歳(提出会社。前期43.1歳)
平均勤続年数14.8年(提出会社。前期16.4年)
従業員数連結2,004名(臨時従業員年間平均1,467名は外数)/提出会社692名(臨時1,151名は外数)
売上高615億98百万円(連結・前期比△1.9%)/提出会社単体372億4百万円
営業利益28億75百万円(連結・前期比+60.9%/売上高営業利益率4.7%)
経常利益32億19百万円(連結・前期比+45.4%)
親会社株主に帰属する当期純利益19億34百万円(前期比△3.0%)
自己資本比率/純資産56.9%/309億50百万円(総資産540億80百万円)
男女の賃金差異全労働者54.1%/正規雇用72.6%/パート・有期80.1%(提出会社・第76期)
管理職に占める女性比率4.5%(提出会社・第76期)
男性育児休業取得率100%(提出会社・第76期)
離職率・平均残業時間・新卒初任給有価証券報告書では開示されていない
出典第76期(2026年3月期)有価証券報告書(2026年6月25日提出)/2026年3月期決算短信(2026年5月8日)

ナカバヤシの年収は約553万円|有報の「+7.8%」をどう読むか

先に結論を示します。ナカバヤシの平均年間給与は5,537,405円(第76期・提出会社単体)で、前事業年度からの増減率は+7.8%と有価証券報告書に明記されています。ただしこの+7.8%を「賃上げの成果」と読むのは正確ではありません。同じ有報の中に、その理由が書かれています。転職で年収を判断するなら、この読み解きが最も重要です。

公式平均年収と平均年齢・勤続年数

公式情報として、第76期有価証券報告書「従業員の状況(2)提出会社の状況」の実額は次の通りです。

  • 平均年間給与:5,537,405円(賞与および基準外賃金を含む)/前期・第75期は5,136,405円
  • 平均年齢:42.7歳(前期43.1歳)
  • 平均勤続年数:14.8年(前期16.4年)
  • 提出会社従業員数:692名(臨時従業員年間平均1,151名は外数)

平均年齢42.7歳・勤続14.8年で553.7万円という水準は、東証スタンダード上場の中堅メーカーとしては標準的なレンジと考えられます(推定情報)。40代前半まで在籍してこの水準ということは、20代〜30代前半の実額はこれより低い可能性が高いと見るのが自然です。

+7.8%上昇の背景にある「分社化」という構成変化

ここが本記事の要点です。公式情報として、第76期有価証券報告書の従業員の状況の注記には、2026年2月に本社工場(堺)で営んでいた事業を連結子会社であるナカバヤシファクトリー株式会社へ吸収分割したことにより、提出会社の従業員が257名減少した旨が記載されています。前期949名から当期692名への減少です。

つまり、製造現場の従業員が単体の集計対象から外れた結果として、残った692名の平均値が押し上げられている可能性が高いと考えられます(推定情報)。平均勤続年数が16.4年から14.8年へ1.6年も短縮しているのも、長期勤続の工場人員が分社側に移ったことの表れと読むのが整合的です。「賃上げによって年収が7.8%上がった会社」と単純に理解すると、実態を取り違えるおそれがあります。

加えて重要なのは、連結2,004名ベースの平均年収は有価証券報告書では開示されていないことです。553.7万円はあくまで提出会社692名の数字であり、ナカバヤシファクトリー・日本通信紙・国際チャートといった子会社勤務の待遇はこれとは別に設定されています。応募先が親会社なのか子会社なのかで、参照すべき水準は変わります。

口コミ上の年収傾向と職種別の目安

口コミ傾向として、OpenWorkの「ナカバヤシ(文具)」ページでは、回答者の平均年収は403万円(正社員43人)と表示されています。有報の単体平均553.7万円との差は約150万円です。この乖離は、口コミ投稿者に若手・非管理職層が偏りやすいという構造的な理由が大きいと考えられますが、同時に若手層の実感値としての給与水準が高くないことを示す材料でもあります(推定情報)。

また、有価証券報告書の人的資本開示では、男女の賃金差異が全労働者ベースで54.1%(正規雇用72.6%)と記載されています。この数値は職種構成や勤続年数の違いを含む集計であり、同一労働の格差を直接示すものではありませんが、女性管理職比率4.5%という数字と合わせて見ると、管理職層の構成に偏りがあることが読み取れます(公式情報)。

職種別の目安を推定情報として整理すると、以下のような見立てになります。いずれも有価証券報告書では職種別の開示がないため、平均値と口コミ傾向からの推定です。

  • 製造・生産管理(子会社勤務含む):300万円台後半〜450万円程度
  • 図書館運営スタッフ・受託業務スタッフ:300万円台前半〜400万円台前半程度
  • 法人営業・BPO営業:400万円台〜600万円台程度(年齢・等級により幅)
  • 本社管理・企画職(40代管理職層):600万円台〜が目安

転職時に確認すべきポイントは3つです。第1に、応募先が提出会社(ナカバヤシ株式会社)か連結子会社かを明確にすること。第2に、賞与が業績連動でどの程度変動するか(連結営業利益は前期比+60.9%と大きく振れています)。第3に、労働条件通知書で基準外賃金の扱いを確認することです。有報の平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれているため、基本給ベースの比較では数字が合いません。

「ナカバヤシ 図書館 求人」の中身|公共図書館を運営するという仕事

ナカバヤシ関連で継続的に検索されているキーワードのひとつが「図書館 求人」です。これは誤検索ではありません。公式情報として、第76期有価証券報告書の事業の内容では、ビジネスプロセスソリューション事業の中に図書製本と並んで公共図書館の運営受託・指定管理業務が明記されています。

求職者
求職者

文具メーカーなのに、なぜ図書館スタッフの求人があるんですか?

理由は沿革にあります。創業事業が雑誌合本・図書修理であったため、ナカバヤシは100年近く図書館という顧客と向き合い続けてきました。傷んだ本を綴じ直す「図書製本」から始まり、蔵書のデータ管理、カウンター業務、そして自治体から施設運営そのものを受託する指定管理者制度への参入へと、取引の範囲を上流に広げてきた形です。

仕事の中身は、一般にイメージされる司書業務に加えて、運営の管理業務が含まれます。推定情報を含みますが、公共図書館の受託運営で発生する主な業務は次のようなものです。

  • カウンター・レファレンス業務:貸出返却、利用者からの調べもの相談、予約・リクエスト対応
  • 蔵書管理・整理:新刊の受入・装備・分類、書架整理、除籍、破損本の修理
  • イベント・広報:おはなし会、講座、展示企画、自治体広報との連携
  • 運営管理:スタッフのシフト管理、自治体への報告書作成、次期の指定管理入札に向けた実績整理

転職者の視点で見た場合の要点は2つあります。ひとつは、司書資格が必須とは限らない職種構成である点。指定管理の運営体制では、有資格者と一般スタッフを組み合わせるのが一般的で、未経験からの入口が存在します(推定情報)。もうひとつは、この事業が自治体との契約更新に依存する点です。指定管理は数年単位の契約で、更新のたびに他社との競合入札になります。契約を失えば、その館の運営体制は入れ替わります。安定した公共施設で働くように見えて、雇用の背景は受託ビジネスであることを理解しておく必要があります。

競合として最も意識すべきは、丸善CHIホールディングス傘下の図書館流通センター(TRC)です。公共図書館の指定管理・運営受託では最大手であり、ナカバヤシはこの領域では挑戦者側の立場にあります(推定情報)。

BPO・データプリント事業の仕事内容|紙が減る時代の受託業務

もうひとつの主要な受託領域が、データプリント/BPOです。顧客のデータを預かり、一通ごとに内容が異なる通知物を印刷し、封入・封緘して発送するまでを一括で請け負う業務で、金融機関や公的機関の通知物がその代表例です。

この領域の業界環境は、転職判断に直結するため正面から整理しておきます。帳票印刷・データプリントサービス業界では、以下の構造変化が同時進行しています。

  • 紙帳票市場の縮小:印刷産業の出荷額はコロナ前の水準に戻っておらず、業界アンケートでも8割超が市場の縮小を見込んでいるとされます。
  • 制度による電子交付の進展:金融分野では取引報告書等の原則デジタル提供が広がり、紙の発生源そのものが制度側から減る局面にあります。
  • 郵便料金の改定:2024年10月の大幅改定により発送コストが上昇し、通知物の統合・電子化による通数削減の検討が広がっています。
  • BPO市場自体は拡大:国内BPO市場は5兆円規模で成長を続けており、「印刷を作る」より「顧客業務を設計して受託する」側に価値が移っています。

ナカバヤシの有価証券報告書も、事業等のリスクとしてデジタル化・ペーパーレス化による図書製本・法人向け手帳市場の縮小を自ら明記しています。会社自身が構造的逆風を認めている点は、転職検討者にとってはむしろ判断材料として扱いやすい情報です(公式情報)。

キャリアの観点で言えば、この事業部で価値が高まるのは「印刷工程の管理者」よりも「顧客の業務フローを設計し、受託範囲を広げられる人」です(推定情報)。データ編集加工、可変印字、封入封緘、発送までを俯瞰して、顧客のコストと手間を減らす提案ができる経験は、大手DPS・BPO事業者や電子帳票SaaSベンダーへの転職でも通用しやすい資産になります。逆に、紙の印刷工程のみに紐づくスキルは中長期で評価されにくくなる可能性があります。

ナカバヤシの勤務地|大阪本社・堺・そして島根に4拠点

勤務地は転職判断を左右する要素です。公式情報として、第76期有価証券報告書「主要な設備の状況」から国内拠点を整理すると、次のような配置になっています。

  • 本店:大阪府大阪市中央区北浜東1番20号(1976年3月竣工の本社ビル)
  • 東京本社:東京都板橋区東坂下二丁目5番1号
  • 堺アライアンス:大阪府堺市東区(提出会社所有・ナカバヤシファクトリー株式会社へ賃貸)
  • 島根県:佐田・平田・出雲アライアンス(出雲市)、掛合アライアンス(雲南市)、松江アライアンス(松江市)
  • 兵庫アライアンス:兵庫県養父市
  • 支店:名古屋支店(名古屋市熱田区)、福岡支店(福岡市東区)
  • 連結子会社拠点:松江バイオマス発電株式会社(島根県松江市)、日本通信紙株式会社(東京都文京区)、株式会社松本コロタイプ光芸社(熊本市中央区)ほか

ここで見落とせないのが、生産拠点が島根県に4拠点集中していることです。ナカバヤシは大阪の会社でありながら、製造機能の重心は山陰にあります。ものづくり職種で応募する場合、勤務地が島根県になる可能性を前提に検討する必要があります。逆に言えば、山陰でUターン・Iターン就職を考える人にとっては、地域で数少ない上場企業グループの製造拠点という選択肢になります(推定情報)。

なお、「ナカバヤシ株式会社 大阪本社」「ナカバヤシ本社工場」という検索が多いのは、この本店と堺の生産拠点を混同しやすいためと考えられます。本社(大阪市中央区北浜東)と本社工場(堺市東区)は別の場所であり、さらに堺の工場事業は2026年2月にナカバヤシファクトリー株式会社へ吸収分割されている点に注意してください。

働き方と社風|残業7.6時間の一方で、評価と育成のスコアは低い

ナカバヤシの労働環境は、「時間の負荷は軽いが、処遇と成長実感は物足りない」という評価に集約されます。この点は口コミのスコア分布に明確に表れています。

OpenWorkのスコアに現れる「歪み」

口コミ傾向として、OpenWorkの「ナカバヤシ(文具)」には社員クチコミ329件・評価回答者65人が集まっており、東証スタンダード上場の中堅企業としては記事化に耐える母数があります。総合評価は2.84(5点満点)。項目別のスコアは次のように分かれています。

評価項目スコア(5点満点)読み取り
法令順守意識4.0突出して高い
風通しの良さ3.3中位
社員の相互尊重3.2中位
社員の士気2.5低め
待遇面の満足度2.4低め
20代成長環境2.4低め
人材の長期育成2.3低め
人事評価の適正感2.3低め
月間平均残業時間7.6時間製造業として非常に短い
有給休暇消化率69.7%平均以上の水準

この分布は特徴的です。法令順守意識だけが4.0と突出し、待遇・評価・育成が軒並み2点台前半という構造になっています。時間外労働が月7.6時間という水準は、製造業としてはかなり軽い部類に入ります。有給消化率69.7%と合わせれば、ワークライフバランスを最優先する人にとっては魅力的な条件です。

一方で、「時間は守られるが、頑張りが処遇に返ってくる実感は薄い」という傾向が読み取れます。人事評価の適正感2.3・人材の長期育成2.3という数字は、成長スピードやキャリアアップの速さを求める人にとっては慎重に見るべき指標です(推定情報)。

退職理由の口コミに見られる声

口コミ傾向として、就活会議にはナカバヤシの退職理由・離職率に関するクチコミが39件寄せられており、上司との関係性に関する不満や、業績悪化に伴う人件費削減を理由に挙げる声が見られます。ただしこれらは匿名の投稿であり、投稿時期も特定できないため、現在の状況を示すものとは限りません。断定的に受け取らず、面接時に離職状況や評価制度の運用について直接確認することをおすすめします。

もうひとつ、労働構成として押さえておくべき事実があります。公式情報として、有価証券報告書の従業員の状況では、連結2,004名に対して臨時従業員の年間平均が1,467名(外数)、提出会社692名に対して臨時1,151名(外数)と記載されています。臨時従業員が正社員の7割超という比率は、図書館運営受託や製本・封入といった受託業務を多くのパート・契約スタッフで回している構造を示しています。正社員として入社した場合、比較的早い段階でスタッフのマネジメントを担う可能性があると考えられます(推定情報)。

労働組合については、有価証券報告書によると、ナカバヤシファクトリー株式会社の出雲(55名)・平田(85名)・佐田(42名)・掛合(42名)の各工場労働組合、日本通信紙労働組合(81名)、国際チャート労働組合(86名・JAM加盟)が子会社側に存在すると記載されています。

2022年の独占禁止法違反|ねんきん定期便の入札談合とその後

ナカバヤシを転職先として検討するなら、避けて通れない事実があります。公式情報として、2022年3月3日、公正取引委員会は日本年金機構が発注するデータプリントサービス(ねんきん定期便等22業務)の入札談合について、独占禁止法違反(不当な取引制限)にあたるとして排除措置命令および課徴金納付命令を出しました。対象は26社、課徴金の総額は約17億4,161万円です。

この事案において、ナカバヤシは「幹事役6社」の1社と認定されています。違反行為は遅くとも2016年5月6日以降とされ、同社は日本年金機構からの損害賠償請求額も支払済みです。同じ事案では共同印刷株式会社(7914)も幹事役6社の1社として処分を受けています。

重要なのは、この件が過去の話として整理されていない点です。第76期有価証券報告書の「事業等のリスク」には、現在もこの独占禁止法違反に関する記載が残されています。会社側は再発防止として入札実績報告システムを運用し、社長が直接チェックする体制を敷いているとされます。

ここで、先ほどのOpenWorkスコアを思い出してください。総合2.84という平均以下の評価の中で、法令順守意識だけが4.0と突出していました。談合事件後にコンプライアンス体制を強化した時期と重ねると、「法令順守は厳しく徹底されているが、それが処遇や成長実感には結びついていない」という構造になっていると読めます。ただし、スコアの高さが事件を直接の原因とするかどうかは口コミデータからは特定できないため、因果関係として断定はできません(推定情報)。

転職検討者としての実務的な受け止め方は次の通りです。第1に、コンプライアンス研修や承認プロセスが厳格に運用されている可能性が高く、スピード感より手続きの正確さが求められる環境と考えられます。第2に、官公庁・自治体案件を扱う以上、入札関連の規律は今後も強く維持されると見るのが妥当です。第3に、面接では再発防止体制の運用実態を質問することが、企業側にとっても誠実な関心として受け止められやすいテーマです。

ナカバヤシの業績と将来性|横ばい5期、営業利益+60.9%、減損12億円

将来性の評価は、印象論ではなく数字で行います。結論を先に言えば、売上は5期にわたり横ばい〜微減で成長は乏しい一方、利益面は明確に改善しているという状態です。

売上高5期推移|610〜630億円のレンジで動かない

公式情報として、連結売上高の5期推移は次の通りです。

決算期連結売上高連結従業員数
2022年3月期(第72期)631億18百万円2,339名
2023年3月期(第73期)615億81百万円2,228名
2024年3月期(第74期)610億43百万円2,184名
2025年3月期(第75期)627億67百万円2,113名
2026年3月期(第76期)615億98百万円2,004名

売上は5期を通じて610〜630億円台のレンジから出ておらず、直近期は前期比△1.9%。一方で連結従業員数は5期連続で減少しており、2,339名から2,004名へ335名(14.3%)減っています。売上規模を維持しながら人員を絞り込んできた形で、1人あたり売上高は改善しています。これは効率化が進んだ結果とも読めますが、同時に採用・人員計画が抑制基調にあることも示唆します(推定情報)。

利益は大幅改善、ただし減損12億29百万円という影

第76期の利益面は公式情報として次の通りです。連結営業利益28億75百万円(前期比+60.9%・売上高営業利益率4.7%)、経常利益32億19百万円(+45.4%)。売上が微減する中での営業利益6割増は、コスト構造の改善が効いたことを示します。セグメント利益もビジネスプロセスソリューション事業11億35百万円(+30.0%)、コンシューマーコミュニケーション事業18億8百万円(+53.7%)と両輪で伸びています。

ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は19億34百万円で前期比△3.0%と減益です。理由は特別損失14億51百万円で、そのうち木質バイオマス発電に係る固定資産の減損損失12億29百万円が計上されています。エネルギー事業は売上12億84百万円と全体の2%程度の規模ですが、そこに12億円超の減損が発生したことになります。文具・製本を本業とする会社が、バイオマス発電・太陽光・さらには野菜プラント事業やにんにくファーム事業まで手掛けている事業の広がりが、リスクとして表面化した形です。

なお過去には、第73期(2023年3月期)に親会社株主に帰属する当期純損失6億66百万円という赤字期もあります。一方で財務基盤は安定しており、自己資本比率56.9%・純資産309億50百万円・総資産540億80百万円。継続企業の前提に関する注記の記載は確認していません。

中期経営計画と、会社が自ら認める逆風

公式情報として、ナカバヤシは第4次中期経営計画「Go on 5ing」(2024年4月〜2027年3月、2024年5月策定)を推進中で、基本方針は収益力の強化・成長力の推進・株主価値の向上とされています。2027年3月期の会社予想は売上高660億円(+7.1%)、営業利益33億円(+14.8%)、経常利益36億50百万円、当期純利益19億50百万円、配当年22円(中間10円・期末12円)です。

他方で、有価証券報告書の事業等のリスクには、会社自身が次の構造的逆風を明記しています。

  • デジタル化・ペーパーレス化による図書製本・法人向け手帳市場の縮小
  • 少子化によるノート・チャイルドシート市場への影響
  • 2022年の独占禁止法違反に関するリスク

この開示姿勢は、転職検討者にとってはむしろ有利に働きます。「10年後この会社は大丈夫か」という問いに対し、会社側が想定しているリスクと、それに対する打ち手(図書館運営受託の拡大、BPO領域への重心移動)が一次情報として読めるからです。編集部の見解として、ナカバヤシは「紙の需要減という逆風を、受託業務の拡大で吸収しようとしている会社」と整理でき、その転換に自分のスキルが乗るかどうかが転職判断の分かれ目になると考えられます。単なる文具メーカーとして評価すると、判断を誤る可能性があります。

ナカバヤシと比較検討されやすい4社

同業比較を、平均年収・事業構造・働き方・向いている人の観点で整理します。推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください。ナカバヤシの平均年間給与は提出会社単体の実額です。

企業名上場区分事業構造の特徴ナカバヤシとの比較軸向いている人
ナカバヤシ(7987)東証スタンダード文具(CC)と受託(BPS)がほぼ半々+エネルギー—受託業務と製品事業の両方を経験したい人
コクヨ(7984)東証プライム文具・オフィス家具の最大手。空間ソリューションへ展開規模・年収水準ともに上位。ファイル/ノートで正面競合ブランド力と規模の中でキャリアを積みたい人
キングジム(7962)東証スタンダードファイル・文具の専業色が強い。企画力で勝負同じスタンダード上場で規模感が近い比較対象商品企画・ヒット商品づくりに関わりたい人
丸善CHIホールディングス(9636)東証スタンダード傘下の図書館流通センター(TRC)が公共図書館の指定管理で最大手図書館運営受託の直接競合。この領域では規模で先行図書館領域を専門にキャリアを築きたい人
共同印刷(7914)東証プライム総合印刷。データプリント・BPO領域で競合BPS事業の競合。ねんきん定期便談合でも同じ幹事社印刷・BPOの大規模案件に関わりたい人

この比較から見えるナカバヤシの立ち位置は明確です。文具ではコクヨ・キングジムに、図書館運営では丸善CHI(TRC)に、BPOでは共同印刷に、それぞれ規模で先行されています。裏を返せば、「文具と図書館運営とBPOを同じ会社の中で経験できる」のは、この4社にはない特徴です(推定情報)。専門特化を求めるなら他社、領域をまたいだ経験を求めるならナカバヤシ、という整理ができます。

ナカバヤシへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
残業月10時間前後・有給が取りやすい環境を最優先したい人成果に応じた昇給・昇格のスピードを最重視する人
図書館・自治体・公共案件に関心があり、受託業務を回すことにやりがいを感じる人自社ブランド商品の開発だけに専念したい人
大阪・堺、または島根県(出雲・雲南・松江)での勤務を前向きに捉えられる人首都圏勤務に限定したい人(東京本社・板橋以外は関西・山陰中心)
コンプライアンスや手続きの正確さを重んじる仕事の進め方が合う人スピード優先で意思決定を進めたい人
紙からBPOへの事業転換に自分の経験を乗せられる人(業務設計・データ処理・営業提案)右肩上がりの成長企業でストックオプション的な報酬を狙う人
創業100年超の老舗・オーナー系企業の安定感を評価する人若手のうちから裁量の大きい役割を求める人

ナカバヤシに関するよくある質問(FAQ)

ナカバヤシへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

ナカバヤシの平均年収はいくらですか?

公式情報として、第76期(2026年3月期)有価証券報告書によると、平均年間給与は5,537,405円(約553.7万円)です。ただしこれは提出会社(単体692名)の数値で、連結2,004名ベースの平均年収は有価証券報告書では開示されていません。前期比+7.8%と記載されていますが、2026年2月の本社工場事業の分社化で提出会社従業員が257名減少しており、構成変化の影響を含む可能性が高い点に注意が必要です。

ナカバヤシの本社と本社工場は同じ場所ですか?

いいえ、別の場所です。公式情報として、本店は大阪府大阪市中央区北浜東1番20号、生産拠点の堺アライアンス(本社工場)は大阪府堺市東区にあります。さらに堺の工場事業は2026年2月に連結子会社ナカバヤシファクトリー株式会社へ吸収分割されています。東京本社は東京都板橋区東坂下二丁目5番1号です。

ナカバヤシの図書館求人はどんな仕事ですか?司書資格は必要ですか?

公共図書館の運営受託・指定管理業務にあたるスタッフ職で、カウンター業務、レファレンス、蔵書管理・装備、イベント企画、自治体への報告などが中心です(推定情報を含む)。指定管理の運営体制では有資格者と一般スタッフを組み合わせるのが一般的なため、司書資格が必須でない募集も存在すると考えられます。募集要項ごとに条件が異なるため、応募時に必ず確認してください。

ナカバヤシの残業時間や有給消化率はどのくらいですか?

平均残業時間・有給消化率・離職率はいずれも有価証券報告書では開示されていません。口コミ傾向として、OpenWorkの回答では月間平均残業7.6時間・有給消化率69.7%と表示されており、製造業としては労働時間の負荷が軽い部類に入ると考えられます。

ナカバヤシは過去に法令違反があったと聞きましたが本当ですか?

事実です。公式情報として、2022年3月3日に公正取引委員会が、日本年金機構発注のデータプリントサービス(ねんきん定期便等22業務)の入札談合について、独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除措置命令・課徴金納付命令を出しました。対象は26社、課徴金総額は約17億4,161万円で、ナカバヤシは幹事役6社の1社と認定されています。同社は日本年金機構への損害賠償も支払済みで、第76期有価証券報告書のリスク項目にも記載が残されています。

ナカバヤシの将来性はどう見ればよいですか?

売上高は5期にわたり610〜630億円台で横ばい〜微減、連結従業員数は5期連続減少という状況です。一方で第76期の連結営業利益は前期比+60.9%と大きく改善し、2027年3月期も営業利益33億円(+14.8%)を予想しています。有価証券報告書ではペーパーレス化・少子化による市場縮小をリスクとして自ら明記しており、図書館運営受託やBPO領域への重心移動が今後の焦点になると考えられます(推定情報)。

ナカバヤシという名前の会社が複数あるようですが、どれが上場企業ですか?

東京証券取引所スタンダード市場に上場しているのは、証券コード7987・本店が大阪府大阪市中央区北浜東1番20号のナカバヤシ株式会社です。建設・施工管理を手掛ける同名の別法人も存在するため、求人検索の際は所在地と証券コードで区別してください。

ナカバヤシへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準提出会社単体で553.7万円(平均年齢42.7歳)。+7.8%の上昇は分社化の構成変化を含む可能性が高く、口コミ平均403万円との乖離も大きい。子会社勤務は水準が異なる
労働時間・休暇口コミ傾向で月間残業7.6時間・有給消化69.7%。製造業として負荷は軽い部類
評価・育成OpenWorkで人事評価の適正感2.3・人材の長期育成2.3・20代成長環境2.4と低め。成長スピードを求める人には物足りない可能性
事業の安定性売上5期横ばい、連結従業員5期連続減。ただし自己資本比率56.9%・純資産309億円と財務は安定
収益性の方向連結営業利益+60.9%、経常+45.4%と改善。一方でエネルギー事業に12億29百万円の減損
職種の幅文具の商品企画・営業、図書館運営、BPO・データプリント、製造と幅が広い。領域横断の経験を積める
勤務地大阪本社・東京本社(板橋)・堺・島根4拠点・兵庫・名古屋・福岡。ものづくり職は山陰勤務の可能性
コンプライアンス2022年の独占禁止法違反(幹事役6社の1社)を経て、OpenWorkの法令順守意識は4.0と突出。手続き重視の環境と考えられる
総合「時間の余裕と老舗の安定を取り、昇給スピードは求めない」タイプに適合しやすい。逆に成果報酬型のキャリアを望む人には合いにくい可能性

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは、第76期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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