カメイの年収682.8万円と評判|売上48%のエネルギーが利益率2.7%の構造
※本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論
- 平均年収:有報実額682.8万円。ただし本体1,589名の数字
- 稼ぎ方:売上48%のエネルギーは利益率2.7%と薄い
- 利益の柱:自動車関連6.2%・海外貿易4.6%が実質の稼ぎ頭
- 働き方:残業の少なさと転勤・年功が対で語られる老舗型
この記事で扱うのは、宮城県仙台市に本社を置くカメイ株式会社(証券コード8037・東京証券取引所プライム市場)です。1903年に宮城県塩釜で石油や雑貨の販売から始まり、いまはエネルギー・食料・自動車関連・建設関連・海外貿易・ペット関連・ファーマシー(調剤薬局)まで7つの事業を抱える、東北を地盤とした独立系の複合商社です。転職・就職を検討する人がまず知りたいのは「実際いくらもらえるのか」と「この会社は何で稼いでいるのか」の2点でしょう。本記事は、第113期(2026年3月期)有価証券報告書の実額と、セグメント別の売上・営業利益をもとに、平均年収682.8万円という数字の中身と売上の約48%を占めるエネルギー事業が利益率2.7%にとどまる事業構造を分解します。ネット上の年収情報が「527万円」と「683万円」で割れている理由にも、公式データから答えを出します。
カメイ株式会社(8037)とはどんな会社か|仙台発・7事業の複合商社
結論から言えば、カメイは「東北の石油会社」というイメージで捉えると実態を読み違えます。祖業こそ石油ですが、現在の姿は7つの事業セグメントを持つ地域複合商社です。転職検討者にとって重要なのは、同じ「カメイ」でも配属される事業によって仕事の中身・顧客・働き方が大きく変わるという点です。
創業1903年、120年かけて商材を横に広げてきた会社
公式情報として、カメイ株式会社は1903年(明治36年)に宮城県塩釜で石油・雑貨・砂糖などの販売業として創業しました。1986年に東京証券取引所第二部、1988年に第一部へ上場し、市場再編後はプライム市場に所属しています。本社は宮城県仙台市青葉区国分町3丁目1-18。持株会社ではなく事業会社の本体がそのまま上場している点は、後述する平均年収の読み方にも関わる重要な前提です。
特徴的なのは商権の古さです。公式サイトの沿革によると、ENEOS(旧・日本石油)とは1908年、キリンビールとは1933年、住友ゴムとは1955年からの特約店関係が続いています。100年単位で維持されてきた仕入れ商権が、いまも収益基盤になっているという構造は、新興の商社にはない資産です。転職者の目線で言えば、ゼロから商流をつくる仕事よりも、既存の商権と顧客基盤を深掘りする仕事が中心になりやすいということでもあります。
7セグメント・関係会社74社という事業の広がり
2026年3月末時点で、連結子会社55社を含む関係会社は74社(国内50社・海外24社)。ガソリンスタンドは265か所(直営74・特約店191)、調剤薬局は107店舗、支店24か所・営業所40か所を展開しています。仙台うみの杜水族館への出資や、仙台市体育館のネーミングライツ取得による「カメイアリーナ仙台」の運営など、地域の生活基盤に近い場所に事業が広がっているのも特徴です。
この「間口の広さ」は、応募者にとってはメリットにもリスクにもなります。推定情報として整理すると、メリットは社内異動やグループ会社への出向を通じて、法人営業・小売店舗運営・海外貿易・薬局運営といった性格の違う仕事を一社のなかで経験できる可能性がある点です。一方のリスクは、入社時の配属によってキャリアの方向性が大きく規定されやすい点で、口コミでも「同じ会社とは思えないほど部署で環境が違う」という趣旨の投稿が見られます。求人票を読む際は、社名ではなくどのセグメントのどの職種で採るのかを必ず確認すべきです。
カメイの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)
本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、いずれも第113期(2025年4月1日〜2026年3月31日/2026年3月期)有価証券報告書および決算資料にもとづきます。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | カメイ株式会社(KAMEI CORPORATION) |
| 証券コード・市場 | 8037/東京証券取引所プライム市場(卸売業) |
| 本社所在地 | 宮城県仙台市青葉区国分町3丁目1-18 |
| 創業 | 1903年(明治36年)/1986年東証二部上場・1988年東証一部上場 |
| 代表者 | 代表取締役社長 亀井昭男氏(2023年就任・創業家出身の6代目) |
| 平均年間給与 | 約682.8万円(6,828,000円/提出会社ベース) |
| 平均年齢 | 40.4歳(提出会社ベース) |
| 平均勤続年数 | 13.8年(提出会社ベース) |
| 従業員数 | 連結5,015名/提出会社(単体)1,589名。有報には臨時従業員として連結2,548名・提出会社1,451名が併記 |
| 売上高 | 連結5,830億78百万円(前期比+1.53%)/個別3,525億37百万円 |
| 営業利益 | 連結169億75百万円(前期比+6.68%)/経常利益186億55百万円 |
| 当期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益119億円(前期比+11.32%・過去最高) |
| 事業セグメント | エネルギー/海外・貿易/自動車関連/建設関連/食料/ファーマシー/ペット関連(+その他) |
| 拠点 | 支店24・営業所40/SS265か所(直営74・特約店191)/調剤薬局107店舗 |
| 出典 | 第113期(2026年3月期)有価証券報告書「従業員の状況」「セグメント情報」・公式IR資料 |
カメイの平均年収682.8万円は「誰の」数字か
先に結論を述べます。有価証券報告書によると、カメイの平均年間給与は682.8万円(第113期・提出会社ベース)です。これは正真正銘の公式実額ですが、そのまま「カメイグループで働く人の平均」と読むと実態からずれます。理由は2つ、対象が連結5,015名ではなく提出会社1,589名であることと、直近4期で年収が155万円上昇した局面に従業員数の大幅な減少が重なっていることです。順に分解します。
4期の推移:527万円→682.8万円の裏で従業員が607名減っている
公式情報として、提出会社ベースの主要指標を並べると次のようになります。
| 決算期 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | — | — | — | 2,092名 |
| 2023年3月期 | 527万円 | 41.8歳 | 12.8年 | 2,108名 |
| 2024年3月期 | 635万円 | 40.4歳 | 14.2年 | 1,501名 |
| 2025年3月期 | 660万円 | 40.5歳 | 14.1年 | 1,575名 |
| 2026年3月期(第113期) | 682.8万円 | 40.4歳 | 13.8年 | 1,589名 |
注目すべきは2024年3月期です。提出会社の従業員数が2,108名から1,501名へ607名(約29%)減少し、同じ期に平均年間給与が527万円から635万円へ108万円上昇しています。翌期以降も従業員数は1,500名台で推移し、年収は660万円、682.8万円と積み上がりました。
ここで大事なのは、この年収上昇が全社的なベースアップだけで説明できるものとは限らないということです。従業員数がこれだけ動いた年に平均給与が跳ねている以上、母集団の構成そのものが変わった可能性が考えられます。有価証券報告書には減少の理由に関する説明は記載されていないため、本記事では「従業員数が大幅に減った期に平均年収が大きく上昇している」という事実の併記にとどめます。推定情報としては、事業や人員のグループ会社への移管などが起きた場合、残った母集団の平均年齢構成・職種構成が変わり、平均給与が動くことは一般的にあり得ます。いずれにせよ、682.8万円という数字を「毎年着実に昇給した結果」と読むのは早計です。
なお、ネット上の年収まとめサイトで「カメイの平均年収は527万円」と「683万円」の両方が見つかるのは、この推移が原因です。古い期の数値を引用したページが残っているだけで、どちらかが誤りというより、参照している決算期が違うと理解してください。最新期を見るなら682.8万円が正解です。
連結5,015名のうち単体は1,589名|この数字が届く範囲
公式情報として、カメイの従業員数は連結5,015名、提出会社(単体)1,589名です。有価証券報告書には臨時従業員として連結2,548名・提出会社1,451名が併記されています。単体と連結の乖離は約3.2倍。グループで働く人のおよそ3分の2は、平均年収682.8万円の集計対象外ということになります。
カメイは持株会社ではなく事業会社本体が上場しているため、単体=管理部門だけの少人数会社という構図ではありません。その意味では、単体29名の持株会社が平均年収を開示しているようなケースより実態に近い数字です。ただし、SS(ガソリンスタンド)運営、調剤薬局、物流、カーディーラーといった現場業務の多くはグループ会社が担っており、それらの給与水準はこの682.8万円には反映されていません。推定情報として、応募先が本体採用か、グループ会社採用かによって想定される年収レンジは変わり得ると考えるのが妥当です。
加えて、本体のなかでも7セグメントの職種が混在しているため、平均値が部門間の待遇差を覆い隠すという構造的な注意点があります。40.4歳・勤続13.8年という平均像は、20代・30代前半で転職する人が入社直後に受け取る額とは当然異なります。
口コミ上の年収傾向と、面接で必ず確認したいこと
口コミ傾向としては、「収入は地元では比較的高い」という主旨の評価が繰り返し見られます。宮城県を中心とする東北の給与相場のなかでプライム上場企業の給与テーブルが適用されるため、地元就職の選択肢としては相対的に上位に位置づけられているという読み方ができます。一方で、年功序列的な昇給を指摘する投稿も多く、若手のうちは大きく伸びにくいという趣旨の声と、勤続を重ねると安定的に上がるという趣旨の声が併存しています。平均勤続13.8年という公式データは、この「長く勤めるほど報われる」型の人事と整合的です。
賞与の支給月数や退職金制度の詳細は、有価証券報告書では開示されていません。口コミ傾向として「退職金がなく、確定拠出年金を各自で運用する」という投稿が複数見られますが、制度は改定されることがあり、匿名投稿を制度の証拠とすることはできません。推定情報を含めて整理すると、転職時に確認すべきは次の5点です。
- 提示年収の内訳(基本給・固定残業代の有無・賞与の想定月数)
- 採用主体が本体(カメイ株式会社)かグループ会社か
- 退職給付制度の種類(確定給付企業年金か確定拠出年金か、企業型DCの拠出額)
- 配属予定セグメントと、そのセグメントの評価・昇給の考え方
- 転居を伴う異動の有無(総合職/一般職の区分)

結局、平均682.8万円は自分に当てはまりますか?
当てはまるのは「本体正社員・40歳前後・勤続14年前後」という平均像に近い人です。中途で20代後半〜30代前半に入社する場合や、グループ会社採用の場合は、この数字を出発点にせず、必ず労働条件通知書の実額で判断してください。
売上の48%はエネルギー、利益率は2.7%|稼ぎ頭は別にある
カメイという会社を理解する最短ルートは、セグメント別の売上と営業利益を並べることです。公式情報として、2026年3月期のセグメント別実績は次の通りです。
| セグメント | 売上高 | 営業利益 | 売上構成比(概算) | 営業利益率(概算) |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 2,796億円 | 74.6億円 | 約48% | 約2.7% |
| 海外・貿易 | 912億円 | 41.6億円 | 約16% | 約4.6% |
| 自動車関連 | 803億円 | 49.8億円 | 約14% | 約6.2% |
| 建設関連 | 484億円 | 12.5億円 | 約8% | 約2.6% |
| 食料 | 391億円 | 6.71億円 | 約7% | 約1.7% |
| ファーマシー | 204億円 | △0.88億円 | 約3% | 営業赤字 |
| ペット関連 | 145億円 | 1.24億円 | 約2% | 約0.9% |
| その他 | 96.6億円 | 14.9億円 | 約2% | 約15.4% |
ここから読み取れる構造は明快です。売上の約48%を占めるエネルギーの営業利益率は約2.7%にとどまり、利益率で見た稼ぎ頭は自動車関連(約6.2%)と海外・貿易(約4.6%)です。営業利益の絶対額でも、エネルギー74.6億円に対し自動車関連49.8億円・海外貿易41.6億円と、この2つで全社営業利益169.75億円の過半に迫ります。「東北一の石油販社」という外形と、実際の利益の出どころにはギャップがあるわけです。
転職判断に引き直すと、次のような含意が出てきます(推定情報を含みます)。
- エネルギー部門:人数も取引額も最大で、会社の中核である一方、利ざやの薄い商流を大量に回す仕事。値決めと採算管理、配送・保安を含むオペレーション効率が成果を左右しやすい
- 自動車関連・海外貿易:規模は中位でも利益率が高く、投資判断が向きやすい領域。会社が今後リソースを厚くする可能性を検討する価値がある
- ファーマシー:2026年3月期は営業赤字(△0.88億円)。公式採用サイトでも薬剤師採用は「現在、募集を停止しております」と案内されており、拡大局面ではない
- 食料・ペット関連・建設関連:利益率は1〜3%台で、事業規模のわりに利益貢献は限定的
面接で「なぜカメイなのか」を語る際、この構造を踏まえて自分が入る事業の収益ロジックに触れられるかどうかは、他の応募者との差になり得ます。単に「多角化していて安定しているから」と述べるだけでは、実際の利益構造を見ていないと受け取られかねません。
業績は過去最高、その裏で進む不採算事業の整理
公式情報として、2026年3月期の連結業績は売上高5,830億78百万円(前期比+1.53%)、営業利益169億75百万円(同+6.68%)、経常利益186億55百万円、親会社株主に帰属する当期純利益119億円(同+11.32%)で、純利益は過去最高を更新しました。売上高の5期推移は、2022年3月期4,825億円→2023年3月期5,512億円→2024年3月期5,722億円→2025年3月期5,742億円→2026年3月期5,830億円です。
2023年3月期にかけての伸びは原油・エネルギー価格の上昇局面と重なっており、商社の売上高は市況の影響を強く受けます。その後は5,700億円台で足踏みしたあと再び増加という動きで、売上の増減がそのまま実力の増減を示すわけではない点は、エネルギーを主力とする卸売業を見るうえでの基本です。実際、直近期は増収率1.53%に対し営業増益率6.68%と、売上より利益の伸びが大きい形になっています。
会社は2027年3月期に売上高6,249億10百万円、営業利益178億90百万円、経常利益195億70百万円を計画しています。売上で約7%増、営業利益で約5%増という、無理のない伸びを見込んだ計画です。
同時に、事業の取捨選択も進んでいます。公式情報として、2026年8月31日にアグリ株式会社およびKamei Vietnam Joint Stock Companyの営業終了が適時開示されました。ファーマシー事業の営業赤字と薬剤師採用の停止も含めて考えると、推定情報としては、7セグメントを維持したまま横に広げ続けるフェーズから、採算の合う事業へ資源を寄せるフェーズに入っていると読むのが自然です。
転職検討者にとって、この局面は両面があります。ポジティブに見れば、赤字事業を放置せず整理できる経営規律があり、利益率の高い領域に人と資本が回る可能性が高まります。ネガティブに見れば、自分の配属先が将来の整理対象になる可能性は誰にとってもゼロではないということです。選考では、応募するセグメントが中期的にどの位置づけにあるかを確認しておくと、入社後のミスマッチを減らせます。
働き方と社風|「残業の少なさ」と「転勤・年功」が対で語られる
カメイの口コミは件数が十分にあり、傾向を読むだけの母数があります。口コミ傾向として、主要サイトの掲載件数と総合スコアは、OpenWork 588件、エン カイシャの評判 665件(総合2.8)、転職会議 507件(総合2.5)、就活会議 479件(総合3.2)、キャリコネ 45件(2.5)、Indeed 29件(2.6)といった分布です。スコアは2.5〜3.2に収れんしており、地方の老舗商社としては中庸〜やや低めの評価帯と表現できます。極端に低いわけでも、突出して高いわけでもありません。
評価されている点:残業の少なさと安定性
口コミ傾向としてポジティブに挙がるのは、次のような点です。
- 残業が少なく、定刻でPCが強制的にシャットダウンされる運用があるという投稿
- 完全週休2日制の職種ではワークライフバランスが取りやすいという声
- 「収入は地元では比較的高い」という地域相場との比較での評価
- 法令遵守の意識が高く、無理な働かせ方をしないという趣旨の投稿
- 新卒の研修制度が整っており、育てる文化があるという評価
- プライム上場・創業120年超という安定感
公式の募集要項でも、営業・管理事務・施工管理・営業事務は完全週休2日(土日祝)・勤務時間8:30〜17:30と明示されています。推定情報として、時間管理を重視する運用が実際に敷かれていることは、口コミと募集要項の両方から整合的に読めます。
課題として挙がる点:転勤・年功序列・職種による休日差
一方で、口コミ傾向として繰り返し挙がる課題は次の通りです。
- 全国転勤:総合職は転居を伴う異動があり、退職理由の筆頭格として語られる
- 年功序列:意思決定が保守的で、若手の裁量が限られるという趣旨の投稿
- OpenWorkの社内ランキング項目では「風通しの良さ」「社員の士気」「20代の成長環境」が軒並み2200位前後と低位に置かれている
- 創業家色が強く、それ以外の層の昇進上限を疑問視する投稿
- 退職金がなく確定拠出年金を各自で運用するという投稿
- 部署によっては休日当番制があり、「募集要項は年間休日120日以上だが実際は60〜80日だった」という当番勤務への不満
- 上下関係が厳しい、昔ながらの社風という指摘
職種による労働条件の差は、公式の募集要項からも確認できます。公式採用サイトによると、保安サービス職は年間休日115日で3〜4月の繁忙期に土曜出勤があり、販売職は年間休日105日のシフト制です。事務系・営業系の完全週休2日とは前提が異なります。「カメイの働き方」とひと括りにできず、職種ごとに条件を確認する必要があるというのが結論です。
なお、転職会議などには陰湿な嫌がらせやモラルハラスメント、パワーハラスメントを訴える投稿も複数存在します。ただしこれらはいずれも匿名の個人投稿であり、事実として認定されたものではありません。本記事では、そうした声が一定数存在するという事実の指摘にとどめ、会社としての実態を断定することはしません。判断材料にする場合は、面接時の雰囲気、配属予定部署の管理職との面談、離職の状況に関する質疑など、自分で確認できる情報と突き合わせてください。
転勤の有無は「入口」で分かれる設計
公式採用サイトによると、新卒の募集要項には「総合職=転居を伴う異動がある働き方」「一般職=転居を伴わない異動がある働き方」と明記され、選考のなかで希望を確認する方式が採られています。支店24か所・営業所40か所という拠点網を持つ会社ですから、総合職を選べば東北以外への異動も現実的な選択肢に入ります。
推定情報として、地元定着を最優先するなら勤務地の限定条件を入口で明確にしておくことが重要です。逆に、複数エリアの市場を見て支店マネジメントまで進みたい人にとっては、拠点網の広さはキャリアの幅として機能します。口コミで転勤が退職理由の上位に挙がるのは、この選択が入社時点の理解と実際の運用でずれた場合に起きやすい摩擦だと考えられます。
同じ2026年3月期・卸売業の上場企業と比べてどうか
年収の水準は単体では判断できません。公式情報として、同じ2026年3月期決算・同じ東京証券取引所の卸売業に区分される上場企業を、有価証券報告書の提出会社ベースの平均年間給与と連結の営業利益率で並べたのが次の表です。
| 企業(証券コード) | 平均年間給与(提出会社) | 連結売上高 | 連結営業利益率 | 単体/連結の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| カメイ(8037) | 682.8万円 | 5,830.78億円 | 約2.9% | 1,589名/5,015名(約3.2倍) |
| 日本紙パルプ商事(8032) | 889.9万円 | 6,067億円 | 約1.8% | 753名/4,705名(約6.2倍) |
| 山善(8051) | 802.2万円 | 約5,418億円 | 約2.2% | 1,836名/3,309名(約1.8倍) |
| 丸藤シートパイル(8046) | 741.8万円 | 403.4億円 | 約5.2% | 393名/506名(約1.3倍) |
| 中央魚類(8030) | 668.5万円 | 1,586億円 | 約2.1% | 217名/794名(約3.7倍) |
この比較から3点が読み取れます。
- 売上規模と年収は比例しない:カメイは5社中で売上規模が上位でありながら、平均年間給与は中位〜下位に位置します。卸売業は商流の金額が大きく出る業態のため、売上高は待遇の指標になりません
- 単体/連結の乖離が数字の意味を変える:日本紙パルプ商事は約6.2倍と乖離が大きく、開示値がカバーする範囲が狭くなります。カメイの約3.2倍は中程度で、事業会社本体が上場している分、現場に近い層まで含まれている面があります
- 営業利益率で見ると卸売業の幅は広い:加工・工事・賃貸まで手掛ける丸藤シートパイルの約5.2%に対し、純粋な商流型は1〜3%台。カメイの約2.9%は、多角化によって薄利のエネルギーを他事業が補った結果と読めます
事業構成が近い企業との比較も、転職先候補を広げるうえで有効です。以下は推定情報を含む定性的な整理で、各社の数値は掲載していません。最新の待遇・業績は各社の公式IRで確認してください。
| 企業 | ポジションの特徴 | カメイとの違い |
|---|---|---|
| 伊藤忠エネクス | 石油・LPガス・カーライフ・電力まで手掛ける総合エネルギー商社 | 総合商社系の資本背景を持ち、全国規模での商流展開が中心 |
| 三愛オブリ | 石油販売・SS運営を軸に生活関連分野へ多角化 | 航空燃料など特定分野に強みを持ち、地域密着度の性格が異なる |
| シナネンホールディングス | 燃料商社から生活サービス・海外へ広げた中堅エネルギー企業 | 持株会社体制で、事業会社ごとに採用・待遇が分かれる |
| ミツウロコグループホールディングス | LPガス・電力・食品まで持つ複合エネルギー企業 | 電力小売など川下領域の比重が相対的に大きい |
カメイの独自性は、エネルギーを軸にしながら自動車ディーラー・調剤薬局・海外食品貿易まで抱える「地域生活基盤の束」であることです。エネルギー専業に近い他社と比べると、社内でのキャリアの振れ幅は大きくなります。
カメイの就職難易度・選考で見られるポイント
「カメイ 就職難易度」「カメイ 採用大学」「カメイ 面接」といった検索は一定数あり、選考のハードルを知りたい人が多いテーマです。ただし採用倍率や合格ラインを会社が公表しているわけではありません。就活情報サイトには採用倍率8.5倍という記載が見られますが、これは各サイトが独自に集計した推定情報であり、公式発表ではない点に注意してください。
公式データから言えるのは、提出会社の従業員数が1,589名規模で、平均勤続13.8年という定着型の会社であることです。定着率が高い会社は毎年の採用枠が大きく膨らみにくく、結果として競争率が上がりやすい構造にあります(推定情報)。新卒採用は総合職/一般職を入口で分ける方式、キャリア採用と高卒採用も公式サイトに専用の窓口が設けられています。
中途採用の観点では、7セグメントのどこで募集が出ているかによって求められる経験がまったく変わります。推定情報として整理すると、エネルギー部門なら燃料・LPガスの法人営業や配送・保安のオペレーション経験、自動車関連なら店舗運営やディーラー営業の経験、海外・貿易なら食品の輸出入実務や語学、建設関連なら建材・住宅設備の商流知識が評価対象になりやすいと考えられます。共通して効きやすいのは、値決めと粗利管理の実績です。薄利の商流を扱う会社では、売上を作った経験より「採算を守った経験」を具体的な数字で語れるかが差になります。
エネルギー需要の縮小局面で、カメイの将来性をどう見るか
転職判断で避けて通れないのが、主力のエネルギー事業を取り巻く環境です。公式情報ではなく業界統計・官公庁の見通しにもとづく整理として、次の3つの流れがあります。
- 石油製品需要の緩やかな減少:経済産業省の需要見通しでは、石油製品需要は2025年度前後をピークに緩やかな減少が続くとされています
- 給油所の減少:全国の給油所数はピークの1994年の6万カ所超から、2024年度末には約2万7千カ所と半分以下になりました
- LPガス需要の縮小:国内LPガス需要は1996年度の約1,970万トンをピークに減少が続き、近年は1,200万トン台で推移しています
この環境で、カメイのような事業者に生じる論点は2つです。1つは残存者利益で、中小の販売店が事業承継難で退出するなかで、輸入・充填・配送網を持つ体力のある事業者に顧客基盤が集約されていく流れです。もう1つは非燃料商材への横展開で、SSを起点にカーライフ商材やLPガス、生活サービスへ収益源を広げる動きです。カメイが自動車関連やペット関連、調剤薬局まで抱えているのは、まさにこの横展開の歴史そのものと言えます。
推定情報として、将来性の評価は次のように整理できます。ポジティブ面は、①縮小市場のなかで「買い手側・受け皿側」に立てる規模を持つこと、②利益率の高い自動車関連・海外貿易が育っていること、③2026年3月期に純利益119億円と過去最高を更新し、投資余力があること。ネガティブ面は、①売上の約48%が構造的な縮小市場にあり、その利益率が2.7%と薄いこと、②ファーマシーのように赤字化した事業を抱えること、③創業家関連で約32%という株主構成のもと、意思決定のスピードや資本政策の柔軟性をどう評価するかという論点があることです。
株主構成についても公式情報として触れておきます。大株主には創業家関連の法人・個人(亀井興産9.8%、創業家の個人株主8.2%、亀井記念財団5.39%、カメイ不動産5.37%、創業家の個人株主3.31%)が並び、合計で約32%を占めます。加えて光通信系の投資事業有限責任組合が5.18%を保有しています。役員11名のうち女性は1名(9.1%)です。推定情報として、オーナー色の強い株主構成は長期目線の経営を可能にする一方、少数株主の意向が反映されにくい構造とも言われます。なお、株式公開買付けや非公開化に向けた具体的な動きは、本記事の調査時点で公表されていません。
カメイへの転職が向いている人・向いていない人
ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。どちらが良い悪いではなく、自分の優先順位と会社の構造が噛み合うかどうかの問題です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 東北・仙台を生活の軸に据え、地域相場のなかで安定した待遇を得たい人 | 都心の同業大手と同水準の年収カーブを短期で求める人 |
| 薄利の商流を採算管理で守る仕事に面白さを感じる人 | 高粗利の新規事業をゼロから立ち上げたい人 |
| 時間管理が明確な環境で、長く働き続けたい人 | 成果に応じて20代から大きく処遇が動く環境を望む人 |
| 複数事業を横断してキャリアの幅を広げたい人 | 特定領域の専門性を一直線に深めたい人 |
| 転居を伴う異動を、担当市場を広げる機会と捉えられる人 | 勤務地を確実に固定したい人(一般職・地域限定の条件確認が前提) |
| 老舗の商権と顧客基盤を活かす営業スタイルが合う人 | フラットで意思決定の速い組織文化を最優先する人 |
カメイに関するよくある質問
カメイへの転職・就職を検討する人からよく挙がる質問と、公式情報・口コミ傾向・推定情報を分けた回答をまとめました。
カメイの平均年収はいくらですか
有価証券報告書によると、第113期(2026年3月期)の平均年間給与は682.8万円(提出会社ベース、平均年齢40.4歳・平均勤続13.8年)です。連結5,015名ではなく提出会社1,589名を対象とした数値である点にご注意ください。
ネットで「527万円」と「683万円」の両方を見かけるのはなぜですか
参照している決算期が違うためです。公式情報として、平均年間給与は2023年3月期527万円→2024年3月期635万円→2025年3月期660万円→2026年3月期682.8万円と推移しています。527万円は2023年3月期の数値で、古い期を引用したページが残っているものと考えられます。なお2024年3月期は提出会社の従業員数が607名減少した期でもあり、母集団の変化を伴う上昇である可能性があります(有価証券報告書に理由の記載はありません)。
カメイの就職難易度は高いですか
会社は採用倍率や合格基準を公表していません。就活情報サイトには採用倍率8.5倍という記載がありますが、これは各サイトの推定情報です。推定情報として、平均勤続13.8年という定着型の人員構成からは採用枠が急拡大しにくい構造が読み取れ、地元志向の応募者が集まりやすい東北の有力企業であることを踏まえると、相応の競争があると考えられます。
退職金や賞与はどうなっていますか
賞与の支給月数や退職給付制度の詳細は、有価証券報告書では開示されていません。口コミ傾向としては「退職金がなく、確定拠出年金を各自で運用する」という投稿が複数見られますが、匿名投稿であり制度の証拠にはなりません。内定時の労働条件通知書と就業規則・退職金規程で必ず確認してください。
転勤はありますか
公式採用サイトによると、新卒募集要項では「総合職=転居を伴う異動がある働き方」「一般職=転居を伴わない異動がある働き方」と区分され、選考のなかで希望を確認する方式が採られています。支店24か所・営業所40か所という拠点網があるため、総合職では東北以外への異動も想定されます。口コミ傾向としても、転勤は退職理由として上位に挙がるテーマです。
年間休日は何日ですか
職種によって異なります。公式採用サイトによると、営業・管理事務・施工管理・営業事務は完全週休2日(土日祝)で勤務時間8:30〜17:30、保安サービス職は年間休日115日で3〜4月の繁忙期に土曜出勤、販売職は年間休日105日のシフト制です。口コミ傾向としては、部署によって休日当番制があり、実際の休日日数が募集要項の印象と違ったという投稿も見られます。応募職種の休日条件は個別に確認してください。
グループ会社に配属される可能性はありますか
公式情報として、カメイは連結子会社55社を含む関係会社74社(国内50社・海外24社)を抱えています。SS運営、調剤薬局、物流、カーディーラーなどの現場業務はグループ各社が担っており、出向や転籍を含めたグループ内の異動は一般的な人事施策として想定されます。採用主体が本体かグループ会社かによって適用される給与テーブルが異なる可能性があるため、応募時点で確認することをおすすめします(推定情報)。
カメイへの転職判断まとめ
ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして内定時の労働条件通知書も含めて確認しましょう。
| 判断軸 | 評価と根拠 |
|---|---|
| 年収水準 | 提出会社ベース682.8万円(公式情報)。東北の地域相場では上位だが、対象は本体1,589名に限られる |
| 年収の伸び方 | 4期で155万円上昇。ただし従業員数607名減と重なる期があり、母集団変化を伴う上昇の可能性(推定情報) |
| 事業の安定性 | 売上5,830億円・純利益119億円で過去最高。7事業分散で単一市況の影響を吸収しやすい(公式情報) |
| 収益構造 | 売上48%のエネルギーは利益率2.7%。稼ぎ頭は自動車関連6.2%・海外貿易4.6%(公式情報) |
| 将来性 | 石油・LPガスの縮小市場で受け皿側に立てる規模。一方で赤字事業の整理も進行中(公式情報+推定情報) |
| 働き方 | 事務・営業系は完全週休2日で残業が少ないという声。保安・販売職は年間休日115日/105日(公式+口コミ傾向) |
| 社風 | 年功序列・保守的という指摘が多い一方、法令遵守と育成の評価も。オーナー企業型(口コミ傾向) |
| 転勤リスク | 総合職は転居を伴う異動あり。退職理由の上位テーマ(公式採用サイト+口コミ傾向) |
| 選考難易度 | 公式の倍率公表なし。定着型で採用枠が急拡大しにくい構造(推定情報) |
総合すると、カメイは「地域で長く安定して働きたい人」と相性が良く、「短期で処遇と裁量を大きく動かしたい人」とはずれやすい会社と考えられます。判断の分かれ目になるのは、年収の絶対額よりも、①どのセグメントに配属されるか、②本体採用かグループ会社採用か、③転居を伴う異動を受け入れられるか、の3点です。この3つを選考の早い段階で確認できれば、入社後のミスマッチはかなり減らせます。
どのサービスを使えばいいか決められないとき
このサイトはアフィリエイトで収益を得ています。読者がサービスに登録すると当サイトに報酬が発生します。
自分の状況だとどのサービスが合うのか判断がつかない場合は、無料の相談を受け付けています。相談内容をうかがったうえで、条件に合いそうな転職サービスをご案内します。
登録や応募を急かすことはしません。 「いま動かないほうがいい」と考えた場合はそう伝えます。
※当サイトは職業紹介事業者ではありません。求人の紹介・あっせんは行わず、転職サービスのご案内までを行います。
本記事の出典・参考情報
本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。
公式情報源
口コミ・評判の参照元
免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。
この記事の編集方針・情報の確認について
この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数・セグメント別業績といった中核データは、第113期(2026年3月期)有価証券報告書を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。有価証券報告書の数値は、企業情報データベースおよび経済メディアの企業概要ページとの二経路で照合しています。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。
