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クワザワホールディングスの年収と評判|有報に並ぶ3社の実額656・564・470万円

コロ助

※本記事にはプロモーションを含みます。

この記事の結論

  • 年収の主値:中核事業会社の株式会社クワザワが約564万円(342名)
  • 持株会社の注意点:有報の656万円は70名の本社機能のみの数字
  • 第77期業績:減収・営業減益で営業利益率は約2.1%の薄利構造
  • 働き方:平均勤続12〜17年・労働組合なしの定着型の地場企業

クワザワホールディングスは、北海道札幌市に本社を置く建設資材の専門商社グループです。創業は1933年、東京証券取引所スタンダード市場と札幌証券取引所の重複上場企業で、連結従業員数は1,009名。転職メディアで「平均年収656万円」と紹介されることがありますが、これは持株会社であるクワザワホールディングス単体(70名)の数字であり、現場で働く社員の実態を示していません。第77期の有価証券報告書には、グループ内の3社について平均年間給与の実額が並記されています。この記事では、その3つの数字の読み分けを起点に、業績・働き方・人材データ・将来性まで一次情報で整理します。

クワザワホールディングスの公式データ一覧(有価証券報告書ベース)

まず判断の土台になる数値を一覧にします。すべて第77期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書および決算短信にもとづく公式情報です。平均年間給与は持株会社単体と主要事業会社の両方を載せています。理由は次の章で詳しく解説します。

項目内容
商号クワザワホールディングス株式会社(証券コード8104)
本社北海道札幌市白石区中央2条7丁目1番1号
上場区分東京証券取引所スタンダード市場/札幌証券取引所(重複上場)
代表者代表取締役社長 桑澤 嘉英
創業/設立創業1933年(1951年2月に株式会社桑澤商店として法人化)
資本金4億1,736万円
平均年間給与提出会社(持株会社単体)6,559千円/株式会社クワザワ 5,635千円/山光運輸株式会社 4,697千円
平均年齢提出会社42.6歳/株式会社クワザワ45.3歳/山光運輸49.7歳
平均勤続年数提出会社12.7年/株式会社クワザワ13.4年/山光運輸16.9年
従業員数連結1,009名(提出会社70名/株式会社クワザワ342名/山光運輸145名)
売上高連結648億2百万円(前期比0.9%減)
営業利益連結13億78百万円(前期比5.8%減/営業利益率約2.1%)
経常利益連結16億95百万円(前期比2.1%増)
当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益10億78百万円(前期比44.2%増)
自己資本比率38.8%(ネットキャッシュ74億90百万円)
労働組合結成されていない(有価証券報告書に記載)
出典第77期(2026年3月期)有価証券報告書/2026年3月期決算短信

年収は「3種類」ある|持株会社の数字をそのまま読んではいけない理由

この会社を調べるうえで最初に押さえるべき結論は、クワザワホールディングスの平均年間給与には、性格の異なる3つの数字が存在するということです。転職検討者が実際に受け取る待遇に最も近いのは、656万円ではなく約564万円のほうです。ここを取り違えると、年収の期待値が100万円近くずれたまま選考に進むことになります。

求職者
求職者

転職サイトでは「平均年収656万円」と出てくるのですが、これを基準に考えていいのでしょうか?

提出会社6,559千円は「70名の本社機能」だけの数字

公式情報として、第77期有価証券報告書の「従業員の状況等」には、提出会社であるクワザワホールディングスの平均年間給与が6,559千円(約656万円)、従業員数70名、平均年齢42.6歳、平均勤続年数12.7年と記載されています。前事業年度比では+6.8%と伸びています。

ただし同じ有価証券報告書には、「提出会社の従業員は、すべて持株会社に属しております」という趣旨の注記が添えられています。2020年10月に持株会社体制へ移行して以降、提出会社に在籍する70名は経営企画・管理・グループ統括といった本社機能の担い手であり、建材を売る営業も、現場で工事を管理する社員も、資材を運ぶドライバーもここには含まれません。連結1,009名のうち約7%にすぎない層の給与が、外部メディアでは「クワザワの年収」として一人歩きしやすい構造です。

なお提出会社の人員は第73期の55名から第77期の70名へと増えており、持株会社としての機能が拡大していることが読み取れます(公式情報)。管理部門・経営企画のキャリアを志向する人にとっては、この70名の枠が実質的な受け皿になると考えられます(推定情報)。

転職検討者が基準にすべきは株式会社クワザワの5,635千円

有価証券報告書は、提出会社に加えてグループ内で人員規模の大きい会社の実額も併記しています。中核事業会社である株式会社クワザワ(建設資材の販売を担う会社)は、平均年間給与5,635千円(約564万円)、従業員342名、平均年齢45.3歳、平均勤続年数13.4年、前期比+5.2%です(公式情報)。

建材営業や住宅資材の提案営業として応募する場合、実際に所属する法人はこの株式会社クワザワになる可能性が高く、年収の期待値はこちらの564万円を出発点に置くのが妥当です。342名という人員は連結の約34%を占め、単一法人としてはグループ最大です。持株会社の656万円との差は約92万円あります。

山光運輸4,697千円と、職種間で開く約190万円の差

3つ目の数字が、資材運送を担う山光運輸株式会社です。平均年間給与4,697千円(約470万円)、従業員145名、平均年齢49.7歳、平均勤続年数16.9年(公式情報)。前期比は△0.5%で、3社のなかで唯一の減少です。平均年齢が49.7歳と際立って高く、勤続16.9年という数字と合わせると、長く勤める中高年層が中心の職場構成であることが読み取れます。

持株会社の656万円と山光運輸の470万円では、約190万円の開きがあります。同じ「クワザワグループ」という括りでも、どの法人・どの職種で入社するかによって待遇のレンジが大きく変わる点は、応募前に必ず確認すべきポイントです。

会社平均年間給与従業員数平均年齢平均勤続年数前期比
クワザワホールディングス(提出会社・持株会社)6,559千円(約656万円)70名42.6歳12.7年+6.8%
株式会社クワザワ(建設資材販売の中核会社)5,635千円(約564万円)342名45.3歳13.4年+5.2%
山光運輸株式会社(資材運送)4,697千円(約470万円)145名49.7歳16.9年△0.5%

いずれも賞与および基準外賃金を含む金額です(公式情報)。持株会社を採用する上場企業のなかには、提出会社の数値しか開示せず事業会社の給与水準がまったく分からないケースも珍しくありません。その意味で、3社の実額を並べて開示しているクワザワホールディングスの開示姿勢は、応募者にとって親切な部類だと言えます。数字が多くて分かりにくいのではなく、判断材料が多いと捉えるのが正しい読み方です。

口コミの平均年収417万円と有報564万円のギャップをどう読むか

結論から言えば、どちらか一方が誤りというわけではありません。集計している母集団と、含まれる賃金項目が違うだけです。ここを理解しておくと、年収交渉の場面で自分の相場観がぶれません。

口コミ傾向として、OpenWorkに集計されている社員クチコミの平均年収は417万円(レンジ350〜480万円)です。ただし年収データの投稿件数は14件にとどまります。有価証券報告書の株式会社クワザワ564万円との差は約147万円ありますが、この差が生まれる要因は次のように整理できます(推定情報を含みます)。

  • 母集団の違い:有報は在籍する正社員全体の平均で、管理職・ベテラン層まで含む。口コミは投稿者の職種・年齢に偏りが出やすく、若手〜中堅の投稿が集まりやすい
  • 賃金項目の違い:有報の数値は賞与および基準外賃金(時間外手当等)を含む。口コミは「基本年収」の感覚で回答されることがある
  • 法人の違い:クワザワグループには連結子会社が17社あり、口コミがどの法人の在籍者によるものか特定できない
  • 投稿時期の違い:有報は第77期の直近実績。口コミは数年前の在籍経験にもとづく投稿が混在する

実務的な結論としては、有報の564万円を「賞与込み・全社員平均の上限側の目安」、口コミの417万円を「若手〜中堅層の実感値の下限側の目安」として、その間で自分のポジションを想定するのが安全です(推定情報)。

転職時に必ず確認したい年収の内訳

建材商社は基本給に対して賞与のウエイトが業績で動きやすい業種です。内定時には、労働条件通知書で以下を確認してください。

  • 所属法人がどこか(持株会社/株式会社クワザワ/その他子会社のいずれか)
  • 提示年収に賞与見込みが含まれるか、含まれる場合の算定根拠(何か月分か)
  • 時間外手当の扱い(固定残業代の有無と時間数)
  • 営業職の場合、インセンティブや達成給の有無と支給実績
  • 資材運送に関わる職種の場合、運行手当・深夜手当など基準外賃金の比率

特に山光運輸の平均給与が前期比△0.5%と唯一減少している点は、後述するセグメント損益と合わせて質問の切り口になります(推定情報)。

第77期の業績を分解する|減収・営業減益と純利益44.2%増の中身

入社後の給与原資は、当然ながら会社の稼ぐ力に左右されます。第77期の見出し数字は「純利益が過去5期で最高」ですが、その中身を分解すると本業は減収・減益です。ここを正確に把握しておくと、面接で業績の話題になったときにも上滑りしません。

本業の指標は前期割れ。営業利益率2.1%という薄利構造

公式情報として、第77期の連結売上高は648億2百万円(前期比0.9%減)、営業利益は13億78百万円(同5.8%減)、経常利益16億95百万円(同2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億78百万円(同44.2%増)でした。

純利益の大幅増は、減損損失が前期比97.6%減となったことなど特別損益の要因を含みます。つまり「本業が急に強くなった」わけではありません。営業減益の主因は、有価証券報告書によるとPCの入れ替えや基幹システムの分析費用といった一時的な販管費の増加で、販管費は83億42百万円(+8.5%)に膨らんでいます。営業利益率は約2.1%で、商社・卸売業として利幅の薄い構造にある点は正しく認識しておく必要があります。

ただし販管費増の中身がシステム投資に関わるものであることを踏まえると、2026年4月新設のDX推進部と合わせて、レガシーな商流のデジタル化に向けた移行期のコストと解釈する余地はあります(推定情報)。この点は、業務改善やシステム企画の経験がある人にとってはむしろ入り込む余地があるとも読めます。

5期推移で見ると「横ばい〜微減」。急拡大も急縮小もない

売上高の5期推移は629億47百万円 → 643億8百万円 → 648億32百万円 → 654億6百万円 → 648億2百万円です(公式情報)。5年間のレンジは約25億円、率にして4%程度で、ほぼ横ばいと言える動きです。

連結従業員数も1,031名 → 1,012名 → 1,009名 → 1,014名 → 1,009名とほとんど動いていません。売上・人員のどちらも大きく振れないということは、「成長による大量採用でポストが増える会社」ではないことを意味します(推定情報)。裏を返せば、景気変動で人員が急激に増減するリスクも小さい構造です。安定志向で腰を据えて働きたい人と、事業拡大のスピード感を求める人とで評価が正反対に割れやすい部分です。

セグメント別に見ると、伸びている事業と赤字転落した事業が分かれる

第77期のセグメント別の状況は公式情報として次の通りです。

セグメント販売高前期比セグメント利益従業員数
建設資材349億26百万円+1.9%6億73百万円(△4.4%)405名
建設工事257億25百万円△4.7%4億53百万円(△1.0%)260名
資材運送35億46百万円△0.3%28百万円の損失(前期は45百万円の利益)253名
不動産賃貸2億65百万円+0.9%2億5百万円(+2.8%)0名
その他3億39百万円+9.8%50百万円(+11.3%)21名

読み取れるポイントは3つあります。

  • 建設資材が唯一の増収:セメント・生コン・土木資材から外装内装材・断熱材・サッシ、キッチンやバス等の住宅設備までを扱う主力事業で、売上は+1.9%。ただしセグメント利益は△4.4%で、増収減益となっています
  • 建設工事は△4.7%の減収だが受注残は積み上がっている:資材関連工事・内装工事・住宅リフォーム・マンション大規模修繕を担う事業で、当期は減収でしたが、受注残高は94億4百万円(前期比+19.6%)と大きく増えています
  • 資材運送が赤字転落:前期の45百万円の利益から、当期は28百万円のセグメント損失へ。253名という人員規模に対して売上35億円と、労働集約性の高い事業構造です

不動産賃貸セグメントの従業員数が0名(専従者なし)でありながら2億5百万円の利益を生んでいる点も特徴的です。保有不動産の賃貸収益が、人手をかけずに営業利益を下支えする構図になっています(公式情報)。

財務は堅い|実質無借金・増配・自己株式取得

収益性は薄い一方で、財務の安定性は明確な強みです。第77期末の自己資本比率は38.8%、現預金93億14百万円、有利子負債を控除したネットキャッシュは74億90百万円で、有価証券報告書には「実質無借金経営」と明記されています(公式情報)。総資産442億96百万円、純資産172億71百万円、ROE6.5%、営業キャッシュ・フローは+25億45百万円です。

株主還元では、2026年5月15日に配当方針の変更を開示し、1株当たり配当を18円から26円へ増配しています。2026年2月にはToSTNeT-3による自己株式取得も実施しました。売上は横ばいでも、キャッシュを厚く持ち還元を強めるという、地方の老舗上場企業らしい財務運営です。給与原資が急に枯渇するタイプの財務状態ではないという点は、転職時の安心材料になり得ます(推定情報)。

有価証券報告書が示す人材データ|定着率の高さと、法定雇用率未達という事実

この会社の人材データは、良い面と課題が同じ資料のなかに並んで書かれているのが特徴です。都合の良い部分だけを見ないよう、両方を確認します。

平均勤続12.7〜16.9年。静かに長く働く職場

公式情報として、平均勤続年数は提出会社12.7年、株式会社クワザワ13.4年、山光運輸16.9年です。3社すべてが10年を超えており、これは地場の中堅企業として定着率が高い部類に入ります。平均年齢も42.6歳・45.3歳・49.7歳と、若年層中心の職場ではありません。

また有価証券報告書には労働組合が結成されていないことが明記されています。組合がないこと自体は珍しくありませんが、労働条件の改定が労使交渉ではなく会社側の判断で進む体制であることは、応募前に把握しておくべき事実です(公式情報)。人的資本の関連数値としては、新卒研修904時間(受講6名)、新任管理職研修等1,394時間(受講100名)、健康診断受診率100%が開示されています。

障害者雇用率1.6%で法定雇用率2.5%に未達(有報に明記)

ネガティブな事実として明確に記載されているのがこの項目です。公式情報として、有価証券報告書には障害者雇用率が1.6%(当社および主要子会社である株式会社クワザワの集計)で、民間企業の法定雇用率2.5%に未達であり、当事業年度は障害者雇用納付金を納付している旨が記載されています。

これは口コミでも噂でもなく、会社自身が有価証券報告書に書いた事実です。納付金の納付は法令上のペナルティ的な位置づけであり、ダイバーシティ関連の取り組みが道半ばであることを示しています。一方で、この事実を隠さず開示している点は、コンプライアンス面での姿勢として評価する見方もできます(推定情報)。

女性管理職比率・男女賃金差異は課題、男性育休は高水準

多様性関連の開示も公式情報として揃っています。管理職に占める女性労働者の割合は、クワザワホールディングス7.4%、株式会社クワザワ2.4%、山光運輸0.0%。男女の賃金差異は提出会社で全労働者65.8%・正規雇用65.2%、株式会社クワザワで68.5%・67.9%です。建設・運送という業種特性を差し引いても、女性が管理職まで進むルートが太いとは言いにくい数字です。

一方で男性の育児休業取得率はクワザワホールディングスで100%、株式会社クワザワで50%と、中小規模の地方企業としては高い水準にあります。有価証券報告書の人材戦略基本方針には「働きがいのある会社をつくる」という一文が掲げられており、制度面の整備は進みつつある一方で、登用や賃金の結果指標にはまだ反映しきれていない段階と読めます(推定情報)。

口コミ傾向から見える社風|「守りの評価が高く、攻めの評価が低い」典型パターン

ここからは口コミ傾向の話です。断定はできませんが、評価項目の高低にはっきりした傾向が出ており、社風を推し量る材料になります。

OpenWorkでの総合評価は3.32(掲載企業80,180社中の上位7%)、社員クチコミは83件です。項目別のスコアは次のように分かれています。

評価が高い項目スコア評価が低い項目スコア
法令順守意識4.3人事評価の適正感2.9
風通しの良さ3.720代成長環境2.8
社員の相互尊重3.4人材の長期育成2.8
社員の士気3.3待遇面の満足度2.6

この分布は、「上場企業としてコンプライアンスはきちんとしている・人間関係は悪くない」という守りの評価が高く、「給与が上がりにくい・評価基準が見えにくい・若手が急成長する環境ではない」という攻めの評価が低いという、地方の老舗商社に典型的なパターンです(口コミ傾向)。

働き方の数値では、月間残業28.7時間、有給休暇消化率60.5%という集計が出ています。建設関連の業種としては残業が突出して多いとは言えない水準で、有報が示す平均勤続12〜17年という定着の実績とも整合します。「長く静かに働ける代わりに、給与カーブと評価の透明性には物足りなさを感じる人がいる」という読み方が、公式データと口コミの両方に矛盾しない解釈です(推定情報)。

口コミを読むときに注意すべき2つの落とし穴

この会社の口コミは、母集団と社名表記に注意が必要です。

  • 社名表記の混在:転職会議では「クワザワホールディングス(旧:クワザワ)」という表記です。件数は127件と各媒体で最多ですが、2020年10月の持株会社移行より前の在籍経験にもとづく投稿が混ざっている可能性があります
  • 回答者数が一桁の媒体がある:エン カイシャの評判では、クワザワホールディングスが総合3.3(正社員4名回答・全21件)、株式会社クワザワが総合3.3(全23件)と、統計的な信頼性を語れる母数ではありません

選考プロセスについては、口コミ傾向として「面接は基本的な質問が中心で和やかだった」という投稿が見られます。また副業は不可との記載も確認できます。ただしこれらは投稿者個人の体験であり、現在の運用と一致する保証はないため、選考時に自身で確認してください。

北海道依存という会社自認のリスクと、将来性の読み方

将来性を考えるうえで重要なのは、会社自身が有価証券報告書の「事業等のリスク」で地域集中を課題として明記している点です。外部からの指摘ではなく自認であるため、経営課題として社内で共有されていると考えられます。

市場の逆風:新設住宅着工の縮小と省エネ基準義務化

建材流通業界全体の構造として、新設住宅着工戸数は中長期で縮小傾向にあります。2025年度は約71万戸と前年度比で大きく落ち込みました。2025年4月施行の改正建築基準法による省エネ基準の適合義務化(いわゆる4号特例の縮小)に伴う駆け込みと反動、着工前審査の長期化が影響しています。2026年度は持ち直すとの民間予測もありますが、住宅価格と所得の乖離という構造要因は残ります(推定情報)。

クワザワホールディングスの有価証券報告書には、リスク要因として北海道地域への依存度の高さ、新設住宅着工戸数の減少、資材価格・労務費高騰の価格転嫁の難しさ、外注先および大型車ドライバーの確保難が挙げられています(公式情報)。売上648億円の大半を道内需要が占める構造では、全国の平均的な着工動向以上に、道内の公共投資と住宅需要の振れが業績に直結します。

逆風下でも効く要素:受注残・リフォーム・実質無借金

一方で、逆風だけを見て将来性を評価するのも正確ではありません。プラス材料として次の点が挙げられます。

  • 建設工事の受注残高94億4百万円(+19.6%):当期売上は減った一方で、翌期以降に計上される仕事が積み上がっています(公式情報)
  • 新築依存だけではない事業構成:住宅リフォーム、マンション大規模修繕というストック型の需要を建設工事セグメントに抱えています。新築が縮んでも既存住宅の改修需要は残るため、市場縮小の影響を一部相殺できる構造です(推定情報)
  • M&Aによる領域拡張:マンション大規模改修を手がける会社の買収など、シナジーを狙った投資を戦略に掲げています。建材卸売業界全体で事業承継を背景とした再編が続いており、買収した会社の統合・管理を担うポジションの需要が増えやすい環境です(推定情報)
  • ネットキャッシュ74億90百万円:投資余力と耐久力の両方を持ちます

資本構造:仕入先メーカーと地銀が支える地場商社型

大株主の構成も転職判断に関わります。公式情報として、上位株主には太平洋セメント18.24%、桑澤商事9.42%、吉野石膏5.42%、LIXIL 2.29%、北海道銀行2.19%、クワザワ従業員持株会2.17%、北洋銀行2.10%などが並び、上位10名の合計は46.29%です。所有者別ではその他の法人42.92%、個人その他48.30%、金融機関7.37%です。

仕入先である建材メーカーと地元金融機関が株式を保有する、典型的な地場商社の資本構造です。取引関係の安定という利点がある一方、経営に対する外部からの変革圧力はかかりにくい構造とも言えます(推定情報)。なお2026年9月時点で、TOBや非公開化、上場廃止に関する開示はありません。時価総額は100億円前後の小型株です。

不祥事・行政処分に関する公開情報の状況

公開情報を確認した範囲では、クワザワホールディングスおよびグループ会社に対する行政処分、課徴金納付命令、公表された係争中の重大訴訟は確認できませんでした。第77期有価証券報告書の「重要な契約等」は該当なしとされ、内部統制報告書は「有効」と評価されています。有価証券報告書のリスク項目には契約不適合や訴訟提起の一般的な可能性が記載されていますが、これは多くの企業が定型的に記載する内容で、具体的な係争事案を示すものではありません。「不祥事がない」と断定するのではなく、公開されている情報の範囲では該当する事案が見当たらないという理解が正確です。

建材流通の上場企業との比較|比較対象の選び方

クワザワホールディングスを検討する人が実際に併願しやすいのは、建材流通の上場企業と北海道の地元上場企業の2方向です。有価証券報告書の実額を本記事で取得している企業のみ、数値を記載します(推定情報を含むため、最新の正確な数値は各社の公式IRで再確認してください)。

企業名(コード)上場区分連結売上高有報の平均年間給与比較のポイント
クワザワホールディングス(8104)東証スタンダード/札証648億2百万円提出会社656万円/株式会社クワザワ564万円北海道地盤。建材卸+工事+運送の複合。実質無借金だが営業利益率2.1%
ナイス(8089)東証スタンダード2,591億54百万円666.2万円(前期比△3.0%)横浜市の木材建材商社。売上規模は約4倍だが建築資材の営業利益率は約0.9%と、卸機能の薄利は共通
OCHIホールディングス(3166)東証スタンダード—(本記事で一次情報を取得していないため記載せず)—(同左)九州地盤の住宅建材卸。持株会社体制で建材+工事という構造がクワザワHDと酷似しており、比較対象として最も近い
ジオリーブグループ(3157)東証スタンダード—(本記事で一次情報を取得していないため記載せず)—(同左)合板・建材卸大手。クワザワとは1999年発足の業務提携グループの参加企業でもあり、取引実務の親和性が高い
土屋ホールディングス(1840)東証スタンダード—(本記事で一次情報を取得していないため記載せず)—(同左)札幌本社の住宅・リフォーム系。道内で働き続けたい層にとっての現実的な比較先

比較の視点として押さえたいのは、売上規模の大きさが給与水準に直結するとは限らないことです。ナイスの売上はクワザワホールディングスの約4倍ですが、主力の建築資材事業の営業利益率は約0.9%で、クワザワホールディングス全社の2.1%を下回ります。売上高よりも「どのセグメントで利益を出しているか」を見るほうが、給与原資の実態に近づけます(推定情報)。

職種別に見る仕事内容とキャリアの広がり

クワザワグループには連結子会社17社、持分法適用関連会社2社があり、入社後に関わる仕事は所属法人によって大きく異なります。主な職種と、その先のキャリアの広がりを整理します(職種内容は公式情報にもとづく事業内容から、キャリアの見立ては推定情報です)。

建設資材の営業(従業員405名・最大の職種群)

セメント・生コン・土木資材・鉄鋼といった基礎資材、外装内装材・断熱材・サッシなどの建築資材、キッチンやバス・給湯暖房機器といった住宅資材を、メーカーや他商社から仕入れ、建材販売店・ハウスメーカー・ゼネコン・工務店へ販売する仕事です。生コンとサッシは製造加工販売も手がけているため、単純な仲介ではなく加工手配や納期調整まで含めた実務になります。この経験は、住宅建材メーカーの営業職、同業の建材商社、地場の有力材木店やプレカット企業へ転職する際に、顧客基盤と商品知識がそのまま活きる資産になります(推定情報)。

建設工事(従業員260名・受注残が積み上がる領域)

資材関連工事、内装等の専業工事、住宅リフォーム、マンション大規模修繕を担います。受注残高が94億4百万円(+19.6%)と伸びている領域であり、施工管理・工事管理の経験者にとっては当面の業務量が見込みやすいポジションと考えられます。新築着工が縮小するなかでリフォーム・大規模修繕というストック型の仕事を持つ点は、キャリアの持続性という観点で評価できます(推定情報)。

資材運送・物流(従業員253名・課題領域)

セメントや建材の運送、車両リース、倉庫業務を担う領域です。第77期はセグメント損失28百万円と赤字転落し、平均年齢49.7歳・平均給与470万円(前期比△0.5%)という数字も、他の2社と比べて厳しめです。一方で大型車ドライバーの確保難が有価証券報告書に経営課題として明記されているため、この領域の人材需要そのものは強いと読めます(公式情報および推定情報)。物流効率化やSCMの知見を持つ人にとっては、改善余地が大きい=成果を示しやすい領域とも言えます。

本社・管理部門という選択肢(従業員70名・DX推進部を新設)

持株会社であるクワザワホールディングスに所属する70名が担う、経営企画・グループ管理・財務・人事などの領域です。2026年4月にはDX推進部が新設され、対処すべき課題として明記されています。第77期の営業減益要因が基幹システムの分析費用だったことを踏まえると、基幹システムの刷新や受発注のデジタル化は進行中のテーマと考えられます(推定情報)。経営企画・情報システムの経験者にとっては、意思決定に近い距離で働ける環境になり得ます。

クワザワホールディングスへの転職が向いている人・向いていない人

ここまでの公式情報と口コミ傾向をふまえ、適性を整理します(推定情報を含みます)。

向いている人向いていない人
北海道で腰を据えて長く働きたい人(平均勤続12〜17年)短期間で大幅な年収アップを実現したい人(待遇面の口コミ評価は2.6)
財務の安定を重視する人(実質無借金・ネットキャッシュ74億円)成長企業のスピード感やポスト増を求める人(売上・人員は5期横ばい)
建材・住宅設備の商品知識を積み上げる働き方に納得できる人明快な成果連動の評価制度を求める人(人事評価の適正感2.9)
施工管理・リフォーム・大規模修繕の経験を活かしたい人全国転勤・海外展開でキャリアを広げたい人(事業は道内が中心)
残業を抑えて働きたい人(月間残業28.7時間・有給消化率60.5%)労働組合を通じた労使交渉の仕組みを重視する人(組合は未結成)
レガシー商流のDX・業務改善に手を入れたい人(DX推進部を新設)ダイバーシティ推進の実績を重視する人(障害者雇用率1.6%で法定未達)

編集部の見解|「地味に堅い」を評価できるかどうかで判断が分かれる

編集部の見解として、クワザワホールディングスは「収益性は高くないが、財務と定着で守りが固い北海道の地場商社」という一言に集約できる会社だと考えられます。転職先として推奨できるかは、応募者が何を優先するかで正反対に振れます。

評価できる点は3つあります。第一に開示の誠実さ。持株会社でありながら事業会社2社の平均年間給与を実額で並べ、障害者雇用率の法定未達という不利な事実も明記しています。第二に財務の耐久力。ネットキャッシュ74億90百万円・実質無借金という状態は、市場が縮小する業界のなかで時間を買える立場を意味します。第三に働き方の実態が数字と整合していること。残業28.7時間・有給消化率60.5%という口コミ集計と、平均勤続12〜17年という有報の事実が、「静かに長く働く職場」という同じ像を指しています。

一方で、慎重に見るべき点も明確です。営業利益率2.1%という薄利構造のなかで、給与を急カーブで引き上げる原資は生まれにくいと考えられます。口コミの「待遇面の満足度2.6」「20代成長環境2.8」というスコアは、この構造と無関係ではないでしょう。加えて北海道依存という地域集中リスクを会社自身が認めており、道内の住宅着工と公共投資の動向が業績に直結します。総合すると、「安定と生活の可処分時間を年収の伸びより優先する人」には合理的な選択肢であり、「実力に応じた昇給スピードを最重視する人」には物足りなく感じられる可能性が高い会社です。

求職者
求職者

結局、この会社を受けるかどうかはどこで決めればいいですか?

判断の分岐点は「所属法人がどこになるか」です。株式会社クワザワの営業職として564万円のレンジで入るのか、山光運輸の470万円のレンジなのか、持株会社の管理部門として70名の枠に入るのか。同じグループでも待遇も仕事内容も別物です。求人票の会社名を必ず確認し、選考のなかで所属法人と給与テーブルを明確にしておくことをおすすめします。

クワザワホールディングスに関するよくある質問

転職・就職を検討する人からよくある疑問を、一次情報にもとづいて整理します。

平均年収はいくらですか?

第77期(2026年3月期)有価証券報告書によると、提出会社であるクワザワホールディングスの平均年間給与は6,559千円(約656万円・従業員70名)です。ただしこれは持株会社の本社機能に属する社員のみの数値で、同じ有報には中核事業会社である株式会社クワザワが5,635千円(約564万円・342名)、山光運輸株式会社が4,697千円(約470万円・145名)と記載されています。事業に携わる社員の実態に近いのは後者2社の数値です(公式情報)。

持株会社と事業会社、どちらの年収を見るべきですか?

応募する職種が所属する法人の数値です。建設資材の営業や住宅資材の提案営業であれば株式会社クワザワの5,635千円、運送関連であれば山光運輸の4,697千円、グループ経営企画や管理部門であれば提出会社の6,559千円が該当します。求人票に記載された募集企業名を確認するのが最も確実です(推定情報を含みます)。

上場している市場はどこですか?

東京証券取引所スタンダード市場と札幌証券取引所の重複上場です。1973年9月に札証へ上場し、2018年3月に東証二部、2019年3月に東証一部へ指定、2022年4月の市場区分見直しでスタンダード市場へ移行しました。2026年9月時点で、TOBや非公開化に関する開示は確認されていません(公式情報)。

労働組合はありますか?

第77期有価証券報告書に、労働組合は結成されていない旨が記載されています。ただし労使関係については特記事項の記載がありません。労働条件の改定プロセスや従業員代表の仕組みについては、選考時に直接確認することをおすすめします(公式情報)。

グループ会社はどれくらいありますか?

持株会社であるクワザワホールディングスの下に、連結子会社17社と持分法適用関連会社2社があります。建設資材、建設工事、資材運送、不動産賃貸、その他(太陽光発電・保険代理業・車両整備・施設管理など)の5セグメントで構成されています。連結従業員数は1,009名です(公式情報)。

転職判断まとめ|判断軸ごとの整理

ここまでの内容を判断軸ごとに整理します。最終的な判断は、求人票と内定時の労働条件通知書で自分のケースに引き直して確認してください。

判断軸評価と根拠
年収水準中核事業会社で約564万円(有報実額)。持株会社の656万円をそのまま期待値にしない
昇給の余地営業利益率2.1%の薄利構造。ただし株式会社クワザワは前期比+5.2%と直近は上昇(公式情報)
企業の安定性自己資本比率38.8%・ネットキャッシュ74億90百万円で実質無借金。売上・人員とも5期横ばい
働き方月間残業28.7時間・有給消化率60.5%(口コミ傾向)。平均勤続12〜17年で定着型
評価・育成人事評価の適正感2.9・20代成長環境2.8と口コミ評価は低め。制度の透明性は要確認
将来性北海道依存を会社が自認。新築縮小の逆風はあるが、受注残+19.6%とリフォーム需要が下支え
コンプライアンス内部統制は「有効」評価。一方で障害者雇用率1.6%と法定2.5%に未達(有報明記)
職種によるばらつき資材運送はセグメント赤字・給与前期比△0.5%。所属法人と職種の確認が最重要

どのサービスを使えばいいか決められないとき

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本記事の出典・参考情報

本記事で参照した一次情報・口コミ情報の出典は以下の通りです。最新の正確な数値は各リンク先で確認してください。

公式情報源

口コミ・評判の参照元

免責事項:本記事の数値・評価は公式情報・口コミ集計・市場推定の3分類で示しており、口コミ傾向や推定情報は断定ではなく傾向・可能性として表現しています。最終判断は読者自身で公式IRおよび内定時の労働条件通知書で確認してください。

この記事の編集方針・情報の確認について

この記事は、公式公開情報(有価証券報告書・IR資料)、求人情報、口コミ傾向をそれぞれ分けて整理し、転職・就職判断に役立つよう編集しています。年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数などの中核データは、第77期有価証券報告書の「従業員の状況等」を一次情報として確認し、口コミ・推定情報とは明確に区別しています。持株会社体制の企業であるため、提出会社と主要事業会社の数値を必ず併記する方針を採りました。記載内容は最終更新時点の公開情報にもとづきます。最新の正確な数値は各公式IRページでご確認ください。

著者紹介
コロ助
コロ助
企業と転職サービスを、有価証券報告書などの一次情報から読んでいます。
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