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トーホー(8142)の年収・評判|神戸の業務用食品卸、680万円は本社162名の数字

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収の読み方:有報の680万円は持株会社の従業員162名の数字
  • 会社の正体:証券コード8142・神戸の業務用食品卸。映画館の東宝とは別法人
  • 応募先:中途はフードサービス等の事業会社ごと。待遇も職種も変わる
  • 収益構造:売上2,597億円に対し営業利益率約3.0%の薄利多売型

「トーホー」と検索すると、まず出てくるのは映画館チェーンの情報です。この記事で扱うのは、証券コード8142・兵庫県神戸市東灘区(六甲アイランド)に本社を置く、業務用食品卸のトーホーです。レストラン・ホテル・居酒屋・給食施設へ食材を届けるBtoBの食品商社グループで、東宝(9602)・東邦ホールディングス(8129)・東邦亜鉛(5707)とはまったくの別法人です。転職検討者がこの会社を調べるときに最初につまずくのが、有価証券報告書に載っている平均年間給与680万円という数字の扱い方です。結論を先に言うと、この数字はグループ全体の年収ではありません。トーホーは持株会社であり、680万円は提出会社の従業員162名の平均です。この記事では、その構造をほどいたうえで、応募先がグループのどの会社になるのか、事業と業績はどうなっているのかを、有価証券報告書の実数だけを土台に整理します。

トーホー(8142)の公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

本記事で扱う公式数値を一覧で確認できます。公式情報として、最新の正確な数値は公式IRページで再確認してください。とくに給与・年齢・勤続年数の3項目は、後述するとおり持株会社である提出会社単体の数字である点に注意してください。

項目内容
会社名株式会社トーホー(TOHO CO., LTD.)
証券コード/上場市場8142/東京証券取引所プライム市場
本社所在地兵庫県神戸市東灘区向洋町西5丁目9番(六甲アイランド)
創業・設立1947年10月 佐賀市にて創立/1953年3月 東蜂産業株式会社設立/1983年1月 株式会社トーホーへ商号変更/2008年8月 持株会社制へ移行
代表者代表取締役社長 奥野 邦治
事業内容業務用食品卸売を主力とする事業持株会社(ディストリビューター/キャッシュアンドキャリー/フードソリューションの3セグメント)
対象決算期第73期(2025年2月1日〜2026年1月31日/2026年1月期)
平均年間給与約680万円(提出会社ベース)
平均年齢44.0歳(提出会社ベース)
平均勤続年数16.4年(提出会社ベース)
従業員数連結3,876名(うち嘱託・パートタイマー等の臨時従業員1,336名)/提出会社単体162名(ほか臨時26名)
売上高2,597億円(連結・前期比+5.4%)
営業利益78.5億円(連結・営業利益率約3.0%)
経常利益/当期純利益79.3億円/45.8億円(連結)
資本金53億4,477万円
事業会社(トーホーフードサービス等)の平均年収有価証券報告書では開示されていない(提出会社以外の給与水準は開示義務の対象外)
出典第73期(2026年1月期)有価証券報告書「従業員の状況」および同報告書の業績・セグメント情報/公式サイト会社概要。なお有報の数値は、EDINET提出XBRLを機械転載しているIRバンク経由で取得しており、有報PDF原本の該当ページとの直接照合までは行っていない

まず同定:神戸・六甲アイランドの業務用食品卸「トーホー」とは何者か

この会社を調べるとき、最初にやるべきなのは「自分が調べたいトーホーはどれか」を確定させることです。社名が同じ・似ている上場企業が複数あるため、求人票や口コミを読み違えると判断そのものがずれます。

東宝・東邦ホールディングスとは無関係。社名の由来は「東蜂」

公式サイトによると、トーホーの起点は1947年10月、佐賀市で創立された「有限会社藤町商店」の食品卸売事業です。1953年3月に神戸・福岡を拠点とする「東蜂産業株式会社」が設立され、1983年1月に現在の「株式会社トーホー」へ商号変更しました。社名は「東蜂」に由来し、映画館を運営する東宝(9602)とは無関係です。医薬品卸の東邦ホールディングス(8129)、非鉄金属の東邦亜鉛(5707)とも別の会社です。九州で生まれ、本社は神戸にあるという出自の分かりにくさが、同定を難しくしている一因といえます。

「株トーホー 本社」がよく検索される理由

この会社に関する検索のなかで、本社所在地を尋ねるものは最も多い部類に入ります。理由は単純で、持株会社の本社(神戸市東灘区六甲アイランド)と、実際に働く事業会社の営業所・物流センター・店舗が別の場所にあるためです。求人を見て「神戸勤務だと思っていたら実際の配属は営業所だった」という取り違えが起きやすい構造になっています。応募前に確認すべきは、本社住所ではなく募集要項に書かれた勤務地と応募先の法人名です。なお公式サイトによると、IR窓口は078-845-2523、人事部は078-845-2430です。

業務用食品卸は「量販店向けの食品卸」とは顧客が違う

同じ食品卸でも、スーパー・コンビニ向けに大ロットを扱う一般食品卸と、飲食店・給食施設へ小口多頻度で届ける業務用卸では、仕事の中身が別物です。業界一般の構造として、業務用卸は1店舗あたりの発注が小口で品目数が多く、冷凍・冷蔵・常温の三温度帯を毎日から週数回のルートで配送します。物流負荷が高い分だけ粗利率はやや高く取れる一方、配送コストが利益を圧迫しやすく、営業利益率が数%にとどまるのが業界共通の姿です。トーホーの営業利益率約3.0%という数字も、この構造のなかで読む必要があります。

平均年収680万円の正体|持株会社162名の数字であり、現場の年収ではない

この記事で最も重要なパートです。結論から書くと、有報の平均年間給与680万円を「トーホーで働く人の年収」と読むのは誤りです。転職判断に使うなら、この数字が誰の数字なのかを先に押さえる必要があります。

有報の実数と、その対象範囲

有価証券報告書(第73期・2026年1月期)によると、提出会社である株式会社トーホーの従業員の状況は次のとおりです(公式情報)。

  • 平均年間給与:680万円
  • 平均年齢:44.0歳
  • 平均勤続年数:16.4年
  • 従業員数:162名(ほか臨時従業員26名)

ここで効いてくるのが、公式サイトの沿革にある2008年8月の持株会社制移行です。移行後、株式会社トーホーは傘下のトーホーフードサービス、トーホーキャッシュアンドキャリー、トーホー沖縄、トーホービジネスサービスなどを統括する立場になり、自らは業務用食品の仕入・調達・商品開発とコーヒーの製造(toho coffee)を担う事業持株会社になりました。つまり162名という数字は、経営管理・調達・商品開発といった本社機能に携わる人たちの規模です。営業所でルート配送を担当する人も、A-プライスの店頭に立つ人も、この162名には基本的に含まれません。

連結3,876名と単体162名|約23.9倍という乖離

同じ有価証券報告書によると、連結従業員数は3,876名(うち嘱託・パートタイマー等の臨時従業員1,336名、正社員等2,540名)です。単体162名との比率を計算すると、提出会社の従業員は連結全体のわずか約4.2%、連結は単体の約23.9倍にあたります。有報の平均年間給与が代表しているのは、この4.2%の部分だけです。

この乖離が示すことは2つあります。1つは、680万円は現場職の給与水準を示す根拠にならないということ。もう1つは、平均年齢44.0歳・平均勤続16.4年という数字も同様で、持株会社に集約された本社機能人材の在籍年数を映している可能性が高いという点です(推定情報)。長期勤続の会社だと単純に読むのではなく、「本社機能に長く残る人が多い」という限定つきで受け取るのが妥当です。

もう1点、連結3,876名のうち約34%が嘱託・パートタイマー等の臨時従業員である事実も見逃せません。店舗運営と物流をパート・アルバイト戦力で回す業態であることが、数字にはっきり出ています。マネジメント職で入る場合、多様な雇用形態のメンバーを束ねる現場運営能力が実務の中心になると考えられます(推定情報)。

持株会社の開示には「好例」と「悪例」がある

持株会社の有報年収を読むときの物差しとして、開示の丁寧さには会社ごとに差があることを知っておくと役に立ちます。持株会社のなかには、提出会社の数字に加えて「最大人員会社の状況」として主要事業会社の平均年収・人数・平均年齢まで実額で併記する会社があります。この場合、読者は現場の給与水準まで一次情報で確認できます。

トーホーはこれに該当しません。有価証券報告書で開示されているのは提出会社162名の680万円のみで、連結3,876名の大半が所属する事業会社の平均年収は開示されていません。これは同社の落ち度というより、日本の開示制度上、提出会社以外の給与水準に開示義務がないことに起因します。ただし読者にとっての実務的な結論は変わりません。トーホーフードサービスやトーホーキャッシュアンドキャリーの給与水準は、公開情報には開示がありません。したがって求人票の提示レンジと、内定時の労働条件通知書で確認するしかありません。

年収を判断するために、応募者が自分で確認すべき4点

公開情報で分からない部分は、選考プロセスのなかで埋めるしかありません。有報の数値と業態構造から逆算すると、確認すべきポイントは次の4つに絞られます。

  • 応募先の法人名:株式会社トーホー(持株会社)なのか、トーホーフードサービス等の事業会社なのか。給与テーブルは法人ごとに異なる可能性があります。
  • 提示額に何が含まれるか:業務用卸のルート営業職は、早朝出勤や休日出勤が発生しうる業態です。固定残業代の有無と時間数、深夜・早朝手当の扱いを必ず確認してください。
  • 賞与の算定根拠:営業利益率約3.0%という薄利構造の業態では、賞与が全社業績に連動する設計になっていることがあります(推定情報)。過去実績の月数を確認する価値があります。
  • 評価・昇給のサイクル:トーホーの決算期は1月31日です。3月決算の会社とは期首・期末のタイミングがずれるため、評価時期や賞与支給月も一般的な会社と異なる可能性があります。

応募先はグループのどの会社か|ここで待遇も仕事も変わる

トーホーへの転職を考えるうえで、年収の次に重要なのが「自分がどの法人に入るのか」です。ここが曖昧なまま選考に進むと、入社後の働き方の想像が丸ごとずれます。

新卒と中途で入口が違う

公式採用サイトによると、新卒採用は株式会社トーホーが窓口となる一方、中途採用はトーホーフードサービス、トーホーキャッシュアンドキャリー、トーホー沖縄といった事業会社が各社別に募集する形をとっています。つまり中途で応募する人にとって、雇用主は持株会社ではなく事業会社になるのが基本形です。求人媒体で「トーホー」と表示されていても、実際の応募先法人名は募集要項を開かないと分かりません。選考の初期段階で法人名を確認することが、条件確認の起点になります。

職種で働き方が大きく分かれる

3つの事業セグメントは、そのまま働き方の違いに直結します。

  • ディストリビューター事業(売上2,009億円):レストラン・ホテル・居酒屋・給食施設へのルート配送型の業務用食材卸。顧客の営業時間に合わせた納品が前提で、業界一般として早朝の納品や車両を使った巡回が発生しやすい領域です。
  • キャッシュアンドキャリー事業(売上456億円):業務用食材の現金卸売店「A-プライス」などの店舗運営。小売店に近い勤務形態で、土日祝の営業に伴うシフト勤務が構造的に発生します。公式サイトによると、2026年9月にはA-プライス イオン福岡東店が新規開店しています。
  • フードソリューション事業(売上132億円):飲食店向けの厨房機器・店舗設計・販促・経営支援。提案型の法人営業やプロジェクト管理の色が濃い領域です。

同じ「トーホー」でも、ルート営業と店舗運営とソリューション提案では、勤務時間帯も評価指標も別物です。「この会社は自分に合うか」という問いは、法人と職種を特定しない限り答えが出ません。

口コミサイトの評点を、本記事では数値として扱わない理由

本記事の執筆時点で、OpenWork・エン ライトハウス・転職会議の同社該当ページへ到達できず、投稿件数・総合スコアといった数値を一次確認できていません。したがって本記事では「口コミ○件」「総合評価○点」といった数字を一切記載しません。口コミ傾向に触れる場合も、断定は避けます。あわせて指摘しておくと、持株会社と複数の事業会社に人員が分かれている会社では、口コミサイト上の評価も所属会社と職種によって割れやすいと考えられます(推定情報)。実際に読む際は、投稿者の所属が持株会社なのか事業会社なのか、営業職なのか店舗職なのかを確認したうえで参照することをおすすめします。

そのうえで、有価証券報告書から客観的に言えることは次の4点です。公式情報として押さえておく価値があります。

  • 提出会社の平均勤続年数は16.4年、平均年齢は44.0歳と、本社機能は長期勤続型である
  • 連結3,876名のうち1,336名(約34%)が嘱託・パートタイマー等で、店舗・物流のパート比率が高い
  • 中途採用の窓口が事業会社ごとに分かれている
  • 退職者を再雇用するJobリターン制度がグループとして公式に存在する

最後のJobリターン制度は、転職検討者にとって地味に重要な情報です。制度として明示されているということは、一度離れた人材を戻す運用が実在することを意味します。ライフイベントでの離職からの復帰可能性を重視する人には、判断材料になり得ます。

求職者
求職者

結局、有報の680万円は自分の年収の目安になりますか?

持株会社の経営管理・調達・商品開発ポジションに応募するなら参考値として意味があります。一方、事業会社の営業職・店舗職として応募するなら、680万円は母集団が違うため目安にはなりません。求人票の提示レンジを基準に置き、内定時の労働条件通知書で確定させてください。

売上2,597億円・営業利益率3.0%|数字で見る収益構造

年収の背景にあるのは会社の稼ぎ方です。トーホーの業績は「規模は大きいが利幅は薄い」という卸売業の典型的な形をしています。ここを理解しておくと、給与設計や賞与の変動幅についての見立てが立てやすくなります。

セグメント別の売上と利益率

有価証券報告書(第73期・2026年1月期)によると、連結売上高は2,597億円(前期比+5.4%)、営業利益は78.5億円、経常利益79.3億円、当期純利益45.8億円です(公式情報)。セグメント別に分解すると次のようになります。

セグメント売上高セグメント利益売上に対する利益率
ディストリビューター事業(ルート配送型の業務用食材卸)2,009億円58.1億円約2.9%
キャッシュアンドキャリー事業(A-プライス等の現金卸売店)456億円15.4億円約3.4%
フードソリューション事業(厨房機器・店舗設計・経営支援)132億円5.0億円約3.8%
連結(全社)2,597億円78.5億円(営業利益)約3.0%

注目すべきは売上構成と利益率が逆方向を向いている点です。売上の約77%を占める主力のディストリビューター事業は利益率が約2.9%と3事業で最も低く、売上構成比わずか約5%のフードソリューション事業が約3.8%と最も高くなっています。規模の大きい事業ほど利幅が薄いという構造は、配送コストを抱えるルート卸のビジネスモデルをそのまま反映しています。転職者の視点で言い換えれば、会社の成長ストーリーは「主力で量を確保し、周辺事業で利幅を稼ぐ」形になっているということです(推定情報)。

3期推移で見ると「回復後の踊り場」から抜けた形

単年の数字だけでは判断できないため、直近3期を並べます(公式情報・連結)。

決算期売上高営業利益コメント
2024年1月期2,449億円78.2億円コロナ後の外食需要回復で前期比約2倍の急回復
2025年1月期2,465億円75.0億円増収だが営業利益は前期比約4.1%の減益。当期純利益は44.9億円へ増益
2026年1月期2,597億円78.5億円増収増益。営業利益は2024年1月期の水準を回復

読み取れるのは、売上は3期連続で増えているのに、営業利益は78.2億円→75.0億円→78.5億円と横ばい圏で推移しているということです。2025年1月期は増収なのに減益でした。業界一般の文脈で言えば、原材料・エネルギー価格の上昇、2024年4月のトラックドライバーの時間外労働上限規制以降の配送コスト増が、増収分を相殺しやすい環境にあります。売上が伸びても利益がそのまま比例しない業態であるという点は、賞与や昇給の原資を考えるうえで押さえておくべき事実です。直近期は赤字ではありませんが、2,597億円の売上に対して営業利益78.5億円という比率は隠さず認識しておくべき情報です。

2024年の食品スーパー譲渡|会社の性格が変わった直近の転換点

いま入社を検討する人にとって、直近数年で最も大きな変化はこれです。公式サイトの沿革によると、トーホーは2024年3月18日に食品スーパー事業(トーホーストア)を事業譲渡しました。同社は1960年4月にセルフサービス型のトーホーストア1号店(熊本)を開店して以来、60年以上にわたりBtoCの小売事業を抱えていましたが、これを切り離し、業務用(BtoB)へ一本化する選択をしたことになります。

この意味は2つあります。第一に、いま入社する会社は「スーパーも持つ食品会社」ではなく「業務用食品卸に特化した会社」であるということ。数年前の口コミや記事を読むと小売事業の話が混ざっている可能性があり、現在の事業構成と一致しません。第二に、経営が不採算・非中核事業を切る判断を実際に実行した実績があるということです。これは事業ポートフォリオの規律という点では前向きに評価できる一方、自分の配属領域が将来の再編対象になり得るという視点も同時に必要になります(推定情報)。面接では、応募先セグメントが中期経営計画のなかでどう位置づけられているかを確認する価値があります。

なお、譲渡対象事業に在籍していた従業員の処遇条件については、本記事の調査範囲では公開情報を取得できていません。憶測での記載は避けます。

同業の食品卸各社と、どう比べるべきか

トーホーを検討する人が同時に見る会社は、大きく「業務用卸」と「一般食品卸」に分かれます。ここを混ぜて比較すると判断がぶれるため、ポジションの違いで整理します。なお、下表の各社の有価証券報告書の実額(平均年収等)は本記事では取得しておらず、数値比較は行いません。比較軸の提示にとどめます(企業ポジションの評価は推定情報を含みます)。

企業名(証券コード)ポジショントーホーとの比較軸転職検討時の見方
トーホー(8142)業務用食品卸+現金卸店舗+厨房機器等の複合。持株会社制売上2,597億円・営業利益率約3.0%(2026年1月期・連結)卸と店舗の両方の働き方が選べる一方、応募先法人の特定が必須
尾家産業(7481)業務用食品卸の専業。最も直接的な比較対象事業構成が業務用卸に近く、仕事内容の比較がしやすい「業務用卸の営業職」というキャリアの標準形を確認する相手
久世(2708)首都圏中心の業務用食品卸商圏が首都圏寄り。トーホーは神戸本社・九州発祥で商圏が異なる勤務地の希望が首都圏なら比較対象に入りやすい
加藤産業(9869)総合食品卸(量販店向けが中心)顧客が飲食店ではなくスーパー等。仕事の質が異なる「食品卸」でひとくくりにせず、顧客層の違いで選び分ける
ヤマエグループホールディングス(7130)九州地盤の食品卸を中核とする複合企業トーホーの創業地(佐賀)・九州基盤と商圏が重なる九州エリアでのキャリアを考えるなら併願候補になりやすい

比較のコツは、「同じ食品卸だから」で並べないことです。業務用卸(顧客=飲食店・給食施設)と一般食品卸(顧客=スーパー・コンビニ)では、営業の提案内容も、配送の頻度も、求められる知識も違います。トーホーの求人を検討しているなら、まず尾家産業・久世のような業務用専業の同業を並べたうえで、それでも条件面で迷うなら一般食品卸まで視野を広げる、という順番が合理的です。

将来性をどう評価するか|追い風と構造的な負荷が同居している

結論として、トーホーの事業環境は需要面では追い風、コスト面では逆風という二面性を持っています。「今後も成長が期待される」という一般論ではなく、具体的な材料で分けて見ます。

追い風:外食・中食需要と海外展開、中期経営計画

業界文脈として、外食産業の市場規模はコロナ禍の落ち込みから回復が進み、インバウンド需要や外食単価の上昇もあって回復基調にあるとされます。加えて、惣菜・弁当などの中食、病院・介護・社員食堂といった給食領域の底堅さが業務用卸の売上を支えます。トーホーの2026年1月期がディストリビューター事業2,009億円で全体の約77%を占める構造は、この需要をまともに受ける形になっています。

企業固有の材料としては、次の3点が挙げられます(公式情報・公式サイトの沿革およびIR開示による)。

  • 海外展開:2015年12月にシンガポール子会社を設立して海外初進出。2026年2月にはベトナムの食品企業へ出資しています。国内成熟市場の食品卸としては珍しい成長軸です。
  • 中期経営計画「SHIFT-UP 2027」:2024年2月に開始。応募者が面接で議論できる経営方針の軸が明示されています。
  • メーカー機能の保有:1951年に戦後初のコーヒー豆輸入取引を開始した経緯があり、現在も持株会社トーホー自身がコーヒーの製造(toho coffee)を事業に掲げています。1970年10月に本格化した業務用自社ブランド「GBブランド」も含め、単なる仲介ではなく商品を作る機能を持っています。

逆風:物流コストと価格転嫁、そして薄い利幅

一方の負荷は明確です。2024年4月のトラックドライバーの時間外労働上限規制以降、配送コストとドライバー確保は業界共通の経営課題になりました。多頻度小口配送を前提とする業務用卸は影響が特に大きく、配送ルートの再設計、納品時間帯の見直し、物流拠点の効率化といった対応が各社で進んでいます。さらに、円安と原材料・エネルギー価格の上昇により仕入価格は上がり続けており、飲食店側への価格転嫁のペースは一様ではありません。営業利益率約3.0%という薄い利幅は、これらのコスト変動を吸収する余地が小さいことを意味します(推定情報)。

転職者にとっての実務的な含意はこうです。「安く運ぶ」だけでは評価されにくく、原価を抑えられる代替商材の提案、規格変更、PB・オリジナル商品の活用といった付加価値提案ができる人材の市場価値が上がる局面にあります。同時に、物流企画・SCM・拠点マネジメントの人材需要も高まっており、営業職からロジスティクス側へ移るキャリアも現実的な選択肢です。

資本構成と、押さえておくべきリスク

転職判断に直結しにくい項目に見えますが、資本構成は「会社が今後どこへ動くか」の手がかりになります。事実だけを整理します。

有価証券報告書(第73期)によると、2026年1月時点の大株主上位は、国分ホールディングス9.17%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)6.68%、国分グループ本社5.17%、トーホー社員持株会4.11%、第一生命保険2.89%などとなっています(公式情報)。国分グループ2社を合計すると約14.3%となり、実質的な筆頭株主グループを形成しています。ただし親会社化・連結子会社化はされておらず、トーホーは独立した上場会社として運営されています。公式サイトの沿革によると、2021年8月30日に国分グループ本社と業務提携基本契約を締結、また2015年6月にはバローホールディングスと資本・業務提携を行っています。

あわせて、2026年1月13日「株式の売出しに関するお知らせ」および同年1月21日「売出価格等の決定に関するお知らせ」が開示されています。売出人が誰か、どのような目的かは本記事の調査範囲では特定できておらず、憶測は書きません。事実として言えるのは、資本構成が動いている局面にあるという点までです。なお、TOBや非公開化に関する開示は、今回の調査範囲では確認できなかったことを付記します。

行政処分・不祥事・重大訴訟については、今回の調査範囲(公式サイトおよび適時開示のタイトル一覧)で該当する開示を確認できなかった、というのが本記事の到達点です。網羅的な報道検索までは実施していないため、「一切ない」と断定はしません。選考前にご自身でも最新の開示情報を確認することをおすすめします。

そのほか、転職判断上のリスク要因として挙げられるのは次の点です(推定情報を含みます)。

  • 顧客である飲食店の業況に業績が左右されやすく、外部ショック時の影響を受けやすい
  • 掛売り取引が中心のため、売掛金の回収や与信管理の負荷が現場営業に及ぶ可能性がある
  • 全国・地域に営業所と物流拠点があり、異動・転勤の範囲が広くなりやすい
  • 業務用卸は早朝配送や店舗の土日稼働が構造的に発生しやすい業態。ただしトーホー個社の労働時間・残業実態・離職率を示す一次データは本記事では取得できておらず、業態一般の話として記載しています

トーホーグループの就職難易度をどう考えるか

「トーホーグループ 就職難易度」という検索は一定数存在します。ただし選考倍率や採用大学といった公表データは存在しないため、断定的な難易度評価はできません(推定情報)。判断材料になるのは構造的な事実です。新卒は持株会社である株式会社トーホーが一括で採用し、中途は事業会社ごとに募集するという体制のため、新卒は母集団が集中して相対的に競争が生じやすく、中途は募集職種ごとに要件が分かれて比較的ピンポイントな選考になると考えられます。中途で評価されやすいのは、食品卸・食品メーカーの業務用チャネル営業経験、店舗運営・SVの経験、物流・SCM企画の経験、そして飲食店の経営課題に踏み込める提案経験です。業界未経験の場合でも、法人向けルート営業や小売店舗のマネジメント経験は接続しやすい領域といえます。いずれにせよ、難易度は「会社」ではなく「応募する法人と職種」で決まるという点が、この会社では特に強く当てはまります。

トーホーへの転職が向いている人・向いていない人

これまでの公式情報・業態構造をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。会社の良し悪しではなく、相性の問題として読んでください。

向いている人向いていない人
飲食店の現場に入り込み、食材だけでなく原価やメニューまで踏み込んだ提案をしたい人提案よりも既存ルートの維持を中心に据えたい人(価格転嫁局面では提案力が問われやすい)
顧客の営業時間に合わせた勤務時間帯(早朝納品・土日シフト等)を許容できる人勤務時間帯が固定された働き方を最優先したい人
薄利多売の事業構造を理解し、物流・在庫・与信まで含めて数字を設計したい人高い利益率を前提とした報酬設計・インセンティブを重視する人
多様な雇用形態のメンバーを束ねる現場マネジメントに手応えを感じる人少人数の専門組織で個人成果を積み上げたい人
神戸・関西または九州を軸にキャリアを築きたい人、Jobリターン制度のような復帰の選択肢を評価する人勤務地を限定したい人(営業所・物流拠点が広域にあるため異動範囲が広くなりやすい)

トーホー(8142)に関するよくある質問

業務用食品卸のトーホーへの転職・就職を検討する人からよくある質問と回答をまとめました。

トーホーの本社はどこにありますか?

公式サイトによると、本社は兵庫県神戸市東灘区向洋町西5丁目9番(六甲アイランド)です。ただし本社は持株会社の所在地であり、営業所・物流センター・A-プライス店舗は全国各地にあります。応募時の勤務地は募集要項で個別に確認してください。

平均年収680万円は、入社したら得られる水準ですか?

有価証券報告書(第73期・2026年1月期)によると680万円ですが、これは提出会社である持株会社の従業員162名の平均です。連結従業員3,876名の大半が所属する事業会社の平均年収は有価証券報告書では開示されていません。持株会社の本社機能ポジションに応募する場合は参考になりますが、事業会社の営業職・店舗職の水準を示す数字ではありません。

中途採用はどこに応募すればよいですか?

公式採用サイトによると、新卒は株式会社トーホーが窓口ですが、中途採用はトーホーフードサービス、トーホーキャッシュアンドキャリー、トーホー沖縄など事業会社ごとに募集されています。応募先の法人によって職種も勤務地も条件も変わるため、募集要項に記載された法人名を最初に確認してください。なお、退職者を再雇用するJobリターン制度がグループとして公式に設けられています。

映画館のTOHOシネマズや、東邦ホールディングスと同じ会社ですか?

いいえ、別法人です。本記事のトーホーは証券コード8142・東証プライム上場・本社神戸の業務用食品卸です。TOHOシネマズを運営する東宝(9602)、医薬品卸の東邦ホールディングス(8129)、非鉄金属の東邦亜鉛(5707)とは資本関係も事業内容も異なります。求人情報や口コミを見る際は、社名だけでなく証券コードや本社所在地で確認してください。

就職難易度は高いですか?

選考倍率や採用実績校は公表されていないため、難易度を数値で示すことはできません。ただし新卒は持株会社が一括採用、中途は事業会社ごとの職種別募集という違いがあり、中途は求人要件との適合度が選考の主軸になると考えられます(推定情報)。

決算期が1月なのは働き方に影響しますか?

トーホーの決算期は1月31日で、有価証券報告書は4月下旬に提出されています。3月決算の会社とは期首・期末のタイミングが2か月ずれるため、期末の繁忙時期、評価サイクル、賞与の支給月が一般的な会社と異なる可能性があります(推定情報)。選考時に評価制度のスケジュールを確認しておくと、入社後のイメージがつかみやすくなります。

トーホー(8142)への転職判断まとめ

ここまでの内容を、判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票だけでなく自分の経験・適性も含めて確認しましょう。

判断軸評価
年収の判断可能性持株会社は有報で680万円と確認可能。事業会社は有価証券報告書では開示されていないため、求人票と労働条件通知書で確認が必要
事業の安定性売上2,597億円で3期連続増収。ただし営業利益は78.2億円→75.0億円→78.5億円と横ばい圏で、利益率は約3.0%
事業の方向性2024年3月に食品スーパー事業を譲渡し業務用へ特化。中計「SHIFT-UP 2027」と東南アジア展開が成長軸
働き方の見通し応募先法人と職種(ルート営業/店舗運営/ソリューション提案)で大きく変わる。特定せずに判断するのは困難
組織・人員構造連結3,876名のうち約34%が臨時従業員。店舗・物流をパート戦力で回す業態
情報の透明性業績・セグメント・大株主は有報で確認可能。一方、事業会社の給与や労働時間の一次データは公開されていない
資本面の注目点国分グループ2社で約14.3%の実質的筆頭株主グループ。2026年1月に株式の売出しが開示され、資本構成が動く局面

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

本文中の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数・従業員数・業績・セグメント・大株主の各数値は、第73期(2026年1月期)有価証券報告書に基づきます。取得経路はEDINET提出XBRLを機械転載しているIRバンク(EDINETコードE02665)であり、有報PDF原本の該当ページとの直接照合は行っていません。

口コミ・評判の参照元

上記の口コミサイトについては、本記事執筆時点で同社該当ページのデータを取得できなかったため、投稿件数・評点等の数値は記載していません。

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ傾向・推定情報の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・従業員数などの中核データは有価証券報告書「従業員の状況」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。とくに本記事では、持株会社制を採用する企業の有報数値が現場実態と乖離する点を明示し、開示範囲の限界をそのまま記載する方針をとりました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

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コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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