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ハビックスの評判と年収593万円|社員91%が岐阜在住、3工場で働く実像

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※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 勤務地:生産拠点は伊自良・本巣・海津の岐阜3工場のみ。社員の91%が岐阜県在住です
  • 年収593万円:第76期有報の平均年間給与5,935千円、平均年齢40.4歳・勤続11.2年
  • 業績:2026年3月期は売上121億円(前期比9.0%減)・営業利益率3.5%の減益局面
  • 転機:約44億円を投じる新「岐阜工場」が2027年3月完成予定、翌4月操業の計画

ハビックス株式会社(証券コード3895・東証スタンダード市場)を調べている人の検索キーワードを見ると、「評判」「年収」よりも先に「伊自良工場」「海津工場」「本巣工場」といった工場名が並びます。つまりこの会社に関心を持つ人の多くは、企業ブランドではなく「岐阜のどこで、どんな条件で働くのか」を知りたいということです。この記事では、その実態に正面から答えます。有価証券報告書(第76期・2026年3月期)の実額と、公式採用サイトの公表値、そして母数の小さい口コミの傾向を明確に分けて整理し、岐阜で製造業のキャリアを考える人が転職判断に使える形にまとめました。

ハビックス株式会社とはどんな会社か|売上の56%は不織布の岐阜発メーカー

まず結論として、ハビックスは東証の業種分類こそ「パルプ・紙」ですが、実態は不織布が売上の過半を占める素材メーカーです。第76期(2026年3月期)の売上高121億1,027万円のうち、不織布関連事業が67億7,334万円(約56%)、紙関連事業が53億3,693万円(約44%)を占めます。この構成を理解しておくと、求人票に書かれた職種名や配属先の意味がつかみやすくなります。

1950年に「株式会社大黒屋」として創業し、1952年に福村製紙株式会社、1993年に現社名へ商号変更しました。2005年2月のジャスダック上場を経て、2022年4月の市場再編で東証スタンダード市場に移行しています。代表取締役社長は創業家出身の福村大介氏で、自身が発行済株式の5.65%を保有する第2位株主でもあります。

2つのセグメントで何を作っているのか

有価証券報告書によると、事業は次の2セグメントで構成されています。いずれもBtoBの中間素材で、OEM供給が中心です。

  • 不織布関連事業(売上67億7,334万円):フィンランド製設備によるエアレイド製法のパルプ不織布(業務用クッキングペーパー、おしぼり、肉・魚のドリップ吸収シートなど)と、サーマルボンド製法の化合繊不織布(紙おむつ・ペットシーツの表面材)
  • 紙関連事業(売上53億3,693万円):フレッシュパルプを主原料とする衛生用紙。紙おむつ・ペットシーツ吸収体の包合紙、おしぼり、テーブルナプキン原紙など

技術面での特徴として、エアレイド式パルプ不織布を生産する国内3社のうちの1社であり、その生産設備について有価証券報告書は「国内では当社しか保有していない特殊な設備」と明記しています。公式情報として、大人用紙おむつ原紙で約30%、業務用クッキングペーパーで約40%のシェアを自社公表しています。2024年には医療・介護向けの自社ブランド「Kireine(キレイネ)」を立ち上げ、素材メーカーから衛生用品メーカーへの転換を掲げました。

「紙業種の高収益機能材メーカー」と同一視しないほうがよい理由

ここは転職判断に直結する重要な論点なので、先に整理しておきます。同じ「パルプ・紙」分類には、機能材に特化して営業利益率が20%近い企業も存在します。しかしハビックスの全社ベースの営業利益率は3.5%(第76期)であり、構造が異なります。

セグメント利益だけを見ると、不織布関連事業10億6,593万円(売上高比15.7%)、紙関連事業5億1,348万円(同9.6%)と一見高収益に見えます。しかしこれは全社費用約11億5,054万円を配賦する前の数値です。この全社費用を差し引いた実際の営業利益は4億2,887万円で、営業利益率は3.5%にとどまります。推定情報として、この構造は「稼ぎ頭は不織布だが、会社全体としては薄利の素材メーカー」と読むのが妥当であり、賞与原資や昇給余地を考えるうえで押さえておきたい前提です。

ハビックスの公式データ一覧(第76期 有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、いずれも第76期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書(2026年6月22日提出)にもとづく実額です。最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。

項目内容
会社名ハビックス株式会社(HAVIX CORPORATION)
証券コード/市場3895/東京証券取引所スタンダード市場
本社所在地岐阜県岐阜市福光東3丁目5-7
代表者代表取締役社長 福村大介
平均年間給与5,935千円(約593万5千円)/対前事業年度増減率+0.3%
平均年齢40.4歳(2026年3月31日現在)
平均勤続年数11.2年(2026年3月31日現在)
従業員数205名(就業人員。ほかに臨時従業員の年間平均雇用人員21名)
売上高121億1,027万円(単体・前期比9.0%減)
営業利益4億2,887万円(前期比40.2%減・営業利益率3.5%)
経常利益/当期純利益4億7,497万円(41.3%減)/5億4,721万円(16.2%減)
自己資本比率56.0%(前期59.3%)
労働組合ハビックス労働組合(1996年5月23日結成・組合員178名)
男性育児休業取得率60.0%
管理職に占める女性比率「―」(該当なし)と記載
出典第76期 有価証券報告書(2026年6月22日提出)/公式IR資料

数値を読むうえで1点、重要な注意があります。ハビックスは2026年3月期の期首より非連結決算へ移行しており、第76期は単体(非連結)財務諸表のみです。したがって上表の売上高・利益・従業員数は「連結」ではなく単体の数値です。なお前期(第75期)は連結208名/単体207名と乖離がほぼゼロで、唯一の子会社であるHAVIX TRADING(Thailand)Co.,Ltd.は2024年6月に解散決議済み(事業停止・清算未結了)のため、実質的な会社規模の見え方は変わりません。持株会社ではなく事業会社そのものの単体数値である点も、現場実態とのズレが小さい理由です。

勤務地で選ぶハビックス|伊自良・本巣・海津の3工場と新設「岐阜工場」

この記事の中核です。ハビックスへの転職を考えるとき、最初に決めるべきは職種ではなく勤務地だと言い切れます。理由は単純で、生産拠点が全て岐阜県内にあり、しかも工場ごとに立地条件がまったく異なるからです。実際、この会社に関する検索の大半は工場名で行われています。

公式情報として、拠点構成は次のとおりです。事業所は東京事務所(東京都中央区日本橋2-15-3)が1か所あるのみで、それ以外の本社・全工場が岐阜県内に立地します。

拠点所在地位置づけ
本社岐阜県岐阜市福光東3丁目5-7管理・営業・経営企画の本部機能
伊自良工場岐阜県山県市藤倉822-2検索数が最も多い主力工場
本巣工場岐阜県本巣市屋井昼待1057-6不織布・紙の生産拠点
海津工場岐阜県海津市海津町平原7232025年に衛生用紙生産を集約
穂積工場岐阜県瑞穂市2025年6月末で生産停止済み
岐阜工場(新設中)岐阜県本巣市見延1432-8敷地34,111.81㎡・2026年1月着工/2027年3月完成予定
東京事務所東京都中央区日本橋2-15-3唯一の県外拠点(営業機能)

伊自良工場(山県市)が最も検索されている理由

伊自良工場は岐阜県山県市藤倉に位置し、市街地から山あいに入った立地です。ハビックス関連の求職系キーワードのなかで検索数が突出して多いのがこの工場名で、推定情報としては「求人を見た人が通勤可否を確かめるために場所を調べている」動きが中心と考えられます。岐阜市中心部からのアクセスは自動車が前提になる立地であり、マイカー通勤の可否と通勤時間は、応募前に必ず確認しておきたい実務ポイントです。

人員配置は、有価証券報告書によると不織布関連事業81名(ほかに臨時5名)、紙関連事業48名(同2名)、全社共通76名(同14名)です。従業員205名の会社としては、製造現場と本社機能がほぼ同数規模で並存している点が特徴で、工場勤務でも本社との距離が近く、意思決定までの階層が浅いと考えられます(推定情報)。

海津工場への集約と、穂積工場の生産停止が示したもの

転職判断で見落とせないのが、穂積工場(岐阜県瑞穂市)の生産停止です。2025年1月29日の適時開示にもとづき、建設から47年が経過し老朽化・生産性低下が進んでいたことを理由に、2025年6月末で衛生用紙の生産を停止し、海津工場へ集約しました。従業員は海津工場ほか他拠点へ再配置され、工場自体は当面取り壊さず、試作・開発拠点および緊急時の供給拠点として残す方針が示されています。

これは求職者にとって、「入社した工場で定年まで働き続けられるとは限らない」という現実的な事例です。ただし裏を返せば、雇用を削らず県内他拠点へ配置転換した対応でもあります。推定情報として、ハビックスにおける「異動」は県外転勤ではなく岐阜県内の工場間移動が基本形になると考えられます。面接では、配属予定工場の設備更新計画と、集約・再編が発生した場合の異動範囲を確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

新「岐阜工場」(本巣市見延)は2027年操業予定の最大の転機

いま最も注目すべきなのが、本巣市見延に建設中の新「岐阜工場」です。公式情報として、投資予定総額は約44億円、敷地面積34,111.81㎡、2026年1月着手・2027年3月完成予定(当初計画の2026年12月から3か月後ろ倒し)です。第76期の設備投資総額22億700万円のうち20億200万円がこの新工場向けで、すでに21億220万円を支払済みと開示されています。

この工場は、ユニ・チャームプロダクツ株式会社から受託するペットケア商品のOEM生産拠点で、生産品は全量を同社が買い取る契約とされています(2025年11月10日開示の基本合意にもとづく)。2025年11月には「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」への採択も公表されました。

推定情報として、転職者にとっての意味は明快です。2026年後半から2027年前半にかけて、新工場の立ち上げ要員採用が発生する可能性が高いということです。新規ラインの立ち上げは、設備据付・試運転・量産移行という工程を一気に経験できるため、生産技術・設備保全のキャリアでは価値の高い機会になり得ます。逆に、既存工場の安定運転を望む人には負荷の高い局面になる可能性もあります。

社員の91%が岐阜県在住|「岐阜で完結するキャリア」の損得

結論から言えば、ハビックスは全国転勤を避けたい人にとって、極めて条件のはっきりした会社です。公式採用サイトによると、社員の91%が岐阜県在住です。そして有価証券報告書の「事業等のリスク」には、会社自身が「本社、工場および物流拠点が岐阜県に集中」していることをリスク項目として明記しています。企業にとってのリスクが、求職者にとっては「転勤がほぼ発生しない」というメリットに反転している構図です。

この立地特性が転職判断にもたらす損得を整理します。

  • メリット:持ち家・家族の事情・親の介護など、生活基盤を岐阜に置いたままキャリアを継続できる。単身赴任リスクが構造的に小さい
  • メリット:平均勤続年数11.2年(公式採用サイトでは「平均勤続11年2ヶ月」)と長く、定着前提の職場設計になっている
  • デメリット:拠点が県内に集中しているため、地震・水害など地域災害が事業全体に及ぶリスクを会社自身が認識している
  • デメリット:勤務地の選択肢が実質「岐阜県内の3工場+本社+東京事務所」に限られ、都市部でのキャリア形成やグローバル勤務の機会は乏しい(推定情報)

年齢構成も判断材料です。公式採用サイト「数字で見るハビックス」によると、最多は40代で34%、次いで50代23%。有報の平均年齢40.4歳とも整合し、推定情報としては20代・30代が相対的に少ない構成と読めます。若手が少ない組織は早期に任される範囲が広がりやすい一方、同世代が少ないというトレードオフがあります。採用構成は中途68%・新卒32%と中途主体です。

ハビックスの年収は593万円|有報の実額と口コミ体感のギャップを分解する

年収については、まず公式情報を基準に置きます。第76期(2026年3月期)の有価証券報告書「従業員の状況」によると、平均年間給与は5,935千円(約593万5千円)です。賞与および基準外賃金を含む金額で、2026年3月期から新設された「平均年間給与の対前事業年度増減率」は+0.3%と開示されています。同時点の平均年齢は40.4歳、平均勤続年数は11.2年です。

平均年収の推移と、数字が意味すること

前期(第75期・2025年3月期)の有価証券報告書における平均年間給与は約569万円でした。つまり1年で約24万円、率にして約4%増加している一方、開示上の増減率は+0.3%という記載になっています。この差は集計対象人員の構成変化(穂積工場停止に伴う再配置など)の影響が考えられます(推定情報)。いずれにせよ、減益局面にもかかわらず平均給与が前年を下回っていない点は、給与水準の安定性を示す材料です。

従業員数の推移とあわせて見ると、この会社の人員動態がよく分かります。単体従業員数は第72期217名 → 第73期193名 → 第74期190名 → 第75期207名 → 第76期205名という推移です。2022年3月期から2024年3月期にかけて27名減少し、その後207名まで戻しているという動きで、赤字期に人員が絞られ、業績回復とともに再び採用を進めた形と読めます(推定情報)。

交替勤務手当が効く給与構造

593万円という平均値を、そのまま「自分の想定年収」と考えるのは危険です。理由は、この会社の給与が24時間交替勤務を前提とした手当込みの構造になっているためです。有価証券報告書の「対処すべき課題」には、会社自身が「従前からの24時間交替勤務による生産環境を改善すべく、生産機械設備の積極的な導入による自動化、省人化、効率化を図る」と記しています。

口コミ傾向としては、OpenWorkやエン カイシャの評判、転職会議などに「交代勤務手当が月4万円ほど付く」「残業代はしっかり支払われる」「賞与がよく年齢の割に給料は高い」といった書き込みが見られます。ただしこれらは二次情報であり、クチコミによれば、という前提で受け止める必要があります。投稿者数が6〜11名程度と母数が小さいため、個々の書き込みを会社全体の実態と同一視することはできません。

推定情報として、交替勤務手当が仮に月4万円前後だとすると年間で約48万円、平均給与593万円に対して約8%を占める計算になります。したがって日勤のみの職種(管理・営業・技術スタッフ等)と交替勤務職種では、同じ会社でも実支給額の構造が相当異なる可能性があります。応募時には、求人票の「基本給」「交替手当」「深夜手当」の内訳を必ず分けて確認してください。

求職者
求職者

平均593万円と聞くと高く見えますが、日勤の職種でもその水準になりますか?

有価証券報告書が開示しているのは会社全体の平均年間給与であり、職種別・勤務形態別の内訳は有価証券報告書では開示されていません。交替勤務手当・深夜手当が含まれた平均である以上、日勤職種の実額はこれより低くなる可能性があります(推定情報)。内定時の労働条件通知書で、月例給と各種手当の内訳を確認するのが確実です。

口コミサイトの平均年収と公式値のズレをどう読むか

参考として、口コミ傾向における年収の掲載値を並べます。エン カイシャの評判では平均年収503万円(平均年齢39歳・正社員11人)、Yahoo!しごとカタログ(OpenWork連携)では平均年収580万円と表示されています。有報の593万5千円と比べると、いずれも低めの数字です。

このズレは、口コミサイトの数値が投稿者の職種・年齢・投稿時期に強く左右されることに起因します(推定情報)。投稿者数が10名前後であれば、若手の投稿が数件多いだけで平均は数十万円動きます。したがって、年収の基準値は有報の593万5千円に置き、口コミは「体感のばらつき」を知る補助線として使うのが正しい読み方です。

24時間交替勤務のリアル|公表値と口コミの温度差を並べて見る

ハビックスの働き方を判断するうえで最も重要なのは、会社公表値と口コミ体感の間に相応の乖離がある事実をそのまま受け止めることです。どちらか一方だけを信じると判断を誤ります。両方を並べます。

項目会社公表値(公式情報)口コミ上の傾向(口コミ傾向)
年間休日132日(日勤)/121日(交替勤務)「4勤1〜2休や12時間勤務でプライベートの時間が限られる」「平日休みのシフト」との書き込み
有給取得率69%(公式採用サイト)OpenWorkでは有給消化率40.9%、「有給が取りにくい」との声
残業時間有価証券報告書では月間残業時間の開示なしOpenWork 月30.5時間/エン カイシャの評判 月27時間/一部に「月平均60時間」との書き込み
育休男性育休取得率60.0%(有報)/育休復職率100%(採用サイト)—
職場環境24時間交替勤務の改善を「対処すべき課題」に明記「生産量第一で常に時間に追われる」「決まった休憩が取れない」との声

この表から読み取れることを整理します。第一に、年間休日は日勤132日・交替勤務121日と、勤務形態で11日の差がある点です。交替勤務の121日は、シフト制の製造業としては珍しい水準ではありませんが、暦通りの休みを前提にする生活とは噛み合いません。第二に、有給取得率が公表69%に対して口コミ集計では40.9%と大きく開いています。母数6名の集計であることを踏まえても、部署・ラインによって取得しやすさに差がある可能性は考慮すべきです(推定情報)。

働きやすさの評価スコアも参考になります。口コミ傾向として、OpenWorkの総合評価は2.72(回答者6人)、待遇満足度2.8/社員の士気2.6/風通し2.8/人材の長期育成2.5です。エン カイシャの評判では総合3.1(正社員11人・口コミ69件)で、年収納得度64%・勤務時間納得度61%・休日休暇納得度66%に対し、職場人間関係満足度43%が突出して低く、項目別では経営陣の手腕2.8が最低スコアとなっています。転職会議には48件の投稿があります。

ここで重要な留保を付けます。回答者が6〜11名という母数では、統計的な代表性はありません。特定の部署で不満を持った人が複数投稿すれば、全体スコアは容易に下がります。ネガティブな書き込みとして「人間関係が良くない・挨拶が返ってこない」「機械の回転体への巻き込みなど労働災害が多い」といった記述も見られますが、後者については一次情報での裏付けが取れておらず、あくまで個人の書き込みです。断定はできません。一方でポジティブ側には「生活必需品を作っているので景気に左右されにくい安定性」という評価も一貫して見られます。

24時間稼働の製紙・不織布工場では、交代勤務の負荷が業界共通の論点です。ハビックスはその負荷を会社自身が課題として明記し、自動化投資で解消する方針を掲げています。面接では「自動化投資が自分の配属ラインに及ぶ時期」を質問すると、働き方の将来像が具体的に見えます。

業績を5期で読む|133億円から121億円への減収と、2022年3月期24億円赤字の傷跡

転職判断に業績を使うなら、単年ではなく複数期の推移で見るべきです。ハビックスの場合、ここ5期で「急回復 → 再失速」という明確な波があります。良い面も悪い面も、隠さず並べます。

決算期売上高(単体)営業利益当期純利益ROE
第72期(2022年3月期)103億6,815万円△62百万円△24億5,643万円△32.7%
第73期(2023年3月期)115億3,150万円△92百万円946万円0.9%
第74期(2024年3月期)125億9,863万円755百万円6億5,640万円10.5%
第75期(2025年3月期)133億1,293万円695百万円6億5,282万円9.6%
第76期(2026年3月期)121億1,027万円428百万円5億4,721万円7.3%

2022年3月期の24億円純損失は何だったのか

最も直視すべき数字が、第72期(2022年3月期)の純損失24億4,866万円(1株当たり△312.54円、ROE△32.7%)です。会社は「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(2026年5月14日開示)のなかで、原因を「コロナ禍に伴う紙関連事業設備の減損計上」と明記しています。加えて営業赤字は2022年3月期(△62百万円)・2023年3月期(△92百万円)の2期連続でした。

この期間に単体従業員数が217名から190名まで減っていることを踏まえると、推定情報として、赤字期には採用抑制と自然減による人員縮小が進んだと考えられます。転職検討者としては、「この会社は不況期に人員を絞る局面があった」という事実を前提に置いたうえで、その後207名まで戻した回復力も同時に評価するのが妥当です。

2026年3月期の減益と、2027年3月期予想

直近の第76期は、売上121億1,027万円(前期比9.0%減)、営業利益4億2,887万円(同40.2%減)と明確な減益でした。有価証券報告書は減収要因として、安価な中国製製品・代替素材への切替による受注低迷を挙げています。一方、当期純利益は5億4,721万円(16.2%減)と営業利益を上回っていますが、これは特別利益「受取補償金」1億9,412万円を計上したためであり、本業の実力とは切り分けて読む必要があります。

今後については、2026年8月7日に2027年3月期の通期業績予想が公表されました(それまで未定としていたものを開示)。内容は売上高134億円、営業利益5億円、経常利益5億円、当期純利益3億5,000万円(想定為替1米ドル=162円)です。売上は過去最高だった第75期の133億円を上回る計画ですが、当期純利益は前期比で減る見通しである点は押さえておくべきです。

ユニ・チャームプロダクツ依存22.8%という構造

ハビックスの収益構造で最も特徴的なのが、単一取引先への集中です。有価証券報告書によると、ユニ・チャームプロダクツ株式会社向けの販売実績は27億6,215万円で、総販売実績の22.8%を占めます。会社は「特定の販売先について」を独立したリスク項目として掲げています。

この構造は両面で評価すべきです。ポジティブには、大手からの継続的な受注が量的安定をもたらし、新「岐阜工場」では全量買取契約という形で関係がさらに深まります。ネガティブには、新工場稼働後は依存度が一段と高まる方向であり、取引条件の変更や需要変動が業績に直結しやすくなります。推定情報として、転職検討者は「安定した稼働率」と「顧客集中リスク」をセットで受け入れる判断が必要です。

財務体力と資本構成|GC注記なし・自己資本比率56.0%をどう読むか

雇用の安定性を判断するうえで、財務は業績以上に効く材料です。結論として、足元の財務は堅めで、事業継続に関する懸念表明も出ていません。第76期末の総資産137億7,071万円、純資産77億1,411万円、自己資本比率56.0%(前期59.3%)。低下の理由は新工場向けシンジケートローンの借入(長期借入金16億1,900万円増)で、投資フェーズによる一時的なものと読めます。営業キャッシュフローは+24億9,830万円、現金同等物期末残高24億9,529万円を確保しています。

継続企業の前提に関する注記(GC注記)は、第76期有価証券報告書および2026年3月期第3四半期決算短信のいずれにも記載がありません(短信では「該当事項はありません」と明記)。上場維持基準についても、コーポレート・ガバナンス報告書(2026年6月25日提出)に不適合や改善計画の記載はありません。時価総額は約35〜40億円の小型株ですが、上位10大株主の合計持株比率は42.58%で、流通株式比率に関する懸念は小さいと考えられます。TOB・MBO・非公開化に関する開示も、2024年以降の適時開示200件を確認した限り見当たりません。

資本構成も独特です。大手製紙会社の資本参加はなく、上位株主は個人(酒井正吾氏8.19%、社長の福村大介氏5.65%、福村善光氏4.36%)と地場金融機関(十六銀行4.91%、岐阜信用金庫4.79%、大垣共立銀行3.82%)、および丸紅4.33%、従業員持株会2.58%などで構成されます。推定情報として、創業家+岐阜の地銀・信金という地場色の濃い資本構成であり、大手系列に組み込まれた企業とは意思決定のスピードも人事文化も異なると考えられます。

ハビックスの将来性|新工場・自動化投資・長期ビジョン2030の3点で見る

将来性は、抽象的な期待ではなく会社が実際にお金を投じている場所で判断します。ハビックスの場合、投資先は明確です。

  • 新規事業への設備投資:新「岐阜工場」に総額約44億円。第76期だけで20億200万円を投下。2027年3月完成予定、ペットケア商品のOEM生産で全量買取契約
  • 省人化・自動化投資:24時間交替勤務の負荷を減らすため、生産機械設備の導入による自動化・省人化・効率化を有報の「対処すべき課題」に明記
  • 長期経営ビジョン2030:2023〜2030年度を対象に、2030年に売上高150億円以上・営業利益率7%以上を目標(2026年5月14日に一部修正を開示)

目標値の意味を数字で確認します。2030年の営業利益率7%以上という目標は、直近実績3.5%のちょうど2倍です。売上目標150億円は第76期実績121億円から約24%増。推定情報として、この達成には新工場の寄与に加えて、既存事業の採算改善(値決めとコスト構造の見直し)が不可欠です。転職検討者の視点で言えば、原価管理・生産技術・調達といった「採算を作る職種」の社内重要度が上がる局面と読めます。

業界文脈は追い風と向かい風が混在します。追い風は、プラスチックから紙・不織布への置き換えニーズ(紙化)と、生活必需品の中間素材という景気耐性です。向かい風は、有報が減収要因として名指しした安価な中国製製品・代替素材への切替。加えて原料パルプ・重油・ガス価格と為替の変動、フィンランド製の特殊設備に依存することによる部品調達リスクも開示されています。

株式市場からの評価も、経営が変化を迫られている証左です。第76期のROEは7.3%で、会社は株主資本コストを8%程度と自認しており、ギャップの解消を掲げています。株価はPER約6.1倍・PBR約0.51倍(2026年8月時点)、株主総利回り86.8%(配当込みTOPIX202.2%に大きく劣後)という水準です。推定情報として、経営改善のプレッシャーが継続的にかかる状態であり、それは社内の生産性向上・収益改善の取り組みが今後も強化されることを意味します。

同業・近接企業との比較|「同じ紙業種」でも構造はまったく違う

転職先候補として並べる際、東証の業種分類が同じでも事業構造と収益性は大きく異なります。推定情報を含むため、各社の最新の数値は必ずそれぞれの公式IRで確認してください。

企業名市場事業構造の特徴転職検討者から見た違い
ハビックス(3895)東証スタンダード不織布56%・衛生用紙44%のBtoB素材。全社営業利益率3.5%(第76期)岐阜完結・中途68%。勤務地が固定される代わりに転勤リスクが小さい
ニッポン高度紙工業(3891)東証スタンダード同じ紙分類だが電池用セパレータ等の機能材に特化し、営業利益率は約19%と桁違い高収益の機能材路線。ハビックスとは収益構造も求められる技術も異なる
特種東海製紙(3708)東証プライム特殊機能紙・産業素材紙を手掛ける中堅。静岡を軸とした素材メーカー事業領域が広く、拠点も複数県に分散。異動の幅は大きくなりやすい
大王製紙(3880)東証プライム紙おむつ等の消費者向けブランドを持つ川下大手。ハビックスから見れば需要側ブランド・マーケティング職の機会がある一方、組織規模が大きく分業が細かい
ダイワボウホールディングス(3107)東証プライム不織布・機能資材などの繊維事業とIT関連流通事業を併営不織布の隣接領域だが、グループとしての事業構成は大きく異なる

この表で最も伝えたいのは、「紙・パルプ業種の機能材メーカーだから高収益」という一括りは成り立たないということです。ハビックスの全社営業利益率3.5%は、機能材特化で20%近い利益率を出す企業とは別物です。推定情報として、賞与水準や設備投資の余力を比較する際には、業種分類ではなく実際の営業利益率と事業ポートフォリオで比べるべきです。

一方で、ハビックスにしかない強みも明確です。エアレイド式パルプ不織布を生産する国内3社の1社であり、その設備を「国内では当社しか保有していない」と有報が明記しています。推定情報として、この設備を扱う保全・生産技術スキルは社内で希少価値を持ちますが、同時に社外への持ち出しやすさ(汎用性)は限定的という両面があります。素材業界では「特化スキルのつぶしが利くか」が共通の懸念であり、ハビックスもその例外ではありません。

ハビックスへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報・口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。特に勤務地と勤務形態が判断の軸になります。

向いている人向いていない人
岐阜県内に生活基盤があり、全国転勤を避けたい人都市部勤務や海外勤務を含むキャリアを描きたい人
24時間交替勤務の手当込み給与を許容でき、平日休みも活かせる人土日固定休・暦通りの休日を前提に生活設計したい人
設備保全・生産技術で、希少な専用設備を扱う経験を積みたい人短期間で汎用性の高いスキルに転換したい人
新工場立ち上げという非定常業務に前向きに関われる人完成した仕組みの中で安定して働きたい人
従業員205名規模で、本社と現場の距離が近い環境を好む人大企業の教育制度・分業体制・同期の多さを重視する人
生活必需品の中間素材という景気耐性のある事業を評価する人高成長・高収益企業でストックオプション等の上振れを狙いたい人

キャリアパスとして推定情報で想定しやすいのは、①製造・生産技術・設備保全から工場の生産管理・技術マネジメント、さらに新工場立ち上げプロジェクトへ進むルート、②法人営業からOEM顧客担当・技術提案へ広がるルート、③品質保証・環境規制対応へ展開するルートです。業界外へ出る場合は、衛生用品・日用品メーカーの資材調達や生産技術部門が現実的な接続先になります。

ハビックスに関するよくある質問(FAQ)

検索されている疑問のうち、公式情報で答えられるものを中心にまとめました。

ハビックスの工場はどこにありますか?

公式情報として、稼働中の生産拠点は伊自良工場(岐阜県山県市藤倉822-2)、本巣工場(岐阜県本巣市屋井昼待1057-6)、海津工場(岐阜県海津市海津町平原723)の3か所です。本社は岐阜市福光東3丁目5-7にあり、県外拠点は東京事務所(東京都中央区日本橋2-15-3)のみです。加えて本巣市見延に新「岐阜工場」を建設中で、2027年3月完成予定です。

穂積工場は今も稼働していますか?

稼働していません。2025年1月29日の適時開示にもとづき、建設から47年が経過し老朽化・生産性低下が進んでいたことから、2025年6月末で生産を停止し、衛生用紙の生産は海津工場へ集約されました。従業員は海津工場ほか他拠点へ再配置されています。工場自体は当面取り壊さず、試作・開発拠点および緊急時の供給拠点として維持する方針が示されています。

ハビックスの平均年収はいくらですか?

第76期(2026年3月期)の有価証券報告書によると、平均年間給与は5,935千円(約593万5千円)です。賞与および基準外賃金を含みます。平均年齢40.4歳、平均勤続年数11.2年時点の数値です。前期(第75期)は約569万円でした。なお職種別・勤務形態別の内訳は有価証券報告書では開示されていません。

転勤はありますか?

公式採用サイトによると社員の91%が岐阜県在住で、有価証券報告書も「本社、工場および物流拠点が岐阜県に集中」していることをリスク項目に挙げています。推定情報として、県外転勤の可能性は東京事務所を除けば限定的で、異動は岐阜県内の拠点間が基本と考えられます。ただし穂積工場停止時のように、拠点再編に伴う県内異動は実際に発生しています。応募時に異動範囲を確認してください。

ユニ・チャームとはどのような関係ですか?

取引先としての関係です。有価証券報告書によると、ユニ・チャームプロダクツ株式会社向けの販売実績は27億6,215万円で総販売実績の22.8%を占めます。さらに2025年11月10日開示の基本合意にもとづき、新「岐阜工場」でペットケア商品のOEM生産を受託し、生産品は全量を同社が買い取る計画です。資本関係ではなく、取引集中リスクとして有報にも記載されています。

新工場ができると採用は増えますか?

採用計画そのものは公表されていませんが、推定情報として、2027年3月完成・同年4月操業予定の新工場に向け、2026年後半から2027年前半にかけて立ち上げ要員の採用需要が生じる可能性は高いと考えられます。総額約44億円の投資であり、省力化投資の補助金採択も公表されています。最新の募集状況は公式採用サイトで確認してください。

会社の経営は安定していますか?

事実ベースで整理します。公式情報として、第76期有価証券報告書および2026年3月期第3四半期決算短信のいずれにも継続企業の前提に関する注記はありません(短信では「該当事項はありません」と明記)。自己資本比率は56.0%、営業キャッシュフローは+24億9,830万円です。一方で2022年3月期には減損計上により純損失24億4,866万円を計上し、営業赤字も2期続いた経緯があります。直近も営業利益は前期比40.2%減と失速しており、安定性と変動性の両面を持つというのが公平な評価です。

ハビックスへの転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性、そして内定時の労働条件通知書も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収水準有報実額593万5千円。平均年齢40.4歳を踏まえれば地方上場メーカーとして相応。ただし交替手当込みの平均である点に注意
勤務地生産拠点は岐阜県内3工場のみ、社員91%が岐阜県在住。転勤リスクは構造的に小さい
働き方24時間交替勤務あり。年間休日は日勤132日/交替勤務121日。会社自身が交替勤務環境の改善を課題に掲げる
雇用の安定GC注記なし・自己資本比率56.0%。一方で2022年3月期に大幅赤字と人員減の局面があった
成長性2030年に売上150億円・営業利益率7%以上を目標。直近実績3.5%との差は大きく、実行力が問われる
事業リスク単一顧客に22.8%依存、安価な輸入品・代替素材との競合、岐阜県への拠点集中
キャリアの汎用性国内で同社しか持たない特殊設備の経験は希少だが、社外への転用しやすさは限定的(推定情報)
組織風土平均勤続11.2年と定着志向。口コミでは人間関係満足度の低さを指摘する声もあるが母数は6〜11名と小規模

総合すると、ハビックスは「岐阜で腰を据えて製造業のキャリアを積みたい人」に対して、条件が明快な選択肢だと考えられます。全国転勤がほぼ発生せず、平均年収は593万円台、雇用は組合(組合員178名)を通じた交渉基盤もあります。一方で、営業利益率3.5%という薄利構造、単一顧客への依存、交替勤務の負荷という現実も同時に受け入れる必要があります。編集部の見解として、新工場が立ち上がる2027年前後は採用も社内の役割も動く局面であり、非定常業務を歓迎できる人にとっては入社タイミングとして合理性があると考えられます。逆に、安定した既存業務だけを望む人には、この時期はミスマッチになる可能性があります。

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。業績・人員・給与の数値は第76期有価証券報告書(2026年6月22日提出)を主たる出典としています。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料・適時開示)、公式採用サイトの公表値、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは第76期有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。口コミ部分は回答者6〜11名規模の二次情報であり、断定を避けた表現としています。なお公表資料および報道を検索した範囲では、行政処分・リコール・訴訟に関する開示は見当たりませんでした。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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