企業

三谷産業(8285)の年収767万円と評判|三谷商事との違い・7事業で変わる働き方

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • まず同定:本記事は証券コード8285・石川県金沢市の三谷産業。福井の三谷商事(8066)は別会社です。
  • 年収:有報の平均年間給与は約767万円。ただし単体629人の数字です。
  • 事業:7セグメントの多角経営で、配属先によって働き方が別物になります。
  • 業績:6期連続増収・過去最高益ですが、翌期は減収減益予想です。

三谷産業株式会社(証券コード8285・東証スタンダード市場/名古屋証券取引所プレミア市場、本社:石川県金沢市玉川町)は、化学品商社・樹脂/電子部品メーカー・SIer・空調設備工事・住宅設備・エネルギー販売というまったく毛色の違う6つの事業を1社に束ねた複合商社です。転職検討者がこの会社を調べるとき、最初につまずくのが「社名が似ている三谷商事(8066)との混同」、次につまずくのが「有価証券報告書の平均年収767万円は、いったい誰の給与なのか」という点です。この記事では、第101期(2026年3月期)の有価証券報告書の実額をベースに、この2つを最初に片づけたうえで、セグメントごとの働き方の差、ベトナム比率の高さ、口コミ傾向、そして2027年3月期の減収減益予想までを順に整理します。

三谷産業(8285)とは|まず三谷商事(8066)との違いを整理する

この記事を読む最初のメリットは、「自分が調べていたのはどちらの会社なのか」がはっきりすることです。三谷産業と三谷商事は、社名が二文字違いで、どちらも北陸発、しかもどちらも情報システム事業を持っているため、求人・年収情報を調べる過程で入り混じりやすい組み合わせです。年収水準も両社で差があるため、取り違えたまま転職活動を進めると前提が丸ごとずれます。

社名が似ているだけで、資本関係のない別会社

三谷産業(8285)は石川県金沢市玉川町に本社を置き、1928年2月に三谷合名会社金沢出張所として創業、1949年8月11日に三谷石炭株式会社として設立され、1951年6月に現商号へ変更した会社です。東京本社は東京都千代田区神田神保町にあります。一方の三谷商事(8066)は福井県福井市を本拠とする別の上場企業で、両社のあいだに資本関係はありません(公式情報:三谷産業 有価証券報告書 第101期の沿革・企業情報より)。

実務上とくに注意したいのが年収です。三谷産業の平均年間給与は有価証券報告書によると約767万円ですが、三谷商事についてはより高い水準が各種報道で伝えられており(推定情報/二次情報ベース。本記事では三谷商事の有価証券報告書を直接確認していません)、「三谷◯◯の平均年収は◯◯万円」という数字を見かけたら、必ず証券コードとセットで確認することをおすすめします。なお、非上場の「三谷産業」系サイト(mitani-industry.co.jp)も存在するため、応募先のドメインも確認しておくと安全です。

グループ会社「三谷産業イーシー」「三谷産業コンストラクションズ」との違い

検索候補には「三谷産業イーシー」「三谷産業コンストラクションズ」も並びます。これらは三谷産業本体とは別法人のグループ会社で、有価証券報告書によると同社の子会社は24社、関連会社は6社にのぼります(公式情報)。求人票を見るときは、雇用主が三谷産業株式会社本体なのか、グループ会社なのかで、給与テーブルも評価制度も別運用になっている可能性があります(推定情報)。後述するとおり、連結従業員3,569人に対して本体(提出会社)は629人にすぎないため、この区別は年収を読むうえで決定的に重要です。

三谷産業の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。すべて第101期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書(2026年6月11日提出、EDINETコードE02692)の実額です。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
商号三谷産業株式会社(MITANI SANGYO CO.,LTD.)
証券コード・上場市場8285/東証スタンダード市場・名証プレミア市場(重複上場)
本社石川県金沢市玉川町1番5号(東京本社:東京都千代田区神田神保町)
創業・設立創業1928年2月/設立1949年8月11日
代表者代表取締役社長 三谷忠照
平均年間給与7,673,710円(約767万円)※提出会社(単体)/前事業年度比+8.7%
平均年齢41.5歳(提出会社)
平均勤続年数11.9年(提出会社)
従業員数連結3,569人/提出会社629人(ほかに臨時雇用者112人)
売上高1,175億31百万円(連結・前期比+14.0%/6期連続増収・過去最高)
営業利益33億79百万円(連結・前期比+62.9%/営業利益率約2.9%)
経常利益・純利益経常45億19百万円(+70.1%)/純利益36億27百万円(+48.7%)
次期(2027年3月期)会社予想売上高1,130億円(▲3.9%)/営業利益30億円(▲11.2%)
財務指標自己資本比率55.9%/ROE6.97%/年間配当13円
労働組合結成されていない(「労使関係は協調的」と記載)
出典第101期 有価証券報告書(2026年3月期)/公式IR資料

この表で最も誤読されやすいのが平均年間給与767万円です。次のセクションで、この数字が「誰の給与か」を分解します。

三谷産業の年収767万円は「単体629人」の数字|連結3,569人との落差

結論から言うと、三谷産業の年収を評価するときは「767万円は連結3,569人のうち約18%にあたる本体629人の平均」という前提を外してはいけません。ここを押さえておくと、口コミサイトの申告年収と有報の数字が食い違って見える理由も一度に理解できます。

有価証券報告書ベースの平均年間給与と、その伸び方

有価証券報告書によると、第101期(2026年3月期)の提出会社の平均年間給与は7,673,710円(約767万円)、平均年齢41.5歳、平均勤続年数11.9年です(いずれも2026年3月31日現在・公式情報)。注記には「平均年間給与は税込支給実績で、基準外賃金および賞与を含む」と明記されています。つまり残業代と賞与込みの金額であり、基本給ベースの水準ではない点に注意が必要です。

伸び率も特徴的です。前事業年度比+8.7%で、逆算すると第100期(2025年3月期)は約706万円でした。1年で60万円強の増加は、業績連動賞与の寄与が大きいと考えられます(推定情報)。三谷産業は同期に営業利益が62.9%増、経常利益が70.1%増と大きく伸びており、この利益成長と給与の伸びは整合的です。裏を返せば、翌期に減益予想が出ている以上、平均給与も同じペースでは伸びない可能性があるということでもあります(推定情報)。

単体比率17.6%という「代表性の低さ」

三谷産業の従業員数は、連結3,569人に対し提出会社629人。単体が連結に占める比率は約17.6%です。有価証券報告書のセグメント別内訳を見ると、この差がどこで生まれているかがはっきりします。

  • 連結の内訳:樹脂・エレクトロニクス関連1,342人/空調設備工事関連999人/化学品関連421人/情報システム関連359人/住宅設備機器関連195人/エネルギー関連82人/その他42人/全社(共通)129人
  • 提出会社629人の内訳:空調設備工事183人/情報システム177人/全社(共通)129人/化学品86人/樹脂・エレクトロニクス54人

連結で最大人員の樹脂・エレクトロニクス関連1,342人に対し、本体所属はわずか54人。差の大半はベトナム現地法人や国内の工事子会社に在籍する社員であり、給与水準は本体と大きく異なる可能性が高いと考えられます(推定情報)。767万円は「三谷産業グループの平均」ではなく、あくまで金沢・東京などに勤務する本体社員629人の平均、と読むのが正確です。

転職時に確認すべきポイント

以上をふまえると、面接や条件提示の場で確認すべき点は次の3つに集約されます。

  • 雇用主はどこか:三谷産業株式会社本体か、グループ会社(三谷産業イーシー等)か。有報の767万円が参照値として使えるのは前者の場合だけです。
  • 賞与の変動幅:+8.7%という増加率は業績連動の色が濃く、逆方向にも動きます。過去3期分の賞与実績月数を確認しておきたいところです。
  • みなし残業の有無と残業代の扱い:767万円は基準外賃金込みの数字です。口コミでは非管理職への残業代満額支給に言及する声がありますが(口コミ傾向)、労働条件通知書での確認が必須です。

7セグメントで別会社のように違う|配属で変わる年収・繁忙のリズム

三谷産業を理解するうえで最大の実用情報は、「同じ会社に入っても、配属セグメントによって仕事の性質がまったく別物になる」という点です。商社の営業、樹脂成形の生産技術、自治体向けSE、空調工事の施工管理、住宅設備のブランド企画、燃料販売——これらが同じ人事制度のもとに同居しています。複合商社・多角化型の専門商社ではキャリアの見通しが立てにくいという声が業界共通の懸念として挙がりますが、三谷産業はその典型例と言えます。

セグメント別の売上と利益で見る「主力はどこか」

有価証券報告書によると、第101期のセグメント別売上高と営業利益は以下のとおりです(公式情報)。

セグメント売上高(前期比)営業利益(前期比)連結従業員
化学品関連447億22百万円(+11.4%)9億45百万円(+104.6%)421人
空調設備工事関連206億80百万円(+4.9%)23億20百万円(+3.3%)999人
情報システム関連169億99百万円(+59.8%)14億19百万円(+47.6%・過去最高)359人
住宅設備機器関連144億82百万円(+10.5%)▲6億98百万円(前期▲4億69百万円)195人
樹脂・エレクトロニクス関連122億30百万円(+6.3%)14億44百万円(+91.1%・過去最高)1,342人
エネルギー関連76億88百万円(+2.3%)4億20百万円(+16.6%・過去最高)82人

この表から読み取れることは3つあります。第一に、売上の最大セグメントは化学品だが、利益の最大セグメントは空調設備工事であること。売上447億円の化学品が営業利益9億45百万円なのに対し、売上206億円の空調設備工事は23億20百万円を稼いでいます。商社型の化学品事業は利幅が薄く、エンジニアリング型の工事事業は利幅が厚いという構造がはっきり出ています。第二に、情報システム関連の+59.8%という突出した伸び。これは石川・富山の自治体向けNEXT GIGAスクール案件が集中的に流れ込んだ結果で、後述する翌期減収予想の主因にもなります。第三に、人員と売上・利益が対応していないこと。連結従業員1,342人を抱える樹脂・エレクトロニクス関連の売上は122億円で、全社の約1割にすぎません。人員の重心が海外の製造拠点にあるためです。

住宅設備機器関連は2期連続の営業赤字

好調な数字ばかりではありません。住宅設備機器関連は第100期に4億69百万円、第101期に6億98百万円の営業損失を計上し、赤字幅が拡大しています(公式情報)。有価証券報告書では、自社ブランド「INTENZA」の販促費・人件費の増加が要因として説明されています。売上は+10.5%と伸びているため、需要が縮んでいるというより、ブランド立ち上げの先行投資が利益を圧迫している段階と読むのが自然です(推定情報)。

転職判断の観点では、このセグメントは「投資フェーズの事業に関われる」ポジティブ面と、「赤字継続時に予算・人員の見直し対象になり得る」リスク面の両方を持ちます。応募先がこのセグメントの場合、中期的な収支計画をどう置いているかを面接で確認する価値があります。

連結の過半がベトナム|「北陸発のベトナム企業」という人員構成

三谷産業のもう一つの顔は、海外比率の高さです。同社は1994年からベトナムに進出し、Aureoleブランドで樹脂成形、化学品、ソフトウェア開発、CAD設計・積算などの現地法人を展開しています。連結従業員3,569人の過半がベトナム拠点という人員構成で、有価証券報告書の人的資本開示によれば、グループ全体の非管理職1,852名のうち1,045名が外国人(ベトナム人が中心)です(公式情報)。金沢に本社を置く中堅商社としては極めて異例の構成と言えます。

業界文脈で見ると、ベトナムは長らく「安いオフショア先」として使われてきましたが、近年は最低賃金の引き上げや社会保険負担増、為替の影響でコスト優位が薄れ、品質・人材確保を目的とした戦略拠点へと位置づけが変わりつつあります。三谷産業のベトナム展開は1994年からと歴史が長く、コスト目的というより現地に製造・開発機能そのものを持つ形になっています。

この構造が転職者にもたらす意味は、次のように整理できます。

  • キャリア面のプラス:多国籍チームのマネジメント経験、海外現地法人の運営経験を比較的早い段階で積める可能性があります(推定情報)。
  • ライフプラン面の注意点:職種によっては駐在・出張、現地との時差や言語対応が前提になります。本社が石川県金沢市であることと合わせ、勤務地の見通しは応募前に確認しておきたい要素です。
  • 年収面の注意点:有報の767万円にベトナム現地法人の社員は含まれません。「グループ平均」と誤解しないことが重要です。

なお有価証券報告書の人的資本指標では、管理職志向の社員比率が国内で男性35.8%・女性16.4%であるのに対し、グループ全体の外国人社員では61.5%(1,045名中643名)と大きく上回っています(公式情報)。国内で管理職ポストを狙う人には、競争環境の情報として意味があります。

三谷産業は「やばい」のか|長時間労働の実数を有価証券報告書で検証する

企業名と一緒に「やばい」という語で検索されることがありますが、結論として、三谷産業について「やばい」と断定できる材料は、公開情報の範囲では見当たりません。一方で、検索者が気にしているであろう「長時間労働」については、同社が有価証券報告書で残業時間の実数を開示しているため、印象論ではなく数字で検証できます。ここが他社記事にはない、この記事の検証ポイントです。

有価証券報告書が開示している残業時間の実数

三谷産業は人的資本KPI「Company Well-being Index」として、国内連結ベースの所定時間外労働を開示しています(公式情報)。

  • 管理職:月平均46.8時間(会社目標は45時間未満)
  • 非管理職:月平均27.7時間(うち建設業関係は32.6時間/会社目標は30時間未満)
  • 男性育休取得率94%(うち1カ月以上取得55%)・女性100%、年10日以上の有給取得者70%(目標75%以上)
  • 新卒3年定着率80%/キャリア採用3年定着率80%/中堅社員定着率98%

この数字の読み方には注意が必要です。非管理職の27.7時間は、日本の平均的な水準から大きく外れるものではありません。一方で管理職の46.8時間は会社が自ら掲げた目標(45時間未満)を上回っており、会社側もそれを開示しているという点が重要です。つまり「管理職になるほど労働時間が増える構造」が、外部からも確認できる形で存在しています。建設業関係の非管理職32.6時間も目標未達で、空調設備工事セグメントの繁忙が数字に表れています。

「残業は多いが残業代は出る」という総合像

口コミ側の数字も見ておきます。OpenWorkでは月間残業34.7時間(40〜59時間の回答が41.3%と最多)、有給消化率54.5%という集計が示されています(口コミ傾向/総合評価3.11・クチコミ225件)。有報の実数と口コミの集計が、方向としてはおおむね整合しています。

そのうえで、口コミには非管理職には残業代が満額支給されるという趣旨の投稿が見られ、OpenWorkの項目別スコアでも法令順守意識が4.5と突出して高くなっています(口コミ傾向)。総合すると、「労働時間は決して短くないが、その分の対価は制度として支払われている」という像が浮かびます。長時間労働そのものを避けたい人には合いにくく、時間投下に見合う報酬を重視する人には成立しやすい環境と考えられます(推定情報)。なお、離職率の実数、平均残業代、職種別年収は有価証券報告書では開示されていないため、この記事では推測しません。

三谷産業の評判・口コミ傾向|法令順守4.5と人材育成2.4の落差

口コミサイトの評価は、項目ごとの凸凹がはっきりしているのが三谷産業の特徴です。OpenWorkの総合評価は3.11(クチコミ225件/回答者46人)、エン カイシャの評判は総合3.2(正社員42人回答・口コミ177件)、転職会議179件、就活会議158件(3.4)と、記事化に耐える件数が蓄積されています(口コミ傾向)。

OpenWorkの項目別スコアを高い順・低い順に並べると、この会社の性格が見えてきます。

  • 高い項目:法令順守意識4.5/待遇面の満足度3.6
  • 低い項目:人材の長期育成2.4/風通しの良さ2.7/社員の相互尊重2.7/社員の士気2.8/人事評価の適正感2.9/20代成長環境2.9

ここから読み取れるのは、「制度・コンプライアンス・待遇は整っているが、育成と組織風土に課題を抱えている」という構図です。投稿傾向として挙がる主なポジティブ・ネガティブは次のとおりです(いずれも口コミ傾向であり、会社の事実として断定するものではありません)。

  • ポジティブ:非管理職は残業代が満額支給される/地方勢としては給与水準が高い/ハラスメント対策に会社が神経を使っている/東京本社に500円で食べられる社員食堂がある/経営が安定している
  • ネガティブ:長時間労働が常態化しており若手のうちから長時間労働を当然視する空気がある/古参社員のハラスメント的な言動が残るという声/管理職ポストが少なくキャリアの頭打ち感/若手が意見を言いにくい風通しの悪さ/経営の意思決定が遅く既存事業依存で保守的

興味深いのは、「ハラスメント対策に神経を使っている」と「古参社員のハラスメント的言動が残る」という相反する評価が併存している点です。制度と現場の実態にギャップがあるという投稿傾向は、部署ごとの差が大きいことを示唆している可能性があります(推定情報)。7セグメントが同居する会社である以上、配属先の部署単位で確認するほうが実態に近づけます。

もう一点、有価証券報告書の開示から明確に弱点と言えるのがダイバーシティです。女性管理職比率8.9%、男女賃金差異は全労働者で74.4%(正規雇用74.7%、パート・有期51.0%)。会社側も有価証券報告書で「管理的地位にある女性が少ないことが原因であり、管理職でない層では特段の差異はない」と説明しています(公式情報)。原因を明示して開示している姿勢は評価できる一方、数字そのものは現時点で改善途上です。

「三谷産業 不祥事」で出てくる2004年の過年度不適切会計をどう見るか

社名と「不祥事」を組み合わせた検索が一定数あります。該当するのは2004年10月26日に開示された過年度の不適切会計で、情報システム事業部の転貸リース取引等に係る売上高の過大計上・売上原価の過少計上とされる事案です。約22年前の出来事であり、時系列を正確に押さえておく必要があります。

転職判断の材料として本当に注目すべきなのは、事案そのものよりも現在の有価証券報告書における扱い方です。三谷産業はコーポレート・ガバナンスの状況の欄で、この事案について「重大な事態を生ぜしめたことを真摯に反省し」という趣旨の記載を現在も継続して掲載しています(公式情報/第101期有価証券報告書)。20年以上前の自社の不適切会計を、毎期の法定開示書類で名指しし続けている上場企業は多くありません。これをどう評価するかは読者次第ですが、内部統制やコンプライアンスに対する会社の姿勢を測る材料にはなります。前述のOpenWork「法令順守意識4.5」というスコアとも、方向性としては符合します。

なお、当時の特別損失の金額や取引所による管理ポストの割当については、報道等の二次情報として伝えられているものの、本記事では一次資料で確認できていないため金額や措置の内容を断定しません。また、直近5年について、行政処分・課徴金・重大訴訟にあたる事案は公開情報の範囲では見当たりませんでした。これは「不祥事が存在しない」ことの証明ではなく、あくまで公開情報を調べた範囲での結果である点にご留意ください。

三谷産業の就職難易度・転職難易度|採用大学より先に見るべきもの

「三谷産業 就職難易度」「三谷産業 採用大学」といった検索がありますが、採用大学の一覧、新卒採用人数、選考倍率、初任給の最新額は、有価証券報告書では開示されていません。したがって本記事では推測の数値を示しません。代わりに、公式に確認できる情報から難易度を考える材料を示します(以下、事実の提示部分を除き推定情報を含みます)。

第一に、母集団の小ささです。提出会社の従業員は629人。この規模の会社が毎年採用する人数は限られるため、職種によっては募集そのものが不定期になる可能性があります。第二に、7セグメントで求める人材像がまったく違うこと。化学品営業、SE・インフラエンジニア、施工管理、生産技術、住宅設備の企画では、選考で問われる経験が別物です。「三谷産業の転職難易度」を一つの数字で語ること自体に無理があり、「どのセグメントの、どの職種か」で難易度は大きく変わります。

第三に、定着率の高さです。新卒3年定着率80%、キャリア採用3年定着率80%、中堅社員定着率98%(公式情報)。定着率が高いということは欠員補充のペースが緩やかであることを意味し、結果として中途採用枠が絞られやすい傾向につながり得ます。第四に、業界固有の需給です。空調設備工事は業界全体で施工人材が逼迫しており、施工管理経験や設備系資格を持つ人の希少性は高い状況にあります。地方SIer領域でも自治体DX・教育ICTの案件増に対し人材確保が課題です。これらの職種では、経験者の交渉力が相対的に高くなりやすいと考えられます。

選考対策として押さえておきたいのは、面接で「なぜ三谷商事ではなく三谷産業なのか」「なぜ複合商社なのか」を説明できることです。7つの事業が同居する構造をどう理解し、自分の経験がどのセグメントに接続するのかを言語化できているかが、志望度の説得力を左右すると考えられます(推定情報)。インターンシップ経由の接点を探す就活生も、企業研究の出発点は「セグメントの選択」に置くのが効率的です。

三谷産業の将来性|過去最高益と、翌期の減収減益予想をセットで読む

将来性を判断するうえで、三谷産業は「過去最高を更新した直後に、会社自身が減収減益を予想している」という珍しい局面にあります。良い数字だけ、悪い数字だけを見ると判断を誤ります。

まず実績です。連結売上高は第97期(2022年3月期)844億円→第98期904億円→第99期958億円→第100期1,030億円→第101期1,175億31百万円と6期連続で増収し、過去最高を更新しました。純利益も14.2億円→9.6億円→20.6億円→24.4億円→36.2億円と回復・拡大しています(公式情報/有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」)。営業・経常・純利益はいずれも3期連続増益で過去最高です。財務も自己資本比率55.9%、営業キャッシュフロー85.6億円と安定しており、年間配当は13円と25年ぶりの水準になりました。

一方で、2027年3月期の会社予想は売上高1,130億円(前期比3.9%減)、営業利益30億円(同11.2%減)です。有価証券報告書・決算説明で示されている主因はNEXT GIGAスクール案件の一巡。情報システム関連が+59.8%も伸びたのは、石川・富山の34自治体のうち26自治体から端末更新案件を受注したことによるもので、この種の特需は数年周期で発生し、翌年には反動が出ます。つまり第101期の好業績には、制度由来の一過性要因が相応に含まれていると読むべきです。

では、特需が剥落した後に残るのは何か。転職判断の観点では、次の3点が中期的な支えになり得ると考えられます(推定情報)。

  • 空調設備工事の受注残:受注高247億13百万円(+31.1%)で2期連続過去最高。首都圏・北陸で研究施設・病院の過去最大規模案件を受注しています。半導体工場・データセンター・医療施設の新設やカーボンニュートラル対応の設備更新は業界全体の追い風で、売上計上は先の期にずれ込みます。
  • 化学品の高付加価値化:医薬品原薬工場の稼働率上昇などで営業利益が2倍超(+104.6%)。後発薬の供給不安を背景に国内の原薬・中間体の安定調達が重視される流れがあり、汎用化成品の卸から一歩踏み込んだ領域を持っている点は強みです。
  • 自治体DXの継続需要:2026年4月施行の改正地方自治法でサイバーセキュリティ基本方針の策定・公表が義務化され、基幹業務システムの標準化も進行中です。GIGAスクール端末の反動減はあっても、公共IT需要そのものが消えるわけではありません。

リスク側も明示しておきます。営業利益率は約2.9%と商社型ゆえに薄く、化学品市況・原材料や物流コスト・為替・ベトナムの人件費上昇といった外部要因の影響を受けやすい構造です。住宅設備機器関連の営業赤字が2期連続で拡大している点、上位10名で57.27%を占める同族色の強い株主構成(親会社はなく独立系)も、評価が分かれる要素です。2026年4月28日開示で筆頭株主が個人株主から資産管理会社「三谷株式会社」へ移り、5月11日付で主要株主の異動となりましたが、これは支配権の実質的な移転というより資産管理会社への集約と読めます(推定情報)。TOB・非公開化の動きは公開情報の範囲では見当たりませんでした。

なお同社は2023年10月20日に東証プライムからスタンダード市場へ自主的に移行した、いわゆる「プライム撤退組」です。名証プレミアとの重複上場は維持しています。市場区分の選択は資本市場での見え方に影響しますが、事業や雇用が直ちに変わるものではありません。

同業・同規模の卸売業と比べた三谷産業のポジション

年収を他社と比べるときは、「有報の平均年収」と「その数字が何人を代表しているか」をセットで見るのが実務的です。以下は同じ2026年3月期決算の卸売業各社との比較です(公式情報:各社有価証券報告書。三谷商事の行のみ二次情報)。

企業名(コード)平均年間給与単体/連結従業員単体比率営業利益率
三谷産業(8285)約767万円(第101期)629人/3,569人約17.6%約2.9%
加賀電子(8154)約819.6万円(第58期)583人/9,374人約6.2%約4.2%
立花エレテック(8159)約747.7万円(第97期)920人/1,502人約61.3%約3.3%
PALTAC(8283)約676万円(第98期)2,363人(提出会社のみ開示)—約2.1%
三谷商事(8066)※参考報道ベースで841万〜923万円(推定情報・二次情報)本記事では未確認—本記事では未確認

この表から言えることは3つあります。第一に、三谷産業の767万円は卸売業のなかで低い水準ではないこと。地方本社の中堅商社としては相応に高い水準です。第二に、単体比率が低いほど「有報年収の代表性」は下がること。単体比率61.3%の立花エレテックの747.7万円はグループ社員の実感に近い一方、6.2%の加賀電子や17.6%の三谷産業の数字は、グループ全体の給与実態をほとんど表しません。第三に、卸売業はいずれも営業利益率が2〜4%台と薄いこと。三谷産業の2.9%はこの帯域の標準的な位置にあり、製造やエンジニアリング機能を持つことで単純な卸よりは利幅を確保している構図です。

そして最も重要なのは、比較表で三谷商事(8066)の行だけ性質が違うという点です。この行は報道等の二次情報であり、本記事では有価証券報告書で確認していません。冒頭で述べたとおり、「三谷◯◯の年収」を語る記事を読むときは、必ず証券コードを確認してください。

三谷産業への転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。判断のカギは「多角経営をチャンスと見るか、見通しの悪さと見るか」です。

向いている人向いていない人
労働時間が長めでも、残業代・賞与という形で対価が返る環境を選びたい人労働時間の絶対量を短くすることを最優先したい人
商社機能・製造・工事・ITが同居する環境で、事業をまたいだ視点を持ちたい人一つの専門領域を深掘りし、社外にも通じる肩書きを早期に確立したい人
北陸(金沢)を拠点にUターン・Iターンで働きたい人、東京本社との二拠点体制に抵抗がない人勤務地を1カ所に固定したい人、海外拠点との連携や駐在の可能性を避けたい人
多国籍チームでのマネジメント経験を積みたい人手厚い教育プログラムに乗ってスキルを身につけたい人(人材の長期育成2.4という投稿傾向)
施工管理・設備系資格・公共IT案件など、需給が逼迫している専門を持っている人若手のうちから裁量と発言機会を強く求める人(風通しの良さ2.7という投稿傾向)
安定した財務基盤(自己資本比率55.9%)のもとで長く働きたい人急成長スタートアップ的な意思決定スピードを求める人

編集部の見解|三谷産業をどう評価するか

編集部の見解として、三谷産業は「事業ポートフォリオの分散によって安定を買っている会社」であり、その安定と引き換えに、個人のキャリアの見通しがやや読みにくくなるタイプの企業だと考えられます。6期連続増収と自己資本比率55.9%は、7つの事業が同時に沈みにくいという分散効果の表れです。実際、住宅設備機器が2期連続赤字でも全社は過去最高益を更新しました。

一方で、その裏返しとして、会社全体の好不調と自分の職場の好不調が一致しないという現象が起こります。全社が過去最高益でも、赤字セグメントに所属していれば予算は厳しい。逆に全社が減益予想でも、受注残の厚い空調設備工事は忙しい。「三谷産業の評判」を調べるより「配属予定セグメントの状況」を調べるほうが、転職判断の精度は上がります。

総合すると、時間投下に対する対価が制度として払われることを重視し、北陸・多角経営・海外拠点という要素にポジティブな意味を見出せる人にはおすすめできる会社です。反対に、体系的な育成を受けながら専門性を一直線に伸ばしたい人には、口コミの低スコア項目(人材の長期育成2.4、風通し2.7)がそのまま摩擦になる可能性があります。

三谷産業に関するよくある質問(FAQ)

三谷産業への転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

三谷産業と三谷商事は同じ会社ですか?

別会社です。三谷産業は証券コード8285・石川県金沢市本社、三谷商事は証券コード8066・福井県福井市本社で、両社に資本関係はありません(公式情報)。平均年収の水準も異なるため、年収情報を見る際は証券コードを確認してください。

三谷産業の平均年収はいくらですか?

有価証券報告書によると、第101期(2026年3月期)の平均年間給与は7,673,710円(約767万円)です。ただしこれは提出会社(単体)629人の数字で、連結3,569人の大半を占める海外現地法人などの社員は含まれません(公式情報)。

残業時間はどのくらいですか?

有価証券報告書の人的資本指標(国内連結)では、所定時間外労働が管理職で月平均46.8時間、非管理職で27.7時間(建設業関係は32.6時間)と開示されています。口コミサイトでは月間残業34.7時間という集計も示されています(公式情報および口コミ傾向)。

三谷産業の離職率は公開されていますか?

離職率そのものの実数は有価証券報告書では開示されていません。代わりに定着率が開示されており、新卒3年定着率80%、キャリア採用3年定着率80%、中堅社員定着率98%と記載されています(公式情報)。

ベトナム勤務の可能性はありますか?

職種によってはあり得ます。同社は1994年からベトナムに現地法人を展開し、連結従業員3,569人の過半がベトナム拠点です(公式情報)。駐在・出張の可能性や現地との連携頻度は職種で異なるため、選考時に確認することをおすすめします。

労働組合はありますか?

有価証券報告書には「労働組合は結成されておりません」と明記され、労使関係は協調的である旨が記載されています(公式情報)。労働条件の交渉窓口については、入社前に確認しておくとよいでしょう。

2027年3月期に減収予想が出ているのはなぜですか?

会社予想は売上高1,130億円(前期比3.9%減)、営業利益30億円(同11.2%減)で、主因はNEXT GIGAスクール案件の一巡と説明されています。第101期に情報システム関連が+59.8%と大きく伸びた反動という位置づけです(公式情報)。

三谷産業への転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして配属予定セグメントの状況も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報の平均年間給与約767万円(前期比+8.7%)。地方本社の中堅商社としては高めだが、単体629人の数字である点に注意
年収の代表性単体比率17.6%と低く、グループ全体の実態は表さない。雇用主が本体かグループ会社かの確認が必須
働き方管理職の残業46.8時間・非管理職27.7時間を有報で開示。「時間は長めだが対価は支払われる」という投稿傾向
安定性自己資本比率55.9%、6期連続増収、営業CF85.6億円。財務基盤は堅い
成長性第101期は過去最高だが、2027年3月期は減収減益予想。特需の反動を織り込む必要がある
事業リスク住宅設備機器関連が2期連続営業赤字(▲6億98百万円)。営業利益率2.9%と商社型で薄い
育成・風土口コミでは人材の長期育成2.4、風通し2.7と低め。一方で法令順守意識4.5は突出して高い
ダイバーシティ女性管理職比率8.9%、男女賃金差異74.4%。会社も原因を明示して改善課題としている
キャリアの広がり7セグメント+ベトナム拠点で経験の幅は広い。ただし専門性の一直線的な深化には向きにくい

どのサービスを使えばいいか決められないとき

このサイトはアフィリエイトで収益を得ています。読者がサービスに登録すると当サイトに報酬が発生します。

自分の状況だとどのサービスが合うのか判断がつかない場合は、無料の相談を受け付けています。相談内容をうかがったうえで、条件に合いそうな転職サービスをご案内します。

登録や応募を急かすことはしません。 「いま動かないほうがいい」と考えた場合はそう伝えます。

→ 無料転職相談はこちら

※当サイトは職業紹介事業者ではありません。求人の紹介・あっせんは行わず、転職サービスのご案内までを行います。

本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは、三谷産業株式会社の第101期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。証券コード8066の三谷商事に関する数値は二次情報である旨を明記し、混同を避けています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
著者紹介
記事URLをコピーしました